JP5589634B2 - カムレスエンジン弁開閉制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カムシャフトを廃止し、吸気バルブ及び排気バルブを電子制御するようにしたカムレスエンジン弁開閉制御装置に係り、制御系の故障、電気系の故障、機械系の故障からエンジンを保護するカムレスエンジン弁開閉制御装置に関する。
近年、エンジンに対する排気ガス規制強化と燃費改善の要求拡大に伴い、エンジンの燃焼制御が高度化している。燃焼制御のひとつとして、吸気バルブ及び排気バルブの開閉時期とリフト量をエンジンの運転状態に応じて変化させる可変動弁制御がある。カムシャフトを有するエンジンにおいてカムシャフトで決まる開閉時期とリフト量に対して変化を与える可変動弁制御が既に普及している。
これに対し、本発明者は、カムシャフトを使わずに、電磁弁で制御された油圧により、クランク角に対して機械的に固定されない開閉時期とリフト量で吸気バルブ及び排気バルブを動作させるカムレスエンジンを研究開発中である。
図3に、従来のカムレスエンジン弁開閉制御装置を示す。カムレスエンジン弁開閉制御装置は、吸気バルブと排気バルブのどちらも同じである。
シリンダヘッドに挿通されたバルブ本体601は、スプリング602によって閉弁方向に付勢されている。シリンダヘッドに取り付けられたカムレスブロックには、バルブ本体601の上端側を動作油で圧してバルブ本体601を押し下げるための油圧制御室603が設けられている。油圧制御室603には、開弁用電磁弁604からの動作油が導入されるラインが接続されている。開弁用電磁弁604には、高圧の動作油を供給する高圧油圧ポンプ605からの動作油が導入されるラインが接続されている。開弁用電磁弁604に後述する開弁パルス信号が入力されると、開弁用電磁弁604内でライン同士を塞いでいたプランジャが退くことにより、高圧の動作油が油圧制御室603に導入され、バルブ本体601が押し下げられてバルブが開くようになっている。開弁パルス信号がなくなるとプランジャが進出して油圧制御室603への動作油の導入が止まる。
油圧制御室603には、低圧の動作油を蓄える低圧供給ユニット606からのラインが接続されている。その接続口は、閉弁用電磁弁607のプランジャに取り付けられた油抜き弁によって塞がれている。閉弁用電磁弁607に後述する閉弁パルス信号が入力されると、接続口を塞いでいた油抜き弁がプランジャによって開かれ、油圧制御室603の動作油が低圧供給ユニット606に抜けるため、バルブ本体601がスプリング602によって押し上げられてバルブが閉じるようになっている。
高圧油圧ポンプ605は、クランクシャフト608により駆動される。クランクシャフト608には、クランク角度検出用のクランク角度プーリ609が取り付けられている。
クランク角度プーリ609に臨ませてクランク角度センサ610が設けられている。シリンダヘッドには、バルブ本体601の変位量であるリフト量を検出するリフト量センサ611が設けられている。高圧油圧ポンプ605からの油圧のラインには、油圧を検出する油圧センサ612が設けられている。
弁開閉制御は、ECM(Engine Control Module)、又はCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processor Unit)と呼ばれるプログラム式デジタル演算回路(以下、ECM)613においてプログラム(ソフトウェア)が実行されることで行われる。各センサの出力はECM613のIOポートに入力される。また、ECM613がIOポートから各部に指令する信号は、ドライバ614を介して各部へ出力される。
1つのバルブのために開弁用電磁弁604と閉弁用電磁弁607がひとつずつある。1つのシリンダに2つの吸気バルブと2つの排気バルブがあるので、6気筒エンジンでは、全部で24個のバルブがあり、電磁弁は48個となる。
図4(a)に示されるように、バルブのリフト量(燃焼室内への突き出し量)を制御することができる。すなわち、開弁用電磁弁604に印加する開弁パルス信号の時間幅により油圧制御室603に導入される油量を増減することで、バルブ本体601が押し下げられる距離、すなわちリフト量が制御できる。閉弁は基本的に全閉状態とし途中保持は行わないので、閉弁パルス信号の時間幅は開弁時のリフト量に対して十分余裕を持った長い時間とするのが好ましい。
図4(b)に示されるように、開弁タイミングを変化させることができる。また、図4(c)に示されるように、閉弁タイミングを変化させることができる。開弁パルス信号、閉弁パルス信号を何度のクランク角度で出力するかによりバルブを開く時期、閉じる時期が決まる。
このようにカムレスエンジンでは、開閉時期とリフト量が機械的にクランク角度に依存するのではなく、ECM613からのパルス信号により開閉時期とリフト量を自由に制御することができる。実際には、ECM613は、エンジン状態を表すエンジンパラメータに基づいて適切な開閉時期及びリフト量を求め、これに基づいて開弁パルス信号及び閉弁パルス信号を生成することになる。
再表02/079614号公報
弁開閉制御は、ECM613が出力した開弁パルス信号と閉弁パルス信号を、ドライバ614を介して電力を増幅させて開弁用電磁弁604と閉弁用電磁弁607に伝達させることで行われる。
通常は、燃焼室内に突き出したバルブ本体601と上昇してきた(または下降し始めた)ピストンヘッドが衝突することがないように、開閉時期及びリフト量を決めて開弁パルス信号及び閉弁パルス信号を出力する。しかし、何らかの理由で、開弁してはならない時期に開弁パルス信号が出力されたり、閉弁するべき時期に閉弁パルス信号が出力されなかったりすると、衝突が起きてエンジン故障の原因となる。何らかの理由とは、例えば、オペレータがECM613を外部コンピュータから操作して行う試験運転において、オペレータが誤った操作をしたために、ECM613が間違った開閉時期又はリフト量を決めてしまった場合である。このような場合に対しては、ECM613に保護ソフトウェアを書き込んでおき、不適切な開閉時期又はリフト量は、保護ソフトウェアがチェックして安全な開閉時期及びリフト量に書き換えるか又は強制的に閉弁するように対策することができる。
しかし、開閉時期及びリフト量をチェックする保護ソフトウェアでは、次のような故障に対しては対処することができない。
制御系の故障として、ECM613やドライバ614の故障がある。また、ECM613において、ソフトウェアバグ、電気的ノイズなどで生じるソフトウェアの暴走も故障のひとつである。これらの故障のため、例えば、油圧制御室603に高圧の動作油が導入されたまま低圧供給ユニット606に抜け出ない状態になると、燃焼室内に突き出したバルブ本体601にピストンヘッドが衝突してしまう。
電気系・機械系の故障として、ドライバ614と開弁用電磁弁604又は閉弁用電磁弁607とを繋ぐ信号線の断線、開弁用電磁弁604又は閉弁用電磁弁607の故障などがある。これらの故障が起きると、制御系が正常に動作していても、油圧制御室603に高圧の動作油が導入されたまま低圧供給ユニット606に抜け出ない状態になり、燃焼室内に突き出したバルブ本体601にピストンヘッドが衝突してしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、制御系の故障、電気系の故障、機械系の故障からエンジンを保護するカムレスエンジン弁開閉制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、シリンダヘッドに挿通されたバルブ本体と、前記バルブ本体を閉弁方向に付勢するスプリングと、前記シリンダヘッドの外部から前記バルブ本体を動作油で圧することにより、前記スプリングに抗して前記バルブ本体をリフトさせる油圧制御室と、動作コイルに駆動電流が流れている間、前記油圧制御室に動作油を導入する開弁用電磁弁と、動作コイルに駆動電流が流れている間、前記油圧制御室から動作油を抜き出す閉弁用電磁弁と、前記開弁用電磁弁を動作させたい時間幅だけオンとなる開弁パルス信号及び前記閉弁用電磁弁を動作させたい時間幅だけオンとなる閉弁パルス信号をIOポートから出力するようにプログラムが書き込まれたプログラム式デジタル演算回路と、前記開弁パルス信号がオンのとき前記開弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加し、前記閉弁パルス信号がオンのとき前記閉弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加するドライバとを備えた弁開閉制御装置において、前記油圧制御室に入口が接続されたワンウェイバルブと、前記ワンウェイバルブの出口に接続された強制閉弁用制御室と、前記強制閉弁用制御室から動作油を抜き出すことにより、前記油圧制御室から動作油を抜き出して前記バルブ本体を強制閉弁させるための強制閉弁用電磁弁とを備え、前記強制閉弁用電磁弁は、動作コイルに駆動電流が流れているとき、前記強制閉弁用制御室から動作油を抜き出す第一強制閉弁用電磁弁と、動作コイルに駆動電流が流れていないとき、前記強制閉弁用制御室から動作油を抜き出す第二強制閉弁用電磁弁とを備えたものである。
前記プログラム式デジタル演算回路は、前記油圧制御室から前記強制閉弁用制御室への動作油の抜き出しをしないときは、前記第一強制閉弁用電磁弁のためのオフの信号と前記第二強制閉弁用電磁弁のためのオンの信号とをIOポートから出力し、前記油圧制御室から前記強制閉弁用制御室への動作油の抜き出しをするときは、前記第一強制閉弁用電磁弁のためのオンの信号と前記第二強制閉弁用電磁弁のためのオフの信号とをIOポートから出力するようにプログラムが書き込まれ、前記ドライバは、前記第一強制閉弁用電磁弁のための信号がオンのとき前記第一強制閉弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加し、前記第二強制閉弁用電磁弁のための信号がオンのとき前記第二強制閉弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加してもよい。
前記バルブ本体の変位量であるリフト量を検出するリフト量センサを備え、前記プログラム式デジタル演算回路は、閉弁パルス信号を出力してもリフト量に変化がないとき、前記強制閉弁用電磁弁により強制閉弁するようにプログラムが書き込まれていてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)制御系の故障からエンジンを保護することができる。
(2)電気系の故障からエンジンを保護することができる。
(3)機械系の故障からエンジンを保護することができる。
本発明の一実施形態を示すカムレスエンジン弁開閉制御装置の構成図である。 本発明の他の実施形態のカムレスエンジン弁開閉制御装置の部分詳細図である。 従来のカムレスエンジン弁開閉制御装置の構成図である。 (a)は可変リフト量を説明する図、(b)は開弁タイミング可変を説明する図、(c)は閉弁タイミング可変を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係るカムレスエンジン弁開閉制御装置(以下、弁開閉制御装置)101は、図3に示した従来の弁開閉制御装置に加えて、油圧制御室603に入口が接続されたワンウェイバルブ102と、ワンウェイバルブ102の出口に接続された強制閉弁用制御室103とを備える。
弁開閉制御装置101は、強制閉弁用制御室103から動作油を抜き出すことにより、油圧制御室603から動作油を抜き出してバルブ本体601を強制閉弁させるための強制閉弁用電磁弁として、図示しない動作コイルに駆動電流が流れているとき、強制閉弁用制御室103から動作油を抜き出す第一強制閉弁用電磁弁104と、動作コイルに駆動電流が流れていないとき、強制閉弁用制御室103から動作油を抜き出す第二強制閉弁用電磁弁105とを備える。
強制閉弁用制御室103には、低圧供給ユニット606からのラインが2つ接続されている。各接続口は、第一強制閉弁用電磁弁104のプランジャに取り付けられた油抜き弁と第二強制閉弁用電磁弁105のプランジャに取り付けられた油抜き弁によってそれぞれ塞がれている。
第一強制閉弁用電磁弁104と第二強制閉弁用電磁弁105は、動作特性が互いに異なる電磁弁である。第一強制閉弁用電磁弁104は、動作コイルに駆動電流が流れたときプランジャが油抜き弁を開放することで、強制閉弁用制御室103の動作油が低圧供給ユニット606に抜けるようになっている。動作コイルに駆動電流が流れないときは油抜き弁は閉塞する。これに対し、第二強制閉弁用電磁弁105は、動作コイルに駆動電流が流れないとき、プランジャが油抜き弁を開放することで、強制閉弁用制御室103の動作油が低圧供給ユニット606に抜けるようになっている。動作コイルに駆動電流が流れたときは、油抜き弁は閉塞する。
強制閉弁用制御室103には、高圧油圧ポンプ605からのラインが接続されている。これにより、第一強制閉弁用電磁弁104と第二強制閉弁用電磁弁105が共に油抜き弁を閉塞させているときは、強制閉弁用制御室103内には高圧の動作油が満たされることになる。
しかし、第一強制閉弁用電磁弁104と第二強制閉弁用電磁弁105のいずれか一方でも油抜き弁を開放していると、強制閉弁用制御室103内は低圧となる。このとき、油圧制御室603内に高圧の動作油が満たされていると、ワンウェイバルブ102を介して強制閉弁用制御室103に動作油が抜けるため、油圧制御室603内も低圧となる。強制閉弁用制御室103内に高圧の動作油が満たされ、油圧制御室603の動作油が抜き出されて低圧となっているときは、ワンウェイバルブ102が動作油の逆流を遮る。
本発明の弁開閉制御装置101にあっては、プログラム式デジタル演算回路(以下、ECM)106は、従来からあるプログラムに加えて、強制閉弁のプログラム、すなわち油圧制御室603から強制閉弁用制御室103への動作油の抜き出しをしないときは、第一強制閉弁用電磁弁104のためのオフの信号(駆動電流が流れないようにする信号;論理レベルのHとするかLとするかは任意)と第二強制閉弁用電磁弁105のためのオンの信号(駆動電流が流れるようにする信号;論理レベルはオフの信号の逆)とをIOポートから出力し、油圧制御室603から強制閉弁用制御室103への動作油の抜き出しをするときは、第一強制閉弁用電磁弁104のためのオンの信号と第二強制閉弁用電磁弁105のためのオフの信号とをIOポートから出力するプログラムが書き込まれている。
また、本発明の弁開閉制御装置101にあっては、ECM106は、閉弁用電磁弁607に対して閉弁パルス信号を出力してもリフト量センサ611が検出するリフト量に変化がないとき、強制閉弁を行うべく、第一強制閉弁用電磁弁104のためのオンの信号と第二強制閉弁用電磁弁105のためのオフの信号とを出力するプログラムが書き込まれている。
ドライバ614は、従来より、開弁パルス信号がオンのとき開弁用電磁弁604の動作コイルに駆動電流を印加し、閉弁パルス信号がオンのとき閉弁用電磁弁607の動作コイルに駆動電流を印加するようになっている。本発明では、さらに、ドライバ614は、第一強制閉弁用電磁弁104のための信号がオンのとき第一強制閉弁用電磁弁104の動作コイルに駆動電流を印加し、第二強制閉弁用電磁弁105のための信号がオンのとき第二強制閉弁用電磁弁105の動作コイルに駆動電流を印加するようになっている。
以下、本発明の弁開閉制御装置101の動作を説明する。
まず、通常の場合を説明する。
通常の場合とは、ECM106のハードウェア故障がなく、ソフトウェアバグやソフトウェアの暴走もない状態であり、ドライバ614の故障がなく、信号線の断線もなく、全ての電磁弁に故障がない状態である。
ECM106は、起動時、第一強制閉弁用電磁弁104のためのオフの信号(駆動電流が流れないようにする信号)と第二強制閉弁用電磁弁105のためのオンの信号(駆動電流が流れるようにする信号)とをIOポートから出力する。これにより、第一強制閉弁用電磁弁104の動作コイルには駆動電流が流れないので、第一強制閉弁用電磁弁104の油抜き弁が閉塞される。同時に、第二強制閉弁用電磁弁105の動作コイルには駆動電流が流れるので、第二強制閉弁用電磁弁105の油抜き弁も閉塞される。この結果、強制閉弁用制御室103内には、高圧油圧ポンプ605から導入された高圧の動作油が満たされる。
ECM106は、エンジンパラメータに基づいて吸気バルブ及び排気バルブの適切な開閉時期及びリフト量を求め、これに基づいて開弁パルス信号及び閉弁パルス信号を生成し、IOポートから出力する。ドライバ614は、開弁パルス信号がオンのとき開弁用電磁弁604の動作コイルに駆動電流を印加し、閉弁パルス信号がオンのとき閉弁用電磁弁607の動作コイルに駆動電流を印加する。この結果、油圧制御室603には油圧ポンプ605から動作油が導入され、その動作油が低圧供給ユニット606に抜き出されて、バルブ本体601が開閉制御される。この間、油圧制御室603と強制閉弁用制御室103は、ワンウェイバルブ102によって遮断されており、油圧制御室603は強制閉弁用制御室103から独立して動作油を給排される。
次に、閉弁用電磁弁607が故障した場合を説明する。
閉弁用電磁弁607に閉弁パルス信号を出力しても閉弁用電磁弁607が動作しなくなると、開弁用電磁弁604の動作によって燃焼室内に突き出されたバルブ本体601が元へ戻らなくなる。ECM106は、閉弁パルス信号を出力してもリフト量センサ611が検出するリフト量に変化がないことから、閉弁用電磁弁607が故障したと判断し、第一強制閉弁用電磁弁104のためのオンの信号と第二強制閉弁用電磁弁105のためのオフの信号とを出力する。これにより、第一強制閉弁用電磁弁104と第二強制閉弁用電磁弁105においてそれぞれ油抜き弁が開放され、強制閉弁用制御室103内は低圧となる。油圧制御室603からワンウェイバルブ102を介して強制閉弁用制御室103に動作油が抜けるため、油圧制御室603内も低圧となり、バルブ本体601が元へ戻る。バルブ本体601にピストンヘッドが衝突することが回避される。
このように、閉弁用電磁弁607が故障して閉弁できなくなっても、本発明により、強制閉弁させることができる。この動作は、閉弁用電磁弁607自体の故障に限らず、ドライバ614と閉弁用電磁弁607とを繋ぐ信号線が断線したために閉弁できない場合でも、有効である。
開弁用電磁弁604が故障した場合は、開弁パルス信号を出力してもリフト量センサ611が検出するリフト量に変化がないことから判断できるが、この場合、バルブ本体601は開弁していないのであるから強制閉弁する必要はない。
ECM106は、このようなバルブの故障に対してエンジンを停止すると共に、バルブが故障した旨及び強制閉弁を行った旨を警報してもよい。
次に、ECM106又はドライバ614が故障した場合を説明する。
ECM106がハードウェア故障、ソフトウェア暴走などの故障状態になると、IOポートの複数の出力が全てオンに固定となるか、又は、全てオフに固定となる。
IOポートの複数の出力が全てオンに固定となる場合、ドライバ614が正常だとすると、第一強制閉弁用電磁弁104と第二強制閉弁用電磁弁105の動作コイルにそれぞれ駆動電流が流される。第二強制閉弁用電磁弁105は動作コイルに駆動電流が流れたことで油抜き弁が閉塞されるが、第一強制閉弁用電磁弁104は動作コイルに駆動電流が流れたことで油抜き弁が開放され、油圧制御室603からワンウェイバルブ102を介して強制閉弁用制御室103に動作油が抜ける。燃焼室内に突き出されていたバルブ本体601は元へ戻り、また、新たにバルブ本体601が突き出されることがない。このように強制閉弁をすることによって、バルブ本体601にピストンヘッドが衝突することが回避される。
IOポートの複数の出力が全てオフに固定となる場合、ドライバ614が正常だとすると、第一強制閉弁用電磁弁104と第二強制閉弁用電磁弁105の動作コイルのいずれにも駆動電流が流されない。第一強制閉弁用電磁弁104は油抜き弁が閉塞されるが、第二強制閉弁用電磁弁105は油抜き弁が開放され、油圧制御室603からワンウェイバルブ102を介して強制閉弁用制御室103に動作油が抜けて、強制閉弁となる。
ドライバ614によって、全ての動作コイルに駆動電流が流されてしまう場合も、全ての動作コイルに駆動電流が流されない場合も、前述のECM106の故障と同様に、第一強制閉弁用電磁弁104と第二強制閉弁用電磁弁105のいずれかによって強制閉弁用制御室103の油抜き弁が開放されるため、強制閉弁となる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図1では、1つのバルブについてのみ説明したが、複数気筒エンジンのn個(nは気筒数の4倍)のバルブについて図1のように独立にする必要はなく、強制閉弁用制御室103、第一強制閉弁用電磁弁104、第二強制閉弁用電磁弁105は、共通にしてよい。例えば、同じ気筒の排気バルブ同士、あるいは吸気バルブ同士について、強制閉弁用制御室103、第一強制閉弁用電磁弁104、第二強制閉弁用電磁弁105を共通にしてもよい。また、図2に示されるように、全ての気筒について、共通強制閉弁用制御室401、共通第一強制閉弁用電磁弁402、共通第二強制閉弁用電磁弁403を設けてもよい。共通強制閉弁用制御室401には#1〜#nのラインを接続し、各々のライン#1〜#nを各バルブの油圧制御室603にワンウェイバルブ102を介して接続する。
いずれかひとつのバルブにおいて、前述したような故障が生じると、共通第一強制閉弁用電磁弁402、共通第二強制閉弁用電磁弁403のいずれかひとつ又は両方の働きにより、共通強制閉弁用制御室401の油抜き弁が開放されるため、強制閉弁となる。なお、共通強制閉弁用制御室401が低圧となることで、全てのバルブの油圧制御室603の動作油が導出可能となるが、実際のエンジン運転中には、同時に多くの油圧制御室603が高圧になっていることはなく、バルブに故障が起きた気筒の当該バルブと対のバルブ(当該バルブが排気バルブなら排気バルブ)において油圧制御室603が同時に高圧になっている程度である。
以上説明したように、本発明の弁開閉制御装置101によれば、閉弁用電磁弁607のほかに閉弁の油圧制御系統として強制閉弁用電磁弁(第一強制閉弁用電磁弁104、第二強制閉弁用電磁弁105)を設けたので、閉弁用電磁弁607が故障してもバルブ本体601を強制閉弁できる。
本発明の弁開閉制御装置101によれば、互いに特性が異なる第一強制閉弁用電磁弁104、第二強制閉弁用電磁弁105を並設したので、ECM106が故障してもバルブ本体601を強制閉弁できる。
本発明の弁開閉制御装置101では、開弁用と閉弁用の全ての電磁弁を二重化又は三重化するのではなく、閉弁用の電磁弁のみを二重化又は三重化したので、全ての電磁弁を二重化又は三重化するよりもコスト上昇を抑えることができる。
101 弁開閉制御装置
102 ワンウェイバルブ
103 強制閉弁用制御室
104 第一強制閉弁用電磁弁
105 第二強制閉弁用電磁弁
106 ECM
601 バルブ本体
602 スプリング
603 油圧制御室
604 開弁用電磁弁
607 閉弁用電磁弁

Claims (3)

  1. シリンダヘッドに挿通されたバルブ本体と、
    前記バルブ本体を閉弁方向に付勢するスプリングと、
    前記シリンダヘッドの外部から前記バルブ本体を動作油で圧することにより、前記スプリングに抗して前記バルブ本体をリフトさせる油圧制御室と、
    動作コイルに駆動電流が流れている間、前記油圧制御室に動作油を導入する開弁用電磁弁と、
    動作コイルに駆動電流が流れている間、前記油圧制御室から動作油を抜き出す閉弁用電磁弁と、
    前記開弁用電磁弁を動作させたい時間幅だけオンとなる開弁パルス信号及び前記閉弁用電磁弁を動作させたい時間幅だけオンとなる閉弁パルス信号をIOポートから出力するようにプログラムが書き込まれたプログラム式デジタル演算回路と、
    前記開弁パルス信号がオンのとき前記開弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加し、前記閉弁パルス信号がオンのとき前記閉弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加するドライバとを備えた弁開閉制御装置において、
    前記油圧制御室に入口が接続されたワンウェイバルブと、
    前記ワンウェイバルブの出口に接続された強制閉弁用制御室と、
    前記強制閉弁用制御室から動作油を抜き出すことにより、前記油圧制御室から動作油を抜き出して前記バルブ本体を強制閉弁させるための強制閉弁用電磁弁とを備え
    前記強制閉弁用電磁弁は、動作コイルに駆動電流が流れているとき、前記強制閉弁用制御室から動作油を抜き出す第一強制閉弁用電磁弁と、動作コイルに駆動電流が流れていないとき、前記強制閉弁用制御室から動作油を抜き出す第二強制閉弁用電磁弁とを備えたことを特徴とするカムレスエンジン弁開閉制御装置。
  2. 前記プログラム式デジタル演算回路は、前記油圧制御室から前記強制閉弁用制御室への動作油の抜き出しをしないときは、前記第一強制閉弁用電磁弁のためのオフの信号と前記第二強制閉弁用電磁弁のためのオンの信号とをIOポートから出力し、前記油圧制御室から前記強制閉弁用制御室への動作油の抜き出しをするときは、前記第一強制閉弁用電磁弁のためのオンの信号と前記第二強制閉弁用電磁弁のためのオフの信号とをIOポートから出力するようにプログラムが書き込まれ、
    前記ドライバは、前記第一強制閉弁用電磁弁のための信号がオンのとき前記第一強制閉弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加し、前記第二強制閉弁用電磁弁のための信号がオンのとき前記第二強制閉弁用電磁弁の動作コイルに駆動電流を印加することを特徴とする請求項1記載のカムレスエンジン弁開閉制御装置。
  3. 前記バルブ本体の変位量であるリフト量を検出するリフト量センサを備え、
    前記プログラム式デジタル演算回路は、閉弁パルス信号を出力してもリフト量に変化がないとき、前記強制閉弁用電磁弁により強制閉弁するようにプログラムが書き込まれていることを特徴とする請求項1記載のカムレスエンジン弁開閉制御装置。
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