JPH06272522A - 弁駆動装置 - Google Patents

弁駆動装置

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JPH06272522A
JPH06272522A JP5076969A JP7696993A JPH06272522A JP H06272522 A JPH06272522 A JP H06272522A JP 5076969 A JP5076969 A JP 5076969A JP 7696993 A JP7696993 A JP 7696993A JP H06272522 A JPH06272522 A JP H06272522A
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JP
Japan
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valve
intake
plunger
pressure
hydraulic
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JP5076969A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yorita
浩 頼田
Toshihiko Ito
猪頭  敏彦
Yasuyuki Sakakibara
康行 榊原
Moriyasu Goto
守康 後藤
Kazuhide Watanabe
和英 渡辺
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Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L9/00Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically
    • F01L9/10Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically by fluid means, e.g. hydraulic
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • F01L2001/34423Details relating to the hydraulic feeding circuit
    • F01L2001/34446Fluid accumulators for the feeding circuit
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関の吸排気弁に対して十分な長さの開
弁期間を与え得る小型で低コストの、且つ制御の自由度
が高い油圧式の弁駆動装置を提供する。 【構成】 内燃機関によって駆動されてプランジャ14
が回転と同時に往復運動をすることにより、低圧室20
から圧力室17内に吸入された作動油は加圧されて吐出
通路22の開口22aと合致した吐出ポート23へ吐出
され、高圧通路25を経て油圧シリンダ9へ供給されて
吸排気弁1を開弁させる。作動油の追加供給が停止する
と吸排気弁1はその時の弁リフトを維持して開弁状態を
継続する。プランジャ14が回転して高圧通路25がリ
リーフチャンネル29と連通すると共に、リリーフチャ
ンネル29がリリーフポート32と連通した状態でリリ
ーフ弁33が開弁するというように所定の閉弁時期に減
圧機構が作動すると、油圧シリンダ9の作動油の圧力が
低下して吸排気弁1は閉弁する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸排気弁の
駆動装置に係り、特に油圧を利用してバルブタイミング
を自由に調整することができるバルブタイミング可変機
構を有する弁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸排気弁の駆動装置におい
て、従来から知られているバルブタイミング可変機構と
しては、クランクシャフトによって駆動されるタイミン
グプーリとカムシャフトとの連結部分に挿入して、タイ
ミングプーリに対するカムシャフトの位相を、油圧によ
って制御されるカム機構によって変化させるものとか、
ドイツ特許第3909822号明細書に記載されている
ように、吸排気弁を機械的に駆動するカムシャフトを使
用しないで、ディーゼルエンジン用の列型燃料噴射ポン
プと実質的に同様な構造を有する高圧の油圧ポンプを用
いて、吸排気弁に取り付けられた油圧シリンダに油圧を
制御して供給し、その油圧によって吸排気弁を直接に開
閉駆動するもの等がある。
【0003】従来技術の前者においては、バルブタイミ
ング可変機構によって変化させ得るものはタイミングプ
ーリに対するカムシャフトの位相だけであるから、制御
の自由度が比較的低いという欠点があり、後者において
は制御の自由度が比較的高いものの、列型の燃料噴射ポ
ンプと同様に、機関のシリンダの数と同数のシリンダを
有する比較的大型の油圧ポンプの設置を必要とするし、
関連する機器の構成も複雑になり、必要とするスペース
やコストの面で不利な点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】後者の従来技術の問題
を解決するための一つの手段として、比較的小型のディ
ーゼルエンジンにおいては列型の燃料噴射ポンプに代え
て分配型の燃料噴射ポンプが使用されていることに倣っ
て、吸排気弁駆動用の油圧系統にも分配型の燃料噴射ポ
ンプと同様な構造の分配型の油圧ポンプを使用すること
が容易に考えられる。
【0005】この場合は機関のクランクシャフトの2分
の1の速度で回転する唯一基の分配型油圧ポンプによっ
て、機関の全てのシリンダの吸排気弁を順番に開閉する
ことになるから、例えば4気筒の4サイクル機関におい
ては、1つの気筒の吸気弁又は排気弁の開弁期間は、最
大でも機関のクランクシャフトの回転角で180°、油
圧ポンプの回転角にして90°を越えることができな
い。いうまでもなく6気筒とか8気筒のように気筒数が
更に多い機関では吸排気弁の開弁時間がいっそう短くな
る。ところが、一般に内燃機関の吸排気弁の開弁期間
は、機関の回転角で220°〜240°(油圧ポンプの
回転角で110°〜120°)程度必要であるから、こ
の場合は吸排気弁にとって必要な開弁時間を確保するこ
とができず、内燃機関としての実用性が得られないこと
になる。
【0006】本発明は、従来技術のこのような問題を解
決することを発明の目的とし、より具体的にいえば、分
配型の燃料噴射ポンプと同様な構造を有する油圧ポンプ
を利用しても前述のような問題を生じることがなく、内
燃機関の吸排気弁に対して十分な長さの開弁期間を与え
得るような、比較的小型で低コストの、且つ制御の自由
度が高い新規な油圧式の弁駆動装置を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための基本的な手段として、内燃機関によって
駆動されて回転すると共に回転の軸線方向に往復運動も
するプランジャと、シリンダブロック内に形成されて前
記プランジャを液密に受け入れるシリンダと、その中に
作動油を貯溜し得る少なくとも1つの低圧側の室と、前
記プランジャの端部の前記シリンダブロック内に形成さ
れ前記プランジャの運動によって前記低圧側の室の作動
油を吸入して加圧する圧力室と、前記プランジャ内に形
成されて前記圧力室に連通すると共に前記プランジャの
円柱面に少なくとも1個の開口を有する吐出通路と、前
記プランジャの回転運動によって前記吐出通路の開口と
合致したときに前記圧力室において加圧された作動油を
受け取るように前記シリンダブロック内に形成された吐
出ポートと、前記吐出ポートに高圧通路を介して接続さ
れる弁駆動用の油圧シリンダと、前記油圧シリンダに液
密に挿入されて前記高圧通路から加圧された作動油を受
け取ったときに前記内燃機関の吸排気弁を開弁させる力
を発生する油圧ピストンと、前記高圧通路にある加圧さ
れた作動油を前記低圧側の室へ放出して前記吸排気弁を
閉弁させるために前記プランジャに形成され前記プラン
ジャの前記円柱面に少なくとも1つの開口を有すること
によって前記高圧通路を前記低圧側の室へ連通させ得る
少なくとも1つのリリーフチャンネルと、前記シリンダ
ブロック内に形成され前記プランジャの回転運動によっ
て前記リリーフチャンネルの前記開口と連通し得る位置
に開口する少なくとも1つのリリーフポートと、前記リ
リーフポートと前記低圧側の室との間に挿入され前記吸
排気弁の閉弁時期を制御する減圧機構とを備えている弁
駆動装置を提供する。
【0008】
【作用】プランジャが内燃機関によって駆動されて回転
すると共に軸線方向に往復運動をすることにより、低圧
側の室から圧力室内に吸入された作動油は加圧されて吐
出通路の開口と合致したシリンダブロック内の吐出ポー
トへ吐出され、高圧通路を経て油圧シリンダへ供給され
て油圧ピストンを押し下げることにより吸排気弁を開弁
させる。油圧シリンダへの作動油の追加供給が停止する
と吸排気弁はその時の弁リフトを維持して開弁状態を継
続する。プランジャが回転して高圧通路がリリーフチャ
ンネルと連通すると共に、そのリリーフチャンネルが少
なくとも1つのリリーフポートと連通している状態でリ
リーフ弁が開弁するというように所定の閉弁時期に減圧
機構が作動すると、油圧シリンダの作動油の圧力が低下
して吸排気弁は閉弁する。
【0009】
【実施例】図1に本発明の第1実施例の弁駆動装置の全
体構成を示す。周知のものと同様に吸気弁又は排気弁
(略して吸排気弁という)1は、機関のシリンダヘッド
2の吸気通路又は排気通路の末端のポート3と燃焼室4
との間を開閉するように設けられ、そのステム1aはバ
ルブガイド5を通って、図示しないヘッドカバー6によ
って形成される空間内へ突出している。ステム1aには
リテーナ7が取り付けられ、リテーナ7とシリンダヘッ
ド2との間には圧縮ばねであるバルブスプリング8が挿
入されて、吸排気弁1を常に閉弁位置に向かって付勢し
ている。ヘッドカバー6には各吸排気弁1に対応して油
圧シリンダ9が形成され、各油圧シリンダ9には油圧ピ
ストン10が液密に挿入されて、その一端が吸排気弁1
のステム1aの先端に当接している。以上の構成は従来
の油圧式の弁駆動装置の構成と実質的に同様である。
【0010】油圧ピストン10を介して吸排気弁1を開
閉駆動するために、本発明においては分配型の油圧ポン
プ11が設けられるが、この油圧ポンプ11の構造は、
小型のディーゼルエンジン用として良く知られている分
配型の燃料噴射ポンプと実質的に同様な構造を有する。
即ち、分配型の油圧ポンプ11はシリンダブロック12
に穿孔された唯一のポンプシリンダ13を有し、その中
に唯一のプランジャ14が液密に挿入されている。プラ
ンジャ14にはそれと一体に円形のフェイスカム15が
取り付けられており、フェイスカム15の左端面の周縁
部に形成された波形のカム面15aは、図示しない圧縮
スプリングによって付勢されることによって、所定の位
置に置かれているカムローラ16と接触している。
【0011】プランジャ14は図示しない伝動機構によ
って機関のクランクシャフトに連結され、クランクシャ
フトの2分の1の回転速度で回転するが、フェイスカム
15の波形のカム面15aは定位置にあるカムローラ1
6に常に押しつけられているので、その回転によってプ
ランジャ14の軸線方向の往復運動を強制され、プラン
ジャ14はポンプシリンダ13内で回転しながら同時に
軸線方向にも往復運動をすることになる。プランジャ1
4の往復運動によってポンプシリンダ13内に形成され
た圧力室17の容積が拡大、縮小を繰り返すので、圧力
室17によってポンプ作用が営まれ、またプランジャ1
4の回転運動によって、多気筒機関の各シリンダのシリ
ンダヘッド2に設けられた吸排気弁1の油圧シリンダ9
へ、加圧した作動油を順次に分配することができる。
【0012】分配型の油圧ポンプ11のシリンダブロッ
ク12には吸入ポート18が形成され、低圧通路19を
介して「低圧側の室」、この例においてはフェイスカム
15やカムローラ16等を収容している低圧室20に通
じている。低圧室20には、図示しない作動油タンクに
貯蔵されている作動油がフィードポンプによって所定の
低圧に加圧されて供給され、空間に充満している。もっ
とも、場合によっては作動油タンクとフィードポンプを
使用しないで、低圧室20に大気圧の作動油を貯蔵して
もよい。プランジャ14には制御対象の吸排気弁1の数
だけの吸入溝21が周上の均等位置に配置されて軸線方
向に形成され、プランジャ14が左方へ移動する油圧ポ
ンプ11の吸入行程において、その回転運動によって順
次吸入ポート18に連通して、低圧室20から作動油を
圧力室17内に吸入することができる。
【0013】プランジャ14には吐出通路22が形成さ
れており、ポンプシリンダ13との摺動面には拡大され
た開口22aが形成されている。ポンプシリンダ13の
内面には、プランジャ14の回転方向及び軸線方向の移
動に応じて吐出通路22の開口22aと連通し得るよう
に、駆動対象となる吸排気弁1に対応する数の吐出ポー
ト23が周上に均等に配置されて開口しており、例えば
鋼球とそれを付勢するスプリングからなるチェック弁2
4を介して、各吸排気弁1に対してそれぞれ設けられた
高圧通路25に連通している。
【0014】プランジャ14の運動によって圧力室17
内に生成される高圧の作動油の一部を任意の時期に低圧
室20へバイパスさせて、吸排気弁1の油圧シリンダ9
へ供給する作動油の圧力を低下させるために、圧力室1
7と低圧室20に通じる低圧通路19との間にはスピル
弁26が設けられる。スピル弁26は、例えば電磁弁の
ような電気的に制御可能な弁であって、電子式制御装置
(ECU)27によって、ドライバ(駆動回路)28を
介して開閉制御される。そのために、ECU27には、
機関のエアフローメータやディストリビュータ等に設け
られた各種のセンサ類から、機関の負荷を示す吸気量信
号や、回転角信号、更に基準位置として特定の気筒のピ
ストンが上死点に来たときに発せられる基準位置信号等
が入力されており、その記憶装置には吸排気弁1の最適
の開閉時期、弁リフトのデータ等が格納されていて、E
CU27はそれらのデータに基づいて演算することによ
り制御信号をドライバ28等に出力するようになってい
る。
【0015】本発明の最大の特徴に対応して、図1に示
す第1実施例ではプランジャ14に軸線方向にリリーフ
チャンネル29と名付ける通路が形成されており、その
一端はポンプシリンダ13との摺動面における1個の開
口29aとなっている。開口29aはプランジャ14の
回転運動によって、シリンダ13の均等の位置に対象と
なる吸排気弁1の数だけ開口している第1のリリーフポ
ート30と順次連通するようになっており、リリーフポ
ート30は前述の高圧通路25によって各吸排気弁1の
油圧シリンダ9に接続している。
【0016】リリーフチャンネル29は半径方向の通路
を具えていて、プランジャ14の周囲に形成された軸線
方向に幅の広い環状溝31と連通している。そして、環
状溝31と常時連通する位置においてシリンダブロック
12には第2のリリーフポート32が1本だけ形成さ
れ、それと低圧室20との間にリリーフ弁33が設けら
れる。リリーフ弁33は、スピル弁26と同じく電磁弁
のような電気的に制御可能な弁であって、ECU27に
よりドライバ34を介して自動的に開閉制御される。こ
の場合、リリーフ弁33は全ての吸排気弁1の油圧シリ
ンダ9に対して共通のものとして唯1個だけ設けるだけ
でよい。リリーフ弁33が開弁すると、リリーフチャン
ネル29が低圧室20に連通して、開口29aがその時
に連通しているいずれか1つのリリーフポート30を介
して、それに連通する油圧シリンダ9内に維持されてい
る高圧の作動油を低圧室20内へ放出し、バルブスプリ
ング8の力により吸排気弁1を閉弁させることができ
る。
【0017】更に、第1実施例の別の特徴として、プラ
ンジャ14のリリーフチャンネル29には、半径方向の
通路によってポンプシリンダ13との摺動面に別に1個
の開口29bが形成されており、開口29bは、プラン
ジャ14が所定の回転位置まで来たときに低圧室20と
連通して、リリーフ弁33の開閉と関係なく、そのとき
にリリーフチャンネル29と連通している高圧通路25
及び油圧シリンダ9内の高圧の作動油を低圧室20内へ
放出することができるように、駆動対象となる吸排気弁
1の数だけの第3のリリーフポート35がシリンダブロ
ック12内に形成され、それらは低圧室20と常時連通
している。
【0018】次に、図1に示す第1実施例の弁駆動装置
の作動を説明する。プランジャ14が回転駆動される
と、フェイスカム15とカムローラ16との係合によっ
て、同時に軸線方向の往復運動もするようになるから、
吸入行程において吸入溝21が低圧通路19の吸入ポー
ト18と合致したときに、低圧室20内の低圧の作動油
は圧力室17内に吸入される。プランジャ14が圧縮行
程に入ると圧力室17内の作動油は圧縮されて圧力が上
昇するが、ECU27がドライバ28を介してスピル弁
26を開弁させている間は、圧力室17内の作動油が低
圧通路19を通って低圧室20へ放出されるので作動油
の圧力は上昇せず、吸排気弁1を開弁させる作用は生じ
ない。
【0019】ポンプシリンダ13の圧縮行程において、
スピル弁26がECU27によって閉弁されたときは圧
力室17内の作動油は加圧されて高圧となるが、そのと
きに吐出通路22の開口22aがいずれか1つの吐出ポ
ート23と連通していれば、圧力室17内の高圧の作動
油は吐出通路22から吐出ポート23に入り、チェック
弁24を押し開いて高圧通路25へ吐出され、油圧シリ
ンダ9に供給されて油圧ピストン10を押し下げる。そ
れによって1つの吸排気弁1をバルブスプリング8に抗
して開弁させる。
【0020】このようにして吸排気弁1が開弁して行く
途中でECU27がスピル弁26を開弁させると、圧力
室17の作動油の圧力が低下することからチェック弁2
4が閉弁し、それ以上のリフトを吸排気弁1に与えるこ
とがない。従って、吸排気弁1は与えられたリフト量を
維持して開弁状態を継続することになる。この作用によ
って、吸排気弁1に対して任意の時期に任意の開度の開
弁状態を与えることができると共に、その開弁状態を継
続させることができる。いうまでもなく、一旦開弁する
と、プランジャ14が回転して吐出通路22の開口22
aが次の吐出ポート23に連通することにより別の吸排
気弁1が開弁しても、それとは無関係に先の吸排気弁1
は与えられたリフトの開弁状態を維持することができ
る。
【0021】更にプランジャ14が回転して、リリーフ
チャンネル29の開口29bが高圧通路25のリリーフ
ポート30と合致すると共に、ECU27がリリーフ弁
33を開弁させると、高圧通路25内の高圧の作動油が
リリーフポート32を通って低圧室20へ放出されるた
め、油圧シリンダ9内の圧力が低下して吸排気弁1はバ
ルブスプリング8によって閉弁させられる。従って、吸
排気弁1の閉弁時期は他の吸排気弁1と無関係にリリー
フ弁33によって制御することができ、前述のように吸
排気弁1の開弁時期を自由に選択することができること
と相まって、開弁期間の長さを自由に制御することがで
きる。
【0022】もし、リリーフ弁33やそれを制御するド
ライバ34等が故障して開弁しないときでも、プランジ
ャ14が更に回転してリリーフチャンネル29の開口2
9bがリリーフポート35と連通するときに、高圧通路
25及び油圧シリンダ9の圧力が低圧室20へ放出され
る結果、吸排気弁1は強制的に閉弁させられる。その意
味で、リリーフポート35とリリーフチャンネル29の
開口29bは、第1実施例の弁駆動装置における安全装
置を形成している。
【0023】以上説明した作動をタイムチャートとして
示したものが図2である。例として駆動対象とする吸排
気弁1は#1〜#4の4個とし、プランジャ14が1回
転する間に順次所定の期間だけ開弁したのち閉弁するも
のとする。図2において共通の横軸には時間の経過を示
すプランジャ14の回転角(ポンプ回転角)をとり、縦
軸には上から順に、プランジャ14の軸線方向の移動量
(ストローク)、吸入ポート18といずれかの吸入溝2
1とが連通する吸入ポート開時間、吐出通路22といず
れかの吐出ポート23とが連通する吐出ポート開時間、
リリーフチャンネル29の開口29aが第1のリリーフ
ポート30と連通する第1リリーフポート開期間、リリ
ーフチャンネル29の開口29bが第3のリリーフポー
ト35と連通する第3リリーフポート開期間、リリーフ
弁33がECU27の指令によって開弁時期を変更する
場合の開弁期間、同じく、スピル弁26がECU27の
指令によって開弁時期及び閉弁時期を変更する場合の開
弁期間、及び、それらの結果として各吸排気弁1の開弁
時期、閉弁時期、開弁期間、開度等の変更を含むバルブ
リフトをそれぞれ時間的に対照させて示している。
【0024】先にも説明したが、図2から明らかなよう
に、リリーフ弁33の開弁時期をECU27によって例
えば一点鎖線から実線のように変更することにより、吸
排気弁1の閉弁時期を自由に変化させることができる。
また、プランジャ14の圧縮行程においてスピル弁26
の閉弁期間をECU27によって例えば破線から実線の
ように変更することにより、油圧シリンダ9へ圧送され
る高圧の作動油の量を変化させて、吸排気弁1の開弁の
リフト量を自由に変化させることができる。同じく、ス
ピル弁26の閉弁時期を変更することにより、吸排気弁
1の開弁時期を自由に変化させることができる。なお。
図2において破線で示した吸排気弁1のバルブリフト
は、その開弁時期を最も早くすると共に、そのリフト量
を最大にした場合を例示している。
【0025】なお、吸排気弁1の開弁動作はプランジャ
14が図1において右へ移動する圧縮行程のみにおいて
行われ得るが、吸排気弁1の閉弁動作は、第1実施例で
は、プランジャ14にリリーフチャンネル29を設ける
と共に、第1のリリーフポート30とリリーフ弁33に
より高圧通路25の圧力を放出することによって行うよ
うにしており、プランジャ14の軸線方向の位置とは実
質的に無関係に閉弁時期を選択することができる。従っ
て、リリーフポート30及び35の開口位置やリリーフ
チャンネル29の形状を適当に選ぶことにより、吸排気
弁1の開弁期間を最大で内燃機関の1回転(プランジャ
14の半回転)近くの大きさまでとることが可能になる
ので、気筒数の多い機関であっても吸排気弁1の開弁期
間を短縮する必要はなく、十分な長さの開弁期間を各吸
排気弁1に対して与えることができる。更に第3のリリ
ーフポート35を設けたことにより、万一リリーフ弁3
3が故障しても吸排気弁1は閉弁することができる。
【0026】図3はマイクロプロセッサを内蔵するEC
U27によってスピル弁26とリリーフ弁33を開閉制
御する場合の制御プログラムを例示したものである。こ
のプログラムは内燃機関が運転されている間は、絶えず
ECU27のマイクロプロセッサによって実行される。
機関の始動と同時にプログラムがスタートすると、ステ
ップ100で機関の負荷の大きさを示す吸気量と機関回
転数の信号がECU27のマイクロプロセッサに読み取
られ、ステップ101で記憶装置に格納されているマッ
プと照合することによって、吸排気弁1の開弁及び閉弁
の時期と目標とするリフトの大きさが決定される。ステ
ップ102においてディストリビュータに設けられたセ
ンサから基準位置信号が読み取られ、ステップ103で
基準位置即ち機関の特定のピストンの上死点に来たか否
かを判定する。基準位置信号の入力がないことによって
未だ基準位置に達していないと判定されたときは、ステ
ップ102へ戻って読み取りと判定を繰り返す。
【0027】ステップ103において基準位置に来たと
判定されたときは、ステップ104に進んでディストリ
ビュータに設けられたセンサから回転角信号を読み取
る。そしてステップ105で先に決定した吸排気弁1の
開弁時期に来たかどうかを判定する。未だその時期に来
ていないときはステップ104へ戻って読み取りと判定
を繰り返す。
【0028】ステップ105において開弁時期に来たと
判定されたときは、ステップ106に進んでスピル弁2
6を閉弁させる。従って、前述のように、分配型の油圧
ポンプ11が圧縮行程にあれば圧力室17の圧力が上昇
し、そのときにプランジャ14の吐出通路22と連通し
ているいずれかの吐出ポート23と、それに通じる高圧
通路25によって1つの吸排気弁1の油圧シリンダ9に
高圧の作動油が供給されて、その吸排気弁1が開弁す
る。
【0029】吸排気弁1のリフト量を算出するためにス
テップ107で回転角が読み取られると共に、ステップ
108でステップ106以来の回転角を積算する。油圧
の供給による吸排気弁1の開弁の速度が略一定で、機関
の回転角の積算値が吸排気弁1のリフト量と対応してい
ることから、回転角の積算値をリフト量と見なすことが
できる。そしてステップ109で吸排気弁1のリフト量
が先に決定した目標値を越えたか否かが判定される。越
えていなければステップ107に戻って読み取りと判定
を繰り返す。
【0030】ステップ109において吸排気弁1のリフ
ト量が目標値に達したと判定されると、ステップ110
へ進んでスピル弁26を開弁させる。それによって圧力
室17の圧力が低下し、油圧シリンダ9への圧油の補給
が停止するが、チェック弁24が閉弁して圧油の放出も
行われないから、吸排気弁1はそのリフト量を維持した
ままで開弁状態を継続する。次に、吸排気弁1の閉弁時
期を検出するために、ステップ111でも回転角センサ
の出力する回転角信号が読み取られる。そしてステップ
112では回転角の大きさから、先に決定した閉弁時期
に来たかどうかを判定する。未だ閉弁時期に達していな
ければステップ111に戻って読み取りと判定を繰り返
す。
【0031】ステップ112において閉弁時期に来たと
判定されたときは、ステップ113に進んでリリーフ弁
33を開弁させる。リリーフチャンネル29の開口29
aは十分大きく形成されており、この時期の前後には開
口29aとリリーフポート30が連通しているように予
め設定されている。リリーフ弁33の開弁によって高圧
通路25と油圧シリンダ9の高圧の作動油が低圧室20
へ放出され、油圧ピストン10の移動と共に吸排気弁1
は閉弁する。更にステップ114でも回転角を読み取
り、ステップ115で第3リリーフポート35がプラン
ジャ14のリリーフチャンネル29の開口29bと連通
する時期に来たかどうかを判定する。開口29bは開口
29aに対して所定の位相差を与えてあるから、開口2
9bがリリーフポート35に連通する時期は、開口29
aがリリーフポート30に連通した時期から所定の回転
角だけ回転した後になる。未だその時期になっていない
ときはステップ114に戻って読み取りと判定を繰り返
す。
【0032】ステップ115で第3リリーフポート35
と開口29bの連通の時期に来たと判定されたときは、
リリーフ弁33による油圧の放出の必要がなくなるか
ら、ステップ116に進んでリリーフ弁33を閉弁さ
せ、ステップ100に戻って図3の制御プログラムを繰
り返して実行する。
【0033】図4は本発明の第2実施例としての弁駆動
装置の全体構成を示すもので、図1に示した第1実施例
では、チェック弁24を駆動対象の吸排気弁1と同じ数
だけ分配型の油圧ポンプ11のシリンダブロック12内
に設けたが、それに代わるものとして第2実施例では、
唯1個のチェック弁36をプランジャ14の内部に設け
ている点が異なり、他の部分の構成は全て第1実施例と
同様である。唯1個のチェック弁36でも第1実施例の
各チェック弁24と同様な作用をするので、第2実施例
は第1実施例と同様な効果を奏する。構成がより簡単に
なるため、第1実施例に比べてコストの面や製造の容易
さ等の面では有利になる。
【0034】図1に示した第1実施例及び図4に示した
第2実施例においては、チェック弁24或いは36を使
用することによって、油圧シリンダ9への圧油供給を停
止したときに、吸排気弁1がそのリフト量を維持して開
弁状態を継続することができるようになっているが、チ
ェック弁24或いは36は必須のものではなく、それら
に代わる構成をとることによって、廃止することも可能
である。
【0035】基本的な部分の構成が第1実施例又は第2
実施例と略同様で、チェック弁24或いは36を使用し
ない例を第3実施例と呼ぶが、第3実施例では、プラン
ジャ14における吸入溝21と、吐出通路22の開口2
2aのそれぞれの開口位置と口径、及びシリンダブロッ
ク12における吸入ポート18と吐出ポート23のそれ
ぞれの開口位置と口径を適当に設定し、更にフェイスカ
ム15とカムローラ16との関係を調整する。そして、
図7に示すように、プランジャ14の圧縮行程の間だけ
開口22aと吐出ポート23が連通すると共に、プラン
ジャ14の吸入行程の間だけ吸入ポート18と吸入溝2
1が連通するように設定することによって、第3実施例
の弁駆動装置では分配型の油圧ポンプにチェック弁24
或いはチェック弁36を設けなくても、第1実施例や第
2実施例等と略同様な作動と効果が得られる。
【0036】第3実施例においても吸排気弁1の開弁動
作を開始する手順は、図2に示した第1実施例の場合と
同様である。ただし、第1実施例では開弁動作の終了が
ECU27の指令に従うスピル弁26の開弁によって決
定されるようにしたが、第3実施例ではチェック弁24
或いは36を使用しないので、プランジャ14の圧縮行
程の終了によって吸排気弁1の開弁動作を終了させると
いう相違がある。プランジャ14の吸入行程では、吐出
ポート23が閉じているので、チェック弁24或いは3
6がなくても油圧シリンダ9内の作動油の高圧は維持さ
れ、吸排気弁1は開弁状態を継続することができる。
【0037】このように第3実施例においては、第1実
施例の場合と同様に、吸排気弁1の開弁動作の開始時期
をECU27によるスピル弁26の閉弁時期の変更によ
って自由に制御することができるが、開弁動作の終了時
期はプランジャ14の圧縮行程の終了時期に依存するの
で、そのままでは開弁動作の終了時期を自由に変更する
ことができないし、開弁動作の開始時点を変更すること
以外の方法では吸排気弁1のリフト量を変更することが
できない。そこで、第3実施例では、ディーゼルエンジ
ン用の分配型燃料噴射ポンプにおいて良く知られている
タイミング調整機構のように、カムローラ16の定位置
をフェイスカム15の回転方向に移動させることによっ
て、プランジャ14のストロークの位相をずらして、吸
排気弁1の開弁動作の終了時期やリフト量を自由に制御
することができるようにする。
【0038】第3実施例の弁駆動装置における分配型の
油圧ポンプに利用されているタイミング調整機構の具体
的構造を図5及び図6に例示する。図1及び図4では省
略したが、プランジャ14と一体化されたフェイスカム
15は圧縮スプリング37によってカムローラ16に押
しつけられている。複数個(4個)のカムローラ16は
共通のローラリング38に放射状に設けられたローラ軸
39によって回転自由に支持されている。この場合、ロ
ーラリング38自体もその位置で調整のために回転可能
とされており、ローラリング38に取り付けられたスラ
イドピン40の下端がタイマピストン41に係合するこ
とによって、回転調整を受けるようになっている。
【0039】タイマピストン41は図6に示すように、
シリンダブロック12内にプランジャ14と直角の方向
に形成されたタイマシリンダ42内に摺動可能に嵌合し
ており、タイマスプリング43によって右方向へ付勢さ
れている。タイマピストン41の右側の空間44は絞り
45を介して「低圧側の室」、即ちこの場合は低圧室2
0に通じており、低圧室20には、フィードポンプ46
によって数百キロパスカル程度に加圧された作動油が管
路47を通って供給されて充満しているから、空間44
はその圧力を受けている。一方、タイマピストン41の
左側の空間48は、管路49によってフィードポンプ4
6の吸入側に連通しており、図示しない作動油タンクの
圧力と同じく略大気圧になっている。
【0040】タイマピストン41の右側の空間44と左
側の空間48とを結ぶ連通管路50には、それを開閉す
ることができる電磁弁のように電気的に制御可能なタイ
ミングコントロールバルブ51が設けられる。51aは
ソレノイドコイルを示す。ソレノイドコイル51aは図
示しないドライバ(駆動回路)を介して図1に示したよ
うなECU27に接続されて、デューティ制御によって
間欠的に付勢され、それによってタイミングコントロー
ルバルブ51が開閉されるようになっている。その結
果、空間44内の作動油の圧力は低圧室20の圧力と大
気圧との間の任意の大きさをとり得るので、その力がタ
イマスプリング43の力と釣り合う位置までタイマピス
トン41が移動し、スライドピン40を介してローラリ
ング38を回転させて、プランジャ14のストロークの
位相を変化させ得る。なお、タイマピストン41の位置
を検出するためにタイマ位置センサ52が設けられる。
【0041】第3実施例の弁駆動装置はこのような構造
の分配型の油圧ポンプ53を備えているので、ECU2
7はタイミングコントロールバルブ51をデューティ制
御することによって空間44の圧力を調整し、タイマピ
ストン41をタイマスプリング43に抗して移動させる
ことによってローラリング38を回転させる。移動した
タイマピストン41の位置はタイマ位置センサ52によ
って検出されて、その信号はECU27にフィードバッ
クされる。このようにして、カムローラ16とフェイス
カム15との係合のタイミングが変化するので、プラン
ジャ14の圧縮及び吸入行程の時期を変化させることが
でき、吸排気弁1の開弁動作の終了時期や弁リフトの大
きさを自由に制御することができる。
【0042】図7は、第1実施例の作動を示す図2に倣
って、第3実施例の弁駆動装置の作動をタイムチャート
として示したものである。図2と異なる点として、図7
において破線で示した状態は、スピル弁26の閉弁時期
を早めることによって吸排気弁1の開弁開始時期を早め
ると共に、カムローラ16の位置を回転方向に移動調整
することによって、プランジャ14の圧縮行程の終了時
期をも早め、吸排気弁1の開弁終了時期を早めることに
より、吸排気弁1の弁リフトを一定に維持したまま、吸
排気弁1の開弁時期を全体として早めた場合を示してい
る。また、プランジャ14のストロークもタイミング調
整機構によって前後に変更可能であり、結果として吸排
気弁1の弁リフトを変化させ得ることを示している。
【0043】第3実施例におけるスピル弁26、リリー
フ弁33、及びタイミング調整機構の制御プログラムを
図8に例示する。第1実施例についての図3に示すフロ
ーチャートと異なる点として、ステップ101で吸排気
弁1の開弁時期、閉弁時期、及び弁リフトの目標値を決
定したあと、ステップ117で開弁時期と弁リフトの値
から、図5及び図6に示すタイミング調整機構における
タイマピストン41の目標位置を決定する。そしてステ
ップ118でタイマ位置センサ52の信号を読み取り、
ステップ119に進んでその値がステップ101で決定
した目標位置の値に達したか否かを判定する。達してい
ないときはステップ120でタイミングコントロールバ
ルブ51のソレノイドコイル51aに対する間欠的通電
のデューティ比を変更し、空間44の圧力を変化させて
タイマピストン41の位置を補正した後、ステップ11
8に戻って読み取りと判定を繰り返す。ステップ119
においてタイマピストン41の位置が目標位置に達した
と判定されたときは、ステップ102へ進み、図3の場
合と同様な処理を行う。
【0044】なお、第3実施例においては、吸排気弁1
の開弁動作はプランジャ14の圧縮行程の終了時期まで
継続して続けられるので、開弁動作の終了時期は圧縮行
程が継続している期間の終了時期、即ち吐出ポート23
が開いている(吐出通路22の開口22aと連通してい
る)期間の終了時期と同じである。そこで、ステップ1
07において、スピル弁26の閉弁後(即ち、吸排気弁
1の開弁動作開始後)の経過時間を検知するために回転
角を読み取ったあと、ステップ121に進んで未だ吐出
ポート23が開いているべき期間中にあるかどうかを判
定する。期間中にあると判定されたときはステップ10
7に戻って読み取りと判定を繰り返す。プランジャ14
の圧縮行程が終わって吐出通路22の開口22aと吐出
ポート23の連通も遮断されると、ステップ121にお
ける判定が吐出ポート23の開期間ではないということ
になるので、その場合はステップ110に進んでスピル
弁26を開弁させ、図3に示した第1実施例の場合と同
様な処理を続行する。
【0045】以上の各実施例では、1本のリリーフチャ
ンネル29に対して第1のリリーフポート30と、リリ
ーフ弁33の通じる第2のリリーフポート32及び低圧
室20に直接開放される第3のリリーフポート35の全
てが連通するように構成されているが、リリーフチャン
ネルを2本設けてそれらを別系統に分けてもよい。図9
に示す第4実施例はこの着想を具体化したもので、分配
型の油圧ポンプ11のプランジャ54は、その円筒面に
軸線方向に形成された溝形の第1リリーフチャンネル5
5と、それに対して異なる位相の位置において平行に形
成された溝形の第2リリーフチャンネル56との、少な
くとも2本のリリーフチャンネルを備えている。シリン
ダブロック57には第1実施例(図1)における吐出ポ
ート23と第1のリリーフポート30を兼ねるバルブ作
動ポート58が設けられる。第1実施例と同様に、第2
のリリーフポート32と第3リリーフポート35も設け
られるが、開口の位置(位相)が異なる。その他の構成
は第1実施例と略同様と考えてよい。
【0046】第4実施例の作動を図10のタイムチャー
トに示す。まず、プランジャ54の運動によって、吐出
通路22の開口22aがバルブ作動ポート58と合致
し、圧力室17が高圧通路25と連通している状態で、
油圧シリンダ9に高圧の作動油が供給されて吸排気弁1
が開弁する。次いで、プランジャ54の圧縮行程が終了
すると、同時に開口22aとバルブ作動ポート58との
連通が遮断されるので、高圧の作動油は油圧シリンダ9
と高圧通路25に閉じ込められて、吸排気弁1は開弁状
態を維持する。その後、バルブ作動ポート58が第1リ
リーフチャンネル55と連通している間の任意の時期
に、ECU27によってリリーフ弁33が開弁すると、
高圧通路25等の高圧の作動油が第2のリリーフポート
32から「低圧側の室」、即ちこの場合は低圧室20へ
放出され、油圧シリンダ9の油圧が低下して吸排気弁1
が閉弁する。
【0047】更に、バルブ作動ポート58が第2リリー
フチャンネル56と連通すると、油圧シリンダ9は第3
のリリーフポート35を介して低圧室20と連通し、残
圧を完全に排除する。リリーフ弁33が故障して第2の
リリーフポート32からの放出がなかったときでも、そ
の直後に第3のリリーフポート35から高圧の作動油が
放出されるので吸排気弁1は閉弁することができる。な
お、スピル弁26の制御とか、プランジャ54の運動に
伴う各ポートの開閉のタイミングの設定等は、チェック
弁を使用しない第3実施例の場合と同様に行われる。
【0048】以上の各実施例は、機関の吸排気弁1とは
いっても、現実には吸気弁又は排気弁のいずれか一方だ
けを分配型の油圧ポンプ11によって駆動する場合を想
定して説明したが、多気筒機関の吸気弁及び排気弁の全
てに対して、分配型油圧ポンプの1本のプランジャによ
って順次に高圧の作動油を供給して駆動することも、分
配型の油圧ポンプ11の各ポートの数やリリーフチャン
ネルの数等を2倍に増やせば一応可能と考えられる。し
かしながら、油圧駆動の場合には作動油の粘性や高圧の
立ち上がり速度の限界等からくる制約があるので、機関
の高速回転時には吸排気弁1の動作が不安定になる恐れ
がある。そこで、多気筒機関の多数の吸排気弁のうちで
開弁の時期が近い吸気弁と排気弁とを選び、それらを組
み合わせてプランジャの同一の圧縮行程において開弁す
るように駆動すると、高速回転時にも十分に追従が可能
になり、安定な弁駆動が行われる。
【0049】例えば4気筒の4サイクル機関では、点火
順序1番目(これを1番と呼ぶことにする。以下同
じ。)の吸気弁と2番の排気弁、2番の吸気弁と3番の
排気弁、3番の吸気弁と4番の排気弁、及び4番の吸気
弁と1番の排気弁の開閉時期がそれぞれ近い。但し、そ
れぞれの組み合わせにおいて、排気弁の開弁時期が吸気
弁のそれよりも少し早いのが普通である。そこで、これ
らの各組の吸気弁と排気弁とを組み合わせて、1本のプ
ランジャの同じ圧縮行程において前後して開弁させる
と、前述のような問題を解消させることができる。
【0050】図11に示す第5実施例はこの着想を具体
化したもので、プランジャ59の円柱面上の溝状通路で
あって、表面を展開すればいずれもT字形に近い平面形
状を有する排気弁用リリーフチャンネル60、吸気弁用
リリーフチャンネル61、及びコモンリリーフチャンネ
ル62が、相互に軸線方向に隔離されて形成されてい
る。そして排気弁用リリーフチャンネル60は排気弁用
リリーフポート63と排気弁用リリーフ弁64を介し
て、低圧の作動油が充填された「低圧側の室」、この場
合は低圧室20に連通可能となっており、同様に、吸気
弁用リリーフチャンネル61は吸気弁用リリーフポート
65と吸気弁用リリーフ弁66を介して、またコモンリ
リーフチャンネル62はコモンリリーフポート67を介
して、それぞれ低圧室20に連通可能となっている。
【0051】その他の構成は前述の各実施例と類似して
いるので、対応するものには同じ参照符号を付している
が、第5実施例では、例えば1番の排気弁68によって
代表される排気弁全部と、4番の吸気弁69によって代
表される吸気弁全部を油圧駆動するので、排気弁68を
駆動する排気弁用油圧シリンダ70は排気弁用高圧通路
71とチェック弁24を介して排気弁用吐出ポート72
に連通しており、また吸気弁69を駆動する吸気弁用油
圧シリンダ73は吸気弁用高圧通路74の末端の吸気弁
作動ポート75に通じている。なお、排気弁用高圧通路
71はチェック弁24を介することなく排気弁用リリー
フポート76にも通じている。また、プランジャ59の
中心には圧力室17から延びる吐出通路78が形成され
ており、吐出通路78は排気弁用吐出ポート72のため
の開口78aと、吸気弁作動ポート75のための開口7
8bとを具えている。79は第5実施例における分配型
の油圧ポンプ11のシリンダブロックを概括的に示して
いる。
【0052】第5実施例の弁駆動装置の作動を1番の排
気弁68と4番の吸気弁69の組を例にとって説明す
る。作動の順序は図12のタイムチャートに示されてい
る。プランジャ59の圧縮行程の途中で、プランジャ5
9の回転に伴って圧力室17が吐出通路78の開口78
aを介して1番の排気弁の排気弁用吐出ポート72に連
通すると共に、ECU27(図1)によってスピル弁2
6が閉弁すると、圧力室17の高圧の作動油がチェック
弁24を押し開いて排気弁用高圧通路71から排気弁用
油圧シリンダ70に供給され、油圧ピストン10を押圧
して1番の排気弁68を開弁させる。
【0053】また、それから僅かに遅れて4番の吸気弁
の吸気弁作動ポート75が吐出通路78の開口78bに
連通すると、圧力室17の高圧の作動油は吸気弁用高圧
通路74を通って吸気弁用油圧シリンダ73にも供給さ
れ、4番の吸気弁69も開き始める。このとき、圧力室
17の圧力が低下することによって排気弁用油圧シリン
ダ70への作動油の供給が一時停止し、チェック弁24
が閉弁して1番の排気弁68はその開弁状態を維持す
る。従って、圧力室17の作動油は専ら吸気弁用油圧シ
リンダ73へ供給され、吸気弁69を急速に開弁させ
る。
【0054】その後、吸気弁用油圧シリンダ73内の圧
力が十分に高くなると、チェック弁24が再び開弁し、
1番の排気弁68と4番の吸気弁69が同時に開弁動作
を続けて、プランジャ59が圧縮行程を終了したときに
開弁動作を終わる。排気弁用吐出ポート72及び吸気弁
作動ポート75は、いずれも、プランジャ59が吸入行
程に入って図において左方へ移動を開始する前に、相手
の開口78a及び78bとの連通が遮断されるように、
シリンダブロック79において位置決めされているの
で、ポート72及び75が遮断されると排気弁68及び
吸気弁69はそれらの開弁状態を維持することになる。
【0055】所定の開弁期間が経過して、プランジャ5
9の回転によって排気弁用リリーフポート76と排気弁
用リリーフチャンネル60が連通した状態で、ECU2
7が排気弁用リリーフ弁64を開弁させると、排気弁用
高圧通路71が排気弁用リリーフポート63を介して低
圧室20に連通し、排気弁用油圧シリンダ70の作動油
の圧力が低下して1番の排気弁68は閉弁する。また、
吸気弁作動ポート75と吸気弁用リリーフチャンネル6
1が連通している状態で吸気弁用リリーフ弁66を開弁
させると、吸気弁用油圧シリンダ73の作動油の圧力が
低下して4番の吸気弁69も閉弁する。
【0056】もしリリーフ弁64及び66が故障する等
の理由によって油圧シリンダ70又は73の圧力が低下
しなかった場合でも、プランジャ59が更に回転して排
気弁用リリーフポート76又は吸気弁作動ポート75が
コモンリリーフチャンネル62と連通したときに、それ
らの圧力が低圧室20へ放出されて排気弁68又は吸気
弁69は閉弁することができる。コモンリリーフチャン
ネル62はそのような目的に適合するようにプランジャ
59上に形成されている。
【0057】第5実施例においては、排気弁68の開弁
時期はECU27によりスピル弁26の閉弁時期を制御
することによって、また、排気弁68及び吸気弁69の
閉弁時期は、それぞれ排気弁用リリーフ弁64及び吸気
弁用リリーフ弁66の開弁時期を制御することによって
自由に変化させ得るが、吸気弁69の開弁時期は直接に
は制御することができない。なお、各弁のリフト量につ
いては第3実施例において説明したように、タイミング
調整機構を使用してプランジャ59のストロークの位相
を制御することによって、排気弁68及び吸気弁69の
双方のリフト量を同時に変化させることが可能である。
【0058】以上の各実施例においては、吸排気弁の閉
弁時期を制御するためのリリーフ弁として電磁弁のよう
な電気的に制御可能な弁を使用しているが、吸気弁の閉
弁制御については、この弁を単なる絞りによって置き換
えることが可能である。第6実施例を示す図13におい
て、80は先端が円錐形のリリーフニードルを示し、分
配型の油圧ポンプ11のシリンダブロック12に形成さ
れた第2のリリーフポート32に、第1実施例や第2実
施例におけるリリーフ弁33に代わるものとして挿入さ
れている。それによってリリーフニードル80の先端の
周囲にリリリーフ絞り81が形成される。リリーフニー
ドル80の材質としては温度変化に敏感な材料、例えば
熱膨張係数の大きいステンレス鋼が好適である。その他
の構成は第2実施例として説明した図4の構成と同様で
あるから、各部分に同じ参照符号を付して説明を省略す
る。
【0059】第6実施例の作動状態において、吸気弁
1’の開弁及び開弁状態の保持の仕方も第1実施例や第
2実施例における吸排気弁1の場合と同様であるから、
開弁に関する説明は省略する。吸気弁1’が閉弁時期に
来て、第1のリリーフポート30がリリーフチャンネル
29の開口29aに連通すると、高圧通路25の作動油
が第2のリリーフポート32のリリーフ絞り81を通っ
て「低圧側の室」、この場合は低圧室20へ放出される
ので、油圧シリンダ9の圧力が低下して吸気弁1’は閉
弁する。
【0060】このとき第1のリリーフポート30がリリ
ーフチャンネル29の開口29aと連通してから吸気弁
1’が完全に閉弁するまでに、一定量の作動油が流出す
るための時間が必要であるが、リリーフニードル80が
温度の高さに応じて伸縮し、作動油の粘度が高い低温時
には短縮してリリーフ絞り81を拡大して作動油の流れ
の抵抗を減少させると共に、作動油の粘度が低い高温時
には伸長してリリーフ絞り81を縮小することにより作
動油の流れの抵抗を増大させるので、気温が変化しても
作動油の流出時間は略一定になる。
【0061】従って、機関の1回転の時間が長い低速回
転時には吸気弁1’の閉弁時期が自動的に早くなると共
に、1回転の時間が短い高速回転時には吸気弁1’の閉
弁時期が自動的に遅くなるので、広い回転数範囲にわた
って高い充填効率が得られるという効果がある。言うま
でもなく、この作用はリリーフニードル80の伸縮が不
十分で作動油の流出時間を略一定にすることができない
場合でも起こるので、機関の高い充填効率を得るという
効果は或る程度得られる。熱膨張係数の大きいステンレ
ス鋼製のリリーフニードル80は、温度変化による作動
油の粘性変化の影響を緩和して上述の作動を保証する効
果がある。なお、熱電対のような温度センサを用いて温
度を検出し、電気的にニードルを移動させるとか、バイ
メタルによってニードルを支持する等の手段によって、
リリーフ絞り81の大きさが自動的に調整されるように
してもよい。
【0062】図14は本発明の第7実施例を示すもの
で、この実施例は、油圧による吸排気弁1の開弁動作が
行き過ぎて弁駆動装置が破損するのを防止する手段を備
えている点に特徴がある。この場合、吸排気弁1を駆動
するために油圧シリンダ9に挿入されて吸排気弁1のス
テム1aの上端を押圧する油圧ピストン82は、その外
周に環状の溝であるリフトリミットチャンネル83を具
えており、それは通路84によって油圧シリンダ9への
高圧通路25と連通している。油圧シリンダ9の内壁面
の一部には「低圧側の室」、即ち低圧室20に通じるリ
ミットポート85が開口しており、作動を確実にするた
めにリミットポート85には、油圧シリンダ9の内壁面
の同じ高さの位置に形成された環状の溝86が接続して
いる。
【0063】吸排気弁1を開弁させるときは、第1実施
例等と同様に、高圧通路25を介して高圧の作動油が油
圧シリンダ9へ供給され、油圧ピストン82が押し下げ
られるので、吸排気弁1はバルブスプリング8の付勢力
に抗してポート3を燃焼室4へ開くが、油圧ピストン8
2のリフトリミットチャンネル83が環状の溝86及び
リミットポート85に連通したところで、高圧通路25
の高圧の作動油がリミットポート85を通って低圧室2
0へ放出され、油圧シリンダ9の圧力が低下するので、
油圧ピストン82はその位置で停止する。従って、吸排
気弁1のリフト量が過大になって弁駆動装置が破損する
のを防止することができる。
【0064】図15は本発明の第8実施例を示すもの
で、その特徴は、吸排気弁1の開弁及び閉弁の限界に対
応する油圧ピストンのストロークの両端部に油圧ブレー
キを構成して、油圧ピストンが無理なく停止するように
したものである。油圧ピストン87は直径の異なる多く
の部分が軸線方向に一体に積み重なった形状を有し、少
なくとも最大径の中央部88と、その上下に接続してい
てそれよりも少し径の小さい上部89及び下部90と、
更に下部90よりも小径でそれに接続している連結部9
1を具えている。連結部91はバルブホルダ92を介し
て吸排気弁1のステム1aの上端に取り付けられる。油
圧ピストン87の下部90の下端部には深い溝90a
と、それに接続して中央部88寄りに浅い溝90bが形
成されている。同様に油圧ピストン87の上部89の上
端部にも深い溝89aと、それに接続して中央部88寄
りに浅い溝89bが形成される。
【0065】段付き形状を有する油圧ピストン87に合
わせて、それを受け入れる油圧シリンダ93も直径の異
なる多くの部分から構成されている。即ち油圧シリンダ
93は少なくとも、油圧ピストン87の中央部88を液
密に受け入れて軸線方向に所定距離の移動を許容する最
も大径の中央シリンダ94と、油圧ピストン87の上部
89を液密に受け入れ得る上部シリンダ95と、同じく
下部90を液密に受け入れ得る下部シリンダ96から構
成されている。
【0066】そして、上部シリンダ95には第1ポート
97が開口し、チェック弁98を介して図1に示すよう
な高圧通路25に接続される。また、高圧通路25は第
2ポート99によって直接に中央シリンダ94の上端部
に開口している。更に中央シリンダ94の下端に近い部
分には第3ポート100が開口し、タンク101の作動
油を低圧ポンプ102によって加圧して、中央シリンダ
94における油圧ピストン87の中央部88の下部へ常
に供給するようになっている。なお、図示していない
が、低圧ポンプ102にはその吐出圧を一定に調整する
リリーフ弁が設けられる。
【0067】第8実施例の要部はこのように構成されて
いるので、吸排気弁1の開弁動作が終わりに近づくと、
油圧ピストン87の下部90が下部シリンダ96内に進
入して嵌合する。この時は、低圧ポンプ102によって
加圧されて第3ポート100から下部シリンダ96内の
連結部91の周囲等に充填されていた作動油が、深い溝
90aを通って第3ポート100へ逃げるので、下方へ
移動する油圧ピストン87は初めに比較的小さな抵抗を
受ける。油圧ピストン87が更に下降すると浅い溝90
bが下部シリンダ96に係合するようになり、下部シリ
ンダ96内にあった作動油は断面積の小さい浅い溝90
bを通って逃げる他はないので、下部シリンダ96内に
残った作動油が圧縮される。その反力によって油圧ピス
トン87の移動は大きな抵抗を受けるので、油圧ピスト
ン87は下方の可動限界、即ち吸排気弁1の所定の開弁
位置において無理なく停止して、吸排気弁1の開き過ぎ
を防止することができる。
【0068】同様な油圧ブレーキの作用は、油圧ピスト
ン87の上方の可動限界においても生じる。即ち、高圧
通路25から第1ポート97及び第2ポート99を通っ
て油圧シリンダ93内へ供給された作動油は、上部シリ
ンダ95内の油圧ピストン87の上部空間に溜まるが、
溜まった作動油は油圧ピストン87が上方へ移動すると
きに、油圧ピストン87の上部89が上部シリンダ95
内に進入することによって圧縮を受ける。このときチェ
ック弁98は閉弁するので、圧縮された作動油は初めは
深い溝89aを通って第2ポート99へ逃げるが、油圧
ピストン87が更に上部シリンダ95内に深く進入する
ことによって、作動油の逃げ道は浅い溝89bだけにな
り、油圧ピストン87の上方への移動は大きな抵抗を受
けるようになる。浅い溝89bが上部シリンダ95内に
入ると圧縮不能となって、油圧ピストン87はその位置
に停止する。吸排気弁1はそのときに弁座に着座して閉
弁位置をとるように設定される。このようにして、吸排
気弁1は開弁動作と閉弁動作の双方の終期において油圧
ブレーキの作用を受け、無理なく停止してオーバーラン
することがないので、弁駆動装置の破損が予防される。
【0069】以上の実施例は、いずれも吸排気弁1の閉
弁時に油圧シリンダ9にある高圧の作動油を低圧側の室
の1つである低圧室20へそのまま放出するようになっ
ているので、放出される作動油の圧力エネルギーが無駄
に捨てられることになり、それがエネルギー損失になる
という問題を含んでいる。そこで、1つの吸排気弁1の
閉弁時に放出される作動油の圧力エネルギーを、その時
に開弁する他の吸排気弁1の油圧シリンダ9に与えるこ
とにすれば、捨てられるエネルギーの少なくとも一部は
回収されてエネルギー損失を低減させることができる。
【0070】例えば、4気筒の4サイクル機関において
は、1つの気筒の吸排気弁1が閉じ始めてから全閉状態
になるまでの期間は、次に点火される気筒の吸排気弁1
が開き始めてから全開状態となるまでの期間とオーバー
ラップしている。そこで、1つの気筒の吸排気弁1が閉
じ始めてから全閉状態になるまでに放出される高圧の作
動油を活用して、点火順が次の気筒の吸排気弁1が開く
方向に作動している油圧ポンプ11のプランジャ14或
いは54を押圧するようにすれば、この問題を解消させ
ることが可能である。
【0071】図16に示す第9実施例はこの着想を具体
化した1つの例を示すもので、プランジャ54と、それ
を受け入れるポンプシリンダ13は段付きの形状になっ
ており、それらの間に、新たに油量調整室111と、こ
の実施例において所謂「低圧側の室」にあたる圧力回収
室113が形成されている。油量調整室111はプラン
ジャ54に形成されている図9(第4実施例)に示した
ような形状の第2リリーフチャンネル56と連通してお
り、更に第3のリリーフポート35を介して低圧室20
と常時連通している。圧力回収室113は、リリーフポ
ート32を介して第1リリーフチャンネル55に連通し
ていると共に、通路19を介して吸入ポート18に連通
しており、更に場合によっては、逆止弁112を介して
低圧室20にも連通し得るようになっている。その他の
構成は前述の各実施例と略同様と考えてよい。このよう
に、第9実施例では所謂「低圧側の室」が低圧室20を
指す以前に、それよりも内部の作動油の圧力が高い圧力
回収室113を指している点に注意をする必要がある。
【0072】図17は、第9実施例の作動をタイムチャ
ートとして示したものである。ここでは説明を簡単にす
るために、スピル弁26及びリリーフ弁33は共に常時
閉弁している場合について説明する。まず、プランジャ
54の運動によって吐出通路22の開口22aがバルブ
作動ポート58と合致し、圧力室17が高圧通路25と
連通している状態で、油圧シリンダ9に高圧の作動油が
供給されて吸排気弁1が開弁する。次いで、プランジャ
54の圧縮行程が終了すると、同時に開口22aとバル
ブ作動ポート58との連通が遮断されるので、高圧の作
動油は油圧シリンダ9と高圧通路25に閉じ込められ
て、吸排気弁1は開弁状態を維持する。その後、バルブ
作動ポート58が第1リリーフチャンネル55に連通す
ると、油圧シリンダ9は高圧通路25と第1リリーフチ
ャンネル55を介して圧力回収室113と連通すること
になるが、高圧の作動油はこれらの通路や室に閉じ込め
られたままであるから、吸排気弁1は開弁状態を維持し
ている。
【0073】その後、プランジャ54が次の気筒の吸排
気弁1を開弁させるための圧送行程に入って図16にお
いて右方へ移動すると、プランジャ54の左側に形成さ
れた圧力回収室113の容積が増大するから、高圧通路
25等にある高圧の作動油は圧力回収室113に吸入さ
れ、油圧シリンダ9内の油圧が低下して先の吸排気弁1
が閉弁する。この時、プランジャ54の左側の圧力回収
室113へ吸入された高圧の作動油はプランジャ54を
右方向に押圧して、次の気筒の吸排気弁1の開弁動作を
助けることになるので、それによって作動油の加圧のた
めに消費されたエネルギーの大半を回収することができ
る。それに加えて、プランジャ54が次の吸入行程に入
ると、吸入ポート18が開き、圧力回収室113の作動
油は圧力室17に吸入され、吸入のためのエネルギー消
費も低減することができる。
【0074】更に、バルブ作動ポート58が第2リリー
フチャンネル56に連通すると、吸排気弁1の油圧シリ
ンダ9は油量調整室111と第3のリリーフポート35
を介して低圧室20と連通し、残圧を完全に排除すると
共に、熱膨張等によって余分となった作動油を低圧室2
0へ逃がしたり、漏れ等によって不足した作動油を低圧
室20から補充することにより、加圧される作動油の量
を調節する。
【0075】なお、スピル弁26やリリーフ弁33の制
御とか、プランジャ54の運動に伴う各ポートの開閉の
タイミングの設定等は、高圧の作動油のエネルギーの回
収を行わない第4実施例の場合(図9及び図10参照)
と同様に行われる。但し、リリーフ弁33の開弁時期を
早めて吸排気弁1の閉弁時期を早める程、高圧の作動油
のエネルギーの回収量が少なくなり、エネルギー損失低
下の効果が小さくなることは避けられない。
【0076】6気筒の内燃機関の場合にも、第9実施例
のように高圧の作動油のエネルギーを回収することがで
きる。この場合、1つの気筒の吸排気弁1が閉じ始めて
から全閉状態になるまでの期間は、次の気筒の吸排気弁
1が全開となり、その次の気筒の吸排気弁1の動作のた
めにプランジャが吸入行程に入る期間にあたる。そこ
で、1つの気筒の吸排気弁1が閉じ始めてから全閉状態
になるまでに油圧シリンダ9から排出される作動油によ
って、次の更に次のプランジャの吸入動作の方向にプラ
ンジャを押圧するように構成すれば、6気筒の内燃機関
においても4気筒のそれと同様な効果が得られる。
【0077】図18に示す第10実施例はこの着想を具
体化したもので、リリーフポート32は、所定の時期に
この実施例における所謂「低圧側の室」にもなり得る圧
力室17と連通している。また、第9実施例(図16)
における吸入ポート18、通路19、吸入溝21及びス
ピル弁26にあたるものは、この例の場合は取り除かれ
ている。その他の構成は前述の各実施例と略同様と考え
てよい。
【0078】第10実施例の作動を図19のタイムチャ
ートに示す。吐出通路22の開口22aがバルブ作動ポ
ート58と合致すると共に、圧力室17が高圧通路25
に連通している状態でリリーフ弁33を閉じると、油圧
シリンダ9に高圧の作動油が供給されて吸排気弁1が開
弁する。次いで、プランジャ54の圧縮行程が終了する
と、同時に開口22aとバルブ作動ポート58との連通
が遮断されるので、高圧の作動油は油圧シリンダ9と高
圧通路25内に閉じ込められて、吸排気弁1は開弁状態
を維持する。その後、バルブ作動ポート58が第1リリ
ーフチャンネル55と連通し、プランジャ54が吸入行
程に入ると高圧通路25等の高圧の作動油がリリーフポ
ート32から圧力室17に吸入され、吸排気弁1の油圧
シリンダ9内の油圧が低下して吸排気弁1が閉弁する。
即ち、吸排気弁1の閉弁時に油圧シリンダ9と高圧通路
25から排出される高圧の作動油はプランジャ54の吸
入動作を助けることになるので、吸入のためのエネルギ
ー消費が低減し、それによってエネルギーを回収したの
と同じになる。
【0079】なお、吸排気弁1の閉弁動作中に、ECU
27(図1参照)によってリリーフ弁33が開弁する
と、直ちに高圧通路25等の高圧の作動油が低圧室20
に放出されるので、吸排気弁1の油圧シリンダ9の油圧
が低下して閉弁が完了する。
【0080】第9実施例と第10実施例において十分な
エネルギー回収の効果を得るためには、吸排気弁1の閉
弁時期とプランジャ54の圧送行程又は吸入行程とを同
期させなければならない。従って、プランジャ54のス
トロークのタイミングを設計するための自由度が小さく
なるし、リリーフ弁33によって吸排気弁1の閉弁時期
を早める程、エネルギー回収の効果が小さくなる。そこ
で閉弁時に放出する作動油を高圧のまま蓄えておき、プ
ランジャ54の動作の補助動力源として活用すれば、吸
排気弁1とプランジャ54の相互のタイミングに関係な
くエネルギーを回収することができる。
【0081】図20に示す第11実施例はこの着想を具
体化したもので、リリーフ弁33の出口は低圧室20で
はなく、この場合の「低圧側の室」として新たに設けら
れた蓄圧室(アキュームレータ)121に連通してい
る。蓄圧室121は、油圧ポンプ11のハウジングに形
成された円筒状の穴であって、その内部には円柱状の蓄
圧ピストン122が摺動自在に挿入され、蓄圧スプリン
グ123によって蓄圧室121の容積が減少する方向に
付勢されている。この場合、蓄圧スプリング123の強
さは、吸排気弁1の1ストローク分の量の作動油が蓄圧
室121に流入した時の蓄圧室121内の圧力が、吸排
気弁1を開弁させるのに必要な油圧シリンダ9における
作動油の圧力よりも低くなるように設定されている。ま
た、蓄圧室121は逆止弁124を介して圧力室17に
連通可能となっている。その他の構成は前述の各実施例
と略同様と考えてよい。
【0082】次に第11実施例の作動を説明する。吸排
気弁1の開弁状態及び閉弁状態の保持は、前述の実施例
のうちでも特に第4実施例(図9及び図10参照)の場
合と同様である。バルブ作動ポート58が第1リリーフ
チャンネル55と連通している期間の任意の時期に、E
CU27によってリリーフ弁33を開弁させると、蓄圧
室121内は油圧シリンダ9内よりも圧力が低いので、
高圧通路25等の高圧の作動油がリリーフポート32か
ら蓄圧室121へ流入することによって、油圧シリンダ
9内の油圧が低下して吸排気弁1が閉弁する。このよう
にして蓄圧室121内に蓄えられた作動油は、プランジ
ャ54の吸入行程において逆止弁124を押し開いて圧
力室17に流入し、プランジャ54を図中左方向へ押圧
してポンプの吸入動作を助けることになるから、その分
だけエネルギーが回収される。スピル弁26の制御と
か、プランジャ54の運動に伴う各ポートの開閉のタイ
ミングの設定等は、前述の各実施例と同様に行われる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、内燃機関の吸排気弁に
対して十分な長さの開弁期間を与え得ることができるば
かりでなく、制御の自由度が高く、しかも比較的小型で
低コストであり、安全性も高い油圧式弁駆動装置が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての弁駆動装置の全体
構成を示す断面図である。
【図2】第1実施例の作動を示すタイムチャートであ
る。
【図3】第1実施例における制御装置の制御手順を示す
フローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例としての弁駆動装置の全体
構成を示す断面図である。
【図5】第3実施例の要部であるタイミング調整機構の
断面図である。
【図6】図5のタイミング調整機構のVI−VI断面図であ
る。
【図7】第3実施例の作動を示すタイムチャートであ
る。
【図8】第3実施例における制御手順を示すフローチャ
ートである。
【図9】第4実施例の弁駆動装置の全体構成を示す断面
図である。
【図10】第4実施例の作動を示すタイムチャートであ
る。
【図11】第5実施例の弁駆動装置の全体構成を示す断
面図である。
【図12】第5実施例の作動を示すタイムチャートであ
る。
【図13】第6実施例の弁駆動装置の全体構成を示す断
面図である。
【図14】第7実施例の要部を示す断面図である。
【図15】第8実施例の要部を示す断面図である。
【図16】第9実施例の弁駆動装置の全体構成を示す断
面図である。
【図17】第9実施例の作動を示すタイムチャートであ
る。
【図18】第10実施例の弁駆動装置の全体構成を示す
断面図である。
【図19】第10実施例の作動を示すタイムチャートで
ある。
【図20】第11実施例の弁駆動装置の全体構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…吸排気弁 1’…吸気弁 9…油圧シリンダ 10,82,87…油圧ピストン 11,53…分配型の油圧ポンプ 12,79…シリンダブロック 14…プランジャ 15…フェイスカム 16…カムローラ 17…圧力室 19…低圧通路 20…低圧室 22…吐出通路 22a…開口 23…吐出ポート 24,36…チェック弁 25…高圧通路 26…スピル弁 29…リリーフチャンネル 30,32,35…リリーフポート 33…リリーフ弁 38…ローラリング 41…タイマピストン 51…タイミングコントロールバルブ 55…第1リリーフチャンネル 56…第2リリーフチャンネル 58…バルブ作動ポート 60…排気弁用リリーフチャンネル 61…吸気弁用リリーフチャンネル 62…コモンリリーフチャンネル 68…排気弁 69…吸気弁 80…リリーフニードル 81…リリーフ絞り 83…リフトリミットチャンネル 85…リミットポート 89a,90a…深い溝 89b,90b…浅い溝 102…低圧ポンプ 111…油量調整室 112…逆止弁 113…圧力回収室 121…蓄圧室 122…蓄圧ピストン 123…蓄圧スプリング 124…逆止弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 守康 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 渡辺 和英 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関によって駆動されて回転すると
    共に回転の軸線方向に往復運動もするプランジャと、シ
    リンダブロック内に形成されて前記プランジャを液密に
    受け入れるシリンダと、その中に作動油を貯溜し得る少
    なくとも1つの低圧側の室と、前記プランジャの端部の
    前記シリンダブロック内に形成され前記プランジャの運
    動によって前記低圧側の室の作動油を吸入して加圧する
    圧力室と、前記プランジャ内に形成されて前記圧力室に
    連通すると共に前記プランジャの円柱面に少なくとも1
    個の開口を有する吐出通路と、前記プランジャの回転運
    動によって前記吐出通路の開口と合致したときに前記圧
    力室において加圧された作動油を受け取るように前記シ
    リンダブロック内に形成された吐出ポートと、前記吐出
    ポートに高圧通路を介して接続される弁駆動用の油圧シ
    リンダと、前記油圧シリンダに液密に挿入されて前記高
    圧通路から加圧された作動油を受け取ったときに前記内
    燃機関の吸排気弁を開弁させる力を発生する油圧ピスト
    ンと、前記高圧通路にある加圧された作動油を前記低圧
    側の室へ放出して前記吸排気弁を閉弁させるために前記
    プランジャに形成され前記プランジャの前記円柱面に少
    なくとも1つの開口を有することによって前記高圧通路
    を前記低圧側の室へ連通させ得る少なくとも1つのリリ
    ーフチャンネルと、前記シリンダブロック内に形成され
    前記プランジャの回転運動によって前記リリーフチャン
    ネルの前記開口と連通し得る位置に開口する少なくとも
    1つのリリーフポートと、前記リリーフポートと前記低
    圧側の室との間に挿入され前記吸排気弁の閉弁時期を制
    御する減圧機構とを備えている弁駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記減圧機構がリリーフ弁を備えている
    請求項1記載の弁駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力室と前記低圧側の室とを連通し
    得る低圧通路と、前記低圧通路に挿入され前記吸排気弁
    の開弁時期を制御するスピル弁を備えている請求項1記
    載の弁駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記プランジャに形成された前記吐出通
    路から前記シリンダブロックに形成された前記高圧通路
    にかけての加圧された作動油の経路に挿入された少なく
    とも1つのチェック弁を備えている請求項1記載の弁駆
    動装置。
  5. 【請求項5】 前記シリンダブロックに形成され前記吸
    排気弁を強制的に閉弁させるために常時前記低圧側の室
    と連通すると共に前記プランジャの回転運動によって前
    記リリーフチャンネルと連通し得る位置に開口している
    別のリリーフポートを備えている請求項1記載の弁駆動
    装置。
  6. 【請求項6】 前記プランジャの軸線方向の往復運動を
    起こさせるために前記プランジャと一体となって回転す
    るフェイスカムと、前記フェイスカムに形成された波形
    のカム面と、前記カム面と係合するカムローラと、前記
    カムローラを支持するカムローラ支持機構と、前記カム
    ローラ支持機構を前記プランジャの軸線上で回転させて
    前記カム面に対する前記カムローラの位相を変更するこ
    とにより前記吸排気弁の開弁動作の終了時期を制御し得
    るタイミング調整機構を備えている請求項1記載の弁駆
    動装置。
  7. 【請求項7】 前記プランジャの軸線方向に相互に隔離
    されている少なくとも2系統のリリーフチャンネルを備
    えている請求項1記載の弁駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記プランジャの1回の圧縮行程におい
    て前記内燃機関の吸気弁及び排気弁の双方を開弁させる
    ように、前記プランジャ内に形成された前記吐出通路の
    前記開口の他に軸線方向に異なる位置の前記プランジャ
    の円柱面において前記吐出通路に設けられる別の開口
    と、前記プランジャの回転運動によって前記吐出通路の
    前記別の開口と合致したときに前記圧力室において加圧
    された作動油を受け取るように前記シリンダブロック内
    に形成された別の吐出ポートと、前記別の吐出ポートに
    別の高圧通路を介して接続される別の弁駆動用の油圧シ
    リンダと、前記別の油圧シリンダに液密に挿入されて前
    記別の高圧通路から加圧された作動油を受け取ったとき
    に前記内燃機関の別の吸排気弁を開弁させる力を発生す
    る油圧ピストンとを備えている請求項1記載の弁駆動装
    置。
  9. 【請求項9】 前記減圧機構が作動油の流路の絞りを備
    えている請求項1記載の弁駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記吸排気弁の過大な開弁を防止する
    ために前記油圧ピストンを受け入れている前記弁駆動用
    の油圧シリンダが前記油圧ピストンの所定の以上のリフ
    トにおいて前記低圧側の室に連通するリミットポートを
    備えている請求項1記載の弁駆動装置。
  11. 【請求項11】 前記油圧ピストンとそれを受け入れて
    いる前記弁駆動用の油圧シリンダが前記吸排気弁の開弁
    動作及び閉弁動作の終期において前記油圧ピストンを制
    動する油圧ブレーキ機構を備えている請求項1記載の弁
    駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記低圧側の室にある作動油の圧力が
    前記プランジャの一端を押圧してその移動を助け得るよ
    うに、前記低圧側の室が前記プランジャの前記一端側に
    接続して形成されており、更に、前記吸排気弁の開弁時
    に通路を介して前記吸排気弁の油圧シリンダへ供給され
    た高圧の作動油を、前記吸排気弁の閉弁時に前記低圧側
    の室へ導く通路を備えている請求項1記載の弁駆動装
    置。
JP5076969A 1993-01-21 1993-04-02 弁駆動装置 Withdrawn JPH06272522A (ja)

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