JPH08247331A - ディーゼル機関の油圧動弁装置 - Google Patents

ディーゼル機関の油圧動弁装置

Info

Publication number
JPH08247331A
JPH08247331A JP7051096A JP5109695A JPH08247331A JP H08247331 A JPH08247331 A JP H08247331A JP 7051096 A JP7051096 A JP 7051096A JP 5109695 A JP5109695 A JP 5109695A JP H08247331 A JPH08247331 A JP H08247331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
oil
diesel engine
cam
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7051096A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Sato
修一 佐藤
Kenichi Sonoda
憲一 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP7051096A priority Critical patent/JPH08247331A/ja
Publication of JPH08247331A publication Critical patent/JPH08247331A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Fluid-Driven Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディーゼル機関の排気弁を油柱で駆動する油
圧動弁装置において、その油柱の作動油の調量を高精度
で調整することができるようにし、排気弁の閉弁タイミ
ングを高精度で設定して圧縮始めを負荷に応じて変化さ
せる。 【構成】 クランク軸に連動するカムによってプランジ
ャポンプを駆動し、そのカムの最大揚程に同期してプラ
ンジャに形成されたバイパス通路から第1通路を経て蓄
圧器の貯留室に高圧力の作動油の一部を貯留して油柱か
ら排出させ、油柱の体積を減らし、排気弁の揚程を小さ
くする。次のカムの下降行程において、カムの位相より
も速く排気弁の閉弁を終了させる。このときカムの残り
の揚程期間で貯留室内の作動油を、第2通路および逆止
弁を経て、前記排出された油柱の作動油を供給して元の
体積に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル機関の油圧
動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な先行技術は、図6に示されてい
る。ディーゼル機関1の排気弁2を駆動する駆動シリン
ダ3には、そのディーゼル機関のクランク軸に連動する
カム4によって駆動されるプランジャポンプ5から、管
路6を経て油柱を形成する作動油が供給される。プラン
ジャポンプ5のプランジャ7が、図6(1)に示される
ように排気弁2の閉弁状態から、カム4の働きによって
図6(2)に示されるように上限位置に到達してフルス
トロークとなった状態では、油柱の作動油が絞り弁8を
介して排出される。その後、プランジャ5が下降して戻
り、このとき油圧源9から逆止弁10を介して管路6に
作動油が補充される。したがって閉弁行程では、開弁時
よりも油柱が排出分だけ短くなっており、その分、カム
4の揚程よりも排気弁2の揚程が短くなるので、排気弁
2が閉まるタイミングが早くなる。
【0003】絞り弁8の絞り量を、電気的に制御するこ
とによって、一定時間内の作動油の排出量を調整し、排
気弁2の閉弁タイミングの進み具合を調整することがで
きる。こうしてディーゼル機関1の負荷に応じて、圧縮
行程の開始タイミングを調整することができる。電気的
に制御される絞り弁8は、ディーゼル機関1の各シリン
ダ毎に設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような図6に示さ
れる先行技術では、絞り弁8の絞り量の大きさによっ
て、油柱の作動油の排出量の調整を行っている。作動油
には、たとえば約100kg/cm2 もの大きな圧力差
があり、しかも約0.1〜0.4秒である短い開弁時間
において制御しなければならない状況であるので、絞り
弁8による排出量を精度よく調量することは難しい。し
たがって先行技術によれば、たとえば4サイクルエンジ
ン等、比較的高速のディーゼル機関では排気弁2の安定
した閉弁タイミングの設定値を得ることができない。
【0005】またこの先行技術では、各気筒毎に個別に
絞り弁8を設ける必要があり、したがって気筒間の絞り
弁8の機差による設定のばらつきを生じやすく、比較的
高速のディーゼル機関では安定した運転が困難である。
【0006】またこの先行技術では、何らかの原因で絞
り弁8の絞り状態に不具合を生じて、油柱の作動油の排
出量が大きくなると、排気弁2の開口面積と開弁時間が
短くなり、燃焼室のガス交換が不充分になって燃費の悪
化をもたらすばかりでなく、極端な場合は排気弁2が開
かなくなって運転できなくなるおそれがある。
【0007】さらにこの先行技術では、ディーゼル機関
1の各サイクル毎に、油圧源9から排出した分だけ作動
油を補充する必要があるので、エネルギの損失を少なく
したいという要望が大きい。
【0008】本発明の目的は、排気弁を駆動する油柱の
作動油を、僅かの量であっても調量を高精度で行うこと
ができるようにし、気筒間の機差による油柱の作動油の
調量のばらつきをなくし、油柱の作動油の排出量が不所
望に大きくなりすぎることを防ぎ、エネルギー損失がな
いようにしたディーゼル機関の油圧動弁装置を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ディーゼル機
関のクランク軸に連動してカム駆動されるプランジャポ
ンプによる作動油の油柱によって、ディーゼル機関の排
気弁を駆動するための駆動シリンダを駆動するディーゼ
ル機関の油圧動弁装置において、蓄圧器が設けられ、こ
の蓄圧器は、作動油を貯留する貯留室を有するハウジン
グと、この貯留室の容積を規定する蓄圧器ピストンと、
蓄圧器ピストンに、貯留室の容積が小さくなる方向にば
ね力を与えるばねと、蓄圧器ピストンの最大変位量を調
整する変位量調整手段とを備え、前記プランジャポンプ
のプランジャには、一端部がプランジャポンプの圧力室
に開口しかつ他端部が外周壁に開口したバイパス通路が
形成され、プランジャポンプのプランジャを収容するバ
レルには、プランジャの上限位置でバイパス通路に連通
するように開口した第1通路が形成され、この第1通路
は前記貯留室に連通し、貯留室の作動油を、逆止弁を介
して、プランジャポンプの圧力室から駆動シリンダのピ
ストン室までの油柱空間に戻す第2通路が設けられるこ
とを特徴とするディーゼル機関の油圧動弁装置である。
また本発明は、前記変位量調整手段は、蓄圧器ピストン
に関して貯留室とは反対側に設けられ、蓄圧器ピストン
に当接して蓄圧器ピストンの変位量を制限するストッパ
と、ストッパを、貯留室に近接および離反する方向に変
位するカムと、カムを角変位して設定する手段とを含む
ことを特徴とする。また本発明は、前記油柱空間には、
油圧源から、もう1つの逆止弁を介して作動油を補給す
ることを特徴とする。また本発明は、ディーゼル機関は
複数の気筒を有し、各気筒毎に設けられる前記駆動シリ
ンダは、共通のカム軸に連結されたカムによって駆動さ
れることを特徴とする。また本発明は、排気弁を油柱で
駆動するディーゼル機関の油圧動弁装置において、ディ
ーゼル機関のクランク軸に連動するカムの最大揚程に同
期して油柱の作動油の一部を蓄圧器に排出して油柱の体
積を減らして排気弁の揚程を小さくすることによって、
カムの下降行程において、カムの位相よりも速く排気弁
の閉弁を終了させるとともに、油柱の前記排出された作
動油を蓄圧器から補充して油柱の作動油の体積を元の体
積に戻すことを特徴とするディーゼル機関の油圧動弁装
置である。
【0010】
【作用】本発明に従えば、4サイクルまたは2サイクル
のディーゼル機関のクランク軸に連動される各気筒毎の
カムによって各プランジャポンプが駆動され、その作動
油による油柱によって排気弁が開弁駆動され、プランジ
ャが下限位置にあるとき排気弁は閉じている。ディーゼ
ル機関のサイクル内で、カムによってプランジャが揚程
を開始すると、第2通路に設けられた逆止弁が閉じたま
まで、油柱空間の作動油が圧縮され、排気弁が開かれ
る。プランジャポンプを駆動するカムの揚程が進むにつ
れて、油柱空間の作動油は、油柱となって排気弁の駆動
のための駆動シリンダのピストンを押下げ、ディーゼル
機関の燃焼室の排気と給気のガス交換が行われる。
【0011】プランジャが下降行程に入ると、排気弁の
弁体に作用するたとえば空気ばねなどの力で、駆動シリ
ンダのピストンが押戻され、排気弁が閉弁し、燃焼室の
給気行程を終了する。
【0012】プランジャポンプのプランジャ内にはバイ
パス通路が形成されており、その最大揚程では、バイパ
ス通路と第1通路とが短時間だけ連通し、したがって油
柱空間がバイパス通路を経て、さらに第1通路を経て蓄
圧器の貯留室に油柱空間内の作動油の一部が排出され
る。こうして蓄圧器の貯留室には、高圧力の状態で作動
油が保持される。したがってプランジャポンプの圧力
室、排気弁駆動のための駆動シリンダのピストン室およ
びそれらを連結する管路などによって形成される油柱空
間内の油柱の体積が減少して、排気弁の揚程が小さくな
る。
【0013】この状態から、プランジャポンプのカムの
働きによってプランジャが下降行程に入ると、排気弁は
閉弁行程に入る。上述のように油柱の体積が減少して短
くなっているので、排気弁が閉じた時点では、プランジ
ャポンプを駆動するカムには、その油柱の体積減少分に
対応した揚程が残っている。したがって排気弁の閉弁タ
イミングが、プランジャポンプのカムの位相に対して進
む結果になる。
【0014】プランジャがさらに下降して油柱空間内の
圧力が低下するとともに前記残りの揚程分だけ変位する
と、蓄圧器の貯留室内に高圧力で保持されていた作動油
が、第2通路を経て、逆止弁から、蓄圧器のばね力によ
って油柱空間に供給され、こうして油柱の作動油が元の
体積に戻されるように供給される。
【0015】本発明に従えば、蓄圧器のピストンの最大
変位量を調整する変位量調整手段は、カムに当接するス
トッパの位置を、カムによって変化させるように構成さ
れてもよいけれども、その他の構成によって変位量調整
手段が実現されてもよい。
【0016】本発明に従えば、油柱空間などからの作動
油の漏洩分を補給するために、油圧源から、もう1つの
逆止弁を介して作動油が導かれる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の全体の構成を示
す断面図である。4サイクルまたは2サイクルのディー
ゼル機関12の燃焼室13に臨んで排気弁14が設けら
れ、燃焼室13内の燃焼ガスが排気通路15から排出さ
れる。排気弁14の弁棒16には、空気用ピストン17
が固定されており、空気室18には空気圧源19から逆
止弁19aを介して圧縮空気が導かれ、これによって空
気用ピストン17、したがって排気弁14には、閉弁方
向に空気ばねのばね力が作用している。逆止弁19a
は、排気弁14の開弁駆動時に空気室18内の空気圧が
圧縮されて、空気圧源19の圧力よりも高くなるように
する。
【0018】弁棒16にはまた、駆動シリンダ20の駆
動ピストン21が固定されており、そのピストン室22
には管路23を介してプランジャポンプ24の圧力室2
5に接続される。ディーゼル機関のクランク軸に連結さ
れるカム軸26には、プランジャポンプ24を駆動する
カム27が固定されている。図1に示される構成は、複
数気筒を有するディーゼル機関の各気筒毎に設けられ、
各気筒毎のプランジャポンプ24に共通にカム軸26が
用いられ、この共通のカム軸26に、各気筒毎のプラン
ジャポンプ24のためのカム27が固定される。
【0019】図2は、プランジャポンプ24に関連して
設けられる蓄圧器28の断面図である。この蓄圧器28
は基本的には、油柱を構成する作動油の一部を貯留する
貯留室29を有するハウジング30と、この貯留室29
の容積を規定する蓄圧器ピストン31と、蓄圧器ピスト
ン31に、貯留室29の容積が小さくなる方向(図1お
よび図2の左方)にばね力を与えるばね32とを有し、
さらに蓄圧器ピストン31の最大変位量を調整するため
の変位量調整手段33とを備える。
【0020】蓄圧器ピストン31の貯留室29とは反対
側の端部には突起34が突設されている。この突起34
は、蓄圧器ピストン31が図1および図2の右方に移動
してストッパ35に当接することができる。ストッパ3
5は、蓄圧器ピストン31が図1および図2の右方に最
大変位した図3の状態での貯留室29の最大容積を規定
する。ストッパ35には、ホロア36が固定されてお
り、このホロア36は、周面カム37のカム面38に摺
接する。カム37を調整用カム軸39のまわりに角変位
して調整することによって、ホロア36、したがってス
トッパ35を、貯留室29に近接および離反する方向に
変位することができ、これによって貯留室29の最大容
積を調整することができる。調整用カム軸39は、角変
位設定手段40によって、予め定める希望する位置に設
定することができ、このカム37の揚程は、上述のよう
に貯留室29の最大容積に対応し、したがって排気弁1
4の閉弁タイミング、したがって圧縮始めのタイミング
に対応している。角変位設定手段40は、ディーゼル機
関12の負荷に応じて動作し、たとえば、検出手段によ
って検出されるディーゼル機関の負荷が小さいときほ
ど、排気弁14の閉弁タイミングを早める。
【0021】再び図1を参照してプランジャポンプ24
において、バレル42にはプランジャ43が図1の上下
に変位可能に設けられており、その連結棒44は、カム
27の周面に摺接するローラであるホロア45に連結さ
れる。ばね46は、ホロア45をカム27のカム面に押
圧する。
【0022】プランジャ43の構成についてさらに図2
を参照して述べる。プランジャ43には、バイパス通路
47が形成される。バイパス通路47の一端部48は、
圧力室25に開口する。バイパス通路47の他端部49
は、プランジャ43の外周壁に向かって開口する。
【0023】バレル42には、プランジャ43の図3に
示される上限位置、すなわちプランジャ43の最大変位
位置で、バイパス通路47の前記他端部に連通するよう
に開口した第1通路50が形成される。第1通路50の
途中には、第1絞り51が形成される。この第1通路5
0は、蓄圧器28の貯留室29に連通する。
【0024】バレル42にはまた、第2通路53が形成
される。この第2通路53は、プランジャ43の上限位
置よりももっと上方で、圧力室25に常に連通されるよ
うに接続される。第2通路53は、蓄圧器28の貯留室
29に連通される。この第2通路53には、貯留室29
の作動油を、圧力室25に戻す逆止弁54が介在され
る。さらにこの第2通路53には、第2絞り55が介在
される。
【0025】第1および第2通路53,56は、上述の
実施例では、圧力室25に常に連通されるように構成さ
れているけれども、他の実施例として圧力室25から管
路23を経て駆動シリンダ20のピストン室22に至る
油柱空間に接続するように構成されていればよい。
【0026】バレル42にはまた、第3通路56が形成
され、その第3通路56は圧力室25に常に連通してい
る。圧力室56には、もう1つの逆止弁57が介在さ
れ、油圧源58からの作動油が、前記油柱空間などの漏
洩分を補充するために、供給される。
【0027】図4(1)は、プランジャポンプ24を駆
動するカム27のリフト線図である。ホロア45がカム
27の基礎円上にある状態から、プランジャ43は、最
大揚程Hcだけ上昇駆動されることができる。
【0028】図4(2)は圧力室25内の作動油の油圧
を示し、図4(3)は排気弁14の弁体の弁揚程を示す
グラフであり、図4(4)はその排気弁14を駆動する
ための油柱長さを示す図である。これらの図面を参照し
て、図1〜図3に示される実施例の動作を説明する。図
4における時刻t1においては、図1のように、プラン
ジャポンプ24のホロア45が弁ばね46によってカム
27のカム面の基礎円に押接されている状態であり、プ
ランジャ43はバレル42内において下限位置にある。
排気弁14は、空気室18の圧縮空気の働きによって、
弁座に着座され、閉弁状態となっており、このとき駆動
ピストン21は上限位置にある。またこの状態では、プ
ランジャポンプ24のプランジャ43に形成されている
バイパス通路47の前記他端部49は、バレル42に形
成されたシリンダ室60の内周面に接触して閉じられて
いる。第2および第3通路53,56は圧力室25に連
通したままである。圧力室25内の作動油は、第3通路
56に連通する油圧源58の作動油と同じ圧力である。
蓄圧器28の蓄圧器ピストン31は、ばね32によって
シリンダ室61における貯留室29の端部62に当接し
ており、貯留室29内の作動油は、排出された状態にあ
る。調整用カム37によってホロア36、したがってス
トッパ35は、希望する調整された位置に保たれてロッ
クされた状態となっている。
【0029】ディーゼル機関12のサイクル内で、クラ
ンク軸およびカム軸26が回転してカム27が揚程を、
時刻t1以降に開始すると、圧力室25内の油圧が上昇
し、逆止弁54,57は閉じられ、油柱空間内の作動油
が圧縮される。この油柱空間内の作動油の圧力によっ
て、排気弁14の駆動ピストン21に作用する力が、空
気室18内で作用する空気ばね力と、燃焼室13におけ
るガスが排気弁14に作用する力との合力に打ち勝つ
と、排気弁14が図1の下方に変位して図4(3)の時
刻t2において開く。
【0030】カム27の揚程が進むにつれて、油柱空間
内の作動油は、油柱となって、駆動ピストン21を図1
の下方に押下げ、時刻t3でカム27の最大揚程Hcに
なると、排気弁14の最大変位Hvに到達し、図3のよ
うな開弁状態となる。図3では排気弁の揚程はHvより
も小さくなっている。これによって燃焼室13の排気と
給気のガス交換がピストンの動きによって可能になる。
【0031】この時刻t3において、カム27の最大揚
程Hcになった状態では、圧力室25内の作動油は図3
に示されるようにプランジャ43のバイパス通路47を
経て第1絞り51および第1通路50を経て流れ、油柱
空間の作動油が排出され、蓄圧器28の貯留室29に導
かれる。蓄圧器ピストン31は、突起34がストッパ3
5に当接するまで、図1〜図3の右方に変位して図3に
示される状態となる。こうして貯留室29には、高圧力
の作動油が貯留されて保持された状態となる。第1逆止
弁54は、圧力室25の油圧の方が、貯留室29のそれ
よりも高いので、閉じられたままとなっている。したが
って油柱空間から貯留室29に排出された作動油の体積
Vは、蓄圧器ピストン31の断面積Aと、そのピストン
31の一端部が貯留室29の端部62に当接している状
態からそのピストンの他端部の突起34がストッパ35
に当接するまでの変位量Sとの積(=A・S)である。
【0032】この作動油の体積Vだけ、駆動ピストン2
1は空気室18の圧縮空気のばね力によって押戻され、
図4(3)の仮想線のように排気弁14はその最大変位
Hvから変化量HA だけ小さくなっている。図4
(2)、図4(3)および図4(4)の実線で示される
ラインは、蓄圧器28、第1通路50、第2通路53お
よび第3通路56、さらにはバイパス通路47などが省
略された構成における特性をそれぞれ示している。こう
して図4(4)に示されるように油柱長さは、実線の特
性に比べて本発明では仮想線で示されるように短くされ
る。
【0033】カム27がホロア45の下降行程に入る
と、排気弁14は閉弁動作を行う。排気弁14の変位
は、前記変位量HA だけ、本発明によれば短くなってい
るので、排気弁14が閉じた時刻t4では、カム27は
図4(1)で示されるように揚程HCRが残っている。し
たがって排気弁14の閉弁タイミングが、カム27の位
相に対して図4(3)の参照符TAで示される進ませ量
だけ、進む結果になる。
【0034】カム27はさらに、ホロア45が揚程が零
になってそのカム27の基礎円に達するまで、残りの揚
程HCR分だけホロア45、したがってプランジャ43を
下降させる。この状態に至るまでには油柱空間の油圧が
充分下がっているので、蓄圧器28の貯留室29におけ
る高圧力で保持されていた作動油が、逆止弁54を開
き、蓄圧器ピストン31がばね32のばね力に押され
て、貯留室29内の作動油を、逆止弁54および第2絞
り55を介して第2通路53から圧力室25、したがっ
て油柱空間に排出し、時刻t5では、最初の油柱空間の
作動油の体積に戻す。
【0035】前述の第3通路56からの油圧源58から
逆止弁57を介する作動油の供給は、油柱空間からの作
動油の漏洩分を補給するものである。このとき蓄圧器2
8の貯留室29に作動油が補給されないように、蓄圧器
28のピストン31を弾発的に押圧するばね32の取付
荷重は、油圧源58の供給圧による力を上回って、プラ
ンジャ43が下限位置になるまでに、貯留室29内の作
動油を全て排出して蓄圧器ピストン31がシリンダであ
るハウジング30の端部62に当接するように設定され
る。
【0036】調整カム37の角度を変更して、そのカム
37がホロア36、したがってストッパ35の図1〜図
3における左方への変位量を大きく設定すると、蓄圧器
ピストン31の揚程ストローク変位量Sが小さくなっ
て、貯留室29における作動油の貯留量が小さくなる。
これによって排気弁14のカム27に対する進み量を小
さく設定することができる。
【0037】図5は、角変位設定手段40の具体的な構
成を簡略化して示す斜視図である。ストッパ35の位置
を設定するためのカム37は、調整用カム軸39に前述
のように固定されており、このカム軸39にはウォーム
ホイル64が固定される。ウォームホイル64は、ウォ
ーム65に噛合う。ウォーム65は、電動機または油圧
モータなどの駆動源66によって回転駆動される。この
駆動源66したがってウォーム65の回転、すなわち正
転、逆転、回転の数を調整することによって、ストッパ
35の図1および図2における左右の位置を調整して設
定することができる。
【0038】カム軸39にはディーゼル機関12の複数
の各気筒毎に設けられたプランジャポンプ24のストッ
パ35の位置を調整して設定するための複数のカム37
が共通に固定され、これによって各気筒間の機差による
ばらつきをなくすことができる。また油柱の作動油の調
量を、ストッパ35のストローク量で調整することがで
き、したがって不具合によって油柱の作動油が貯留室2
9に排出される量が大きくなり過ぎることを防ぐことが
できる。さらにまたばね32のばね力で作動油を、閉弁
終わりの油柱に自動的に戻すので、エネルギ損失がほと
んどない。さらに駆動源66の回転数によってストッパ
35の位置を正確に設定することができ、作動油の調量
の精度を高くすることができる。
【0039】本発明の他の実施例として、角変位調整手
段40は、図5に示される構成の他に、さらに他の実施
例として、カム軸39にピニオンを固定し、そのピニオ
ンをラックの駆動源による移動によって角変位駆動する
構成であってもよい。他の実施例として、カム軸39に
操作レバーを固定し、このレバーを角変位して設定する
構成であってもよい。
【0040】さらに他の実施例として、カム軸39にス
プラインを形成し、そのスプラインに噛合うスプライン
歯車をカム軸39の軸方向に移動可能とし、カム軸39
のスプライン突起と、それが嵌まり込むスプライン歯車
とをカム軸39の軸線方向に螺旋状に形成し、スプライ
ン歯車をカム軸39の軸線方向に駆動源によって変位す
るように構成してもよい。角変位調整手段40の具体的
な構成は、その他の変形例が考えられる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、排気弁の
開弁時におけるプランジャポンプのプランジャの上限位
置でプランジャに形成されたバイパス通路および第1通
路を経て蓄圧器の貯留室に、油柱を形成する作動油の一
部を貯留するようにし、その蓄圧器のピストンの最大変
位量を調整するようにしたので、ピストンを僅かの変位
量であっても高精度で調整することができ、したがって
作動油が僅かの量であっても調量を高精度で行うことが
できる。したがって油柱の作動油の圧力差が大きくて
も、また排気弁の開弁時間が短くても、排気弁の安定し
た閉弁タイミングを設定することができる。
【0042】また本発明によれば、プランジャポンプの
プランジャが上限位置にあって排気弁が開いた状態で、
蓄圧器に作動油を送り込み、蓄圧器のばね力で作動油
を、排気弁の閉弁終りの油柱に第2通路および逆止弁を
経て自動的に戻すので、前述の先行技術のように油圧源
を必要とせず、エネルギー損失がない。
【0043】また本発明によれば、蓄圧器における作動
油の調量が、蓄圧器ピストンの変位量によって決定さ
れ、したがって構成が簡単であり、弊害を生じにくく、
したがって油柱の作動油を排出する量が大きくなりすぎ
ることがなくなる。これによって排気弁の開弁時間を必
要な時間だけ確保することができ、燃費が良好に保たれ
る。
【0044】さらに本発明によれば、各シリンダ毎のプ
ランジャポンプに共通に、カム機構を設けることがで
き、したがって複数の気筒間の機差によるばらつきをな
くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示す断面図で
ある。
【図2】図1に示される実施例の蓄圧器28付近の拡大
断面図である。
【図3】図1および図2に示される実施例における排気
弁14が開弁状態になっているときの状態を示す断面図
である。
【図4】図1〜図3に示される実施例の動作を説明をす
るための図である。
【図5】調整カム37を角変位して調整する手段40の
具体的な構成を簡略化して示す斜視図である。
【図6】先行技術の断面図である。
【符号の説明】
12 ディーゼル機関 13 燃焼室 14 排気弁 21 駆動ピストン 24 プランジャポンプ 25 圧力室 26 カム軸 27 カム 28 蓄圧器 29 貯留室 30 ハウジング 31 蓄圧器ピストン 32 ばね 35 ストッパ 36,45 ホロア 37 周面カム 39 調整用カム軸 40 角変位設定手段 42 バレル 47 バイパス通路 50 第1通路 51 第1絞り 53 第2通路 54,57 逆止弁 55 第2絞り 56 第3通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼル機関のクランク軸に連動して
    カム駆動されるプランジャポンプによる作動油の油柱に
    よって、ディーゼル機関の排気弁を駆動するための駆動
    シリンダを駆動するディーゼル機関の油圧動弁装置にお
    いて、 蓄圧器が設けられ、この蓄圧器は、 作動油を貯留する貯留室を有するハウジングと、 この貯留室の容積を規定する蓄圧器ピストンと、 蓄圧器ピストンに、貯留室の容積が小さくなる方向にば
    ね力を与えるばねと、蓄圧器ピストンの最大変位量を調
    整する変位量調整手段とを備え、 前記プランジャポンプのプランジャには、一端部がプラ
    ンジャポンプの圧力室に開口しかつ他端部が外周壁に開
    口したバイパス通路が形成され、 プランジャポンプのプランジャを収容するバレルには、
    プランジャの上限位置でバイパス通路に連通するように
    開口した第1通路が形成され、この第1通路は前記貯留
    室に連通し、 貯留室の作動油を、逆止弁を介して、プランジャポンプ
    の圧力室から駆動シリンダのピストン室までの油柱空間
    に戻す第2通路が設けられることを特徴とするディーゼ
    ル機関の油圧動弁装置。
  2. 【請求項2】 前記変位量調整手段は、 蓄圧器ピストンに関して貯留室とは反対側に設けられ、
    蓄圧器ピストンに当接して蓄圧器ピストンの変位量を制
    限するストッパと、 ストッパを、貯留室に近接および離反する方向に変位す
    るカムと、 カムを角変位して設定する手段とを含むことを特徴とす
    る請求項1記載のディーゼル機関の油圧動弁装置。
  3. 【請求項3】 前記油柱空間には、油圧源から、もう1
    つの逆止弁を介して作動油を補給することを特徴とする
    請求項1または2記載のディーゼル機関の油圧動弁装
    置。
  4. 【請求項4】 ディーゼル機関は複数の気筒を有し、 各気筒毎に設けられる前記駆動シリンダは、共通のカム
    軸に連結されたカムによって駆動されることを特徴とす
    る請求項1〜3のうちの1つのディーゼル機関の油圧動
    弁装置。
  5. 【請求項5】 排気弁を油柱で駆動するディーゼル機関
    の油圧動弁装置において、 ディーゼル機関のクランク軸に連動するカムの最大揚程
    に同期して油柱の作動油の一部を蓄圧器に排出して油柱
    の体積を減らして排気弁の揚程を小さくすることによっ
    て、カムの下降行程において、カムの位相よりも速く排
    気弁の閉弁を終了させるとともに、油柱の前記排出され
    た作動油を蓄圧器から補充して油柱の作動油の体積を元
    の体積に戻すことを特徴とするディーゼル機関の油圧動
    弁装置。
JP7051096A 1995-03-10 1995-03-10 ディーゼル機関の油圧動弁装置 Pending JPH08247331A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7051096A JPH08247331A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 ディーゼル機関の油圧動弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7051096A JPH08247331A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 ディーゼル機関の油圧動弁装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08247331A true JPH08247331A (ja) 1996-09-27

Family

ID=12877288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7051096A Pending JPH08247331A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 ディーゼル機関の油圧動弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08247331A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101230884B1 (ko) * 2006-07-27 2013-02-07 기아자동차주식회사 자동차용 밸브 트레인 구조
JP2013525681A (ja) * 2010-04-30 2013-06-20 ワルトシラ フィンランド オサケユキチュア ピストンエンジンにおけるガス交換バルブのための制御装置
CN103277158A (zh) * 2013-05-31 2013-09-04 中国人民解放军理工大学 液压柔性驱动配气机构
CN104405468A (zh) * 2014-09-30 2015-03-11 刘恩均 发动机液压开闭气门装置
CN106939808A (zh) * 2017-04-26 2017-07-11 哈尔滨工程大学 一种应用于低速柴油机的带液压旋阀器的排气阀装置
CN107407167A (zh) * 2015-03-06 2017-11-28 舍弗勒技术股份两合公司 凸轮轴调节器
WO2019156181A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション 油圧駆動装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101230884B1 (ko) * 2006-07-27 2013-02-07 기아자동차주식회사 자동차용 밸브 트레인 구조
JP2013525681A (ja) * 2010-04-30 2013-06-20 ワルトシラ フィンランド オサケユキチュア ピストンエンジンにおけるガス交換バルブのための制御装置
CN103277158A (zh) * 2013-05-31 2013-09-04 中国人民解放军理工大学 液压柔性驱动配气机构
CN104405468A (zh) * 2014-09-30 2015-03-11 刘恩均 发动机液压开闭气门装置
US10352206B2 (en) 2015-03-06 2019-07-16 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Camshaft adjuster
CN107407167A (zh) * 2015-03-06 2017-11-28 舍弗勒技术股份两合公司 凸轮轴调节器
CN107407167B (zh) * 2015-03-06 2020-12-22 舍弗勒技术股份两合公司 凸轮轴调节器
CN106939808A (zh) * 2017-04-26 2017-07-11 哈尔滨工程大学 一种应用于低速柴油机的带液压旋阀器的排气阀装置
CN106939808B (zh) * 2017-04-26 2023-06-02 哈尔滨工程大学 一种应用于低速柴油机的带液压旋阀器的排气阀装置
WO2019156181A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション 油圧駆動装置
JP2019138211A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション 油圧駆動装置
CN111684147A (zh) * 2018-02-09 2020-09-18 日本发动机股份有限公司 液压驱动装置
CN111684147B (zh) * 2018-02-09 2022-05-13 日本发动机股份有限公司 液压驱动装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4154622B2 (ja) ピストンエンジンの動作中において有効排気量および/または容積比を変更するための装置
US5002022A (en) Valve control system with a variable timing hydraulic link
USRE33270E (en) Pressure-controlled fuel injection for internal combustion engines
JP5042298B2 (ja) 内燃機関
US4628881A (en) Pressure-controlled fuel injection for internal combustion engines
US4615306A (en) Engine valve timing control system
WO1997026447A1 (fr) Procede et dispositif pour commander le mecanisme de soupape d'un moteur
WO2004015256A1 (en) Piston-in-piston variable compression ratio engine
US5363816A (en) Valve drive device
US9970336B2 (en) Internal-combustion engine with an electronically controlled hydraulic system for variable actuation of the intake valves, provided with a device for refilling the system with fluid
US9046008B2 (en) Lost-motion variable valve actuation system with valve deactivation
JP2014528535A (ja) 往復カムを備える電気油圧式バルブアクチュエータ
US20120192817A1 (en) Variable force valve spring
FI70070C (fi) Pao gnisttaendning baserad foerbraenningsmotor
JPH06167224A (ja) 内燃機関の運転形式を切換えるための装置
US5893345A (en) Valve control apparatus for an internal combustion engine
JPH04503098A (ja) 内燃機関用のハイドロリック式の弁制御装置
JPH08247331A (ja) ディーゼル機関の油圧動弁装置
JPH0411739B2 (ja)
US6976456B2 (en) Connecting rod
CN111164277B (zh) 再生阀液压致动器
US5327857A (en) Vehicular drive system using stored fluid power for improved efficiency
JPS6085209A (ja) デイ−ゼル機関の弁駆動装置
WO1997019260A1 (en) Valve operating system
JP3597532B2 (ja) 可変バルブタイミングシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040830

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060418

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20060801

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20060801

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130811

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250