JP5588903B2 - 多気筒回転圧縮機と冷凍サイクル装置 - Google Patents

多気筒回転圧縮機と冷凍サイクル装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、多気筒回転圧縮機と、この多気筒回転圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置では、圧縮機構部に複数のシリンダ室を備えた多気筒回転圧縮機が多用される。この種の圧縮機において、複数のシリンダ室で同時に圧縮作用を行う全能力運転と、一方のシリンダ室で圧縮作用をなし、他方のシリンダ室では圧縮作用を停止して、圧縮仕事を低減する能力半減運転との切換えができれば有利である。
具体的な構造として、たとえば、一方のブレードのブレード背室に背圧導入通路を連通する。背圧導入通路に高圧もしくは低圧を切換えて導くことで、ブレードの先端部をローラ周面から離間させて、一方のシリンダ室における圧縮運転を休止する半能力運転を行う、もしくは、両方のシリンダ室で圧縮運転をなす全能力運転を行える。
特表2008−520901号公報
この多気筒回転圧縮機では、ブレードの往復動にともない、密閉ケース内底部に集溜する潤滑油がブレード背室と、ここに連通する背圧導入通路に浸入する。運転時間が長時間に及ぶと、ブレード背室と背圧導入通路に潤滑油が充満する現象が生じ、圧縮機構部の各摺動部での潤滑性の低下および騒音の増大をともなう。
このような事情から、ブレード背室と背圧導入通路に潤滑油を溜り難くして、信頼性の向上と低騒音化を得る多気筒回転圧縮機と、この多気筒回転圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を得る冷凍サイクル装置が望まれる。
本実施形態の多気筒回転圧縮機は、密閉ケース内に、電動機部と、この電動機部と回転軸を介して連結される圧縮機構部を収容し、上記圧縮機構部は、シリンダ室を有する第1のシリンダおよび第2のシリンダ、各シリンダ室内で偏心回転する第1のローラおよび第2のローラ、それぞれのローラに当接してシリンダ内を区画する第1のブレードおよび第2のブレード、第2のブレードの後端側に形成されるブレード背室、このブレード背室に連通され高圧もしくは低圧を切換えて供給し第2のブレードに背圧を付与する背圧導入通路、ブレード背室と密閉ケースの内部空間とを連通する連通路、この連通路を開閉する逆止弁機構を具備し、
逆止弁機構は、ブレード背室に高圧が導入され、第2のブレードがブレード背室の容積を拡大する方向に移動するときに連通路を閉じ、第2のブレードがブレード背室の容積を縮小する方向に移動したときは連通路を開放するように構成する。
本実施形態の冷凍サイクル装置は、上記記載の多気筒回転圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する。
第1の実施形態に係る、多気筒回転圧縮機の概略の縦断面図。 同実施形態に係る、圧縮機構部の要部を分解した斜視図。 同実施形態に係る、図1のA部を拡大した図。 同実施形態に係る、図3のT−T線に沿う縦断面図。 第2の実施形態に係る、多気筒回転圧縮機概略の縦断面図。 同実施形態に係る、流路抵抗部と配管との流路面積比に対する効率の特性図。 第1、第2の実施形態に共通する、多気筒回転圧縮機を備えた冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。
以下、本実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る、多気筒回転圧縮機Mの概略の縦断面図である。
図中1は密閉ケースであって、この密閉ケース1内の下部には圧縮機構部3が設けられ、上部には電動機部4が設けられる。上記電動機部4と圧縮機構部3は、回転軸5を介して一体に連結される。
上記圧縮機構部3は、上部側に第1のシリンダ6Aを備え、下部側に第2のシリンダ6Bを備えている。第1のシリンダ6Aの上端面に主軸受7Aが取付け固定され、第2のシリンダ6Bの下端面に副軸受7Bが取付け固定される。これら第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bとの間には中間仕切り板2が介在される。
上記回転軸5は、各シリンダ6A、6B内部を貫通し、略180°の位相差で同一直径の第1の偏心部5aと第2の偏心部5bを一体に備える。各偏心部5a、5bはシリンダ6A、6Bの内径部に位置するように組立てられる。第1の偏心部5aの周面に第1のローラ9aが嵌合され、第2の偏心部5bの周面に第2のローラ9bが嵌合される。
上記第1のシリンダ6Aの内径部は、主軸受7Aと中間仕切り板2によって閉塞され、第1のシリンダ室Saが形成される。上記第2のシリンダ6Bの内径部は、中間仕切り板2と副軸受7Bによって閉塞され、第2のシリンダ室Sbが形成される。
第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbは、互いに同一直径および高さ寸法に設計される。第1、第2のローラ9a、9bの周壁一部が、第1、第2のシリンダ室Sa、Sbの周壁一部に潤滑油膜を介して線接触しながら偏心移動自在になるように、それぞれのローラ9a、9bがシリンダ室Sa,Sbに収容される。
上記主軸受7Aには二重に重ねられた吐出マフラ8aが取付けられ、主軸受7Aに設けられる吐出弁機構を覆っている。いずれの吐出マフラ8aにも吐出孔が設けられる。上記副軸受7Bには一重の吐出マフラ8bが取付けられ、副軸受7Bに設けられる吐出弁機構を覆う。この吐出マフラ8bには吐出孔が設けられていない。
主軸受7Aの吐出弁機構は第1のシリンダ室Saに対向し、圧縮作用にともない室内が所定圧力に上昇したとき開放して、圧縮ガスを吐出マフラ8a内に吐出させる。副軸受7Bの吐出弁機構は第2のシリンダ室Sbに対向し、圧縮作用にともない室内圧力が所定圧力に上昇したとき開放して、圧縮ガスを吐出マフラ8b内に吐出させる。
副軸受7Bと、第2のシリンダ6Bと、中間仕切り板2と、第1のシリンダ6Aおよび主軸受7Aとに亘って吐出ガス案内路が設けられる。この吐出ガス案内路は、第2のシリンダ室Sbから吐出弁機構を介して下部側吐出マフラ8bに吐出された高圧ガスを、上部側の二重吐出マフラ8a内に案内する。
さらに、密閉ケース1の内底部には潤滑油を集溜する油溜り部14が形成されていて、圧縮機構部3のほとんど全部が油溜り部14の潤滑油中に浸漬される。回転軸5の下端面と圧縮機構部3の各摺動部に亘って、油溜り部14の潤滑油を給油するための給油通路が設けられる。
図2は、同実施形態に係る、上記圧縮機構部3の一部を分解して示す斜視図であり、要部のみを概略的に示し、詳細は省略している。
第1のシリンダ6Aには、内径部である第1のシリンダ室Saにブレード溝10aが連設され、さらにブレード溝10aから第1のブレード背室11aが設けられる。上記ブレード溝10aには第1のブレード12aが移動自在に収容され、その先端部は第1のシリンダ室Saに、後端部は第1のブレード背室11aに突没自在である。
第2のシリンダ6Bには、内径部である第2のシリンダ室Sbにブレード溝10bが連設され、さらにブレード溝10bから第2のブレード背室11bが設けられる。上記ブレード溝10bには第2のブレード12bが移動自在に収容され、その先端部は第2のシリンダ室Sbに、後端部は第2のブレード背室11bに突没自在である。
第1、第2のブレード12a、12bそれぞれの先端部は平面視で略円弧状に形成されており、これら先端部が対向する第1、第2のシリンダ室Sa、Sbに突出した状態で、平面視で円形状の図1に示す上記第1、第2のローラ9a、9b周壁に、これらの回転角度にかかわらず線接触するようになっている。
上記第1のシリンダ6Aには、第1のブレード背室11aと、このシリンダ6Aの外周面とを連通する横孔fが設けられ、ばね部材(弾性部材)13が収容される。ばね部材13は第1のブレード12aの後端部端面と密閉ケース1内周壁との間に介在され、第1のブレード12aに弾性力(背圧)を付与する。
なお、第2のブレード12bに対しては、後端部端面と密閉ケース1内周壁との間に介在する部材は存在しない。後述するように、先端部が第2のシリンダ室Sbの圧力影響を受け、後端部が第2のブレード背室11bの圧力影響を受けて、先端部と後端部が受ける圧力の差圧によって背圧が付与され、もしくは付与されない。
図1に示すように、第2のブレード背室11bの背面側周壁に永久磁石15が取付けられる。この磁気力は、第2のブレード12b後端部が永久磁石15に接触し、もしくは極く近傍に移動したところで、ブレード12b後端部を磁気吸着できる程度である。ある程度の高い圧力がかかれば、第2のブレード12bは永久磁石15から容易に離脱する。
第2のブレード背室11bの上面開口部は、第2のシリンダ6Bの上端面に取付けられる中間仕切り板2によって閉塞される。しかしながら、第2のブレード背室11bの下面開口部は、副軸受7Bのフランジ部周端面から外方へ突出した位置に設けられ、そのままでは下面開口部が密閉ケース1内に開口してしまう。
そこで、第2のブレード背室11bの下面開口部は、副軸受7Bのフランジ部外周壁一部に沿って位置し、取付けボルト16を介して第2のシリンダ6Bに取付けられる閉塞部材18によって閉塞される。第2のブレード背室11bの上下面は中間仕切り板2および閉塞部材18とで閉塞され、第2のブレード背室11bは密閉構造をなす。
閉塞部材18は鋳鉄材で形成される、もしくは、SMF3種(鉄−炭素系焼結合金)もしくは、SMF4種(鉄−炭素−銅系焼結合金)で形成されている。すなわち、閉塞部材18を製造するには、複雑な内部構造を金型成形により確実に製造できる素材が選択される。
図3は、図1に示すA部である閉塞部材18部分を拡大した図であり、図4は、図3に示すT−T線に沿う縦断面図である。以下、図1と図3および図4にもとづいて、圧縮機構部3の要部を説明する。
上記閉塞部材18は、第2のブレード背室11bに対向する上面一部が開口され、この開口部は図4に示すように、閉塞部材18の下面部近傍まで設けられる凹部19となっている。閉塞部材18の一側面から孔部20aが設けられ、この孔部20aの先端は凹部19の底面一部に半円状に切欠形成される半円部20bとなっている。
閉塞部材18の孔部20aと対向する密閉ケース1部位にも孔部が設けられていて、ここに後述する背圧導入通路Hを構成する圧力制御用配管P1が挿嵌され、液密的なシールが施されている。密閉ケース1からこの内部に延出される圧力制御用配管P1の先端部は、閉塞部材18の孔部20aに挿入して接続される。
第2のシリンダ6Bに設けられる第2のブレード背室11bと背圧導入通路Hとは、閉塞部材18の凹部19を介して連通することになる。閉塞部材18の凹部19で圧力制御用配管P1が接続される半円部20bの延長部位に、凹部19下面と閉塞部材18下面を連通する孔部である連通路22が設けられる。
この連通路22は、第2のブレード背室11bと密閉ケース1内底部に形成される油溜り部14とを連通する潤滑油連通路でもある。さらに連通路22は、閉塞部材18の下面に取付けられる逆止弁機構Gによって開閉されるようになっている。
上記逆止弁機構Gは、連通路22の下端部で閉塞部材18の下面に開口し、連通路22と連通する弁孔23と、この弁孔23の周部に沿って形成される弁座24と、この弁座24に接離し弁孔23を開閉する弁体25とを備えている。
以上の構成から、閉塞部材18において、連通路22は背圧導入通路Hの下部に設けられ、弁孔23は連通路22の最も下部に設けられることになる。
上記弁体25は、一端部が取付けボルト27を介して閉塞部材18の下面に取付け固定され、他端部が弁孔23に対向し自由端である、リード弁タイプのものである。弁体25の幅寸法は弁孔23の直径よりもわずかに大に形成されていて、弁体25他端部が連通路22から弁孔23を介して受ける圧力に応じて弁体25は変形し、もしくは変形しない。
弁体25の下面には湾曲形成された弁押え26が取付けボルト27により弁体25と一緒に取付けられ、弁体25は弁押え26の湾曲形状にならって湾曲変形する。弁押え26の強度は弁体25のそれよりも大であり、弁体25の最大湾曲量を規制できる。すなわち、弁体25は弁押え26によって最大開放量が規制されるリード弁タイプであり、これ以降、「弁体」を、「リード弁」と呼ぶ。
このような逆止弁機構Gにおいて、上記リード弁25の最大開放時に、リード弁25と弁座24との間の流路面積A1が、弁座24の内周面積A2よりも小さくなる(A1<A2)よう構成されている。
図4は、リード弁25が、最大限湾曲して弁孔23を開放した状態を示している。図にハッチングで示すリード弁25と弁座24との間の流路面積A1は、 π・弁座24の内径φDv・弁座24とリード弁25との間の平均距離L との積で表される。
これに対して弁座24の内周面積A2は、 π・(Dv/2)で表される。
リード弁25と弁座24との間の流路面積A1が、弁座24の内周面積A2より小(A1<A2)であるので、 π・φDv・L < π・(Dv/2) となる。
一方、上記背圧導入通路Hである圧力制御用配管P1は、ブレード背圧制御機構Kの一部を構成している。このブレード背圧制御機構Kは、第2のブレード背室11bに高圧ガス(吐出圧)もしくは低圧ガス(吸込み圧)を選択して導き、第2のブレード12bの後端部に対する背圧の圧力切換えを制御するものである。
再び図1に示すように、多気筒回転圧縮機Mを構成する密閉ケース1の上端部には、吐出用の冷媒管Pが接続される。この冷媒管Pは、ヒートポンプ式冷凍サイクルを構成する機器に順次連通し、密閉ケース1に取付け具31を介して取付け固定されるアキュームレータ32上端部に接続される。
アキュームレータ32下端部と密閉ケース1とは吸込み用の冷媒管Paを介して接続される。なお説明すると、冷媒管Paは密閉ケース1を貫通して中間仕切り板2の周端面に接続される。中間仕切り板2においては、冷媒管Paが接続される周面部位から軸芯方向へ向って二股状に分岐する分岐案内路(図示しない)が設けられる。
一方の分岐案内路は第1のシリンダ室Saに連通し、他方の分岐案内路は第2のシリンダ室Sbに、それぞれ連通する。したがって、アキュームレータ32と、多気筒回転圧縮機Mにおける第1のシリンダ室Saおよび第2のシリンダ室Sbとは、常時、連通状態にある。
上記圧力制御用配管P1は、密閉ケース1とアキュームレータ32の上端部よりも上方位置まで延出され、この端部に後述する圧力切換え弁33が設けられる。圧力切換え弁33は、冷暖房運転の切換えが可能なヒートポンプ式冷凍サイクルを備えた空気調和機に用いられる四方切換え弁を流用して、コストの抑制を図っている。
密閉ケース1の上端部に接続される冷媒管Pから第1の分岐管(高圧管)35が分岐され、これは圧力切換え弁33の第1のポートpaに接続される。第2のポートpbには圧力制御用配管P1が接続され、第3のポートpcにはアキュームレータ32の冷媒導入側の冷媒管Pから分岐される第2の分岐管(低圧管)36が接続される。
第4のポートpdは、栓体37で常時、閉塞される。内部に収容される逆U字型弁38は、図に示すように第3のポートpcと第4のポートpdとを連通する位置と、二点鎖線で示すように第2のポートpbと第3のポートpcとを連通する位置に電磁的に切換え操作される。第1のポートpaは常時開放され、第4のポートPdは常時閉塞される。
なお説明すると、図1の状態では第1のポートpaと第2のポートpbとが直接連通し、逆U字型弁38を介して第3のポートpcと第4のポートpdとが連通する。ただし、第4のポートpdは栓体37で閉塞されているので、第1のポートpaと第2のポートpbとの連通だけが残る。
図1に二点鎖線で示す位置に逆U字型弁38が移動すると、逆U字型弁38を介して第2のポートpbと第3のポートpcとが連通し、第1のポートpaと第4のポートpdが直接連通する。同様に、第4のポートpdは栓体37で閉塞されているので、第2のポートpbと第3のポートpcとの連通だけが残る。
上記圧力切換え弁33は、通常のヒートポンプ式空気調和機を構成する冷凍サイクルに用いられる標準品である四方切換え弁を流用したが、この四方切換え弁に代って三方弁を使用し、もしくは複数の開閉弁を組合せても同様の作用効果を得られる。
このようにブレード背圧制御機構Kは、圧力切換え弁33と、圧力制御用配管P1と、第1の分岐管35および第2の分岐管36と、閉塞部材18に設けられる背圧導入通路Hとから構成され、第2のブレード背室11bに高圧と低圧を切換えて導き、第2のブレード12bに背圧を付与することができる。
図7は、冷凍サイクル装置を空気調和機Rに適用した場合の、ヒートポンプ式冷凍サイクル構成図である。ここでは、上述したブレード背圧制御機構Kについては省略して示している。
多気筒回転圧縮機Mに接続される冷媒管Pに四方切換え弁50が接続され、四方切換え弁50から室外熱交換器51と、膨張装置52と、室内熱交換器53に接続される。室内熱交換器53から四方切換え弁50を介してアキュームレータ32に接続され、さらに多気筒回転圧縮機Mと吸込み用冷媒管Paで接続しているが、ここでは図示しない。
このような空気調和機Rにおいて冷房運転を選択すると、多気筒回転圧縮機Mで後述するように圧縮され冷媒管Pへ吐出されるガス冷媒は、四方切換え弁50から実線矢印に示すように、室外熱交換器51に導かれ外気と熱交換して凝縮され液冷媒に変る。すなわち、室外熱交換器51が凝縮器として作用する。
室外熱交換器51から導出される液冷媒は、膨張装置52に導かれて断熱膨張する。そして、室内熱交換器53に導かれ室内空気と熱交換して蒸発し、室内空気から蒸発潜熱を奪って室内の冷房作用をなす。すなわち、室内熱交換器53が蒸発器となる。
室内熱交換器53から導出される蒸発冷媒は、四方切換え弁50を介して多気筒回転圧縮機Mに吸込まれ、上述したように圧縮されて冷凍サイクルを循環する。
暖房運転を選択すると四方切換え弁50が切換り、多気筒回転圧縮機Mから冷媒管Pへ吐出されるガス冷媒は、四方切換え弁50を介して破線矢印に示すように室内熱交換器53に導かれ、室内空気と熱交換して凝縮する。凝縮器となる室内熱交換器53の凝縮熱を室内空気が吸収することで温度上昇し、室内の暖房作用を得る。
室内熱交換器53から導出される液冷媒は膨張装置52に導かれ、断熱膨張して室外熱交換器51に導かれて蒸発する。蒸発器である室外熱交換器51から導出される蒸発冷媒は、四方切換え弁50から多気筒回転圧縮機Mに吸込まれ、上述したように圧縮されて冷凍サイクルを循環する。
この空気調和機Rにおいては、上述の冷房運転と暖房運転のそれぞれにおいて、能力半減運転(休筒運転)と、全能力運転(通常運転)との切換え選択が可能である。
たとえば冷房運転時に能力半減運転を選択すると、上述した冷房運転時の冷凍サイクルが構成されるとともに、ブレード背圧制御機構Kの圧力切換え弁33に収容される逆U字型弁38が切換えられる。圧力切換え弁33は、図1に二点鎖線で示すように、第2のポートpbと第3のポートpcが連通するように制御される。
室内熱交換器53からアキュームレータ32に連通する冷媒管Pと、第2の分岐管36と、圧力切換え弁33と、圧力制御用配管P1、背圧導入通路Hおよび第2のブレード背室11bが連通状態になる。
同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動される。回転軸5の回転にともない、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心移動する。第1のシリンダ6Aにおいては、第1のブレード12aがばね部材13に押圧付勢され、先端部がローラ9a周壁に摺接して第1のシリンダ室Sa内を二分する。
室内熱交換器53で蒸発した低圧の冷媒ガスが、アキュームレータ32から吸込み側の冷媒管Paに導かれ、多気筒回転圧縮機Mの中間仕切り板2に設けられる2つの分岐案内路に案内される。そして、それぞれの分岐案内路から第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。
さらに、圧力切換え弁33の上述した切換え操作により、室内熱交換器53から導出される低圧のガス冷媒の一部が、冷媒管Pから第2の分岐管36と、圧力切換え弁33と、圧力制御用配管P1と、閉塞部材18に連通する背圧導入通路Hを介して第2のブレード背室11bに導かれる。
第2のブレード背室11bに充満する低圧のガス冷媒は、第2のブレード12bの後端部に低圧の背圧を付与する。第2のシリンダ室Sbに対向する第2のブレード12b先端部が低圧雰囲気下にあり、第2のブレード背室11bに対向する第2のブレード12b後端部も低圧雰囲気下にあるので、ブレード12bの先端部と後端部で差圧が生じない。
回転軸5の回転により第2のローラ9bが偏心移動してくると、第2のブレード12b先端部はローラ9bに蹴られて後退する。第2のブレード12bの後端部が第2のブレード背室11bに取付けられる永久磁石15に接触または近接し、第2のブレード12bは永久磁石15に磁気吸着される。
したがって、第2のブレード12bの先端部は第2のシリンダ室Sb内へ突出せず、そのままの位置を保持する。回転軸5の偏心部5bに嵌合する第2のローラ9bは空回りを継続し、第2のシリンダ室Sbおいて圧縮作用が行われない。すなわち、第2のシリンダ室Sbでは休筒運転状態となる。
一方、第1のシリンダ室Saにおいては、第1のブレード12aがばね部材13の弾性力を受ける。ブレード12a先端部は第1のローラ9aの周壁に当接し、第1のシリンダ室Saを圧縮室と吸込み室の二室に区画する。ローラ9aの偏心移動にともなって圧縮室側の容積が減少していき、吸込まれたガスが徐々に圧縮されて高圧化する。
所定圧まで上昇して高圧化すると、吐出弁機構が開放して高圧化したガスが吐出マフラ8a,8bへ吐出される。さらに密閉ケース1内に導かれて、ここに充満する。密閉ケース1内の充満した高圧のガス冷媒は冷媒管Pへ吐出され、上述したような冷凍サイクルを構成して室内の冷房作用をなす。
結局、第2のシリンダ室Sbにおいて圧縮作用が行われない休筒運転状態を支持し、第1のシリンダ室Saにおいてのみ圧縮運転をなす、能力半減運転となる。
このとき、密閉ケース1内は第1のシリンダ室Saで圧縮された高圧ガスが充満し、高圧の雰囲気下にある。密閉ケース1内底部に形成される油溜り部14の潤滑油も高圧状態となり、逆止弁機構Gを構成するリード弁25が下面側から高圧を受ける。その一方で、リード弁25の上面側に形成される背圧導入通路Hに低圧のガス冷媒が導かれている。
リード弁25は、高圧の影響で直状に形成され、一端部が弁座24に接触し、弁孔23を閉塞する。図4にハッチングで示す部分である、リード弁25と弁座24との間の流路面積A1が存在せず、連通路22が完全閉塞される。油溜り部14の潤滑油が連通路22を介して背圧導入通路Hおよび第2のブレード背室11bに流入することはない。
すなわち、圧力制御用配管P1と背圧導入通路Hに低圧のガス冷媒が導かれ、第2のブレード背室11bに充満して第2のブレード12bに低圧の背圧を付与する。一方、密閉ケース1内には圧縮された高圧ガスが充満し、高圧状態となっていて、油溜り部14に集溜する潤滑油も高圧の影響を受ける。
回転軸5には、油溜り部14の潤滑油を圧縮機構部3の各摺動部に導く潤滑油供給路が設けられ、油溜り部14の高圧の影響を受けた潤滑油が導かれる。逆止弁機構Gが作用し弁孔23と連通路22を閉塞しているので、油溜り部14の潤滑油はクリアランスを介して第2のブレード背室11bに導かれ、第2のブレード12bの潤滑性を確保する。
全能力運転を選択すると、圧力切換え弁33のU字型弁38が図1の実線位置に切換えられ、第1のポートpaと第2のポートpbが連通する。したがって、密閉ケース1に接続する吐出側の冷媒管Pと、第1の分岐管35と、圧力切換え弁33と、圧力制御用配管P1と、閉塞部材18の背圧導入通路Hおよび第2のブレード背室11bが連通する。
同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動されて、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心運動を行う。第1のシリンダ6Aにおいて、第1のブレード12aはばね部材13に押圧付勢され、先端部がローラ9a周壁に摺接して第1のシリンダ室Sa内を二分する。
室内熱交換器53で蒸発した低圧のガス冷媒がアキュームレータ32から吸込み側の冷媒管Paに導かれ、分岐案内路を介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。第1のシリンダ室Saでは、上述したように圧縮作用が行われて高圧化したガス冷媒が密閉ケース1内に充満している。
高圧のガス冷媒は、密閉ケース1から吐出側の冷媒管Pへ導かれ、上述した冷凍サイクルを循環する。一部の高圧ガス冷媒は冷媒管Pから第1の分岐管35に分流され、圧力切換え弁33、圧力制御用配管P1、閉塞部材18の背圧導入通路Hから第2のブレード背室11bに導入される。
第2のブレード12b後端部が高圧の背圧を受けることとなり、その一方で、第2のブレード12b先端部が第2のシリンダ室Sbに対向し低圧雰囲気下にあるので、先端部と後端部で差圧が生じる。そのため、それまで永久磁石15によって磁気吸着されていた第2のブレード12bが、永久磁石15から容易に離れて先端部側へ押圧付勢される。
回転軸5の回転にともない第2のローラ9bが偏心移動すると、第2のブレード12bの先端部が第2のローラ9b周面に当接したまま、ブレード溝10bを往復移動する。第2のブレード12bは第2のシリンダ室Sbを圧縮室と吸込み室とに二分し、圧縮作用が行われる。
したがって、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbにおいて同時に圧縮作用をなし、全能力運転が行われることとなる。
なお、このとき背圧導入通路Hに高圧のガス冷媒が導かれる一方で、油溜り部14の潤滑油も密閉ケース1に充満するガス冷媒によって高圧の影響を受ける。能力半減運転時に弁孔23を閉塞していたリード弁25は、その上部と下部がほとんど同じ高圧雰囲気に変るので、本来ならば能力半減運転時と同一の姿勢である直状を維持するはずである。
しかるに、第2のブレード背室11bに高圧が導入されるとき、第2のブレード12bは第2のシリンダ室Sb側である第2のブレード背室11bの容積を拡大する方向に移動(往動)し、さらに第2のブレード背室11bの容積を縮小する方向に移動(復動)している。
第2のブレード背室11bは、第2のブレード12bがブレード背室11bの容積を拡大する方向に移動したとき負圧化し、背圧導入通路Hと連通路22にある高圧ガスがブレード背室11bに吸込まれる。その影響で、リード弁25もブレード背室11b側へ移動して弁孔23を閉塞する。
第2のブレード12bが第2のブレード背室11bの容積を縮小する方向に移動したとき正圧化し、ブレード背室11bに吸込まれていた高圧ガスが、背圧導入通路Hと連通路22へ押し出される。リード弁25は弁座24から離間し、弁孔23を開放する。このように、ブレード12bの往復動にともなってリード弁25は弁孔23を開閉する。
ところで、能力半減運転時には、圧力制御用配管P1と背圧導入通路Hに低圧のガス冷媒が導かれ、第2のブレード背室11bに充満する。その一方で、密閉ケース1内に圧縮された高圧ガスが充満し、高圧状態となっていて、油溜り部14に集溜する潤滑油も高圧の影響を受ける。
油溜り部14の潤滑油はクリアランスを介して第2のブレード背室11bに浸入し、さらには、時間をかけて背圧導入通路Hに導かれ、圧力制御用配管P1内を上昇する。長時間、能力半減運転を継続すると、背圧導入通路Hに潤滑油が充満する可能性が多い。そして、そのまま全能力運転に切換る場合がある。
あるいは、外気が極く低温の条件下で、全能力運転が開始されることがある。このときは、高圧のガス冷媒が圧力切換え弁33から圧力制御用配管P1と背圧導入通路Hを介して第2のブレード背室11bに導かれ、時間の経過とともにガス冷媒が凝縮して液冷媒に変ってしまう。
すなわち、上述の潤滑油と液冷媒ともに非圧縮性流体であり、これらが第2のブレード背室11bと背圧導入通路Hおよび圧力制御用配管P1に充満する可能性がある。一方で、圧縮機構部3の作用にともなう発熱の影響で、非圧縮性流体からガス分が蒸発し、純然たる液体のみが残ってしまう。
そのため、第2のブレード12bの往復動作を第2のブレード背室11bにおいて完全な液体状である非圧縮性流体が直接受け、緩衝効果がほとんど無い状態となる。そのまま高回転運転を行うと、第2のブレード12bの往復動作に非圧縮性流体の流動が追従できなくなる。
第2のブレード12b後端部は過大な抵抗力を受けることになり、動作に円滑を欠く。背圧導入通路Hにおける非圧縮性流体の圧力エネルギーの変動である圧力脈動が大きくなり、振動、騒音、配管の破裂などの問題が生じる虞れがある。
しかるに、本実施形態では、第2のブレード背室11bに高圧が導入される全能力運転時に、第2のブレード12bが第2のブレード背室11bの容積を拡大する方向に移動したとき、逆止弁機構Gは連通路22を完全に閉じる。
そのため、油溜り部14の潤滑油が、連通路22から第2のブレード背室11bや背圧導入通路Hに潤滑油が浸入するのを阻止する。
同様に、第2のブレード背室11bに高圧が導入される全能力運転時に、第2のブレード12bが第2のブレード背室11bの容積を縮小する方向に移動したとき、逆止弁機構Gは連通路22を開放する。第2のブレード背室11bや背圧導入通路Hに充満している非圧縮性流体は油溜り部14へ放出される。
このような第2のブレード12bと逆止弁機構Gのポンプ作用により、背圧導入通路Hおよび圧力制御用配管P1内の非圧縮性流体は、速やかに密閉ケース1内の油溜り部14へ排出される。上述したような圧力脈動等の不具合を回避でき、油溜り部14の油面の低下も防止できる。
また、全能力運転時に、背圧導入通路Hに導かれる高圧は、圧縮機構部3で圧縮され、密閉ケース1内から吐出される高圧のガス冷媒である。第2のブレード12bと逆止弁機構Gのポンプ作用により、高圧ガスが非圧縮性流体を背圧導入通路Hから密閉ケース1内へ速やかに排出し、第2のブレード背室11bにおける異常高圧を確実に防止する。
第2のブレード背室11bと背圧導入通路Hが高圧ガスで満たされることで、第2のブレード12bの往復動に起因する圧力脈動に対するバッファ容量をより大きく確保できる。ブレード背室11bや背圧導入通路H内の圧力変動がより小さくなり、信頼性の向上を得られる。
さらに、閉塞部材18に設けられる連通路22は、背圧導入通路Hの下部に設けられ、逆止弁機構Gを構成する弁孔23は連通路22の最も下部に設けられる。一方で、背圧導入通路Hに充満する非圧縮性流体は液体であり、重力の影響を受けるので、非圧縮性流体は弁孔23から円滑に密閉ケース1内へ排出されることとなる。
また、上述したように逆止弁機構Gにおいて、上記リード弁25の最大開放時に、リード弁25と弁座24との間の流路面積A1が、弁座24の内周面積A2よりも小さくなる(A1<A2)よう構成されている。
リード弁25の構造上、最大開放時に、リード弁25と弁座24との間の流路面積を小さくすると流路抵抗が大きくなり、弁孔23を通過する流量を抑制することができる。その一方で、弁座24の内周面積が大きい方が、リード弁25は小さい圧力差で開く。
リード弁25の最大開放時に、リード弁25と弁座24との間の流路面積A1が、弁座24の内周面積A2よりも小さくなるよう構成することで、小さい圧力差で確実にリード弁25を開放でき、かつ弁孔23を通過する流量を抑制できる。
なお説明すると、背圧導入通路Hに非圧縮性流体が充満している状態で全能力運転を開始すると、第2のブレード12bと逆止弁機構Gのポンプ作用で非圧縮性流体は速やかに連通路22と弁孔23から密閉ケース1内に排出される。代って、背圧導入通路Hには高圧ガスが充満し、第2のブレード12bに背圧を掛ける。
しかしながら、全能力運転を継続している限り、逆止弁機構Gは作動し、連通路22と弁孔23の開閉を継続する。そのため、背圧導入通路Hに充満する高圧ガスは第2のブレード12bに背圧を掛けるのと同時に、連通路22と弁孔23から密閉ケース1内に再戻入してしまう。
上述の設定で、リード弁25の最大開放時に、リード弁25と弁座24との間の流路面積A1が弁座24の内周面積A2よりも小さくなるよう構成する。したがって、小さい圧力差で確実にリード弁25を開放できるとともに、弁孔23を通過し密閉ケース1内に再戻入する高圧ガスの流量が低減して、損失の低減が図れる。
図5は、第2の実施形態における多気筒回転圧縮機Maの縦断面図である。
先に第1の実施形態で説明した多気筒回転圧縮機Mと同一の構成部品については、同番号を付して新たな説明は省略する。
密閉ケース1の上端部には、吐出用の冷媒管Pが接続されていて、この冷媒管Pからブレード背圧制御機構Kの一部を構成する第1の分岐管35Aが分岐され、圧力切換え弁33の第1のポートpaに接続される。
ここでは、第1の分岐管35Aにおいて、冷媒管Pから分岐する部位から所定長さの分の配管直径を、圧力切換え弁33の第1のポートpaに接続する部位の配管直径よりも小さく形成した、流路抵抗部40を設けたことが相違する。
背圧導入通路Hや圧力制御用配管P1に非圧縮性流体が充満した状態で全能力運転を開始すると、冷媒管Pに吐出される高圧ガスの一部が第1の分岐管35Aに導かれる。そして、圧力切換え弁33を介して圧力制御用配管P1に導かれ、ここに充満する非圧縮性流体を押す。
圧縮機Mの運転周波数は低く抑えられるので、第1の分岐管35Aに導かれる高圧ガスの流速は遅い。したがって、高圧ガスが第1の分岐管35Aの流路抵抗部40を導かれる際の流路抵抗は極く小さく、円滑に高圧ガスが流れる。
上述した第2のブレード12bと逆止弁機構Gのポンプ作用で圧力制御用配管P1と背圧導入通路Hに充満する非圧縮性流体が密閉ケース1内に再戻入すれば、圧力制御用配管P1と背圧導入通路Hに高圧ガスが充満する。その影響で、圧縮機Mの運転周波数が上昇して冷媒管Pから第1の分岐管35Aに分流する高圧ガスの流速が増す。
しかしながら、ここでは第1の分岐管35Aに配管直径を小さくした流路抵抗部40を所定長さで設けている。流路抵抗部40は流速を増した高圧ガスに対する、有効な流路抵抗に代り、高圧ガスの流量を規制する。そのため、弁孔23を通過し密閉ケース1内に再戻入する高圧ガスの流量が低減して、損失の低減が図れ、高性能化を得る。
さらに、全能力運転から能力半減運転に切換えると、圧力切換え弁33から圧力制御用配管P1に低圧ガスが導かれるよう切換る。第1の分岐管35Aに流路抵抗部40を備えているので、全能力運転時に高圧ガスが絞られた状態で圧力切換え弁33に導かれているから、切換え弁33の切換え動作が円滑で、運転切換えが速やかに行える。
図6は、流路抵抗部40の流路断面積をE1とし、第1の分岐管35Aにおける流路抵抗部40以外の配管部分の流路面積をE2として、横軸に流路抵抗部40と第1の分岐管35Aとの流路面積比に対する効率の特性図である。
同図から、 1/50 ≦ E1/E2 ≦ 1/10 の範囲が最も良いことが分る。
E1/E2<1/50 であると、能力半減運転から全能力運転に切換えたとき、流路抵抗部40を流通する高圧ガスの流路抵抗が大きくなり過ぎて、流量が大幅に低下して切換え性が悪化する。
また、 E1/E2>1/10 であると、第2のブレード12bの往復動と逆止弁機構Gによるポンプ作用で密閉ケース1内に再戻入するガスの流量が多くなり、損失が発生して、効率の低下を招いてしまう。
本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
1…密閉ケース、4…電動機部、5…回転軸、3…圧縮機構部、M…多気筒回転圧縮機、Sa…第1のシリンダ室、Sb…第2のシリンダ室、6A…第1のシリンダ、6B…第2のシリンダ、9a…第1のローラ、9b…第2のローラ、12a…第1のブレード、12b…第2のブレード、11a…第1のブレード背室、11b…第2のブレード背室、H…背圧導入通路、22…連通路、G…逆止弁機構、23…弁孔、24…弁孔、26…弁押え、50…流路抵抗部、M…多気筒回転圧縮機、51…室外熱交換器(凝縮器)、52…膨張装置、53…室内熱交換器(蒸発器)。

Claims (6)

  1. 密閉ケース内に、電動機部と、この電動機部と回転軸を介して連結される圧縮機構部を収容する多気筒回転圧縮機において、
    上記圧縮機構部は、
    それぞれにシリンダ室を有する第1のシリンダおよび第2のシリンダと、上記各シリンダ室内でそれぞれ偏心回転する第1のローラおよび第2のローラと、上記第1のローラおよび第2のローラに当接して上記各シリンダ内を区画する第1のブレードおよび第2のブレードと、
    上記第2のブレードの後端側に形成されたブレード背室と、
    上記ブレード背室に連通され、ブレード背室に高圧もしくは低圧を切換えて供給し、第2のブレードに背圧を付与する背圧導入通路と、
    上記ブレード背室と上記密閉ケースの内部空間とを連通する連通路と、
    上記連通路を開閉する逆止弁機構と、を具備し、
    上記逆止弁機構は、ブレード背室に高圧が導入され、第2のブレードがブレード背室の容積を拡大する方向に移動するときに上記連通路を閉じ、第2のブレードがブレード背室の容積を縮小する方向に移動したときは連通路を開放するように構成される
    ことを特徴とする多気筒回転圧縮機。
  2. 上記背圧導入通路に導かれる高圧は、上記圧縮機構部で圧縮され密閉ケース内から吐出される高圧ガスである
    ことを特徴とする請求項1記載の多気筒回転圧縮機。
  3. 上記逆止弁機構は、上記連通路に対して開口する弁孔と、この弁孔の一端部に形成される弁座と、この弁座に接離し弁孔を開閉する弁体と、を備えていて、
    上記連通路は、上記背圧導入路の最も下部に設けられ、
    上記弁孔は、上記連通路の最も下部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の多気筒回転圧縮機。
  4. 上記逆止弁機構は、上記連通路に対して開口する弁孔と、この弁孔の一端部に形成される弁座と、この弁座に接離し弁孔を開閉する弁体と、を備えていて、
    上記弁体は、弁押えによって最大開放量が規制されるリード弁タイプであり、
    上記リード弁の最大開放時に、上記弁体と上記弁座との間の流路面積が、弁座周面積よりも小さくなるよう構成される
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多気筒回転圧縮機。
  5. 上記背圧導入通路のうちの、上記ブレード背室に高圧を供給して上記第2のブレードに高圧を付与する高圧側導入路の一部に、流路抵抗部を設けた
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多気筒回転圧縮機。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の多気筒回転圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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