JP5703013B2 - 多気筒回転式圧縮機と冷凍サイクル装置 - Google Patents

多気筒回転式圧縮機と冷凍サイクル装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、多気筒回転式圧縮機と、この多気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置では、圧縮機構部に複数のシリンダ室を備えた多気筒回転式圧縮機が多用される。この種の圧縮機において、複数のシリンダ室で同時に圧縮作用を行う全能力運転と、一方のシリンダ室で圧縮作用をなし、他方のシリンダ室では圧縮作用を停止して、圧縮仕事を低減する能力半減運転との切換えができれば有利である。
[特許文献1]に開示される多気筒圧縮機の圧縮機構部は、一方のブレードの先端部をローラ周面から離間させて、一方のシリンダ室における圧縮運転の休止を可能とする休筒機構を備えている。上記休筒機構を機能させなければ、両方のシリンダ室で圧縮運転がなされる、全能力運転となる。
特開2010−163927号公報
上記[特許文献1]における休筒機構は圧力導入通路を備え、ブレードの後端部を移動自在に収容するブレード背室にシリンダ端面側から高圧ガスもしくは低圧ガスを導くようになっている。すなわち、上記圧力導入通路はシリンダ端面を覆う中間仕切り板に設けられ、ブレード背室に対向する開口部の全てがブレードの移動する範囲に位置している。
その一方で、ブレードの高さ方向には所定のクリアランスが存在していて、ブレードは往復動作にともなって高さ方向に斜めに傾く可能性がある。なんらかの条件でブレードがブレードの高さ方向に傾けば、ブレード後端部の端面角部が圧力導入路の開口部の角部に衝突して騒音の発生があり、往復動作がロックする虞れもある。
本実施形態が解決しようとする課題は、複数のシリンダを備えて圧縮能力可変をなす前提で、どのような運転状況にあっても、ブレード後端部による騒音の発生や、ブレードのロックを防止し、低騒音で信頼性の高い多気筒回転式圧縮機と、この多気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を得る冷凍サイクル装置を提供することにある。
本実施形態の多気筒回転式圧縮機は、密閉ケース内に回転軸を介して連結する電動機部と圧縮機構部を収容する。
上記圧縮機構部は、中間仕切り板を介在して第1のシリンダおよび第2のシリンダを設ける。それぞれのシリンダの内径部に低圧ガスを導入するシリンダ室を形成し、これらシリンダ室にブレード溝を介して連通するブレード背室を設ける。第1、第2のシリンダの端面にはシリンダ室を閉塞する中間仕切り板と軸受を設ける。
第1、第2のシリンダのシリンダ室に回転軸の偏心部を収容する。この偏心部にローラを嵌合し、回転軸の回転にともなってシリンダ室内で偏心移動させる。ブレード溝に、ブレードを移動自在に収容し、ローラ周壁にブレード先端部が当接した状態でシリンダ室を二室に区画する。
第1のシリンダと第2のシリンダに設けられるブレード背室のうちの、一方のブレード背室に対してシリンダの端面側から開口する開口部を有する背圧導入通路を備える。
この背圧導入通路を介して一方のブレード背室へ高圧もしくは低圧を導き、高圧を導いた状態でブレード後端部に高圧の背圧を付与しブレード先端部をローラ周壁に接触させてシリンダ室で圧縮運転を行わせる、もしくは低圧を導いた状態でブレード先端部をローラ周壁から離間させてシリンダ室での圧縮運転を停止する休筒運転状態とする圧力切換え手段を備える。
背圧導入通路の上記回転軸から遠い方の外側開口角部は、休筒運転状態で位置するブレード後端部の端面角部よりも外周側に位置する。
本実施形態の冷凍サイクル装置は、上記記載の多気筒回転式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する。
本実施形態に係る、多気筒回転式圧縮機の概略の縦断面図。 同実施形態に係る、多気筒回転式圧縮機の要部を分解した斜視図。 同実施形態に係る、多気筒回転式圧縮機の要部を拡大した縦断面図。 同実施形態に係る、多気筒回転式圧縮機要部の横断平面図。 同実施形態に係る、多気筒回転式圧縮機を備えた冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。
以下、本実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、本実施形態に係る、多気筒回転式圧縮機Mの概略の縦断面図である。
図中1は密閉ケースであって、この密閉ケース1内の下部には圧縮機構部3が設けられ、上部には電動機部4が設けられる。上記電動機部4と圧縮機構部3は、回転軸5を介して一体に連結される。
上記圧縮機構部3は、上部側に第1のシリンダ6Aを備え、下部側に第2のシリンダ6Bを備えている。第1のシリンダ6Aの上端面に主軸受7Aが取付け固定され、第2のシリンダ6Bの下端面に副軸受7Bが取付け固定される。これら第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bとの間には中間仕切り板2が介在される。
上記回転軸5は、各シリンダ6A、6B内部を貫通し、略180°の位相差で同一直径の第1の偏心部5aと第2の偏心部5bを一体に備える。各偏心部5a、5bはシリンダ6A、6Bの内径部に位置するように組立てられる。第1の偏心部5aの周面に第1のローラ9aが嵌合され、第2の偏心部5bの周面に第2のローラ9bが嵌合される。
上記第1のシリンダ6Aの内径部は、主軸受7Aと中間仕切り板2によって閉塞され、第1のシリンダ室Saが形成される。上記第2のシリンダ6Bの内径部は、中間仕切り板2と副軸受7Bによって閉塞され、第2のシリンダ室Sbが形成される。
第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbは、互いに同一直径および高さ寸法に設計される。上記第1、第2のローラ9a、9bの周壁一部が、第1、第2のシリンダ室Sa、Sbの周壁一部に潤滑油膜を介して線接触しながら偏心移動自在になるように、それぞれのローラ9a、9bがシリンダ室Sa,Sbに収容される。
上記主軸受7Aには二重に重ねられた吐出マフラ8aが取付けられ、主軸受7Aに設けられる吐出弁機構を覆っている。いずれの吐出マフラ8aにも吐出孔が設けられる。上記副軸受7Bには一重の吐出マフラ8bが取付けられ、副軸受7Bに設けられる吐出弁機構を覆う。この吐出マフラ8bには吐出孔が設けられていない。
主軸受7Aの吐出弁機構は第1のシリンダ室Saに対向し、圧縮作用にともない室内が所定圧力に上昇したとき開放して、圧縮ガスを吐出マフラ8a内に吐出させる。副軸受7Bの吐出弁機構は第2のシリンダ室Sbに対向し、圧縮作用にともない室内圧力が所定圧力に上昇したとき開放して、圧縮ガスを吐出マフラ8b内に吐出させる。
副軸受7Bと、第2のシリンダ6Bと、中間仕切り板2と、第1のシリンダ6Aおよび主軸受7Aとに亘って吐出ガス案内路が設けられる。この吐出ガス案内路は、第2のシリンダ室Sbから吐出弁機構を介して下部側吐出マフラ8bに吐出された高圧ガスを、上部側の二重吐出マフラ8a内に案内する。
上記密閉ケース1の内底部には、潤滑油を集溜する油溜り部14が形成される。図1において、上記主軸受7Aのフランジ部を横切る実線は潤滑油の油面を示していて、圧縮機構部3のほとんど全部が上記油溜り部14の潤滑油中に浸漬される。回転軸5の下端面と圧縮機構部3の各摺動部に亘って、潤滑油を給油するための給油通路が設けられる。
図2は、同実施形態に係る、上記圧縮機構部3の一部を分解して示す斜視図であり、要部のみ示し、詳細は省略している。
第1のシリンダ6Aには、内径部である第1のシリンダ室Saにブレード溝10aが連設され、さらにブレード溝10aから第1のブレード背室11aが設けられる。上記ブレード溝10aには第1のブレード12aが移動自在に収容され、その先端部は第2のシリンダ室Saに、後端部は第1のブレード背室11aに突没自在である。
第2のシリンダ6Bには、内径部である第2のシリンダ室Sbにブレード溝10bが連設され、さらにブレード溝10bから第2のブレード背室11bが設けられる。上記ブレード溝10bには第2のブレード12bが移動自在に収容され、その先端部は第2のシリンダ室Sbに、後端部は第2のブレード背室11bに突没自在である。
第1、第2のブレード12a、12bそれぞれの先端部は平面視で略円弧状に形成されており、これら先端部が対向する第1、第2のシリンダ室Sa、Sbに突出した状態で、平面視で円形状の図1に示す上記第1、第2のローラ9a、9b周壁に、これらの回転角度にかかわらず線接触するようになっている。
上記第1のシリンダ6Aには、第1のブレード背室11aと、このシリンダ6Aの外周面とを連通する横孔fが設けられ、ばね部材13が収容される。ばね部材13は第1のブレード12aの後端部端面と密閉ケース1内周壁との間に介在され、第1のブレード12aに弾性力(背圧)を付与する。
なお、第2のブレード12bにおいては、後端部端面と密閉ケース1内周壁との間に介在する部材は存在しない。後述するように、先端部が第2のシリダ室Sbの圧力影響を受け、後端部が第2のブレード背室11bの圧力影響を受け、先端部と後端部が受ける圧力の差圧によって背圧が付与され、もしくは付与されない。
図3は、図1におけるA部を拡大して示す、圧縮機構部3要部である第2のブレード背室11bと周辺部を拡大した縦断面図である。図4は、中間仕切り板2を取外した状態で要部である第2のブレード背室11b部分を示す平面図である。
はじめに、図4から説明すると、第2のブレード背室11bには保持部材16を介して永久磁石17が取付けられる。永久磁石17の磁気力は、第2のブレード12bの後端部が保持部材16に接触したとき、もしくは極く近傍位置に移動したところで、第2のブレード12b後端部を磁気吸着できる程度である。
上記永久磁石17は希土類磁石であって、小容積で大きな磁力を得られ、スペース効率の向上が得られる。上記保持部材16は非磁性体である、オーステナイト系のステンレス剤を板金加工して形成される。磁力がリークすることなく永久磁石17から第2のブレード12bに効率良く伝わり、磁気吸着力の低下を防止し、剛性が高く、製造性が良い。
上記第2のブレード背室11bは、ブレード溝10bに連設される大径の第1の孔部aと、この第1の孔部aに連設され小径で半円状の第2の孔部bとからなる。保持部材16は永久磁石17の上下左右端面を保持する爪部と、爪部とは反対側に一体に延設される2つの曲成部dからなる。曲成部dの曲率半径は、第1の孔部aよりも大となっている。
永久磁石17を保持部材16の爪部に保持し、両曲成部dを互いに接する方向に弾性変形させ、第1の孔部aと第2の孔部bに挿入する。挿入後、曲成部dへの弾性力を除去すれば、永久磁石17と保持部材16の爪部を第2の孔部bに挿入でき、保持部材16の曲成部dを第1の孔部aの周壁に弾性的に密着させて永久磁石17の位置決めができる。
つぎに、図3と図1から説明する。
第2のシリンダ6Bにおける第2のブレード背室11bの上面開口部は、第2のシリンダ6Bの上端面に取付けられる中間仕切り板2によって閉塞される。しかしながら、第2のブレード背室11bの下面開口部は、副軸受7Bのフランジ部周端面から外方へ突出した位置に設けられ、そのままでは下面開口部が密閉ケース1内に開口してしまう。
そこで、第2のブレード背室11bの下面開口部は、副軸受7Bのフランジ部外周壁一部に沿って取付けられる閉塞部材(軸受側部材)18によって閉塞される。すなわち、第2のブレード背室11bの上下面開口部は、中間仕切り板2と閉塞部材18とで閉塞され、密閉構造をなす。
上記閉塞部材18は、鋳鉄材で形成されるもしくは、SMF3種(鉄−炭素系焼結合金)もしくは、SMF4種(鉄−炭素−銅系焼結合金)で形成されていて、いずれも複雑な内部構造を金型成形により確実に製造できる素材が選択される。
上記閉塞部材18の副軸受7Bのフランジ部周端面に沿う端面とは、対向する端面から中途部まで穴部gが設けられ、ここに圧力制御用配管19が挿入し接続される。さらに穴部gの先端部は、第2のシリンダ6Bの端面側である閉塞部材18の上端面側から第2のブレード背室11bに開口する凹部hの下端部と交差し、連通するよう設けられる。
上記閉塞部材18に設けられる穴部gと凹部hによって、圧力制御用配管19は第2のブレード背室11bに連通する。これら穴部gと凹部hで、背圧導入通路20が構成される。すなわち、第2のブレード背室11bは中間仕切り板2と閉塞部材18によって閉塞され密閉構造となっているが、この下端面には背圧導入通路20が連通する。
上記圧力制御用配管19と背圧導入通路20は、後述するブレード背圧制御機構(圧力切換え手段)Kの一部を構成している。このブレード背圧制御機構Kは、第2のブレード背室11bに高圧ガス(吐出圧)もしくは低圧ガス(吸込み圧)を選択して導き、第2のブレード12bの後端部に対する背圧の圧力切換えを制御するものである。
さらに、特に図3から、第2のブレード背室11bと、その周辺部についての説明を続ける。(ただし、一部は図4からの引用につき、同図を参照)
背圧導入通路20を構成する凹部hは、上述した通り第2のブレード背室11bの下端面に対して開口する。厳密には、凹部hのほとんど大部分は第2のブレード背室11bを構成する上記第1の孔部aと対向するが、残りの一部と回転軸5から遠い方の外側開口角部haは、上記第2の孔部bと対向する。
したがって、凹部hの外側開口角部haは、第2のブレード背室11bに取付けられる永久磁石17の直下部に位置する。第2のブレード12bが永久磁石17に磁気吸着された状態でも、凹部hの外側開口角部haは第2のブレード12b後端部の下端面角部bbよりも外周側に、ある程度の距離を存して位置することになる。
一方、第2のブレード背室11b上面開口部を閉塞する上記中間仕切り板2には第1のバッファ用凹部空間21が設けられ、第2のブレード背室11bに対して開口する。このバッファ用凹部空間21も、背圧導入通路20を構成する凹部hと同様、ほとんど大部分は第2のブレード背室11bを構成する第1の孔部aと対向する。
第1のバッファ用凹部空間21の残り一部と、回転軸5から遠い方の外側開口角部21aは、第2の孔部bよりも外周側に位置する。第2のブレード12bが永久磁石17に磁気吸着されても、第2のブレード12b後端部の上端面角部bcは、第1のバッファ用凹部空間21の外側開口角部21aとある程度の距離を存している。
また、上記保持部材16の両曲成部dの一部は、上記背圧導入通路20を構成する凹部hおよび第1のバッファ用凹部空間21とは対向しないようにして設けられている。したがって、上記永久磁石17および保持部材16は、上方への移動が中間仕切り板2によって規制され、下方への移動が閉塞部材18によって規制される。
なお、永久磁石17の少なくとも一部が、上記凹部hおよび第1のバッファ用凹部空間21とは対向しないようにして設け、上記中間仕切り板2および閉塞部材18によって上下方向の移動が規制されるようにしても良い。
さらに、上記背圧導入通路20と連通するように、第2のバッファ用凹部空間22が設けられる。上記第2のバッファ用凹部空間22は、第2のブレード背室11bと第2のシリンダ6Bの外周壁との間に設けられ、下面が開口し、上面が第2のシリンダ6B上面とはある程度の肉厚を残した状態となっている。
背圧導入通路20を構成する穴部gと、第2のバッファ用凹部空間22との間に連通孔部23が設けられ、実質的に背圧導入通路20に対して第2のバッファ用凹部空間22が開口する。連通孔部23の一部に穴部gに挿入する圧力制御用配管19の先端部が対向するが、完全閉塞されない限り第2のバッファ用凹部空間22の作用効果に支障がない。
再び図1に示すように、多気筒回転式圧縮機Mを構成する密閉ケース1の上端部には、吐出用の冷媒管Pが接続される。この冷媒管Pは、後述するヒートポンプ式冷凍サイクルを構成する機器に順次連通し、密閉ケース1に取付け具を介して取付け固定されるアキュームレータ25に接続される。
アキュームレータ25と密閉ケース1とは吸込み用の冷媒管PPを介して接続される。なお説明すると、冷媒管PPは密閉ケース1を貫通して中間仕切り板2の周端面に接続される。中間仕切り板2においては、冷媒管PPが接続される周面部位から軸芯方向に向って二股状に分岐する分岐案内路(図示しない)が設けられる。
一方の分岐案内路は第1のシリンダ室Saに連通し、他方の分岐案内路は第2のシリンダ室Sbに、それぞれ連通する。したがって、アキュームレータ25と、多気筒回転式圧縮機Mにおける第1のシリンダ室Saおよび第2のシリンダ室Sbとは、常時、連通状態にある。
一方、上記圧力制御用配管19は、密閉ケース1とアキュームレータ25の上端部よりも上方位置まで延出され、この端部に後述する圧力切換え弁27が設けられる。上記圧力切換え弁27は、冷暖房運転の切換えが可能なヒートポンプ式冷凍サイクルを備えた空気調和機に用いられる四方切換え弁を流用して、コストの抑制を図る。
密閉ケース1の上端部に接続される冷媒管Pから第1の分岐管(高圧管)28が分岐され、これは圧力切換え弁27の第1のポートPaに接続される。第2のポートPbには上記圧力制御用配管19が接続され、第3のポートPcにはアキュームレータ25の冷媒導入側の冷媒管Pから分岐される第2の分岐管(低圧管)29が接続される。
第4のポートPdは、栓体30で常時、閉塞される。内部に収容される弁体31は、図に示すように第3のポートPcと第4のポートPdとを連通する位置と、二点鎖線で示すように第2のポートPbと第3のポートPcとを連通する位置に電磁的に切換え操作される。第1のポートPaは常時開放され、第4のポートPdは常時閉塞される。
なお説明すると、図1の状態では第1のポートPaと第2のポートPbとが直接連通し、弁体31を介して第3のポートPcと第4のポートPdとが連通する。ただし、第4のポートpdは栓体30で閉塞されているので、第1のポートPaと第2のポートPbとの連通だけが残る。
図1に二点鎖線で示す位置に弁体31が移動すると、弁体31を介して第2のポートPbと第3のポートPcとが連通し、第1のポートPaと第4のポートPdが直接連通する。同様に、第4のポートPdは栓体30で閉塞されているので、第2のポートPbと第3のポートPcとの連通だけが残る。
上記圧力切換え弁27は、通常のヒートポンプ式空気調和機を構成する冷凍サイクルに用いられる標準品である四方切換え弁を流用したが、この四方切換え弁に代って三方弁を使用し、もしくは複数の開閉弁を組合せても、同様の作用効果を得られる。
このようにブレード背圧制御機構Kは、圧力切換え弁27と、圧力制御用配管19と、第1の分岐管28および第2の分岐管29と、閉塞部材18に設けられる背圧導入通路20とから構成され、第2のブレード背室11bに高圧と低圧を切換えて導き、第2のブレード12bに背圧を付与することができる。
図5は、冷凍サイクル装置を空気調和機Rに適用した場合の、ヒートポンプ式冷凍サイクル構成図である。
多気筒回転式圧縮機Mに接続される冷媒管Pに四方切換え弁50が接続され、この四方切換え弁50から室外熱交換器51と、膨張装置52と、室内熱交換器53を介して四方切換え弁50に接続される。さらに、四方切換え弁50からアキュームレータ25に接続され、アキュームレータ25と多気筒回転式圧縮機Mは上述したように吸込み用の冷媒管PPで連通される。
このような空気調和機Rにおいて冷房運転を選択すると、多気筒回転式圧縮機Mで後述するように圧縮され冷媒管Pへ吐出されるガス冷媒は、四方切換え弁50から実線矢印に示すように、室外熱交換器51に導かれ外気と熱交換して凝縮され液冷媒に変る。すなわち、室外熱交換器51が凝縮器として作用する。
室外熱交換器51から導出される液冷媒は、膨張装置52に導かれて断熱膨張する。そして、室内熱交換器53に導かれ、ここに送風される室内空気と熱交換して蒸発し、室内空気から蒸発潜熱を奪って室内の冷房作用をなす。すなわち、室内熱交換器53が蒸発器となる。
室内熱交換器53から導出される蒸発冷媒は、四方切換え弁50を介して多気筒回転式圧縮機Mに吸込まれ、上述したように圧縮されて冷凍サイクルを循環する。
暖房運転を選択すると四方切換え弁50が切換り、多気筒回転式圧縮機Mから冷媒管Pへ吐出されるガス冷媒は、四方切換え弁50を介して破線矢印に示すように室内熱交換器53に導かれ、室内空気と熱交換して凝縮する。凝縮器となる室内熱交換器53の凝縮熱を室内空気が吸収することで温度上昇し、室内の暖房作用を得る。
室内熱交換器53から導出される液冷媒は膨張装置52に導かれ、断熱膨張して室外熱交換器51に導かれて蒸発する。蒸発器である室外熱交換器51から導出される蒸発冷媒は、四方切換え弁50から多気筒回転式圧縮機Mに吸込まれ、上述したように圧縮されて冷凍サイクルを循環する。
この空気調和機Rにおいては、上述の冷房運転と暖房運転のそれぞれにおいて、能力半減運転(休筒運転)と、全能力運転(通常運転)との切換え選択が可能である。
たとえば冷房運転時に能力半減運転を選択すると、上述した冷房運転時の冷凍サイクルが構成されるとともに、ブレード背圧制御機構Kを構成する圧力切換え弁27の弁体31が切換えられる。すなわち圧力切換え弁27は、図1に二点鎖線で示すように、第2のポートPbと第3のポートPcが連通するように制御される。
したがって、室内熱交換器53から四方切換え弁50を介してアキュームレータ25に連通する冷媒管Pと、第2の分岐管29と、圧力切換え弁27と、圧力制御用配管19、背圧導入通路20および第2のブレード背室11bが連通状態になる。
同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動される。回転軸5の回転にともない、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心移動する。第1のシリンダ6Aにおいては、第1のブレード12aがばね部材13に押圧付勢され、先端部がローラ9a周壁に摺接して第1のシリンダ室Sa内を二分する。
室内熱交換器53で蒸発した低圧の冷媒ガスが、アキュームレータ25から吸込み側の冷媒管Paに導かれ、多気筒回転式圧縮機Mの中間仕切り板2に設けられる2つの分岐案内路に案内される。そして、それぞれの分岐案内路から第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。
さらに、ブレード背圧制御機構Kを構成する圧力切換え弁27の上述した切換え操作により、室内熱交換器53から導出される低圧のガス冷媒の一部が、冷媒管Pから第2の分岐管29と、圧力切換え弁27と、圧力制御用配管19と、閉塞部材18に設けられる背圧導入通路20を介して第2のブレード背室11bに導かれる。
第2のブレード背室11bに充満する低圧のガス冷媒は、第2のブレード12bの後端部に低圧の背圧を付与する。第2のシリンダ室Sbに対向する第2のブレード12b先端部が低圧雰囲気下にあり、第2のブレード背室11bに対向する第2のブレード12b後端部も低圧雰囲気下にあるので、ブレード12bの先端部と後端部で差圧が生じない。
回転軸5の回転により第2のローラ9bが偏心移動してくると、第2のブレード12b先端部はローラ9bに蹴られて後退する。第2のブレード12bの後端部が第2のブレード背室11bに取付けられる保持部材16に接触または近接し、永久磁石17の磁気力が保持部材16を介して第2のブレード12bに作用し、ブレードを磁気吸着する。
したがって、第2のブレード12bの先端部がシリンダ室Sb内へは突出せず、そのままの位置を保持する。回転軸5の偏心部5bに嵌合する第2のローラ9bは空回りを継続し、第2のシリンダ室Sbおいて圧縮作用が行われない。すなわち、第2のシリンダ室Sbでは休筒運転状態となる。
一方、第1のシリンダ室Saにおいては、第1のブレード12aがばね部材13の弾性力を受ける。ブレード12a先端部は第1のローラ9aの周壁に当接し、第1のシリンダ室Saを圧縮室と吸込み室の二室に区画する。ローラ9aの偏心移動にともなって圧縮室側の容積が減少していき、吸込まれたガスが徐々に圧縮されて高圧化する。
所定圧まで上昇して高圧化すると、吐出弁機構が開放して高圧化したガスが吐出マフラ8a,8bへ吐出される。さらに密閉ケース1内に導かれて、ここに充満する。密閉ケース1内の充満した高圧のガス冷媒は冷媒管Pへ吐出され、上述したような冷凍サイクルを構成して室内の冷房作用をなす。
結局、第2のシリンダ室Sbにおいて圧縮作用が行われない休筒運転状態を継続し、第1のシリンダ室Saにおいてのみ圧縮運転をなす、能力半減運転となる。
全能力運転を選択すると、圧力切換え弁27の弁体31が図1の実線位置に切換えられ、第1のポートPaと第2のポートPbが連通する。したがって、密閉ケース1に接続する吐出側の冷媒管Pと、第1の分岐管28と、圧力切換え弁27と、圧力制御用配管19と、閉塞部材18の背圧導入通路20および第2のブレード背室11bが連通される。
同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動されて、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心運動を行う。第1のシリンダ6Aで第1のブレード12aはばね部材13に押圧付勢され、先端部がローラ9a周壁に摺接して第1のシリンダ室Sa内を二分する。
室内熱交換器53で蒸発した低圧のガス冷媒がアキュームレータ25から吸込み側の冷媒管Paに導かれ、分岐案内路を介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。第1のシリンダ室Saにおいては、上述したように圧縮作用が行われて高圧化したガス冷媒が密閉ケース1内に充満している。
ガス冷媒は密閉ケース1から吐出側の冷媒管Pへ導かれ、上述した冷凍サイクルを循環する。一部のガス冷媒は冷媒管Pから第1の分岐管28に分流され、圧力切換え弁27、圧力制御用配管19、閉塞部材18の背圧導入通路20から第2のブレード背室11bに導入される。
第2のブレード背室11bに導かれる高圧のガス冷媒により、第2のブレード12b後端部が高圧の背圧を受ける。一方、第2のブレード12b先端部が第2のシリンダ室Sbに対向し低圧雰囲気下にあるので、先端部と後端部で差圧が生じる。そのため、永久磁石17に磁気吸着されていた第2のブレード12bが、永久磁石17から容易に離れる。
第2のブレード12bは、高圧の背圧を受けて先端部側へ押圧付勢される。回転軸5の回転にともない第2のローラ9bが偏心移動すると、第2のブレード12bの先端部が第2のローラ9b周面に当接したまま、ブレード溝10bを往復移動する。第2のブレード12bは第2のシリンダ室Sbを圧縮室と吸込み室とに二分し、圧縮作用が行われる。
したがって、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbにおいて同時に圧縮作用をなし、全能力運転が行われることとなる。
以上説明した能力半減運転時は、第2のブレード12b後端部が第2のブレード背室11bに取付けられる永久磁石17に保持部材16を介して磁気吸着され、保持部材16に密着状態にある。全能力運転時は、第2のブレード12b後端部が第2のブレード背室11bを往復動し、保持部材16とはわずかの間隙を存する位置まで移動してくる。
上述したように、背圧導入通路20を構成する凹部hの外側開口角部haは、休筒運転状態で位置する第2のブレード12b後端部の下端面角部bbよりも外周側に位置するよう構成される。
したがって、第2のブレード12b後端部が永久磁石17に磁気吸着され保持部材16に密着しても、あるいは第2のブレード12b後端部が保持部材16とはわずかの間隙を存する位置まで移動してきても、第2のブレード12b後端部の下端面角部bbが、背圧導入通路20を構成する凹部hの外側開口角部haに接触することは無い。
さらに、第2のブレード12bの円滑な往復動作を確保するため、第2のブレード12bの高さ方向寸法に対してブレード溝10bとブレード背室11bが設けられる第2のシリンダ6Bの厚さ寸法がわずかに大に形成され、第2のブレード12bとはクリアランスが確保されている。
しかるに、何らかの原因により第2のブレード12bが傾いた状態で往復動するようなことがあっても、あるいは傾いたまま保持部材16を介して永久磁石17に磁気吸着されるようなことがあっても、第2のブレード12b後端部の下端面角部bbと、背圧導入通路20を構成する凹部hの外側開口角部haとの当接は無い。
したがって、騒音の発生が無く、静粛運転を維持できるとともに、第2のブレード12bが傾いた状態のまま移動がロックされることの防止を図れて、圧縮信頼性の向上を得られる多気筒回転式圧縮機Mを提供できる。
また、上述したように第1のバッファ用凹部空間21における開口部の一部である外側開口角部21aが、休筒運転状態で位置する第2のブレード12bの上端面角部bcよりも外周側に位置するよう構成される。
したがって、第2のブレード12bの後端部が保持部材16に密着した状態で永久磁石17に磁気吸着されても、第2のブレード12b後端部の上端面角部bcと、第1のバッファ用凹部空間21の外側開口角部21aとは、互いに間隙を存していて、接触することは無い。
何らかの原因により、第2のブレード12bが傾いた状態で往復動するようなことがあっても、あるいは傾いたまま保持部材16を介して永久磁石17に磁気吸着されるようなことがあっても、互いの接触による騒音の発生を防止でき、第2のブレード12bの移動がロックされることの防止を図れて、圧縮信頼性の向上を得られる。
なお、圧力制御用配管19から閉塞部材18の背圧導入通路20を介して、高圧ガスもしくは低圧ガスが第2のブレード背室11bに導かれる。ここでは、第2のブレード背室11bの上部側である中間仕切り板2に、第2のブレード背室11bと連通する第1のバッファ用凹部空間21が設けられている。
さらに、背圧導入通路20の上部側である閉塞部材18と第2のシリンダ6Bに亘って、背圧導入通路20と連通する第2のバッファ用凹部空間22が設けられている。いずれのバッファ用凹部空間21,22にも、第2のブレード背室11bに導かれる途中、もしくは導かれた後の高圧、低圧ガスが逃げ場の無い状態で溜まり、そのまま滞留する。
能力半減運転時に、圧力制御用配管19と背圧導入通路20に低圧のガス冷媒が導かれ、第2のブレード背室11bに充満して第2のブレード12bに低圧の背圧を付与する。一方、密閉ケース1内には圧縮された高圧ガスが充満し、高圧状態となっている。したがって、油溜り部14に集溜する潤滑油も影響を受けて高圧となる。
上記回転軸5には、油溜り部14の潤滑油を圧縮機構部3の各摺動部に導くための潤滑油供給路が設けられている。油溜り部14の高圧の影響を受けた潤滑油は、潤滑油供給路ばかりでなく、クリアランスを介して背圧導入通路20に浸入し、さらには第2のブレード背室11bに浸入するとともに、圧力制御用配管19内を上昇する可能性がある。
しかしながら、第1のバッファ用凹部空間21および第2のバッファ用凹部空間22には、既にガス冷媒が溜まっているので、浸入してきた潤滑油がこれら凹部21,22に溜まっているガス冷媒を全て追い出すことはない。
結局、休筒運転状態を継続している間に、第2のブレード背室11bと背圧導入通路20および圧力制御用配管19に非圧縮流体である潤滑油が充満しても、第1、第2のバッファ用凹部空間21,22にはガス冷媒が留まる。そして、この状態で全能力運転に切換る場合がある。
あるいは、外気が極く低温の条件下で全能力運転が開始される場合がある。このとき、高圧のガス冷媒が圧力切換え弁27から圧力制御用配管19と背圧導入通路20を介して第2のブレード背室11bに導かれる。
しかるに、外気温度の上昇が無い状態で高圧のガス冷媒を供給し続けていると、ガス冷媒が凝縮して液冷媒に変ってしまう。すなわち、上述の潤滑油と同様の非圧縮流体となり、これが第2のブレード背室11bと、背圧導入通路20および圧力制御用配管19に充満する可能性がある。
このように全能力運転時に、圧力制御用配管19と背圧導入通路20および第2のブレード背室11bに非圧縮流体が充満する一方で、圧縮機構部3の作用にともなう発熱の影響で、非圧縮流体からガス分が蒸発する。
運転の継続とともに、第2のブレード背室11bと背圧導入通路20と圧力制御用配管19に充満する非圧縮流体に存在するガス分がほとんど消失して、純然たる液体のみが残る。そのため、第2のブレード12bの往復動作を、ガス分を含まない完全な液体状の非圧縮流体が直接受け、非圧縮流体の緩衝効果がほとんど無い状態となる。
特に高回転運転を行うと、第2のブレード12bにおける往復動作に非圧縮流体の流動が追従できなくなる。第2のブレード12b後端部は過大な抵抗力を受けることになり、動作に円滑を欠く。背圧導入通路20における非圧縮流体の圧力エネルギーの変動である圧力脈動が大きくなり、振動、騒音、配管の破裂などの問題が生じる虞れがある。
しかしながら、第2のブレード背室11bに対して第1のバッファ用凹部空間21が開口していて、ガス分が溜まっている。背圧導入通路20に対しても第2のバッファ用凹部空間22が開口していて、ここにもガス分が溜まっている。
これらバッファ用凹部空間21,22に溜まっているガス分によって、第2のブレード12bの往復動に起因する圧力脈動を軽減するクッション効果が得られる。第2のブレード12bの後端部に過大な力が働くことを防止でき、振動や騒音の低減と、配管破裂を防止し、信頼性の向上を図れる。
なお、第1のバッファ用凹部空間21と第2のバッファ用凹部空間22の内容積を、第2のブレード12bが第2のシリンダ室Sb内に最も突出する下死点から第2のシリンダ室Sb内から最も後退する上死点まで移動するときの、押し退け量以上に設定することで、上述の効果をより大きなものとできる。
中間仕切り板2に第1のバッファ用凹部空間21が設けられ、閉塞部材18に背圧導入通路20を構成する凹部hが設けられる構成でありながら、保持部材16または永久磁石17の少なくとも一部が、上記凹部hおよび第1のバッファ用凹部空間21とは対向しないようにして設けた。
そのため、第2のブレード背室11bにおいて上下方向にずれることなく確実に組み込むことができる。圧縮運転中も、永久磁石17と保持部材16が第2のブレード背室11bから脱落することが無く、製造性と信頼性の高い多気筒回転式圧縮機Mが得られる。
このような多気筒回転式圧縮機Mを備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置(空気調和機)Rであるから、冷凍(空調)効果の大幅な向上を得られ、さらなる信頼性の向上に繋げられる。
なお、上述の圧縮機構部3では、アキュームレータ25から吸込み側の冷媒管Paを介して導かれたガス冷媒を、中間仕切り板2内で分岐して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに導く構成としたが、これに限定されるものではない。
たとえば、アキュームレータ25から2本の吸込み冷媒管を延出して、第1のシリンダ室Saと、第2のシリンダ室Sbとのそれぞれに、直接、連通するように構成したものであっても良い。
さらに、第2のシリンダ室Sbを休筒運転状態とする構成にしたが、第1のシリンダ室Saを休筒運転状態にする構成に変えてもよい。また、第1のシリンダ室Saと、第2のシリンダ室Sbの排除容積が異なる場合においても、同等の作用効果が得られることは勿論である。
副軸受7Bの外周端に沿って背圧導入通路20を備えた閉塞部材18を設けたが、副軸受7Bのフランジ部を拡大し、第2のブレード背室11bを閉塞するとともに、ここに直接、背圧導入通路20を設けて、上記閉塞部材18を不要とする構成であっても良い。したがって、背圧導入通路20が設けられる部位を、「軸受側部材」と呼んだ。
また、中間仕切り板2に第2のブレード背室11bに開口する第1のバッファ用凹部空間21を設け、軸受側部材である閉塞部材18に背圧導入通路20に開口する第2のバッファ用凹部空間22を設けたが、これに限定されるものではなく、第1のバッファ用凹部空間21および第2のバッファ用凹部空間22のいずれか一方のみを設けても良い。
本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
1…密閉ケース、5…回転軸、4…電動機部、3…圧縮機構部、M…多気筒回転式圧縮機、2…中間仕切り板、Sa…第1のシリンダ室、Sb…第2のシリンダ室、10a、10b…ブレード溝、11a…第1のブレード背室、11b…第2のブレード背室、6A…第1のシリンダ、6B…第2のシリンダ、7A…主軸受、7B…副軸受、18…閉塞部材、5a…第1の偏心部、5b…第2の偏心部、9a…第1のローラ、9b…第2のローラ、12a…第1のブレード、12b…第2のブレード、20…背圧導入通路、K…ブレード背圧制御機構(圧力切換え手段)、ha…(背圧導入通路の第2のブレード背室に対する)外側開口角部、bb…(第2のブレード後端部の)下端面角部、18…閉塞部材(軸受側部材)、21…第1のバッファ用凹部空間、21a…(第1のバッファ用凹部空間の第2のブレード背室に対する)外側開口角部、bc…(第2のブレード後端部の)上端面角部、22…第2のバッファ用凹部空間、17…永久磁石、16…保持部材、51…室外熱交換器、52…膨張装置、53…室内熱交換器。

Claims (6)

  1. 密閉ケース内に、回転軸を介して連結される電動機部と圧縮機構部を収容する多気筒回転式圧縮機において、
    上記圧縮機構部は、
    中間仕切り板を介在して設けられ、それぞれの内径部に低圧ガスが導入されるシリンダ室が形成されるとともに、これらシリンダ室にブレード溝を介して連通するブレード背室が設けられる第1のシリンダおよび第2のシリンダと、これら第1のシリンダと第2のシリンダの端面に設けられ上記中間仕切り板とともに上記シリンダ室を閉塞する軸受と、上記第1のシリンダと第2のシリンダにおけるそれぞれのシリンダ室に収容される偏心部を有する上記回転軸と、この回転軸の偏心部に嵌合され回転軸の回転にともなって上記シリンダ室内でそれぞれ偏心移動するローラと、上記ブレード溝に移動自在に収容され、上記ローラ周壁に先端部が当接した状態でシリンダ室を二室に区画するブレードと、
    上記第1のシリンダと第2のシリンダに設けられるブレード背室のうちの、一方のブレード背室に対してシリンダの端面側から開口する開口部を有する背圧導入通路と、
    この背圧導入通路を介して上記一方のブレード背室へ高圧もしくは低圧を導き、高圧を導いた状態でブレード後端部に高圧の背圧を付与しブレード先端部をローラ周壁に接触させてシリンダ室で圧縮運転を行わせる、もしくは低圧を導いた状態でブレード先端部をローラ周壁から離間させてシリンダ室での圧縮運転を停止する休筒運転状態とする圧力切換え手段と、を具備し、
    上記背圧導入通路の上記回転軸から遠い方の外側開口角部は、休筒運転状態で位置するブレード後端部の端面角部よりも外周側に位置する
    ことを特徴とする多気筒回転式圧縮機。
  2. さらに、上記一方のブレード背室の上部に、このブレード背室に対して開口する開口部を有し、背圧導入通路からブレード背室に導かれたガス分を滞留する第1のバッファ用凹部空間を備え、
    この第1のバッファ用凹部空間の上記回転軸から遠い方の外側開口角部は、休筒運転状態で位置するブレード後端部の端面角部よりも外周側に位置する
    ことを特徴とする請求項1記載の多気筒回転式圧縮機。
  3. 上記背圧導入通路の上部に、背圧導入通路と連通して設けられ、背圧導入通路に導かれるガス分を滞留する第2のバッファ用凹部空間を備えた
    ことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の多気筒回転式圧縮機。
  4. 上記第1のバッファ用凹部空間と、第2のバッファ用凹部空間における、それぞれの空間容積は、上記ブレードがシリンダ室内に最も突出する下死点からシリンダ室内から最も後退する上死点まで移動するときの押し退け容量以上に設定される
    ことを特徴とする請求項2および請求項3のいずれかに記載の多気筒回転式圧縮機。
  5. 上記ブレード背室に、休筒運転状態でブレード後端部を磁気吸着する永久磁石と、この永久磁石をブレード背室に保持する保持部材を備えており、
    上記永久磁石あるいは上記保持部材の少なくとも一方は、第1のシリンダもしくは第2のシリンダの端面に設けられる中間仕切り板と、軸受もしくは軸受側部材によって軸方向の動きが規制されるよう組立てられる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多気筒回転式圧縮機。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の多気筒回転式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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