JP5427583B2 - 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置 - Google Patents

多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5427583B2
JP5427583B2 JP2009285444A JP2009285444A JP5427583B2 JP 5427583 B2 JP5427583 B2 JP 5427583B2 JP 2009285444 A JP2009285444 A JP 2009285444A JP 2009285444 A JP2009285444 A JP 2009285444A JP 5427583 B2 JP5427583 B2 JP 5427583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
cylinder
chamber
hole
cylinder chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009285444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011127475A (ja
Inventor
卓也 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Carrier Corp
Original Assignee
Toshiba Carrier Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Carrier Corp filed Critical Toshiba Carrier Corp
Priority to JP2009285444A priority Critical patent/JP5427583B2/ja
Priority to CN2010205857475U priority patent/CN201943954U/zh
Publication of JP2011127475A publication Critical patent/JP2011127475A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5427583B2 publication Critical patent/JP5427583B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

本発明は、圧縮能力の切換えが可能な多気筒ロータリ式圧縮機と、この多気筒ロータリ式圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置では、圧縮機構部に複数(主として、2つ)のシリンダ室を備えた多気筒ロータリ式圧縮機が多用されている。この種の圧縮機において、複数のシリンダ室で同時に圧縮作用を行う全能力運転と、一方のシリンダ室で圧縮作用をなし、他方では圧縮作用を停止して、圧縮仕事を低減する能力半減運転との切換えができれば有利である。
[特許文献1]には、それぞれローラが偏心回転するシリンダ室を備えた第1のシリンダおよび第2のシリンダと、上記ローラに当接してシリンダ室を二分するブレード(ベーン)と、ブレードの背面側端部を収容するブレード背室(ベーン室)を備えたロータリ式密閉型圧縮機が開示されている。
第1のシリンダ側のブレードは、ばね部材によって押圧付勢され、回転軸を回転駆動すれば常時、シリンダ室で圧縮作用をなす。密閉ケース内を高圧とし、第2のシリンダ室に吐出圧を導くと、第2のシリンダ側のブレードは先端部と後端部が同圧となり、停止して圧縮運転が行われない。第2のシリンダ室に吸込み圧を導くと、ブレードの先端部が低圧、後端部が高圧となり差圧を生じ、押圧付勢されてシリンダ室で圧縮運転が行われる。
特開2004−30114号公報(特許第4343627号公報)
ところで、上記[特許文献1]において、休筒運転(圧縮作用の無い)側のブレードが、たとえば圧力脈動の影響を受けて位置ズレすると、ローラへの衝突を繰り返してしまう。そのため、ブレードを保持する機構が備えられていて、最も簡素な構成ではシリンダの外周面からブレード背室に亘って割り溝を設け、ここに永久磁石を嵌め込んでいる。
上記シリンダは、ブレード溝とブレード背室を設けるために周壁一部が外方に突出形成され、剛性を確保している。それにも係らず、永久磁石嵌め込み用の割り溝を設けているので、シリンダの剛性を確保し難くなる。
そこで、ブレード背室周壁一部に、直接、永久磁石を取付ける構造が考えられる。永久磁石は、シリンダ室にかかる圧力とブレード背室にかかる圧力との差圧よりも小さい力でブレードを磁気吸着すればよいので、極く弱い磁力ですみ、薄型であることから、上記構成が可能である。
しかしながら、ブレード背室は縦孔構造となっていて、その直径は最低限、ブレードの移動ストローク分は必要である。一方、永久磁石は平板状をなすから、この板厚と幅寸法分をプラスした直径としなければならない。必然的にブレード室の縦孔直径が大となって、ブレード背室周壁と突出部周壁と間の寸法が薄くなり、剛性保持に影響を及ぼす。
上記目的を満足するため本発明の多気筒ロータリ式圧縮機は、密閉ケース内に回転軸を介して連結する電動機部と圧縮機構部を収容する。
上記圧縮機構部は、中間仕切り板を介在して設けられる第1のシリンダおよび第2のシリンダを備えていて、これらシリンダの内径部に第1のシリンダ室と第2のシリンダ室が形成され、各シリンダ室にブレード溝を介して連通する第1のブレード背室と第2のブレード背室を備える。
回転軸は、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室に収容される第1の偏心部と第2の偏心部を有し、これら第1の偏心部と第2の偏心部に、第1、第2のシリンダ室で偏心回転する第1のローラおよび第2のローラを嵌合する。
上記ブレード溝に、第1のブレードおよび第2のブレードを移動自在に収容し、この先端部が第1のローラと第2のローラに当接したとき、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室を区画する。
第1のブレードは、後端部が第1のブレード背室に配備されるばね部材によって押圧付勢され、第2のブレードは、先端部が対向する第2のシリンダ室の圧力雰囲気と、後端部が対向する第2のブレード背室の圧力雰囲気との差圧に応じて押圧付勢される。
第2のブレード背室は、ブレード溝と連設され第2のブレードが規定ストローク量だけ突出可能な第1の孔部と、この第1の孔部と連設され第1の孔部よりも小面積の第2の孔部とから構成される。
第2の孔部は、第2のブレードの後端部が第2のブレード背室に最も突出した位置で、第2のブレードの後端部を磁気吸着する永久磁石を収容する。
第2のブレード背室を構成する第1の孔部は、永久磁石を保持する保持部材を収容する。
保持部材は、第2のブレードの後端部と対向する位置に永久磁石を保持し位置ズレを規制する突起を備えた平面部と、この平面部の両側部に一体に連設され、第1の孔部の周面に沿って曲成される曲成部と、この曲成部の端部に設けられ保持部材を第1の孔部に挿入する際のガイドをなす傾斜部と、を具備する。
上記目的を満足するため本発明の冷凍サイクル装置は、上記記載の多気筒ロータリ式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、複数のシリンダを備えて圧縮能力可変をなす前提で、ブレード背室の構造を改良することにより、剛性を確保し、変形が少なく精度が高いシリンダを得るとともに、永久磁石の位置ズレを規制してブレードに対する磁気吸着を確実になし、信頼性の向上を得る多気筒ロータリ式圧縮機と、この多気筒ロータリ式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を図れる冷凍サイクル装置を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため本発明の多気筒ロータリ式圧縮機は、密閉ケース内に回転軸を介して連結する電動機部と圧縮機構部を収容する。
上記圧縮機構部は、中間仕切り板を介在して設けられる第1のシリンダおよび第2のシリンダを備えていて、これらシリンダの内径部に第1のシリンダ室と第2のシリンダ室が形成され、各シリンダ室にブレード溝を介して連通する第1のブレード背室と第2のブレード背室を備える。
回転軸は、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室に収容される第1の偏心部と第2の偏心部を有し、これら第1の偏心部と第2の偏心部に、第1、第2のシリンダ室で偏心回転する第1のローラおよび第2のローラを嵌合する。
上記ブレード溝に、第1のブレードおよび第2のブレードを移動自在に収容し、この先端部が第1のローラと第2のローラに当接したとき、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室を区画する。
第1のブレードは、後端部が第1のブレード室に配備されるばね部材によって押圧付勢され、第2のブレードは、先端部が対向する第2のシリンダ室の圧力雰囲気と、後端部が対向する第2のブレード背室の圧力雰囲気との差圧に応じて押圧付勢される。
第2のブレード背室は、ブレード溝と連設され第2のブレードが規定ストローク量だけ突出可能な第1の孔部と、この第1の孔部と連設され第1の孔部よりも小面積の第2の孔部とから構成される。
第2の孔部は、第2のブレードの後端部が第2のブレード背室に最も突出した位置で、第2のブレードの後端部を磁気吸着する永久磁石を収容する。
上記目的を満足するため本発明の冷凍サイクル装置は、上記記載の多気筒ロータリ式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する。
本発明によれば、剛性を確保し、変形が少なく精度が高いシリンダを得るとともに、永久磁石の位置ズレを規制してブレードに対する磁気吸着を確実になし、信頼性の向上を得る多気筒ロータリ式圧縮機と、この多気筒ロータリ式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を図れる冷凍サイクル装置を提供できる。
本発明における実施の形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機の概略の縦断面図と、冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。 同実施の形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機の要部の分解斜視図。 同実施の形態に係る、圧縮機構部要部の下面図。 同実施の形態に係る、変形例の圧縮機構部要部の下面図。 同実施の形態に係る、保持部材の平面図と正面図。 同実施の形態に係る、保持部材における突起の突出長さを説明する図。 同実施の形態に係る、第1のブレードと第2のブレードの正面図。 同実施の形態に係る、第2のブレードの平面図と正面図。 同実施の形態の変形例に係る、多気筒ロータリ式圧縮機の概略の縦断面図と、冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。
以下、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて説明する。
図1は、多気筒ロータリ式圧縮機Tの概略の断面構造と、この多気筒ロータリ式圧縮機Tを備えた冷凍サイクル装置Gの冷凍サイクル構成を示す図である。
はじめに多気筒ロータリ式圧縮機Tから説明すると、1は密閉ケースであって、この密閉ケース1内の下部には圧縮機構部3が設けられ、上部には電動機部4が設けられる。上記電動機部4と圧縮機構部3は、回転軸5を介して一体に連結される。
上記圧縮機構部3は、上部側に第1のシリンダ6Aを備え、下部側に第2のシリンダ6Bを備えている。第1のシリンダ6Aの上端面に主軸受7Aが取付け固定され、第2のシリンダ6Bの下端面に副軸受7Bが取付け固定される。これら第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bとの間には中間仕切り板2が介設される。
上記回転軸5は、各シリンダ6A、6B内部を貫通していて、略180°の位相差で同一直径の第1の偏心部aと第2の偏心部bを一体に備えている。各偏心部a、bは各シリンダ6A、6Bの内径部に位置するように組立てられる。第1の偏心部aに第1のローラ9aが嵌合され、第2の偏心部bに第2のローラ9bが嵌合される。
上記第1のシリンダ6Aの内径部は、主軸受7Aと中間仕切り板2によって覆われていて、第1のシリンダ室Saが形成される。上記第2のシリンダ6Bの内径部は、中間仕切り板2と副軸受7Bによって覆われていて、第2のシリンダ室Sbが形成される。
第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbは互いに同一直径および高さ寸法に形成される。そして、上記ローラ9a、9bの周壁一部が各シリンダ室Sa、Sbの周壁一部に線接触しながら偏心回転自在になるように、ローラ9a、9bはシリンダ室Sa,Sbに収容される。
上記主軸受7Aには二重に重ねられた吐出マフラ8aが取付けられていて、主軸受7Aに設けられる吐出弁機構を覆っている。それぞれの吐出マフラ8aには吐出孔が設けられる。上記副軸受7Bには一重の吐出マフラ8bが取付けられていて、副軸受7Bに設けられる吐出弁機構を覆う。この吐出マフラ8bには吐出孔が設けられていない。
上記主軸受7Aに設けられる吐出弁機構は第1のシリンダ室Saに対向していて、圧縮作用にともない室内圧力が所定圧力になったとき開放してガスを吐出マフラ8a内に吐出する。上記副軸受7Bに設けられる吐出弁機構は第2のシリンダ室Sbに対向していて、室内圧力が所定圧力になったとき開放してガスを吐出マフラ8b内に吐出する。
副軸受7Bと、第2のシリンダ6Bと、中間仕切り板2と、第1のシリンダ6Aおよび主軸受7Aとに亘って吐出ガス案内路が設けられる。この吐出ガス案内路は、第2のシリンダ室Sbから吐出弁機構を介して下部側吐出マフラ8bに吐出された高圧ガスを、上部側の二重吐出マフラ8a内に案内する。
上記密閉ケース1の内底部には、潤滑油を集溜する油溜り部14が形成される。図1において、上記主軸受7Aのフランジ部を横切る実線は潤滑油の油面を示していて、圧縮機構部3のほとんど全部が上記油溜り部14の潤滑油中に浸漬されている。
図2は、上記圧縮機構部3の一部を分解して示す斜視図であり、要部のみ示し、詳細は省略している。
第1のシリンダ6Aには、第1のシリンダ室Saとブレード溝10aを介して連通する第1のブレード背室11aが設けられ、上記ブレード溝10aには第1のブレード12aが移動自在に収容される。
第2のシリンダ6Bには、第2のシリンダ室Sbとブレード溝10bを介して連通する第2のブレード背室11bが設けられ、上記ブレード溝10bには第2のブレード12bが移動自在に収容される。
第1、第2のブレード12a、12bそれぞれの先端部は平面視で略円弧状に形成されており、対向するシリンダ室Sa、Sbに突没できる。また、各ブレード12a、12bそれぞれの後端部は、対向するブレード背室11a、11bに突没できるよう寸法設定されている。
ブレード12a、12b先端部が対向するシリンダ室Sa、Sbに突出した状態で、この先端部は平面視で円形状の上記第1、第2のローラ9a、9b周壁に、回転角度にかかわらず線接触する。
上記第1のシリンダ6Aには、第1のブレード背室11aと、このシリンダ6Aの外周面とを連通する横孔fが設けられ、弾性体であるばね部材13が収容される。ばね部材13は第1のブレード12aの後端部端面と密閉ケース1内周壁との間に介在され、第1のブレード12aに弾性力(背圧)を付与する。
これに対して第2のブレード12bは、後述するように、先端部が対向する第2のシリンダ室Sbにおける圧力雰囲気の影響を受け、後端部が対向する第2のブレード背室11bにおける圧力雰囲気の影響を受け、その差圧によって背圧が付与される、もしくは付与されない。
再び図1に示すように、第2のシリンダ6Bにおける第2のブレード背室11bは、副軸受7Bのフランジ部周端から外方へ突出した位置に設けられ、そのままでは上下面が開口され密閉ケース1内に開放する。
しかしながら、第2のブレード背室11bの上面開口部は、第2のシリンダSbの上端面に取付けられる中間仕切り板2によって覆われ、下面開口部は、閉塞部材15によって覆われる。したがって、第2のブレード背室11bの上下面開口部は中間仕切り板2と閉塞部材15とで閉塞され、密閉構造をなす。
上記閉塞部材15の側端面は副軸受7Bのフランジ部周端面に沿うよう形成され、この側端面と対向する側端面に圧力制御用配管16が接続される。さらに閉塞部材15には、圧力制御用配管16の接続部から第2のブレード背室11bに亘って案内通路17が設けられる。
一方、多気筒ロータリ式圧縮機Tを構成する密閉ケース1の上端部には、吐出管Pが接続される。この吐出管Pは、凝縮器20と、膨張装置21および蒸発器22を介してアキュームレータ23の上端部に接続される。上記アキュームレータ23と多気筒ロータリ式圧縮機Tとは、吸込み管Paを介して接続される。
すなわち、以上説明した多気筒ロータリ式圧縮機Tと、凝縮器20と、膨張装置21と、蒸発器22およびアキュームレータ23を順次配管接続することで、冷凍サイクル装置Gが構成される。
上記吸込み管Paは密閉ケース1を貫通して中間仕切り板2の周端面に接続される。中間仕切り板2においては、吸込み管Paが接続される周面部位から軸芯方向に向って吸込み案内路が設けられる。この吸込み案内路の先端は斜め上方と斜め下方に二股状に分岐される。
斜め上方に分岐した分岐案内路は、第1のシリンダ室Saに連通する。斜め下方に分岐した分岐案内路は、第2のシリンダ室Sbに連通する。したがって、アキュームレータ23と、多気筒ロータリ式圧縮機Tにおける第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbとは、常時、連通状態にある。
上記圧力制御用配管16の上端部は、密閉ケース1とアキュームレータ23の上端部よりも上方位置に設けられる圧力切換え手段である三方弁27に接続される。上記三方弁27は、冷暖房運転の切換えが可能なヒートポンプ式冷凍サイクルを備えた空気調和機に用いられる四方切換え弁を流用して、コストの抑制を図る。
上記三方弁27の第1のポートpaには密閉ケース1と凝縮器20とを連通する吐出管Pから分岐する第1の分岐管(高圧管)28が接続され、第2のポートpbには上記圧力制御用配管16が接続され、第3のポートpcには蒸発器22とアキュームレータ23とを連通する配管Pzから分岐する第2の分岐管(低圧管)29が接続される。
第4のポートpdは、栓体30で閉塞される。内部に収容される弁体31は、図に示すように第3のポートpcと第4のポートpdとを連通する位置と、二点鎖線で示すように第2のポートpbと第3のポートpcとを連通する位置に電磁的に切換え操作される。
したがって、図1の状態では第1のポートpaと第2のポートpbとが連通し、弁体31により第3のポートpcと第4のポートpdとが連通する。ただし、第4のポートpdは栓体30で閉塞されているので、第1のポートpaと第2のポートpbとの連通だけが残る。
図1に二点鎖線で示す位置に弁体31が移動すると、第1のポートpaと第4のポートpdとが連通し、弁体31により第2のポートpbと第3のポートpcが連通する。同様に、第4のポートpdは栓体30で閉塞されているので、第2のポートpbと第3のポートpcとの連通だけが残る。
上記三方弁27は、通常のヒートポンプ式空気調和機を構成する冷凍サイクルに用いられる四方切換え弁を流用したが、三方弁27に代って複数の開閉弁を組合せても同様の作用効果を得られる。
このようにして、三方弁27を切換え制御することによって、第1の分岐管28もしくは第2の分岐管29から、三方弁27と、圧力制御用配管16と、閉塞部材15を介して第2のブレード背室11bに高圧と低圧を切換えて導き、第2のブレード12bに背圧を付与する圧力制御機構Kが構成される。
特に、第2のブレード背室11bには保持部材32を介して永久磁石33が取付けられていて、第2のブレード12bの後端部が第2のブレード背室11bの周壁に近い位置まで移動したところで、永久磁石33は第2のブレード12bを磁気吸着するようになっている。
なお、第2のブレード背室11b構造と、永久磁石33に対する保持部材32構造については後述する。
上記した多気筒ロータリ式圧縮機Tと、この多気筒ロータリ式圧縮機Tを備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置Gにおいては、能力半減運転(休筒運転)と、全能力運転(通常運転)との切換え選択が可能である。
能力半減運転を選択すると、三方弁27の弁体31が、図1に二点鎖線で示すように切換えられ、第2のポートpbと第3のポートpcが連通する。同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動されて、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心回転を行う。
第1のシリンダ6Aにおいてブレード12aがばね部材13に押圧付勢され、この先端部がローラ9a周壁に摺接して第1のシリンダ室Sa内を二分する。低圧の冷媒ガスが吸込み管Paから、中間仕切り板2に設けられる吸込み案内路と、2つの分岐案内路を介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。
さらに、蒸発器22から導出される低圧の冷媒ガスの一部が第2の分岐管29、三方弁27、圧力制御用配管16、閉塞部材15の案内通路17を介して第2のブレード背室11bに導かれ、第2のブレード12bに低圧の背圧を付与する。
第2のシリンダ室Sbに対向する第2のブレード12b先端部が低圧雰囲気下にあり、第2のブレード背室11bに対向する第2のブレード12b後端部も低圧雰囲気下にあって、このブレード12bの先端部と後端部で差圧が生じない。すなわち、第2のブレード12bは前後いずれの方向にも移動しない。
第2のシリンダ室Sbに突出する第2のブレード12bの先端部は、第2のローラ9bに蹴られ、後退してシリンダ室Sbから没入する。後端部は、第2のブレード背室11bに突出し、保持部材32を介して永久磁石33に磁気吸着される。第2のブレード12bは第2のシリンダ室Sb内を区画できず、圧縮作用が行われない休筒運転となる。
一方、第1のシリンダ室Saにおいては、第1のブレード12aがばね部材13の弾性力を受けて先端部が第1のローラ9aの周壁に当接し、第1のシリンダ室Saを圧縮室と吸込み室に二分する。ローラ9aの偏心移動にともなってシリンダ室Saの圧縮室の容積が減少し、吸込まれたガスが徐々に圧縮される。
ガスが所定圧まで上昇すると吐出弁機構が開放され、吐出マフラ8a,8bに吐出された後、密閉ケース1内に充満する。高圧ガスは密閉ケース1から吐出管Pを介して凝縮器20に導かれ、凝縮液化して液冷媒に変る。液冷媒は膨張装置21で断熱膨張し、蒸発器22で蒸発して、ここを流通する空気から蒸発潜熱を奪い冷凍作用をなす。
蒸発器22で蒸発したガス冷媒はアキュームレータ23で気液分離され、吸込み管Paを介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに導かれて、上述のような冷凍サイクルを構成する。第2のシリンダ室Sbにおいて圧縮作用が行われず(休筒運転)、第1のシリンダ室Saにおいてのみ圧縮運転をなすことで、能力半減運転となる。
全能力運転を選択すると、三方弁27の弁体31が図1に示す実線の位置に切換えられ、第1のポートpaと第2のポートpbが連通する。同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動されて、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心回転を行う。
第1のシリンダ室Saでは上述したように圧縮作用が行われる。密閉ケース1内に充満する高圧ガスは吐出管Pに吐出され、上述した冷凍サイクルを循環する。一部の高圧ガスは第1の分岐管28から三方弁27、圧力制御用配管16、閉塞部材15を介して第2のブレード背室11bに導かれ、第2のブレード12bに高圧の背圧を付与する。
第2のブレード12b先端部が第2のシリンダ室Sbに対向して低圧雰囲気下にあるが、後端部が第2のブレード背室11bに対向して高圧雰囲気下にあるので、先端部と後端部で差圧が生じる。永久磁石33の磁気力を上回る圧力が第2のブレード12bの後端部にかかって、永久磁石33から離間し、先端部側へ押圧付勢される。
第2のブレード12bの先端部は第2のローラ9b周面に当接したまま、ブレード溝10bを往復移動する。第2のブレード12bは第2のシリンダ室Sbを圧縮室と吸込み室とに二分し、圧縮作用が行われる。したがって、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbにおいて同時に圧縮作用をなす、全能力運転が行われることとなる。
つぎに、上記第2のシリンダ室Sbにおける休筒運転時に、第2のブレード12bを磁気吸着する永久磁石33と、この永久磁石33を保持する保持部材32および、第2のブレード背室11b構造について詳述する。
図3は、圧縮機構部3要部の下面図であり、さらに詳しくは第2のシリンダ6Bの一部を拡大した下面図である。
上記第2のブレード背室11bは、上記ブレード溝10bに連設される第1の孔部Daと、この第1の孔部Daに連設され、かつブレード溝10bと対向する部位に設けられる第2の孔部Dbとからなる。
上記第1の孔部Daは、ブレード溝10bを加工する際の逃げ溝でもあり、その直径はブレード溝10bの幅寸法よりも大きく、かつ第2のブレード12bに対して設定される規定のストロークよりも大なる円形状の孔である。
上記第2の孔部Dbは、第1の孔部Daに対して半円状をなす孔であり、その直径は第2のブレード12bの幅寸法よりもわずかに大で、第1の孔部Daの直径よりも極めて小である。したがって、第2の孔部Dbの面積は第1の孔部Daの面積よりも小に形成される。
このような第1の孔部Daに保持部材32が嵌め込まれ、かつ保持部材32の一部は第2の孔部Dbに突出して永久磁石33を保持する。すなわち、永久磁石33は第2の孔部Dbに位置し、第1の孔部Daと第2の孔部Dbとの境目に保持部材32の一部が位置する。
上述したように第2のシリンダ室Sbにおける休筒運転時に、実際には、第2のブレード12bが第2のブレード背室11bに最も突出したとき、この後端部が保持部材32を介して永久磁石33に磁気吸着される。
したがって、第1の孔部Daは保持部材32を取付けた状態で第2のブレード12bの規定ストローク分だけ突出可能な面積を確保すればよく、永久磁石33を保持する空間部である第2の孔部Dbまでの直径φXは不要である。換言すれば、第1の孔部Daの直径が小さくてすみ、第2のシリンダ6Bにおける開口加工面積の低減を図ることができる。
上記永久磁石33は希土類磁石であり、小容積で大きな磁力が得られ、スペース効率が向上する。上記保持部材33は非磁性体である、オーステナイト系のステンレス材を板金加工して形成される。磁力がリークすることなく永久磁石33から第2のブレード12bへ効率良く伝わり、磁気吸着力の低下を防止できるとともに、剛性が高く製造性が良い。
図5(A)は保持部材32を拡大して示す平面図であり、図5(B)は保持部材32を拡大して示す正面図である。
保持部材32は、回転軸5の軸方向である図5(B)の上下方向に長く、この長さ方向とは直交する方向である幅方向に短い平面部Eaを有する。具体的には、平面部Eaの長さ方向全長は第2のシリンダ6Bの板厚寸法と略同一であり、幅方向寸法は第2の孔部Dbの直径と略同一である。
この平面部Eaの幅方向の略中央部で、かつ上下方向の両端部に、それぞれ上部突起Eb1と下部突起Eb2が切起し加工によって図の背面側(外側)に突出形成される。さらに、平面部Eaの幅方向の左右両側部で、かつ上下方向の略中央部に、それぞれ側部突起Eb3が切起し加工によって図の背面側に突出形成される。
これら上部突起Eb1と下部突起Eb2との相互間隔寸法は、上記永久磁石33の上下方向寸法よりもわずかに大になるよう設定される。また、側部突起Eb3の相互間隔寸法は永久磁石33の左右幅寸法よりもわずかに大になるよう設定される。
上記平面部Eaの左右両側部には、曲成部Ecが一体に連設されている。それぞれの曲成部Ecは上記各突起Eb1〜Eb3と反対側方向である内側に湾曲形成されていて、この曲率半径は第1の孔部Daの曲率半径よりもわずかに大である。また、曲成部Ecの上下端部は内側に向って斜めに傾斜形成される傾斜部Edとなっている。
このようにして構成される保持部材32であり、平面部Eaに設けられる上部突起Eb1と下部突起Eb2および左右の側部突起Eb3相互間に永久磁石33を嵌め込み、第2のブレード背室11bに挿入される。
上述したように保持部材32は非磁性材からなり、永久磁石33の磁気が透過し、磁気吸着されない。これに対して第2のブレード背室11bが設けられる第2のシリンダ6Bは、たとえば鋳鉄材からなり磁性材である。
そのため、永久磁石33を保持部材32に位置決めしないと、第2のブレード背室11bに挿入する途中で永久磁石33が第2のブレード背室11b周壁に磁気吸着してしまい、正規の位置に取付けすることができない。すなわち、保持部材32の平面部Eaに位置決め用としての上記各突起Eb1〜Eb3が必要となる。
保持部材32の取付けにあたっては、左右の曲成部Ec端縁間隔を強制的に縮小して弾性変形させ、第1の孔部Daの周壁に嵌め込む。このとき、曲成部Ecの上下端部に内側に傾斜する傾斜部Edを設けているので、曲成部Ecの第1の孔部Daへの嵌め込み作業が容易にできる。
保持部材32の上端部と下端部が、第2のシリンダ6bの上端面と下端面位置に揃ったら、曲成部Ecを解放する。曲率半径の相違から曲成部Ecが第2のブレード背室11Bの周壁に密着し、保持部材32は第2のブレード背室11bに取付けられる。
保持部材32を第1の孔部Daに嵌め込むことで、永久磁石33は突起Eb1〜Eb3とともに第2の孔部Dbに収容される。第2のブレード12bの後端部と対向する位置に平面部Eaが存在し、かつ永久磁石33が取付けられる。
休筒運転時には、第2のブレード12bが第2のブレード背室11bに最も突出した状態で、ブレード12b後端部が保持部材32の平面部Eaに当接する。永久磁石33の磁気力が非磁性材からなる保持部材32を透過して磁性材からなる第2のブレード12bに作用し、永久磁石33は保持部材32を介して第2のブレード12bを磁気吸着する。
永久磁石33を保持部材32で位置決めし、正しい位置に取付けたので、第2のブレード12bを確実に磁気固定できる。第1のシリンダ室Saでの圧縮作用にともなう脈動現象が生じても、第2のブレード12bの移動を規制して第2のローラ9bに衝突を繰り返すようなことはない。
図4は、図3とは変形した第2のブレード背室11bAと保持部材32Aを示す図である。なお、上記第2のブレード12bと、永久磁石33と、保持部材32Aの永久磁石33保持構造および寸法形状と第2の孔部Dbの直径寸法については何らの変形もなく、上述したものをそのまま使える。
ここでは、第2のブレード背室11bAを構成する第1の孔部Da1の直径を、第2のブレード12bが規定ストローク分だけ突出可能な寸法を確保したうえで、図3よりも小さく形成して、第2のシリンダSbに対する開口面積を縮小している。
したがって、必然的に保持部材32Aは平面部Eaの左右両側部が内側に折り曲げられて第2の孔部Dbに嵌め込まれ、この先端から曲成部Ecが形成されて第1の孔部Da1に嵌め込まれることになる。保持部材32Aの作用効果については、図3および図5に示すものと同一であるので、説明を省略する。
図6は、保持部材33に設けられる左右側部の突起Eb3(Eb1,Eb2を含む:以下、省略)の突出量H[mm]を説明する図である。図3で説明した保持部材33を適用しているが、これに限定されるものではなく、図4で示した保持部材32Aにも適用できる。
ここで、T:永久磁石33の厚み寸法[mm]、R:第2の孔部Dbの半径[mm]、C:左右両側部突起Eb3相互の外側面間距離[mm]、B:永久磁石33の幅寸法[mm]とすると、以下の(1)式を満足する寸法設定としなければならない。
Figure 0005427583
上記突起Eb3の突起量Hを以上のように設定すれば、永久磁石33が第2のブレード12bを磁気吸着したときの衝撃を、保持部材32の突起Eb3の先端部が第2の孔部Dbの周壁に当接して受けることができ、永久磁石33の損傷を防止できる。
永久磁石33は第2の孔部Dbの周壁である第2のシリンダ6Bに磁気吸着しており、この条件下で突起Eb3の突起量Hを永久磁石33の厚みTよりも小さく設定している。これにより、永久磁石33と保持部材平面部Eaとの隙間が大きくなり過ぎることがなく、永久磁石33の第2のブレード12bに対する磁気吸着力の低下を防止できる。
なお、再び図1および図2に示すように、第1のブレード12aはばね部材13によって背圧を受けることから、ばね部材13が掛止し易いように凹凸形状のばね掛止溝を有する。ここでは、第2のブレード12bも同じ形態のものを用いて、部材管理手間の軽減化と組立て作業性の向上を図っている。
しかしながら、第2のブレード12bの後端部にはばね部材13が掛止していないので、第1のブレード12aのようなばね掛止溝は本来不要である。何よりも、第2のブレード背室11bに導かれる圧力(背圧)が、より効果的に作用する形態としなければならない。
図7(A)は第1のブレード12aの正面図、図7(B)は第2のブレード12bの正面図である。
上記第1のブレード12aは、先に説明したものと同様、後端部にばね部材13が掛止するためのばね掛止溝35が設けられている。上記第2のブレード12bは、上下方向の略中間部に亘ってばね掛止溝35よりも切り込み深さが浅い背圧溝36が設けられる。背圧溝36の溝容積Vbは、ばね掛止溝35の溝容積Vaよりも小さく形成される。
このことにより、第2のブレード12bは永久磁石33との間の平均距離を小さくでき、永久磁石33の磁気吸着力を高められる。併せて、永久磁石33の小型化を図れてコストの低減に繋げられる一方、第1のブレード12aにおいてばね掛止溝35の深さを充分大きくとることができ、ばね部材33とのズレを最小限に抑えて信頼性の向上を得る。
図8(A)(B)は、図7(B)で説明した第2のブレード12bの変形例としての、第2のブレード12b1の平面図と正面図である。
第2のブレード12b1に設けられる背圧溝36aは、上下(高さ)方向に貫通する溝である。したがって、第2のブレード12b1は厚さ方向における断面を上下方向全長に亘って同一になる。このブレード12b1を製造するにあたって、引抜き型により素材段階で溝を形成できるので、製造性が向上し、低コスト化を図れる。
また、磁気吸着した第2のブレード12b1を永久磁石33から離間させる際に、ブレード12b1の上下方向に対して均一に背圧を付加することができ、確実で円滑な離間をなし、信頼性の向上に繋がる。
なお上記実施の形態では、第2のシリンダ室Sbを低圧雰囲気とする一方で、第2のブレード背室11bに高圧もしくは低圧を導くようにしたが、これに限定されるものではなく、以下に述べるような多気筒ロータリ式圧縮機であってもよい。
図9は、変形例である多気筒ロータリ式圧縮機Taの概略の縦断面図である。
密閉ケース1内の下部に圧縮機構部3、上部に電動機部4が収容され、これら圧縮機構部3と電動機部4は回転軸5を介して連結されることは変りがない。電動機部4は先に説明したものと同一であり、圧縮機構部3は基本的には先に説明したものと同一である。同一部品については同番号を付して新たな説明を省略する。
相違点として、第2のブレード背室11bは密閉ケース1内に露出し、密閉ケース1内の圧力の影響を受けるようになっている。すなわち、密閉ケース1内に高圧ガスが充満した状態で、第2のブレード背室11bにも高圧ガスが充満し、第2のブレード12bは常に高圧の背圧を受ける。
冷凍サイクル構成も上述のものと同一であり、同番号を付して新たな説明を省略する。ただし、ここではアキュームレータ23から第1の吸込み管P1と、第2の吸込み管P2が延出されていて、第1の吸込み管P1は第1のシリンダ室Saに連通し、第2の吸込み管P2は圧力制御機構Kaの一部を構成して、第2のシリンダ室Sbに連通する。
圧力制御機構Kaは、吐出管Pから分岐し、第2の吸込み管P2に連通する分岐管P3と、この分岐管P3に設けられる第1の開閉弁40と、第2の吸込み管P2におけるアキュームレータ23と分岐管P3の接続部位との間に設けられる第2の開閉弁41とからなる。
第1の開閉弁40を開放し、第2の開閉弁41を閉成した状態で回転軸5を回転駆動すれば、第1のシリンダ室Saで圧縮作用が行われ、密閉ケース1内に高圧ガスが充満する。吐出管Pへ吐出される高圧ガスの一部が分岐管P3に分流され、第1の開閉弁40と、第2の吸込み管P2を介して第2のシリンダ室Sbに導かれ、高圧雰囲気となす。
第2のブレード背室11bは上述したように、ケース内圧力の影響を受けて高圧雰囲気下にある。したがって、第2のブレード12bの先端部と後端部が同じ高圧雰囲気下にあるので差圧が生じない、休筒運転状態となる。第1のシリンダ室Saのみで圧縮運転をなす能力半減運転となる。
第1の開閉弁40を閉成し、第2の開閉弁41を開放した状態で回転軸5を回転駆動すれば、第1のシリンダ室Saで圧縮作用が行われ、密閉ケース1内に高圧ガスが充満する。その一方で、アキュームレータ23から導出される低圧ガスが、第2の吸込み管P2と第2の開閉弁41を介して第2のシリンダ室Sbに導かれ、低圧雰囲気となす。
第2のブレード背室11bは高圧雰囲気下にあるので、第2のブレード12bの先端部と後端部とで差圧が生じる。第2のブレード12bは高圧の背圧を受けて先端部が第2のローラ9bに当接し、第2のシリンダ室Sbにおいて圧縮運転状態となる。第1のシリンダ室Saにおいても圧縮運転状態となっているので、全能力運転となる。
このような構成作用をなす多気筒ロータリ式圧縮機Taに、上述した第2のブレード12bと、永久磁石33との関係を適用できる。さらに、永久磁石33を保持する保持部材32の構成と、それぞれの素材選択および第1、第2のブレード12a,12bの後端部の構造設定等、全てを適用することができる。
また、いずれの構造の多気筒ロータリ式圧縮機においても、2シリンダタイプばかりでなく、3シリンダ以上のタイプの圧縮機であっても適用でき、各シリンダ室の排除容積が異なるタイプの圧縮機であっても適用できる。
さらに、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
1…密閉ケース、4…電動機部、5…回転軸、3…圧縮機構部、T…多気筒ロータリ式圧縮機、2…中間仕切り板、Sa…第1のシリンダ室、Sb…第2のシリンダ室、10a、10b…ブレード溝、11a…第1のブレード背室、11b…第2のブレード背室、6A…第1のシリンダ、6B…第2のシリンダ、a…第1の偏心部、b…第2の偏心部、9a…第1のローラ、9b…第2のローラ、12a…第1のブレード、12b…第2のブレード、13…ばね部材、Da…第1の孔部、Db…第2の孔部、32…保持部材、Ea…平面部、Eb1…上部突起、Eb2…下部突起、Eb3…側部突起、Ec…曲成部、Ed…傾斜部、35…ばね掛止溝、36,36a…背圧溝、20…凝縮器、21…膨張装置、22…蒸発器、G…冷凍サイクル装置。

Claims (5)

  1. 密閉容器内に、電動機部および、この電動機部と回転軸を介して連結される圧縮機構部を収容する多気筒ロータリ式圧縮機において、
    上記圧縮機構部は、
    中間仕切り板を介在して設けられ、内径部に第1のシリンダ室と第2のシリンダ室が形成されるとともに、各シリンダ室にブレード溝を介して連通する第1のブレード背室と第2のブレード背室を備えた第1のシリンダおよび第2のシリンダと、
    上記第1のシリンダ室と第2のシリンダ室に収容される第1の偏心部と第2の偏心部を有する上記回転軸と、
    この回転軸の上記第1の偏心部と第2の偏心部に嵌合され、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室で偏心回転する第1のローラおよび第2のローラと、
    上記ブレード溝に移動自在に収容され、先端部が上記第1のローラと第2のローラに当接したとき第1のシリンダ室と第2のシリンダ室を区画する第1のブレードおよび第2のブレードとを具備し、
    上記第1のブレードは、後端部が上記第1のブレード背室に配備されるばね部材によって押圧付勢され、
    上記第2のブレードは、先端部が対向する第2のシリンダ室の圧力雰囲気と、後端部が対向する第2のブレード背室の圧力雰囲気との差圧に応じて押圧付勢され、
    上記第2のブレード背室は、
    上記ブレード溝と連設され、第2のブレードが規定ストローク量だけ突出可能な第1の孔部および、この第1の孔部と連設され、第1の孔部よりも小面積の第2の孔部とから構成され、
    上記第2の孔部は、第2のブレードが第2のブレード背室に最も突出した位置で、第2のブレードを磁気吸着する永久磁石を収容し、
    上記第2のブレード背室を構成する第1の孔部は、上記永久磁石を保持する保持部材を収容し、
    上記保持部材は、第2のブレードの後端部と対向する位置に上記永久磁石を保持し位置ズレを規制する突起を備えた平面部と、この平面部の両側部に一体に連設され、第1の孔部の周面に沿って曲成される曲成部と、この曲成部の端部に設けられ保持部材を第1の孔部に挿入する際のガイドをなす傾斜部と、
    を具備することを特徴とする多気筒ロータリ式圧縮機。
  2. 上記保持部材の平面部に設けられる上記突起は、回転軸の軸方向である永久磁石の長さ方向および、この長さ方向とは直交する方向である幅方向の位置ズレを規制するとともに、永久磁石が第2のブレードを磁気吸着した状態で上記第2の孔部周壁に当接して衝撃を受ける突出寸法に形成される
    ことを特徴とする請求項1記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  3. 上記永久磁石は希土類磁石であり、上記保持部材はオーステナイト系のステンレス材を板金加工してなるものである
    ことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  4. 上記第1のブレードは、後端部に上記ばね部材を掛止するためのばね掛止溝が設けられ
    上記第2のブレードの後端部および上記保持部材のいずれか一方は、第2のブレード背室に導かれる背圧を導入するための背圧溝が設けられ、
    上記背圧溝の溝容積は、上記ばね掛止溝の溝容積よりも小さく形成される
    ことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  5. 請求項1ないし請求項4いずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
JP2009285444A 2009-12-16 2009-12-16 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置 Active JP5427583B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009285444A JP5427583B2 (ja) 2009-12-16 2009-12-16 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置
CN2010205857475U CN201943954U (zh) 2009-12-16 2010-10-25 多气缸旋转式压缩机及冷冻循环装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009285444A JP5427583B2 (ja) 2009-12-16 2009-12-16 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011127475A JP2011127475A (ja) 2011-06-30
JP5427583B2 true JP5427583B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=44290329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009285444A Active JP5427583B2 (ja) 2009-12-16 2009-12-16 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5427583B2 (ja)
CN (1) CN201943954U (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5960412B2 (ja) * 2011-11-09 2016-08-02 東芝キヤリア株式会社 多気筒回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP6071190B2 (ja) * 2011-12-09 2017-02-01 東芝キヤリア株式会社 多気筒回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2016106194A (ja) * 2013-03-27 2016-06-16 東芝キヤリア株式会社 多気筒回転圧縮機と冷凍サイクル装置
EP2990649B1 (en) * 2013-04-26 2018-11-14 Mitsubishi Electric Corporation Multi-cylinder rotary compressor and vapor compression refrigeration cycle device provided with multi-cylinder rotary compressor
CN103511264B (zh) * 2013-08-01 2016-03-16 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机
JP6169261B2 (ja) * 2014-04-25 2017-07-26 三菱電機株式会社 ロータリ式圧縮機、およびこれを搭載したヒートポンプ装置
GB2553711B (en) * 2015-05-14 2020-08-05 Mitsubishi Electric Corp Refrigerant compressor and vapor compression refrigeration cycle apparatus including the same
CN108603505B (zh) * 2016-02-15 2020-09-15 三菱电机株式会社 旋转式压缩机的制造方法
CN105971886B (zh) * 2016-06-24 2019-07-26 广东美芝制冷设备有限公司 压缩机以及气缸
CN109236652B (zh) * 2018-11-23 2020-01-21 珠海格力电器股份有限公司 滚子组件和滚动转子压缩机

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0718413B2 (ja) * 1986-07-28 1995-03-06 株式会社日立製作所 密閉形電動圧縮機
JPH0199987U (ja) * 1987-12-25 1989-07-05
JP4504668B2 (ja) * 2003-12-10 2010-07-14 東芝キヤリア株式会社 冷凍サイクル装置
JP4398321B2 (ja) * 2004-08-02 2010-01-13 東芝キヤリア株式会社 冷凍サイクル装置
JP2006207559A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Toshiba Kyaria Kk 冷凍サイクル装置およびロータリ式圧縮機
JP4523895B2 (ja) * 2005-08-29 2010-08-11 東芝キヤリア株式会社 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置
JP5005579B2 (ja) * 2008-02-27 2012-08-22 東芝キヤリア株式会社 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN201943954U (zh) 2011-08-24
JP2011127475A (ja) 2011-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5427583B2 (ja) 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置
JP5303651B2 (ja) 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置
KR100716850B1 (ko) 로터리식 밀폐형 압축기와 냉동 사이클 장치
JP4447859B2 (ja) ロータリ式密閉形圧縮機および冷凍サイクル装置
JP5433354B2 (ja) 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置
JP5005579B2 (ja) 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置
JP2010163926A (ja) 多気筒回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
JP5481568B2 (ja) 多気筒回転式圧縮機と冷凍サイクル装置
JP2010163927A (ja) 多気筒回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
JPWO2005121558A1 (ja) 密閉型回転式圧縮機
KR20110031244A (ko) 밀폐형 압축기, 2기통 회전식 압축기 및 냉동 사이클 장치
JP5448927B2 (ja) 密閉型圧縮機と冷凍サイクル装置
JP2009235984A (ja) 2気筒回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
JP4398321B2 (ja) 冷凍サイクル装置
CN109154296B (zh) 封闭式旋转压缩机以及冷冻空调装置
JP5360709B2 (ja) 密閉型圧縮機と冷凍サイクル装置
JP4663978B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2007064016A (ja) 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置
WO2012086637A1 (ja) 多気筒回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP5703013B2 (ja) 多気筒回転式圧縮機と冷凍サイクル装置
JP5960412B2 (ja) 多気筒回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP4523902B2 (ja) 2シリンダ形ロータリ圧縮機および冷凍サイクル装置
JP2005265107A (ja) 逆止弁
JP5588903B2 (ja) 多気筒回転圧縮機と冷凍サイクル装置
WO2014155802A1 (ja) 多気筒回転圧縮機と冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130815

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5427583

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250