JP2009235984A - 2気筒回転式圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、2つのシリンダ間に介在される中間仕切り板に吸込み通路を設けたうえに、通常運転と休筒運転の切換えを可能として、高効率で、能力可変範囲を大きくし、信頼性の向上を得られる2気筒回転式圧縮機と、この2気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上を得る冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】 2気筒回転式圧縮機Aの圧縮機構部2は、中間仕切り板7を介して第1のシリンダ室14aが形成される第1のシリンダ8Aおよび第2のシリンダ室14bが形成される第2のシリンダ8Bを設け、中間仕切り板は主吸込み通路30から第1のシリンダ室と連通する第1の分岐吸込み通路Aa、Baと、第2のシリンダ室と連通する第2の分岐吸込み通路Abを設け、主吸込み通路から第1の分岐吸込み通路Aaおよび第2の分岐吸込み通路Abの両方に連通する第1の切換え位置と、主吸込み通路から一方の分岐吸込み通路Baと連通する第2の切換え位置とに切換え可能なスライダSを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、第1のシリンダ室を備えた第1のシリンダと、第2のシリンダ室を備えた第2のシリンダとを、中間仕切り板を介して重ね合わせた2気筒回転式圧縮機と、この2気筒回転式圧縮機を用いて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
回転式圧縮機において、近年は、シリンダを上下に2セット備えた、2シリンダタイプの2気筒回転式圧縮機が標準化されつつある。このような圧縮機においては、シリンダ厚みを小さくするほど、ローラとシリンダ室との間のクリアランスにおけるリークが低減する。同時に、ブレードまわりの摺動損失も低減するので、圧縮性能が向上する。
ただし、この場合、シリンダ側面に十分な断面積を有する吸込み通路を設けることができない。そこで、[特許文献1]では、第1のシリンダと第2のシリンダとの間の中間仕切り板に、各シリンダ室に連通する分岐した吸込み通路を設ける技術が開示されている。
また、特に2気筒回転式圧縮機の場合は、常時圧縮作用をなすシリンダと、必要に応じて圧縮−停止の切換えを可能としたシリンダを備えることができれば、負荷に応じた運転ができ、仕様が拡大されて有利となる。本出願人においては、[特許文献2]において上記した2気筒回転式圧縮機を提供している。
特開平9−250477号公報 特開2004−301114号公報
[特許文献2]の技術は、第1のシリンダ側のブレードに圧縮ばねで背圧を与え、先端をローラ周面に弾性的に当接させる。したがって、第1のシリンダ室においては回転軸が回転駆動され、ローラが回転する限り、常にガスを圧縮して吐出する。第2のシリンダに設けられるブレードには、密閉ケース内の圧力(高圧)が背圧として付与される。
一方、第2のシリンダ室に、低圧ガスと高圧ガスを切換えて導く手段を備えている。第2のシリンダ室に低圧ガスを導くと、ブレード先後端部で差圧が生じる。ブレード先端部がローラ周壁に摺接するよう押圧付勢され、このシリンダ室で通常の圧縮作用が行われる。第1のシリンダ室および第2のシリンダ室で圧縮作用をなす、通常運転となる。
また、上記第2のシリンダ室に高圧ガスを導くと、ブレードの先後端部が同じ高圧雰囲気となり、差圧が生じない。ブレードはローラに押し退けられ、シリンダ室内へは突出しないので圧縮作用は行われない。第1のシリンダ室のみで圧縮作用をなす、休筒運転となる。
[特許文献1]のように、シリンダの厚みを小さくしてローラ・シリンダ間のクリアランスにおけるリークを低減させ、ブレードまわりの摺動損失を低減させて圧縮性能を向上させたうえに、[特許文献2]のような通常運転と休筒運転の切換えが可能であれば極めて高効率で、能力可変範囲の大きな2気筒回転式圧縮機を得られることになる。
しかしながら、上記したように[特許文献1]の技術は、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室に連通する吸込み通路が中間仕切り板に設けられていて、しかも中間仕切り板内で各シリンダ室に連通するよう分岐されている。
このように、各シリンダ室への吸込み通路が、各シリンダ室の直前まで共通して設けられているので、[特許文献2]に示すような休筒側シリンダ室を高圧化して圧縮作用を中断させる技術を[特許文献1]の技術に組合せることが困難である。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、2つのシリンダを備え、これらシリンダ間に介在される中間仕切り板に吸込み通路を設けたうえに、通常運転と休筒運転の切換えを可能として、高効率で、能力可変範囲を大きくして、信頼性の向上を得られる2気筒回転式圧縮機および、この2気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上を得る冷凍サイクル装置を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため本発明の2気筒回転式圧縮機は、密閉ケース内に回転軸を介して連結される電動機部と圧縮機構部を収容し、圧縮機構部は、中間仕切り板を介して両端面に第1のシリンダ室が形成される第1のシリンダおよび第2のシリンダ室が形成される第2のシリンダが設けられ、中間仕切り板は半径方向に形成される主吸込み通路を有し、主吸込み通路から中間仕切り板内部において第1のシリンダ室と連通する第1の分岐吸込み通路と、第2のシリンダ室と連通する第2の分岐吸込み通路が設けられ、主吸込み通路から第1の分岐吸込み通路および第2の分岐吸込み通路の両方に連通する第1の切換え位置と、主吸込み通路から第1の分岐吸込み通路および第2の分岐吸込み通路のいずれか一方と連通する第2の切換え位置とに切換え可能な切換え手段を備えた。
上記目的を満足するため、本発明の冷凍サイクル装置は、上述の2気筒回転式圧縮機と、凝縮器、膨張機構および蒸発器で冷凍サイクルを構成する。
本発明によれば、中間仕切り板に主吸込み通路を設けたうえに、通常運転と休筒運転の切換えを可能として、高効率で、能力可変範囲の大きくして、信頼性の向上を得られる2気筒回転式圧縮機と、この2気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上を得る冷凍サイクル装置を提供できる。
以下、本発明の一実施の形態を、図面にもとづいて説明する。
図1は、2気筒回転式圧縮機Aの断面構造と、この2気筒回転式圧縮機Aを備えた冷凍サイクル装置Rの概略の構成図である。(なお、図面上の煩雑さを避けるために、説明をしても符号を付していない構成部品については、図示していない。もしくは図示しているが図面上に符号を付していない。以下、同じ)
はじめに、冷凍サイクル装置Rの構成から説明すると、2気筒回転式圧縮機Aと、凝縮器Bと、膨張機構Cと、蒸発器Dおよび気液分離器Eを備えていて、これら構成部品は順次、冷媒管Pを介して連通される。
後述するように2気筒回転式圧縮機Aで圧縮された冷媒ガスは冷媒管Pに吐出され、以上の構成部品の順に循環して冷凍サイクル作用をなし、気液分離器Eから吸込み側の冷媒管Paを介して2気筒回転式圧縮機Aに吸込まれるようになっている。
つぎに、上記2気筒回転式圧縮機Aについて詳述する。
図中1は密閉ケースであり、この密閉ケース1内の下部には圧縮機構部2が設けられ、上部には電動機部3が設けられる。これら圧縮機構部2と電動機部3は、回転軸4を介して連結される。
上記電動機部3は、たとえばブラシレスDC同期モータ(ACモータもしくは商用モータでもよい)が用いられていて、密閉ケース1内面に圧入固定されるステータ5と、このステータ5の内側に所定の間隙を存して配置され、上記回転軸4に嵌着されるロータ6を備えている。
上記圧縮機構部2は、中間仕切り板7と、中間仕切り板7の両端面に設けられる第1の圧縮機構部2Aおよび第2の圧縮機構部2Bから構成される。第1の圧縮機構部2Aは中間仕切り板7の上面側に形成され、第1のシリンダ8Aを備えている。第2の圧縮機構部2Bは中間仕切り板7の下面側に形成され、第2のシリンダ8Bを備えている。
第1のシリンダ8Aは、密閉ケース1内周面に圧入固定されていて、この上面部に主軸受11が重ね合わされ、取付けボルトを介して固定される。上記第2のシリンダ8Bの下面部には副軸受12とバルブカバーが重ね合わされ、取付けボルトを介して中間仕切り板7に取付け固定される。
上記回転軸4の主軸受11に枢支される部位を主軸部と呼び、回転軸4の最下端である副軸受12に枢支される部位を副軸部と呼ぶ。回転軸4の第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bのそれぞれ内部を貫通する位置に、クランク軸部c,dが一体に設けられる。これらクランク軸部c,d相互間の連設部は中間仕切り板7に対向する。
各クランク軸部c,dは略180°の位相差をもって、回転軸4の主軸部と副軸部の中心軸から互いに同一量ずつ偏心して形成され、かつ互いに同一直径をなす。クランク軸部cには第1のローラ13aが嵌合され、クランク軸部dには第2のローラ13bが嵌合される。これら第1、第2のローラ13a,13bは、互いに同一外径に形成される。
第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bにおけるそれぞれの内径部は、上記主軸受11と中間仕切り板7および、中間仕切り板7と副軸受12で上下面が区画される。第1のシリンダ8Aの内径部に第1のシリンダ室14aが形成され、第2のシリンダ8Bの内径部に第2のシリンダ室14bが形成される。
上記第1のローラ13aは、上記第1のシリンダ室14aに偏心回転自在に収容され、第2のローラ13bは、上記第2のシリンダ室14bに偏心回転自在に収容される。第1、第2のローラ13a,13bは互いに180°の位相差があり、それぞれの軸方向に沿う周面一部がシリンダ室14a,14b周壁に線接触しながら偏心回転できる。
図2は、第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bを分解して示す斜視図である。
上記第1のシリンダ8Aにはブレード室22aが設けられ、第2のシリンダ8Bにもブレード室22bが設けられる。上記ブレード室22aは、ブレード15aの両側面を摺動自在に移動できるブレード収納溝23aと、このブレード収納溝23a端部に一体に連設されブレード15aの後端部が収容される縦孔部24aとからなる。
さらに、上記第1のシリンダ8Aには、外周面とブレード室22aとを連通する横孔25aが設けられ、ばね部材26が収容される。上記ばね部材26はブレード15aの後端部端面と密閉ケース1内周面との間に介在され、ブレード15aに弾性力(背圧)を付与して、この先端部をローラ13aに接触させる圧縮ばねである。
一方、上記第2のシリンダ8Bにもブレード室22bが設けられていて、このブレード室22bは、ブレード15bの両側面を摺動自在に移動できるブレード収納溝23bと、このブレード収納溝23b端部に一体に連設されブレード15bの後端部が収容される縦孔部24bとからなる。
このブレード室22bには横孔が設けられておらず、したがって第1のシリンダ8Aにおけるブレード室22aのようにばね部材26も備えられていない。代って、ブレード室22bの少なくとも縦孔部24bは密閉ケース1内に露出していて、密閉ケース1内の圧力雰囲気の影響を受ける。
すなわち、密閉ケース1内の圧力が縦孔部24bに位置するブレード15bの後端部に対して背圧を付与するようになっている。後述するように、圧縮機構部2の作用により圧縮された冷媒ガスが密閉ケース1内に吐出され充満するので、第2のシリンダ8Bのブレード15bには高圧の背圧がかかることとなる。
各ブレード15a,15bの先端部は平面視で半円状に形成されている。第1のシリンダ室14aに対するブレード15aの先端部は、ばね部材26の作用により常時、円筒状のローラ13a周壁に、ローラの回転角度にかかわらず線接触する。第2のシリンダ室14bに対するブレード15bの先端部は、条件を満たせば、円筒状のローラ13b周壁に、ローラの回転角度にかかわらず線接触できる。
それぞれのローラ13a,13bがシリンダ室14a,14bの内周壁に沿って偏心回転すると、ブレード15a,15bはブレード収納溝23a,23bに沿って往復運動し、かつブレード後端部が縦孔部24a,24bから進退自在となる。
再び図1に示すように、上記主軸受11と副軸受12には、吐出弁機構が設けられていて、それぞれが各シリンダ室14a,14bに連通し、バルブカバーで覆われる。後述するように、各シリンダ室14a,14bで圧縮された冷媒ガスが所定圧に上昇した状態で吐出弁機構は開放される。
圧縮された冷媒ガスは、シリンダ室14a,14bからバルブカバー内へ吐出され、さらに密閉ケース1内に導かれるようになっている。
つぎに、上記中間仕切り板7について詳述する。
上記第1のシリンダ8Aと第2のシリンダ8Bとの間に介在される上記中間仕切り板7は、各シリンダ8A,8Bの肉厚よりもある程度大なる肉厚に形成される。密閉ケース1を貫通し、中間仕切り板7外周面から軸芯方向に向かって、主吸込み通路30が設けられている。この主吸込み通路30には、上記気液分離器Eから延設される吸込み冷媒管Paが挿入され、密に固着される。
主吸込み通路30の先端には、後述する切換え手段であるスライダSが紙面の前後方向に移動自在に収容されるスライダ収容室31が設けられる。中間仕切り板7には、スライダ収容室31から第1のシリンダ8Aに対して開口する第1のガス導出口32aが設けられる。
上記第1のガス導出口32aは、第1のシリンダ8Aの内径部に設けられる切欠部33aに連通する。この切欠部33aは第1のシリンダ室14aに対して開口していて、第1のシリンダ室14aの吸込みポート33aとなる。
さらに中間仕切り板7には、スライダ収容室31から第2のシリンダ8Bに対して開口する第2のガス導出口32bが設けられる。上記第2のガス導出口32bは、第2のシリンダ8Bの内径部に設けられる切欠部33bに連通する。この切欠部33bは第2のシリンダ室14bに対して開口し、第2のシリンダ室14bの吸込みポート33bとなる。
このように、気液分離器Eから延設される吸込み冷媒管Paが中間仕切り板7に設けられる主吸込み通路30に挿入され嵌着される。主吸込み通路30の先端にスライダSが収容されるスライダ収容室31が設けられ、スライダ収容室31を介して第1のシリンダ室14aの吸込みポート33aに連通する第1のガス導出口32aと、第2のシリンダ室14bの吸込みポート33bに連通するガス導出口32bが設けられる。
一方、気液分離器Eと中間仕切り板7の主吸込み通路30とを接続する吸込み冷媒管Paの中途部に、第1のバイパス管35の一端部が接続される。この第1のバイパス管35は、三方切換え弁36の第1のポートに接続される。三方切換え弁36の第2のポートには、第2のバイパス管37が接続されている。
上記第2のバイパス管37は密閉ケース1を貫通し、この開口端が第1のシリンダ8Aのわずか上部に臨むように接続される。すなわち、第2のバイパス管37は三方切換え弁36と密閉ケース1内部とを連通する。さらに、三方切換え弁36の第3のポートには、第3のバイパス管38が接続されている。
上記第3のバイパス管38については、図3(B)および図4(B)から説明される。すなわち、第3のバイパス管38は、密閉ケース1を貫通するとともに、中間仕切り板7の側部に設けられるボス部40に接続される。ボス部40はスライダ収容室31の一端開口部を閉塞していて、第3のバイパス管38はスライダ収容室31内に連通する。
つぎに、上記スライダSと、このスライダSを収容するスライダ収容室31について詳述する。
図3(A)は、通常運転状態でのスライダSとスライダ収容室31の構成を示す圧縮機一部の縦断面図。図3(B)は、図3(A)のb−b線に沿う横断平面図である。図4(A)は、休筒運転状態でのスライダSとスライダ収容室31の構成を示す圧縮機一部の縦断面図。図4(B)は、図4(A)のb−b線に沿う横断平面図である。
なお説明すると、図3(A)(B)は、スライダSが第1の切換え位置にある状態を示している。図4(A)(B)は、スライダSが第2の切換え位置にある状態を示している。
スライダSを収容するスライダ収容室31は、図3(A)、図4(A)に示すように、断面が円形をなし、その軸方向は、図3(B)、図4(B)に示すように、ある程度の長さをもって直状に形成される。
スライダ収容室31の一端開口部は、上記ボス部40によって閉塞され、かつボス部40に設けられる取付け用孔aに上記第3のバイパス管38が接続される。スライダ収容室31内に突出するボス部40端面が第1の位置決め用段差部42を形成する。スライダ収容室31の他端部は、中間仕切り板7の側壁には貫通せず、途中まで設けられる。
スライダ収容室31の他端部には、スライダ収容室31の直径よりも小さな直径の穴部43が設けられていて、圧縮ばね44の一端部が挿入される。スライダ収容室31と穴部43との間の端面に、第2の位置決め用段差部45が形成される。穴部43から突出する圧縮ばね44端部はスライダS端面に接触し、スライダSを弾性的に押圧付勢する。
上記圧縮ばね44の弾性力は、後述するように2気筒回転式圧縮機Aが駆動され、冷媒ガスを圧縮して所定の高圧状態にしたときの、高圧圧力と上記圧縮機Aに吸込まれる低圧の冷媒ガスの低圧圧力との圧力差による力よりも小さい。
上記スライダSの断面形状は円形であり、その直径はスライダ収容室31の直径よりもわずかに小さい。スライダSの軸方向長さは、スライダ収容室31の軸方向長さよりも短く形成されている。したがって、スライダ収容室31とスライダSとの軸方向長さの差分だけ、スライダSはスライダ収容室31に移動自在である。
スライダSの周壁一部で、軸方向に沿ってガイド溝46が設けられる。スライダ収容室31の周壁一部には規制ピン47が突設されていて、上記ガイド溝46に挿入される。このことから、スライダSは周方向に回動することなく、姿勢を一定にして軸方向に沿って移動自在となっている。
特に図3(B)に示すように、スライダSが第1の切換え位置にある状態で、ボス部40端面に形成される第1の位置決め用段差部42にスライダSの一端面が密接する。ただし、第3のバイパス管38は、その開口端がボス部40端面から一段と引っ込んだ位置になるよう接続されている。
第3のバイパス管38の開口端とボス部40端面との間に形成される、極くわずかの空間部を、「第1のスライダ背室」50と呼ぶ。さらに、この状態でスライダS他端部と第2の位置決め用段差部45との間には、スライダSとスライダ収容室31の軸方向長さの差分だけの空間部が形成される。この空間部を、「第2のスライダ背室」51と呼ぶ。
ところが、図4(B)に示すように、スライダSが第2の切換え位置にある状態では、圧縮ばね44の一端部が挿入される穴部43周面の第2の位置決め用段差部45に、スライダSの他端面が密接状態にある。
ボス部40端面とスライダS端面との間には、スライダ収容室31とスライダSとの軸方向の長さの差分だけの空間室が形成されることとなり、ここが上記第1のスライダ背室50となる。これに対してスライダSの他端面が第2の位置決め用段部45に密接しているので、第2のスライダ背室51の容量はほとんどない。
図3(B)、図4(B)に示すように、スライダSの第1の位置決め用段部50と対向する側の端面からある程度の長さを持って第1の連通路53が設けられる。この第1の連通路53は、図4(A)に示すように、断面円形をなすスライダSの底部に平坦状に切欠加工される切欠部である。
第3のバイパス管38からスライダ収容室31の第1のスライダ背室50に冷媒ガスが導かれて充満すれば、この冷媒ガスは第1の連通路53に侵入する。スライダSが第1の切換え位置にあるとき、第1の連通路53はいずれの部位とも連通せず、したがって冷媒ガスは第1の連通路53にて逃げ場がなく充満しただけで終る。
これに対してスライダSが第2の切換え位置にあれば、第1の連通路53の先端が中間仕切り板7に斜め下方向へ設けられる第2のガス導出口32bに連通する。上述したように第2のガス導出口32bは、第2のシリンダ室14bの吸込みポート33bに連通するので、第3のバイパス管38に導かれる冷媒ガスは第1の連通路53と第2のガス導出口32bを介して第2のシリンダ室14bに導かれるようになっている。
さらに、スライダSが第1の切換え位置にある状態で、上記主吸込み通路30に連通するようスライダSの周面一部に横孔が設けられていて、この横孔先端から上斜め方向と下斜め方向とに分岐し、スライダ周面の上部と下部とに開口する孔部である、A吸込み通路55が設けられる。
換言すると、A吸込み通路55は、横孔先端から上斜め方向に設けられスライダ周面で開口する第1の分岐吸込み通路Aaを備えている。スライダSが第1の切換え位置にある状態で、主吸込み通路30から第1の分岐吸込み通路Aaと第1のガス導出口32aを介して第1のシリンダ室14aの吸込みポート33aに連通する。
さらにA吸込み通路55は、横孔先端から下斜め方向に設けられスライダ周面で開口する第2の分岐吸込み通路Abを備えている。スライダSが第1の切換え位置にある状態で、主吸込み通路30から第2の分岐吸込み通路Abと第2のガス導出口32bを介して第2のシリンダ室14bの吸込みポート33bに連通する。
上記スライダSが第2の切換え位置にある状態では、上記主吸込み通路30に連通するようにスライダSの周面一部に横孔が設けられていて、この横孔先端から上斜め方向のみに設けられ、スライダSの周面上部に開口する孔部であるB吸込み通路56が設けられる。
すなわち、B吸込み通路56は、スライダSが第2の切換え位置にある状態で、主吸込み通路30から第1のガス導出口32aを介して第1のシリンダ室14aの吸込みポート33aに連通する第1の分岐吸込み通路Baを形成する。
このように、スライダSが第1の切換え位置にあれば、気液分離器Eから低圧の冷媒ガスを、吸込み冷媒管PaとA吸込み通路55に沿って導くことができる。低圧の冷媒ガスはスライダS内で分流され、一部は第1の分岐吸込み通路Aaから第1のシリンダ室14aへ導かれ、残り一部は第2の分岐吸込み通路Abから第2のシリンダ室14bへ導かれることになる。
上記スライダSが第2の切換え位置にあれば、気液分離器Eから低圧の冷媒ガスを、吸込み冷媒管PaとB吸込み通路56に沿って導くことができる。このとき、低圧の冷媒ガスはスライダS内で分流されることなく、全て第1の分岐吸込み通路Baから第1のシリンダ室14aへ導かれる。したがって、第2のシリンダ室14bへ導かれることはない。
A吸込み通路55の両側面である、A吸込み通路55とB吸込み通路56の中心軸に亘って小孔からなる第2の連通路58が設けられるとともに、A吸込み通路55と第2の位置決め用段差部45を形成する側のスライダS端面に亘って小孔からなる第2の連通路58が設けられる。
先に説明したように、スライダSが第1の切換え位置にあるとき、吸込み冷媒管Paが接続される主吸込み通路30と、A吸込み通路55の第1の分岐吸込み通路Aaと、第1の導出口32aおよび第1のシリンダ室14aとが連通する。同時に、A吸込み通路55の第2の分岐吸込み通路Abと、第2の導出口32bおよび第2のシリンダ室14bが連通する。
この状態でA吸込み通路55は一方の第2の連通路58を介してB吸込み通路56と連通しているが、B吸込み通路56の先端は第1のシリンダ8Aの下面で閉塞される位置にあり、ここから先には侵入しない。ましてや、B吸込み通路56はスライダ底部の第1の連通路53および、スライダS端面の第1のスライダ背室50とは連通していないので、B吸込み通路56から先に冷媒ガスが導かれることはない。
そして、スライダSが第1の切換え位置にあるとき、他方の第2の連通路58は第2のスライダ背室51と連通しているので、主吸込み通路30からA吸込み通路55を介して導かれる低圧の冷媒ガスが第2のスライダ背室51に充満する。
スライダSが第2の切換え位置にあるとき、上述したように主吸込み通路30と、B吸込み通路56の第1の分岐吸込み通路Baと、第1の導出口32aおよび第1のシリンダ室14aとが連通する。B吸込み通路56は一方の第2の連通路58を介してA吸込み通路55と連通するが、第1、第2の分岐吸込み通路Aa、Abの先端は第1のシリンダ8Aの下面で閉塞される位置にあり、これより先には侵入しない。
したがって、A吸込み通路55から他方の第2の連通路58を介して導かれる低圧の冷媒ガスが、第2のスライダ背室51に充満する。いずれにしても、スライダSの位置に係らず、主吸込み通路30と第2の連通路58を介して低圧の冷媒ガスが第2のスライダ背室51に導かれ、圧縮ばね44端部が挿入される穴部43に充満する。
(1) 通常運転(全能力運転)を選択した場合:
始動時等、高負荷時には通常運転を行う。
制御部は、図3(A)(B)に示すように、三方切換え弁36を、第1のポートと第3のポートが連通するよう切換え制御する。そして、制御部はインバータを介して電動機部2に運転信号を送る。回転軸4が高回転で駆動され、ローラ13a,13bは各シリンダ室14a,14b内で偏心回転を行う。
第1のシリンダ8Aにおいては、ブレード15aがばね部材26によって常に弾性的に押圧付勢されるところから、ブレード15aの先端部がローラ13a周壁に摺接して第1のシリンダ室14a内を吸込み室と圧縮室に二分する。
ローラ13aの第1のシリンダ室14a内周面転接位置とブレード収納溝23aとが一致し、ブレード15aが最も後退した状態で、第1のシリンダ室14aの空間容量が最大となる。
低圧の冷媒ガスが気液分離器17から吸込み冷媒管Paを介して、2気筒回転式圧縮機Aの密閉ケース1内に吸込まれる。なお説明すると、低圧の冷媒ガスは吸込み冷媒管Paと接続する主吸込み通路30を介してスライダ収容室31に導かれるとともに、三方切換え弁36に対する切換え操作により、第1のバイパス管35から三方切換え弁36を介して第3のバイパス管38に導かれる。
スライダ収容室31において、第1のスライダ背室50に低圧の冷媒ガスが充満し、さらにスライダS底部の第1の連通路53に充満する。このように、スライダSの一端面に低圧がかかるが、スライダSの他端面に当接する圧縮ばね44の弾性力が打ち勝って、スライダSを移動せしめる。
すなわち、図3(B)に示すように、スライダSの端面が第1の位置決め用段部42に密接する第1の切換え位置にある。このとき、図3(A)に示すように、主吸込み通路30とA吸込み通路55が連通状態となり、気液分離器Eから低圧の冷媒ガスが吸込み冷媒管Paを介して導かれる。
低圧の冷媒ガスは、第1の分岐吸込み通路Aaと、第1の導出口32aと、第1の吸込みポート33aとを介して第1のシリンダ室14aに導かれる。同時に、第2の分岐吸込み通路Abと、第2の導出口32bと、第2の吸込みポート33bとを介して第2のシリンダ室14bに導かれる。
ローラ13aの偏心回転にともなって、ローラ13aの第1のシリンダ室14a内周面に対する転接位置が移動し、シリンダ室14aの区画された圧縮室の容積が減少する。したがって、先にシリンダ室14aに導かれたガスが徐々に圧縮される。
回転軸4が継続して回転され、第1のシリンダ室14aにおける圧縮室の容量がさらに減少してガスが圧縮され、所定圧まで上昇したところで、吐出弁機構が開放する。高圧化した冷媒ガスはバルブカバーを介して密閉ケース1内に吐出され充満する。
少なくとも、第1のシリンダ室14aでの圧縮作用により、密閉ケース1内は高圧雰囲気にある。後端部が密閉ケース1内にさらされる第2のシリンダ8B側のブレード15bは、後端部が高圧雰囲気にある。その一方で、第2のシリンダ室14bには主吸込み通路30と第2の分岐吸込み通路Abを介して低圧の冷媒が吸込まれていて、ブレード15bの先端部は低圧雰囲気にある。
上記ブレード15bの先端部が低圧雰囲気で、後端部が高圧雰囲気にあり、ブレード15bの先端部と後端部とで差圧が生じる。ブレード15b後端部は高圧に押され、先端部がローラ13b周面に当接する。第1のシリンダ室14aにおけるローラ13aの偏心回転とは180°の位相差をもって、第2のシリンダ室14bにおけるローラ13bが偏心回転している。
上記第1のシリンダ室14a側のブレード15aがばね部材26により押圧付勢され圧縮作用が行われるのと全く同様の圧縮作用が、上記第2のシリンダ室14bにおいても行われる。
結局、2気筒回転式圧縮機Aにおいては、第1のシリンダ室14aで圧縮作用が行われるとともに、第2のシリンダ室14bでも圧縮作用が行われ、両方でシリンダ室14a,14bで圧縮作用をなす通常運転(全能力運転)が行われる。
密閉ケース1から冷媒管Pを介して吐出される高圧ガスは、凝縮器Bに導かれて凝縮液化し、膨張機構Cで断熱膨張し、蒸発器Dで熱交換空気から蒸発潜熱を奪って冷房作用をなす。蒸発したあとの冷媒は気液分離器Eに導かれて気液分離され、再び吸込み冷媒管Paから2気筒回転式圧縮機Aに吸込まれる。
2気筒回転式圧縮機Aにおいては、主吸込み通路30とスライダSを介して第1のシリンダ室14aと、第2のシリンダ室14bのそれぞれに吸込まれて再び圧縮され、上述の経路を循環する。
(2) 休筒運転(能力半減運転)を選択した場合:
始動時には空調負荷が大となっているが、ある程度空調運転を継続すれば、空調負荷が小さくなる。このときには、自動的に休筒運転(圧縮能力を半減する運転)が選択される。
制御部は三方切換え弁36を第2のポートと第3のポートが連通するように切換え制御をなす。図4(B)に示すように、密閉ケース1内の高圧冷媒ガスが第2のバイパス管37と三方切換え弁36を介して第3のバイパス管38に導かれ、スライダ収容室31に形成される第1のスライダ背室50に充満する。
この第1のスライダ背室50に充満する高圧ガスは、スライダ30端面に上記圧縮ばね44の弾性力に打ち勝つ高圧をかける。スライダSは高圧ガスに押されて第1の切換え位置から第2の切換え位置にスライドし、圧縮ばね44は収縮する。
図4(B)に示すように、スライダSの移動により主吸込み通路30にはA吸込み通路55からB吸込み通路56が対向するよう切換る。気液分離器Eから吸込み冷媒管Paと主吸込み通路30を介して導かれる低圧の冷媒ガスは、B吸込み通路56を形成する第1の分岐吸込み通路Baに導かれる。
そして、第1のガス導出口32aと、吸込みポート33aを介して第1のシリンダ室14aに吸込まれる。第1のシリンダ室14aではローラ13aが偏心回転しており、しかもブレード15a後端部はばね部材26によって常時背圧を受けているから、ブレード15a先端部がローラ13aに摺接してシリンダ室14a内を二分する。すなわち、第1のシリンダ室14aでは継続して圧縮作用が行われる。
一方、第1のスライダ背室50に充満する高圧ガスは、スライダSの底部に形成される第1の連通路53に侵入する。スライダSが第2の切換え位置にあるので、第1の連通路53は、第2の導出口32bと第2の吸込みポート33bを介して第2のシリンダ室14bに連通する。
第2のシリンダ室14bには高圧ガスが充満し、ブレード15bの先端部が高圧の雰囲気に変る。ブレード15bの後端部は密閉ケース1内の高圧ガスに晒されて、高圧の雰囲気にあることは変りがない。
ブレード15bにとって、先端部が高圧雰囲気にある一方で、後端部が高圧雰囲気にあり、先後端部において差圧が存在しない。そのため、第2のシリンダ室14bにおけるブレード15bはローラ13bに押し退けられ、ローラ13bの外周面から離間した位置で停止状態を保持し、第2のシリンダ室14bでの圧縮作用は行われない。
結局、第1のシリンダ室14aでの圧縮作用のみが有効であり、小さい空調負荷に適応して、能力を半減した運転がなされることになる。なお、ブレード室22bに、休筒運転時にブレード15bの位置を保持するための永久磁石を設けても良い。
一般的なロータリタイプの回転式圧縮機の場合、シリンダの厚みを小さくするほど、ローラとシリンダ室間のクリアランスにおけるリークが低減し、ブレードまわりの摺動損失が低減して圧縮性能が向上する。その一方で、シリンダの厚みが小さくなり、シリンダの側面に充分な断面積を有する冷媒吸込み通路を持つことができない。
本発明では、中間仕切り板7の板厚を厚くして主吸込み通路30の断面積を充分に大きくとった。しかも、構成上、第1、第2のシリンダ室14a,14bへの吸込み通路が直前まで共通となるが、本発明では中間仕切り板7に切換え手段をなすスライダSを備えることで、休筒運転を可能とし、高効率で、能力可変範囲の大きな圧縮機が得られる。
上記スライダSは、第1、第2のシリンダ室14a,14bと主吸込み通路30とを連通する第1の切換え位置と、第1のシリンダ室14aのみに連通する第2の切換え位置とに切換えられるようにしたので、容易に、かつ確実に通常運転と休筒運転との切換えをなす。
上記第2のシリンダ室14bに、偏心回転するローラ13bおよび、背圧を受けて先端部と後端部との間で差圧が生じたときのみ先端部をローラ13b周壁に当接するブレード15bを備え、スライダSに第2のシリンダ室14bに高圧を導入して、ブレード15bの先端をローラ13bから強制的に離間保持する第1の連通路53を備えた。
したがって、休筒運転時に、スライダSの移動のみで休筒側シリンダ室である第2のシリンダ室14bに高圧を導入し、このシリンダ室14bのブレード15bを容易にローラ13bから離間保持でき、動作の信頼性を確保する。
スライダSを第1の切換え位置にスライドするのに、スライダSの両端に低圧の冷媒ガスを導いて通常運転状態とし、スライダSを第2の切換え位置にスライドするのに、スライダSの一端に低圧の冷媒ガスを導き、スライダSの他端に高圧の冷媒ガスを導いて休筒運転状態となすよう、スライダSの動作に冷媒ガスの圧力差を利用した。
したがって、スライダSの位置切換えが迅速で反応が速く、動作の信頼性を確保する。
なお、上記実施の形態においては第2のシリンダ8Bに設けられるブレード室22bの一部を密閉ケース1内に露出して、ブレード15bの後端部を密閉ケース1内の高圧雰囲気に晒すように構成したが、これに限定されるものではない。
図5は、第2のシリンダ室14bに対するブレード15bに背圧をかける手段を変えた、通常運転時の2気筒回転式圧縮機の縦断面図であり、図6は同じくブレード15bに背圧をかける手段を変えた休筒運転時の2気筒回転式圧縮機Aの縦断面図である。
なお、図5、図6において、先に説明したスライダSと、このスライダSを収容するスライダ収容室31は概略的に示し、三方切換え弁36と、この三方切換え弁36に接続される第1〜第3のバイパス管35,37,38は省略してある。さらに、同一部品には同番号を付して、新たな説明は省略する。
第2のシリンダ8Bに設けられる第2のブレード室22bは、その上面を中間仕切り板7で塞がれ、下面を副軸受12で塞がれて、密閉構造をなす。第1のブレード室22aと同様、第2のブレード室22bの周面から横孔が設けられていて、ここにはマグネット60が嵌め込まれたうえで第1の切換えパイプ61が接続される栓部材62で塞がれている。
上記マグネット60は、横孔に嵌着されているが、この周面に沿って溝部が設けられ、マグネット60の左右両側面は溝部を介して連通状態にある。第1の切換えパイプ61は、密閉ケース1外部において補助三方切換え弁63の第1のポートに接続される。
補助三方切換え弁63の第2のポートには、気液分離器Eと主吸込み通路30とを連通する吸込み冷媒管Paに接続される第2の切換えパイプ64が設けられる。補助三方切換え弁63の第3のポートには、密閉ケース1内に開口端を臨ませた第3の切換えパイプ65が設けられる。
通常運転時には、図5に示すように制御部は補助三方切換え弁63を第1のポートと第3のポートが連通するように切換え制御する。したがって、密閉ケース1内に充満する高圧ガスは、第3の切換えパイプ65から補助三方切換え弁63を介して第1の切換えパイプ61に導かれる。
高圧ガスは、第1の切換えパイプ61の端部からマグネット60に形成される溝部を介して第2のブレード室22bに充満し、さらにブレード15bに高圧の背圧をかける。したがって、ブレード15bの先端部はローラ13b周面に当接する。
スライダSは、先に図3で説明したように第1の切換え位置にあって、第2のシリンダ室14bに低圧の冷媒ガスが導かれているので、第2のシリンダ室14bでは圧縮作用が行われる。第1のシリンダ室でも圧縮作用が行われていて、通常運転状態となる。
休筒運転時は、制御部は補助三方切換え弁63を切換え制御し、図6に示すように第1のポートと第2のポートとを連通する。気液分離器Eから低圧の冷媒ガスが第2の切換えパイプ64と、三方切換え弁63と、第1の切換えパイプ61を介して第2のブレード室22bに導かれる。
ブレード15bの後端部に低圧の背圧がかかる一方で、先に図4で説明したようにスライダSは第2の切換え位置にあって、第2のシリンダ室14bに高圧ガスが導かれている。ブレード15bの先端部が高圧の雰囲気にあるから、ブレード15bは先端部がローラ13bから離間し、後端部がブレード室22bに収容される方向に差圧を受ける。
ブレード15bが移動して、この後端部がブレード室22bに挿入したところで、マグネット60に密着し、その位置を保持する。ブレード15bの先端部がローラ13b周面から離間し、圧縮作用が行われない。第1のシリンダ室14aでのみ圧縮作用が行われる休筒運転状態となる。
休筒運転状態から通常運転状態に切換ると、上述したようにブレード15bの後端部に高圧がかかる一方で、スライダSが第2の切換え位置に移動して、第2のシリンダ室14bに低圧の冷媒ガスが吸込まれる。
したがって、ブレード15bの後端部は速やかに、かつ確実にマグネット60から離間し、この先端部がローラ13bに摺接して通常の圧縮作用が行われる。第2のシリンダ8Bに備えられるブレード15bに、図5および図6に示す構成を採用しても、確実に動作して、信頼性を保持する。
なお、上述の変形例においても中間仕切り板7にスライダSを備えたが、これに限定されるものではない。
たとえば[特許文献1]で示される先行技術のように、単純に主吸込み通路から第1のシリンダ室14aに分流する第1の分岐吸込み通路と、主吸込み通路から第2のシリンダ室14bに分流する第2の分岐吸込み通路を備えた構成に、上記マグネット60と補助三方切換え弁63と切換えパイプ61,64,65を組合せれば、スライダSを設けなくとも通常運転と休筒運転の切換えが可能である。
また、以上説明した2気筒回転式圧縮機Aと、この圧縮機Aを備えた冷凍サイクル装置は以上説明した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を越えない範囲内で種々変形実施可能であることは勿論である。
本発明における一実施の形態に係る、2気筒回転式圧縮機の縦断面図および冷凍サイクル構成図。 同実施の形態に係る、第1のシリンダと第2のシリンダを分解した斜視図。 同実施の形態に係る、通常運転状態時の圧縮機構部の縦断面図と、b−b線に沿う横断平面図。 同実施の形態に係る、休筒運転状態時の圧縮機構部の縦断面図と、b−b線に沿う横断平面図。 同実施の形態の変形例に係る、2気筒回転式圧縮機の通常運転時状態での縦断面図。 同実施の形態の変形例に係る、2気筒回転式圧縮機の休筒運転時状態での縦断面図。
符号の説明
1…密閉ケース、4…回転軸、3…電動機部、2…圧縮機構部、7…中間仕切り板、14a…第1のシリンダ室、8A…第1のシリンダ、14b…第2のシリンダ室、8B…第2のシリンダ、30…主吸込み通路、Aa,Ba…第1の分岐吸込み通路、Ab…第2の分岐吸込み通路、S…スライダ(切換え手段)、55…A吸込み通路、56…B吸込み通路、13a,13b…ローラ、15a,15b…ブレード、53…第1の連通路、A…2気筒回転式圧縮機、B…凝縮器、C…膨張機構、D…蒸発器。

Claims (5)

  1. 密閉ケース内に、回転軸を介して連結される電動機部と圧縮機構部を収容してなり、
    上記圧縮機構部は、中間仕切り板を介して、この両端面に、第1のシリンダ室が形成される第1のシリンダおよび第2のシリンダ室が形成される第2のシリンダが設けられ、
    上記中間仕切り板は、半径方向に形成される主吸込み通路を有するとともに、この主吸込み通路から中間仕切り板内部において、上記第1のシリンダ室と連通する第1の分岐吸込み通路と、上記第2のシリンダ室と連通する第2の分岐吸込み通路が設けられ、
    上記主吸込み通路から第1の分岐吸込み通路および第2の分岐吸込み通路の両方に連通する第1の切換え位置と、上記主吸込み通路から第1の分岐吸込み通路および第2の分岐吸込み通路のいずれか一方と連通する第2の切換え位置とに切換え可能な切換え手段を備えたことを特徴とする2気筒回転式圧縮機。
  2. 上記切換え手段は、上記中間仕切り板に設けられ、第1のシリンダ室および第2のシリンダ室に連通するA吸込み通路と、第1のシリンダ室および第2のシリンダ室のいずれか一方のみに連通し、他方のシリンダ室とは遮断されるB吸込み通路を有するスライダであり、
    上記スライダが、第1の切換え位置にスライドすることで、A吸込み通路が主吸込み通路と連通して第1のシリンダ室と第2のシリンダ室の両方で圧縮運転を可能とし、第2の切換え位置にスライドすることで、B吸込み通路が主吸込み通路と連通して第1のシリンダ室と第2のシリンダ室のいずれか一方のみでの圧縮運転を可能とするとともに、他方のシリンダ室では圧縮運転を行わない休筒運転をなすことを特徴とする請求項1記載の2気筒回転式圧縮機。
  3. 上記圧縮運転を行わない休筒運転をなすシリンダ室に、偏心回転するローラおよび、背圧を受けて先端部と後端部との間で差圧が生じたときのみ先端部を上記ローラ周壁に当接するブレードを備え、
    上記スライダに、上記休筒運転をなすシリンダ室に高圧を導入して、上記ブレードの先端をローラから離間保持する連通路を備えたことを特徴とする請求項2記載の2気筒回転式圧縮機。
  4. 上記スライダを第1の切換え位置にスライドするのに、スライダの両端に作動ガスの吸込み圧力を作用させ、
    上記スライダを第2の切換え位置にスライドするのに、スライダの一端に吸込み圧力を作用させ、スライダの他端に吐出圧力を作用させて、
    スライダの動作に作動ガスの圧力差を利用することを特徴とする請求項3記載の2気筒回転式圧縮機。
  5. 上記請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の2気筒回転式圧縮機と、凝縮器、膨張機構および蒸発器で冷凍サイクルを構成することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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