JP5481298B2 - 多気筒ロータリ式圧縮機と冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮能力の切換えが可能な多気筒ロータリ式圧縮機と、この多気筒ロータリ式圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置では、圧縮機構部に複数(主として、2つ)のシリンダ室を備えた多気筒ロータリ式圧縮機が多用されている。この種の圧縮機において、複数のシリンダ室で同時に圧縮作用を行う全能力運転と、一方のシリンダ室で圧縮作用をなし、他方では圧縮作用を停止して、圧縮仕事を低減する能力半減運転との切換えができれば有利である。
[特許文献1]に開示される多気筒圧縮機(容量可変型ロータリ圧縮機)は、シリンダ内で偏心回転するローラ(ローリングピストン)と、ローラに当接してシリンダ室を吸込み室(吸入室)と圧縮室とに区画するブレード(ベーン)と、ブレードの後方にブレード背室(ベーン圧力チャンバ)を備え、ブレード背室に吐出圧または吸込み圧を供給することにより、ブレードの動作を拘束または解除する圧力制御ユニットを構成している。
ブレード背室に吸込み圧(低圧)を導くと、シリンダ内が低圧であるので、ブレードの先端部と後端部とで差圧が生じない。したがって、シリンダ室では圧縮運転が行われない。ブレード背室に吐出圧(高圧)を導くと、ブレードの先端部が低圧で後端部が高圧になり、ブレードに差圧による力が生じ、ブレードはローラに押圧付勢される。したがって、シリンダ室で圧縮運転が行われることとなる。
特表2008−524515号公報
ところで、上記[特許文献1]においては、下部側シリンダに対して、上部にある中間仕切り板(中間ベアリング)と、下部にある副軸受(ベアリング)とを締結することにより、ブレード背室の圧力漏れを防止する圧力漏れ防止用締結ユニットを備えている。
具体的には、中間仕切り板と副軸受は、シリンダの内径より大きく、外径より小さい円板状の胴部と、この胴部の一側から半円形状に延設されてブレード背室を閉塞(覆蓋)する延長部とを備えている。これら延長部とシリンダとを部分締結ボルトで締結することにより、ブレード背室からの圧力漏れを防止する。
しかるに、中間仕切り板と軸受は、以上のような変形の外形を有し、製作に手間がかかる。なお、中間仕切り板の内径孔は、組立時にローラが嵌め込まれる回転軸の偏心部が挿通するだけの径があればよいので加工精度は必要ないが、回転軸の一部を枢支する軸受の内径孔は回転軸を芯振れの無いよう枢支しなければならず、高い加工精度を必要とする。
特に、軸受の内径孔加工時に、変形した外形であるので正確な芯出しをなすためのチャック固定が困難であるとともに、回転アンバランスが発生して仕上がり寸法精度が悪化する。軸受の外形を延長部頂点まで伸ばし、単なる円形状とすれば上記悪条件を除去できるが、その反面、材料費がかかり、重量の増大化を招くなどの不具合をともなう。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、複数のシリンダを備え圧縮能力可変をなす前提で、軸受の小型化による部品費の低減化と、製造性および加工精度の向上化を得られる多気筒ロータリ式圧縮機と、この多気筒ロータリ式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を図れる冷凍サイクル装置を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため本発明の多気筒ロータリ式圧縮機は、密閉ケース内に回転軸を介して連結する電動機部と圧縮機構部を収容する。
上記圧縮機構部は、中間仕切り板を介在して第1のシリンダおよび第2のシリンダを設け、これらシリンダの内径部に低圧ガスを導入するシリンダ室を形成し、各シリンダ室にブレード溝を介してブレード背室を設ける。
上記回転軸は、各シリンダ室に収容される偏心部を有し、この偏心部に回転軸の回転にともなってシリンダ室内で偏心回転するローラを嵌合し、ブレード溝に移動自在にブレードを収容する。ブレードの先端部は、ローラ周壁に当接した状態でシリンダ室を二室に区画する。
第1のシリンダと第2のシリンダにおけるブレード背室のいずれか一方は、ブレードの後端部に弾性力を付与し、ブレード先端部をローラ周壁に接触させる弾性体を備える。いずれか他方のブレード背室は、シリンダの軸受側端面に取付け、軸受とは別部品である閉塞部材と中間仕切り板によって閉塞する。
この閉塞部材に、高圧と低圧を切換えて供給する圧力制御用配管を接続し、この圧力制御用配管とブレード背室とを連通する案内通路を設けてなる。
上記目的を満足するため本発明の冷凍サイクル装置は、上記記載の多気筒ロータリ式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する。
本発明によれば、軸受の小型化による部品費の低減化と、製造性および加工精度の向上化を得られる多気筒ロータリ式圧縮機と、この多気筒ロータリ式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を図れる冷凍サイクル装置を提供できる。
本発明における第1の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機の概略の縦断面図と、冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。 同第1の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機の要部の分解斜視図。 同第1の実施形態に係る、図1におけるA矢視図。 同第1の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機とアキュームレータの一部を省略した側面図。 本発明における第2の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機とアキュームレータの一部を省略した側面図。 本発明における第3の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機における潤滑油の収容量を説明する図。 本発明における第4の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機における潤滑油の収容量を説明する図。 本発明における第5の実施形態に係る、互いに異なる構成の多気筒ロータリ式圧縮機の一部を省略した図。 本発明における第6の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機における圧縮機構部を拡大した縦断面図。 本発明の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機における回転数に対する差圧の特性から吐出弁の割れ現象の検討結果を表す図。 本発明の実施形態に係る、偏心部摺動長さ/偏心部軸径に対する偏心部摺動損失の特性図。 本発明の実施形態に係る、偏心部摺動長さ/偏心部軸径に対する総合効率の特性図。 本発明における第7の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機の一部を省略した図。 本発明の実施の形態に係る、冷凍サイクル装置の概略の冷凍サイクル構成図であり、全能力運転を選択した場合の冷凍サイクルと、能力半減運転を選択した場合の冷凍サイクル。 本発明における第8の実施形態に係る、冷凍サイクルは省略した多気筒ロータリ式圧縮機の概略構成図。 上記第8の実施形態の変形例に係る、冷凍サイクルは省略した多気筒ロータリ式圧縮機の概略構成図。 上記第8の実施形態に係る、密閉ケースに対する圧力制御用配管と、第1、第2の吸込み管の、互いに異なる挿通位置を概略的に説明する図。 上記第8の実施形態の変形例に係る、密閉ケースに対する圧力制御用配管と、第1、第2の吸込み管の、互いに異なる挿通位置を概略的に説明する図。
以下、本発明の実施形態を、図面にもとづいて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機Cの概略の断面構造と、この多気筒ロータリ式圧縮機Cを備えた冷凍サイクル装置Rの冷凍サイクル構成を示す図である。
はじめに多気筒ロータリ式圧縮機Cから説明すると、1は密閉ケースであって、この密閉ケース1内の下部には圧縮機構部3が設けられ、上部には電動機部4が設けられる。上記電動機部4と圧縮機構部3は、回転軸5を介して一体に連結される。
上記圧縮機構部3は、上部側に第1のシリンダ6Aを備え、下部側に第2のシリンダ6Bを備えている。第1のシリンダ6Aの上端面に主軸受7Aが取付け固定され、第2のシリンダ6Bの下端面に副軸受7Bが取付け固定される。これら第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bとの間には中間仕切り板2が介設される。
上記回転軸5は、各シリンダ6A、6B内部を貫通していて、略180°の位相差で同一直径の第1の偏心部aと第2の偏心部bを一体に備えている。各偏心部a、bは各シリンダ6A、6Bの内径部に位置するように組立てられる。第1の偏心部aの周面に第1のローラ9aが嵌合され、第2の偏心部bの周面に第2のローラ9bが嵌合される。
上記第1のシリンダ6Aの内径部は、主軸受7Aと中間仕切り板2によって覆われていて、第1のシリンダ室Saが形成される。上記第2のシリンダ6Bの内径部は、中間仕切り板2と副軸受7Bによって覆われていて、第2のシリンダ室Sbが形成される。
第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbは互いに同一直径および高さ寸法に形成される。そして、上記ローラ9a、9bの周壁一部が各シリンダ室Sa、Sbの周壁一部に線接触しながら偏心回転自在になるように、それぞれローラ9a、9bがシリンダ室Sa,Sbに収容される。
上記主軸受7Aには二重に重ねられた吐出マフラ8aが取付けられていて、主軸受7Aに設けられる吐出弁機構を覆っている。それぞれの吐出マフラ8aには吐出孔dが設けられる。上記副軸受7Bには一重の吐出マフラ8bが取付けられていて、副軸受7Bに設けられる吐出弁機構を覆う。この吐出マフラ8bには吐出孔が設けられていない。
上記主軸受7Aに設けられる吐出弁機構は第1のシリンダ室Saに対向していて、圧縮作用にともない室内圧力が所定圧力になったとき開放してガスを吐出マフラ8a内に吐出する。上記副軸受7Bに設けられる吐出弁機構は第2のシリンダ室Sbに対向していて、室内圧力が所定圧力になったとき開放してガスを吐出マフラ8b内に吐出する。
副軸受7Bと、第2のシリンダ6Bと、中間仕切り板2と、第1のシリンダ6Aおよび主軸受7Aとに亘って吐出ガス案内路が設けられる。この吐出ガス案内路は、第2のシリンダ室Sbから吐出弁機構を介して下部側吐出マフラ8bに吐出された高圧ガスを、上部側の二重吐出マフラ8a内に案内する。
上記密閉ケース1の内底部には、潤滑油を集溜する油溜り部14が形成される。図1において、上記主軸受7Aのフランジ部を横切る実線は潤滑油の油面を示していて、圧縮機構部3のほとんど全部が上記油溜り部14の潤滑油中に浸漬されている。
図2は、同第1の実施形態に係る、上記圧縮機構部3の一部を分解して示す斜視図であり、要部のみ示し、詳細は省略している。
第1のシリンダ6Aには、第1のシリンダ室Saとブレード溝10aを介して連通する第1のブレード背室11aが設けられ、上記ブレード溝10aには第1のブレード12aが移動自在に収容される。
第2のシリンダ6Bには、第2のシリンダ室Sbとブレード溝10bを介して連通する第2のブレード背室11bが設けられ、上記ブレード溝10bには第2のブレード12bが移動自在に収容される。
第1、第2のブレード12a、12bそれぞれの先端部は平面視で略円弧状に形成されており、対向するシリンダ室Sa、Sbに突没できる。また、各ブレード12a、12bそれぞれの後端部は、対向するブレード背室11a、11bに突没できるよう寸法設定されている。
ブレード12a、12b先端部が対向するシリンダ室Sa、Sbに突出した状態で、この先端部は平面視で円形状の上記第1、第2のローラ9a、9b周壁に、回転角度にかかわらず線接触する。
上記第1のシリンダ6Aには、第1のブレード背室11aと、このシリンダ6Aの外周面とを連通する横孔fが設けられ、弾性体であるばね部材13が収容される。ばね部材13は第1のブレード12aの後端部端面と密閉ケース1内周壁との間に介在され、第1のブレード12aに弾性力(背圧)を付与する。
図3は、図1におけるA矢視図であり、第2のシリンダ6B一部の下面図でもある。
第2のシリンダ6Bにおける第2のブレード背室11bは、副軸受7Bのフランジ部周端から外方へ突出した位置に設けられ、そのままでは上下面が開口され密閉ケース1内に開放する。
しかしながら、第2のブレード背室11bの上面開口部は、図1に示すように第2のシリンダの上端面に取付けられる中間仕切り板2によって覆われ、下面開口部は、図1および図3に示す閉塞部材15によって覆われる。したがって、第2のブレード背室11bの上下面開口部は中間仕切り板2と閉塞部材15とで閉塞され、密閉構造をなす。
上記閉塞部材15は、鋳鉄材で形成されるもしくは、SMF3種(鉄−炭素系焼結合金)もしくは、SMF4種(鉄−炭素−銅系焼結合金)で形成されていて、いずれも複雑な内部構造を金型成形により確実に製造できる素材が選択される。
特に図3に示すように、上記閉塞部材15の側端面は副軸受7Bのフランジ部周端面に沿うよう形成され、この側端面と対向する側端面の一部は突出していて、圧力制御用配管16が接続される。さらに閉塞部材15には、圧力制御用配管16の接続部から第2のブレード背室11bに亘って案内通路17が設けられる。
換言すれば、第2のブレード背室11bは中間仕切り板2と閉塞部材15によって密閉構造をなしているが、閉塞部材15の案内通路17を介して圧力制御用配管16と連通している。
上記圧力制御用配管16は、後述するブレード背圧制御機構Kの一部を構成している。このブレード背圧制御機構Kは、第2のブレード背室11bに高圧ガス(吐出圧)もしくは低圧ガス(吸込み圧)を選択して導き、第2のブレード12bの後端部に対する背圧の圧力切換えを制御するものである。
再び図1に示すように、多気筒ロータリ式圧縮機Cを構成する密閉ケース1の上端部には、吐出管Pが接続される。この吐出管Pは、凝縮器20と、膨張装置21を介して蒸発器22に接続される。上記蒸発器22には吸込み管Paが接続され、この吸込み管Paはアキュームレータ23を介して多気筒ロータリ式圧縮機Cに接続される。
すなわち、以上説明した多気筒ロータリ式圧縮機Cと、凝縮器20と、膨張装置21と、蒸発器22およびアキュームレータ23を順次配管接続することで、冷凍サイクル装置Rが構成される。
上記多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいて上記吸込み管Paは、密閉ケース1を貫通して中間仕切り板2の周端面に接続される。中間仕切り板2においては、吸込み管Paが接続される周面部位から軸芯方向に向って吸込み案内路25が設けられる。この吸込み案内路25の先端は斜め上方と斜め下方に二股状に分岐される。
斜め上方に分岐した分岐案内路は、第1のシリンダ室Saに連通する。斜め下方に分岐した分岐案内路は、第2のシリンダ室Sbに連通する。したがって、アキュームレータ23と、多気筒ロータリ式圧縮機Cにおける第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbとは、常時、連通状態にある。
つぎに、上記ブレード背圧制御機構Kについて詳述する。
上記閉塞部材15の案内通路17に接続される圧力制御用配管16は密閉ケース1周壁を貫通し、密閉ケース1の側壁に沿って立ち上がり形成される。この圧力制御用配管16の密閉ケース1に対する挿通位置と、アキュームレータ23から延出される吸込み管Paの密閉ケース1に対する挿通位置は以下のように設定される。
図4は、同第1の実施形態に係る、密閉ケース1に対する圧力制御用配管16および吸込み管Paの貫通位置を説明する図である。
上記密閉ケース1は平面視で円形状をなしていて、この円周方向における同一軸位置に揃えられた状態で、圧力制御用配管16と吸込み管Paが挿通されている。
すなわち、吸込み管Paが中間仕切り板2に接続され、圧力制御用配管16が第2のシリンダ6Bの下端面に取付けられる閉塞部材15に接続されるので、圧力制御用配管16の挿通部gが下部にあり、この直上部に吸込み管Paの挿通部hがある。いずれの挿通部g、hにおいても、液漏れもしくはガス漏れの無いようロー付け加工がなされている。
圧力制御用配管16の直径は吸込み管Paの直径より小さく、アキュームレータ23の直径よりさらに小さい。密閉ケース1から突出した圧力制御用配管16が、その位置で立ち上り形成すると吸込み管Paもしくはアキュームレータ23に当接してしまう。また、アキュームレータ23から外れるよう大きく延ばすと、見栄えが悪く材料費がかかる。
そこで、図4に示すように、圧力制御用配管16は密閉ケース1から突出した直後位置で、吸込み管Paとアキュームレータ23との接触を避けるよう、斜めに折曲される。圧力制御用配管16はアキュームレータ23の側壁面と接触しつつ、この上方部位に延出される。
図1にも示すように、圧力制御用配管16のアキュームレータ23側壁面との接触部位には取付け金具26が設けられていて、圧力制御用配管16の上下方向略中間部を固定支持している。
再び図1に示すように、圧力制御用配管16の上端部は、密閉ケース1とアキュームレータ23の上端部よりも上方位置に設けられる圧力切換え弁(圧力切換え手段)27に接続される。上記圧力切換え弁27は、冷暖房運転の切換えが可能なヒートポンプ式冷凍サイクルを備えた空気調和機に用いられる四方切換え弁を流用して、コストの抑制を図る。
圧力切換え弁27の第1のポートpaには密閉ケース1と凝縮器20とを連通する吐出管Pから分岐される第1の分岐管(高圧管)28が接続され、第2のポートpbには上記圧力制御用配管16が接続され、第3のポートpcには蒸発器22とアキュームレータ23とを連通する吸込み管Paから分岐される第2の分岐管(低圧管)29が接続される。
第4のポートpdは、栓体30で閉塞される。内部に収容される弁体31は、図に示すように第3のポートpcと第4のポートpdとを連通する位置と、一点鎖線で示すように第2のポートpbと第3のポートpcとを連通する位置に電磁的に切換え操作される。なお、第1のポートpaは常時開放され、第4のポートpdは常時閉塞される。
したがって、図1の状態では第1のポートpaと第2のポートpbとが直接連通し、弁体31を介して第3のポートpcと第4のポートpdとが連通する。ただし、第4のポートpdは栓体30で閉塞されているので、第1のポートpaと第2のポートpbとの連通だけが残る。
図1に一点鎖線で示す位置に弁体31が移動すると、弁体31を介して第2のポートpbと第3のポートpcとが連通し、第1のポートpaと第4のポートpdが直接連通する。同様に、第4のポートpdは栓体30で閉塞されているので、第2のポートpbと第3のポートpcとの連通だけが残る。
上記圧力切換え弁27は、通常のヒートポンプ式空気調和機を構成する冷凍サイクルに用いられる標準品である四方切換え弁を流用したが、この四方切換え弁に代って複数の開閉弁を組合せても同様の作用効果を得られる。
このようにして、ブレード背圧制御機構Kは、圧力切換え弁27と、この圧力切換え弁27に接続される圧力制御用配管16と、第1の分岐管28および第2の分岐管29とから構成される。そして、後述するように閉塞部材15を介して第2のブレード背室11bに高圧と低圧を切換えて導き、第2のブレード12bに背圧を付与することができる。
上記した多気筒ロータリ式圧縮機Cと、この多気筒ロータリ式圧縮機Cを備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置Rにおいては、能力半減運転(休筒運転)と、全能力運転(通常運転)との切換え選択が可能である。
能力半減運転を選択すると、ブレード背圧制御機構Kを構成する圧力切換え弁27の弁体31が、図1に一点鎖線で示すように切換えられ、第2のポートpbと第3のポートpcが連通する。したがって、蒸発器22から第2の分岐管29と圧力切換え弁27を介して圧力制御用配管16と、第2のブレード背室11bに連通される。
同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動されて、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心回転を行う。第1のシリンダ6Aにおいてブレード12aがばね部材13に押圧付勢され、この先端部がローラ9a周壁に摺接して第1のシリンダ室Sa内を二分する。
低圧の冷媒ガスはアキュームレータ23から吸込み管Paに導かれるとともに、吸込み案内路25と、2つの分岐案内路を介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。
さらに、ブレード背圧制御機構Kにより蒸発器22から導出される低圧の冷媒ガスの一部が、第2の分岐管29、圧力切換え弁27、圧力制御用配管16、閉塞部材15の案内通路17を介して第2のブレード背室11bに導かれ、第2のブレード12bに低圧の背圧を付与する。
第2のシリンダ室Sbに対向する第2のブレード12b先端部が低圧雰囲気下にあり、第2のブレード背室11bに対向する第2のブレード12b後端部も低圧雰囲気下にあって、このブレード12bの先端部と後端部で差圧が生じない。
回転軸5の回転にともなって第2のローラ9bが偏心移動してくると、第2のブレード12bは第2のローラ9bに蹴られる。第2のブレード12bの後端部が第2のブレード背室11bの周壁に当接し、先端部はシリンダ室Sb内へは突出せず、そのままの位置を保持する。したがって、第2のシリンダ室Sbおいては圧縮作用が行われない。
なお、第2のブレード12bの後端部を第2のブレード背室11b周壁に確実に固定するため、ブレード背室11b周壁に永久磁石を取付けるとよい。第2のブレード12bは磁性材料から形成し、永久磁石が磁気吸着することで上記状態を得る。第2のブレード12bに高圧の背圧がかかれば、ブレード12bは永久磁石から容易に離れる。
一方、第1のシリンダ室Saにおいては、第1のブレード12aがばね部材13の弾性力を受けて先端部が第1のローラ9aの周壁に当接し、第1のシリンダ室Saを圧縮室と吸込み室に二分する。ローラ9aの偏心移動にともなってシリンダ室Saの圧縮室の容積が減少し、吸込まれたガスが徐々に圧縮される。
ガスが所定圧まで上昇すると吐出弁機構が開放され、吐出マフラ8a,8bに吐出された後、密閉ケース1内に充満する。高圧ガスは密閉ケース1から吐出管Pを介して凝縮器20に導かれ、凝縮液化して液冷媒に変る。液冷媒は膨張装置21で断熱膨張し、蒸発器22で蒸発して、ここを流通する空気から蒸発潜熱を奪い冷凍作用をなす。
蒸発器22で蒸発し低圧化したガス冷媒が吸込み管Paを介してアキュームレータ23に導かれて気液分離され、分離されたガス冷媒がアキュームレータ23から第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに導かれ、上述のような冷凍サイクルを構成する。
第2のシリンダ室Sbにおいて圧縮作用が行われず(休筒運転)、第1のシリンダ室Saにおいてのみ圧縮運転をなすことで、能力半減運転となる。
全能力運転を選択すると、圧力切換え弁27の弁体31が図1に示す実線の位置に切換えられ、第1のポートpaと第2のポートpbが連通する。したがって、吐出管Pと第1の分岐管28が圧力切換え弁27を介して圧力制御用配管16と連通され、さらに閉塞部材15から第2のブレード背室11bに連通される。
同時に、電動機部4に運転信号が送られ、回転軸5が回転駆動されて、第1、第2のローラ9a、9bはそれぞれのシリンダ室Sa、Sb内で偏心回転を行う。第1のシリンダ6Aにおいてブレード12aがばね部材13に押圧付勢され、この先端縁がローラ9a周壁に摺接して第1のシリンダ室Sa内を二分する。
低圧の冷媒ガスはアキュームレータ23から吸込み管Paに導かれるとともに、吸込み案内路25と、分岐案内路を介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。第1のシリンダ室Saにおいては、上述したように圧縮作用が行われて高圧ガスが密閉ケース1内に充満する。
そして、密閉ケース1内に充満する高圧の冷媒ガスが吐出管Pに吐出されて上述した冷凍サイクルを循環する一方で、高圧ガスの一部は第1の分岐管28から圧力切換え弁27、圧力制御用配管16、閉塞部材15の案内通路17から第2のブレード背室11bに導かれて充満し、第2のブレード12bに高圧の背圧を付与する。
第2のブレード12b先端部が第2のシリンダ室Sbに対向して低圧雰囲気下にあるが、後端部が第2のブレード背室11bに対向して高圧雰囲気下にあるので、先端部と後端部で差圧が生じる。第2のブレード12bは高圧の背圧を受けて先端部側へ押圧付勢される。
回転軸5の回転にともなって第2のローラ9bが偏心移動してくると、第2のブレード12bの先端部が第2のローラ9b周面に当接したまま、ブレード溝10bを往復移動する。第2のブレード12bは第2のシリンダ室Sbを圧縮室と吸込み室とに二分し、圧縮作用が行われる。
したがって、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbにおいて同時に圧縮作用をなし、全能力運転が行われることとなる。
このように休筒運転をなす側の第2のシリンダ室Sbとブレード溝10bを介して連通する第2のブレード背室11bは、副軸受7Bの下端面に取付けられる閉塞部材15によって閉塞される。
上記副軸受7Bは、第2のブレード背室11bを閉塞するための半円形状のフランジ部を突設する必要がなく、円形状の胴部のままでよい。したがって、副軸受7Bに回転軸5を枢支する内径孔を加工するにあたって、チャック固定が容易となり、高い芯出し精度を得られる。内径孔の仕上がり精度が高くなり、外形に突出部がないから小型化する。
なお、閉塞部材15に圧力制御用配管16を接続することにより、中間仕切り板2、シリンダ6A,6Bまたは軸受7A,7Bに圧力制御用配管16を接続する場合に比べ、圧力制御用配管16の径や接続位置の自由度が向上する。
その結果、圧力制御用配管16と吸込み管Paとの距離をとることができ、それぞれの密閉ケース1に対する溶接固定作業が容易になり、製造性や信頼性の高い多気筒ロータリ式圧縮機Cを提供できる。
上記吸込み管Paと圧力制御用配管16との密閉ケース1に対する挿通位置を、密閉ケース1の径方向において同一位置に揃えたから、密閉ケース1に対して吸込み管Paと圧力制御用配管16を同一方向から取付けることができ、組立性が向上する。
そして、上記吸込み管Paと圧力制御用配管16が密閉ケース1の径方向において同位相にあるため、溶接固定の自動化が容易になり、製造性の向上を得られる。
上記圧力制御用配管16を、取付け金具26を介してアキュームレータ23に取付け固定したから、圧力制御用配管16とアキュームレータ23から延出される吸込み管Paを同時に密閉ケース1に取付け固定でき、製造性が向上する。また、取付け後の圧力制御用配管16の変形や振動を防ぐことができ、高品質の多気筒ロータリ式圧縮機Cを得る。
上記圧力制御用配管16は、アキュームレータ23に取付け固定するばかりでなく、以下に述べるようにしてもよい。
図5は、第2の実施形態に係る、密閉ケース1とアキュームレータ23の側面図である。
図5に示すように、ある程度の柔軟性を有する金属片からなる取付け金具26Aが、圧力制御用配管16と吸込み管Paとに巻装されたうえで、適宜、ロー付け等の手段で固定される。したがって、取付け金具26Aの剛性をもって圧力制御用配管16は吸込み管Paに取付け固定される。
この場合も、吸込み管Paと圧力制御用配管16との密閉ケース1に対する挿通位置を、密閉ケース1の径方向において同一に揃えていて、密閉ケース1に対して吸込み管Paと圧力制御用配管16を同一方向から取付けることができ、組立性が向上する。
そして、圧力制御用配管16とアキュームレータ23から延出される吸込み管Paを同時に密閉ケース1に取付け固定でき、製造性が向上する。取付け後の圧力制御用配管16の変形や振動を防ぐことができ、高品質の多気筒ロータリ式圧縮機Cを得られる。
上記閉塞部材15を、鋳鉄材もしくは、SMF3種もしくは、SMF4種で形成したから、第2のブレード背室11bと圧力制御用配管16とを連通する案内通路17を金型成形により製造できる。
すなわち、閉塞部材15の素材を選択したことにより、閉塞部材15に設けられる案内通路17形状が複雑化しても安価に形成でき、閉塞部材15における圧力制御用配管16の接続位置を自由に設計できる。また、第2のブレード12bの閉塞部材15に対する摺動性を良好に保ち、摩耗や焼付けを防止して信頼性の向上を得られる。
上述した多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいては、ブレード背圧制御機構Kが第2のブレード背室11bに低圧を導き、第2のブレード12bの先端部と後端部とで差圧が生じないようにして第2のシリンダ室Sbにおける圧縮作用を中止させる休筒運転時に、以下のような現象が生じる。
すなわち密閉ケース1内は、少なくとも第1のシリンダ室Saから吐出された高圧ガスが充満し高圧雰囲気下にある。油溜り部14に集溜する潤滑油も影響を受けて高圧となり、回転軸5に設けられる潤滑油供給路から圧縮機構部3の各摺動部に導かれる潤滑油の一部が、クリアランスを介して低圧雰囲気の第2のブレード背室11bに浸入する。
そして、潤滑油は第2のブレード背室11bを充満し、閉塞部材15に設けられる案内通路17を満たして圧力制御用配管16内を上昇していく。当然ながら、その分、油溜り部14に集溜する潤滑油の油面が低下することとなり、本来、主軸受7Aのフランジ部に沿ってあるはずの油面が第1のシリンダ6Aの上端面以下に下がる。
さらに、圧力制御用配管16にリークする潤滑油が増加し、この内部に油面が上昇するのにともなって、油溜り部14での油面が低下する。ついには、第1のシリンダ6Aを完全露出させ、さらに中間仕切り板2から第2のシリンダ6Bを露出させる虞れがある。したがって、各摺動部におけるシール性と潤滑性が低下し、圧縮性能に悪影響が生じる。
このような現象を防止するために、予め潤滑油を多量に投入し、二重吐出マフラ8aの上面と略同一程度の油面とすることが考えられる。
しかしながら、第1のシリンダ室Saとともに第2のシリンダ室Sbでも圧縮作用が行われる全能力運転時には、圧力制御用配管16が高圧ガスで満たされる。それまで圧力制御用配管16に浸入していた潤滑油が、逆に、圧力制御用配管16を出て案内通路17と第2のブレード背室11bに導かれ、さらにこのクリアランスから油溜り部14に戻る。
油溜り部14の油面は上昇して吐出マフラ8a上面を越え、ついには吐出孔dから内部に浸入して吐出弁機構を潤滑油で満たす。吐出弁機構のガス排出抵抗が大きくなり、圧縮性能の低下と吐油の増大があり、潤滑油コストが増大する。さらに油面が上昇すれば、潤滑油は電動機部4下部を浸漬し、ロータの回転抵抗となって回転効率に影響を及ぼす。
そこで、図6に示すような対策を講じる。
図6は、第3の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機Cにおける潤滑油の収容量を説明する図である。なお、上記と同一の構成部品には同番号を付して新たな説明を省略する。(以下、同)
すなわち、閉塞部材15によって閉塞される第2のブレード背室11bから、閉塞部材15に設けられる案内通路17と、閉塞部材15に接続される圧力制御用配管16を介して圧力切換え弁27の第2のポートPb接続位置に至るまでの潤滑油の内容積を、V1とする。
これに対して、第1のシリンダ(上部側シリンダ)6Aの上端面位置から、主軸受7Aに取付けられる二重の吐出マフラ8aで、上部側吐出孔dが設けられる上端面位置までの潤滑油容積を、V2とする。そして上記内容積V1は、潤滑油容積V2よりも小さく(V1<V2)設定される。
このような設定により、第2のシリンダ室Sbにおける非休筒運転時(全能力運転時)に、圧力制御用配管16と閉塞部材15と第2のブレード背室11bを満たしていた潤滑油の全て(V1)が油溜り部14に戻ったとしても、油溜り部14における潤滑油の油面は二重マフラ8aの上端面(V2)よりも下の位置までしか上昇しない。
したがって、潤滑油が吐出マフラ8aの吐出孔dから内部に浸入することはなく、吐出弁機構は通常の作用をなす。そして、電動機部を構成するロータが潤滑油に浸漬されずにすみ、この回転効率を良好に保持する。
第2のシリンダ室Sbでの圧縮作用を停止する休筒運転時には、密閉ケース1内が高圧化する影響を受け、油溜り部14の潤滑油が第2のブレード背室11bのクリアランスを介して圧力制御用配管16に浸入する。
潤滑油の油面が圧力制御用配管16の四方切換え弁27第2のポートpb接続位置まで上昇しても、油溜り部14における油面は上部側シリンダである第1のシリンダ6Aの上端面位置よりも高い位置を保持する。したがって、第1のシリンダ6Aにおけるブレード11aとブレード溝10aとの摺動部などは全て潤滑油中にあり、潤滑性を確保する。
図7は、第4の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機Cにおける潤滑油の収容量を説明する図である。
ここでは、第2のシリンダ6Bの下端面に薄板からなる閉塞板35を取付けて第2のブレード背室11bの下面開口部を閉塞する。第2のシリンダ6Bの上端面に中間仕切り板2が取付けられ、第2のシリンダ室Sbを覆うとともに、第2のブレード背室11bの上面開口部を閉塞することは変りが無い。
中間仕切り板2には圧力制御用配管16Aが接続され、この圧力制御用配管16Aと第2のブレード背室11bとを連通する案内通路17Aが設けられる。圧力制御用配管16Aの上端部は、2つの開閉弁36A、36Bと、これら開閉弁36A、36Bを連通する連通管37とからなる圧力切換え手段38の連通管37に接続される。
図中左側の開閉弁36Aを第1の開閉弁と呼び、右側の開閉弁36Bを第2の開閉弁と呼ぶ。第1の開閉弁36Aは第1の分岐管(高圧管)28aを介して吐出管Pに連通し、第2の開閉弁36Bは第2の分岐管(低圧管)29aを介して吸込み管Paに連通する。
これら圧力制御用配管16Aと、第1、第2の開閉弁36A、36Bおよび連通管37とからなる圧力切換え手段38と、第1の分岐管28aおよび第2の分岐管28bとでブレード背圧制御機構Kaが構成される。
第1の開閉弁36Aを閉成し、第2の開閉弁36Bを開放すれば、圧力制御用配管16Aから第2のブレード背室11bに低圧が導かれ、第2のブレード12bに低圧の背圧を付与するので休筒運転となる。
第1の開閉弁36Aを開放し、第2の開閉弁36Bを閉成すれば、圧力制御用配管16Aから第2のブレード背室11bに高圧が導かれ、第2のブレード12bに高圧の背圧を付与するので圧縮運転が行われる。
第2のブレード背室11bから、中間仕切り板2に設けられる案内通路17Aと、この案内通路17Aに接続される圧力制御用配管16を介して第1、第2の開閉弁36A、36B相互間の連通管37に接続する位置に至るまでの潤滑油の内容積をV3とする。
そして、第1のシリンダ6Aの上端面位置から、二重吐出マフラ8aの上部側吐出孔d位置までの潤滑油容積をV2とすると、内容積V3は、潤滑油容積V2よりも小さく(V3<V2)設定される。
第2のシリンダ室Sbにおける非休筒運転時(全能力運転時)に、圧力制御用配管16Aから案内通路17Aと第2のブレード背室11bを介して油溜り部14に潤滑油が最大限戻っても、潤滑油の油面は二重吐出マフラ8aの上端面位置より下方の位置までしか上昇しない。したがって、上述したような作用効果を得られる。
第2のシリンダ室Sbでの休筒運転時に、油溜り部14の潤滑油が第2のブレード背室11bを介して圧力制御用配管16に浸入し、第1、第2の開閉弁36A、36Bを連通する連通管37位置まで上昇しても、油溜り部14での油面は第1のシリンダ6Aの上端面位置よりも高い位置となる。したがって、上述したような作用効果を得られる。
なお、第2のシリンダ室Sbで圧縮作用をなす全能力運転時に、ブレード背室制御機構K,Kaは第2のブレード背室11bに高圧ガスを導く。しかも第2のブレード背室11bは閉塞部材15(閉塞板35)と中間仕切り板2によって閉塞されているので、油溜り部14からクリアランスを介して第2のブレード背室11bに潤滑油が導入され難い。
結局、第2のブレード12bとブレード溝10bとの摺動部に対する潤滑油の供給がほとんどない。全能力運転を長時間継続すると、上記摺動部における潤滑性が損なわれ、シール性と摺動性が悪化する。そこで、以下に述べるような対策を講じる。
図8(A)(B)は、第5の実施形態に係る、互いに異なる第2のブレード背室11bへの給油構造を説明する図である。
はじめに、図8(A)から説明すると、密閉ケース1の上端部に接続される吐出管Pと、第1の分岐管28との接続部位に油分離装置40Aを取付ける。密閉ケース1内に充満し、吐出管Pに吐出される高圧ガスは油分離装置40Aに導かれ、高圧ガスに含まれる潤滑油の油分は、油分離装置40Aで高圧ガスから分離される。
純然たるガス分だけとなった高圧ガスは、ここでは図示しない凝縮器をはじめとする油分離装置40Aから先の冷凍サイクル構成機器を循環して上述した作用をなす。油分が含まれていないから、冷凍サイクル効率の向上を得られる。
一方、油分離装置40Aで分離された潤滑油の油分は、圧力切換え手段27(38)に導かれる。全能力運転が選択された場合に、圧力切換え手段27から圧力制御用配管16を介して第2のブレード背室11bに潤滑油が導かれ、結果として第2のブレード12bとブレード溝10bとの摺動部に給油される。
全能力運転が長時間継続すれば、第2のブレード12bとブレード溝10bとの摺動部に、より充分な量の潤滑油が給油されることとなり、潤滑性を確保する。焼き付け等の不具合の発生がなく、第2のブレード12b回りのシール性と摺動性を確保し、圧縮性能と信頼性の向上を図れる。
つぎに、図8(B)について説明すると、ここで用いられる油分離装置40Bは、略Y字状に形成される三叉構造のパイプ体からなる。油分離装置40Bの左右両端部に吐出管Pが接続されていて、図の左側の端部は吐出管Pを介して密閉ケース1に連通し、右側の端部は凝縮器に連通する。
油分離装置40Bの下部側端部に第1の分岐管28が接続され、この第1の分岐管28から先の構成は上述した通りである。
密閉ケース1内に充満し吐出管Pに吐出される高圧ガスは油分離装置40Bに導かれ、一旦、下方に落ち込んでから上昇するよう案内される。高圧ガスに含まれる潤滑油の油分は高圧ガスが下方に落ち込むよう案内されるときに重力の影響で分離され、第1の分岐管28に導かれる。
潤滑油の油分が分離された高圧ガスは、油分離装置40Bで上昇案内され、これより先の吐出管Pに導かれる。したがって、上述したのと全く同様の作用効果を得られることとなる。
図9は、第6の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機Cの要部を拡大した縦断面図である。
図1に示す構成部品と同一の構成部品については、同番号を付して新たな説明を省略する。また、冷凍サイクル装置Rの冷凍サイクル構成を省略しているが、先に、図1において説明したものと、同一構成を備えていることは勿論である。
ここでは、上記回転軸5における主軸受7Aに軸支される部位を、「主軸部5a」と呼び、副軸受7Bに軸支される部位を、「副軸部5b」と呼ぶ。そして、主軸部5aの軸径を「φDa」とし、副軸部5bの軸径を「φDb」と定める。
また、上記第1のシリンダ6Aの軸方向中心位置から、回転軸主軸部5aの軸負荷位置までの軸方向距離を「L1」とする。上記軸負荷位置とは、主軸部5aにおける第1のシリンダ室Sa側端部から、主軸部5aにおける軸径φDaの半分の距離「Da/2」を言う。
さらに、第1のシリンダ6Aの軸方向中心位置から、第2のシリンダ6Bの軸方向中心位置までの軸方向距離を「L2」とし、第2のシリンダ6Bの軸方向中心位置から、回転軸副軸部5bの軸負荷位置までの軸方向距離を「L3」とする。上記軸負荷位置とは、副軸部5bにおける第2のシリンダ室Sb側端部から、副軸部5bにおける軸径φDbの半分の距離「Db/2」を言う。
このような条件のうえで、以下の(1)式が成立するように設定される。
Figure 0005481298
上述したように副軸受7B側のシリンダ室である、第2のシリンダ室Sbで圧縮運転と非圧縮運転との切換を可能とした多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいて、主軸受7Aに軸支される回転軸5の主軸部5a軸径φDaと、副軸受7Bに軸支される回転軸5の副軸部5b軸径φDbとの関係が定められる。
これは、回転軸5に形成される第1の偏心部aに第1のローラ9aを副軸部5b側から組み込むためと、電動機回転子の振れまわりの影響を考慮し、主軸部5aの軸径φDaは、副軸部5bの軸径φDbと、少なくとも同等以上の、大なる径に設定しなければならない。(φDa≧φDb)
その反面、副軸部5bの軸径φDbを小さくするにしたがって、軸面に対する面圧が上がる。特に、回転軸5の低回転域(低能力域)において、副軸部5b周面に潤滑油の油膜が形成され難くなり、信頼性が悪化することが避けられない。
主軸部5aにかかるガス負荷をGaとし、副軸部5bにかかるガス負荷をGbとしたとき、上述した2気筒ロータリ圧縮機Cにおいては、低能力域で副軸部5b側である第2のシリンダ室Sbを休筒させるため、主軸部5aにかかるガス負荷Gaと、副軸部5bにかかるガス負荷Gbとの比は、以下の(2)式のようになる。
Ga:Gb = (L2+L3):1 ……(2)
また、主軸部5aに対する面圧Faと、副軸部5bに対する面圧Fbとの比は、負荷を受ける摺動長比が軸径比と同等とすると、以下の(3)式のようになる。
Fa:Fb = (L2+L3)/φDa:L1/φDb ……(3)
ここで、回転軸5の副軸部5bにおいて主軸部5aと同等以上の面圧を確保するためには、先に述べた(φDa≧φDb)の条件を加えて、(1)式が導き出される。
Figure 0005481298
上記(1)式を満足することにより、単位時間内に圧縮機構部3に流入する作動流体(冷媒)の最大理論体積流量を、最小理論体積流量の30倍以上に可変できる。
なお説明すると、たとえば家庭用の空気調和機に本圧縮機Cを用いた場合に、発生時間が極めて長い設定温度付近における微小空調領域において、圧縮機Cの最小能力を、より小さくした連続運転が可能となる。従来のような断続運転になることはなく、省エネ性および快適性を両立させることができる。
同時に、圧縮機Cの最大能力を、より大きく得られることになる。特に、外気が低温時の暖房運転など大能力が要求される場合においても、体感的な快適性を満足でき、省エネで快適性の高い空気調和機を提供できる。
結局、(1)式を満足することで、信頼性を確保しつつ、休筒運転による効率向上が充分に得られる。そして、このような多気筒ロータリ式圧縮機Cを備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置は、さらに冷凍効率の向上を得られる。
表1は、上述の(1)式を具体的に表現した設計例である。
Figure 0005481298
以上の設計例では、単位時間内に圧縮機構部3に流入する作動流体(冷媒)の最大理論体積流量は、最小理論体積流量の40倍となり、圧縮機Cの最小能力と最大能力の幅をより拡大できて、圧縮性能のさらなる向上化を得られる。
この多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいては、回転軸5の1秒間の最小回転数を5rps以上に設定すると良い。このことにより、トルク変動に対する回転慣性力を確保でき、回転振動振幅の小さい安定した回転が得られる。そして、低回転域におけるモータ効率の急激な低下を防止でき、高効率の圧縮機Cを得られる。
さらに、多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいては、回転軸5の1秒間の最大回転数を180rps以下に設定すると良い。このことにより、圧縮機Cにおける運転騒音の増大を抑制し、圧縮機Cから冷凍サイクル回路への潤滑油の吐油の増大を抑制できる。
図10は、冷媒としてR410Aを用いた家庭用エアコンに適用される2シリンダロータリ式圧縮機Cにおいて、横軸に運転した回転数を取り、縦軸に運転中の吸込み圧と吐出圧との差圧を取って、圧縮機構部3に備えられる吐出弁の割れについて検討した結果を示す。
図から分るように、実用域において、180rps以下では、上記主軸受7Aや副軸受7Bに設けられる吐出弁機構を構成する吐出弁の割れは全く見られず、信頼性の高い圧縮機Cを提供できる。
そしてさらに、休筒運転が可能な多気筒ロータリ式圧縮機Cでありながら、アキュームレータ23と第1、第2のシリンダ室Sa,Sbとを連通する吸込み管Paには、ブレード背圧制御機構Kを構成する圧力切換え手段(圧力切換え弁)27を備えていない。
これにより、各シリンダ室Sa,Sbへの冷媒吸込み流量が大なる運転条件下においても吸込み抵抗が増大することがない。圧縮効率を下げずに、運転可変幅をより高流量側に拡大できて有利である。
また、上述した多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいては、回転軸5の回転数が低くなると電動機部4であるモータの効率が低下する。そのため、低能力域では第2のシリンダ室Sbにおいて非圧縮運転状態である休筒運転をなし、かつ回転軸5の回転数を2倍に上げることでモータ効率を上げるよう制御している。
しかしながら、この場合は回転数を上げることによる軸摺動損失の増加を招き、軸摺動損失割合の大きい設計仕様においては、休筒運転によるモータ効率の向上が得られない。特に、多気筒ロータリ式圧縮機Rにおいて最も軸摺動損失の大きい箇所は回転軸5に形成される第1の偏心部aと第2の偏心部bであり、これら偏心部a,bでの摺動損失を低減させる必要がある。
回転軸5の副軸部5b軸径φDbを主軸部5a軸径φDaよりも小さく設定したので、これにともない第1、第2の偏心部a,bの直径を小さくできる。すなわち、圧縮機Cにおいて最も軸摺動損失の大きい箇所である第1、第2の偏心部a,bの摺動損失の低減を得られ、効率を下げずに運転可変幅をより高流量側に拡大できる。
再び図9に示すように、回転軸5に形成される第1の偏心部aおよび第2の偏心部bの、第1のローラ9aと第2のローラ9bに対する摺動長さを「L4」とし、第1の偏心部aおよび第2の偏心部bの軸径を「φDcr」とする。
図11は、横軸に(L4/φDcr)をとり、縦軸に各偏心部a,bにおける摺動損失[W]をとった場合の、L4/φDcrと各偏心部a,bにおける摺動損失の特性図であり、2気筒運転時および休筒運転時それぞれについて同能力下で比較して示す。
なお、偏心部摺動損失[W]の値は、第1、第2の偏心部a,bの第1、第2のローラ9a,9bに対する摺動長さL4を一定とし、第1、第2の偏心部軸径φDcrを変化させて導いている。休筒運転時の回転数は2気筒運転時の2倍としている。
2気筒運転時の変化を破線で示し、休筒運転時の変化を実線で示している。この図11から、L4/φDcr値の減少とともに偏心部摺動損失[W]の損失差が漸次、大きくなるのが分る。
図12は、本発明の実施形態における冷凍サイクル装置を空気調和機として適用した場合の、同能力時のL4/φDcrと総合効率の特性図である。ここでも、横軸にL4/φDcrをとり、第1、第2の偏心部a,bにおける第1、第2のローラ9a,9bに対する摺動長さL4を一定とし、偏心部軸径φDcrを変化させて導いている。縦軸は総合効率である。
この図12から、休筒運転による効率向上を得るには、
L4/φDcr ≧ 0.43 ……(4)
(4)式を満足する必要がある、との結論が得られる。
上記冷凍サイクル装置Rにおいて、たとえば外気温が低い環境下で、設定温度を下げたままで冷凍サイクル運転をなすと、蒸発器22で蒸発するはずの冷媒が、完全に蒸発し切れない。そのまま冷凍サイクル運転を終了すると、蒸発器22に液冷媒が残る、いわゆる寝込んだ状態となる。
蒸発器22と圧縮機Cとの間にアキュームレータ23が介設されているが、蒸発器22から多量の液冷媒が瞬時に導かれると、アキュームレータ23において完全な気液分離ができない。
そのため、つぎの冷凍サイクル運転起動時に、蒸発器22に寝込んだ液冷媒の一部が、そのまま圧縮機Cに吸込まれる。いわゆる液バック現象が生じて、圧縮機構部3における吐出弁機構の損傷に繋がる。
後述するように、多気筒ロータリ式圧縮機Cは、液バック現象が生じた場合の対策を備えている。
図13は、第7の実施形態に係る、多気筒ロータリ式圧縮機Cの一部を省略し、かつ要部を拡大した縦断面図である。
図1に示す構成部品と同一の構成部品については、同番号を付して新たな説明を省略する。冷凍サイクル装置Rの冷凍サイクル構成も省略しているが、先に図1において説明したものと、同一構成を備えていることは勿論である。
上記ブレード背圧制御機構Kを構成する圧力切換え弁(圧力切換え手段)27も、先に説明したものと同一のものが用いられる。したがって、圧力切換え弁27の第1のポートpaには、密閉ケース1と凝縮器20とを連通する吐出管Pから分岐される第1の分岐管(高圧管)28が接続される。
圧力切換え弁27の第2のポートpbには、閉塞部材15の案内通路17と連通する圧力制御用配管16が接続される。そして、第3のポートpcには蒸発器22とアキュームレータ23とを連通する吸込み管Paから分岐される、後述する第2の分岐管(低圧管)29aが接続される。
圧力切換え弁27の第4のポートpdは、栓体30で閉塞される。内部に収容される弁体31は、第3のポートpcと第4のポートpdとを連通する位置と、第2のポートpbと第3のポートpcとを連通する位置に電磁的に切換え操作される。第1のポートpaは常時開放され、第4のポートpdは常時閉塞されることも変りがない。
上記第2の分岐管29aは、吸込み管Paのアキュームレータ23上流部位から分岐されるが、この分岐管29aの吸込み管Paからの分岐位置は、圧力切換え弁27よりも下方部位にある。
そして、第2の分岐管29aは吸込み管Paから斜め直状をなして上方へ延出され、端部が圧力切換え弁27の第3のポートpcに接続される。第2の分岐管29aの管径は、吸込み管Paよりも細いものが選択されているので、あたかも、吸込み管Paを幹とし、第2の分岐管29aは幹(吸込み管Pa)から枝分かれ状になる構成である。
このような圧力切換え弁27回りの配管構成であって、圧力切換え弁27自体の作用について、基本的には先に図1で示したものと何ら変りがない。すなわち、能力半減運転を選択すると、圧力切換え弁27における弁体31が移動して第2のポートPbと第3のポートPcが連通して、蒸発器22から低圧冷媒が圧力切換え弁27に導かれる。
そして、圧力制御用配管16から第2のブレード背室11bに導かれ、第2のブレード12bに低圧の背圧を掛ける。第2のシリンダ室Sbが低圧雰囲気下にあるので、上記ブレード12bの先端部と後端部とで差圧が生じない。このシリンダ室Sbでは圧縮運転が行われない、休筒運転となる。
全能力運転を選択すると、第1のポートPaと第2のポートPbが連通し、高圧ガスが第1の分岐管28と圧力切換え弁27を介して圧力制御用配管16に導かれる。第2のブレード背室11bにある第2のブレード12bに高圧の背圧が掛けられ、このブレード12bの先後端部で差圧が生じて、第2のシリンダ室Sbでも圧縮運転が行われる。
問題は、能力半減運転を選択したときに、圧力切換え弁27と吸込み管Paとが第2の分岐管29aを介して連通することにある。すなわち、上述したように蒸発器22に液冷媒が寝込んだ状態にあると、蒸発器22から導出される液冷媒の一部が、アキュームレータ23に導かれる以前に第2の分岐管29aに導かれてしまう。
本来ならば、液冷媒は第2の分岐管29aから圧力切換え弁27に導かれ、さらに圧力制御用配管16を介して第2のブレード背室11bに溜まる。液冷媒は潤滑性が無いので、圧力切換え弁27においては弁体31の円滑な移動切換え動作を阻害し、第2のブレード背室11bにおいては第2のブレード12bの円滑な往復動動作を阻害してしまう。
しかしながら、ここでは蒸発器22から出て吸込み管Paに導かれた寝込み液冷媒の一部は、アキュームレータ23の上流側部位で第2の分岐管29aに分流される。第2の分岐管29aは上述したように、吸込み管Paに対して斜め上方へ向かう、いわゆる枝分かれ状に接続される構造となっている。
蒸発器22で完全蒸発した冷媒の比重に対して、寝込んでいた液冷媒の比重は重い。そのため、吸込み管Paから第2の分岐管29aへ一部の液冷媒が浸入したとしても、比重の軽い蒸発冷媒のみが第2の分岐管29a内を上昇する。そして、蒸発冷媒は圧力切換え弁27に導かれて行くが、比重の重い液冷媒のほとんどは分岐管29a内に残る 。
第2の分岐管29a内に残った液冷媒は、やがては分岐管29aの傾斜に沿って戻り、吸込み管Paに至る。そして、自然的に吸込み管Pa内を流下し、アキュームレータ23に導かれ、ここで気液分離される。
結局、蒸発器22に寝込んだ液冷媒の一部が第2の分岐管29aに浸入しても、この分岐管29aにおいて実質的な気液分離作用をなす。すなわち、低圧管である第2の分岐管29aは、吸込み管Paから浸入してきた液冷媒を気液分離する気液分離部として機能することとなる。
単に、第2の分岐管29aを吸込み管Paから枝分かれ状に接続するだけの簡素な構成で、コストに影響することなく、圧力切換え弁27の弁体31および第2のブレード12bの円滑な往復動動作が確保され、潤滑性悪化を回避できて、高い信頼性を得られる。
さらに、第2のブレード12bの円滑な往復動動作を確保して潤滑性悪化を回避し、より高い信頼性を得るためには、多気筒ロータリ式圧縮機Cに対し、後述する制御をなすことで確実となる。
図14(A)(B)は、本発明の実施形態における多気筒ロータリ式圧縮機Cを備えた冷凍サイクル装置Rの概略の冷凍サイクル構成図であり、図14(A)は全能力運転を選択した場合の冷凍サイクルを示し、図14(B)は能力半減運転を選択した場合の冷凍サイクルを示す。
図1に示す冷凍サイクル装置Rの構成部品と同一の構成部品については、同番号を付して新たな説明を省略する。なお、図中40は、多気筒ロータリ式圧縮機C他の冷凍サイクル構成部品を制御するとともに、圧力切換え弁27を切換え制御する制御部である。
上記制御部40は、冷凍サイクル運転の起動時にあたって、圧力切換え弁27を図14(A)に示す、全能力運転となるよう選択する。ある程度、この状態を継続すれば冷凍負荷が減少するので、今度は、圧力切換え弁27を図14(B)に示す能力半減運転状態に切換える。
そのまま冷凍サイクル運転を終了する場合もあれば、全能力運転と能力半減運転を何回か繰り返して終了に至る場合もある。好ましくは、制御部40は、冷凍サイクル運転終了時にあたって、能力半減運転の状態に切換える制御をなすと良い。
また、冷凍サイクル運転の起動時において制御部40は、一旦、能力半減運転の状態である、圧力制御用配管16を介して第2のブレード背室11bと低圧側である第2の分岐管29とを連通するよう制御する。そして、所定時間が経過したら、全能力運転状態に切換える制御をなす。
たとえば、夜間に外気が低下した場合、圧力制御用配管16内に凝縮して液化した冷媒が貯留する虞れがある。このような状態で、つぎの冷凍サイクル運転を開始する場合がある。
通常のように運転起動時から全能力運転状態にすると、高圧の冷媒ガスが圧力切換え弁27を介して圧力制御用配管16に導かれると同時に、圧力制御用配管16中の滞留する液冷媒が第2のブレード背室11bに導かれてしまう。液冷媒は第2のブレード背室11bにおける潤滑油の粘度を下げ、第2のブレード12bの円滑な往復動動作を阻害する。
上述したように、冷凍サイクル運転終了時に、圧力切換え弁27を能力半減運転の状態に切換えておくと、次回の冷凍サイクル起動時に、能力半減運転の状態で運転が開始され、第1のシリンダ室Saで圧縮運転が行われ、第2のシリンダ室Sbで第2のローラ9bが空回りする。
または、制御部40は、冷凍サイクル起動時に一旦は、圧力制御用配管16を介して第2のブレード背室11bと低圧側の第2の分岐管29と連通するように圧力切換え弁27を制御する。能力半減運転の状態とするので、第1のシリンダ室Saで圧縮運転が行われ、第2のシリンダ室Sbで第2のローラ9bが空回りする。
その一方で、蒸発器22から吸込み管Paを介して第1のシリンダ室Saに蒸発冷媒が吸込まれ、吸込み管Paは負圧下の状態にある。圧力制御用配管16の一端側である第2のブレード背室11bの圧力と、他端側である圧力切換え弁27を介して吸込み管Paの圧力とを比較すると、第2のブレード背室11b側が吸込み管Pa側よりも高い。
したがって、圧力制御用配管16に滞留する液冷媒は、圧力切換え弁27から吸込み管Paに導かれ、さらにはアキュームレータ23で気液分離される。このようにして圧力制御用配管16内の液冷媒が第2のブレード背室11bに導かれるのを阻止したあと、制御部40は図14(A)に示す全能力運転状態に圧力切換え弁27を切換え制御する。
冷凍サイクル運転終了時に能力半減運転の状態にしておけば、冷凍サイクル運転の開始時に改めて能力半減運転の状態に切換える必要が無く、制御のフローが簡素化する。いずれにしても、以上のような多気筒ロータリ式圧縮機Cに対する制御をなすことで、第2のブレード12bの円滑な潤滑性を確保し、高い信頼性が得られる。
上述の実施の形態では、第2のシリンダ6Bに閉塞部材15を取付け、第2のブレード背室11bを閉塞構造としたが、これに限定されるものではなく、上部側である第1のシリンダ6Aに閉塞部材15を取付け、第1のブレード背室11aを閉塞構造として、第1のシリンダ室Sa側を圧縮運転と非圧縮運転に切換えられるようにしても良い。
上記実施の形態では、吸込み管Paから低圧ガスを中間仕切り板2の吸込み案内路25と分岐案内路を介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに導くようにしたが、これに限定されるものではない。
すなわち、アキュームレータ23から2本の吸込み管が延出され、一方の吸込み管が第1のシリンダ室Saに連通し、他方の吸込み管が第2のシリンダ室Sbに連通するタイプの圧縮機であってもよい。
具体的には、第8の実施形態に係る、図15に示す多気筒ロータリ式圧縮機Cもしくは、第8の実施形態の変形例に係る、図16に示す多気筒ロータリ式圧縮機Cから説明できる。
はじめに図15から説明すると、ここでは多気筒ロータリ式圧縮機C以外の冷凍サイクル装置Rの構成部品については省略してある。多気筒ロータリ式圧縮機Cを構成する電動機部4は先に説明したものと同一であり、圧縮機構部3は基本的に、先に説明したものと全く同一である。
圧縮機構部3における相違点として、第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bとの間に介在される中間仕切り板2Aは、先に説明した中間仕切り板2と比較して、薄板のものが用いられている。そして、この中間仕切り板2Aには、先に図1他に示したように吸込み管が接続されていない。
上記中間仕切り板2Aは、単に、主軸受7Aとともに第1のシリンダ6Aの内径部を覆って、第1のシリンダ室Saを形成する。および、副軸受7Bとともに第2のシリンダ6Bの内径部を覆って、第2のシリンダ室Sbを形成するだけである。
これに代って、アキュームレータ23から2本の吸込み管Pa1、Pa2が延出され、それぞれが第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bに接続される。第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bには、各吸込み管Pa1,Pa2とシリンダ室Sa,Sbとを連通する案内通路が設けられている。
各シリンダ室Sa,Sb内に収容されるローラ9a,9bが偏心移動し、それに追従してブレード12a,12bが往復動することで、アキュームレータ23から低圧の蒸発冷媒が各吸込み管Pa1,Pa2を介して第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる、基本的な作用は変りが無い。
また、第2のブレード背室11bの上面開口部は上記中間仕切り板2Aによって覆われ、下面開口部は第2のシリンダ6B下面に取付けられる閉塞部材15によって覆われ、これらによって密閉構造となすことも変りが無い。ブレード背圧制御機構Kを構成する圧力制御用配管16および圧力切換え弁27の構成と配管接続についても変りが無い。
上記多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいて、圧力切換え弁27に対する切換え制御により、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbとで圧縮作用をなす全能力運転と、第2のシリンダ室Sbにおける圧縮運転は停止し(休筒運転)、第1のシリンダ室Saのみで圧縮作用をなす能力半減運転との切換えが可能である。
これに対して図16に示す多気筒ロータリ式圧縮機Cでは、アキュームレータ23から2本の吸込み管Pa1,Pa2が延出されて、第1のシリンダ6Aと第2のシリンダ6Bに接続されることについては変りが無い。そして、第1、第2のシリンダ6A,6B相互間に介在される中間仕切り板2Aは、図15と同様、薄板のものが用いられる。
図15との相違点として、閉塞部材15が第1のシリンダ6A上面に取付けられ、第1のブレード背室11aの上面開口部が覆われる。第2のブレード背室11aの下面開口部は中間仕切り板2Aによって覆われ、これらによって密閉構造となす。ブレード背圧制御機構Kを構成する圧力切換え弁27と、圧力制御用配管16他の配管構成は変りが無い。
したがって、上記多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいて、圧力切換え弁27に対する切換え制御により、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbとで圧縮作用をなす全能力運転と、第1のシリンダ室Saにおける圧縮運転は停止し(休筒運転)、第2のシリンダ室Sbのみで圧縮作用をなす能力半減運転との切換えが可能である。
先に図4において、密閉ケース1に対する圧力制御用配管16および吸込み管Paの貫通位置を示した。
ここでは、図15および図16で説明した、アキュームレータ23から2本の吸込み管Pa1,Pa2が延出され、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに連通される構成に適用して、密閉ケース1に対する圧力制御用配管16および2本の吸込み管Pa1,Pa2の接続構造を説明する。
図17(A)は、図15で説明した第2のシリンダ6Bに閉塞部材15を取付けて第2のブレード背室11bを閉塞する場合の、密閉ケース1に対する圧力制御用配管16と、第1、第2の吸込み管Pa1、Pa2の貫通位置を示した概略図である。
すなわち、第1の吸込み管Pa1は上部にあり、第2の吸込み管Pa2は下部にあるので、密閉ケース1に対する挿通部ha、hbは上下に並ぶ。圧力制御用配管16は第2のシリンダ6Bの下面部に取付けられる上記閉塞部材15に接続されるので、この挿通部gは第2の吸込み管挿通部hbよりも下部に位置する。
なお、密閉ケース1に対する第1の吸込み管Pa1の挿通部haと、第2の吸込み管Pa2の挿通部hbおよび圧力制御用配管16の挿通部bは、全て同一軸線上Lに揃えて設けたが、これに限定されるものではない。
図17(B)は、図15の構成の変形例での、密閉ケース1に対する圧力制御用配管16と、第1、第2の吸込み管Pa1、Pa2の貫通位置を示した概略図である。
すなわち、密閉ケース1に対する第1の吸込み管Pa1の挿通部haと、第2の吸込み管Pa2の挿通部hbは同一軸線L上に揃えられるが、圧力制御用配管16の挿通部gは軸線Lから外れた位置に設けられる。
図18(A)は、図16で説明した第1のシリンダ6aに閉塞部材15を取付けて第1のブレード背室11aを閉塞する場合の、密閉ケース1に対する圧力制御用配管16と、第1、第2の吸込み管Pa1、Pa2の貫通位置を示した概略図である。
第1の吸込み管Pa1は上部にあり、第2の吸込み管Pa2は下部にあるので、密閉ケース1に対する挿通部ha、hbは上下に並ぶ。圧力制御用配管16は第1のシリンダ6aの上面部に取付けられる上記閉塞部材15に接続されるので、この挿通部gは第1の吸込み管挿通部haの上部に位置する。
密閉ケース1に対する第1の吸込み管Pa1の挿通部haと、第2の吸込み管Pa2の挿通部hbおよび圧力制御用配管16の挿通部bは、全て同一軸線上Lに揃えて設けたが、図18(B)に概略に示すように、圧力制御用配管16の挿通部gを軸線Lから外れた位置に設けてもよい。
なお、以上説明した多気筒ロータリ式圧縮機Cにおいて、電動機部4はブラシレスDC同期モータもしくはACモータが用いられる。密閉ケース1内底部に形成される油溜り部14には潤滑油として、ポリオールエステル油またはエーテル系油(冷媒によっては、鉱油、アルキルベンゼン、PAG、フッ素系油でも良い)が用いられる。
吸込み管Paと圧力制御用配管16を密閉ケース1に接続するのにあたって、予め密閉ケース1に接続用孔を設け、ここにガイドパイプを接続する。さらに、吸込み管Paおよび圧力制御用配管16の先端にテーパパイプを接続し、これを上記ガイドパイプ内に挿入する。
第1の実施形態では、中間仕切り板2および第2のブレード背室11bに、上記テーパパイプを圧入にてシール接合する。
先に図4で説明したように、圧力制御用配管16は、アキュームレータ23側壁面に設けられた取付け金具26によって、上下方向の略中間部が支持固定される。
実際には、ここで圧力切換え弁27の第2のポートpbから延出される上部側の圧力制御用配管16と、密閉ケース1を介して第2のブレード背室11bから延出される下部側の圧力制御用配管16が接続される。
これら上下部の圧力制御用配管16の接続位置は、密閉ケース1内底部に形成される油溜り部14の液面よりも上方部位に設定する。特に、下部側圧力制御用配管16の端部を拡管加工して、圧縮機C単体で気密試験を実施するための圧力封止用カペラが取付けられるようにすると良い。
いずれにしても、パイプの密閉ケース1への取付け性が向上し、さらにロー付け等の製造性についてはパイプ間のロー材の回りこみも無く、固定バーナなどによる自動ロー付けも容易に行える。
また、圧力制御用配管16を接続するためのテーパパイプが第2のブレード背室11bに直接接続しないアダプタに取付けるようにすれば、パイプ圧入によるブレード溝10bの変形を確実に防止できる。
圧力制御用配管16は、第2のブレード12bに背圧を付与するだけで、ガス流量を必要としない。したがって、パイプ径の細いものを用いることができ、これは密閉ケース1における耐圧強度確保の面からも有利である。
以上説明した多気筒ロータリ式圧縮機Cは全て、2気筒ロータリ式圧縮機として、2シリンダタイプのものについて説明したが、3シリンダ以上のタイプの圧縮機であっても適用でき、各シリンダ室の排除容積が異なるタイプの圧縮機であっても適用できる。
本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
1…密閉ケース、5…回転軸、4…電動機部、3…圧縮機構部、C…多気筒ロータリ式圧縮機、2…中間仕切り板、Sa…第1のシリンダ室、Sb…第2のシリンダ室、10a、10b…ブレード溝、11a…第1のブレード背室、11b…第2のブレード背室、6A…第1のシリンダ、6B…第2のシリンダ、7A…主軸受、7B…副軸受、a…第1の偏心部、b…第2の偏心部、9a…第1のローラ、9b…第2のローラ、12a…第1のブレード、12b…第2のブレード、13…ばね部材(弾性体)、15…閉塞部材、16…圧力制御用配管、17…案内通路、Pa…吸込み管、26…取付け金具、23…アキュームレータ、26a…取付け金具、d…吐出孔、8a…吐出マフラ、28…第1の分岐管(高圧管)、29…第2の分岐管(低圧管)、27…圧力切換え弁(圧力切換え手段)、P…吐出管、40A,40B…油分離装置、5a…主軸部、5b…副軸部、28…高圧管(第1の分岐管)、29、29a…低圧管(第2の分岐管)、20…凝縮器、21…膨張装置、22…蒸発器。

Claims (9)

  1. 密閉ケース内に、回転軸を介して連結される電動機部と圧縮機構部を収容する多気筒ロータリ式圧縮機において、
    上記圧縮機構部は、
    中間仕切り板を介在して設けられ、それぞれの内径部に低圧ガスが導入されるシリンダ室が形成されるとともに、これらシリンダ室にブレード溝を介して連通するブレード背室が設けられる第1のシリンダおよび第2のシリンダと、
    これら第1のシリンダと第2のシリンダの端面に設けられ、上記中間仕切り板とともに上記シリンダ室を覆う軸受と、
    上記第1のシリンダと第2のシリンダにおけるそれぞれのシリンダ室に収容される偏心部を有する上記回転軸と、
    この回転軸の偏心部に嵌合され、回転軸の回転にともなって上記シリンダ室内でそれぞれ偏心回転するローラと、
    上記ブレード溝に移動自在に収容され、上記ローラ周壁に先端部が当接した状態でシリンダ室を二室に区画するブレードとを具備し、
    上記第1のシリンダと第2のシリンダに設けられるブレード背室のいずれか一方は、ブレードの後端部に弾性力を付与して、ブレード先端部をローラ周壁に接触させる弾性体を備え、
    上記ブレード背室のいずれか他方は、シリンダの軸受側端面に取付けられ、軸受とは別部品である閉塞部材および、中間仕切り板によって閉塞され、
    上記閉塞部材に、高圧と低圧を切換えて供給する圧力制御用配管が接続されるとともに、この圧力制御用配管と上記他方のブレード背室とを連通する案内通路が設けられる
    ことを特徴とする多気筒ロータリ式圧縮機。
  2. 上記第1のシリンダと第2のシリンダのシリンダ室に低圧ガスを導入する吸込み管および、上記閉塞部材に接続される圧力制御用配管は、上記密閉ケースに対する挿通位置が密閉ケースの円周方向における同一位置に揃えられる
    ことを特徴とする請求項1記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  3. 上記閉塞部材に接続される圧力制御用配管は、上記第1のシリンダと第2のシリンダのシリンダ室に低圧ガスを導入する吸込み管に取付け金具を介して固定される、もしくは、この吸込み管に連通するアキュームレータに取付け金具を介して固定される
    ことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  4. 上記第1のシリンダと第2のシリンダは上下に配置され、上部側シリンダを覆う軸受に吐出孔を有する吐出マフラが取付けられ、
    上記圧力制御用配管は、高圧を導く高圧管および低圧を導く低圧管と連通する圧力切換え手段に接続され、
    上記閉塞部材によって閉塞されるブレード背室から閉塞部材に設けられる案内通路と圧力制御用配管を介して上記圧力切換え手段までの内容積が、上部側シリンダの上端面位置から上記吐出マフラの吐出孔位置までの潤滑油容積よりも小さく設定される
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  5. 上記圧縮機構部における上記軸受は、
    上記第1のシリンダの上記電動機部側に取付けられ、上記中間仕切り板とともに第1のシリンダの内径部を覆って第1のシリンダ室を形成する主軸受および、上記第2のシリンダの反電動機部側に取付けられ、上記中間仕切り板とともに第2のシリンダの内径部を覆って第2のシリンダ室を形成する副軸受を備え、
    上記回転軸は、
    上記主軸受に軸支される主軸部および、上記副軸受に軸支される副軸部を有し、
    上記回転軸の上記主軸部の軸径をφDaとし、上記回転軸の上記副軸部の軸径をφDbとしたとき、下記(1)式が成立するように構成される
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
    Figure 0005481298
    ただし、
    L1: 第1のシリンダの軸方向中心位置から、回転軸主軸部の軸負荷位置(主軸部における第1のシリンダ室側端部から主軸部軸径の半分の距離)までの軸方向距離。
    L2: 第1のシリンダの軸方向中心位置から、第2のシリンダの軸方向中心位置までの軸方向距離。
    L3: 第2のシリンダの軸方向中心位置から、回転軸副軸部の軸負荷位置(副軸部における第2のシリンダ室側端部から副軸部軸径の半分の距離)までの軸方向距離。
  6. 上記密閉ケースに、上記圧縮機構部で圧縮された高圧ガスを吐出案内する吐出管が接続され、
    この吐出管から分岐して上記圧力制御用配管に連通する高圧管が設けられ、
    上記吐出管と上記高圧管との分岐部に、密閉ケースから吐出管へ吐出された高圧ガスに含まれる潤滑油を分離する分離装置が設けられ、
    この分離装置で分離された高圧ガスは分離装置よりも先の吐出管へ導かれ、分離装置で分離された潤滑油は高圧管と圧力制御用配管を介してブレード背室に導かれる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  7. 上記圧力制御用配管は、高圧を導く高圧管および低圧を導く低圧管と連通する圧力切換え手段に接続され、
    上記圧力切換え手段は、上記高圧管が接続されるポートと、上記低圧管が接続されるポートと、上記圧力制御配管が接続されるポートを有するとともに、内部に、圧力制御用配管接続ポートに対して高圧管接続ポートおよび低圧管接続ポートを選択的に連通するよう移動する弁体を収容した圧力切換え弁であり、
    上記低圧管は、上記第1のシリンダと第2のシリンダのシリンダ室に低圧ガスを導入する吸込み管から分岐されるとともに、上記吸込み管から浸入してきた液冷媒を気液分離する気液分離部を構成する
    ことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の多気筒ロータリ式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えて冷凍サイクルを構成する
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  9. 上記冷凍サイクルを構成する多気筒ロータリ式圧縮機は、
    冷凍サイクル運転中は、上記圧力制御用配管を介して上記ブレード背室と、高圧側である多気筒ロータリ式圧縮機と凝縮器と間の配管から分岐される高圧管とを連通する、もしくは、低圧側である蒸発器と多気筒ロータリ式圧縮機との間の配管から分岐される低圧管と連通する、のいずれにも拘わらず、
    冷凍サイクル運転起動時に、上記圧力制御用配管を介して上記ブレード背室と低圧側である上記低圧管と連通するよう制御される
    ことを特徴とする請求項8記載の冷凍サイクル装置。
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