JP5588099B2 - 膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置 - Google Patents

膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5588099B2
JP5588099B2 JP2008112455A JP2008112455A JP5588099B2 JP 5588099 B2 JP5588099 B2 JP 5588099B2 JP 2008112455 A JP2008112455 A JP 2008112455A JP 2008112455 A JP2008112455 A JP 2008112455A JP 5588099 B2 JP5588099 B2 JP 5588099B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
membrane filtration
flow rate
membrane
prefilter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008112455A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009262021A (ja
Inventor
龍男 牧志
Original Assignee
日本エンヂニヤ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本エンヂニヤ株式会社 filed Critical 日本エンヂニヤ株式会社
Priority to JP2008112455A priority Critical patent/JP5588099B2/ja
Publication of JP2009262021A publication Critical patent/JP2009262021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5588099B2 publication Critical patent/JP5588099B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、被処理水を膜ろ過処理する方法及び膜ろ過処理装置に関し、特に被処理水の濁度により膜面流速を制御しながら、膜ろ過流量が一定になるように制御する膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置に関する。
近年、水道情勢は、原水水質の悪化に伴い、単に水質基準を満足するだけではなく、より高水準の水質を求められるように変化してきた。この流れに伴い、水処理の現場においても急速ろ過法ではとりきれない病原性微生物についても監視が厳しくなり、急速ろ過法に替わる高度浄水処理法である膜ろ過処理法が注目されるようになってきた。
膜ろ過処理法では、膜面に供給された被処理水を循環することなく全量ろ過し、デッドエンドろ過とも呼ばれる方式である全量ろ過方式と、被処理水の一部を循環させることにより、被処理水が膜面に平行に流れるようにろ過する方式であるクロスフローろ過方式とがある。後者の方式は、膜面に平行な流れを作ることで被処理水中の懸濁物質やコロイド物質が膜面に堆積することを抑制しながらろ過を行う方式である。
全量ろ過方式では、被処理水中の懸濁物質等の全てが膜表面に蓄積されるのに対し、クロスフローろ過方式では膜表面に懸濁物質の一部は蓄積されるものの、被処理水の循環水側に蓄積される懸濁物質が洗い流されて移動していくために、蓄積物による膜の閉鎖現象は抑制される。しかし、クロスフローろ過方式は被処理水を循環させるために、循環させるためのエネルギーが全量ろ過方式よりも余分に必要となるためにエネルギー面では全量ろ過方式の方が有利になる。このように、コスト的に見ると全量ろ過方式の方が動力費は安くなるが、クロスフローろ過方式は前述のように、懸濁物質の膜面への付着が少ないため高いろ過流速が得られ、膜の汚染防止の点からは好ましい。
そのため、クロスフロー方式における被処理水の循環のための動力費を節約するために、被処理水の濁度に応じて、クロスフロー流量を制御する方法や装置が提案されている(特許文献1参照)。この方法、装置は被処理水の濁度が低い場合にはクロスフロー流量、すなわち被処理水の循環水量を、濁度の変化に応じて変化させるため、必要な循環水量を低減でき、効率的な運転を可能にするものである。
特開2005−270934号公報
クロスフロー方式の膜ろ過処理法において、被処理水の濁度に応じてクロスフロー流量を変化させた場合、濁度が高くなりクロスフロー流量が増えると共に、膜ろ過流量が減少してしまう。そのため、このようにクロスフロー流量を変化させる膜ろ過処理法では、膜ろ過流量の変動があり、給水の残留塩素濃度のコントロールや安定した給水量の確保に問題があった。また、このようなクロスフロー方式の膜ろ過処理法は、被処理水中の浮遊懸濁物質やコロイド物質などが膜モジュールの膜面に堆積するファウリング物質量を軽減するものではあるが、さらなる堆積物の低減と膜モジュールの寿命を延ばすことが望まれている。
本発明では、クロスフロー流量を変化させても、膜ろ過流量を一定に制御することにより、安定した給水量が確保でき、給水の残留塩素濃度のコントロールも容易にし、さらに膜モジュールの膜面に堆積するファウリング物質量をより一層軽減し、膜モジュールの寿命を延ばすことを目的とする。
本発明の膜ろ過処理法は、被処理水の濁度に応じて、クロスフロー流量を制御する膜ろ過処理法において、膜ろ過流量を一定に制御することを特徴とする。
さらに、この膜ろ過処理方法において、膜モジュールの被処理水入口流路に、膜ろ過水の一部を分取しかつ圧縮空気による気泡が混入された逆洗水で逆洗可能なプレフィルタ装置を設けることを特徴とする。
また、本発明の膜ろ過処理装置は、被処理水の濁度に応じて、クロスフロー流量を制御する手段と、膜ろ過流量を一定にする手段とを有する。
さらに、この膜ろ過処理装置は、膜モジュールの被処理水入口流路に、膜ろ過水の一部を分取した逆洗水に気泡を混入するための圧縮空気注入口が設けられ、気泡が混入された逆洗水で逆洗可能なプレフィルタ装置が設けられたことを特徴とする。

本発明のプレフィルタ装置は、膜モジュールの被処理水入口流路に設置され、逆洗水に気泡を混入するための圧力空気注入口が設けられ、気泡が混入された逆洗水で逆洗可能なプレフィルタ装置であって、少なくとも、プレフィルタの差圧値が設定値を超えたとき、もしくは膜ろ過流量が設定値を下回ったとき、もしくは循環ポンプの回転数が上限値に到達したときのいずれかに該当するときに、逆洗を開始するように制御されているプレフィルタ装置である。
本発明の方法および装置により、膜モジュールの膜面に堆積するファウリング物質が低減し、膜モジュールの寿命を延ばすと共に、クロスフロー流量の適正化によるエネルギー効率の向上に加え、安定した給水量を確保できるものである。さらには、気泡の混入した逆洗水によるプレフィルタの逆洗ができるプレフィルタ装置を設置することにより、異物の混入およびファウリング物質を防ぎ、膜モジュールの損傷を防ぐことで、膜モジュールの寿命の延長を実現すると共に、短時間で効果的なプレフィルタの逆洗をも実現し、膜ろ過処理装置の効率のよい安定運転を実現するものである。
図1は本発明の膜ろ過処理法、装置のフロー図である。被処理水源1からの被処理水は、濁度計2により濁度を計測され、被処理水槽3に流入される。被処理水は循環ポンプ4により、膜モジュール5に被処理水入口6より供給され、一部は被処理水出口7より循環水として循環され、クロスフロー流量調節弁9を経由して、被処理水槽3に循環される。一方、膜ろ過水は、膜ろ過水出口8より膜ろ過流量計10を経由して給水される。ここで、被処理水出口7より循環される循環水流量がクロスフロー流量であり、このクロスフロー流量は、濁度計2により計測される被処理水の濁度に応じて、クロスフロー流量調節弁9で制御される。すなわち、クロスフロー流量の制御は、濁度計2により計測される被処理水の濁度の値に応じて、クロスフロー流量調節弁9の開度を調整することで行うことができる。クロスフロー調節弁9の開度の調整は、濁度計2の計測値を確認し、手動により開度を調整してもよいが、濁度の計測値を制御手段に入力し、制御手段による自動制御にてクロスフロー流量調節弁9の開度を調整し、クロスフロー流量を制御することが好ましい。
濁度に応じたクロスフロー流量の値は、膜モジュールに使用される膜の材質、構造などにより変るため、実際の装置での運転に際しては、予め使用する膜モジュールで、被処理水の濁度の値を変化させ、一定時間経過後も必要な膜ろ過流速が確保できるクロスフロー流量を確認しておき、このデータに基づき、濁度に応じてクロスフロー流量を制御する。この場合、濁度が非常に低い場合には、クロスフロー流量調節弁9を閉じ、流量を0とすることも含まれる。
本発明では、このようなクロスフロー流量の制御に加えて、膜ろ過流量を一定に制御する。膜ろ過水出口8より給水される膜ろ過流量は膜ろ過流量計10により計測され、この計測値に基づいて、インバータ制御により循環ポンプ4を制御し、膜ろ過流量を一定に制御する。この場合PID制御などにより、流量の変動を抑えることが好ましい。膜ろ過流量は、ポンプ始動時や流量の設定変更時を除く定常運転時には流量の変動は±10%以内、好ましくは±5%以内に制御して運転される。
図2は膜モジュール5の被処理水入口6の流路に、圧力空気による気泡が混入された逆洗水で逆洗可能なプレフィルタ14が設置されたフロー図である。プレフィルタ14は、被処理水を膜モジュール5に供給する循環ポンプ4と被処理水入口6との経路に設置される。この経路には停止弁15、プレフィルタ一次圧力計11、プレフィルタ二次圧力計12、およびプレフィルタ逆洗排水弁16と下向き逆洗排水弁17とが設置された逆洗排水路が設けられている。プレフィルタ14にはコンプレッサー23からの圧縮空気が導入できるようになっており、プレフィルタ14の逆洗時には圧縮空気注入口28より圧縮空気が吹き込まれ、逆洗水に気泡を混入できる。
膜モジュール5やプレフィルタ14を逆洗するための逆洗水は、膜ろ過水の一部を給水逆洗水切り替え用三方弁21にて分取し、逆洗水槽22に貯えられる。逆洗水槽22には水位電極25が設けられており、逆洗水が使用され、下限水位となったのを検知すると三方弁21は逆洗水槽22側に開き、膜ろ過水を導入し、上限水位に達するのを検知すると三方弁21を給水側に開き、給水するように自動制御しており、常に逆洗水は確保できる様になっている。逆洗水槽22に貯えられた逆洗水は逆洗ポンプ24により、逆洗時に逆洗水弁19を経由して、膜ろ過水出口8より膜モジュール5に供給される。膜モジュール5自体の逆洗時には、下向き逆洗排水弁17もしくは上向き逆洗排水用三方弁18から逆洗排水が排出されるが、プレフィルタ14の逆洗時にはこれらの弁を閉じ、被処理水入口6を経由して逆洗水をプレフィルタ14に導入し、プレフィルタ逆洗排水弁16から逆洗排水を排出する。
このプレフィルタ14の逆洗フロー図を図3に示す。プレフィルタ14の逆洗時には、コンプレッサー23から圧縮空気が圧縮空気注入口28よりプレフィルタ14の内部に吹き込まれ、逆洗水に気泡が混入される。また、膜モジュールやプレフィルタの堆積物中の微生物などの有機物を酸化分解し、堆積物を効果的に除去するために、逆洗時には次亜塩素酸ナトリウム水溶液貯槽27から次亜塩素酸ナトリウム水溶液注入ポンプ26により次亜塩素酸ナトリウム水溶液が逆洗水に注入される。プレフィルタ14の概略構造の模式図を図4に示す。図4(a)は通常の運転時を示し、被処理水はプレフィルタ被処理水入口32より入り、ステンレス製円筒型メッシュ構造のスクリーン29を経由して、プレフィルタ被処理水出口31より出て、膜モジュール5に向かって流れる。逆洗運転時はこの逆に、逆洗水はプレフィルタ被処理水出口31より、円筒型メッシュ構造のスクリーン29の内部に注入され、スクリーン29を経由して、プレフィルタ被処理水入口32より排出される。図4(b)は逆洗運転時を示し、逆洗水は被処理水出口31よりスクリーン29の内部に入る。同時に、圧縮空気注入口28より圧入された圧縮空気を、エアーチューブ30により逆洗水中に吹き込むことで、洗浄圧力を高めると共に、多数の気泡33を発生させ、気泡の発生と消滅による撹拌作用を引き起こし、スクリーン29に付着した堆積物を短時間に除去することができる。
このように、本発明のプレフィルタ装置は圧縮空気を吹き込むことで、洗浄圧力を上げると共に、プレフィルタ逆洗水に気泡を混入することで物理的洗浄効果を高め、短時間でスクリーン29の堆積物を効率よく取り除き、短時間での逆洗ができる。そのため、このプレフィルタ装置を設けることで膜モジュールのファウリング物質の堆積を低減しながら、プレフィルタの逆洗によるろ過時間のロスも少なく、膜ろ過処理装置の効率のよい運転が可能である。
膜モジュール5の逆洗は膜ろ過処理装置の運転中に予め定められた間隔または、任意に手動操作により行い、通常、上向き逆洗排水用三方弁18から逆洗排水を排出する上向き逆洗、次いで下向き逆洗排水弁17より逆洗排水を排出する下向き逆洗の順番で行われるが、この上向き逆洗と下向き逆洗の順序は変更可能であり、いずれの逆洗を先に行ってもよい。この膜モジュール5の逆洗に引き続き、プレフィルタ14の逆洗が行われる。プレフィルタ14の逆洗は膜モジュール5を通過させた逆洗水で行ってもよいし、膜モジュール5をバイパスする配管を設けて、膜モジュール5を通過することなく逆先を行ってもよい。これらの逆洗の頻度の目安は30〜120分の膜ろ過運転に、一回程度の間隔で行い、逆洗時間は膜モジュールの逆洗を50〜150秒、プレフィルタ14の逆洗を5〜25秒程度行う。本発明では、さらに膜モジュール5の膜面へのファウリング物質の堆積を防ぎ、より効率のよい膜ろ過処理装置の運転を行うために、少なくとも、プレフィルタ14の差圧値が設定値を超えたとき、もしくは膜ろ過流量が設定値を下回ったとき、もしくは循環ポンプ4の回転数が上限値に到達したときのいずれかに該当するときに、プレフィルタ14の逆洗を自動的に開始するようにしておくことがより効果的である。このようなプレフィルタ14の逆洗の開始は、膜ろ過処理装置の制御部に予めプログラムを組み込んでおくことで自動的に行うことができる。具体的には、プレフィルタ一次圧力計11とプレフィルタ二次圧力計12との間で測定されるプレフィルタ差圧値、および膜ろ過流量計10で測定される膜ろ過流量値、および循環ポンプ4の回転数を制御するインバータ周波数を制御部で監視し、それぞれの値の内少なくとも一つが設定値を超えるか、下回る、ないしは上限値に到達したときに、弁15、17、9および20を閉じ、弁16、19を開き、逆洗ポンプ24、コンプレッサー23および次亜塩素酸ナトリウム水溶液注入ポンプ26を始動してプレフィルタ14の逆洗を開始するようにプログラムを組み込んでおくことで、自動制御できる。
本発明に用いられる膜モジュールには各種の分離膜が適用できるが、特に中空糸タイプの限外ろ過(UF)膜や精密ろ過(MF)膜が好ましく適用される。膜の材質は酢酸セルロース、ポリアミド、ポリアクリロニトリリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルフォン、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機高分子材料やセラミック、アルミナなどの無機材料なども用いることができる。このような膜モジュールは多数のメーカーにより市販されており、それらの中から処理水量などを勘案して選択することができる。
プレフィルタ装置に用いられるスクリーンとしては、メッシュの開口部10〜300μmのステンレス製円筒型メッシュ構造のスクリーンが好ましく用いられる。逆洗時にプレフィルタに吹き込まれる圧縮空気の圧力は0.1〜0.7MPaが好ましい。
また、本発明の方法、装置が適用できる被処理水の濁度は限定されるものではないが、好ましくは0〜200度(mg/L)の濁度範囲である。膜ろ過流速は1〜5m3/(m2・日)の範囲が好ましく、膜モジュールの膜面積にもよるが、膜モジュール単位の膜ろ過水流量は16〜80m3/hの範囲が好ましく適用される。
また、プレフィルタの逆洗を開始するプレフィルタの差圧の設定値は0.05〜0.3MPaの間で設定し、この設定値を超えたときに逆洗を開始するようにする。同じく膜ろ過流量については一定に制御している膜ろ過流量が設定値の90%以下の値になったときプレフィルタの逆洗を開始するように設定することが好ましい。さらに、プレフィルタの逆洗を開始する循環ポンプの回転数を制御するインバータ周波数の上限値については、50〜55Hz程度に設定し、この設定値に到達したとき逆洗を開始するようにすることが好ましい。
以上のように本発明では、濁度に応じたクロスフロー流量の制御に加えて、膜ろ過流量を一定に制御するとともに、必要によりさらに、気泡が混入された逆洗水にて逆洗可能なプレフィルタを導入して、設定された運転状態になったときに、このプレフィルタを逆洗するものである。この構成により、クロスフロー流量が変化しても一定の膜ろ過流量を確保し、さらに膜モジュールのファウリング物質の堆積を低減し、膜モジュールの寿命を延長しながら、膜モジュールやプレフィルタの逆洗によるろ過時間のロスも少なく、膜ろ過処理装置の効率のよい運転を可能とする。従来の装置は膜ろ過流量が一定でないため、クロスフロー流量が増加するにつれて、膜ろ過流量が減少する。さらに、逆洗回数の増加のために、膜ろ過水から多量の逆洗水を確保したり、実質の膜ろ過運転時間が短くなったりする。これらのため、規定の膜ろ過水を確保するためには、膜ろ過処理装置のろ過処理の最大処理能力は2倍以上の能力が必要となる。これに対して本発明の膜ろ過処理装置は規定の膜ろ過水に対し1.2倍程度の能力でよいため、膜ろ過処理装置の設備コストが低減できる。
以下実施例にてさらに詳細を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
表流水を原水とした被処理水の除濁処理を目的にUF膜を使用した膜ろ過処理装置での実験運転を行った。実験で使用した膜モジュールの仕様を表1に示す。実験フローは図2に示したとおりである。実験で使用した膜モジュール5は、ダイセルメンブレンシステムズ社製のケーシング収納型内圧式UF膜モジュールである。濁度計2は、表面散乱光形で、分解能0.01度、精度±2%F.S.の濁度計を使用して測定した。
Figure 0005588099
運転方法は、60分ろ過―80秒膜モジュール逆洗―15秒プレフィルタ逆洗のサイクル運転とした。実験は被処理水の濁度を濁度計2で測定し、その値に応じてクロスフロー流量調節弁9を調節して、クロスフロー流量を制御して運転した。膜ろ過流量は膜ろ過流量計10の測定値を基に、循環ポンプ4をPIDインバータ制御し、2.0m3/h±3%に制御した。濁度の経時変化とクロスフロー流量および膜ろ過流量の制御値、ならびに差圧の変化について、0時から24時の一日のデータを図5〜7に示す。ここで、各流量の値は1分毎の瞬間値であり、濁度値、差圧も同様である。図8はプレフィルタの有無による膜間差圧の変化を示す。
図5は各時刻における被処理水(原水)濁度変化と、それに対する膜ろ過流量およびクロスフロー流量の制御の状況を示し、縦軸左側目盛は濁度(mg/L)を、縦軸右側目盛は流量(m3/h)を表す。0時から4時頃までは、被処理水濁度の値は3〜5mg/Lであり、それに応じて、クロスフロー調節弁により、クロスフロー流量を0.2から0.35m3/hに制御した。4時以降10時までは被処理水濁度は2mg/L以下となったため、クロスフロー流量はほぼ0とした。10時過ぎに濁度が急に上昇し、瞬間的に13.2mg/Lにまで達したため、クロスフロー流量もそれに追従し0.7m3/h以上の流量としたが、濁度は短時間で4mg/L程度に低下したため、クロスフロー流量は0.2m3/hとした。濁度が3〜5mg/L程度であった11時以降17時頃までは、4時以前と同様にクロスフロー流量は0.2〜0.35m3/hに制御し、濁度が2mg/L以下となった17時以降21時頃までは、クロスフロー流量は0とし、濁度が4mg/Lとなった21時以降24時までは、クロスフロー流量を0.2〜0.35m3/hに制御した。尚、膜ろ過流量が0m3/hとなっている時刻は、60分毎の逆洗を行っている時刻であり、膜ろ過流量が0となっている。また膜ろ過流量は、逆洗時と逆洗終了後のろ過運転再開直後を除けば、循環ポンプをインバータ制御することで、膜ろ過流量は2.00m3/h±3%に制御されている。
図6は、図5の運転条件下でのモジュールの膜間差圧およびプレフィルタ差圧のデータを示した。被処理水の濁度の変動にもかかわらず、膜間差圧は逆洗後の運転開始時を除き、23.0±1.5kPaに収まり安定した運転ができた。尚、膜間差圧が0になっている時刻は逆洗を行っている時刻である。また、今回の運転条件ではプレフィルタの差圧は最大で38kPaであり、逆洗開始の設定値を超えず、循環ポンプのインバータ周波数も設定値を超えることがなかったため、60分毎の定期逆洗以外にはプレフィルタの逆洗の必要はなかった。図7は、プレフィルタの差圧と逆洗流量を示したもので、各逆洗では約8.7m3/hの流量で逆洗を行い、堆積物を除くことで差圧の発生を解消している。
以上の運転方法により、効率のよい膜ろ過運転を行うことができ、逆先による膜ろ過運転の効率低下も防ぎ、安定した給水を実現することができた。
また、実施例の実験装置からプレフィルタ装置を取り外して、濁度3mg/Lの被処理水をクロスフロー流量0.2m3/hで固定、膜ろ過流量2.0m3/hで一定運転したところ、図8に示すようにこの装置での膜間差圧(PF無)は60分の運転で膜モジュールの膜間差圧が約15.4kPa上昇した。プレフィルタを設置した本実施例の装置では、60分運転した場合の膜間差圧(PF有)の上昇は、図8に示されるように1.5kPa以下であった。実施例では前述の図6に示すように、60分毎の逆洗により23.0±1.5kPaに収まり安定した運転であったが、プレフィルタのない装置ではこのようにモジュールの膜間差圧の上昇が大きく、膜ろ過流量を確保するために、実施例と比較して循環ポンプの回転数を上昇させることが必要となり、膜ろ過運転の効率が低下する。
図9に、実施例の実験装置で、クロスフロー流量のみを変化させ、膜ろ過水流量を制御しないで、循環ポンプのインバータ周波数を30Hzに固定し運転した、膜ろ過流量の結果を示す。膜ろ過流量を制御しない場合は、クロスフロー調節弁開度を大きくし、クロスフロー流量を増加させると、膜ろ過流量が減少し、安定した給水は期待できない。
以上のように、本発明の方法や装置による膜ろ過処理によって、被処理水の濁度に変動があっても、安定した膜ろ過流量を確保し、また膜モジュールのファウリング物質の低減により膜間差圧の上昇も少なく、さらに、短時間で効果的なプレフィルタの逆洗をも実現し、膜ろ過処理装置の効率のよい安定運転を実現し、安定した給水も確保できる。さらに、ファウリング物質の一層の低減により、膜モジュールの寿命の延長を実現すると共に、短時間で効果的なプレフィルタの逆洗をも実現し、膜ろ過処理装置の効率のよい安定運転を実現するものである。
本発明の膜ろ過処理法および膜ろ過処理装置は上水道の浄化に特に好ましく適用される。
本発明の膜ろ過処理法、装置のフロー図である。 プレフィルタを設置した本発明の膜ろ過処理法、装置のフロー図である。 プレフィルタ装置の逆洗のフロー図である。 本発明のプレフィルタの模式図である。 実施例における、濁度の経時変化とクロスフロー流量の制御値および膜ろ過水量の制御値を示すグラフである。 実施例における、濁度の経時変化と膜モジュールの膜間差圧、プレフィルタ差圧の経時変化を示すグラフである。 実施例における、プレフィルタ差圧と逆洗流量を示すグラフである。 プレフィルタの有無と膜間差圧の変化を示すグラフである。 ろ過流量を一定に制御しない場合のクロスフロー流量とろ過流量変化を示すグラフである。
符号の説明
1 被処理水源
2 濁度計
3 被処理水槽
4 循環ポンプ
5 膜モジュール
6 被処理水入口
7 被処理水出口
8 膜ろ過水出口
9 クロスフロー流量調節弁
10 膜ろ過流量計
11 プレフィルタ一次圧力計
12 プレフィルタ二次圧力計
13 膜ろ過水圧力計
14 プレフィルタ
15 停止弁
16 プレフィルタ逆洗排水弁
17 下向き逆洗排水弁
18 上向き逆洗排水用三方弁
19 逆洗水弁
20 膜ろ過水弁
21 給水逆洗水切り替え用三方弁
22 逆洗水槽
23 コンプレッサー
24 逆洗ポンプ
25 水位電極
26 次亜塩素酸ナトリウム水溶液注入ポンプ
27 次亜塩素酸ナトリウム水溶液貯槽
28 圧縮空気注入口
29 スクリーン
30 エアーチューブ
31 プレフィルタ被処理水出口
32 プレフィルタ被処理水入口
33 気泡

Claims (1)

  1. 被処理水の濁度に応じて、クロスフロー流量を制御する手段と、膜ろ過流量を一定にする手段と、膜モジュールの被処理水入口流路に、膜ろ過水の一部を分取した逆洗水に気泡を混入するための圧縮空気注入口が設けられ、気泡が混入された逆洗水で逆洗可能なプレフィルタ装置が設けられた膜ろ過処理装置において、プレフィルタ装置は、プレフィルタの差圧値が設定値を超えたとき、もしくは膜ろ過流量が設定値を下回ったとき、もしくは循環ポンプの回転数が上限値に到達したときはいずれの場合であっても、逆洗を開始するように制御されていることを特徴とする膜ろ過処理装置。
JP2008112455A 2008-04-23 2008-04-23 膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置 Active JP5588099B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008112455A JP5588099B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008112455A JP5588099B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009262021A JP2009262021A (ja) 2009-11-12
JP5588099B2 true JP5588099B2 (ja) 2014-09-10

Family

ID=41388552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008112455A Active JP5588099B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5588099B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103298542A (zh) 2010-10-15 2013-09-11 艾克塞勒雷克斯公司 大容量的一次性超滤系统和方法
JP5768391B2 (ja) * 2011-02-08 2015-08-26 栗田工業株式会社 濾過装置
JP6038767B2 (ja) * 2013-12-09 2016-12-07 東京都下水道サービス株式会社 フィルタ洗浄方法及び装置
JP7215366B2 (ja) * 2019-07-17 2023-01-31 株式会社島津製作所 非対称流流動場分画装置
CN114669097B (zh) * 2022-05-31 2022-08-02 山东浦创流体技术有限公司 矿井水处理用碳化硅陶瓷膜装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6283086A (ja) * 1985-10-07 1987-04-16 Nec Kyushu Ltd 研削排水回収装置
JPH0957260A (ja) * 1995-08-22 1997-03-04 Toshiba Corp 浄水器
JP3738115B2 (ja) * 1997-06-30 2006-01-25 三洋電機株式会社 汚水処理装置
JPH11333267A (ja) * 1998-05-27 1999-12-07 Osaka Gas Co Ltd 液体濾過装置及びそれを用いた燃料電池発電装置
JP2002153707A (ja) * 2000-11-20 2002-05-28 Ebara Corp ろ過体及びそれを用いた固液分離装置
JP2002263412A (ja) * 2001-03-14 2002-09-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd フィルター洗浄方法
JP2002361049A (ja) * 2001-06-07 2002-12-17 Daicen Membrane Systems Ltd 洗車排水処理装置
JP2003251383A (ja) * 2001-12-27 2003-09-09 Shinko Pantec Co Ltd 汚水処理方法及びその処理装置
JP2005270934A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Ebara Corp 膜ろ過方法及び膜ろ過装置
JP4982094B2 (ja) * 2006-03-17 2012-07-25 株式会社東芝 膜ろ過制御装置
JP4831480B2 (ja) * 2006-06-21 2011-12-07 三浦工業株式会社 膜濾過システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009262021A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2860191B2 (ja) 自動水濾過装置において運転モードを変更する方法
CN104968421B (zh) 用于清洁膜的系统及使用其清洁膜的方法
KR100600567B1 (ko) 섬유여과기 내에 침지식 분리막 모듈을 일체화한 수처리장치
JP6607319B2 (ja) 分離膜モジュールの詰まり箇所特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、造水システム及び造水方法
JP5588099B2 (ja) 膜ろ過処理法及び膜ろ過処理装置
JP2010207800A (ja) ろ過ユニットおよびこれを備えたろ過装置
JPH11319516A (ja) 水ろ過処理装置およびその運転方法
JP3473309B2 (ja) 膜分離装置の運転制御装置
KR20080010909A (ko) 섬유여과기 내에 침지식 분리막 모듈을 일체화한 수처리장치 및 수처리방법
JP2014008439A (ja) 膜分離式水処理装置および水処理分離膜の洗浄方法
JP2011078889A (ja) 濾過部材洗浄システム
KR101522254B1 (ko) 유동적 회수율을 갖는 2단 막여과 시스템 및 이의 운전방법
JPH081158A (ja) 水浄化システムの運転方法および水浄化装置
JP2007289899A (ja) 膜分離手段の膜洗浄方法及び水処理装置
JP3445916B2 (ja) 水処理装置
JP2006130496A (ja) 水処理装置およびその運転方法
JPH10151328A (ja) 膜を用いた濾過方法
KR200365882Y1 (ko) 한외여과막 모듈을 이용한 정수 장치
JPH0631270A (ja) 水の膜浄化方法及びその装置の運転方法
KR20090043842A (ko) 고효율 분리막 세정방법
JPH07204476A (ja) 水浄化システムとその運転方法
JP6812198B2 (ja) 水処理装置及び水処理方法
JP2006043655A (ja) 水処理装置およびその運転方法
JP6264095B2 (ja) 膜モジュールの洗浄方法
JP4876391B2 (ja) プレコート液の濃度制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140715

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5588099

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250