JP5586266B2 - リッド取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のインストルメントパネルなどに設けられるボックスのリッド取付構造に関する。
自動車の前席の前方(車室の最前部)には、インストルメントパネル(ダッシュボード)が車幅方向の全幅にわたって設けられている。インストルメントパネルには、通常、助手席の前方に、グローブボックスが設けられている。グローブボックスは、前方に向かって窪み、正面(助手席側の面)が開放された凹部として形成されている。そして、グローブボックスでは、その正面の開口を開閉するリッドが設けられたものが一般的である。
図4は、従来のリッド付グローブボックスの一例を示す断面図である。
図4に示すグローブボックス101では、リッド102が開口103を閉塞した状態から上方に持ち上がって、開口103が開放されるようになっている。
具体的には、リッド102の裏面には、2つのヒンジレバー104が車幅方向に間隔を空けて設けられている。ヒンジレバー104は、その一端が開口103を閉塞した状態のリッド102の上端部に接続され、リッド102の裏面から離れる側に膨らむように湾曲し、他端部がグローブボックス101の上部に配置されている。グローブボックス101内の上部には、各ヒンジレバー104に対応して、ブラケット105が設けられている。各ヒンジレバー104の他端部は、ブラケット105に車幅方向に延びる支持軸106を介して回動自在に連結されている。これにより、リッド102は、支持軸106を支点として、開口103を閉塞する状態と、その状態から下端が上方に持ち上がり、開口103を開放する状態とに開閉可能に設けられている。
図5は、従来のリッド付グローブボックスの他の例を示す断面図である。
図5に示すグローブボックス201では、リッド202が開口203を閉塞した状態から上方に持ち上がって、開口203が開放されるようになっている。
具体的には、リッド202の裏面には、開口203を閉塞した状態のリッド202の上端縁から下方に少し離れた位置に、2つの軸挿通部204が車幅方向に互いに間隔を空けて設けられている。グローブボックス201の上端部には、車幅方向に延びる支持軸205が設けられている。この支持軸205が軸挿通部204に挿通されることにより、リッド202は、支持軸205を支点として、開口203を閉塞する状態と、その状態から下端が上方に持ち上がり、開口203を開放する状態とに開閉可能に設けられている。
特開平9−286281号公報 特開2000−352252号公報
ところが、図4に示すグローブボックス101では、グローブボックス101内に、リッド202の開閉に伴ってヒンジレバー104が回動するためのスペースを必要とする。そのため、グローブボックス101内の上部に、物を配置することができないデッドスペースが生じる。
また、図5に示すグローブボックス201では、リッド202が開かれたときに、リッド202の上端部がグローブボックス101の上端縁とインストルメントパネル206との間に入り込むようになっている。すなわち、グローブボックス101の上端縁とインストルメントパネル206との間には、リッド20が開かれたときに、そのリッド202の上端部を逃がすための凹部207が形成されている。そのため、リッド202が開かれたときに、凹部207内に小物が落下するおそれがある。
本発明の目的は、ボックス内にデッドスペースを生じず、かつ、ボックスが装着されるインストルメントパネルなどのパネルとの間に小物が落下するような凹部を確保する必要がない、ボックスのリッド取付構造を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明は、パネルの正面から窪む凹部として形成されるボックスに、そのボックスの開口を開閉するためのリッドを取り付ける構造において、前記ボックスの前記開口側の端部に、前記ボックスの外側に突出して形成されたブラケット部と、前記ブラケット部の前記開口側の端部に突設され、前記開口の一端縁に沿う方向に延びるブラケット側軸と、前記ブラケット部における前記ブラケット側軸に対して前記ボックスの奥行方向に間隔を空けて形成され、前記ブラケットの突出方向に対して交差する方向に延びるブラケット側ガイド溝と、前記リッドに形成され、前記ブラケット部に対して前記開口の前記一端縁に沿う方向から対向する対向部と、前記対向部に突設され、前記ブラケット側ガイド溝に入り込むリッド側軸と、前記対向部に形成され、前記ブラケット側軸が入り込むリッド側ガイド溝とを備え、前記ブラケット側軸が前記リッド側ガイド溝内を摺動するとともに、前記リッド側軸が前記ブラケット側ガイド溝内を摺動することにより、前記リッドが前記開口を開放する状態と前記開口を閉塞する状態とに開閉されることを特徴としている。
このリッド取付構造では、ボックスの開口側の端部の外側に、ブラケット部が形成されている。ブラケット部には、開口の一端縁に沿う方向に延びるブラケット側軸が突設されるとともに、そのブラケット側軸に対してボックスの奥行方向に間隔を空けた位置に、ブラケットの突出方向に対して交差する方向に延びるブラケット側ガイド溝が形成されている。一方、リッドには、ブラケット部に対して開口の一端縁に沿う方向から対向する対向部が形成されている。この対向部には、ブラケット側ガイド溝に入り込むリッド側軸と、ブラケット側軸が入り込むリッド側ガイド溝とが形成されている。そして、ブラケット側軸がリッド側ガイド溝内を摺動するとともに、リッド側軸がブラケット側ガイド溝内を摺動することにより、リッドが開口を開放する状態と開口を閉塞する状態とに開閉される。
リッドが開口を閉塞する状態では、リッド側軸がブラケット側ガイド溝内の奥側の端部に配置される。リッドが開かれるのに伴い、リッド側軸がブラケット側ガイド溝内を奥側から手前側(開口側)へと摺動する。そして、ブラケット側ガイド溝に対して手前側にブラケット側軸が設けられ、そのブラケット側軸がリッド側ガイド溝に入り込んでいるので、リッドは、ブラケット側軸を中心に回動しつつ、リッド側ガイド溝に沿う方向に移動する。そのため、パネルとボックスとの間に、リッドの対向部側の端部を逃がすための凹部を確保する必要がない。
また、ブラケット部がボックスの外側に突出して形成されているので、リッドの開閉時にリッドの対向部が移動する空間をボックス内に確保する必要がなく、ボックス内にデッドスペースを生じない。よって、ボックス内の空間を収納空間として最大限に有効に利用することができる。
前記リッド取付構造では、前記ブラケット側ガイド溝内に、前記リッドが前記開口を開放する状態で前記リッド側軸を前記ブラケット側ガイド溝の一端部に保持するためのブラケット側突起が形成され、前記リッド側ガイド溝内に、前記リッドが前記開口を開放する状態で前記ブラケット側軸を前記リッド側ガイド溝の一端部に保持するためのリッド側突起が形成されていることが好適である。
このようなリッド取付構造では、リッドが開口を開放する状態で、リッド側軸がブラケットガイド溝の一端部に保持され、ブラケット側軸がリッドガイド溝の一端部に保持されるので、そのリッドの開状態を保持することができる。
本発明によれば、ブラケット側軸がリッド側ガイド溝内を摺動するとともに、リッド側軸がブラケット側ガイド溝内を摺動することにより、リッドが開口を開放する状態と開口を閉塞する状態とに開閉される。リッドが開かれるのに伴い、リッド側軸がブラケット側ガイド溝内を摺動する。そして、ブラケット側ガイド溝に対して手前側にブラケット側軸が設けられ、そのブラケット側軸がリッド側ガイド溝に入り込んでいるので、リッドは、ブラケット側軸を中心に回動しつつ、リッド側ガイド溝に沿う方向に移動する。そのため、パネルとボックスとの間に、リッドの対向部側の端部を逃がすための凹部を確保する必要がない。また、ブラケット部がボックスの外側に突出して形成されているので、リッドの開閉時にリッドの対向部が移動する空間をボックス内に確保する必要がなく、ボックス内にデッドスペースを生じない。よって、ボックス内の空間を収納空間として最大限に有効に利用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るリッド取付構造が適用されたグローブボックスの側断面図である。 図2は、図1に示すブラケット部および上壁部の構造を示す斜視図である。 図3は、図1に示すリッドおよびリッドアームの構造を示す斜視図である。 図4は、従来のリッド付グローブボックスの一例を示す断面図である。 図5は、従来のリッド付グローブボックスの他の例を示す断面図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るリッド取付構造が適用されたグローブボックスの側断面図である。
自動車の前席の前方(車室の最前部)には、図1に仮想線で示すように、インストルメントパネル1(ダッシュボード)が車幅方向の全幅にわたって設けられている。グローブボックス2は、たとえば、インストルメントパネル1における助手席の前方の位置において、正面(助手席側の面)から窪む凹部として形成されている。そして、グローブボックス1には、正面の開口3を開閉するリッド4が設けられている。
グローブボックス1は、開口3の上端縁から前方に延びる上壁部5と、開口3の下端縁から前方に延びる下壁部6と、開口3の車幅方向の両端縁から前方に延び、上壁部5および下壁部6に跨る1対の側壁部(図示せず)と、上壁部5、下壁部6および両側壁部により取り囲まれる空間を前方から閉塞する奥壁部7とを一体的に備えている。
上壁部5の助手席側の端部には、ブラケット部8が設けられている。ブラケット部8は、上壁部5の助手席側の端部において、車幅方向に間隔を空けて2つ設けられ、上壁部5(グローブボックス2)と一体的に形成されている。
図2は、図1に示すブラケット部および上壁部の斜視図である。
図2に示すように、ブラケット部8は、上壁部5の上面から立設される板状の本体部10を有している。本体部10は、その前端面(奥側の端面)が略上下方向に延び、後側(手前側)ほどその上下方向の幅が小さくなるような側面視略三角形状に形成されている。本体部10の後端部(手前側の端部)は、上壁部5の後端部よりも後方に突出している。
本体部10の後端部には、その車幅方向の外側に向けて延びるブラケット側軸11が突設されている。ブラケット側軸11は、円柱状に形成されている。
また、本体部10の前後方向の途中部には、本体部10を車幅方向に貫通するブラケット側ガイド溝12が、本体部10の前側上方(奥側上方)から後側下方(手前側下方)に向けて一定勾配で傾斜する長孔として形成されている。ブラケット側ガイド溝12は、ブラケット側軸11に対して前方に間隔を空けて形成されている。また、ブラケット側ガイド溝12の幅は、後述するリッド側軸17の外径よりもわずかに大きなサイズに形成されている。そして、ブラケット側ガイド溝12の前端部付近の上面および下面には、リッド側軸17をブラケット側ガイド溝12の後端部に保持するためのブラケット側突起16が形成されている。
図3は、リッドおよびリッドアームの構造を示す斜視図である。
リッド4の車幅方向の両端部には、対向部15が設けられている。各対向部15は、図1に示すように、各ブラケット部8に対して車幅方向の外側から対向している。対向部15は、リッド4が開口3を閉塞した状態(図1参照)で、前方に延びている。対向部15の前端部(奥側の端部)は、前方ほどその上下方向の幅が小さくなるような側面視略三角形状に形成されている。
対向部15の前端部には、その車幅方向の内側に向けて延びるリッド側軸17が設けられている。リッド側軸17は、円柱状に形成されている。
また、対向部15の前後方向途中部には、対向部15を車幅方向に貫通するリッド側ガイド溝18が、対向部15の前側下方から後側上方に向けて一定勾配で傾斜する長孔として形成されている。リッド側ガイド溝18は、リッド側軸17に対して前後方向に間隔を空けて形成されている。リッド側ガイド溝18の幅は、ブラケット側軸11の外径よりもわずかに大きなサイズに形成されている。そして、リッド側ガイド溝18の後端部付近の上面および下面には、ブラケット側軸11をリッド側ガイド溝18の前端部に保持するためのリッド側突起19が形成されている。
図1に示すように、ブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18に車幅方向内側から挿入され、リッド側軸17がブラケット側ガイド溝12に車幅方向外側から挿入されることにより、ブラケット部8にリッド4が取り付けられている。
リッド4が開口3を閉塞する状態では、リッド側軸17がブラケット側ガイド溝12内の前側の端部に配置される。ブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18内の手前側(リッド4側)の端部に配置される。
リッド4が開かれると、リッド側軸17は、ブラケット側ガイド溝12内を前側から後側(開口3側)へと摺動する。また、ブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18に入り込んでいるので、リッド4は、ブラケット側軸11を中心に下端部が上がるように回動しつつ、リッド側ガイド溝18に沿って上方に移動する。そのため、リッド4の対向部15側の端部は、リッド4の開放とともに略上方へ移動する。そして、リッド側軸17がブラケット側突起16を乗り越えて、ブラケット側ガイド溝12の後端部に配置され、ブラケット側軸11がリッド側突起19を乗り越えて、リッド側ガイド溝18の前端部に配置されると、リッド側軸17およびブラケット側軸11は、それぞれブラケット側突起16およびリッド側突起19により、その配置が保持される。これにより、リッド4が開かれて、開口3が開放された状態が保持される。
一方、リッド4が開かれた状態から閉じられると、リッド側軸7は、ブラケット側ガイド溝12内を後側から前側へと摺動する。また、ブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18に入り込んでいるので、リッド4は、ブラケット側軸11を中心に下端部(手前側の端部)が下がるように回動しつつ、リッド側ガイド溝18に沿って下方に移動する。そして、リッド側軸17がブラケット側ガイド溝12の前端部に配置され、ブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18の後端部に配置されると、リッド4により開口3が閉塞される。
以上のように、ブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18内を摺動するとともに、リッド側軸17がブラケット側ガイド溝12内を摺動することにより、リッド4が開口3を開放する状態と開口3を閉塞する状態とに開閉される。リッド4が開かれるのに伴い、リッド側軸17がブラケット側ガイド溝12内を摺動する。そして、ブラケット側ガイド溝12に対して後側にブラケット側軸11が設けられ、そのブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18に入り込んでいるので、リッド4は、ブラケット側軸11を中心に回動しつつ、リッド側ガイド溝18に沿う方向に移動する。そのため、インストルメントパネル1とグローブボックス2との間に、リッド4の対向部15側の端部を逃がすための凹部を確保する必要がない。また、ブラケット部8がグローブボックス2の外側(上側)に突出して形成されているので、リッド4の開閉時にリッド4の対向部15が移動する空間をグローブボックス2内に確保する必要がなく、グローブボックス2内にデッドスペースを生じない。よって、グローブボックス2内の空間を収納空間として最大限に有効に利用することができる。
また、ブラケット側ガイド溝12およびリッド側ガイド溝18にそれぞれブラケット側突起16およびリッド側突起19が形成されているので、リッド4が開かれて、開口3が開放された状態になると、リッド側軸17がブラケット側ガイド溝12の後端部に保持され、ブラケット側軸11がリッド側ガイド溝18の前端部に保持される。これにより、リッド4が開かれた状態を保持することができる。
1 インストルメントパネル
2 グローブボックス(ボックス)
3 開口
4 リッド
8 ブラケット部
11 ブラケット側軸
12 ブラケット側ガイド溝
15 対向部
17 リッド側軸
18 リッド側ガイド溝

Claims (2)

  1. パネルの正面から窪む凹部として形成されるボックスに、そのボックスの開口を開閉するためのリッドを取り付ける構造において、
    前記ボックスの前記開口側の端部に、前記ボックスの外側に突出して形成されたブラケット部と、
    前記ブラケット部の前記開口側の端部に突設され、前記開口の一端縁に沿う方向に延びるブラケット側軸と、
    前記ブラケット部における前記ブラケット側軸に対して前記ボックスの奥行方向に間隔を空けて形成され、前記ブラケットの突出方向に対して交差する方向に延び、前記ボックスの奥行方向に向かって前記ブラケット部の突出方向に一定勾配で傾斜するブラケット側ガイド溝と、
    前記リッドに形成され、前記ブラケット部に対して前記開口の前記一端縁に沿う方向から対向する対向部と、
    前記対向部に突設され、前記ブラケット側ガイド溝に入り込むリッド側軸と、
    前記対向部における前記リッド側軸に対して前記ボックスの奥行方向の反対方向に間隔を空けて形成され、前記ブラケット側軸が入り込む、前記ボックスの奥行方向に向かって前記ブラケット部の突出方向の反対方向に一定勾配で傾斜するリッド側ガイド溝とを備え、
    前記ブラケット側軸が前記リッド側ガイド溝内を摺動するとともに、前記リッド側軸が前記ブラケット側ガイド溝内を摺動することにより、前記リッドが前記開口を開放する状態と前記開口を閉塞する状態とに開閉され
    前記リッドが前記開口を閉塞する状態のときに、前記ブラケット側ガイド溝および前記リッド側ガイド溝の側面視投影面が、Vの字状に形成されることを特徴とする、リッド取付構造。
  2. 前記ブラケット側ガイド溝内に、前記リッドが前記開口を開放する状態で前記リッド側軸を前記ブラケット側ガイド溝の一端部に保持するためのブラケット側突起が形成され、
    前記リッド側ガイド溝内に、前記リッドが前記開口を開放する状態で前記ブラケット側軸を前記リッド側ガイド溝の一端部に保持するためのリッド側突起が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のリッド取付構造。
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