JP6308800B2 - 車両用物入れ構造 - Google Patents

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本発明は、車両部材に設けられた物入れ凹部と、該物入れ凹部の開口を開閉する蓋部材と、該蓋部材の過開きを防止するストッパ部とを備えた車両用物入れ構造に関する。
一般に自動車のインストルメントパネルには、小物を収納する物入れボックスが配設されている。この種の物入れボックスでは、蓋部材の過開きを防止するために、従来、例えば特許文献1には、蓋部材の左,右端部に取り付けられたストッパアームの係止部をボックス本体の開口穴の縁部に係止させる構造が開示されている。また特許文献2には、蓋部材の左,右側壁に設けられたガイドピンをボックス本体の左,右側壁に形成されたカイド溝に係止させる構造が開示されている。
特開平9−286281号公報 特開平11−192893号公報
ところで、前記特許文献1,2では、蓋部材に不用意な外力が加わった場合の変形,破損を防止するために、ストッパアーム及びカイドピン周辺の剛性を上げる必要があり、コストや重量が増えるという問題がある。
また前記特許文献1,2では、蓋部材を開閉するストッパアーム,ガイドピンを蓋部材の両端部に配設しており、このため蓋部材に加わる外力によって、蓋部材の車幅方向中央部が撓み易く、前記ストッパアーム及びカイドピンに荷重が集中するという問題がある。
本発明は、前記従来の実情に鑑みてなされたもので、コストや重量を増やすことなく、外力による蓋部材の変形,破損を防止でき、かつ幅方向中央部の撓みによる両端部への荷重の集中を回避できる車両用物入れ部構造を提供することを課題としている。
本発明は、車両部材に設けられた物入れ凹部と、該物入れ凹部に回動可能に軸支され、前記物入れ凹部の開口を開閉する蓋部材と、前記物入れ凹部又は物入れ凹部近傍の前記車両部材に設けられ、前記蓋部材を下方に回動することにより前記開口を開放する全開時位置に規制するストッパ部とを備えた車両用物入れ構造において、
前記ストッパ部は、前記蓋部材の少なくとも蓋幅方向略中央内縁部を前記物入れ凹部の開口下縁部に当接させることにより構成されており、
前記ストッパ部が当接する前記物入れ凹部の開口下縁部近傍には、該物入れ凹部を前記車両部材に取り付けるための爪部が形成されていることを特徴としている。
本発明に係る物入れ構造によれば、ストッパ部を、蓋部材の少なくとも蓋幅方向略中央内縁部を物入れ凹部の開口縁部に当接させることにより構成したので、蓋部材に加わる外力を該蓋部材の中央内縁部を介して物入れ凹部の開口縁部の幅方向中央部分で受け止めることとなる。これにより不用意な外力による蓋部材の変形,破損を防止できるとともに、蓋部材の中央部分が撓むことで両端部に荷重が集中するのを防止できる。
このように本発明では、前記蓋部材の中央内縁部を物入れ凹部の開口縁部に当接させることにより前記蓋部材を全開時位置に規制したので、従来のストッパアーム,ガイドピン等のストッパ部を別途設ける必要がなく、それだけコスト,重量を低減できる。
本発明の実施例1による物入れ部材の分解斜視図である。 前記物入れ部材の断面平面図(図1のII-II線断面図)である。 前記物入れ部材の断面側面図(図1のIII-III線断面図)である。 前記物入れ部材の左軸支部の断面図(図2のIV-IV線断面図)である。 前記物入れ部材の右軸支部の断面図(図2のV-V線断面図)である。 前記右軸支部の側面図(図1の矢印A視図)である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図6は、本発明の実施例1による車両用物入れ構造を説明するための図である。本実施例において、前,後,左,右とは、シートに着座して車両前方を見た状態での前,後,左,右を意味する。
図において、1は自動車のインストルメントパネル(車両部材)2に配設された物入れ部材を示しており、これは例えばティッシュボックス等の小物3が収納可能な大きさを有する。前記インストルメントパネル2は、左,右のピラー部材(不図示)に結合されたクロスメンバ8に取り付けられている(図3参照)。
前記物入れ部材1は、前記インストルメントパネル2の助手席側に形成された取付け孔2aに装着され、前記小物3を収容する物入れ凹部4と、該物入れ凹部4の室内側に形成された開口4aを開閉する蓋部材5と、該蓋部材5を前記開口4aを閉塞する全閉時位置aと、下方に回動することにより前記開口4aを開放する全開時位置bとの間で回動可能に軸支する左軸支部6及び右軸支部7とを備えている。
前記物入れ凹部4は、下ボックス部10aと上ボックス部10bとを接合してなる収納ボックス10と、該収納ボックス10の後開口10cに接合された物入れ本体11とを有し、該物入れ本体11に前記開口4aが形成されている。この物入れ本体11の開口4aの左側にはカップホルダ12を出し入れするための出し入れ口11aが形成されている。
前記物入れ本体11の上辺部11b及び下辺部11cの車両前側裏面には、複数の爪部11dが所定間隔をあけて一体に形成されている。この各爪部11dを前記インストルメントパネル2の取付け孔2aの開口縁部に形成された嵌合孔2bに嵌装させることにより、前記物入れ凹部4はインストルメントパネル2に固定されている。
前記物入れ本体11は、前記開口4aの下縁に続いて前方に延びる底辺部11eと、左,右側縁に続いて前方に延びる左,右側辺部11f,11gとを有し、該左,右側辺部11f,11gには、それぞれボス部11f′,11g′が形成されている。前記物入れ本体11の開口4aの左,右側縁部には、後述する蓋本体14の左,右アーム部14b,14cが挿入される切欠き部11k,11kが形成されている(図4,図5参照)。
前記蓋部材5は、前記蓋本体14と該蓋本体14の上辺部14aの車両前側裏面に取り付けられたインナパネル15とを有する。このインナパネル15の左,右端部には、前記物入れ本体11の左,右開口縁部に当接するゴム製のクッション材16が装着されている。該クッション材16により蓋部材5を閉じる際の衝撃音を抑制している。
前記蓋本体14は、全閉時位置aにある状態では、これの上縁部14′が前記物入れ本体11の開口上縁部4a′に連続面をなし、下縁部14′′が開口下縁部4a′′を覆う構造を有する(図3,図4参照)。
また前記蓋部材5は、下方に開いたときの全開時位置bにある状態では、その下部が前記インストルメントパネル2とグローブボックス20との間に形成された隙間c内に挿入されて隠れ、上辺部14aが前記物入れ本体11の開口下縁部4a′′を覆う構造となっている。
これにより前記物入れ凹部4の開口下縁部4a′′は、蓋部材5を閉じたときには蓋本体14の下縁部14′′により覆われ、開いたときには蓋本体14の上辺部14aで覆われることとなる。
前記蓋本体14の左,右側縁には、前方に突出する左,右アーム部14b,14cが一体に形成されており、該左,右アーム部14b,14cにはそれぞれ軸孔14b′,14c′が形成されている。また前記蓋本体14の右端上部には、凸形状の把手14dが一体に形成されている。
前記左軸支部6は、前記蓋本体14の左アーム部14bの軸孔14b′に挿入されたタッピングスクリュウ6aを前記物入れ本体11の左側辺部11fのボス部11f′に螺挿することにより構成されており、前記右軸支部7は、前記蓋本体14の右アーム部14cの軸孔14c′に挿入されたタッピングスクリュウ7aを物入れ本体11の右側辺部11gのボス部11g′に螺挿することにより構成されている。
また前記左,右軸支部6,7には、それぞればね材6b,7bが装着されている。このばね材6b,7bは、前記蓋部材5が、開閉方向中間位置から全閉時位置a側に越えると該蓋部材5を全閉方向に付勢し、また開閉方向中間位置から全開時位置b側に越えると全閉方向に付勢する。
前記蓋本体14の右アーム部14cには、オイル式ギヤダンパ18が爪嵌合により装着されている。また前記物入れ本体11の右側辺部11gには、前記ギヤダンパ18のギヤ18aに歯合するラックギヤ11hが一体に形成されている(図6参照)。前記蓋部材5を開閉操作するとギヤダンパ18のギヤ18aが回転し、これにより減衰力が発生し、開閉動作が緩慢となるようになっている。
そして前記蓋部材5のインナパネル15は、該蓋部材5の蓋幅方向(車幅方向)全長に渡る長さを有し、かつ該インナパネル15には、前記物入れ凹部4の開口下縁部4a′′にこれの車幅方向全長に渡って当接するストッパ部15aが前方に屈曲形成されている。
これにより前記蓋部材5を全開時位置bに開くとストッパ部15aが物入れ凹部4の開口下縁部4a′′に当接し、該蓋部材5を全開時位置bに規制するように構成されている。
本実施例によれば、蓋部材5の車両前側内縁部にこれの蓋幅方向全長に渡るストッパ部15aを形成し、該ストッパ部15aを物入れ凹部4の開口下縁部4a′′に当接させることにより前記蓋部材5を全開時位置bに規制したので、蓋部材5に不用意に加わる外力を該蓋部材5のストッパ部15aを介して物入れ凹部4の開口下縁部4a′′の全長に渡って受け止めることができる。これにより蓋部材5の過開きによる変形,破損を防止できるとともに、蓋部材5の中央部分が撓むことで両端部に荷重が集中するのを防止できる。
また本実施例では、前記蓋部材5のストッパ部15aを物入れ凹部4の開口下縁部4a′′に当接させるだけの構成であるので、従来のストッパアーム,ガイドピン等のストッパ部を別途設ける必要がなく、それだけコスト,重量を低減できる。
本実施例では、前記蓋部材5が全閉時位置aにあるときには、これの下縁部14′′が物入れ凹部4の開口下縁部4a′′を覆い、下方に開いて全開時位置bにあるときには、上辺部14aが物入れ凹部4の開口下縁部4a′′を覆うように構成したので、前記蓋部材5の繰り返しの開閉操作によって物入れ凹部4の開口下縁部4a′′に擦り傷,ひけ,剥がれ等が生じても乗員から見えることはなく、見栄えの悪化を防止できる。
また、蓋部材5が中間位置から閉方向に越えると、ばね部材6b,7bで該蓋部材5を閉方向に付勢し、開方向に越えると開方向に付勢すると共に、ギヤダンパ18により付勢力を減衰させるようにしたので、蓋部材5の急激な開閉を回避して開閉動作をスムーズに行うことができる。
なお、前記実施例では、ストッパ部15aを蓋部材5の蓋幅方向全長に渡るように形成したが、本発明のストッパ部は、必ずしも全長に渡って設ける必要はなく、少なくとも蓋幅方向中央部に設ければよい。
また、前記実施例では、左,右軸支部6,7を物入れ凹部4に配設したが、本発明では、軸支部をインストルメントパネル2に配設してもよい。
また前記実施例では、蓋部材5のストッパ部15aを物入れ凹部4の開口下縁部4a′′に当接させたが、本発明では、インストルメントパネルに当接させるように構成することも可能である。
さらにまた前記実施例では、物入れ部材1をインストルメントパネル2に設けた場合を説明したが、本発明では、物入れ部材をフロアコンソール,ドアトリムに配設してもよく、この場合にも前記実施例と同様の効果が得られる。
2 インストルメントパネル(車両部材)
4 物入れ凹部
4a 開口
4a′′ 開口下縁部
5 蓋部材
15a ストッパ部
a 全閉時位置
b 全開時位置

Claims (1)

  1. 車両部材に設けられた物入れ凹部と、
    該物入れ凹部に回動可能に軸支され、前記物入れ凹部の開口を開閉する蓋部材と、
    前記物入れ凹部又は物入れ凹部近傍の前記車両部材に設けられ、前記蓋部材を下方に回動することにより前記開口を開放する全開時位置に規制するストッパ部とを備えた車両用物入れ構造において、
    前記ストッパ部は、前記蓋部材の少なくとも蓋幅方向略中央内縁部を前記物入れ凹部の開口下縁部に当接させることにより構成されており、
    前記ストッパ部が当接する前記物入れ凹部の開口下縁部近傍には、該物入れ凹部を前記車両部材に取り付けるための爪部が形成されている
    ことを特徴とする車両用物入れ構造。
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