JP2016182840A - アッパーボックス開閉機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】アッパーボックス開口幅の拡大に伴う、ドアの開閉操作をアシストするスプリングの荷重の増加を抑えて、ドア変形が誘発されることを抑制できるアッパーボックス開閉機構を提供すること。【解決手段】インストルメントパネル10の上側に設けられ上面に開口を有する収納部11を含むアッパーボックス本体1と、収納部11の開口を車室内から遮蔽する閉位置と収納部の開口を車室内に露出する開位置を状態変化するドア2と、ドア2を少なくとも開位置の方向に付勢しているスプリング3とを備えるアッパーボックス開閉機構であって、ドア2はアッパーボックス本体1に対して揺動可能に枢支される枢支軸4を有し、枢支軸4を中心としてドア2とは反対側に、ドア2から延びる延在部24に配設される重量体5を有すること。【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両に取り付けられるアッパーボックスの開閉機構に関する。
車室内において、インストルメントパネルには車両用収納装置として、アッパーボックス、グラブボックス等が設けられている。一般に、グラブボックスは助手席側のインストルメントパネル下方に設けられており、アッパーボックスはインストルメントパネル上方に設けられている。
従来からアッパーボックスは、収納部を有するボックス本体と、収納部の開口を車室内に露出又は遮蔽するドアと、ドアの開閉操作をアシストするスプリング等の付勢部材と、ドアを閉位置の状態に維持するロック機構とを備えている。例えば特許文献1には、アッパーパネルとロアパネルとからなるインストルメントパネルに形成された凹状の収納部と、収納部の開口を開閉するドアとからなるアッパーボックスが開示されている。
特許文献1に記載されているアッパーボックスのドアは、略U字状に曲折して車体前方側へ突出するアームを一体的に備えている。そして、アームの端部が収納部に設けられたフランジに枢支されることで、ドアは回動自在とされている。ドアは、ドアを開方向へ付勢するスプリング及び開位置でドアの動きを規制するストッパ部と、閉位置でドアを保持するロック機構とで、開位置と閉位置との状態を保持している。
また、特許文献2には、インパネロアと一体的に形成されているボックスと、ボックスの開口を開閉するドアと、ドアの開閉操作をアシストするターンオーバースプリングとを備えるアッパーボックスが開示されている。
特許文献2に記載されているアッパーボックスは、ターンオーバースプリングの開方向への付勢力及び開位置でドアの動きを規制するストッパ部により、ドアを開位置の状態に保持している。そして、ロック機構を設けず、ターンオーバースプリングの閉方向への付勢力によって、ドアを閉位置の状態に保持している。
ところで近年においては、アッパーボックスの収納部(ボックス)の収容容積の更なる拡大が望まれている。これに対応するべく、アッパーボックスの開口幅を大きくすることで、収納部(ボックス)の収容容積を大きくすることが考えられる。上記した従来からのアッパーボックスにおける収納部(ボックス)の開口幅は約500mm程度であり、さらなる開口幅の拡大においては、これに伴いドアのサイズも大きくする必要がある。ドアのサイズが大きくなれば、ドア質量が増大し、ドアの開閉操作をアシストするスプリングの荷重は増加する。そして、スプリングの荷重が増加することにより、ドアの変形が誘発される虞がある。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、アッパーボックス開口幅の拡大に伴う、ドアの開閉操作をアシストするスプリングの荷重の増加を抑えて、ドアの変形が誘発されることを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のアッパーボックスの開閉機構では、インストルメントパネルの上側に設けられ上面に開口を有する収納部を含むアッパーボックス本体と、収納部の開口を車室内から遮蔽する閉位置と収納部の開口を車室内に露出する開位置を状態変化するドアと、ドアを少なくとも開位置の方向に付勢しているスプリングと、を備え、ドアはアッパーボックス本体に対して揺動可能に枢支される枢支軸を有し、枢支軸を中心としてドアとは反対側に、ドアから延びる延在部に配設される重量体を有することを特徴とする。
上記構成を採る本発明のアッパーボックスの開閉機構では、ドアをアッパーボックス本体に対して揺動可能に枢支する枢支軸を中心として、ドアとは反対側にドアから延びる延在部に重量体が配設されている。これにより、重量体を配設しない場合のドア重心に対して本発明のドア重心は枢支軸側に移動することになる。よって、ドアの開閉操作をアシストするスプリングの荷重の増加を抑えることができる。
したがって、本発明によれば、たとえアッパーボックス開口幅の拡大に伴いドア質量が増大したとしても、スプリング荷重の増加を抑えることができ、ドア変形の誘発を抑制することができる。
以下、図1〜図15を参照しながら本発明のアッパーボックスの開閉機構の好適な実施形態について説明する。図1〜図15において、前、後、左、右、上、下は自動車等の車両の乗員が車両の進行方向に向かって見た方向である。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、重複した説明は省略される。なお、発明の実施形態は本発明が実施される特に有用な形態として記載されるものであり、本発明がこれに限定されるものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
(第1実施形態)
図1〜図9は、第1実施形態に係るアッパーボックスの開閉機構を表したものである。第1実施形態に係るアッパーボックスAは、アッパーボックス本体1と、ドア2と、スプリング3と、を備えている。
図1〜図9は、第1実施形態に係るアッパーボックスの開閉機構を表したものである。第1実施形態に係るアッパーボックスAは、アッパーボックス本体1と、ドア2と、スプリング3と、を備えている。
アッパーボックス本体1は、例えば樹脂製の箱状体であって、当該実施形態においては助手席側のインストルメントパネル10の上側に装着されている。図2及び図3に示すように、アッパーボックス本体1は、小物等を収納できる上側が開口した収納部11と、左右一対のアーム挿通部12と、レジスタ17とを備えている。
収納部11は、第1収納部11a及び第2収納部11bからなる。第1収納部11aは、助手席側のインストルメントパネル10の下側に設けられているグラブボックス(図略)の上方に位置している。第2収納部11bはエアコン等の操作装置があるセンターパネル(図略)の上方に位置している。
図2及び図3に示すように、第2収納部11bの小物等を載置する第2底部11dは、第1収納部11aの小物等を載置する第1底部11cよりも上方に位置している。すなわち、第1収納部11aの収納容積は、第2収納部11bの収納容積よりも大きく設計されている。これにより、車両の乗員は収納物をその大きさに応じて整理することができるため、当該実施形態では車両用収納装置としての利便性が向上する。
アッパーボックス本体1には、後述する左右一対のドアアーム部22がそれぞれ配設される左右一対のアーム挿通部12が設けられている。左右一対のアーム挿通部12には、それぞれドアアーム部22が枢支軸を中心として揺動可能に設けられている。図1及び図2に示すように、左側のアーム挿通部12は第1収納部11aの左側に隣設されており、右側のアーム挿通部12は第2収納部11bの右側に隣設されている。
左右一対のアーム挿通部12は、収納部11側に位置する第1内面13、第1内面13と対面する第2内面14、車両後方側に位置し第1内面13及び第2内面14と接続する第3内面15、車両下方側に位置し第1内面13、第2内面14、及び第3内面15と接続する第4内面16とに囲まれて形成されている。また、アーム挿通部12は、アーム挿通部12の外側であって第2内面14に背向する第2外面18を有する。
一対のアーム挿通部12の第1内面13の上部には、後述する枢支軸4と係合する凹状の軸受け穴41が設けられている。また、一対のアーム挿通部12の第2内面14の上部には、第2外面18から貫通し枢支軸4を支持する軸支持孔42が設けられている。
図1に示すように、左右一対のアーム挿通部12の第2外面18には、第2内面14から貫通する円弧状の長穴貫通孔19が設けられている。長穴貫通孔19は、後述するスプリング3の一端32がドアアーム部22の揺動と共に移動可能な通り道である。
また、アッパーボックス本体1には、第1収納部11aの左側にレジスタ17が設けられている。レジスタ17は、空調装置からの空気が吹き出す吹き出し口である。
図1〜図4に示すように、ドア2は、ドア本体21と、ドアアーム部22とを有する。ドア2は、第1収納部11a及び第2収納部11bの蓋体として機能する。すなわち、ドア2は、収納部11の開口を車室内から遮蔽する閉位置と収納部11の開口を車室内に露出する開位置との間を状態変化する。
ドア本体21は、アッパーボックス本体1の上面を覆う大きさ及び形状に形成されており、収納部11の開口側に面するインナーパネル21aと、インナーパネル21aに背向し車室内の意匠面を構成するアウターパネル21bからなる。ドア本体21は、インナーパネル21aとアウターパネル21bを締結ないし一体化して構成されている。
図2〜図4に示すように、ドア本体21の左端部にはレジスタ蓋部27が設けられている。レジスタ蓋部27には、ドア2が閉位置の状態において、アッパーボックス本体1のレジスタ17が車室内に露出するように開口が設けられている。
このように、当該実施形態におけるアッパーボックスAのドア本体21は、レジスタ蓋部27を含んでいる。このためドア本体21は、助手席側の車両ドアとの境界(所謂「ドア見切り線」)まで車幅方向(左右方向)に延びている。したがって、意匠面であるアウターパネル21bに、収納部11とレジスタ17との見切り線を設ける必要がない。ゆえに、当該実施形態におけるアウターパネル21bでは収納部11とレジスタ17との見切り線がないため、アウターパネル21bの意匠性が向上する。ひいてはインストルメントパネル10全体の意匠性が向上する。
また、当該実施形態のアッパーボックスAのドア本体21は、センターパネルから助手席側の車両ドアまで車幅方向(左右方向)に延びている。したがって、従来のアッパーボックスのドア本体21よりも車幅方向に拡大しているため、ドア本体21の質量も従来に比べて増大している。
図2、図7に示すように、インナーパネル21aは、インナーパネル21aの前側端部211から前方に向かって延設した左右一対のドアアーム部22を有する。樹脂製の一対のドアアーム部22は、インナーパネル21aの左端部と右端部に設けられている。具体的には、左右一対のドアアーム部22は、アッパーボックス本体1に設けられている左右一対のアーム挿通部12にそれぞれ出入り可能に設けられている。
左右一対のドアアーム部22は、ドア2の閉位置の状態において、インナーパネル21aから前方に延設されるU字状のアーム本体23と、アーム本体23の前端部から前方に向かって延びる延在部24と、アーム本体23の車両前方側から前方に向かって設けられたアーム延出部25とを有する。また、アーム延出部25は、ドア2の開位置の状態においてアーム挿通部12の第3内面15に当接しドア2の動きを規制するアーム突起部26を備えている。
アーム本体23の前端部には、枢支軸4が挿入される枢支孔44が設けられている。アーム本体23は、枢支孔44に挿入された枢支軸4により揺動可能に配設されている。具体的には、枢支孔44と軸支持孔42とを連通させた連通孔に枢支軸4が挿入され、軸受け穴41に枢支軸4の先端が係合されている。このように構成されているアーム本体23は枢支軸4を中心として揺動可能である。
このように、左右一対の枢支軸4を揺動中心として、ドア本体21に一体的に設けられた左右一対のドアアーム部22を揺動させることにより、ドア本体21は上下方向に揺動可能となっている。これにより、図3及び図4に示すように、ドア2は閉位置及び開位置とを状態変化できる。
延在部24は、枢支軸4を中心としてドア本体23とは反対側にアーム本体23から延びている。具体的には図6及び図7に示すように、ドア2の閉位置の状態において、延在部24は枢支孔44を有するアーム本体23の前端部から前方に向かって延設されている。延在部24の前方に位置する前方端部241には、重量体5を保持する貫通孔の重量体保持孔51が設けられている。
重量体5は、重量体5を備えない場合のドア2の重心に比べて、ドア2の重心を揺動中心である枢支軸4よりにさせるバランサーである。当該実施形態において重量体5は、棒状の金属製中実体である。
図6に示すように、当該実施形態におけるドア2の重心Gbは、枢支軸4を中心としてドア本体21の反対側にドアアーム部22の延在部24に重量体5を設けることにより、重量体5を備えない場合のドア2の重心Gaよりも枢支軸4よりとなる。また、枢支軸4を中心としてドア本体21の反対側に重量体5を設けることにより、ドア本体21のみかけ上の質量g3は、ドア本体21の質量g1から重量体5の質量g2を引いた質量となる。したがって、ドア2の開閉操作をアシストするスプリング3に与える荷重を小さくすることができる。よって、従来のアッパーボックスに比べてドア2のサイズが大きくなったとしても、ドア2の開閉操作をアシストするスプリング3をより高い耐荷重性のものに変更する必要がない。よって、ドア変形の誘発を抑制することができる。
また、当該実施形態によれば、重量体5の質量と延在部24の延設方向(前後方向)の長さとを適宜設計することで、ドア重心を枢支軸4よりとさせることが可能である。つまり、重量体5の質量を大きくすれば延在部24の延設方向(前後方向)の長さを短くすることができる。したがって、スペース効率良くドア重心を枢支軸4よりとすることができる。一方、延在部24の延設方向(前後方向)の長さを長くすれば重量体5の質量を小さくすることができる。したがって、車両全体の質量増加を抑制することを可能とする。
図1及び図2に示すように、重量体5は左右一対のドアアーム部22にそれぞれ設けられている左右一対の延在部24の重量体保持孔51に保持されている。すなわち、重量体5の長手方向の長さ(左右方向の長さ)は、重量体5の両端がそれぞれの重量体保持孔51に保持される長さに設計されている。つまり、重量体5は一対の重量体保持孔51を介して左右のドアアーム部22を連結している。
また、当該実施形態において、従来のアッパーボックスに比べてドア2の車幅方向(左右方向)が拡大している。したがって、ドア変形の誘発を抑制するためには、ドア2の車幅方向(左右方向)におけるねじり剛性を向上させる必要もある。この対策として、ドア本体21をガラス繊維入りの樹脂を用いてドア剛性を向上させる手段がある。しかしながら、この場合ドア本体21の質量が大きく増加し、車両軽量化が求められている昨今において、車両全体の質量増加に繋がってしまう。
そこで、当該実施形態によれば、重量体5はドア本体21の車幅方向(左右方向)に沿って左右のドアアーム部22に設けられた重量体保持孔51に保持されている。すなわち、ドア本体21の長手方向の両端部が、左右のドアアーム部22に架け渡された重量体5によって連結される。これにより、重量体5は、左右のドアアーム部22を介してドア本体21の車幅方向におけるねじれ剛性を向上させることができる。したがって、たとえアッパーボックスAが車幅方向に拡大したとしても、ドア2の大きな質量増加を伴うことなくドア剛性を向上させることができる。よって、ドア変形の誘発を抑制することができる。
重量体5の左右両端はそれぞれの重量体保持孔51に保持されているが、この保持方法は特に限定されるものではない。例えば重量体保持孔51に重量体5の端部を嵌合や圧入することにより保持させることができる。
また、ドア2と重量体5の成形方法として、ドア本体2と左右一対のドアアーム部22を射出成形する金型に重量体5を挿入した状態で、ドア2と重量体5とを一体的に成形するインサート成形を用いることが望ましい。
スプリング3は、閉位置に向かう閉方向、及び開位置に向かう開方向へドア2を付勢するとともに、ドア2が開位置及び閉位置を状態変化する間に付勢方向が転換されるターンオーバースプリングである。
スプリング3は、螺旋状のスプリング本体31とスプリング本体31の両端からそれぞれ延出した直線状の第1直線部32及び第2直線部33を有するねじりばねである。スプリング3は、ドアの開閉操作をアシストする。図7〜図9に示すように第1直線部32は、その固定端である一端32aを有する。第2直線部33は、その支持端である他端33aを有する。
図1及び図2に示すように、スプリング3は、左右一対のアーム挿通部12の第2外面18に隣設されている。
具体的には、図1及び図7に示すようにアーム挿通部12の第2外面18に隣設されているスプリング3の一端32aは、長穴貫通孔19を介してアーム挿通部12内に位置するドアアーム部22のアーム延出部25に固定されている。他端33aはアーム挿通部12の第2外面18に設けられたスプリング支持部34に支持されている。アーム延出部25に固定されているスプリング3の一端32aは、ドア2の揺動と連動して移動する。一方、スプリング支持部34に回転可能に支持されているスプリング3の他端33aは、ドア2の揺動に伴なって移動せず、第2直線部33を他端33aを中心として回転させる。
当該実施形態において、さらにアッパボックスAの開閉操作をアシストするダンパ機構6を備えている。ダンパ機構6は、左右一対のアーム挿通部12にそれぞれ配設されており、オイルダンパ61と、ピニオンギア(図略)と、ラックギア(図略)と、ダンパケース62とを備えている。
オイルダンパ61は、オイルが封入されたハウジングと、ハウジングに回転可能に支持された回転軸(図略)とを備え、オイルの粘性抵抗により回転軸の回転を制動する。ピニオンギヤは、オイルダンパ61の回転軸と一体的に回転可能に設けられている。ラックギヤは、ドアアーム部22に設けられており、ピニオンギヤに噛合されている。ダンパケース62は、上下方向に長い開口を有する箱状体であり、オイルダンパーが上下方向に摺動可能なガイドレールの機能を持つ。
より具体的には、アーム挿通部12の第1内面13にはダンパケース62が固定されている。このダンパケース62にはオイルダンパ61が上下方向に摺動可能に設けられている。ラックギアは、オイルダンパ61と対面する側のアーム延出部25の面に設けられており、オイルダンパ61に設けられたピニオンギアと常に噛合している。ラックギアは、なだらかに湾曲した円弧状をなしている。
このように構成されたダンパ機構6では、枢支軸4を支点としてドア2が揺動すると、その揺動に伴いラックギヤが枢支軸4の周りを移動する。ラックギヤが移動すると、そのラックギヤに噛合されたピニオンギヤに対し、回転させるようとする力が伝わる。しかし、このピニオンギヤの回転運動は、オイルダンパ61におけるオイルの粘性抵抗により生じる回転軸の回動抵抗によって制動される。したがって、ドア2の揺動動作が緩やかになるため、ドア2が勢いよく開閉されることを抑制できる。
次に、当該実施形態に係るアッパーボックスAの開閉機構の作用を説明する。ドア2の開閉は、ドア本体21に設けられている一対のドアアーム部22が枢支軸4を揺動中心軸として揺動することにより行われる。したがって、左右一対のドアアーム部22は連動して動き、これらに設けられている各構成要素も左右において同じ作用機能を有している。
図4、図6、及び図7はアッパーボックスAの閉位置の状態を示している。ドア本体21は、レジスタ17を除くアッパーボックス本体1の開口を塞いでおり、収納部11の開口も車室内から遮蔽されている。アッパードア本体1に設けられているレジスタ17は、ドア本体21に設けられたレジスタ蓋部27の開口によって車室内に露出している。
図7に示すように、アーム延出部25に固定されているスプリング3の一端32aとスプリング支持部34に支持されている他端33aによって、スプリング3はドア2を閉方向に向けて付勢している。すなわち、ドア2の閉位置の状態において、スプリング3はアーム延出部25を介して延在部24を上方に向かって付勢している。このようにして、当該実施形態におけるアッパーボックスAは閉位置の状態をとっている。
図3、図5、及び図9はアッパーボックスAの開位置の状態を示している。ドア本体21は、アッパーボックス本体1の開口を車室内に露出するように開いており、収納部11の開口も車室内に露出している。
図9に示すように、アーム延出部25に固定されているスプリング3の一端32aとスプリング支持部34に支持されている他端33aによって、スプリング3はドア2を開方向に向けて付勢している。すなわち、ドア2の開位置の状態において、スプリング3はアーム延出部25を介してアーム本体23を上方に向かって付勢している。このようにして、当該実施形態におけるアッパーボックスAは開位置の状態をとっている。
当該実施形態におけるアッパーボックスAの開閉機構のうち、ドア2の閉位置から開位置への状態変化は、操作者の開方向すなわち上方向への力とスプリング3の開方向への付勢力によって行われる。
まず、操作者がドア本体21を上方向に向かって持ち上げることによって始められる。この時ドア2は、スプリング3の閉方向に向かう付勢力によって付勢されているため、操作者はこの付勢力に抗してドア本体21を車両上方に持ち上げる。
ドア本体21を上方に持ち上げると、ドア2は枢支軸4を中心として揺動する。図7〜図9に示すように、ドア本体21及びドアアーム部22は反時計回りに回転する。ドアアーム部22のうちアーム延出部25に固定されているスプリング3の一端32aは、ドア2の揺動に連動してアーム延出部25と共に円弧軌跡をとりながら移動する。スプリング支持部34に支持されているスプリング3の他端33aは、スプリング支持部34を中心として回転可能に支持されている。したがって、ドア2が閉位置から開位置への状態変化に伴い、スプリング3のスプリング本体31はスプリング支持部34を中心として時計回りに回転する。
図7〜図9に示すように、ドア2が閉位置から開位置に向かって揺動するに伴い、スプリング3の一端32aは他端33aに近づくように移動する。そして図8に示す中立点35とよぶ位置でスプリング3の一端32aは他端33aに最も近づき、中立点35を超えるとスプリング3の一端32aは他端33aから離れるようにドア2の揺動と共に開位置の状態になるまで移動する。
つまりスプリング3の付勢力は、この中立点35までドア2の閉方向に向かっており、中立点35を超えると付勢方向が転換してドア2の開方向に向かう。したがって、ドア2の閉位置から開位置への状態変化は、操作者が中立点35までスプリング3の付勢力に抗してドア2を開方向へ揺動させ、中立点35を超えた後、スプリング3の開方向への付勢力に従って行われる。そして、ドアアーム部22のアーム延出部25に設けられたアーム突起部26がアーム挿通部12の第3内面15に当接することにより、閉位置から開位置への状態変化が完結する。
当該実施形態におけるアッパーボックスAの開閉機構のうち、ドア2の開位置から閉位置への状態変化は、操作者の閉方向すなわち下方向への力及びドア2の自重と、スプリング3の閉方向への付勢力とによって行われる。
まず、操作者がドア本体21を下方向に向かって押すことによって始められる。この時ドア2は、スプリング3の開方向に向かう付勢力によって付勢されているため、操作者はこの付勢力に抗してドア本体21を車両下方に押す。
ドア本体21を操作者が下方に押すと、ドア2は操作者からの下方向への力とドア2の自重によって枢支軸4を中心として揺動する。図7〜図9に示すように、ドア本体21及びドアアーム部22は時計回りに回転する。ドアアーム部22のうちアーム延出部25に固定されているスプリング3の一端32aは、ドア2の揺動に連動してアーム延出部25と共に円弧軌跡をとりながら移動をする。スプリング支持部34に支持されているスプリング3の他端33aは、スプリング支持部34を中心として回転可能に接続されている。したがって、ドア2が開位置から閉位置への状態変化に伴い、スプリング3のスプリング本体31はスプリング支持部34を中心として反時計回りに回転する。
ドア2の閉位置から開位置への状態変化と同様に、スプリング3の付勢力は中立点35までドア2の開方向に向かっており、中立点35を超えると付勢方向が転換してドア2の閉方向に向かう。したがって、ドア2の開位置から閉位置への状態変化は、操作者が中立点35までスプリング3の付勢力に抗してドア2を閉方向へ揺動させ、中立点35を超えた後、スプリング3の閉方向への付勢力及びドア2の自重によって行われる。そして、ドア本体21がアッパーボックス本体1の上面を車室内から遮蔽するようにアッパーボックス本体1に当接することにより、開位置から閉位置への状態変化が完結する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るアッパーボックスBの開閉機構は、第1実施形態に係るアッパーボックスAの開閉機構に、衝突等の所定の加速度が車両前後方向に加わった時にドア2が閉位置の状態を維持できる規制部材7を設けている点で異なる。以下、第1実施形態と異なる規制部材7について説明する。以下の説明において「待機時」とは、衝突等の加速度がカウンターウェイト部73に作用していない状態を意味し、「規制時」とは、衝突等の加速度がカウンターウェイト部73に作用している状態を意味する。なお、その他の構成及び作用は第1実施形態と同様である。
第2実施形態に係るアッパーボックスBの開閉機構は、第1実施形態に係るアッパーボックスAの開閉機構に、衝突等の所定の加速度が車両前後方向に加わった時にドア2が閉位置の状態を維持できる規制部材7を設けている点で異なる。以下、第1実施形態と異なる規制部材7について説明する。以下の説明において「待機時」とは、衝突等の加速度がカウンターウェイト部73に作用していない状態を意味し、「規制時」とは、衝突等の加速度がカウンターウェイト部73に作用している状態を意味する。なお、その他の構成及び作用は第1実施形態と同様である。
図10及び図11は、当該実施形態における規制部材7を表している。図10において、実線で表されたドア2はドアの閉位置の状態を示しており、一点鎖線で表されたドア2はドア2の開位置の状態を示している。規制部材7は左側のアーム挿通部12内に設けられており、より詳細には、左側のドアアーム部22よりも下方に回転可能に設けられている。規制部材7は、中心部72と、規制部71と、カウンターウェイト部73とを備えた樹脂製部材である。樹脂の材質は特に限定されるものではないが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)等が例示できる。また、規制部材7は、待機時には左側のドアアーム部22のアーム延出部25と接触しないように設けられている。
中心部72は、円板状の中心部本体72aと、中心部本体72aを回転可能に支持する中心部本体72aから突出して設けられた中心部回転軸72bと、中心部本体72aの下方から突出した第1係止部74とを備えている。また、中心部本体72aには、後述する規制部71及びカウンターウェイト部73が一体的に設けられている。
中心部回転軸72bは、左側のアーム挿通部12の第2内面14に回転可能に支持されている。また、中心部回転軸72bには例えばねじりばねの付勢部材(図略)が介装されており、一端が中心部本体72aに他端が左側のアーム挿通部12の第2内面14に固定されている。そして、図10及び図11において、付勢部材は中心部本体72aを反時計回り方向に常に付勢している。なお、付勢部材は一端が規制部材7側に他端がアッパーボックス本体1側に固定されていればよく、付勢部材の配設場所は特に限定されるものではない。
車両前後方向に例えば衝突等の加速度(以下、衝突Gとも称する)が付加され慣性力が後述するカウンターウェイト部73に作用すると、カウンターウェイト部73は下方に移動しようとする。カウンターウェイト部73が下方へ移動すると、規制部材7は時計回り方向に回転する力が付与される。すなわち、付勢部材の付勢力に抗する力(以下、抗力と称する)が発生する。付勢部材は、この衝突Gによって発生する抗力によって初めてその付勢力が打ち負かされるような付勢力を備えている。たとえば、付勢部材の付勢力として、20〜30Gの衝突Gが付加されることによってはじめて付勢部材の付勢力に抗して中心部回転軸72bが時計回りに回転するように設定されている。
第1係止部74は、左側のアーム挿通部12に設けられた第2係止部75に係止しており、中心部本体72aに設けられた付勢部材の反時計回り方向の付勢力に抗している。すなわち、待機時には第1係止部74と第2係止部75との係止によって、規制部材7の動きは規制されている。
規制部71は中心部本体72aと一体的に形成されており、中心部本体72aの車両前方側から前方に向かって延出している。規制部71は、待機時において左側のドアアーム部22に干渉しないように設けられている。
カウンターウェイト部73は中心部本体72aと一体的に形成されており、中心部本体72aの車両後方側から後方にむかって延出した扇形形状をした偏心ウェイトである。規制部71とカウンターウェイト部73は中心部本体72aを中心として互いに対向する位置に設けられている。
カウンターウェイト部73は、規制部材7の他の部位と比べて質量が大きくなるように設けられている。例えば、中心部72及び規制部71と、カウンターウェイト部73は二色成形によって形成された樹脂製であることが望ましい。また中心部72及び規制部71を一体成形した後に、カウンターウェイト部73を溶着して規制部材7を形成してもよい。
次に当該実施形態の規制部材7の作用について説明する。図10は規制部材7の待機時の状態を示している。規制部材7を反時計回り方向に付勢している付勢部材は、衝突Gによって発生する抗力によって初めてその付勢力が打ち負かされるような付勢力を備えている。したがって、待機時において規制部材7には、反時計回り方向の付勢力が働いている。
待機時において反時計回り方向への付勢力と、この付勢力に抗する第1係止部74及び第2係止部75との係止によって、規制部材7の動きは規制されている。よって、待機時において規制部材7の規制部71は、左側のドアアーム部22の揺動に干渉しない。
加速度が車両に付加されると、慣性力がカウンターウェイト部73に作用する。すると、カウンターウェイト部73は下方に移動しようとするため、規制部材7に時計回り方向の回転力を与える。このとき、加速度が衝突Gよりも小さい場合、この回転力は付勢部材の付勢力によって打ち消される。したがって、規制部材7は、衝突Gよりも小さい加速度ではその動きは規制されている。
図11は規制部材7の規制時の状態を示している。車両前後方向に衝突Gが付加されると、慣性力がカウンタウェイト部73に作用する。この場合、付勢部材の付勢力は衝突Gによって発生する抗力に打ち負かされるため、衝突Gの慣性力が作用したカウンターウェイト部73は、図11の白抜き矢印G1のように、下方向へ移動しようとする。すなわち、カウンターウェイト部73は中心部回転軸72bを中心として時計回り方向に回転する。よって、規制部材7は時計回り方向に回転する。
規制部材7が時計回り方向に回転すると、中心部72から車両前方に突出している規制部71は、図11の白抜き矢印G2のように上方に移動する。そして、規制部先端71aとドアアーム部22のアーム突起部26とが当接することにより、規制部71はドア2の揺動を規制する。すなわち、規制部71は、アーム突起部26の枢支軸4を中心とする円弧軌跡に入り込み、ドア2の閉位置から開位置への状態変化を規制する。
このように、当該実施形態によれば、車両前後方向に衝突等の加速度が付加されたときであっても、アッパーボックスBのドア2を閉位置の状態に維持することが可能となる。したがって、アッパーボックスBの収納部11に収納された収納物が衝突時に飛散してしまうことを抑制できる。
さらに、当該実施形態の規制部材7によれば、衝突時にドア2を閉位置の状態に維持するためのロック機構を、アッパーボックスBのドア本体21に設ける必要がない。したがって、ドア本体21の意匠面であるアウターパネル21bにロック機構の操作部を設ける必要も無い。これにより、当該実施形態では、ドア本体21の意匠面の意匠性を向上させ、ひいてはインストルメントパネルの意匠性を向上させることができる。なお、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るアッパーボックスCの開閉機構は、第1実施形態に係るアッパーボックスAの開閉機構に、第2実施形態における規制部材7と形態が異なる規制部材8が設けらている。以下、第2実施形態と異なる規制部材8について説明する。なお、その他の構成及び作用は第1実施形態と同様である。
第3実施形態に係るアッパーボックスCの開閉機構は、第1実施形態に係るアッパーボックスAの開閉機構に、第2実施形態における規制部材7と形態が異なる規制部材8が設けらている。以下、第2実施形態と異なる規制部材8について説明する。なお、その他の構成及び作用は第1実施形態と同様である。
図12〜図15は、当該実施形態における規制部材8を表している。当該実施形態の規制部材8は、衝突Gが車両前後方向に付加されることにより、スプリング3の移動を規制することで、ドア2の閉位置の状態を維持させるものである。
規制部材8は左側のアーム挿通部12の第2外面18に設けられている。すなわち、当該実施形態において規制部材8は、スプリング3が隣設されている同じ第2外面18側に配設されている。そして規制部材8は、スプリング3本体よりも下方に位置するように配設されている。
当該実施形態におけるスプリング3は、第1実施形態のスプリング3と比較して一端32a及び他端33aの接続場所は同じである。しかし当該実施形態のスプリング本体31は、第1実施形態におけるスプリング本体31の位置に対して、一端32aと他端33aとを結んだ線を中心線とした線対称の場所に位置している。
図12に示すように、規制部材8は樹脂製のU字状形状をとっている。樹脂の材質及び規制部材8の成形方法は第2実施形態と同様とすることができる。規制部材8は、中心部82と、規制部81と、カウンターウェイト部83とを備えている。
中心部82は、規制部材8を回転可能に支持する中心部82から突出した中心部回転軸82bと、中心部回転軸82bに介装された付勢部材(図略)とを有する。中心部回転軸82bは、左側のアーム挿通部12の第2外面18に回転可能に配設されている。付勢部材は例えばねじりばねであり、一端が中心部回転軸82bに他端が左側のアーム挿通部12の第2外面18に固定されている。そして、図12〜図15において、付勢部材は規制部材8を反時計回り方向に常に付勢している。なお、当該実施形態における付勢部材は第2実施形態の付勢部材と同様の付勢力、付勢方向、付勢作用を示す。また、付勢部材は一端が規制部材8側に他端がアッパーボックス本体1側に固定されていればよく、付勢部材の配設場所は特に限定されるものではない。
図12に示すように規制部81は、規制部材8の待機時において、中心部82の車両前方側から上方に向かって延出した部材である。規制部81の先端である規制先端部81aには規制突出部84が設けられている。待機時において規制突出部84は、左側のアーム挿通部12の第2外面18に設けられている第3係止部85と係止している。
図12に示すようにカウンターウェイト部83は、規制部材8の待機時において、中心部82の車両後方側から上方に向かって延出した扇形形状をした偏心ウェイトである。規制部81とカウンターウェイト部83は中心部82を中心として互いに対向する位置に設けられている。
カウンターウェイト部83は、規制部材8の他の部位と比べて質量が大きくなるように設けられている。例えば、中心部82及び規制部81と、カウンターウェイト部83は二色成形によって成形された樹脂製であることが望ましい。また中心部82及び規制部81を一体形成した後に、カウンターウェイト部83を溶着して規制部材8を形成してもよい。
次に当該実施形態の規制部材8の作用について説明する。図12〜図14は規制部材8の待機時の状態を示している。規制部材8を反時計回り方向に付勢している付勢部材は、衝突Gによって発生する抗力によって初めてその付勢力が打ち負かされるような付勢力を備えている。したがって、待機時において規制部材8には、反時計回り方向の付勢力が働いている。
待機時において、規制突出部84は第3係止部85に係止しており、中心部82に設けられている付勢部材の反時計回り方向の付勢力に抗している。すなわち、待機時には規制突出部84と第3係止部85との係止によって、規制部材8の動きは規制されている。
加速度が車両に付加されると、慣性力がカウンターウェイト部83に作用する。すると、カウンターウェイト部83は下方に移動しようとするため、規制部材8に時計回り方向の回転力を与える。このとき、加速度が衝突Gよりも小さい場合、この回転力は付勢部材の付勢力によって打ち消される。したがって、規制部材8は、衝突Gよりも小さい加速度ではその動きは規制されている。
図15は規制部材8の規制時の状態を示している。ここで、当該実施形態のスプリング3について説明する。当該実施形態のスプリング3も第1実施形態のスプリング3と同様の作用を示す。すなわち、図12〜図14に示すように、ドア2が閉位置から開位置に向かって揺動するに伴い、スプリング3の一端32aは他端33aに近づくように移動する。そして、図13に示す中立点35の位置でスプリング3の一端32aは他端33aに最も近づき、中立点35を超えるとスプリング3の一端32aは他端33aから離れるようにドア2の揺動と共に開位置の状態になるまで移動する。つまり、ドア2の閉位置から開位置の状態変化の始動時には、スプリング本体31から延出した直線状の第1直線部32及び第2直線部33は互いに近づくように動作する。
換言するならば、第1直線部32及び第2直線部33が互いに近づくように動作できなければスプリング本体3は移動できない。これに伴い、スプリング3の一端32aが固定している左側のドアアーム部22も動作が規制される。したがって、ドア2は開方向へ揺動できない。
当該実施形態の規制部材8は、規制時において、スプリング3が閉位置から開位置への状態変化の始動時にとる第1直線部32及び第2直線部33が互いに近づくことを規制する。つまり、スプリング3の動作を規制することにより、ドア2が閉位置から開位置への状態変化を起こすことを規制し、ドア2を閉位置の状態に維持する。以下、具体的に説明する。
車両前後方向に衝突Gが付加されると、慣性力がカウンタウェイト部83に作用する。この時、付勢部材の付勢力は衝突Gによって発生する抗力に打ち負かされるため、衝突Gの慣性力が作用したカウンターウェイト部83は、図15の白抜き矢印G3のように、下方向へ移動しようとする。すなわち、カウンターウェイト部83は中心部回転軸82bを中心として時計回り方向に回転する。よって、規制部材8は時計回り方向に回転する。
規制部材8が時計回り方向に回転すると、中心部82前方側から車両上方に突出している規制部81は、図15の白抜き矢印G4のように、スプリング3のスプリング本体31に規制部先端81aが当接するように移動する。すなわち、規制部81は、スプリング3の第1直線部32と第2直線部33との間に入り込む状態となる。すると、スプリング3の第1直線部32と第2直線部33が近づこうとする動作は、規制部81によって規制される。つまり、ドア2の開位置から閉位置への状態変化を規制することとなる。したがって、規制時において、規制部材8はドア2の揺動を規制する。
なお、規制時において、規制部材8の規制部先端81aがスプリング本体31と当接しなくとも、スプリング3の一端32aと他端33aが最も近づく中立点35を乗り越えるまでに、規制部材8が第1直線部32と第2直線部33の間に入り込めばよい。すなわち、スプリング3の第1直線部32と第2直線部33が近づこうとする動作を規制部材8が規制すれば、上記と同様にドア2の揺動を規制することができる。
図12〜図15にしめすように、規制時において当該実施形態の規制部材8は、規制部材8から遠ざかる方向に移動するスプリング3の動作を規制している。したがって、当該実施形態によれば、規制時以外の状況において規制部材8がスプリング3の動作を規制してしまう、所謂誤動作が生じることを抑制するのに有利となる。
また、車両前後方向に衝突等の加速度が付加されたときであっても、アッパーボックスCのドア2を閉位置の状態に維持することが可能となるため、アッパーボックスCの収納部11に収納された収納物が衝突時に飛散してしまうことを抑制できる。
さらに、当該実施形態の規制部材8によれば、衝突時にドア2を閉位置の状態に維持するためのロック機構を、アッパーボックスCのドア2に設ける必要がない。したがって、第2実施形態と同様の効果を奏する。なお、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、第1実施形態におけるアッパーボックスAは助手席側のインストルメントパネル10だけではなく運転席側に設けられていてもよい。また、収納部11は第1収納部11aと第2収納部11bとを区別するものでなく、1つの収納部11であってもよい。
また、第1実施形態におけるアッパーボックス本体1とレジスタ17とは、別体として設計されていてもよい。この場合には、ドア本体21にはレジスタ蓋部27は設けられない。
また、第1実施形態におけるドアはドアアーム部22を設けているが、ドアアーム部22を設けず、ドア本体21にドア本体21を揺動可能となるように枢支軸4を備えている構成であってもよい。この場合、ドア本体21の枢支軸4を中心としてドア本体21とは反対側にドア本体21から延びる延在部24を設け、延在部24に重量体5を配設することができる。
また、第1実施形態における延在部24は、ドア本体21の左右両端に設けられる一対のものに代えて、ドア本体21から車両前方向に延びる一つの板状体であってもよい。この場合、延在部24の左右方向はドア本体21の車幅方向の長さと等しくすることが望ましい。
また、第1実施形態における重量体5は、中実体に代えて中空体であってもよい。
また、第1実施形態における重量体5は、左右の延在部24を連結する棒状の中実体に代えて、左右の延在部24にそれぞれ配設される錘等のウェイト体であってもよい。この場合、左右の重量体5の質量を変えることが容易であり、ドア重心の車幅方向(左右方向)のバランスを調節することが可能となる。
また、第1実施形態におけるスプリング3はターンオーバースプリングを用いているが、これに代えて、ドア2を開方向に常に付勢している付勢手段を用いてもよい。このような場合であっても、本発明に係る重量体5を備えることによりスプリング3の荷重増加を抑えることができ、ひいてはドア変形の誘発を抑制することができる。
1:アッパーボックス本体 10:インストルメントパネル 11:収納部
2:ドア 24:延在部 3:スプリング 4:枢支軸 5:重量体
2:ドア 24:延在部 3:スプリング 4:枢支軸 5:重量体
Claims (3)
- インストルメントパネルの上側に設けられ上面に開口を有する収納部を含むアッパーボックス本体と、
前記収納部の開口を車室内から遮蔽する閉位置と前記収納部の開口を車室内に露出する開位置を状態変化するドアと、
前記ドアを少なくとも前記開位置の方向に付勢しているスプリングと、を備え、
前記ドアは前記アッパーボックス本体に対して揺動可能に枢支される枢支軸を有し、
前記枢支軸を中心として前記ドアとは反対側に、前記ドアから延びる延在部に配設される重量体を有するアッパーボックス開閉機構。 - 前記重量体は、車幅方向に延びている棒状体である請求項1に記載のアッパーボックス開閉機構。
- 前記重量体は、前記ドアにインサート成形されている請求項1又は2に記載のアッパーボックス開閉機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015062851A JP2016182840A (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | アッパーボックス開閉機構 |
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JP2015062851A JP2016182840A (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | アッパーボックス開閉機構 |
Publications (1)
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ID=57242434
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020199854A (ja) * | 2019-06-07 | 2020-12-17 | 極東開発工業株式会社 | 荷受台昇降装置におけるストッパ装置 |
JP2022134945A (ja) * | 2021-03-04 | 2022-09-15 | 本田技研工業株式会社 | 車両の物品収納部構造 |
JP2022138235A (ja) * | 2021-03-10 | 2022-09-26 | 本田技研工業株式会社 | 車両用収納構造 |
-
2015
- 2015-03-25 JP JP2015062851A patent/JP2016182840A/ja active Pending
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JP7442981B2 (ja) | 2019-06-07 | 2024-03-05 | 極東開発工業株式会社 | 荷受台昇降装置におけるストッパ装置 |
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JP7202408B2 (ja) | 2021-03-04 | 2023-01-11 | 本田技研工業株式会社 | 車両の物品収納部構造 |
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