JP6284449B2 - 収納装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両内装部材に設けられる収納装置に関するものである。
自動車等の車両には、インストルメントパネルやドアパネル等の車両内装部材に、車検証や身の回りの小物等の物品を収納できる収納装置が設けられている。収納装置としては、上方に開口した収納容器が裏側(インストルメントパネル側)に設けられたリッドを、その下部に設けた軸部を中心として、インストルメントパネルに回動可能に配設した、所謂「ビンタイプ」のものがある。前記リッドは、収納容器をインストルメントパネル内に収める閉成姿勢から、該リッドの上部を乗員室側に傾動させて収納容器の開口を乗員室側に臨ませる開放姿勢まで変位する(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−233912号公報
前記収納装置は、開放姿勢にあるリッドの開放端部が乗員室側に延出するので、リッドが乗員の膝にぶつかることがある。そこで、特許文献1の収納装置では、車両とリッドとを接続するリンク機構をスプリングで付勢することで、閉成姿勢から開放姿勢に変位するリッドを上方に移動させて乗員との干渉を防いでいる。しかし、特許文献1のようなリンク機構を用いた構成では、部品点数が嵩むと共に各部品の寸法管理が困難である。また、前記収納装置は、リッドが開放姿勢側へ変位する際に、自重により開放姿勢側への変位速度が加速されて開放姿勢に停止する際の衝撃が大きくなり、収納した物品が飛び出すおそれがある。更に、リッドの姿勢変位が加速されると、リッドを支持する操作者にかかる力の大きさが変化するため、操作性が悪い。
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、簡単な構成で、乗員との干渉を抑制し得ると共に操作性に優れた収納装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る発明の収納装置は、
下部に設けられた軸部を介して車両内装部材に対して姿勢変位可能に取り付けられ、物品を収納可能な物品収納部を閉じた閉成姿勢と、この閉成姿勢から乗員室側に傾いて該物品収納部を乗員室側に臨ませる開放姿勢との間で開閉し得る開閉体を備え、該開閉体の開閉に際して開放姿勢側に向けて自重がかかるように構成された収納装置において、
前記車両内装部材に上下に延在するように設けられ、前記軸部を回転可能に保持すると共に、該軸部を上下に案内するガイドと、
前記軸部に設けられ、前記開閉体の開閉に伴って回動する前記軸部と共に回動するギアと、
前記車両内装部材に前記ガイドに沿って延在するよう配設され、前記ギアと噛み合うラックとを備え、
前記閉成姿勢から前記開放姿勢へ向けた前記開閉体の開放に伴って回動する前記ギアの前記ラックとの噛み合い位置が上昇することで前記軸部を上昇させると共に、開放姿勢から閉成姿勢へ向けた開閉体の閉成に伴って回動するギアのラックとの噛み合い位置が下降することで軸部を下降させるよう構成したことを要旨とする。
請求項1に係る発明では、閉成姿勢から開放姿勢に開放する開閉体の開放に伴い、ギアとラックとの噛み合い位置が上昇することで、ガイドに案内されて軸部が上昇される。すなわち、ガイドの下端を回転中心として開閉体を開放した場合よりも開閉体が全体的に上方に変位して開放することになり、開放した開閉体と乗員との干渉を回避できる。また、ギアとラックとからなる簡単な機構で、開閉体の開閉に伴って該開閉体を昇降させることができる。そして、開閉体の開放時に該開閉体の上昇に力が消費されるので、自重により開放方向に力が加わった開閉体の開放にブレーキをかけることができる。これにより、使用者の操作負担を軽減し、開閉体の操作性を向上し得る。
請求項2に係る発明は、前記開閉体は、前記物品収納部を備え、
前記物品収納部の側面に前記軸部が設けられると共に、前記車両内装部材における該側面に重なる部位に前記ガイドおよび前記ラックが設けられたことを要旨とする。
請求項2に係る発明では、物品収納部に物品を収納することに伴う重心の変化を抑えることができ、開放時のブレーキ作用を適切に働かせることができる。
請求項3に係る発明は、前記ガイドと前記ラックとは、前記開閉体の前記閉成姿勢で前記軸部が位置する該ガイドの下端部から上方に向けた途中位置まで互いに平行に延在する一方、開閉体の前記開放姿勢で軸部が位置する該ガイドの上端部において互いの間隔が狭くなるよう設定されたことを要旨とする。
請求項3に係る発明では、ギアのラックとの噛み合いを干渉させて、開閉体が開放姿勢に至るときのブレーキ作用を強くすることができる。
本発明に係る収納装置によれば、簡単な構成により乗員との干渉の抑制および優れた操作性を実現できる。
本発明の実施例に係る収納装置を示す斜視図である。 実施例の収納装置を分解して示す斜視図である。 図1のIII−III線端面図である。 実施例の収納装置を開閉体の閉成姿勢で示す左側面図である。 実施例の収納装置を開閉体の開放姿勢で示す左側面図である。 閉成姿勢から開放姿勢までの姿勢変位に伴う開閉体の開放端部および重心の軌跡を示す説明図であって、開放姿勢にある開閉体の輪郭、姿勢変位に伴う開閉体の開放端部の軌跡および重心の軌跡を実線で示し、軸部をガイド孔の下端に固定した場合において開放姿勢にある開閉体の輪郭、姿勢変位に伴う開閉体の開放端部および重心の軌跡を2点鎖線で示す。
本発明に係る収納装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。実施例では、車両内装部材の一つであるインストルメントパネルに、開閉体の下部に設けた軸部が車両の左右方向に延在するよう設けられる収納装置を例に挙げて説明し、車両を基準として収納装置の方向を指称する。
実施例に係る収納装置10は、インストルメントパネル(車両内装部材)に設けられた設置部材12に対して、下部に設けられた軸部46を介して姿勢変位可能に取り付けられた開閉体22を備える。開閉体22は、物品を収納可能な収納容器(物品収納部)24の収納空間26を閉じた閉成姿勢(図1および図4参照)と、該収納容器24の収納空間26を乗員室側に臨ませる開放姿勢(図5参照)との間で開閉し得るよう構成される。開閉体22は、閉成姿勢から上部を乗員室側である後方へ傾けて開放姿勢に変位する。以下の説明では、開閉体22が開放姿勢へ向けて変位することを開閉体22の開放と言い、開閉体22が閉成姿勢へ向けて変位することを開閉体22の閉成と言う。また、内側および外側は、収納空間26を基準とし、収納空間26に向く側が内である。更に、図4に矢印で示す閉成姿勢から開放姿勢へ変位する方向を開閉体22の開放方向と言い、図5に矢印で示す開放姿勢から閉成姿勢に変位する方向を開閉体22の閉成方向と言う。
図1および図2に示すように、設置部材12は、後方(乗員室側)および下方に開放する箱状体であり、後方に開放する設置開口12aを乗員室側へ向けてインストルメントパネルの裏側に配設される。設置部材12は、インストルメントパネルに開設された開口部に設置開口12aを合わせて設置され、閉成姿勢において収納容器24を設置部材12内に収めた開閉体22で設置開口12aが塞がれる。そして、閉成姿勢においてインストルメントパネルの開口部に開閉体22の前面(後述のリッド34)が整合して、インストルメントパネルの一部をなす。設置開口12aは、上方に向かうにつれ後方へ傾斜している。なお、実施例の設置部材12は、左右対称に形成される。
図2に示すように、前記開閉体22は、収納容器24と、この収納容器24の後側に取り付けられたリッド34とを備える。前記収納容器24は、容器開口28が上方に開放する箱状に形成され、該容器開口28を介して内部画成された収納空間26に物品が収納される。また、収納容器24における左右の横板30には、左右方向に貫通する容器軸孔30aが夫々形成される。実施例の容器軸孔30aは、略矩形状をなしている。なお、実施例の収納容器24は、左右対称に形成される。
図2に示すように、前記リッド34は、収納容器24の後板32を後方から覆う平板状のリッド本体36と、このリッド本体36における左右の側縁から前方へ延出し、収納容器24における左右の横板30の外側に重なる側板38とから、上下および後方へ開放する略コ字状に形成される。図1に示すように、リッド本体36は、設置開口12aに合わせて外形が形成される。図2に示すように、前記リッド本体36と収納容器24の後板32との間には、開閉体22を閉成姿勢で設置部材12に対して停止させるロック機構40が設けられている。また、リッド本体36の右上部には、ロック機構40を解除操作可能な操作片36aが設けられ、該操作片36aの操作により、ロック機構40の左右の閂部40aが設置部材12の側壁14に開設された規制孔14aから退避して開閉体22の開放が許容される。また、ロック機構40は、付勢手段40bにより、閉成姿勢で閂部40aが規制孔14aに整合した際に挿入される。左右の側板38は、前上部が矩形状に切り欠かれた略L字状をなし、下部に左右方向に貫通するリッド軸孔38aが形成されている。図3に示すように、リッド軸孔38aは、該リッド軸孔38aより開口の大きな容器軸孔30aと左右方向に重なるよう配置される。そして、リッド軸孔38aの開口縁に左右方向内側に突出形成された筒状部38bが、容器軸孔30aに嵌合すると共に該容器軸孔30aから左右方向内側へ突出する。
図1〜図3に示すように、開閉体22における左右の側面下部には、左右方向に延在する軸部46が設けられている。軸部46は、開閉体22のリッド軸孔38aおよび容器軸孔30aに挿入され、左右方向内側端部に設けられた係止爪46b(図2参照)がリッド軸孔38aの開口縁に係合する。このように、軸部46は、開閉体22を構成するリッド34の側板(側面)38および収納容器24の横板(側面)30に設けられている。軸部46は、左右方向外側が円筒状に形成され、左右方向内側がリッド軸孔38aに嵌合する矩形筒状に形成される。また、軸部46には、左右方向に貫通する装着孔46aが設けられている。
軸部46の左右方向外側端部には、ギア42が設けられている。ギア42は、左右方向内面の中心部で軸部46に接続される円板状の基部44を備え、この基部44の外縁から後方へ延出する扇状部分48の先端部に、軸部46を中心とした円弧状に延在する歯部42aが設けられている。このように実施例では、軸部46およびギア42が一体に形成されている。そして、ギア42および軸部46は、軸部46を開閉体22の側面に開口するリッド軸孔38aに左右方向外側から挿入し、装着孔46aに左右方向内側(収納空間26側)からクリップ52を装着して開閉体22に取り付けられる。なお、軸部46の延出端部側およびリッド軸孔38aは、上下方向および前後方向に非対称に形成され、リッド軸孔38aに軸部46を挿入することで開閉体22に対するギア42の姿勢が決まるようになっている。ギア42の扇状部分48には、歯部42aより左右方向内側に、該歯部42aよりも後方へ板状に延出する延出部50が設けられている。この延出部50の外縁は、軸部46を中心とした円弧状に形成されて歯部42aに沿って延在する。また、ギア42における扇状部分48の左右方向内側には、左右方向内側に突出するギア突起48aが設けられている。このギア突起48aは、扇状部分48における前後方向の中央部に軸部46を中心とした円弧状に形成される。
図1〜図3に示すように、設置部材12は、開閉体22における左右の側面に重なる左右の側壁14に、上下方向に延在するガイド孔(ガイド)18が開設され、該ガイド孔18に軸部46が挿入されている。軸部46は、左右方向外側(ギア42側)の円筒状部分でガイド孔18の開口縁に当接し、該ガイド孔18に回転可能に保持されると共に、該開口縁に沿って上下方向に案内される。実施例のガイド孔18は、上方に向かうにつれて乗員室側である後方へ傾斜する長孔をなし、左右方向に貫通する。ガイド孔18は、該ガイド孔18における開口縁の前後方向に対向して平行に延在する対向部18bが、常に軸部46に当接するよう寸法設定され、軸部46を対向部18bに沿って移動するよう案内する。ガイド孔18の開口縁には、左右方向外側へ突出するガイド突起18aが設けられ、ガイド突起18aがギア42における左右方向内面に摺動可能に当接している。なお、設置部材12の側壁14におけるガイド孔18の後方に、前記ギア突起48aが摺動可能に当接する。また、設置部材12には、ガイド孔18の後方に離間して該ガイド孔18に沿って延在し、ギア42と噛み合うラック20が配設される。このように、実施例の開閉体22は、ギア42が噛合するラック20でも設置部材12に保持されている。また、実施例の設置部材12は、ラック20およびガイド孔18(対向部18b)が下端から上端まで互いに平行に延在する。ギア42は、軸部46を案内するガイド孔18により、ラック20に対する近接および離間が規制される。ここで、ギア42およびラック20の噛み合いは、ギア42の回転中心である軸部46および噛み合い位置にある歯部42aを結んだ直線A(図4および図5参照)と、ラック20における歯部20aを繋いだ直線B(図Aおよび図5参照)とが常に直交する関係となる。また、実施例のラック20は、設置開口12aの開口縁に設けられたフランジ16に設けられ、設置部材12の側壁14との間に隙間をあけて配置されている。そして、この隙間に、ギア42の前記延出部50が挿入され、ラック20と設置部材12の側壁14との間で左右方向に位置規制されている。ここで、本発明における「ガイドが上下方向に延在する」とは、ガイド孔18が上下方向に延在する成分を備えていることを言い、鉛直方向や鉛直方向に対して傾斜して延在することを含んでいる。
(実施例の作用)
次に、実施例に係る収納装置10の作用について説明する。図4に示すように、閉成姿勢にある開閉体22は、ガイド孔18の下端に軸部46が位置する。そして、ギア42の歯部42aおよびラック20の歯部20aは、互いの下端部で噛み合う。閉成姿勢において、開閉体22は、その重心Gが、軸部46よりも乗員室側である後方かつ上方に位置するよう設定される。このため、閉成姿勢にある開閉体22には、上部を後方へ傾ける方向、すなわち開放方向へ向けて自重がかかっている。なお、実施例の収納装置10では、開閉体22の重心Gが、ガイド孔18における軸部46の移動軌跡を示す直線C(軸部46の回転中心を通り対向部18bに平行な直線)と、前記直線B(ラック20とギア42との噛み合いの位置の軌跡を示す直線)との中心線D上に位置設定される。実施例では、閉成姿勢にある開閉体22は、リッド本体36がガイド孔18およびラック20に沿って延在している。
収納装置10は、使用者が閉成姿勢にある開閉体22の操作片36aを操作してロック機構40を解除し、該開閉体22の上部を開放方向へ傾けることで、開閉体22が開放する。この開閉体22の開放に伴って、軸部46が開放方向へ回転し、ギア42のラック20との噛み合い位置が前記直交関係を保ちながら上昇することで、軸部46がガイド孔18に案内されて上昇する。この軸部46の上昇により、開閉体22全体が上昇する。図5に示すように、ガイド孔18の上端まで上昇すると、ガイド孔18の開口縁に当接することで軸部46の上昇が規制され、開閉体22が開放姿勢に停止する。開閉体22が開放姿勢にある収納装置10では、ラック20におけるギア42との噛み合い位置は、該ラック20の上端部に位置する。また、使用者が開放姿勢にある開閉体22の開放端部側を閉成方向へ傾けることで、開閉体22が閉成する。この開閉体22の閉成に伴って軸部46が閉成方向へ回転してギア42とラック20との噛み合い位置が下降することで、軸部46がガイド孔18に案内されてガイド孔18に沿って下降し、この軸部46の下降に伴って開閉体22全体が下降する。
収納装置10は、開放時に開閉体22の開放方向へ加わる自重が、開閉体22の上昇に消費され、開閉体22の開放速度が減じられる。換言すると、実施例の収納装置10では、図6に示すように、軸部46をガイド孔18の下端に固定して開閉体22を同じ角度まで傾斜させた場合と比べて、重心の高さ変化が小さく、開閉体22の運動エネルギーを位置エネルギーに変換し得るので、開閉体22の開放速度を減じることができる。すなわち、収納装置10は、ギア42とラック20との噛み合い位置の変化に伴って、開閉体22の開放にブレーキをかけることができる。このため、開閉体22を支持しながら操作する使用者の操作負担が軽減される。また、開閉体22の開放速度を調節するダンパーを小型化したり、該ダンパーが不要となる。更に、開放姿勢に停止する際に収納物品にかかる慣性力が小さくなるので、容器開口28からの収納物品の飛び出しを抑制できる。図6に示すように、開放姿勢にある開閉体22は、軸部46をガイド孔18の下端に固定して開閉体22を同じ角度まで傾斜させた場合と比べて、リッド34の開放端が上方に位置する。このため、リッド34の開放端が乗員の膝に当たり難く、開閉体22と乗員との干渉を回避できる。また、収納装置10は、軸部46を固定した場合と比べて、容器開口28が上方に位置するので、物品を出し入れし易い。このように、実施例の収納装置10は、開閉体22に設けたギア42と設置部材12に設けたラック20とを用いた簡単な構成で、開閉体22の開閉に伴って該開閉体22を昇降させることができる。
収納装置10は、リッド34に収納容器24が取り付けられ、設置部材12における収納容器24の側面に重なる側壁14にガイド孔18およびラック20を設け、収納空間26と軸部46、ガイド孔18およびラック20とが左右方向に重なる配置となっている。このため、収納容器24と軸部46およびラック20とが前後に離間して配置された構成と比べて、収納空間26に物品を収納することに伴う重心の変化を抑えることができ、開放時の開閉体22にかかるブレーキ作用を適切に働かせることができる。また、収納装置10は、ギア42が回動する際に、ギア42の左右方向内面とガイド突起18aが摺接すると共に、ギア突起48aが設置部材12の側壁14に摺接するので、ギア42と設置部材12とが面と面で摺接する場合と比べて、ギア42の回動抵抗を抑えることができる。また、収納装置は、ギア42の延出部50がラック20と設置部材12の側壁14との間で位置規制されるので、ギア42が回動する際の左右方向のブレを抑制し、該ギア42の回転を安定化し得る。
(変更例)
前述した実施例の構成に限定されず、以下のようにも変更可能である。
(1) ガイドは、前後方向に傾くことなく鉛直に延在してもよい。また、ガイドは、上方へ向かうにつれて乗員室側に傾斜することで、開閉体を乗員室側に傾けて開放する際に、簡単な構成で軸部を上昇させ得る。
(2) 実施例では、閉成姿勢にある開閉体に、開放方向へ自重がかかる場合を例に挙げたが、開閉体は、閉成姿勢では開放方向へ自重がかからず、開放途中で開放方向へ自重がかかる構成でもよい。
(3) 実施例では、開閉体が収納容器を備えていたが、収納容器が車両内装部材に設けられ、この容器の開口を開閉体で開閉する構成でもよい。
(4) 実施例では、下端から上端までガイドとラックとが平行に延在する例を挙げて説明したが、ガイドの下端部から上方に向けた途中位置までガイドとラックとが平行に延在し、ガイドの上端部においてガイドとラックとの間隔が狭くなるよう設定してもよい。具体的には、ガイドの上端部において、ラックをガイド側に近付くよう曲げたり、ガイドをラック側に近付くよう曲げることができる。これにより、ガイドのラックとの噛み合いを干渉させて、開閉体が開放姿勢に至るときのブレーキ作用を強くすることができる。また、ラックおよびギアにおける開閉体が開放姿勢に至るときに噛み合う歯部の厚みを、他の歯部の厚みと比べて大きくすることで、ギアおよびラックの噛み合い抵抗を大きくして、開放姿勢に至るときのブレーキ作用を強くしてもよい。
10 収納装置,12 設置部材(車両内装部材),18 ガイド孔(ガイド),
20 ラック,22 開閉体,24 収納容器(物品収納部),42 ギア,46 軸部

Claims (3)

  1. 下部に設けられた軸部を介して車両内装部材に対して姿勢変位可能に取り付けられ、物品を収納可能な物品収納部を閉じた閉成姿勢と、この閉成姿勢から乗員室側に傾いて該物品収納部を乗員室側に臨ませる開放姿勢との間で開閉し得る開閉体を備え、該開閉体の開閉に際して開放姿勢側に向けて自重がかかるように構成された収納装置において、
    前記車両内装部材に上下に延在するように設けられ、前記軸部を回転可能に保持すると共に、該軸部を上下に案内するガイドと、
    前記軸部に設けられ、前記開閉体の開閉に伴って回動する前記軸部と共に回動するギアと、
    前記車両内装部材に前記ガイドに沿って延在するよう配設され、前記ギアと噛み合うラックとを備え、
    前記閉成姿勢から前記開放姿勢へ向けた前記開閉体の開放に伴って回動する前記ギアの前記ラックとの噛み合い位置が上昇することで前記軸部を上昇させると共に、開放姿勢から閉成姿勢へ向けた開閉体の閉成に伴って回動するギアのラックとの噛み合い位置が下降することで軸部を下降させるよう構成した
    ことを特徴とする収納装置。
  2. 前記開閉体は、前記物品収納部を備え、
    前記物品収納部の側面に前記軸部が設けられると共に、前記車両内装部材における該側面に重なる部位に前記ガイドおよび前記ラックが設けられた請求項1記載の収納装置。
  3. 前記ガイドと前記ラックとは、前記開閉体の前記閉成姿勢で前記軸部が位置する該ガイドの下端部から上方に向けた途中位置まで互いに平行に延在する一方、開閉体の前記開放姿勢で軸部が位置する該ガイドの上端部において互いの間隔が狭くなるよう設定された請求項1または2記載の収納装置。
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