JP5586142B2 - 線材の止水方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスを構成する電線間の隙間や被覆電線の芯線間の隙間などを止水する線材の止水構造および止水方法に関する(尚、本発明の説明における『止水』は、水の浸入を阻止することに限らず、水、油、アルコール、等を含む液体全般に有効に作用することを意味するが、ここでは一般的に名称として広く用いられている『止水』を用いて説明する)。
ワイヤハーネスの電線間(即ち、ワイヤハーネスを形成する線材間)の隙間を止水材で封止する止水方法として、図8に示すように、ワイヤハーネスを構成する複数の電線W(即ち、電線Wの束)に止水材200を塗布した後、塗布した箇所にシート(即ち、カバー材)10を巻き付け、次にシート10を図示略のクリップで一時的に固定して、止水材200が硬化した後にシート10からクリップを外して、当該シート10の部分を図示略のグロメットの首部で覆い、グロメットをワイヤハーネスに固定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、作業上の止水材200の充填幅B(シート10で覆う長さ)は、止水材200の必要止水幅Aよりも大きくしてある。
この方法では、止水材200を塗布した後にシート10でくるむだけなので、止水材200が毛細管現象により電線W間の隙間を伝って必要止水幅Aの外側へ流失してしまい、思った通りの止水性能が確保できないおそれがある。また、シート10の外側にはみ出した止水材200のはみ出し部分201が周囲を汚してしまうおそれもある。このように、はみ出し部分201が大きくなるように止水材200が電線W間の隙間および電線Wとシート10の内面との隙間に浸透後、硬化したワイヤハーネスは、その長さ方向に長い距離にわたって硬い部分を有するものとなってしまい、よってワイヤハーネスに必要な可撓性が低いものとなってしまう。
次に、被覆電線の芯線間(即ち、被覆電線を形成する線材間)の隙間を止水材で封止する止水方法の一例を図9を参照しながら説明する。図9に示されるように、被覆電線51は、その複数の芯線(導体)53の周囲に絶縁被覆(即ち、カバー材)54を有する。この被覆電線51には、その端末部に接続端子52が圧着されている(即ち、加締められている)。
被覆電線51への接続端子52の圧着は、絶縁被覆54が除去されて芯線53が露出されている被覆電線51の端末部を接続端子52のバレル55間にセットし、そしてバレル55を加締めて閉じ、これにより芯線53および絶縁被覆54を接続端子52に圧着固定する。
このような接続端子52付きの被覆電線51の芯線53間を止水する止水方法では、被覆電線51の端末部に対し、上から(即ち、図9に向かって手前側から)鎖線楕円60の中心を目掛けて、流動性のある止水材を滴下供給し、止水材を絶縁被覆54の内側に浸透させ、これにより芯線53間の隙間および芯線53と絶縁被覆54の内面との隙間が止水材により埋められることを狙っている。尚、止水材としては、東亞合成株式会社製のアロンアルファ(登録商標)等の接着剤が用いられる。
しかしながら、この方法による止水処理では、芯線53間の隙間および芯線53と絶縁被覆54の内面との隙間に毛細管現象のために均一に止水材が流れ込まない。それ故、鎖線楕円60の中心を目掛けて規定量の止水材を滴下供給しても、芯線53間あるいは芯線53と絶縁被覆54との間に隙間ができて(即ち、隙間が残って)所望の止水効果が得られない可能性が高い。
そのため、大量の止水材を鎖線楕円60の中心を目掛けて滴下供給すると、隙間を埋めるという点では止水材が有効に作用する反面、止水材が必要止水幅以上に浸透してしまうという欠点が生じてしまう。つまり、止水材が芯線53間の隙間および芯線53と絶縁被覆54との隙間に必要止水幅以上浸透後、硬化した被覆電線51は、その長さ方向に長い距離にわたって硬い部分を有するものとなってしまい、よって被覆電線51(即ち、ワイヤハーネス)に必要な可撓性が低いものとなってしまう。
このように、線材間の隙間に浸透させた止水材が何処まで浸透しているかを確認するのが困難な止水構造においては、上述した止水方法では止水処理の信頼性にばらつきが生じてしまう。
特開2005−73389号公報
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、狙った位置に止水材を留めることができ且つこの止水材の分布を一様にでき、よって十分な止水性能を発揮できると共に、周囲を止水材で汚すおそれのない線材の止水構造および線材の止水方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明に係る線材の止水方法は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 磁性流体である止水材を束になった複数の線材間の隙間に浸透させた後、該止水材を硬化させる線材の止水方法であって、
液状の前記止水材を前記線材間の隙間に浸透させた後、当該止水材が浸透している前記線材の束の部分の外周を覆う、磁束が通過可能なカバー材の外側から、該カバー材の外周面に沿って円環状に連なるように配置された4以上の偶数個の磁石片を有し且つ当該磁石片の磁極の配置が隣り合う磁石片同士で互い違いである磁石によって、前記止水材を前記カバー材内の所定箇所に集めるように磁界を掛けた状態で当該止水材を硬化させること。
(2) 上記(1)の止水方法において、
前記止水材は、複数の磁性超微粒子を液状の止水剤中に分散させた複合材料であって、各磁性超微粒子の表面には、前記磁性超微粒子が止水材内で凝集することなく分散状態を保つ程度に界面活性剤が化学吸着されており、
前記磁界により前記磁性超微粒子と共に前記液状の止水剤が前記所定箇所に集められること。
(3) 上記(1)または(2)の止水方法において、
前記複数の線材がワイヤハーネスを形成する電線であり、それら電線間の隙間に前記止水材を浸透させた状態で、前記電線の束の外周に前記カバー材として被せたシートの外側から前記磁石により磁界を掛けて、前記止水材を前記所定箇所に集めること。
(4) 上記(1)または(2)の止水方法において、
前記複数の線材が被覆電線を形成する芯線であり、それら芯線間の隙間および該芯線の束と前記カバー材である絶縁被覆の内面との隙間に前記止水材を浸透させた状態で、前記絶縁被覆の外側から前記磁石により磁界を掛けて、前記止水材を前記所定箇所に集めること。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの止水方法において、
前記磁石片の数が、4個、6個、または8個であること。
上記()の止水方法によれば、磁石を使用することにより、磁力を用いて狙った位置に止水材を必要な時間だけ集めて硬化させることができるので、設計通りの止水性能を得ることができると共に、設計範囲外に止水材がはみ出して周囲を汚すのを有効に防止することができる。また、4以上の偶数個の磁石片を有する磁石を用いることにより、発生する磁束密度を均一にして止水材の分布を一様にすることができる。
上記()の止水方法によれば、磁石を使用することにより、磁力を用いて狙った位置に磁性超微粒子とに止水剤を集めて硬化させることができるので、設計通りの止水性能を得ることができると共に、設計範囲外に止水材がはみ出して周囲を汚すのを有効に防止することができる。
上記()の止水方法によれば、ワイヤハーネスを構成する電線間の隙間および該電線の束とシートの内面との隙間を効果的に止水することができる。また、この止水方法によれば、ワイヤハーネスに必要な可撓性を極力低めずに前記隙間を止水することができる。
また、このように止水材の磁性体を纏った電線は、フェライトが装着された場合と同様、通電された際にノイズ低減効果を奏する。
上記()の止水方法によれば、被覆電線を構成する芯線間の隙間および該芯線の束と絶縁被覆の内面との隙間を効果的に止水することができる。また、この止水方法によれば、被覆電線に必要な可撓性を極力低めずに前記隙間を止水することができる。また、このように止水材の磁性体を纏った芯線は、フェライトが装着された電線と同様、通電された際にノイズ低減効果を奏する。
上記()の止水方法によれば、磁石が4個、6個、または8個のいずれかの磁石片を有する構成なので、発生する磁束密度を均一にして止水材の分布を一様にすることができると共に、止水構造の設計を簡易なものとすることができる。
尚、前記磁石として電磁石を用いてもよい。その場合、各磁石片に巻かれたコイルに交流電流を流すことで交番磁界を発生させ、該交番磁界により止水材を所定箇所に集める。
より詳細には、交流電流を電磁石のコイルに流すことにより、磁性流体(止水材)中の磁性体(磁性超微粒子)を微細な磁石として連続的に動かすことができるので、止水材を攪拌する効果を生じさせることができて、その結果、狙った位置に止水材を充填させやすくなる。また、交流電流を電磁石のコイルに流すことでIH(電磁誘導加熱)が行なわれるため、止水材として熱硬化性のものを使った場合、該止水材を効率よく硬化させることができる。
また、前記磁石として電磁石を用いる場合、止水材が針状の磁性超微粒子を含有するものであると望ましい。その場合、交流電流を電磁石のコイルに流すことにより、針状の磁性体の向きを連続的に変えることができるので、止水材を攪拌して狙った位置に止水材を充填させる上で、更に効果的である。
本発明によれば、狙った位置に止水材を留めることができ且つこの止水材の分布を一様にすることができるので十分な止水性能を発揮できると共に、周囲を止水材で汚すおそれもなくなる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る線材の止水構造および線材の止水方法の好適な実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態の止水方法を実施している状態を示す図であって、図1(a)は斜視図、そして図1(b)は原理説明のための図(磁石の断面図、およびシート内の透視図を含む。)である。また、図2は図1に示す磁石の正面図である。
図1(a)および(b)に示される第1実施形態の止水方法では、まず、線材であるワイヤハーネスを構成する電線(本実施形態では銅を導体とした被覆電線)Wの束の外周を覆うカバー材としてのシート1と、磁石2と、液状の止水材3とを用意する。
シート1としては、磁石2の磁束が通過可能で液状の止水材3が浸透しない非磁性の樹脂シート等を用いる。磁石2は磁性を有する材料であって、自らの周囲に磁場を形成するものであれば特に限定されず、永久磁石、電磁石、永久磁性セラミック等様々なものを用いることができる。第1実施形態において、磁石2は、図1(a)および図2に示したように、半径方向に磁化(着磁)され外周側と内周側それぞれに磁極(N極とS極)を持つ永久磁石(磁石片)を6個用いて、電線Wの束の外周を覆うシート1の外周面に沿って円環状(リング状)に連なるように配置している。つまり、内周側がN極で外周側がS極の磁石片2A、2C、2Eと、内周側がS極で外周側がN極の磁石片2B、2D、2Fをそれぞれ交互に配置して、当該磁石片の磁極が隣り合う磁石片同士で互い違いとなるようにしてリング状の磁石2を形成している。そして、止水材3としては、磁性流体を用いる。つまり、止水材3は、ベース液となる液状の止水剤(即ち、接着剤等といった樹脂)の中に極めて複数の磁性超微粒子(即ち、磁性体)を均一に分散させたもの(複合材料)であって、各磁性超微粒子の表面には界面活性剤が強固に化学吸着されている。磁性超微粒子は、激しい熱運動と、表面の界面活性剤層の相互反発力のため、止水剤内で凝集することなく安定な分散状態を保つ。磁性超微粒子としては、マグネタイト等の強磁性超微粒子を用いる。
本発明の止水構造を電極Wの束に適用する方法としては、該電極Wの束の止水すべき箇所に、上述の止水材3を塗布して、電線W間の隙間に止水材3を浸透させた状態で、止水材3を塗布した箇所に、シート1を巻き付ける。その後、各磁石片2A〜2Fをシート1の外側からあてがい、互いに接着させてシート1の外側から止水材3に磁界を掛ける。そうすると、図1(b)に示すように磁力線10の作用で、止水材3が止水すべき範囲にわたる電線W間の隙間および該電線Wの束とシート1の内面との隙間を埋めるように集まる。そこで、この状態を維持しながら、止水材3を硬化させる。そうすることにより、シート1内の所定箇所に止水材3が集められて硬化されたワイヤハーネスの止水構造が出来上がる。尚、この止水方法では、先ず電線Wの束に止水材3を塗布した後、該止水材3を塗布した箇所にシート1を巻き付ける手順を採っているが、その代わりに、先ず電線Wの束にシート1を巻き付けた後、電線W間の隙間および該電線Wの束とシート1の内面との隙間に止水材3を浸透するよう注入する手順を採ってもよい。また、磁石片2A〜2Fは、互いの磁極どうしの引き合いによって接着させているが、より確実に固定するために、接着剤等を用いて磁石片どうしを接着させてもよい。
このように、磁石2を使用することにより狙った位置に必要な時間だけ止水材3を集めて、該止水材3を硬化させるので、設計通りの止水性能を得ることができると共に、設計範囲外に止水材3がはみ出して周囲を汚すのを有効に防止することができる。また、磁石2は6個の磁石片2A〜2Fにより構成されているため、発生する磁束密度の分布が均一になり、止水材を一様に分散硬化させることができる。
ところで、上述した第1実施形態では、流動性のある止水材として磁界により磁性超微粒子と伴に液状の止水剤が移動する特性(換言すれば、磁界により液状の止水材全体があたかも強磁性を持っているかのように移動する特性)を持つものを用いたが、これに限らず、本発明で止水材として用いる磁性流体は、液状の止水剤(即ち、接着剤等といった樹脂)に単に微細な鉄粉を混ぜた安価なものであってもよい。このように磁性流体中の磁性体が鉄粉のように錆びやすい性質を持っている場合、図3に示すように電線Wの両側から入ってくる外気や水分Sの影響で磁性体3aが錆びることが通常は懸念されるが、磁石2の作用で磁性体3aの分布を止水材2の中央に多く集めることにより、その両側の止水材3の止水剤が、外気や水分Sを遮断し、防錆効果を奏する。
上述した第1実施形態では、本発明を、ワイヤハーネスを構成する電線(被覆電線)W間の隙間および該電線Wの束とシート1の内面との隙間を止水材で封じる場合に適用した例について説明したが、本発明は、被覆電線を構成する芯線間の隙間および該芯線の束とその周りの絶縁被覆の内面との隙間を止水材で封じる場合にも適用することができる。
これは例えば、上述した第1実施形態の止水方法を1本の被覆電線に対して実施している様子を示す図4(a)および(b)から明らかなように、被覆電線Wの端末部にある銅製の芯線Waの露出部分に止水材供給装置20から止水材3を滴下供給して絶縁被覆Wbの内側へ浸透させた後、磁石2で絶縁被覆Wbの外側から掛けた磁界によって止水材3を絶縁被覆Wb内の所定箇所まで引き込んで芯線間Waの隙間および該芯線Waの束と絶縁被覆Wbの内面との隙間に浸透させることである。
また、図9の従来例と同様に接続端子52が端末部に取り付けられた被覆電線Wの場合でも、図5に示すように、図4(a)および(b)の例と同様に第1実施形態の止水方法を適用することができる。つまり、被覆電極Wの末部にある芯線Waの露出部分に止水材供給装置20から止水材3を滴下供給して絶縁被覆Wbの内側へ浸透させた後、絶縁被覆Wbの外側から磁石2により磁界を掛けて止水材3を絶縁被覆Wb内の所定箇所まで引き込んで芯線間Waの隙間および該芯線Waの束と絶縁被覆Wbの内面との隙間に浸透させる。
本発明おいて、磁石2は4以上の偶数個の磁石片に分割できる構成とするのが好ましい。磁石2が4以上の偶数個の磁石片を有し、当該磁石片を磁極の配置が隣り合う磁石片同士で互い違いとなるように配置することにより、隣り合う磁石片同士が引き合い、円環状の磁石2を形成すると共に、発生する磁束密度が均一になり、止水材の分布を一様にして止水性能を向上させることができる。図7に示したような2個の磁石片により構成した磁石32と比べて、特に、上記した第1実施形態で用いた6個の磁石片で構成された磁石2や、図6(a)に示したような、4個の磁石片で構成された磁石12や、図6(b)に示したような、8個の磁石片で構成された磁石22を用いることで、磁石2から発生する磁束密度の分布がより均一になり、従って、止水材3を一様に分散硬化させることができる。また、磁石2を分割可能とすることで、線材の周りに配置し易くなり、設計上容易な構成とすることができる。
但し、磁石の磁極(N極とS極)の配置については、図示した配置に限らず、止水材を所定箇所に集められる配置であれば、何でもよい。また、磁石の形についてもリング状に限らず、止水材を所定箇所に集められるものであれば、何でもよい。但し、リング状の磁石は、止水材を浸透させた線材に対してその周りから集中して磁界を掛け易いので好ましい。
また、前記磁石として電磁石を用いてもよい。その場合、各磁石片に巻かれたコイルに交流電流を流すことで交番磁界を発生させ、該交番磁界により止水材を所定箇所に集めることができる。つまり、交流電流を電磁石のコイルに流すことにより、磁性流体(止水材)中の磁性体(磁性超微粒子)を微細な磁石として連続的に動かすことができるので、止水材を攪拌する効果を生じさせることができて、その結果、所定箇所に止水材を充填させやすくなる。また、交流電流を電磁石のコイルに流すことでIH(電磁誘導加熱)が行なわれるため、止水材として熱硬化性のものを使った場合、該止水材を効率よく硬化させることができる。尚、前記磁石として電磁石を用いる場合、止水材が針状の磁性超微粒子を含有するものであると望ましい。その場合、交流電流を電磁石のコイルに流すことにより、針状の磁性体の向きを連続的に変えることができるので、止水材を攪拌して所定箇所に止水材を充填させる上で、更に効果的である。
ここで、本発明の理解を深めるため、上記実施形態に係る線材の止水構造について簡潔に纏めて述べる。
本発明は、磁性流体である止水材(3)を束になった複数の線材(W)間の隙間に浸透させた後、該止水材(3)を硬化させてなる線材の止水構造であって、液状の前記止水材(3)が浸透している前記線材(W)の束の部分の外周を覆うカバー材(1;Wb)の外側から、該カバー材(1;Wb)の外周面に沿って円環状に連なるように配置された4以上の偶数個の磁石片を有し且つ当該磁石片の磁極の配置が隣り合う磁石片同士で互い違いである磁石(2)により磁界が掛けられ、これにより前記止水材が前記カバー材内の所定箇所に集められた状態で、当該止水材(3)が硬化されている線材の止水構造である。この止水構造では、磁力を用いて狙った位置に止水材(3)を集めて硬化させたので、設計通りの止水性能が得られると共に、設計範囲外に止水材(3)がはみ出して周囲を汚すのを防止できる。また、4以上の偶数個に分割可能な磁石(2)を用いて磁界を掛けるため、発生する磁束密度を均一にして止水材の分布を一様にすることができる。
止水材(3)は、複数の磁性超微粒子を液状の止水剤中に分散させた複合材料であって、各磁性超微粒子の表面には界面活性剤が強固に化学吸着されており、磁界により磁性超微粒子と伴に液状の止水剤が前記所定箇所に集められる。この止水構造では、磁力を用いて狙った位置に磁性超微粒子と伴に集められた止水剤を硬化させたので、設計通りの止水性能が得られると共に、設計範囲外に止水材(3)がはみ出して周囲を汚すのを防止できる。
前記複数の線材がワイヤハーネスを形成する電線(W)であり、それら電線(W)間の隙間および該電線(W)の束とカバー材(1)の内面との隙間に止水材(3)が浸透し且つ硬化している。この止水構造では、ワイヤハーネスを構成する電線(W)間の隙間および該電線(W)の束とカバー材(1)の内面との隙間が効果的に止水される。また、この止水構造では、ワイヤハーネスに必要な可撓性を極力低めずに前記隙間が止水される。また、この止水構造のように止水材(3)の磁性体を纏った電線(W)は、フェライトが装着された場合と同様、通電された際にノイズ低減効果を奏する。
前記複数の線材が被覆電線(W)を形成する芯線(Wa)であり、それら芯線(Wa)間の隙間および該芯線(Wa)の束とカバー材である絶縁被覆(Wb)の内面との隙間に止水材(3)が浸透し且つ硬化している。この止水構造では、被覆電線(W)を構成する芯線(Wa)間の隙間および該芯線(Wa)の束と絶縁被覆(Wb)の内面との隙間が効果的に止水される。また、この止水構造では、被覆電線(W)に必要な可撓性を極力低めずに前記隙間が止水される。また、この止水構造のように止水材(3)の磁性体を纏った芯線(Wa)は、フェライトが装着された電線と同様、通電された際にノイズ低減効果を奏する。
磁石(2)は、4個、6個、または8個のいずれかの磁石片より構成される。この止水構造では、発生する磁束密度を均一にして止水材の分布を一様にすることができると共に、止水構造の設計を簡易なものとすることができる。
また、ここで、本発明の理解を深めるため、上記実施形態に係る線材の止水方法について簡潔に纏めて述べる。
本発明は、磁性流体である止水材(3)を束になった複数の線材(W)間の隙間に浸透させた後、該止水材(3)を硬化させる線材の止水方法であって、液状の前記止水材(3)を前記線材(W)間の隙間に浸透させた後、当該止水材(3)が浸透している前記線材(W)の束の部分の外周を覆うカバー材(1;Wb)の外側から、該カバー材(1;Wb)の外周面に沿って円環状に連なるように配置された4以上の偶数個の磁石片を有し且つ当該磁石片の磁極の配置が隣り合う磁石片同士で互い違いである磁石(2)によって、前記止水材を前記カバー材内の所定箇所に集めるように磁界を掛けた状態で当該止水材(3)を硬化させる。この止水方法では、磁石(2)を使用することにより、狙った位置に止水材(3)を必要な時間だけ集めて硬化させることができるので、設計通りの止水性能を得ることができると共に、設計範囲外に止水材(3)がはみ出して周囲を汚すのを有効に防止することができる。また、4以上の偶数個の磁石片よりなる磁石を用いることにより、発生する磁束密度を均一にして止水材の分布を一様にすることができる。
止水材(3)は、複数の磁性超微粒子を液状の止水剤中に分散させた複合材料であって、各磁性超微粒子の表面には界面活性剤が強固に化学吸着されており、磁界により磁性超微粒子と伴に液状の止水剤が前記所定箇所に集められる。この止水構造では、磁力を用いて狙った位置に磁性超微粒子と伴に集められた止水剤を硬化させたので、設計通りの止水性能が得られると共に、設計範囲外に止水材(3)がはみ出して周囲を汚すのを防止できる。
前記複数の線材がワイヤハーネスを形成する電線(W)であり、それら電線(W)間の隙間および該電線(W)の束とカバー材(1)の内面との隙間に止水材(3)が浸透し且つ硬化している。この止水構造では、ワイヤハーネスを構成する電線(W)間の隙間および該電線(W)の束とカバー材(1)の内面との隙間が効果的に止水される。また、この止水構造では、ワイヤハーネスに必要な可撓性を極力低めずに前記隙間が止水される。また、この止水構造のように止水材(3)の磁性体を纏った電線(W)は、フェライトが装着された場合と同様、通電された際にノイズ低減効果を奏する。
前記複数の線材が被覆電線(W)を形成する芯線(Wa)であり、それら芯線(Wa)間の隙間および該芯線(Wa)の束とカバー材である絶縁被覆(Wb)の内面との隙間に止水材(3)が浸透し且つ硬化している。この止水構造では、被覆電線(W)を構成する芯線(Wa)間の隙間および該芯線(Wa)の束と絶縁被覆(Wb)の内面との隙間が効果的に止水される。また、この止水構造では、被覆電線(W)に必要な可撓性を極力低めずに前記隙間が止水される。また、この止水構造のように止水材(3)の磁性体を纏った芯線(Wa)は、フェライトが装着された電線と同様、通電された際にノイズ低減効果を奏する。
磁石(2)は、4個、6個、または8個のいずれかの磁石片より構成される。この止水構造では、発生する磁束密度を均一にして止水材の分布を一様にすることができると共に、止水構造の設計を簡易なものとすることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明の第1実施形態の止水方法を実施している状態を示す図であって、(a)は斜視図、そして(b)は原理説明のための図(磁石の断面図、およびシート内の透視図を含む。)である。 図1に示す磁石の正面図である。 防錆効果の説明図である。 第1実施形態の止水構造を1本の被覆電線に対して実施している様子を示す図であって、(a)は斜視図、そして(b)は原理説明のための図(磁石の断面図、および絶縁被覆の断面図を含む。)である。 第1実施形態の止水構造を1本の、接続端子付き被覆電線に対して実施している様子を示す側面図である。 磁石の別の態様を示す図であって、(a)は4分割可能に構成された磁石の正面図、(b)は8分割可能に構成された磁石の正面図である。 2分割可能に構成された磁石の正面図である。 従来例を示す斜視図である。 他の従来例を示す上面図である。
符号の説明
W:電線
1:シート(カバー材)
2:磁石
3:止水材(磁性流体)

Claims (5)

  1. 磁性流体である止水材を束になった複数の線材間の隙間に浸透させた後、該止水材を硬化させる線材の止水方法であって、
    液状の前記止水材を前記線材間の隙間に浸透させた後、当該止水材が浸透している前記線材の束の部分の外周を覆う、磁束が通過可能なカバー材の外側から、該カバー材の外周面に沿って円環状に連なるように配置された4以上の偶数個の磁石片を有し且つ当該磁石片の磁極の配置が隣り合う磁石片同士で互い違いである磁石によって、前記止水材を前記カバー材内の所定箇所に集めるように磁界を掛けた状態で当該止水材を硬化させることを特徴とする線材の止水方法。
  2. 前記止水材は、複数の磁性超微粒子を液状の止水剤中に分散させた複合材料であって、各磁性超微粒子の表面には、前記磁性超微粒子が止水材内で凝集することなく分散状態を保つ程度に界面活性剤が化学吸着されており、
    前記磁界により前記磁性超微粒子と共に前記液状の止水剤が前記所定箇所に集められることを特徴とする請求項1に記載した線材の止水方法。
  3. 前記複数の線材がワイヤハーネスを形成する電線であり、それら電線間の隙間に前記止水材を浸透させた状態で、前記電線の束の外周に前記カバー材として被せたシートの外側から前記磁石により磁界を掛けて、前記止水材を前記所定箇所に集めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した線材の止水方法。
  4. 前記複数の線材が被覆電線を形成する芯線であり、それら芯線間の隙間および該芯線の束と前記カバー材である絶縁被覆の内面との隙間に前記止水材を浸透させた状態で、前記絶縁被覆の外側から前記磁石により磁界を掛けて、前記止水材を前記所定箇所に集めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した線材の止水方法。
  5. 前記磁石片の数が、4個、6個、または8個であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載した線材の止水方法。
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