JP5586091B2 - ハードコートフィルム、加飾ハードコートフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ハードコートの表面に直接、熱転写印刷が可能なハードコートフィルムに関する。
近年、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル機器の最表面に、傷付防止を目的としてハードコートフィルムを粘着層を介して貼着されるケースが多く見受けられる。またそれと併せてモバイル機器の意匠性を高めるため、ハードコートフィルムのハードコート層と反対側の面に印刷を行い、モバイル機器のディスプレイに加飾されるケースが増加している(特許文献1)。
タッチパネル機能を具備したモバイル機器に該ハードコートフィルムを貼着する場合、タッチパネルの製造工程中に加わる加熱処理工程(以下、アニール処理と呼ぶ)によってハードコートフィルムに面質劣化が生じてしまう。これは加熱により基材であるPETフィルムが収縮するのと同時にハードコート層も収縮するからである。つまり片面のみにハードコートをコートしたハードコートフィルムを用いると、加熱工程で発生したハードコートフィルムの面質劣化が、タッチパネルの機能に悪影響を及ぼす可能性が高い。そのため、タッチパネル機能を具備したモバイル機器のディスプレイ部の最表面に貼着するハードコートフィルムは、通常基材の両面をハードコート処理したフィルムであることが一般的である。よって加飾する場合には、スクリーン印刷法などによって裏側のハードコート面に直接印刷する方法が用いられている。
特許第4021925号公報 特願2009−271701
最近では顧客要望の多様化と短納期化により、モバイル機器一機種当りの生産台数が減少傾向にあり、前述のスクリーン印刷法を用いて加飾を施すことがコストアップの原因になることが指摘されている。そのため、スクリーン印刷法に替わる方法でハードコート層に加飾を行うことが種々検討されている。
特に有望な方法として挙げられるのは、熱転写プリンタを使用した熱転写印刷法である。本手法はオンデマンド印刷性に優れ、低コストで多様なデザインに対応できることを特徴とする印刷方法である。ところがハードコート層上に熱転写印刷することは以前から検討されているものの、ハードコート層と熱転写リボンとの密着性が得られず、満足できる品質が得られなかった。本願発明者は、特許文献2において記載したように、ハードコートフィルムのハードコート層の表面張力を35mN/m以上として、このハードコート層面に熱転写リボンで印刷することで、加飾ハードコートフィルムを得ることができた。
ところが、熱転写リボンで黒ベタ印刷すると、非常に細かい干渉縞が現れるようになった。
本発明は上記の干渉縞の問題を解決するために、熱転写プリンタを使用した熱転写印刷法によりハードコート層に直接印刷しても干渉縞が発生しなく、タッチパネルの製造工程中に加わるアニール処理によるハードコートフィルムの面質劣化のない加飾ハードコートフィルムを提供するものである。さらにまた、印刷していないところのハードコートフィルムの透明性が高いものを提供するものである。
第1発明は、基材の少なくとも一方の面にハードコート層を設けたハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層の上に受像層を設け、前記受像層が溶融粘度が5〜1000P/140℃の範囲である熱可塑性樹脂を主成分とするとともに、無機微粒子を1〜13重量%含有し、かつ前記受像層の平均粗さRaが0.005〜0.04μmの範囲であることを特徴とするハードコートフィルムである。
発明は、第発明に記載のハードコートフィルムの受像層面に熱転写印刷法により加飾を行なった加飾ハードコートフィルムにおいて、熱転写リボンとして基材上にアクリル系樹脂を含有する着色層を設けた熱転写リボンを用いることを特徴とする加飾ハードコートフィルムである。
本発明のハードコートフィルムを用いることで、フィルムに直接、熱転写印刷が可能であり干渉縞がなく、タッチパネルの製造工程中に加わるアニール処理によるハードコートフィルムの面質劣化のない加飾ハードコートフィルムが出来る。印刷されていないところについては、透明性の高い加飾ハードコートフィルムができる。
本発明で使用する基材は、各種のプラスチィックからなるフィルムであれば、特に限定されない。例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、セルロース系樹脂等よりなるフィルムが例示されるが、これらに限定されるものではない。取り扱性、貼着層との接着力の向上、コストの面より好ましくはポリエステルフィルムを用いるとよい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよいが、通常4〜400μmの範囲のものを用いる。
本発明のハードコート層に用いられる化合物は電離放射線により重合する化合物から主に形成されていることが好ましく、ラジカル重合反応を形成する(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、カチオン重合反応を形成する化合物であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては分子内に(メタ)アクリロイル基を1以上有する化合物を意味し、モノマーであっても、オリゴマーであってもよい。
本発明では、アクリロイル基とメタアクリロイル基を総称して、(メタ)アクリロイル基という。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物とは、アクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、メタアクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、アクリロイル基とメタアクリロイル基との両方を有するものであってもよい。また、以下に記載する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルについても同様である。
本発明に係る(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、以下に記載する多官能(メタ)アクリレートや単官能(メタ)アクリレートのモノマー又はオリゴマーが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエステル、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、4−グリシジルオキシブチルアクリレート、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
一方、カチオン重合を形成する化合物としては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
電離放射線重合反応に用いられる光重合開始剤としては、ラジカル重合型の化合物に対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン重合型の化合物に対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、重合性化合物100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で選ばれる。
前記電離放射線硬化性化合物以外にもハードコート性を大きく損なわない範囲で熱可塑性ポリマーを添加することができる。該熱可塑性ポリマーとしては、例えばアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブチラール系樹脂、ゼラチン、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、界面活性剤、有機系潤滑剤、有機系微粒子、無機系微粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料、帯電防止剤などを含有していてもよい。
ハードコート塗膜の厚みは1μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下であることが好ましい。該範囲未満ではハードコート性が十分得られず、塗膜に傷がつきやすい。一方、該範囲を超えるとコストアップにつながる。また、両側にハードコートを塗工する場合、その両層の膜厚差は30%以内に抑えることが好ましい。該範囲を超えると、ハードコートフィルムのカールが大きくなり、次工程移行の取り扱い性に悪影響がでたり、タッチパネルを組んだ際に、タッチパネル機能に悪影響を及ぼす可能性がある。
ハードコート層の上に設ける受像層は、熱可塑性樹脂を主成分とする。熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴムなどのエラストマー類、ポリイソブチレン、ポリブテンなどの1種または2種以上が挙げられる。
熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂を含有させてもよい。また、必要に応じて、ワックス類を加えても良い。特に熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂を加えると受像層の強度が高まり、アニール処理(150℃×60分処理)による面質劣化を抑えることができる。光硬化性樹脂としては、前記ハードコート層で挙げたモノマーや光重合開始剤が挙げられる。
熱転写印刷による干渉縞を防止するには、熱可塑性樹脂の溶融粘度を5〜1000P/140℃の範囲とするとよい。前記範囲未満であるとアニール処理時に受像層が軟化して面質劣化が発生しやすくなる。前記範囲を超えると干渉縞低減効果が小さくなる。受像層の無いハードコート層の上に直接熱転写印刷すると着色層とハードコート層の界面に極薄い空気層が生じると思われる。そのために干渉縞が発生すると考えられる。受像層を設けることにより、着色層と受像層の密着性が高まりこの空気層が消失すると考えられる。
熱可塑性樹脂の好ましい溶融粘度は、10〜900P/140℃の範囲とする。さらに好ましい溶融粘度の範囲は、100〜800P/140℃の範囲とする。(株式会社ユービーエム製MR300V II ソリキッドメータで測定。動的粘弾性測定モード、コーンプレート使用)受像層の厚みは、0.05〜1μmの範囲が好ましい。前記範囲未満であると干渉縞低減効果が小さい。前記範囲を超えると経済的に非効率である。さらに好ましい範囲の厚みは、0.1〜0.8μmの範囲とする。
アニール処理による面質劣化を防いだり、印刷品位を良好にするために、受像層に無機微粒子を1〜13重量%含有するとよい。前記範囲未満であると面質劣化防止効果が小さい。前記範囲を超えると熱転写印刷の受像特性が低下し、印刷品位が劣化しやすい。さらに好ましくは、1.5〜10重量%を含有するとよい。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、ボロニア、マグネシア、カルシア、フェライト、無定型チタニア、ハフニア等の単一酸化物の粒子;およびチタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム等の複合酸化物の粒子が挙げられ、より好ましくはシリカ微粒子である。これら無機微粒子は、水を分散媒とした水性コロイド;またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、もしくはエチレングリコールなどの親油性溶媒にコロイド状に分散させたオルガノゾルの形態であるのが好ましく、特に好ましくはコロイダルシリカである。
本発明の好ましい態様によれば、前記無機微粒子の平均粒径が5〜40nmの範囲、より好ましくは5〜30nmの範囲を有し、さらに好ましくは10〜30nmの範囲である。平均粒径が5nm未満であるとアニール処理の面質劣化を防ぐことが難しくなる。平均粒径が40nmを超えると、受像層の表面に凹凸が出てきてハードコートフィルムとしての透明性が低下してくる問題が発生する。
受像層の表面粗さは、平均粗さRaで、0.001〜0.06μmの範囲が好ましい。前記範囲未満にすることは、製造上困難である。前記範囲を超えると受像層の表面に凹凸が出てきてハードコートフィルムの透明性が低下してくる。より好ましい受像層の表面粗さは、平均粗さRaが0.005〜0.04μmの範囲が好ましい。透明性の低下はフィルムのヘイズの上昇となって現れる。上記平均粗さの範囲を超えるとフィルムのヘイズが1%を超えやすくなり、光学フィルムとしての透明性の品質が低下する。
なお、この平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。粒子の形状としては真球が最も良いが、略円形や楕円形でも良く、その場合の粒子の長さは(長径+短径)/2)として略算出される。
ハードコートフィルムに加飾行うためには、少なくとも一方の面にスクリーン印刷法、グラビア印刷法、パッド印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、熱転写印刷法等を用いて加飾印刷を行うが、なかでも熱転写印刷法は、少ロット生産性、オンデマンド性、印刷の多様性等が優れているため、特に好ましい。熱転写印刷法によりハードコート面に印刷する場合、ハードコート層の上に受像層が設けられていると干渉縞が発生しなくなる。
本発明の熱転写印刷法による加飾に用いる熱転写リボンは、公知の技術で作製された熱転写リボンを使用すれば良い。熱転写リボンは、基材上に着色層を設けたものである。着色層は、バインダーと色材等からなるものである。特にバインダーとしてアクリル系樹脂を含有すると受像層への熱転写が良好となる。アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸メチルエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エチルエステル樹脂、(メタ)アクリル酸ブチルエステル樹脂などから選ばれた1種以上が構造中に含まれるポリマーおよびコポリマーでなることが好ましい。バインダーの中で、アクリル系樹脂を少なくとも10重量%以上含有すると熱転写性が優れたものとなる。含有量が前記範囲未満であるとインクと基材との離型性が低下し、印字時に剥離音が生じたり、重ね印字時にコレクトと呼ばれる、2次色印字時に1次色を引き剥がしてしまう転写不良が生じやすい。より好ましい含有量は20〜80重量%であり、特に好ましい含有量は40〜60重量%である。
その他のバインダーとしては、ワックス、熱可塑性樹脂が挙げられる。ワックスとしては、たとえば木ろう、蜜ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックスなどの合成ワックス;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール;高級脂肪酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類;ステアリン酸アミド、オレイルアミドなどのアミド類およびビスアミド類などの1種または2種以上が使用できる。
熱可塑性樹脂としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴムなどのエラストマー類、ポリイソブチレン、ポリブテンなどの1種または2種以上があげられる。
色材としてはカーボンブラックの他、有機、無機の顔料及び/または染料を用いることができる。
熱転写リボンの基材としては、厚み2〜9μmの範囲のポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に用いる。着色層の反対面には、シリコーン系樹脂による耐熱層を設ける。
着色層の厚みとしては、0.1〜5.0μmの範囲が好ましく、0.3〜2.0μmであればさらに好ましい。前記範囲未満であると印字濃度不足が生じ、前記範囲を超えると印字のキレ性劣化、感度低下が生じやすい。
熱転写リボンは、基材上に着色層インクを塗工乾燥することによって構成することができる。
本発明を以下の実施例に従って、さらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[熱転写リボンの形成]
裏面に耐熱滑性層を設けた厚さ4.5μmのPETフィルムの表側の面に下記着色インクを乾燥膜厚で1μmにコーティングし、熱転写リボンを形成した。
ダイヤナールBR83(アクリル樹脂、三菱レイヨン製) 10重量部
LFF MA−7(カーボンブラック、三菱化学) 10重量部
分散剤 1重量部
MEK 79重量部
[ハードコートフィルムの形成]
厚さ100μmの光学PETの両面に下記ハードコート剤を厚み5μmにコーティングし、それぞれ積算光量500mj/cmの紫外線を照射し、塗膜を硬化させて、厚み5μmのハードコート層を形成した。
ライトエステルTMP(アクリレートモノマー、共栄社製) 20重量部
NKオリゴU−4HA(ウレタンアクリレート、新中村化学製) 18.5重量部
イルガキュア184(光開始剤、チバスペシャリティケミカル製) 1.5重量部
MEK 60重量部
上記のようにして作製したハードコートフィルムの片面に下記に示す受像層用塗工剤を厚みを0.5μmにコーティングして、受像層を形成した。
[塗工剤1]
バーサミドJP550(ポリアミド樹脂、コグニスジャパン製) 10重量部
トルエン 70重量部
IPA 20重量部
[塗工剤2]
ダイヤクロンER799(ポリエステル樹脂、三菱レイヨン製) 10重量部
MEK 90重量部
[塗工剤3]
ダイヤクロンER799(ポリエステル樹脂、三菱レイヨン製) 9.25重量部
MEK−ST(シリカゾル、平均粒径15nm、日産化学製) 0.75重量部
MEK 90重量部
[塗工剤4]
アラルダイトAER6071(エポキシ樹脂、チバガイギー製) 10重量部
MEK 90重量部
[塗工剤5]
ダイヤクロンER799(ポリエステル樹脂、三菱レイヨン製) 8重量部
MEK−ST(シリカゾル、平均粒径15nm、日産化学製) 2重量部
MEK 90重量部
[塗工剤6]
ボンダインHX−8210(EEA−無水マレイン酸樹脂、住友化学製)10重量部
MEK 90重量部
[塗工剤7]
ダイヤクロンER799(ポリエステル樹脂、三菱レイヨン製) 9.5重量部
微粒子シリカ粉体(平均粒径0.08μm) 0.5重量部
MEK 90重量部

以上の様にして作製した受像層付きハードコートフィルムについて以下の評価を行った。評価項目および評価基準は以下の通りである。
1.干渉縞
熱転写プリンター(自社製)を使用し、ハードコートフィルムの受像層塗工側に黒ベタ印刷を行う。印刷面と反対側(表面)から干渉縞の程度を目視で観察する。
○:干渉縞が全く見えない
△:干渉縞が薄く見える
×:干渉縞がはっきり見える
2.面質劣化
作製した受像層付きハードコートフィルムを10cm×10cmの大きさに切り、150℃の恒温層中に1時間放置した後、恒温層から取り出し、受像層の面質を確認する。
5:まったく変化無く非常に良好
4:良好
3:わずかに面質劣化が起こる
2:面質劣化が目立つ
1:面質劣化がひどく、完全にはじいた模様になる
3.印字評価
熱転写プリンタ(自社製)を使用し、スピード25mm/sec、印字エネルギー40mj/mmで受像層付きハードコートフィルムの受像面に印字した際の、インクの転写性を以下の基準で評価する。
5:非常に良好
4:良好
3:印字の一部に欠けが見られる
2:印字の欠けが目立つ
1:まったく印字ができない
4.受像層の表面粗さRa
小阪研究所製表面粗さ測定機 サーフコーダーSE3500で測定した。
5.ハードコートフィルムのヘイズ
日本電色製ヘイズメーター NDH2000で測定した。

上記方法に従って測定結果および評価結果を表1にまとめた。
Figure 0005586091

Claims (2)

  1. 基材の少なくとも一方の面にハードコート層を設けたハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層の上に受像層を設け、前記受像層が溶融粘度が5〜1000P/140℃の範囲である熱可塑性樹脂を主成分とするとともに、無機微粒子を1〜13重量%含有し、かつ前記受像層の平均粗さRaが0.005〜0.04μmの範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 請求項1に記載のハードコートフィルムの受像層面に熱転写印刷法により加飾を行なった加飾ハードコートフィルムにおいて、熱転写リボンとして基材上にアクリル系樹脂を含有する着色層を設けた熱転写リボンを用いることを特徴とする加飾ハードコートフィルム。
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