JP2017177782A - 転写箔 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写層を転写するときに尾引きが生ずることを抑制でき、また、印画物に高い耐久性を付与することができる転写箔を提供すること。【解決手段】基材1上に、離型層2、転写層10がこの順で設けられた転写箔であって、転写層10は、基材1側から、保護層3、接着層5がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、保護層3に、活性光線硬化性樹脂に活性光線を照射することで得られる活性光線硬化樹脂を含有せしめ、離型層2に、熱硬化樹脂、及び熱可塑性樹脂を含有せしめ、且つ離型層2の総質量に対する熱可塑性樹脂の含有量を10質量%以上50質量%以下の範囲とすることにより上記課題を解決する。【選択図】図1
Description
本発明は転写箔に関する。
IDカードや、ICカード(以下、これらを総称してカードと言う)には、カードの耐久性の向上を目的として、その表面に保護層を設けることが一般的に行われている。カード表面に保護層を設ける方法としては、例えば、基材と、当該基材から剥離可能に設けられた保護層を含む転写層を備える転写箔(保護層転写シートと称される場合もある。)を用いて、予め画像が形成されたカード上に、転写層を転写する方法等が知られている。また、カード上への画像の形成と、保護層の転写を一括で行うための転写箔として、基材側から、保護層、受容層兼接着層がこの順で積層されてなる転写層を備えた転写箔(中間転写媒体と称される場合もある。)も知られている。
例えば、特許文献1には、転写箔として、基材上に、剥離層、保護層としての機能を有する電離放射線硬化樹脂層、受容層がこの順で積層されてなる転写箔(中間転写媒体)が提案されている。特許文献1に提案がされている転写箔では、剥離層、電離放射線硬化樹脂層、受容層が転写層を構成しており、この転写層をカード等の被転写体上に転写することで、耐久性を向上させることができるとされている。また、特許文献1に提案がされている転写箔によれば、被転写体上に転写層を転写するときの膜切れも良好であるとされている。
特許文献1で提案がされている転写箔では、基材と剥離層との界面が転写界面となっているが、保護層とともに被転写体側に転写される剥離層にかえて、基材と転写層との間に離型層を設け、離型層と転写層との界面、換言すれば、離型層と保護層との界面を転写界面とした転写箔等も知られている。なお、ここで言う離型層は、転写層を転写したときに基材側に残存する層である。
ところで、基材と転写層との間に離型層を設けた転写箔とした場合であっても、転写層と離型層との密着性が高い場合には、転写層の転写時に、当該転写層とともに離型層が転写されてしまう異常転写が生じやすくなる。一方で、転写層と離型層との密着性を低くしていった場合には、転写層を転写するときの剥離力が軽くなり、これにともない、本来であれば、基材側に残存するべきである転写層までもが、カード上に転写されてしまう尾引きが生じやすくなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、転写層を転写するときに尾引きが生ずることを抑制することができ、また、印画物に高い耐久性を付与することができる転写箔を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材上に、離型層、転写層がこの順で設けられた転写箔であって、前記転写層は、前記基材側から、保護層、接着層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、前記保護層が、活性光線硬化性樹脂と活性光線との反応生成物である活性光線硬化樹脂を含有しており、前記離型層が、熱硬化樹脂、及び熱可塑性樹脂を含有しており、前記離型層の総質量に対する前記熱可塑性樹脂の含有量が10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする。
また、前記離型層と密着層との密着力が、前記離型層と前記転写層との密着力よりも高くなるように、前記基材と前記離型層との間に前記密着層を設けてもよい。
また、前記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が30℃以上130℃以下の熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記熱可塑性樹脂が、熱可塑性アクリル樹脂、又は熱可塑性エラストマーであってもよい。
また、前記接着層が、染料受容性を有する接着層であってもよい。
本発明によれば、転写層を転写するときに尾引きが生ずることを抑制することができ、また転写層が転写された印画物に極めて高い耐久性を付与することができる。
<<転写箔>>
以下、本発明の一実施形態の転写箔100(以下、一実施形態の転写箔と言う)について図面を参照して説明する。図1に示すように、一実施形態の転写箔100は、基材1、離型層2、及び転写層10を備えており、基材1側から、離型層2、転写層10がこの順で積層されてなる構成をとる。また、転写層10は、基材1側から(離型層2側から)保護層3、接着層5がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。
以下、本発明の一実施形態の転写箔100(以下、一実施形態の転写箔と言う)について図面を参照して説明する。図1に示すように、一実施形態の転写箔100は、基材1、離型層2、及び転写層10を備えており、基材1側から、離型層2、転写層10がこの順で積層されてなる構成をとる。また、転写層10は、基材1側から(離型層2側から)保護層3、接着層5がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。
一実施形態の転写箔100は、任意の対象物(以下、被転写体と言う)上に、転写層10を転写し、耐久性の高い印画物を得るために用いられる転写箔である。被転写体についていかなる限定もされることはなく、例えば、ICカードやIDカード等のカード基材、熱転写画像が形成された熱転写受像シート等を挙げることができる。また、被転写体として、これ以外のものを用いることもできる。
(基材)
基材1は、一実施形態の転写箔100における必須の構成であり、基材1の一方の面上に設けられる離型層2、及び転写層10を保持する。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を被転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有し、離型層2や、転写層10を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有していることが好ましい。このような基材1の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール− エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルムなどを挙げることができる。
基材1は、一実施形態の転写箔100における必須の構成であり、基材1の一方の面上に設けられる離型層2、及び転写層10を保持する。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を被転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有し、離型層2や、転写層10を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有していることが好ましい。このような基材1の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール− エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルムなどを挙げることができる。
基材1は、上記で例示した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)、又は複数層からなる積層体であっても良い。また、基材は、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。基材1は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用することができる。上記で例示した樹脂からなる基材の中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系のフィルムは、耐熱性、機械的強度に優れるため好適に使用され、この中でもポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
また、ブロッキング防止のために、必要に応じて基材表面に凹凸を付与することができる。基材に凹凸を形成する手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチングなどが挙げられる。マットコーティングの場合、有機物および無機物のいずれでもよい。
基材1の厚みについて特に限定はないが、0.5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、4μm以上20μm以下の範囲であることがより好ましい。基材1の厚みをこの範囲とすることで、転写箔100から転写層10を転写するときの熱エネルギーを転写層側に十分に伝達することができ、転写層を転写するときの転写性の更なる向上を図ることができる。また、基材1の機械的強度を高めることができ、転写層10を十分に支持することができる。
基材1の離型層2と接する側の表面には、予め、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、帯電防止層付与などの易接着処理を行ってもよい。また、基材には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加材を加えても良い。
(転写層)
図1に示すように、離型層2上には、転写層10が設けられている。転写層10は、基材1から剥離可能に設けられており、熱転写時において、被転写体上に移行する層である。転写層10は、基材1側から、保護層3、接着層5がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。なお、保護層3、接着層5は、一実施形態の転写箔100における必須の構成である。
図1に示すように、離型層2上には、転写層10が設けられている。転写層10は、基材1から剥離可能に設けられており、熱転写時において、被転写体上に移行する層である。転写層10は、基材1側から、保護層3、接着層5がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。なお、保護層3、接着層5は、一実施形態の転写箔100における必須の構成である。
(保護層)
転写層10に含まれる保護層3は、被転写体上に転写層10を転写することで得られる印画物に耐久性を付与するための層である。なお、保護層3は、転写層10を構成する層のうち、基材1から最も近くに位置しており、被転写体上に転写層10を転写することで得られる印画物において最表面に位置する。
転写層10に含まれる保護層3は、被転写体上に転写層10を転写することで得られる印画物に耐久性を付与するための層である。なお、保護層3は、転写層10を構成する層のうち、基材1から最も近くに位置しており、被転写体上に転写層10を転写することで得られる印画物において最表面に位置する。
印画物に耐久性を付与するための保護層3は、活性光線硬化性樹脂と活性光線との反応生成物である活性光線硬化樹脂、換言すれば、活性光線硬化性樹脂に活性光線を照射することで得られる樹脂(以下、活性光線硬化性樹脂に活性光線を照射することで得られる樹脂のことを活性光線硬化樹脂と言う)を含有している。なお、本願明細書で言う活性光線硬化性樹脂とは、活性光線を照射する前の前駆体、又は組成物を意味する。また、本願明細書で言う活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる放射線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線などを意味する。
活性光線硬化樹脂を含有する保護層3によれば、被転写体上に転写層10を転写することで得られる印画物に極めて高い耐久性を付与することができる。なお、ここで言う耐久性には、耐擦過性等の物理的耐久性のほか、耐溶剤性や耐可塑剤性等の化学的耐久性も含まれる。つまり、一実施形態の転写箔100によれば、被転写体上に転写層10を転写することで、物理的耐久性と化学的耐久性の双方に優れる印画物を得ることができる。
次に、活性光線硬化性樹脂について説明する。一例としての活性光線硬化性樹脂は、重合成分として、分子中に(メタ)アクリロイル基および(メタ)アクリロイルオキシ基などの重合性不飽和結合、またはエポキシ基を有するポリマー、プレポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマーを適宜混合した組成物等を含んでいる。
また、一例としての活性光線硬化性樹脂は、重合成分として、ウレタン(メタ)アクリレートを含んでいる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含んでなることが好ましい。多官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、官能基数が5〜15のウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、官能基数が6〜15のウレタン(メタ)アクリレートがより好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの官能基数が、上記数値範囲内である活性光線硬化性樹脂を用いて形成された保護層3とすることで、物理的耐久性、及び化学的耐久性のさらなる向上を図ることができる。なお、本願明細書では、官能基数が5以上のウレタン(メタ)アクリレートのことを多官能ウレタン(メタ)アクリレートと称している。
保護層3は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを、当該保護層3の固形分総量に対し、5質量%以上80質量%以下の範囲で含有していることが好ましく、10質量%以上50質量%以下の範囲で含有していることがより好ましい。
また、保護層の耐溶剤性と、屈曲性の両立の観点からは、保護層3は、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートとともに、官能基数が2〜4程度のウレタン(メタ)アクリレートと、官能基数が2〜5程度の(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を含有していることが好ましい。また、保護層3は、官能基数が2〜4程度のウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートを、当該保護層3の固形分総量に対し、5質量%以上80質量%以下の範囲で含有していることが好ましく、10質量%以上70質量%以下の範囲で含有していることがより好ましい。
また、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、及び官能基数が2〜4程度のウレタン(メタ)アクリレートの質量平均分子量は、ともに400以上20000以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは500以上10000以下の範囲である。ウレタン(メタ)アクリレートの質量平均分子量が上記数値範囲内にあれば、耐摩耗性を向上させることができる。なお、ウレタン(メタ)アクリレートの分子量が20000を超えると、箔切れ性が低下していく傾向にある。同様の理由から、2〜5程度の官能基数の(メタ)アクリレートの質量平均分子量は、200以上5000以下の範囲であることが好ましい。なお、本願明細書において「質量平均分子量」とは、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した値を意味し、JIS−K−7252−1:2008に準拠した方法で測定することができる。
また、保護層3は、重合成分として、不飽和結合含有(メタ)アクリレート共重合体を含んでいてもよい。不飽和結合含有(メタ)アクリレート共重合体としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートおよびトリアジン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、不飽和結合含有アクリル共重合体の酸価は5mgKOH/g以上500mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下の範囲である。酸価が上記範囲にある不飽和結合含有アクリル共重合体を用いることにより、表面強度の高い転写層10を得ることができる。なお、本願明細書で言う「酸価」とは、ポリマー1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を意味し、JIS−K−2501に準拠した方法により測定することができる。ポリマーの酸価は、ポリマーを構成するモノマー成分の比率を調整することにより適宜調整することができる。
また、不飽和結合含有アクリル共重合体の質量平均分子量は、3000以上100000以下の範囲が好ましく、より好ましくは10000以上80000以下の範囲である。質量平均分子量をこの範囲内とすることで、耐熱性、耐薬品性等の化学的耐久性、スクラッチ強度等の物理的耐久性の更なる向上を図ることができる。また、質量平均分子量をこの範囲内とすることで、保護層を形成するための塗工液の保存中にゲル化反応が生ずることを抑制することができ、塗工液の保存安定性を向上させることができる。
上記した不飽和結合含有アクリル共重合体は、活性光線硬化性樹脂中に10質量%以上80質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、20質量%以上70質量%以下の範囲で含有されていることがより好ましく、20質量%以上50質量%以下の範囲で含有されていることがさらに好ましい。
また、活性光線硬化性樹脂は、重合成分として、不飽和結合含有アクリル共重合体以外にも、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミドおよびアクリロニトリルなどのオリゴマーおよび/またはモノマーを含んでいてもよい。また、以下のようなプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを含んでいてもよい。
プレポリマー、としては、例えば、アジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステル(メタ)アクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシ(メタ)アクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタン(メタ)アクリレート、例えば、ポリシロキサン(メタ)アクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性(メタ)アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等が挙げられる。
モノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等が挙げられる。
保護層3の固形分総質量に対する、活性光線硬化樹脂の含有量について特に限定はないが、より高い耐久性が求められる場合には、保護層3の固形分総質量に対する活性光線硬化樹脂の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。上限値について特に限定はなく、任意に添加される成分等に応じて適宜設定することができる。一例としては、100質量%である。
保護層3は、活性光線硬化樹脂として1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。また、保護層3は、活性光線硬化樹脂とともに、他の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂は、硬化剤等によって硬化されたものであってもよく、未硬化のものであってもよい。
保護層3は、活性光線硬化樹脂とともに、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、フィラー等を挙げることができる。保護層3にフィラーを含有せしめることで、転写層10の箔切れ性を向上させることができる。
フィラーとしては、有機フィラー、無機フィラーおよび有機−無機のハイブリッド型のフィラーを挙げることができる。また、フィラーは、粉体であっても、ゾル状のものであってもよいが、塗工液を調製する際の溶剤の選択性が広いため、粉状のものを用いることが好ましい。
保護層3に含有されるフィラーは、平均一次粒子径が1nm以上200nm以下のフィラーであることが好ましく、平均一次粒子径が1nm以上50nm以下のフィラーであることがより好ましく、平均一次粒子径が7nm以上25nm以下のフィラーであることがさらに好ましい。平均粒子径が上記範囲内のフィラーを保護層3中に含有させることで、転写性の更なる向上を図ることができる。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、体積平均粒子径は、JIS−Z−8819−2:2001に準拠した方法により測定される値である。「平均粒子径」は、例えば、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製など)を用いて公知の方法により測定することができる。
粉体の有機フィラーとしては、非架橋アクリル系粒子、架橋アクリル系粒子などのアクリル系粒子、ポリアミド系粒子、フッ素系粒子、ポリエチレンワックス、シリコーン粒子などを挙げることが出来る。また、粉体の無機フィラーとしては、炭酸カルシウム粒子、シリカ粒子、酸化チタンなどの金属酸化物粒子などを挙げることができる。また、有機−無機のハイブリッド型のフィラーとしては、アクリル樹脂にシリカ粒子をハイブリッドしたものなどが挙げられる。さらに、ゾル状のフィラーとしては、シリカゾル系、オルガノゾル系のものなどを挙げることができる。これらのフィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記フィラーは、保護層3中に10質量%以上60質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、10質量%以上45質量%以下の範囲で含有されていることがより好ましく、20質量%以上40質量%以下の範囲で含有されていることがさらに好ましい。
保護層3の厚みの厚みについて特に限定はないが、1μm以上8μm以下であることが好ましく、2μm以上6μm以下であることが好ましい。保護層3の厚みをこの範囲とすることで、箔切れ性の更なる向上を図ることができ、また、後述する離型層2との相乗効果によって尾引きやバリの抑制効果をさらに向上させることができる。さらに、被転写体へ転写層10を転写することで得られる印画物に付与される物理的耐久性や、化学的耐久性の更なる向上を図ることができる。またさらに、転写層10の転写時に紙むけや欠けといった転写不良が生ずることも抑制することができる。
保護層3の形成方法について特に限定はないが、活性光線硬化性樹脂、及び任意の成分を含む組成物からなる塗工液を、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコートなどの公知の手段により、離型層2上に塗布して塗膜を形成させ、活性光線により、上記重合可能な共重合体などの重合成分を、架橋・硬化させることにより形成することができる。例えば、紫外線の照射は、従来公知の紫外線照射装置を用いることができ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプ、LED等、種々のものを制限なく使用することができる。また、電子線の照射は、100keV〜300keVのエネルギーで電子線を照射する高エネルギー型電子線照射装置や100keV以下のエネルギーで電子線を照射する低エネルギー型電子線照射装置のいずれを用いてもよく、また、照射方式も、走査型やカーテン型いずれの方式の照射装置であってもよい。
(接着層)
図1に示すように、保護層3上には、接着層5が設けられている。接着層5は、転写層10を構成し、被転写体上に転写層10を転写するときに、被転写体と転写層10とを密着させるための層である。したがって、一実施形態の転写箔100において、接着層5は、転写箔100の最表面に位置する層となっている。
図1に示すように、保護層3上には、接着層5が設けられている。接着層5は、転写層10を構成し、被転写体上に転写層10を転写するときに、被転写体と転写層10とを密着させるための層である。したがって、一実施形態の転写箔100において、接着層5は、転写箔100の最表面に位置する層となっている。
接着層5は、被転写体と密着できる機能に加え、染料層の染料を受容することができる受容層としての機能を備えていてもよい。接着層5が受容層の機能を備える場合には、染料層を備える転写箔により、一実施形態の転写箔100の最表面に位置する接着層5に熱転写画像を形成し、熱転写画像が形成された接着層5を含む転写層10を被転写体上に転写することで、印画物を得ることができる。
接着層5の材料について特に限定はなく、接着性を有する材料を適宜選択して用いることができる。接着性を有する材料としては、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などを挙げることができる。接着層5は、1種の材料を単独で含有していてもよく、2種以上の材料を含有していてもよい。また、上記に例示した材料の中でも、高い接着性を有するビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。より好ましくは、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−(メタ)エチルアクリレート共重合体、アクリル酸エステル共重合体である。また、接着層が、受容層としての機能を果たす場合、昇華性染料または熱溶融性インキなどの熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレンなどのオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられ、これらの中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、またはポリ塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体が特に好ましい。
接着層の厚さについて特に限定はないが、0.1μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、0.3μm以上3μm以下の範囲であることがより好ましい。
接着層5は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加材などを加え、水または有機溶剤などの適当な溶剤に溶解または分散させて接着層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法などの手段により、保護層3上に塗布、乾燥して形成することができる。
また、接着層5にかえて、保護層3上に受容層を設けた形態とすることもできる(図示しない)。受容層の材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー若しくはセルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂等の溶剤系の樹脂を挙げることができる。受容層の厚さは、0.5μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、1μm以上3μm以下の範囲であることがより好ましい。
(離型層)
ところで、基材1上に、上記で説明した転写層10を直接的に設けた場合、換言すれば、基材1と保護層3とが接するようにして基材1上に転写層10を設けた転写箔(以下、この構成の転写箔のことを比較の転写箔と言う)とした場合には、転写層の転写性が不十分となり、比較の転写箔にエネルギーを印加して、比較の転写箔の転写層を被転写体上に転写するときに、エネルギーが印加された領域に対応する転写層の一部、或いは全部の領域が被転写体上に転写されずに、基材側に残存してしまう転写不良が生じやすくなる。そこで、一実施形態の転写箔100では、基材1と転写層10との間に離型層2が設けられており、この離型層2によって転写層10を転写するときの転写性の向上が図られている。なお、離型層2は、転写層10を構成しない層であり、被転写体上に転写層10を転写したときに、基材1側に残存する層である。
ところで、基材1上に、上記で説明した転写層10を直接的に設けた場合、換言すれば、基材1と保護層3とが接するようにして基材1上に転写層10を設けた転写箔(以下、この構成の転写箔のことを比較の転写箔と言う)とした場合には、転写層の転写性が不十分となり、比較の転写箔にエネルギーを印加して、比較の転写箔の転写層を被転写体上に転写するときに、エネルギーが印加された領域に対応する転写層の一部、或いは全部の領域が被転写体上に転写されずに、基材側に残存してしまう転写不良が生じやすくなる。そこで、一実施形態の転写箔100では、基材1と転写層10との間に離型層2が設けられており、この離型層2によって転写層10を転写するときの転写性の向上が図られている。なお、離型層2は、転写層10を構成しない層であり、被転写体上に転写層10を転写したときに、基材1側に残存する層である。
離型層2は、必須の成分として、熱硬化樹脂、及び熱可塑性樹脂を含有しており、一実施形態の転写箔100においては、離型層2が、当該離型層2の総質量に対し、熱可塑性樹脂を10質量%以上50質量%以下の範囲で含有していることを特徴としている。この特徴を有する一実施形態の転写箔100によれば、離型層2に本来的に求められている機能である転写層10の転写性を良好なものとすることができ、また、熱可塑性樹脂の含有量を上記の範囲とすることで、転写層10を被転写体上に転写するときに尾引きが生ずることを抑制することができる。つまりは、転写層10を転写するときの転写性を良好なものとしつつ、転写層10を転写するときに生じ得る尾引きを十分に抑制することができる。なお、本願明細書で言う尾引きとは、転写層10を被転写体上に転写するときに、転写層10の転写領域と非転写領域の境界を起点とし、該境界から非転写領域側にはみ出すように転写層10が転写されてしまう現象を意味する。
離型層2が含有する熱可塑性樹脂の含有量を、離型層2の総質量に対し10質量%以上50質量%以下と規定しているのは、熱可塑性樹脂の含有量が10質量%を下回ると、離型層と転写層10との密着性、換言すれば、離型層と、活性光線硬化樹脂を含有する保護層3との密着性が低くなりすぎてしまい、転写層10を被転写体上に転写するときに、尾引きの発生を十分に抑制することができないことによる。一方で、熱可塑性樹脂の含有量が50質量%を超えると、離型層と転写層との密着性が高くなりすぎてしまい転写層10を被転写体上に転写するときに、転写層10の一部、或いは全部が被転写体上に転写されずに基材1側に残存してしまう転写不良が生じやすくなることによる。また、熱可塑性樹脂の含有量が50質量%を超えると、その分、必須の成分である熱硬化樹脂の含有量が少なくなっていき、転写層10の転写性を十分に満足させることができないことによる。好ましい形態の離型層2は、離型層2の総質量に対し熱可塑性樹脂を15質量%以上30質量%以下の範囲内で含有している。
つまり、一実施形態の転写箔100によれば、離型層2に熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の双方を含有せしめ、さらに熱可塑性樹脂の含有量を上記所定の範囲に規定することで、転写層10を被転写体上に転写するときの剥離力を最適化させており、これにより、尾引きの抑制と、転写性の向上を図ることが可能となっている。なお、上記特徴の離型層2は、当該離型層と直接的に接する保護層3として活性光線硬化樹脂を含有する保護層3を採用したときに、当該保護層3との最適な密着力を発揮することができる離型層2であり、上記特徴の離型層2と直接的に接する保護層として活性光線硬化樹脂を含有していない保護層を採用したときには、剥離力を最適化できない場合がある。要約すれば、一実施形態の転写箔100は、離型層2と保護層3の双方に着目し、保護層3の耐久性を十分に高めつつも、この保護層3の剥離力を最適化させることができる離型層2を見出すことでなされた発明である。
<熱硬化樹脂>
離型層2は、上述したように必須の成分として熱硬化樹脂を含有している。なお、本願明細書で言う熱硬化樹脂とは、熱硬化性樹脂を加熱により硬化させた樹脂を意味する。また、常温で硬化が進行するものの熱硬化性樹脂に含まれる。離型層2は、熱硬化樹脂として1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
離型層2は、上述したように必須の成分として熱硬化樹脂を含有している。なお、本願明細書で言う熱硬化樹脂とは、熱硬化性樹脂を加熱により硬化させた樹脂を意味する。また、常温で硬化が進行するものの熱硬化性樹脂に含まれる。離型層2は、熱硬化樹脂として1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
熱硬化樹脂を得るための熱硬化性樹脂について特に限定はなく、例えば、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物(モノマー)が挙げられる。熱硬化性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等を挙げることができる。具体的な例としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等の熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂の中でも、エポキシ基含有アクリル樹脂は、耐溶剤性や、離型性の更なる向上を図ることができる点で、好ましい熱硬化性樹脂である。
熱硬化樹脂を含有する離型層2によれば、熱硬化樹脂を含有しない離型層と比較して、転写層10の転写性を向上させることができる。したがって、熱硬化樹脂の含有量について特に限定はないが、離型層2は、熱硬化樹脂を、離型層2の総質量に対し40質量%以上90質量%以下の範囲で含有していることが好ましい。熱硬化樹脂を上記好ましい範囲で含有する離型層2とすることで、転写層10の転写性のさらなる向上を図ることができる。
<熱可塑性樹脂>
離型層2は、上述したように必須の成分として熱可塑性樹脂を含有している。熱可塑性樹脂は、離型層2と転写層10との密着性をコントロールする機能を有しており、熱硬化樹脂を含有し、且つ離型層2の総質量に対し、10質量%以上50質量%以下の範囲で熱可塑性樹脂を含有する離型層2によれば、転写層10の転写性を妨げることなく、離型層2と転写層10との密着性を、尾引きの発生を十分に抑制できる密着性とすることができる。
離型層2は、上述したように必須の成分として熱可塑性樹脂を含有している。熱可塑性樹脂は、離型層2と転写層10との密着性をコントロールする機能を有しており、熱硬化樹脂を含有し、且つ離型層2の総質量に対し、10質量%以上50質量%以下の範囲で熱可塑性樹脂を含有する離型層2によれば、転写層10の転写性を妨げることなく、離型層2と転写層10との密着性を、尾引きの発生を十分に抑制できる密着性とすることができる。
熱可塑性樹脂について特に限定はなく、例えば、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性のアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。中でも、熱可塑性のアクリル系樹脂や、熱可塑性エラストマーを上記の範囲で含有する離型層2は、他の熱可塑性樹脂を含有する離型層2と比較して、尾引きの抑制効果をさらに高めることができる点で、好ましい熱可塑性樹脂であるといえる。離型層2は、熱可塑性樹脂として、1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、1,2−ポリブタジエン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー等を挙げることができる。
離型層2は、熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が、30℃以上130℃以下の熱可塑性樹脂を含有していることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が、30℃以上130℃以下の熱可塑性樹脂を含有する離型層2とすることで、転写層を転写する際に剥離界面に生じ得る白化等を十分に抑制することができ、転写面の品質を向上させることができる。なお、本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、JIS K7121:2012に準拠し、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味する。
また、転写層10の離型性のさらなる向上を目的として、離型層2に、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂などの各種シリコーン変性樹脂等を含有させることもできる。また、上記で説明した熱硬化樹脂を得るための熱硬化性樹脂として、エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂等、シリコーン変性した熱硬化性樹脂を用いることもできる。
離型層2の厚さについて特に限定はないが、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましく、0.5μm以上2μm以下の範囲内であることがより好ましい。
離型層2の形成方法についても特に限定はなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒へ分散或いは溶解した離型層用塗工液を、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング方法で、基材1、或いは基材1と離型層2との間に任意に設けられる層(例えば、後述する密着層7)上に塗工し、温度100℃以上200℃以下で焼き付けることにより形成することができる。
上記で説明したように、一実施形態の転写箔100では、離型層2に、熱硬化樹脂、及び熱可塑性樹脂を含有せしめ、且つ熱可塑性樹脂の含有量を、離型層2の総質量に対し10質量%以上50質量%以下の範囲とすることで、離型層2と転写層10との密着性を最適化し、これにより転写層10を被転写体上に転写するときの尾引きの発生を抑制している。ところで、基材1上に、この離型層2を直接的に設けたときに、基材1と離型層2との密着性(密着力と言う場合もある)が、離型層2と転写層10との密着性よりも低い場合には、本来であれば、基材1側に残存すべき離型層2が、転写層10とともに被転写体側に移行する異常転写が発生しやすくなる。
(密着層)
そこで、基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも低い場合には、図2に示すように、基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも高くなるように、基材1と離型層2との間に密着層7を設けることが好ましい。なお、密着層7は、一実施形態の転写箔100における任意の構成であり、例えば、上記で説明したように基材1上に、処理を施すことで、基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも高い場合には、密着層7を設けることを特に要しない。
そこで、基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも低い場合には、図2に示すように、基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも高くなるように、基材1と離型層2との間に密着層7を設けることが好ましい。なお、密着層7は、一実施形態の転写箔100における任意の構成であり、例えば、上記で説明したように基材1上に、処理を施すことで、基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも高い場合には、密着層7を設けることを特に要しない。
密着層7について特に限定はなく、密着層7を介して密着される基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも高くなるとの条件を満たすものであればよい。なお、基材1と離型層2との密着力が、離型層2と転写層10との密着力よりも高くなっているかを評価する方法としては、例えば、JIS−K5600−5−6に規定されるクロスカット法に基づいて評価することもできる。
一例として密着層7は、バインダー樹脂に硬化剤を作用させることで得られる硬化樹脂、つまりは、バインダー樹脂を硬化剤によって硬化せしめた硬化樹脂(以下、バインダー樹脂に硬化剤を作用させることで得られる硬化樹脂のことを硬化バインダー樹脂と言う)を含有している。なお、密着層7は、1種の硬化バインダー樹脂を単独で含有していてもよく、2種以上の硬化バインダー樹脂を含有していてもよい。
一例としての密着層7によれば、基材1と密着層7との密着性、及び密着層7と離型層2との密着性を向上させることができ、換言すれば、基材1と離型層2との密着性を向上させることができる。これにより、密着層7を介して密着される基材1と離型層2との密着力を、離型層2と転写層10との密着力よりも高くすることができ、基材1がいかなるものであっても、転写層10を被転写体上に転写するときに、異常転写が生ずることを抑制することができる。以下、一例としての密着層7が含有する硬化バインダー樹脂について説明する。
<硬化バインダー樹脂>
硬化バインダー樹脂を得るためのバインダー樹脂について特に限定はなく、水系のバインダー樹脂であってもよく、溶剤系のバインダー樹脂であってもよい。水系のバインダー樹脂としては、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシエチルアクリレート、水溶性(或いは水分散)ポリエステル樹脂、水溶性(或いは水分散)ポリウレタン樹脂、水分散性塩化ビニル樹脂、水分散性塩化アクリル系樹脂、水分散性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。水系のバインダー樹脂とは、水溶性樹脂、或いは水系溶媒に不溶性であるが、エマルジョンやディスパージョンのように、水系溶媒に分散可能な樹脂を意味する。水系溶媒としては、水や、水とアルコールとの混合溶媒等を挙げることができる。
硬化バインダー樹脂を得るためのバインダー樹脂について特に限定はなく、水系のバインダー樹脂であってもよく、溶剤系のバインダー樹脂であってもよい。水系のバインダー樹脂としては、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシエチルアクリレート、水溶性(或いは水分散)ポリエステル樹脂、水溶性(或いは水分散)ポリウレタン樹脂、水分散性塩化ビニル樹脂、水分散性塩化アクリル系樹脂、水分散性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。水系のバインダー樹脂とは、水溶性樹脂、或いは水系溶媒に不溶性であるが、エマルジョンやディスパージョンのように、水系溶媒に分散可能な樹脂を意味する。水系溶媒としては、水や、水とアルコールとの混合溶媒等を挙げることができる。
溶剤系のバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、或いはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂等を挙げることができる。なお、溶剤系のバインダー樹脂とは、有機溶剤に溶解又は分散可能な樹脂を意味する。溶剤系のバインダー樹脂を溶解又は分散するための有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素系溶剤、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、プロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール系溶剤、又はこれらの混合溶剤等を挙げることができる。
離型層2が含有する樹脂が溶剤系の樹脂である場合、換言すれば、密着層7上に、溶剤系の樹脂を有機溶媒に溶解、或いは分散した塗工液を用いて離型層2を形成する場合には、密着層7が含有する硬化バインダー樹脂を得るためのバインダー樹脂として、水系のバインダー樹脂を用いることがより好ましい。一方で、離型層2が含有する樹脂が水系の樹脂である場合には、密着層7が含有する硬化バインダー樹脂を得るためのバインダー樹脂として、水系のバインダー樹脂を用いることが好ましい。この組合せによれば、密着層7上に離型層2を形成するときに、密着層7と離型層2とが混じり合うことを抑制することができ、密着性の更なる向上を図ることができる。
硬化バインダー樹脂を得るための硬化剤について特に限定はなく、用いられるバインダー樹脂に応じて適宜選択すればよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、ウレタン系硬化剤、エポキシ系硬化剤、メラミン系硬化剤、尿素樹脂系硬化剤、シランカップリング剤、チタンキレート剤、ジルコニウムキレート剤、アルミニウムキレート剤などの金属キレート剤等を挙げることができる。
好ましい形態の密着層7は、ポリビニルアルコール系樹脂を硬化剤によって硬化せしめた硬化ポリビニルアルコール系樹脂、及びポリウレタン系樹脂を硬化剤によって硬化せしめた硬化ポリウレタン系樹脂の何れか一方、又は双方を含有している。硬化ポリビニルアルコール系樹脂、硬化ポリウレタン系樹脂を含有する密着層7によれば、転写安定性を良好なものとすることができ、また、その良好な密着性により、離型層2の意図しない転写を抑制することができる。
本願明細書で言うポリビニルアルコール系樹脂とは、その構成要素にビニルアルコール重合体を含む樹脂を意味し、ビニルアルコールの単独重合体であってもよく、他の重合成分との共重合体であってもよい。なお、ポリビニルアルコール系樹脂として、ビニルアルコールと、他の重合成分との共重合体を用いる場合には、当該共重合体におけるビニルアルコールの共重合比率は50%以上であることが好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂として、ポリビニルアルコールを部分的に変性した変性化合物を用いることもできる。また、本願明細書で言うポリウレタン系樹脂とは、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物とを反応して得られる重合体を含む樹脂を意味する。
硬化バインダー樹脂を得るための、バインダー樹脂と硬化剤との配合比について限定はなく、用いられるバインダー樹脂、及び硬化剤に応じて適宜設定することができる。例えば、バインダー樹脂として、硬化剤と反応する官能基を有する反応性樹脂を用いる場合には、反応性樹脂が有する官能基の総数に対する、硬化剤が有する官能基の総数の等量比が、0.5以上5以下となるように、バインダー樹脂及び、硬化剤の配合量を設定することが好ましい。また、好ましい形態の密着層7とすべく、上記バインダー樹脂として、ポリビニルアルコール系樹脂を用い、硬化剤として、チタンキレート剤を用いる場合には、ポリビニルアルコール系樹脂とチタンキレート剤の合計質量に対するポリビニルアルコール系の含有量が40%以上90%以下の範囲となるようにバインダー樹脂及び、硬化剤の配合量を設定することが好ましい。また、上記バインダー樹脂として、ポリウレタン系樹脂を用い、硬化剤として、シランカップリング剤を用いる場合には、ポリウレタン系樹脂が有する官能基の総数に対する、シランカップリング剤が有する官能基の総数の等量比が、0.5以上5以下程度となるようにバインダー樹脂及び、硬化剤の配合量を設定することが好ましい。
硬化バインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、密着層7の総質量に対する硬化バインダー樹脂の質量(硬化バインダー樹脂を2種以上含有する場合にはその合計質量)は50質量%以上であることが好ましい。硬化バインダー樹脂の含有量を50質量%以上とすることで、離型層2と密着層7との密着性の更なる向上を図ることができる。上限値について限定はなく100質量%である。
密着層7の厚みについて特に限定はないが、0.02μm以上3μm以下の範囲であることが好ましい。密着層7の厚みをこの範囲とすることで離型層2との密着性の更なる向上を図ることができる。また、安定した密着層の膜形成が可能となる。
また、密着層7は、必要に応じて、硬化バインダー樹脂とともに、任意の成分を含有していてもよい。
密着層7の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、硬化剤を含む塗工液を調製し、この塗工液を基材1上に塗布し乾燥することで形成することができる。
(背面層)
また、基材1の転写層10が設けられている面とは反対側の面に、耐熱性や、走行性等の向上を目的とする背面層(図示しない)を設けることもできる。なお、背面層は、一実施形態の転写箔100における任意の構成である。
また、基材1の転写層10が設けられている面とは反対側の面に、耐熱性や、走行性等の向上を目的とする背面層(図示しない)を設けることもできる。なお、背面層は、一実施形態の転写箔100における任意の構成である。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等を挙げることができる。
また、背面層は、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加材を含有していることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。背面層の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1μm以上5μm以下の範囲が好ましく、0.3μm以上2.0μm以下の範囲がより好ましい。
<転写層の転写>
一実施形態の転写箔100を用いて、被転写体上に転写層10を転写する方法としては、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。
一実施形態の転写箔100を用いて、被転写体上に転写層10を転写する方法としては、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。
<被転写体>
転写箔の転写層10が転写される被転写体についていかなる限定もされることはなく、例えば、ICカードやIDカード等のプラスチックフィルム(カード基材と称される場合もある)、熱転写画像が形成された熱転写受像シート、天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等を挙げることができる。被転写体は、単層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。
転写箔の転写層10が転写される被転写体についていかなる限定もされることはなく、例えば、ICカードやIDカード等のプラスチックフィルム(カード基材と称される場合もある)、熱転写画像が形成された熱転写受像シート、天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等を挙げることができる。被転写体は、単層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルム等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイト等のエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース等のセルロース系フィルム、等が挙げられる。プラスチックフィルムは、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)であってもよい。
また、ICカードやIDカード等は、通常、意匠性やセキュリティー性が要求されるため、被転写体として、その表面に予め印刷層やホログラム層等が設けられたものを用いることもできる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。また、以下、特に断りのない限り、部は質量基準であり、固形分の記載がある成分は、固形分換算前の質量である。
(各塗工液の準備)
各実施例、及び比較例の転写箔の形成に際し、以下の、基材、及び塗工液を準備した。
各実施例、及び比較例の転写箔の形成に際し、以下の、基材、及び塗工液を準備した。
<基材>
基材1・・・ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)(東レ(株))
基材2・・・上記基材1に易接着処理を施したフィルム
基材1・・・ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)(東レ(株))
基材2・・・上記基材1に易接着処理を施したフィルム
<密着層用塗工液>
・カルボキシ基を有するウレタン樹脂(固形分35%) 8部
(ハイドラインAP40N DIC社製)
・エポキシシラン化合物 0.3部
(WSA950 DIC社製)
・水 10部
・変性エタノール 50部
なお、密着層用塗工液中、ウレタン樹脂が有する官能基の総数に対する、エポキシシラン化合物が有する官能基の総数の当量比は2であった。
・カルボキシ基を有するウレタン樹脂(固形分35%) 8部
(ハイドラインAP40N DIC社製)
・エポキシシラン化合物 0.3部
(WSA950 DIC社製)
・水 10部
・変性エタノール 50部
なお、密着層用塗工液中、ウレタン樹脂が有する官能基の総数に対する、エポキシシラン化合物が有する官能基の総数の当量比は2であった。
<保護層用塗工液1>
・多官能アクリレート 40部
(NKエステルA−9300 新中村化学工業(株))
・ウレタンアクリレート 25部
(NKオリゴマーUA122−P 2官能 新中村化学工業(株))
・ウレタンアクリレート 30部
(NKエステルU−15HA 15官能 新中村化学工業(株))
・光重合開始剤 5部
(イルガキュア907 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
・フィラー 5部
(MEK−AC2140 平均粒径12nm 日産化学工業(株))
・界面活性剤(アクリル系界面活性剤) 0.1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
・多官能アクリレート 40部
(NKエステルA−9300 新中村化学工業(株))
・ウレタンアクリレート 25部
(NKオリゴマーUA122−P 2官能 新中村化学工業(株))
・ウレタンアクリレート 30部
(NKエステルU−15HA 15官能 新中村化学工業(株))
・光重合開始剤 5部
(イルガキュア907 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
・フィラー 5部
(MEK−AC2140 平均粒径12nm 日産化学工業(株))
・界面活性剤(アクリル系界面活性剤) 0.1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
<保護層用塗工液A>
・アクリル樹脂 100部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
・アクリル樹脂 100部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
<受容層兼接着層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95部
(ソルバインCNL 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーンオイル 5部
(KP−1800U 信越化学工業(株)製)
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95部
(ソルバインCNL 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーンオイル 5部
(KP−1800U 信越化学工業(株)製)
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
<離型層用塗工液1>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・水添スチレン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂として) 2.8部
(M1913 旭化成ケミカルズ(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・水添スチレン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂として) 2.8部
(M1913 旭化成ケミカルズ(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液2>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・水添スチレン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂として) 1.2部
(M1913 旭化成ケミカルズ(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・水添スチレン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂として) 1.2部
(M1913 旭化成ケミカルズ(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液3>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(Tg:105℃) 2.8部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(Tg:105℃) 2.8部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液4>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(Tg:105℃) 1.2部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(Tg:105℃) 1.2部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液5>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 5部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 5部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液6>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 2.3部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 2.3部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液7>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・水添スチレン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂として) 8.3部
(M1913 旭化成ケミカルズ(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・水添スチレン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂として) 8.3部
(M1913 旭化成ケミカルズ(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液8>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 15.1部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 15.1部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液9>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分30%) 9.2部
(LKG−1010 藤倉化成(株))(Tg:−34℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分30%) 9.2部
(LKG−1010 藤倉化成(株))(Tg:−34℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液10>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分40%) 6.9部
(LS−701 藤倉化成(株))(Tg:17℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分40%) 6.9部
(LS−701 藤倉化成(株))(Tg:17℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液A>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液B>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 0.8部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 0.8部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液C>
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 22.6部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・エポキシ基含有シリコーン変性アクリル樹脂(熱硬化性樹脂として) 16部
(セルトップ226(固形分50%)) ダイセル化学工業(株))
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として)(固形分55%) 22.6部
(LH−591 東レ・ファインケミカル(株))(Tg:50℃)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<離型層用塗工液D>
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として) 10部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂として) 10部
(ダイヤナール BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(実施例1)
上記基材1の一方の面上に、上記組成の密着層用塗工液を、グラビアコーティング法により、乾燥時塗工量が0.1g/m2となるように塗工し密着層を形成した。次いで、密着層上に、上記組成の離型層用塗工液1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の厚みが1.0g/m2となるように塗工し離型層を形成した。次いで、離型層上に、上記組成の保護層用塗工液1をグラビアコーティングにより乾燥後の厚みが6.0μmになるように塗布し乾燥させた後に、UV露光機(Fusion UV、F600V、LH10ランプ、Hバルブ、反射鏡はコールドタイプ)を用いて紫外線を照射(露光量(220mJ/cm2))し保護層を形成した。次いで、保護層上に、上記組成の受容層兼接着層用塗工液をグラビアコーティングにより乾燥時の厚みが2.0g/m2となるように塗工し受容層兼接着層を形成することで、基材/密着層/離型層/転写層(保護層/受容層兼接着層)がこの順で積層されてなる実施例1の転写箔を得た。
上記基材1の一方の面上に、上記組成の密着層用塗工液を、グラビアコーティング法により、乾燥時塗工量が0.1g/m2となるように塗工し密着層を形成した。次いで、密着層上に、上記組成の離型層用塗工液1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の厚みが1.0g/m2となるように塗工し離型層を形成した。次いで、離型層上に、上記組成の保護層用塗工液1をグラビアコーティングにより乾燥後の厚みが6.0μmになるように塗布し乾燥させた後に、UV露光機(Fusion UV、F600V、LH10ランプ、Hバルブ、反射鏡はコールドタイプ)を用いて紫外線を照射(露光量(220mJ/cm2))し保護層を形成した。次いで、保護層上に、上記組成の受容層兼接着層用塗工液をグラビアコーティングにより乾燥時の厚みが2.0g/m2となるように塗工し受容層兼接着層を形成することで、基材/密着層/離型層/転写層(保護層/受容層兼接着層)がこの順で積層されてなる実施例1の転写箔を得た。
(実施例2〜13、比較例1〜5の転写箔)
上記実施例1の転写箔の形成に用いた基材1、離型層用塗工液1、保護層用塗工液1、下表1に示す基材、離型層用塗工液、保護層用塗工液及び塗工量に変更し、離型層用塗工液の塗工量を、下表1に示す離型層用塗工液の塗工量に変更した以外は全て実施例1と同様にして、実施例2〜13、比較例1〜5の転写箔を得た。
上記実施例1の転写箔の形成に用いた基材1、離型層用塗工液1、保護層用塗工液1、下表1に示す基材、離型層用塗工液、保護層用塗工液及び塗工量に変更し、離型層用塗工液の塗工量を、下表1に示す離型層用塗工液の塗工量に変更した以外は全て実施例1と同様にして、実施例2〜13、比較例1〜5の転写箔を得た。
(転写層の転写(印画物の形成))
HDP5000(FARGO社製)用熱転写リボンを用いて、各実施例、及び比較例の転写箔の転写層上(接着層兼受容層上)へ熱転写画像(黒ベタ画像)形成した。次いで、ヒートローラーの表面温度:175℃、速度:2.3秒/inchの条件にて、熱転写画像が形成された各実施例、及び比較例の転写箔の転写層を、下記組成のカード基材上に転写することで、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
HDP5000(FARGO社製)用熱転写リボンを用いて、各実施例、及び比較例の転写箔の転写層上(接着層兼受容層上)へ熱転写画像(黒ベタ画像)形成した。次いで、ヒートローラーの表面温度:175℃、速度:2.3秒/inchの条件にて、熱転写画像が形成された各実施例、及び比較例の転写箔の転写層を、下記組成のカード基材上に転写することで、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
<カード基材の組成>
・ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定化剤などの添加材を10%含有)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(DOP) 0.5部
・ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定化剤などの添加材を10%含有)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(DOP) 0.5部
(転写性評価)
上記各実施例、及び比較例の印画物を形成後、転写層が転写された各実施例、及び比較例の転写箔を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて転写性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
上記各実施例、及び比較例の印画物を形成後、転写層が転写された各実施例、及び比較例の転写箔を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて転写性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
「評価基準」
◎:離型層が基材側に全て残っている。
○:品質に問題がないレベルで離型層の一部がカード基材側に転写されている。
△:品質に問題があるレベルで離型層の一部がカード基材側に転写されている。
×:離型層の全てがカード基材側に転写されている。
××:転写層を転写できない。
◎:離型層が基材側に全て残っている。
○:品質に問題がないレベルで離型層の一部がカード基材側に転写されている。
△:品質に問題があるレベルで離型層の一部がカード基材側に転写されている。
×:離型層の全てがカード基材側に転写されている。
××:転写層を転写できない。
(尾引き評価)
各実施例、及び比較例の印画物を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて尾引き評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
各実施例、及び比較例の印画物を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて尾引き評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
○:尾引きが1mm未満である。
△:尾引きが1mm以上2mm未満である。
×:尾引きが2mm以上である。
△:尾引きが1mm以上2mm未満である。
×:尾引きが2mm以上である。
(耐摩耗性評価)
各実施例、及び印画物の耐摩耗性を、ANSI−INCITS322−2002、5.9 Surface Abrasionに準拠して、250回ごとに摩耗輪(摩耗輪:CS−10F 荷重:500gf)を研磨し、合計50回研磨した。研磨後に、各実施例、及び比較例の印画物の表面の状態を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて、耐摩耗性評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
各実施例、及び印画物の耐摩耗性を、ANSI−INCITS322−2002、5.9 Surface Abrasionに準拠して、250回ごとに摩耗輪(摩耗輪:CS−10F 荷重:500gf)を研磨し、合計50回研磨した。研磨後に、各実施例、及び比較例の印画物の表面の状態を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて、耐摩耗性評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
○:3250サイクル実施後の表面状態が良好である。
△:3000サイクル実施後の表面状態が良好であるが、3250サイクル実施後の表面状態は不良である。
×:3000サイクル実施後の表面状態が不良である。
△:3000サイクル実施後の表面状態が良好であるが、3250サイクル実施後の表面状態は不良である。
×:3000サイクル実施後の表面状態が不良である。
(面質評価)
各実施例、及び比較例の印画物の表面を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて面質(白濁の有無)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
各実施例、及び比較例の印画物の表面を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて面質(白濁の有無)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
「評価基準」
○:白濁していない。
△:部分的に白濁、又は全体的にうっすら白く見える。
×:全体的に白濁している。
○:白濁していない。
△:部分的に白濁、又は全体的にうっすら白く見える。
×:全体的に白濁している。
100 転写箔
1 基材
2 離型層
3 保護層
5 接着層
7 密着層
10 転写層
1 基材
2 離型層
3 保護層
5 接着層
7 密着層
10 転写層
Claims (5)
- 基材上に、離型層、転写層がこの順で設けられた転写箔であって、
前記転写層は、前記基材側から、保護層、接着層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、
前記保護層が、活性光線硬化性樹脂と活性光線との反応生成物である活性光線硬化樹脂を含有しており、
前記離型層が、熱硬化樹脂、及び熱可塑性樹脂を含有しており、前記離型層の総質量に対する前記熱可塑性樹脂の含有量が10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする転写箔。 - 前記離型層と密着層との密着力が、前記離型層と前記転写層との密着力よりも高くなるように、前記基材と前記離型層との間に前記密着層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の転写箔。
- 前記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が30℃以上130℃以下の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写箔。
- 前記熱可塑性樹脂が、熱可塑性アクリル樹脂、又は熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の転写箔。
- 前記接着層が、染料受容性を有する接着層であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の転写箔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016073432A JP2017177782A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 転写箔 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016073432A JP2017177782A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 転写箔 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017177782A true JP2017177782A (ja) | 2017-10-05 |
Family
ID=60008221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016073432A Pending JP2017177782A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 転写箔 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017177782A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114523782A (zh) * | 2018-01-31 | 2022-05-24 | 大日本印刷株式会社 | 热转印片、脱模层用涂布液以及热转印片的制造方法 |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016073432A patent/JP2017177782A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114523782A (zh) * | 2018-01-31 | 2022-05-24 | 大日本印刷株式会社 | 热转印片、脱模层用涂布液以及热转印片的制造方法 |
CN114523782B (zh) * | 2018-01-31 | 2023-11-14 | 大日本印刷株式会社 | 热转印片、脱模层用涂布液以及热转印片的制造方法 |
US11912053B2 (en) | 2018-01-31 | 2024-02-27 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer sheet, coating liquid for release layer, and method for producing thermal transfer sheet |
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