JP5584673B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、気筒内に燃料を直接、噴射し、燃料と空気との混合気を火花点火によって着火させ、燃焼させる筒内直噴式の内燃機関に関する。
従来、筒内直噴式の内燃機関として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この内燃機関は、気筒内に上方から臨む点火プラグと、気筒内を往復動するピストンと、気筒内に斜め上方から燃料を噴射する燃料噴射弁などを備えている。
このピストンの頂面には、ピストンの中心付近から燃料噴射弁の噴射口付近までの部位に、キャビティが形成されている。このキャビティは、平面的に見て、燃料噴射弁の軸線方向と直交する方向に横長の楕円形状のものであり、楕円形状の平らな底面と、この底面を取り囲むように形成されたガイド壁面とを備えている。このガイド壁面は、底面から外側に向かって斜め上方に直線的に延びている。
一方、燃料噴射弁は、その噴射口から燃料の噴霧として、主噴霧および副噴霧を互いに異なる所定の角度で噴射するように構成されている。これらの噴霧はいずれも、側方から見て扁平状で、平面的に見て扇状の形状を有している。主噴霧は、燃料噴射弁に近い側に向かって鉛直に近い角度で噴射され、副噴霧は、燃料噴射弁から遠い側のガイド壁面に向かって水平に近い角度で噴射される。
この内燃機関では、燃焼モードとして低負荷低回転時などには成層燃焼モードが実行され、この成層燃焼モードでは、圧縮行程の後期に、燃料噴射弁から燃料が噴射される。その際、特許文献1の図6に示すように、噴射された主噴霧の大部分は、キャビティの底面に衝突した後、燃料噴射弁に近い側のガイド壁面に沿って上方に案内され、副噴霧の大部分は、燃料噴射弁から遠い側のガイド壁面に衝突した後、このガイド壁面に沿って上方に案内される。それにより、高濃度の混合気が燃焼室内の点火プラグ付近に集められ、その周囲を低濃度の混合気が取り囲む状態で、層状の混合気が生成される。すなわち、成層混合気が生成される。
特許第4054223号公報
特許文献1の内燃機関によれば、成層混合気を生成する場合、主噴霧および副噴霧をいずれもキャビティ内に噴射しなければならないので、燃料噴射時の燃料噴射弁とピストンとの位置関係の制約が大きく、それに起因して、燃料噴射弁の噴射タイミングの自由度が低いという問題がある。そのため、製品間のばらつきや経年変化などに起因して、複数の気筒間で、燃料噴射弁の噴射タイミングがばらついた場合、気筒間での成層混合気の生成状態がばらついてしまい、それにより、成層混合気の燃焼状態の安定性が低下し、燃焼効率の低下や燃費の悪化を招いてしまう。
また、この内燃機関の場合、主噴霧および副噴霧はいずれも、側方から見て扁平状で平面的に見て扇状の形状になるように、燃料噴射弁から噴射された後、円弧状のガイド壁面で上方に案内されるように構成されているので、噴霧の拡散を生じやすく、高濃度の混合気を点火プラグ付近に効率よく集めることができず、それにより、成層混合気の生成効率および燃焼効率がさらに低下し、燃費がさらに悪化するおそれがある。さらに、副噴霧が燃料噴射弁から遠い側のガイド壁面に向かって水平に近い角度で噴射されるとともに、このガイド壁面が斜め上方に直線的に延びる形状であるので、副噴霧のペネトレーションに起因して、副噴霧がガイド壁面上で液滴化し、デポジットが発生するおそれがある。その場合には、成層混合気の生成効率および燃焼効率がより一層、低下し、燃費がより一層、悪化するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、成層混合気を生成する場合において、燃料噴射タイミングの自由度の向上およびデポジットの抑制を実現することができ、それにより、成層混合気の生成効率、燃焼効率および燃費をいずれも向上させることができる内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、気筒3内に燃料を直接、噴射するとともに、噴射された燃料と気筒3に吸入された空気との混合気を火花点火によって着火させ、燃焼させる筒内直噴式の内燃機関1であって、気筒3内を往復動するピストン10と、気筒3内に臨むように設けられ、気筒3内の混合気を火花点火する点火プラグ5と、燃料をピストン10の頂面に対して斜めに噴射するとともに、燃料を互いに異なる方向に噴射する複数の噴射口(第1〜第4噴射口H1〜H4)を有する燃料噴射装置(燃料噴射弁4)と、を備え、複数の噴射口は、燃料噴霧の中心軸が最も点火プラグ5寄りに設定された第1噴射口H1を有し、ピストン10は、頂面の所定部位に突出する案内壁16と、頂面の案内壁16よりも燃料噴射装置側の位置に形成された傾斜面部(傾斜面15)と、頂面の傾斜面部よりも燃料噴射装置側の位置に形成されたキャビティ11とを有しており、傾斜面部(傾斜面15)は、ピストン10が圧縮行程中の第1所定位置に位置する第1所定タイミングで燃料噴射装置の第1噴射口H1から噴射された燃料の噴霧を受け止めて案内壁16側に案内し、案内壁16は、傾斜面部によって案内された燃料の噴霧を点火プラグ5に向かって案内するガイド面(傾斜面16a)を有し、キャビティ11は、第1所定タイミングからピストン10が圧縮行程中の第1所定位置よりも上死点側の第2所定位置に位置する第2所定タイミングまでの間のタイミングで燃料噴射装置の第1噴射口H1から噴射された燃料の噴霧を点火プラグ5に向かって案内するガイド壁部(側壁部11b、湾曲壁部11c、傾斜壁部11d)を有することを特徴とする。
この内燃機関によれば、燃料噴射装置によって、燃料が気筒の頂面に対して斜めに噴射され、混合気が気筒内に生成されるとともに、点火プラグによって、その混合気が火花点火される。また、ピストンは、頂面の所定部位に突出する案内壁と、頂面の案内壁よりも燃料噴射装置側の位置に形成されたキャビティとを有しており、ピストンが圧縮行程中の第1所定位置に位置する第1所定タイミングで燃料噴射装置の第1噴射口から噴射された燃料の噴霧は、傾斜面部によって受け止められて案内壁側に案内された後、案内壁のガイド面によって点火プラグに向かって案内される。さらに、第1所定タイミングからピストンが圧縮行程中の第1所定位置よりも上死点側の第2所定位置に位置する第2所定タイミングまでの間のタイミングで燃料噴射装置の第1噴射口から噴射された燃料の噴霧は、頂面の案内壁よりも燃料噴射装置側の位置に形成されたキャビティのガイド壁部によって、点火プラグに向かって案内される。
したがって、圧縮行程中、燃料の噴霧は、燃料が第1所定タイミングで噴射されたときには、案内壁のガイド面およびキャビティのガイド壁部の双方によって案内され、燃料が第1所定タイミングと第2所定タイミングとの間のタイミングで噴射されたときには、案内壁のガイド面およびキャビティのガイド壁部、またはキャビティのガイド壁部によって案内されるとともに、燃料が第2所定タイミングで噴射されたときには、キャビティのガイド壁部によって案内されることになる。以上のように、圧縮行程中の第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のいずれのタイミングにおいても、燃料噴射装置から噴射された燃料の噴霧を、案内壁およびキャビティ、またはキャビティによって点火プラグ側に適切に案内することができ、成層混合気を生成する場合において、燃料噴射タイミングの自由度を向上させることができる。その結果、製品間のばらつきや経年変化などに起因して、燃料噴射装置の噴射タイミングが複数の気筒間でばらついたときでも、従来と異なり、成層混合気の生成効率、燃焼効率および燃費をいずれも向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関1において、ガイド壁部は、案内壁16に近づくにつれて、互いの間隔がより広くなるように延びる一対の側壁部11b,11bと、一対の側壁部の案内壁16側の端部から中央側に湾曲する一対の湾曲壁部11c,11cと、一対の湾曲壁部に連続して延び、点火プラグ5側に向かって傾斜した傾斜壁部11dとを有しており、複数の噴射口は、燃料噴霧の中心軸が第1噴射口H1の燃料噴霧の中心軸に対して所定角度(所定値θ1+θ3)分、点火プラグ5と反対側に傾いた状態に設定され、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のタイミングで燃料を噴射したときに、燃料の噴霧がキャビティ11の傾斜壁部11dよりも燃料噴射装置側の底面11aに達するように構成された第3噴射口H3をさらに有することを特徴とする。
この内燃機関によれば、ガイド壁部は、案内壁に近づくにつれて、互いの間隔がより広くなるように延びる一対の側壁部と、一対の側壁部の案内壁側の端部から中央側に湾曲する一対の湾曲壁部と、一対の湾曲壁部に連続して延び、点火プラグ側に向かって傾斜した傾斜壁部とを有しており、燃料噴射装置は、燃料を互いに異なる方向に噴射する複数の噴射口を有しているとともに、複数の噴射口は、第1および第3噴射口を有している。そのため、まず、第1所定タイミングで燃料を噴射した場合、第1噴射口から噴射された燃料の噴霧(以下「第1噴霧」という)は、案内壁のガイド面に達し、このガイド面によって、点火プラグに向かって案内される。また、第3噴射口から噴射された燃料の噴霧(以下「第3噴霧」という)は、キャビティの傾斜壁部よりも燃料噴射装置側の底面に向かって噴射されることにより、キャビティの底面に衝突し、底面から若干、浮き上がった状態で傾斜壁部に向かって流れた後、点火プラグ側に流れる。その結果、第1および第3噴霧がいずれも点火プラグに到達する。
また、第2所定タイミングで燃料を噴射した場合、第1噴霧はそのままガイド壁部の傾斜壁部に達し、第3噴霧も、上述したように、キャビティの底面に衝突し、底面から若干、浮き上がった状態で傾斜壁部に向かって流れ、第1噴霧の流れを傾斜壁部の点火プラグ側の端部から外方に押し出し、それにより、第1噴霧の流れとともに、点火プラグ側に流れる。その結果、第1および第3噴霧がいずれも点火プラグに到達する。
以上のように、燃料噴射装置による燃料の噴射が、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のいずれのタイミングで実行された場合でも、燃料の噴霧を、案内壁およびキャビティ、またはキャビティによって、噴霧の拡散を抑制しながら点火プラグ側に適切かつ効率よく案内することができる。それにより、成層混合気の生成効率、燃焼効率および燃費をさらに向上させることができる。また、そのような内燃機関を、一対の側壁部、一対の湾曲壁部および傾斜壁部を有するキャビティと、案内壁とを備えたピストンと、第1および第3噴射口を有する燃料噴射装置という比較的簡易な構成を組み合わせることによって実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項に記載の内燃機関1において、ガイド壁部は、案内壁16に近づくにつれて、互いの間隔がより広くなるように延びる一対の側壁部11b,11bと、一対の側壁部の案内壁16側の端部から中央側に湾曲する一対の湾曲壁部11c,11cと、一対の湾曲壁部に連続して延び、点火プラグ5側に向かって傾斜した傾斜壁部11dとを有しており、複数の噴射口は、燃料噴霧の中心軸が第1噴射口H1の燃料噴霧の中心軸に対して他の所定角度(所定値θ1+θ2)分、点火プラグ5と反対側に傾いた状態に設定され、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のタイミングで燃料を噴射したときに、燃料の噴霧が一対の側壁部11b,11bにそれぞれ沿って流れるように構成された一対の第2噴射口H2,H2をさらに有することを特徴とする。
この内燃機関によれば、ガイド壁部は、案内壁に近づくにつれて、互いの間隔がより広くなるように延びる一対の側壁部と、一対の側壁部の案内壁側の端部から中央側に湾曲する一対の湾曲壁部と、一対の湾曲壁部に連続して延び、点火プラグ側に向かって傾斜した傾斜壁部とを有しており、燃料噴射装置は、燃料を互いに異なる方向に噴射する複数の噴射口を有しているとともに、複数の噴射口は、第1および第2噴射口を有している。そのため、まず、第1所定タイミングで燃料を噴射した場合、第1噴射口から噴射された燃料の噴霧(以下「第1噴霧」という)は、案内壁のガイド面に達し、このガイド面によって、点火プラグに向かって案内される。また、一対の第2噴射口から噴射された燃料の噴霧(以下「第2噴霧」という)は、一対の側壁部にそれぞれ沿って流れた後、これらの側壁部から中央側に湾曲する一対の湾曲壁部によって、減速させられながら中央側に寄せられる。そして、一対の第2噴霧の流れは、傾斜壁部の中央付近で互いに衝突し、合流した後、点火プラグ側に流れる。その結果、第1および第2噴霧がいずれも点火プラグに到達する。
また、第2所定タイミングで燃料を噴射した場合、第1噴霧はそのままガイド壁部の傾斜壁部に達し、一対の第2噴霧の流れは、上述したように、一対の側壁部および一対の湾曲壁部に沿って流れることにより、傾斜壁部の中央付近で互いに合流すると同時に、第1噴霧の流れとも合流し、第1および第2噴霧がいずれも点火プラグに到達する。この場合、一対の第2噴霧は、第1所定タイミングで噴射されたときでも、第2所定タイミングで噴射されたときでも、一対の側壁部に沿ってそれぞれ流れることで、側壁部を乗り越えて拡散するのを抑制できるとともに、一対の湾曲壁部によって減速させられながら中央側に寄せられるので、一対の湾曲壁部を乗り越えて拡散するのも抑制することができる。それにより、第2噴霧を効率よく傾斜壁部の中央付近に集めることができ、第2噴霧を効率よく点火プラグに到達させることができる。
以上のように、燃料噴射装置による燃料の噴射が、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のいずれのタイミングで実行された場合でも、燃料の噴霧を、案内壁およびキャビティ、またはキャビティによって、噴霧の拡散を抑制しながら点火プラグ側に適切かつ効率よく案内することができる。それにより、成層混合気の生成効率、燃焼効率および燃費をさらに向上させることができる。また、そのような内燃機関を、一対の側壁部、一対の湾曲壁部および傾斜壁部を有するキャビティと、案内壁とを備えたピストンと、第1〜第2噴射口を有する燃料噴射装置という比較的簡易な構成を組み合わせることによって実現することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の内燃機関1において、複数の噴射口は、一対の第2噴射口H2,H2の噴射方向よりも外側に向かって燃料をそれぞれ噴射する一対の第4噴射口H4,H4をさらに有し、ピストン10は、頂面のキャビティ11の一対の側壁部11b,11bの外側にそれぞれ形成され、ピストン10の中心側に向かうほど、点火プラグ5により近づくように傾斜した一対の案内斜面12,12をさらに有しており、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のタイミングで一対の第4噴射口H4,H4から噴射された燃料の噴霧はそれぞれ、一対の案内斜面12,12に沿って流れることを特徴とする。
この内燃機関によれば、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のタイミングで第4噴射口から噴射された燃料の噴霧(以下「第4噴霧」という)はそれぞれ、ピストンの中心側に向かうほど、点火プラグにより近づくように傾斜した一対の案内斜面に沿って流れることにより、燃焼室側に案内される。それにより、この第4噴霧によって、第1〜第3噴霧よって気筒内に生成された混合気の空燃比を燃焼に適した値に調整することができ、燃焼効率および燃費をより一層、向上させることができる。
請求項5に係る発明は、請求項に記載の内燃機関1において、キャビティ11の底面11aおよび傾斜壁部11dは、互いに連続する複数の傾斜面(第1〜第3傾斜面S1〜S3)を構成しており、複数の傾斜面は、燃料噴射装置(燃料噴射弁4)から離間するほど、勾配が段階的に大きくなるように構成されていることを特徴とする。
この内燃機関によれば、キャビティの底面および傾斜壁部によって、互いに連続する複数の傾斜面が構成されているとともに、これらの複数の傾斜面は、燃料噴射装置から離間するほど、勾配が段階的に大きくなるように構成されているので、第3噴霧がこれらの複数の傾斜面に沿って流れる際、第3噴霧のペネトレーションを段階的に減衰させることができ、それにより、第3噴霧が複数の傾斜面上で液滴化するのを抑制でき、デポジットの発生を抑制することができる。その結果、成層混合気の生成効率、燃焼効率および燃費をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の気筒およびシリンダヘッド周辺の構成を示す断面図である。 燃料噴射弁における6つの噴射口の噴射角度を示す図である。 ピストンの構成を示す平面図である。 図3のA−A線に沿う断面を示す図である。 ピストンの上端部の構成を示す斜視図である。 図4のキャビティの傾斜壁部の周辺を拡大した図である。 図3のB−B線に沿う断面を示す図である。 燃料噴射を第1所定タイミングで実行したときの燃料の噴霧状態を示す(a)平面図および(b)断面図である。 燃料噴射を第1所定タイミングで実行したときの燃料噴霧の流れを示す(a)平面図および(b)断面図である。 燃料噴射を第2所定タイミングで実行したときの燃料の噴霧状態を示す(a)平面図および(b)断面図である。 燃料噴射を第2所定タイミングで実行したときの燃料噴霧の流れを示す(a)平面図および(b)断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る内燃機関について説明する。本実施形態の内燃機関(以下「エンジン」という)は、図示しない車両に動力源として搭載されたV型6気筒のガソリンエンジンタイプのものであり、互いにV字状に配置され、3つの気筒からなる気筒列を有する2つのバンクを備えている。このエンジン1は、その燃焼モードを、均一混合気を燃焼させる均一燃焼モードと、成層混合気を燃焼させる成層燃焼モードとに切り換えて運転可能に構成されている。
図1に示すように、このエンジン1は、6組(1組のみ図示)の気筒3およびピストン10と、気筒3ごとに設けられた燃料噴射弁4および点火プラグ5などを備えている。なお、図1は、エンジン1の断面構成を気筒3の軸線方向が上下方向に沿うように示したものであり、以下の説明では、便宜上、図1の手前側を「前」、奥側を「後ろ」、上側を「上」、下側を「下」という。このエンジン1では、吸気ポート6および排気ポート7がシリンダヘッド8内に形成されており、吸気行程では、空気が吸気ポート6を介して気筒3内に吸入される。また、排気行程では、既燃ガスが排気ポート7を介して気筒3内から排出される。
燃料噴射弁4は、吸気ポート6の下側に設けられ、その噴射口側の先端部が燃焼室8a内に臨むように傾斜した状態でシリンダヘッド8に固定されている。また、燃料噴射弁4は、平面的に見て、その中心軸線がピストン10の中心を通るように配置されている(図9(a)、図11(a)参照)。燃料噴射弁4は、図示しない燃料供給装置に接続されており、燃料供給装置から加圧状態の燃料が供給される。
また、燃料噴射弁4は、図示しない制御装置に電気的に接続されており、制御入力信号が制御装置から供給されたときに、その制御入力信号に対応する開弁タイミングおよび開弁時間で開弁し、それにより、燃料を気筒3内に噴射する。この場合、後述する理由により、エンジン1の成層燃焼モード中における燃料噴射弁4の開弁タイミングすなわち噴射開始タイミングは、圧縮行程中の、ピストン10が第1所定位置(例えばクランク角のBTDC数十度の位置、図1、図8(b)および図9(b)参照)に位置する第1所定タイミングから、ピストン10が第1所定位置よりもクランク角十数度分、TDC側の第2所定位置(図10(b)、図11(b)参照)に位置する第2所定タイミングまでの間に設定される。
この燃料噴射弁4は、図2に示すように、噴射口として、第1噴射口H1、一対の第2噴射口H2,H2、第3噴射口H3および一対の第4噴射口H4,H4を備えている。同図は、6つの噴射口における燃料の噴射角度(燃料の噴霧の中心軸の角度)を、燃料噴射弁4の中心軸線に直交する平面上において、燃料噴射弁4の中心軸線が通る位置を原点(0゜)とする直交座標系で表したものであり、各噴射口を示す円の中心の位置が噴射角度の座標を表している。
同図に示すように、第1噴射口H1の噴射角度は、θ1を正の所定値としたときに、燃料噴射弁4の中心軸線に対して所定値θ1分、y軸方向に傾いた角度、すなわち燃料噴射弁4の中心軸線よりも若干上向きの角度に設定されている。また、一対の第2噴射口H2,H2の噴射角度はそれぞれ、θ2,θ2’をθ2>θ1,θ2’>0が成立する所定値としたときに、燃料噴射弁4の中心軸線に対して、所定値−θ2分、y軸方向に傾き、かつ所定値±θ2’分、x軸方向に傾いた角度に設定されている。すなわち、一対の第2噴射口H2,H2の噴射角度は、燃料噴射弁4の中心軸線に対して、下向きでかつ前後に開いた角度に設定されている。
さらに、第3噴射口H3の噴射角度は、θ3をθ3>θ2が成立する所定値としたときに、燃料噴射弁4の中心軸線に対して、所定値−θ3分、y軸方向に傾いた角度すなわち第2噴射口H2よりも下向きの角度に設定されている。また、一対の第4噴射口H4,H4の噴射角度はそれぞれ、θ4,θ4’をθ4>θ3,θ4’>θ2’が成立する所定値としたときに、燃料噴射弁4の中心軸線に対して、所定値−θ4分、y軸方向に傾き、かつ所定値±θ4’分、x軸方向に傾いた角度に設定されている。すなわち、一対の第4噴射口H4,H4の噴射角度は、燃料噴射弁4の中心軸線に対して、第3噴射口H3の噴射角度よりも下向きで、第2噴射口H2,H2の噴射角度よりも前後に開いた角度に設定されている。
燃料噴射弁4の第1〜第4噴射口H1〜H4の噴射角度は、以上のように設定されており、それにより、第1〜第4噴射口H1〜H4から噴射された燃料の噴霧はいずれも、燃料噴射弁4の中心軸線から離間しかつ互いに離間するように流れる(図8,10参照)。
また、点火プラグ5は、傾斜した状態でシリンダヘッド8に固定されており、この点火プラグ5の傾斜角度は、後述する理由により、ピストン10のキャビティ11の傾斜壁部11dの傾斜角度とほぼ同じ値に設定されている。また、点火プラグ5は、中心電極5aおよび接地電極5bを有しており、これらの電極5a,5bは、燃焼室8a内に臨むとともに、平面的に見て気筒3の中心付近に配置されている。さらに、点火プラグ5は、図示しない点火コイルに電気的に接続されており、点火コイルから高電圧が印可されたときに、電極間での放電によって火花を発生させ、それにより、燃焼室8a内の混合気を燃焼させる。
次に、図3〜7を参照しながら、ピストン10について説明する。このピストン10は、図示しないクランクシャフトに機械的に連結されており、クランクシャフトの回転に従って、TDC位置とBDC位置との間で気筒3内を往復動する。図3および図9(a)などに示すように、ピストン10の頂面は、平面的に見て、燃料噴射弁4の中心軸線に対して線対称に構成されており、その吸気側の部位には、キャビティ11が形成されている。
このキャビティ11は、平らな底面11aと、この底面11aを取り囲むガイド壁部を備えており、このガイド壁部は、一対の側壁部11b,11b、一対の湾曲壁部11c,11cおよび傾斜壁部11dで構成されている。一対の側壁部11b,11bは、底面11aの前後の端部に連続しており、両者の間隔が上方に向うほど広くなるように傾斜しているとともに、両者の幅が吸気側から排気側に向かうほど広くなる形状を有している。また、一対の側壁部11b,11bの延設方向は、平面的に見て、一対の第2噴射口H2,H2の噴射軸線とほぼ平行になるように設定されている(図8(a)、図10(a)参照)。
また、一対の湾曲壁部11c,11cはそれぞれ、一対の側壁部11b,11bの排気側の端部から中央側に湾曲しており、傾斜壁部11dは、これらの湾曲壁部11c,11cに連続している。図6に示すように、この傾斜壁部11dは、底面11aとともに、互いに連続する3つの傾斜面S1〜S3を構成しており、これらの傾斜面S1〜S3は、吸気側から排気側に向かうほど、勾配が段階的に大きくなるように設定されている。その理由については後述する。
一方、キャビティ11の一対の側壁部11b,11bの外側には、一対の案内斜面12,12が設けられており、これらの案内斜面12,12は、ピストン10の中心に向かって上り勾配に形成されている。また、案内斜面12,12の外側には、これらに連続する周壁13,13が設けられており、この周壁13,13は、ピストン10の外縁に沿って延びている。
さらに、ピストン10の頂面の中央部は、平面的に見て、円の一部を切り欠いた形状の平面14になっており、この平面14は、傾斜壁部11dに連続している。また、ピストン10の頂面の排気側の部位には、排気側に向かって下がり勾配の傾斜面15と、この傾斜面15の排気側端部に連続する案内壁16とが設けられている。この案内壁16は、ピストン10の外縁に沿って延びており、その中央部は上り勾配の傾斜面16a(ガイド面)になっている。この場合、上述した傾斜壁部11dおよび傾斜面16aは、平面的に見て、その中心が燃料噴射弁4の中心軸線上に位置するように配置されている。
次に、以上のように構成された内燃機関1において、成層燃焼モード中に成層混合気を生成するときの動作を、図8〜11を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、第1噴射口H1、第2噴射口H2、第3噴射口H3および第4噴射口H1〜H4からそれぞれ噴射された燃料の噴霧を、「第1噴霧F1」、「第2噴霧F2」、「第3噴霧F3」および「第4噴霧F4」という。
まず、圧縮行程中、ピストン10が前述した第1所定位置まで上昇した第1所定タイミングで、燃料が燃料噴射弁4から噴射された場合、第1〜第4噴霧F1〜F4は、図8(a),(b)に示す状態でピストン10の頂面に到達(衝突)するとともに、それ以降、図9(a),(b)に示すように流れる。なお、図8(b)においては、理解の容易化のために、第4噴霧F4の図示が省略されている。
すなわち、第1噴霧F1は、平面14および傾斜面15に到達した後、図9(a),(b)の矢印Y1で示すように、傾斜面15に沿って流れ、案内壁16の傾斜面16aによって上向きに案内される。その後、第1噴霧F1は、燃焼室8aの内壁面に沿って点火プラグ5側に流れる。
また、第2噴霧F2,F2はそれぞれ、側壁部11b,11bに到達した後、図9(a)の矢印Y2,Y2で示すように、側壁部11b,11bに沿って流れる。この場合、前述したように、側壁部11b,11bの延設方向は、平面的に見て、第2噴射口H2,H2の噴射軸線とほぼ平行になるように設定されているので、第2噴霧F2,F2はそれぞれ、側壁部11b,11bを乗り越えて拡散することなく、これらに沿って流れた後、これらの側壁部11b,11bから中央側に湾曲する湾曲壁部11c,11cによって、中央側に寄せられる。そして、第2噴霧F2,F2の流れは、矢印Y2,Y2で示すように、傾斜壁部11dの中央付近で互いに衝突し、合流する。その際、第2噴霧F2,F2は、湾曲壁部11c,11cによって、減速させられながら、中央側に寄せられるので、湾曲壁部11c,11cを乗り越えて拡散することなく、中央側に寄せられる。それにより、第2噴霧F2,F2の流れを効率よく傾斜壁部11dの中央付近に集め、合流させることができる。
一方、第3噴霧F3は、キャビティ11の底面11aに到達した後、図9(a),(b)の矢印Y3で示すように、底面11aに沿って傾斜壁部11d側に流れる。その際、前述したように、底面11aおよび傾斜壁部11dが互いに連続する3つの傾斜面S1〜S3を構成しており、これらの3つの傾斜面S1〜S3は、吸気側から排気側に向かうほど、勾配が段階的に大きくなるように設定されているので、第3噴霧F3のペネトレーションを段階的に減衰させることができる。それにより、第3噴霧F3が傾斜面S1〜S3上で液滴化するのを抑制でき、デポジットの発生を抑制することができる。
そして、第3噴霧F3は、傾斜壁部11dの中央付近で合流した一対の第2噴霧F2の流れに衝突し、合流する。その際、第3噴霧F3は、そのペネトレーションによって、これらの第2噴霧F2の流れを上方に押し出すように作用する。それにより、互いに合流した第2噴霧F2および第3噴霧F3は、図9(a),(b)の矢印Y3’で示すように、傾斜壁部11dに沿って点火プラグ5側に流れ、点火プラグ5の電極5a,5b付近に到達する。この場合、前述したように、傾斜壁部11dの傾斜角度が、点火プラグ5の傾斜角度とほぼ同じ値に設定されているので、第2噴霧F2および第3噴霧F3を効率よく電極5a,5b付近に到達させることができる。
なお、図9(b)においては、理解の容易化のために、第3噴霧F3の流れを表す矢印Y3は、実際の噴霧の流れの中心よりも底面11aに近い位置に示されており、第2噴霧F2および第3噴霧F3の合流後の流れを表す矢印Y3’も、実際の噴霧の流れの中心よりも傾斜壁部11dに近い位置に示されている。
また、第4噴霧F4,F4はそれぞれ、キャビティ11の外側の案内斜面12,12に到達した後、図9(a)の矢印Y4,Y4で示すように、案内斜面12,12および周壁13,13に沿って上方に案内される。それにより、第1〜第3噴霧F1〜3によって点火プラグ5の電極5a,5b付近に集められた濃い混合気の周囲を取り囲む混合気の空燃比を、この第4噴霧F4によって成層燃焼に適した値に調整することができる。以上により、濃い混合気が点火プラグ5の電極5a,5b付近に集中し、その周囲を比較的、薄い混合気が取り囲む状態で、成層混合気を生成することができる。すなわち成層燃焼させるのに最適な状態で、成層混合気を生成することができる。
一方、圧縮行程中、ピストン10が前述した第2所定位置まで上昇した第2所定タイミングで、燃料噴射弁4から燃料を噴射した場合、第1〜第4噴霧F1〜F4は、図10(a),(b)に示す状態でピストン10の頂面に到達(衝突)するとともに、それ以降、図11(a),(b)に示すように流れる。なお、図10(b)においては、理解の容易化のために、第4噴霧F4の図示が省略されている。
すなわち、第1噴霧F1は、図11(b)の矢印Y1bで示すように、気筒3内を流れ、そのまま傾斜壁部11dに到達する。また、第2噴霧F2,F2はそれぞれ、底面11aに到達した後、図11(a)の矢印Y2b,Y2bで示すように、側壁部11b,11bに沿って流れ、さらに湾曲壁部11c,11cによって、減速させられながら中央側に寄せられた後、傾斜壁部11dの中央付近で互いに衝突すると同時、第1噴霧F1とも衝突し、それにより、第1噴霧F1の流れおよび第2噴霧F2の流れは、互いに合流する。
さらに、第3噴霧F3は、キャビティ11の底面11aに到達した後、図11(a),(b)の矢印Y3bに示すように、底面11aに沿って傾斜壁部11d側に流れる。その後、傾斜壁部11dの中央付近で互いに合流した第1噴霧F1の流れおよび第2噴霧F2の流れに衝突し、合流する。その際、第3噴霧F3は、そのペネトレーションによって、互いに合流した第1噴霧F1および第2噴霧F2の流れを上方に押し出すように作用する。それにより、互いに合流した第1〜第3噴霧F1〜F3は、矢印Y3b’で示すように、傾斜壁部11dに沿って点火プラグ5側に流れ、点火プラグ5の電極5a,5b付近に到達する。
その場合、前述したように、第3噴霧F3は、3つの傾斜面S1〜S3を流れることにより、そのペネトレーションが段階的に減衰されるので、第3噴霧F3が3つの傾斜面S1〜S3上で液滴化するのを抑制でき、デポジットの発生を抑制することができる。さらに、傾斜壁部11dの傾斜角度が、点火プラグ5の傾斜角度とほぼ同じ値に設定されているので、第1〜第3噴霧F1〜F3を効率よく電極5a,5b付近に到達させることができる。
なお、図11(b)においては、理解の容易化のために、第3噴霧F3の流れを示す矢印Y3bは、実際の噴霧の流れの中心よりも底面11aに近い位置に示されており、第1〜第3噴霧F1〜F3の合流後の流れを示す矢印Y3b’も、実際の噴霧の流れの中心よりも傾斜壁部11dに近い位置に示されている。
また、第4噴霧F4,F4はそれぞれ、キャビティ11の底面11aに到達した後、図11(a)の矢印Y4bで示すように、案内斜面12,12および周壁13,13に沿って上方に案内される。それにより、前述したように、第1〜第3噴霧F1〜3によって点火プラグ5の電極5a,5b付近に集められた濃い混合気の周囲を取り囲む混合気の空燃比を、この第4噴霧F4によって成層燃焼に適した値に調整することができる。以上により、濃い混合気が点火プラグ5の電極5a,5b付近に集中し、その周囲を比較的、薄い混合気が取り囲む状態で、成層混合気を生成することができる。すなわち成層燃焼させるのに最適な状態で、成層混合気を生成することができる。
また、圧縮行程中、ピストン10が第1所定位置と第2所定位置との間にあるタイミング、すなわち第1所定タイミングと第2所定タイミングの間のタイミングで、燃料噴射弁4から燃料を噴射した場合、第1噴霧F1は、その一部が傾斜面15に沿って流れ、案内壁16の傾斜面16aによって上向きに案内される。また、第1噴霧F1の残りの部分は、傾斜壁部11dに衝突するとともに、その位置で第2噴霧F2および第3噴霧F3と合流する。そして、互いに合流した第1〜第3噴霧F1〜F3は、第3噴霧F3のペネトレーションによって、傾斜壁部11dに沿って点火プラグ5側に流れる。一方、第4噴霧F4は、第2所定タイミングに近い状態で流れる。以上により、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングの中間で燃料を噴射した場合でも、成層燃焼させるのに最適な状態で、成層混合気を生成することができる。
以上のように、本実施形態のエンジン1によれば、成層燃焼モードの圧縮行程中、燃料噴射弁4により、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでの間のいずれのタイミングで、燃料噴射を実行した場合でも、成層燃焼させるのに最適な状態で、成層混合気を生成することができ、燃料噴射タイミングの自由度を向上させることができる。その結果、製品間のばらつきや経年変化などに起因して、燃料噴射弁4の噴射タイミングが4つの気筒3間でばらついたときでも、従来と異なり、成層混合気の生成効率、燃焼効率および燃費をいずれも向上させることができる。
また、そのようなエンジン1を、側壁部11b、湾曲壁部11cおよび傾斜壁部11dを有するキャビティ11と、案内壁16とを備えたピストン10と、第1〜第4噴射口H1〜H4を有する燃料噴射弁4という比較的簡易な構成を組み合わせることによって実現することができる。
さらに、第3噴霧F3が案内される3つの傾斜面S1〜S3は、吸気側から排気側に向かうほど、勾配が段階的に大きくなるように設定されているので、第3噴霧F3のペネトレーションを段階的に減衰させることができ、それにより、第3噴霧F3が傾斜面S1〜S3上で液滴化するのを抑制でき、デポジットの発生を抑制することができる。その結果、成層混合気の生成効率、燃焼効率および燃費をさらに向上させることができる。
なお、実施形態は、燃料噴射装置として、燃料噴射弁を用いた例であるが、本発明の燃料噴射装置はこれに限らず、燃料を所定タイミングで気筒内に噴射可能なものであればよい。
また、実施形態は、本発明の内燃機関を車両用のものに適用した例であるが、本発明の内燃機関は、これに限らず、船舶用のものや、他の産業機器用のものにも適用可能であることは言うまでもない。
さらに、実施形態は、内燃機関として、V型6気筒ガソリンエンジンタイプのものを用いたが、これに代えて、直列多気筒ガソリンエンジンや、水平対向多気筒ガソリンエンジンなどを用いてもよい。
1 内燃機関
3 気筒
4 燃料噴射弁
H1 第1噴射口
H2 第2噴射口
H3 第3噴射口
H4 第4噴射口
5 点火プラグ
10 ピストン
11 キャビティ
11a 底面
11b 側壁部
11c 湾曲壁部
11d 傾斜壁部
12 案内斜面
16 案内壁
16a 傾斜面(ガイド面)
S1 第1傾斜面
S2 第2傾斜面
S3 第3傾斜面

Claims (5)

  1. 気筒内に燃料を直接、噴射するとともに、当該噴射された燃料と前記気筒に吸入された空気との混合気を火花点火によって着火させ、燃焼させる筒内直噴式の内燃機関であって、
    前記気筒内を往復動するピストンと、
    前記気筒内に臨むように設けられ、当該気筒内の混合気を火花点火する点火プラグと、
    燃料を前記ピストンの頂面に対して斜めに噴射するとともに、燃料を互いに異なる方向に噴射する複数の噴射口を有する燃料噴射装置と、
    を備え、
    前記複数の噴射口は、燃料噴霧の中心軸が最も前記点火プラグ寄りに設定された第1噴射口を有し、
    前記ピストンは、頂面の所定部位に突出する案内壁と、当該頂面の当該案内壁よりも前記燃料噴射装置側の位置に形成された傾斜面部と、当該頂面の当該傾斜面部よりも前記燃料噴射装置側の位置に形成されたキャビティとを有しており、
    当該傾斜面部は、前記ピストンが圧縮行程中の第1所定位置に位置する第1所定タイミングで前記燃料噴射装置の前記第1噴射口から噴射された燃料の噴霧を受け止めて前記案内壁側に案内し、
    前記案内壁は、前記傾斜面部によって案内された燃料の噴霧を前記点火プラグに向かって案内するガイド面を有し、
    前記キャビティは、前記第1所定タイミングから前記ピストンが圧縮行程中の前記第1所定位置よりも上死点側の第2所定位置に位置する第2所定タイミングまでの間のタイミングで前記燃料噴射装置の前記第1噴射口から噴射された燃料の噴霧を前記点火プラグに向かって案内するガイド壁部を有することを特徴とする内燃機関。
  2. 前記ガイド壁部は、前記案内壁に近づくにつれて、互いの間隔がより広くなるように延びる一対の側壁部と、当該一対の側壁部の前記案内壁側の端部から中央側に湾曲する一対の湾曲壁部と、当該一対の湾曲壁部に連続して延び、前記点火プラグ側に向かって傾斜した傾斜壁部とを有しており、
    前記複数の噴射口は、燃料噴霧の中心軸が前記第1噴射口の燃料噴霧の中心軸に対して所定角度分、前記点火プラグと反対側に傾いた状態に設定され、前記第1所定タイミングから前記第2所定タイミングまでの間のタイミングで燃料を噴射したときに、燃料の噴霧が前記キャビティの前記傾斜壁部よりも前記燃料噴射装置側の底面に達するように構成された第3噴射口をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記ガイド壁部は、前記案内壁に近づくにつれて、互いの間隔がより広くなるように延びる一対の側壁部と、当該一対の側壁部の前記案内壁側の端部から中央側に湾曲する一対の湾曲壁部と、当該一対の湾曲壁部に連続して延び、前記点火プラグ側に向かって傾斜した傾斜壁部とを有しており、
    前記複数の噴射口は、
    燃料噴霧の中心軸が前記第1噴射口の燃料噴霧の中心軸に対して他の所定角度分、前記点火プラグと反対側に傾いた状態に設定され、前記第1所定タイミングから前記第2所定タイミングまでの間のタイミングで燃料を噴射したときに、燃料の噴霧が前記一対の側壁部にそれぞれ沿って流れるように構成された一対の第2噴射口をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記複数の噴射口は、
    前記一対の第2噴射口の噴射方向よりも外側に向かって燃料をそれぞれ噴射する一対の第4噴射口をさらに有し、
    前記ピストンは、前記頂面の前記キャビティの前記一対の側壁部の外側にそれぞれ形成され、前記ピストンの中心側に向かうほど、前記点火プラグにより近づくように傾斜した一対の案内斜面をさらに有しており、
    前記第1所定タイミングから前記第2所定タイミングまでの間のタイミングで前記一対の第4噴射口から噴射された燃料の噴霧はそれぞれ、前記一対の案内斜面に沿って流れることを特徴とする請求項に記載の内燃機関。
  5. 前記キャビティの前記底面および前記傾斜壁部は、互いに連続する複数の傾斜面を構成しており、
    当該複数の傾斜面は、前記燃料噴射装置から離間するほど、勾配が段階的に大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関。
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