以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像を形成することによって印刷を行う画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
図において、10はプリンタの本体、すなわち、装置本体であり、該装置本体10内には、ほぼ「S」字状に延在させて、媒体としての図示されない用紙を搬送するための搬送路25が形成され、該搬送路25に搬送ローラ26〜29が配設される。また、前記搬送路25に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成するための画像形成ユニット(IDユニット)Bk、Y、M、Cが配設され、該画像形成ユニットBk、Y、M、Cより下方には、用紙を搬送するとともに、前記各色のトナー像を用紙に転写するための転写ユニット(ベルト駆動ユニット)34が配設される。
また、前記装置本体10には、前記各画像形成ユニットBk、Y、M、Cに配設された像担持体としての感光体ドラム11と対向させて、露光装置としての、かつ、記録ヘッドとしてのLEDヘッド23が配設される。そして、用紙の搬送方向における前記転写ユニット34より下流側には、転写されたトナー像を用紙に定着させるための定着装置としての定着器35が配設される。
各画像形成ユニットBk、Y、M、Cにおいて、前記感光体ドラム11は、所定の回転速度で回転させられ、表面に電荷を蓄えることができ、前記LEDヘッド23による露光によって表面の電荷が除去されると、感光体ドラム11上に潜像としての図示されない静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム11に、帯電装置としての帯電ローラ12が所定の圧力で接触させられ、該帯電ローラ12は、感光体ドラム11と反対方向に回転させられ、感光体ドラム11の表面に所定の電圧を印加する。
また、45は、前記感光体ドラム11に隣接させて配設され、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置としての現像器であり、該現像器45は、感光体ドラム11に現像剤としてのトナーを付着させる現像剤担持体としての現像ローラ16、該現像ローラ16上のトナーの厚さを規制する現像剤層規制部材としての図示されない現像ブレード、現像ローラ16にトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18等を備える。前記現像ローラ16は、感光体ドラム11に所定の圧力で接触させられ、感光体ドラム11と反対方向に回転させられ、トナー供給ローラ18は、現像ローラ16に所定の圧力で接触させられ、現像ローラ16と同じ方向に回転させられる。
前記感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像器45等は、画像形成ユニットBk、Y、M、Cの本体、すなわち、画像形成ユニット本体の筐体20内に収容され、該筐体20の上方には、トナーを収容する現像剤収容部としての、かつ、現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ15が筐体20に対して着脱自在に配設される。
前記転写ユニット34は、走行自在に配設されたベルト部材としての転写ベルト21、及び各感光体ドラム11と対向させて配設された転写部材としての転写ローラ22を備える。前記転写ベルト21及び転写ローラ22には、図示されない転写用の電源によって所定の電圧が印加され、感光体ドラム11上の各トナー像を用紙に転写する。
また、38は第1の筐体部としてのロワフレーム、40は、該ロワフレーム38に対して揺動自在に配設され、装置本体外に排出された用紙を積載するための積載部としてのスタッカ31を備えた第2の筐体部としてのアッパフレームである。そして、前記転写ユニット34より下方における、搬送路25の端部に、用紙を収容する媒体収容部としての用紙カセット30が配設され、該用紙カセット30に、用紙を繰り出す繰出部32が配設される。なお、39は用紙の厚さを検出する検出部、42は該検出部39によって検出された用紙の厚さに対応させて転写ローラ22の位置を変更する位置調整機構である。
次に、前記構成のプリンタの動作について説明する。
前記各画像形成ユニットBk、Y、M、Cにおいて、帯電ローラ12は感光体ドラム11の表面を一様に帯電させ、LEDヘッド23は感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する。続いて、現像器45は、静電潜像を現像して各色のトナー像を形成する。
一方、繰出部32によって一枚ずつ繰り出された用紙は、搬送ローラ26、27によって搬送され、静電気によって転写ベルト21に付着させられ、該転写ベルト21の走行に伴って、各画像形成ユニットBk、Y、M、Cと転写ユニット34との間を搬送され、感光体ドラム11と転写ローラ22との間の各転写部を通過し、各色のトナー像が重ねて転写されて、カラーのトナー像が形成される。続いて、用紙は、定着器35においてカラーのトナー像が定着させられ、カラーの画像が形成される。その後、用紙は、搬送ローラ28、29によって更に搬送され、スタッカ31に積載される。
次に、前記画像形成ユニットBk、Y、M、Cの動作について説明する。なお、各画像形成ユニットBk、Y、M、Cの基本的な動作は同じであるので、画像形成ユニットBkの動作についてだけ説明する。
まず、前記感光体ドラム11の表面は、図示されない帯電用の電源に接続された帯電ローラ12によって、任意の極性及び電位により、一様に帯電させられる。次に、図示されない制御部において発生させられた画像データがLEDヘッド23に送られると、該LEDヘッド23は、画像データに基づいて感光体ドラム11の表面を露光し、静電潜像を形成する。
そして、図示されない現像剤供給用の電源に接続されたトナー供給ローラ18は、図示されない現像用の電源に接続された現像ローラ16に当接させられているので、回転させられることによって、トナーを現像ローラ16に供給する。該現像ローラ16に供給されたトナーは、現像ローラ16と現像ブレードとの摩擦等によって帯電させられ、現像ローラ16の表面にトナーの薄層を形成する。なお、薄層の厚さは、前記現像ローラ16に印加される電圧、トナー供給ローラ18に印加される電圧、現像ブレードによる現像ローラ16への押圧力等によって決定される。
また、現像ローラ16は、前記電圧が印加されることによってトナーを感光体ドラム11の静電潜像に付着させ、トナー像を形成する。その後、感光体ドラム11上のトナー像は、感光体ドラム11と転写ローラ22との間に形成される電界によって用紙に転写され、用紙上のトナー像は、定着器35において定着させられる。なお、トナー像の転写後に感光体ドラム11上に残留したトナーは、クリーニング部材としての図示されないクリーニングブレードによって掻き取られ、廃トナーとして回収される。
次に、前記定着器35について説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における定着器の概略図である。
図において、28は搬送ローラ、35は定着器、Pは用紙、Csは前記定着器35の筐体である。該筐体Cs内には、矢印B方向に回転自在に配設された定着部材としての、かつ、第1のローラとしての定着ローラ50、該定着ローラ50と対向させて配設された加圧ユニット51、分離部材としての、かつ、案内部材としてのセパレータ54等が配設される。前記搬送ローラ28は一対のローラから成り、各ローラは所定の圧力で互いに接触させられ、排出用の駆動部としての図示されない排出用モータの駆動に伴って回転させられる。
前記筐体Csには、画像形成ユニットCから矢印A方向に搬送されてきた用紙Pを筐体Cs内に導入する導入口m1、及び定着後の用紙Pを排出する排出口m2が形成され、前記導入口m1には、用紙Pを定着ローラ50と加圧ユニット51との間の圧接部としての、かつ、定着部としてのニップ部に案内する案内部としての進入ガイド53が形成される。
なお、用紙Pの搬送方向における導入口m1より下流側に前記定着ローラ50及び加圧ユニット51が配設され、定着ローラ50及び加圧ユニット51より下流側に前記セパレータ54が配設され、セパレータ54より下流側に排出口m2が形成される。
前記定着ローラ50は、アルミニウム、鉄等の金属製の筒状体から成る芯金50a、シリコーンゴム等のゴム材料から成り、前記芯金50aの表面を被覆する弾性体50b、フッ素樹脂等の高分離性材料から成り、前記弾性体50bの表面を被覆する被覆層としての図示されないPFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)コーティング層、前記芯金50a内に配設された加熱体としてのハロゲンランプ50c等を備える。前記PFAコーティング層は、定着ローラ50と用紙P及び用紙P上のトナー像との分離性を高くするために形成される。なお、PFAコーティング層に代えてPFAチューブを使用することができる。
また、前記加圧ユニット51は、矢印C方向に回転自在に配設された第1の加圧部材としての、かつ、第2のローラとしての加圧ローラ52、該加圧ローラ52を包囲して、加圧ローラ52と同じ方向に回動自在に配設された第2の加圧部材としての定着ベルト81、該定着ベルト81の内側における導入口m1側に、前記加圧ローラ52に隣接させて配設された第3の加圧部材としての加圧パッド82、該加圧パッド82を保持するパッドホルダ83、前記加圧ローラ52を定着ローラ50に向けて付勢する付勢部材としての図示されないテンションスプリング等を備える。前記加圧ローラ52及び加圧パッド82は、定着ベルト81を介して定着ローラ50に当接させられ、前記ニップ部を形成する。
本実施の形態においては、加圧ユニット51に加圧ローラ52、定着ベルト81、加圧パッド82等が配設されるようになっているが、定着ローラ50と加圧ローラとを直接対向させて配設することができる。その場合、加圧ローラによって加圧部材が構成され、定着ローラ50と加圧ローラとの間に圧接部としての、かつ、定着部としてのニップ部が形成される。
前記加圧ローラ52は、アルミニウム、鉄等の金属製の筒状体から成る芯金52a、シリコーンゴム等のゴム材料から成り、前記芯金52aの表面を被覆する弾性体52b、フッ素樹脂等の高分離材料から成り、前記弾性体52bの表面を被覆する被覆層としての図示されないPFAコーティング層、前記芯金52a内に配設された加熱体としてのハロゲンランプ52c等を備える。前記PFAコーティング層は、加圧ローラ52と定着ベルト81との摺動性を高くするために形成される。なお、PFAコーティング層に代えてPFAチューブを使用することができる。また、定着ローラ50の硬度は加圧ローラ52の硬度より低くされる。
前記セパレータ54は、先端を前記ニップ部に臨ませて配設され、ニップ部を通過した用紙Pを定着ローラ50の表面から分離させるとともに、排出口m2に案内する。
そして、前記定着ローラ50の上方には、定着ローラ50の表面から一定の距離を置いて第1の温度検出部としての非接触サーミスタ55が配設され、該非接触サーミスタ55は、定着ローラ50の表面の温度を検出する。また、定着ベルト81内には、加圧ローラ52の表面に接触させて第2の温度検出部としての接触サーミスタ56が配設され、該接触サーミスタ56は、加圧ローラ52の表面の温度を検出する。
次に、前記セパレータ54について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるセパレータの平面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるセパレータの正面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるセパレータの側面図、図6は図1のA−A断面図である。なお、図6において、シャフト62は図示されていない。
図に示されるように、セパレータ54は、金属製の分離プレート61、該分離プレート61を筐体Csに対して揺動自在に支持するための支持部材としての金属製のシャフト62、前記分離プレート61と、定着ローラ50及び加圧ローラ52のいずれか一方、本実施の形態においては、定着ローラ50の表面との間の距離、すなわち、ギャップを、設定された値に保持するためのスペーサ63等を備える。なお、本実施の形態において、前記ギャップは0.5〔mm〕以上、かつ、0.8〔mm〕以下に設定される。
前記分離プレート61は、厚さが1.6〔mm〕の冷間圧延鋼製の板材から成り、横方向の断面がL字状の形状を有するように前記板材に曲げ加工を施すことによって形成される。そして、前記分離プレート61は、筐体Cs内の所定の位置に取り付けられた状態で、用紙Pの搬送方向に延び、用紙Pを案内する本体部としての媒体案内部61a、該媒体案内部61aの前縁部(定着ローラ50側の縁部)に形成され、前端に近いほど薄くされた分離部としてのエッジ部61b、前記媒体案内部61aの後端(排出口m2側の端部)から垂直の方向に立ち上げて形成された補強部としての立上部61c、及び前記媒体案内部61aの長手方向における両端に形成された支持部61dを有する。また、該支持部61dは、媒体案内部61aの両端から更に長手方向に突出させて形成された張出部61e、及び該張出部61eの端部から垂直の方向に立ち上げて形成された腕部61fを備え、前記張出部61eに、支持部61dにスペーサ63を取り付けるための穴、すなわち、取付穴61gが、前記腕部61fに、シャフト62を貫通させるための穴、すなわち、貫通穴61hが形成される。
そして、前記媒体案内部61aにおいて、搬送される用紙Pと対向する側の面をセパレータ54の通紙面S1とし、該通紙面S1と反対側(用紙Pと対向しない側)の面をセパレータ54の非通紙面S2としたとき、該非通紙面S2の中央部に、板厚の小さい凹部としての薄肉部領域AR1が形成される。
該薄肉部領域AR1は、矩形の形状を有し、媒体案内部61aの周縁よりわずかに内側に周縁を備える大きさ(A4判の用紙Pの幅以上の大きさ)になるように、非通紙面S2側から板材の厚さ方向に、切削加工であるフライス加工を施すことによって形成される。薄肉部領域AR1における板材の厚さは、他の部分の板材の厚さより0.5〔mm〕分小さくされ、セパレータ54の熱容量が小さくされる。また、前記通紙面S1には、セパレータ54と用紙P及び該用紙P上のトナー像との分離性を高くするために、被覆層としての図示されないPFAコーティング層が形成される。
なお、前記薄肉部領域AR1によって、セパレータ54の熱容量を小さくする領域、すなわち、熱容量低減領域が構成される。また、本実施の形態においては、前記薄肉部領域AR1として板厚の小さい一つの凹部が形成されるようになっているが、媒体案内部61aの長手方向において板厚の小さい凹部を複数形成することができる。
前記スペーサ63は、耐熱性及び耐薬性を有する高分子樹脂(例えば、PEEK材)によって形成され、前記分離プレート61の支持部61dに固定部材としてのねじ85によって取り付けられる。そのために、スペーサ63の長さ方向(分離プレート61の幅方向)における所定の箇所、本実施の形態においては、ほぼ中央に、張出部61eを保持するための保持部としての溝63aが形成される。
また、スペーサ63の前縁部(定着ローラ50側の縁部)に、前端に近いほど薄くされた当接部63bが形成され、該当接部63bの前端に、定着ローラ50の両端の近傍の非印刷領域(用紙Pが通過することがなく、画像の形成に寄与しない領域)と当接させられる当接面63cが形成される。該当接面63cは、表面加工を施すことによって平面度が高くされる。
そして、前記セパレータ54は、前記筐体Csの図示されないサイドプレートに形成された取付部としてのシャフト挿入穴に前記シャフト62を挿入することによって、筐体Cs内においてシャフト62を揺動中心として揺動自在に配設される。また、前記サイドプレートの所定の箇所とセパレータ54の所定の箇所との間には、付勢部材としての図示されないねじりコイルスプリングが配設され、該ねじりコイルスプリングは、所定の付勢力で前記スペーサ63を定着ローラ50に押し付け、当接面63cを非印刷領域に当接させる。
このようにして、分離プレート61のエッジ部61bと、定着ローラ50の表面との間の距離を所定の値にすることができる。この場合、媒体案内部61aの長手方向に沿って立上部61cが形成されているので、立上部61cによって媒体案内部61aが変形するのを防止することができる。その結果、セパレータ54の幅方向における水平度を高くすることができる。
また、セパレータ54は、金属製の分離プレート61、金属製のシャフト62、及び耐熱性を有するスペーサ63によって形成されるので、耐熱性が高い。
次に、前記構成の定着器35の動作について説明する。
まず、プリンタの電源がオンにされる(投入される)と、前記制御部の初期化処理手段は、初期化処理を行い、プリンタのイニシャル動作を行い、続いて、前記制御部の温度制御処理手段は、温度制御処理を行い、ハロゲンランプ50c、52cを通電し、定着ローラ50及び加圧ローラ52を加熱し、定着ローラ50及び加圧ローラ52の温度を高くする。このとき、前記定着ローラ50の表面の温度は非接触サーミスタ55によって、加圧ローラ52の表面の温度は接触サーミスタ56によって検出され、非接触サーミスタ55及び接触サーミスタ56のセンサ出力が前記制御部に送られる。
続いて、前記温度制御処理手段は、定着ローラ50の表面の温度が設定温度になると、定着器35において定着が可能な状態になったと判断し、ハロゲンランプ50cの通電を停止する。前記温度制御処理手段は、ハロゲンランプ50cの通電及びその停止を繰り返し、定着ローラ50の表面の温度を設定温度に維持し、用紙Pが定着器35に送られてくるのを待機する。
そして、用紙Pが定着器35に送られると、用紙Pは、ニップ部において、定着ローラ50及び加圧ローラ52によって加熱されるとともに、加圧ローラ52によって加圧され、トナー像が定着させられる。
ところで、セパレータ54が十分に加熱される前に定着器35において定着の動作が行われると、ニップ部を通過する際に用紙Pから発生した水蒸気が結露し、セパレータ54に水滴となって付着する。
そして、用紙Pがセパレータ54によって定着ローラ50の表面から分離させられる際に、ニップ部を通過した用紙Pにセパレータ54に付着した水滴が付着すると、用紙Pに汚れが付着したり、用紙Pにしわが発生したり、画像に乱れが発生したりして印刷物の品質が低下してしまう。
そこで、本実施の形態においては、前述されたように、セパレータ54に薄肉部領域AR1を形成し、セパレータ54の熱容量を小さくすることによって、セパレータ54の温度、特に、通紙面S1の温度である通紙面温度を急速に高くするようにしている。
次に、本実施の形態のセパレータ54及び薄肉部領域が形成されない比較例のセパレータにおける、ハロゲンランプ50c、52cを通電したときの通紙面温度の推移について説明する。
図7は本発明の第1の実施の形態におけるセパレータ及び比較例のセパレータの通紙面温度の変化の推移を示す図である。なお、図において、横軸にプリンタの電源をオンにしてからの経過時間を、縦軸に通紙面温度を採ってある。この場合、通紙面S1における中央部に温度センサを配設することによって通紙面温度を検出した。
図において、θ1は、定着の動作が行われるときに、ニップ部を通過する際に用紙Pから発生した水蒸気が本実施の形態のセパレータ54及び比較例のセパレータに付着しても結露しない最低の温度(80〔℃〕)、L1は本実施の形態のセパレータ54の通紙面温度、L2は比較例のセパレータの通紙面温度、t0はプリンタの電源をオンにするタイミング、t1は本実施の形態のセパレータ54が温度θ1に到達するタイミング、t2は比較例のセパレータが温度θ1に到達するタイミングである。
図に示されるように、プリンタの電源をオンにするタイミングt0において、本実施の形態のセパレータ54の通紙面温度及び比較例のセパレータの通紙面温度は等しいが、タイミングt0から約40〔秒〕が経過すると、ハロゲンランプ50c、52cの通電が開始され、単位時間当たりの温度の変化量に差が生じる。
ところで、比較例のセパレータは薄肉部領域AR1が形成されず、熱容量が大きいので、単位時間当たりの温度の変化量が少なく、通紙面温度が前記温度θ1に到達するまでの時間が約300〔秒〕であるのに対して、本実施の形態のセパレータ54は薄肉部領域AR1が形成され、熱容量が小さいので、単位時間当たりの温度の変化量が大きく、通紙面温度が前記温度θ1に到達するまでの時間が約200〔秒〕であり、比較例のセパレータより約100〔秒〕早い。
したがって、本実施の形態においては、ニップ部を通過する際に用紙Pから発生した水蒸気がセパレータ54に付着しても結露せず、蒸発するので、用紙Pをセパレータ54によって定着ローラ50から分離させる際に、用紙Pに水滴が付着するのを防止することができる。
次に、ニップ部を通過した用紙Pに水滴が付着する印刷枚数を、本実施の形態のセパレータ54と比較例のセパレータとで比較した。比較結果を表1に示す。
表1において、○はニップ部を通過した用紙Pに水滴が付着しないことを、×はニップ部を通過した用紙Pに水滴が付着することを表す。
表1から、比較例のセパレータにおいては、9枚目から用紙Pに水滴が付着しないのに対して、本実施の形態のセパレータ54においては、1枚目の印刷から用紙Pに水滴が付着しないことが分かる。
このように、本実施の形態においては、セパレータ54に薄肉部領域AR1が形成されるので、セパレータ54の通紙面温度を急速に高くすることができる。したがって、ニップ部を通過した用紙Pに水滴が付着するのを防止することができるので、用紙Pに汚れが付着したり、用紙Pにしわが発生したり、画像に乱れが発生したりすることがなく、印刷物の品質が低下するのを防止することができる。そして、用紙Pの表面を平坦に保つことができるので、用紙Pを装置本体外に円滑に排出することができる。
また、セパレータ54に薄肉部領域AR1を形成するだけでよいので、定着器35の構造が複雑になったり、定着器35のコストが高くなったりすることがない。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図8は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの平面図、図9は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの正面図、図10は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの側面図、図11は図8のB−B断面図である。なお、図11において、シャフト62は図示されていない。
図に示されるように、分離部材としての、かつ、案内部材としてのセパレータ54は、金属製の分離プレート70、該分離プレート70を筐体Cs(図3)に対して揺動自在に支持するための支持部材としての金属製のシャフト62、前記分離プレート70と、定着ローラ50及び第1の加圧部材としての、かつ、第2のローラとしての加圧ローラ52のいずれか一方、本実施の形態においては、定着ローラ50の表面との間の距離、すなわち、ギャップを、設定された値に保持するためのスペーサ63等を備える。
前記分離プレート70は、厚さを異ならせて形成された複数の、本実施の形態においては、二つの第1、第2のプレート部71、72をスポット溶接することによって形成される。そして、第1のプレート部71は、厚さが0.3〔mm〕のステンレスSUS430製の板材から成り、第2のプレート部72は、厚さが1.5〔mm〕のステンレスSUS430製の板材から成り、いずれも、横方向の断面がL字状の形状を有するように前記板材に曲げ加工を施すことによって形成される。なお、前記第1のプレート部71によって、複数のプレート部のうちの厚さが最も小さいプレート部が、前記第2のプレート部72によって、他のプレート部が構成される。
本実施の形態において、前記第1のプレート部71は、長手方向において一様な面を有し、前記第2のプレート部72は、長手方向において、1個以上(本実施の形態においては、長手方向において6〔mm〕間隔を置いて形成された11個)の貫通穴73を備える。該貫通穴73は、長さLhが25〔mm〕、幅Bhが8〔mm〕の矩形の形状を有し、貫通穴73において第1のプレート部71が露出させられる。
そして、該第1のプレート部71は、筐体Cs内の所定の位置に取り付けられた状態で、媒体としての用紙Pの搬送方向に延び、用紙Pを案内する本体部としての媒体案内部71a、該媒体案内部71aの前縁部(定着部材としての、かつ、第1のローラとしての定着ローラ50側の縁部)に形成された分離部としてのエッジ部71b、及び前記媒体案内部71aの後端(排出口m2側の端部)から垂直の方向に立ち上げて形成された補強部としての立上部71cを備える。
また、前記第2のプレート部72は、筐体Cs内の所定の位置に取り付けられた状態で、用紙Pの搬送方向に延び、用紙Pを案内する本体部としての媒体案内部72a、該媒体案内部72aの後端(排出口m2側の端部)から垂直の方向に立ち上げて形成された補強部としての立上部72c、及び前記媒体案内部72aの長手方向における両端に形成された支持部72dを有する。該支持部72dは、媒体案内部72aの両端から更に長手方向に突出させて形成された張出部72e、及び該張出部72eの端部から垂直の方向に立ち上げて形成された腕部72fを備え、前記張出部72eに、支持部72dにスペーサ63を取り付けるための取付穴72gが、前記腕部72fに、シャフト62を貫通させるための貫通穴72hが形成される。
そして、前記媒体案内部71aにおいて、搬送される用紙Pと対向する側の面をセパレータ54の通紙面S1とし、前記媒体案内部72aにおける前記通紙面S1と反対側の面をセパレータ54の非通紙面S2としたとき、該非通紙面S2に凹部としての薄肉部領域(貫通穴領域)AR2が形成され、該薄肉部領域AR2に前記各貫通穴73が形成され、セパレータ54の熱容量が小さくされる。前記薄肉部領域AR2は、矩形の形状を有し、媒体案内部72aの周縁よりわずかに内側に周縁を備える大きさ(A4判の用紙Pの幅以上の大きさ)になるように形成される。また、前記通紙面S1には、セパレータ54と用紙P及び該用紙P上のトナー像との分離性を高くするために、被覆層としての図示されないPFAコーティング層が形成される。
なお、前記薄肉部領域AR2によって、セパレータ54の熱容量を小さくする熱容量低減領域が構成される。
次に、本実施の形態のセパレータ54及び薄肉部領域が形成されない比較例のセパレータについて、加熱体としてのハロゲンランプ50c、52c(図3)を通電したときの通紙面温度の推移について説明する。
図12は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータ及び比較例のセパレータの通紙面温度の変化の推移を示す図である。なお、図において、横軸にハロゲンランプ50c、52cの通電を開始してからの経過時間を、縦軸に通紙面温度を採ってある。この場合、通紙面S1における中央部に温度センサを配設することによって通紙面温度を検出した。
図において、θ1は、定着の動作が行われるときに、圧接部としての、かつ、定着部としてのニップ部を通過する際に用紙Pから発生した水蒸気が本実施の形態のセパレータ54及び比較例のセパレータに付着しても結露しない最低の温度(80〔℃〕)、L1は本実施の形態のセパレータ54の通紙面温度、L2は比較例のセパレータの通紙面温度、t0は画像形成装置としてのプリンタの電源をオンにするタイミング、t1は本実施の形態のセパレータ54が温度θ1に到達するタイミング、t2は比較例のセパレータが温度θ1に到達するタイミングである。
図に示されるように、プリンタの電源をオンにするタイミングt0において、本実施の形態のセパレータ54の通紙面温度及び比較例のセパレータの通紙面温度は等しいが、タイミングt0から約40〔秒〕が経過すると、ハロゲンランプ50c、52cの通電が開始され、単位時間当たりの温度の変化量に差が生じる。
ところで、比較例のセパレータは薄肉部領域が形成されず、熱容量が大きいので、単位時間当たりの温度の変化量が少なく、通紙面温度が前記温度θ1に到達するまでの時間が約300〔秒〕であるのに対して、本実施の形態のセパレータ54は薄肉部領域AR2が形成され、熱容量が小さいので、単位時間当たりの温度の変化量が大きく、通紙面温度が前記温度θ1に到達するまでの時間が約150〔秒〕であり、比較例のセパレータより約150〔秒〕早い。
本実施の形態のセパレータ54においては、第1のプレート部71の厚さが0.3〔mm〕であるので、前記第1の実施の形態のセパレータ54より約50〔秒〕早く温度θ1に到達する。
なお、前記第1のプレート部71の厚さは、0.08〔mm〕以上、かつ、1.6〔mm〕以下にすることができる。そして、前記通紙面温度が前記温度θ1に到達するまでの時間は、第1のプレート部71が薄くなるほど短くなるので、第1のプレート部71の厚さを、例えば、0.08〔mm〕以上、かつ、0.3〔mm〕未満にすることによって、通紙面温度が前記温度θ1に到達するまでの時間を更に短くすることができる。
ところで、本実施の形態においては、厚さが異なる第1、第2のプレート部71、72をスポット溶接することによってセパレータ54が形成されるので、定着ローラ50及び加圧ローラ52によってセパレータ54が加熱されたときに第1、第2のプレート部71、72の熱膨張差によって分離プレート70に反りが発生すると、セパレータ54のエッジ部71bと定着ローラ50の表面との間のギャップが変化してしまう。なお、本実施の形態において、ギャップの初期値は0.5〔mm〕以上、かつ、0.8〔mm〕以下に設定される。
そして、ギャップの変化は、第1、第2のプレート部71、72の曲げ剛性による影響を受ける。本実施の形態のように、第2のプレート部72に貫通穴73が形成されている場合、第2のプレート部72の曲げ剛性が低下し、それに伴って、分離プレート70の曲げ剛性が低下し、ギャップの変化が大きくなり、エッジ部71bと定着ローラ50の表面とが接触する恐れがある。これに対して、エッジ部71bと定着ローラ50の表面とが接触することがないように、ギャップを大きく設定することが考えられるが、ギャップが大きいと、用紙Pが定着ローラ50に巻き付いてしまい、用紙Pを定着ローラ50から分離させるのが困難になってしまう。
そこで、本実施の形態においては、前記第1、第2のプレート部71、72の熱膨張を小さくし、分離プレート70に反りが発生するのを防止するために、前述されたように、第1、第2のプレート部71、72をステンレスSUS430によって形成するようにしている。
例えば、ステンレスSUS304の熱膨張係数は17.3×10-6〔℃〕であるのに対して、ステンレスSUS430の熱膨張係数は10.4×10-6〔℃〕である。また、ステンレスSUS304の熱伝導率は0.162×102 〔W/m・℃〕であるのに対して、ステンレスSUS430の熱伝導率は0.261×102 〔W/m・℃〕である。
このことから、ステンレスSUS430はステンレスSUS304より加熱されやすく、熱膨張が少ない材料であることが分かる。
次に、第1、第2のプレート部をステンレスSUS304で形成し、第2のプレート部に貫通穴を形成したものを第1の比較例のセパレータとし、第1、第2のプレート部をステンレスSUS304で形成し、第2のプレート部に貫通穴を形成しないものを第2の比較例のセパレータとして、本実施の形態のセパレータ54及び第1、第2の比較例のセパレータにおける、ハロゲンランプ50c、52cを通電したときのギャップの変化量の推移について説明する。
図13は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータ及び第1、第2の比較例のセパレータを使用したときのギャップの変化量の推移を示す図である。なお、図において、横軸にハロゲンランプ50c、52cの通電を開始してからの経過時間を、縦軸にギャップの変化量を採ってある。該ギャップの変化量が負の方向に大きくなると、ギャップが小さくなる。
本実施の形態においては、プリンタの電源がオンにされてから約40〔秒〕が経過すると、ハロゲンランプ50c、52cの通電が開始されるが、該ハロゲンランプ50c、52cの通電に伴って、本実施の形態のセパレータ54における第1、第2のプレート部71、72、及び第1、第2の比較例における第1、第2のプレート部が熱膨張し、それに伴って、ギャップが変化する。
第2の比較例のセパレータにおいては、ハロゲンランプ50c、52cの通電に伴って、ギャップが最大で約0.15〔mm〕小さくなるが、ギャップの初期値は0.5〔mm〕以上、かつ、0.8〔mm〕以下に設定されているので、セパレータ54と定着ローラ50とが接触することはない。
また、第1の比較例のセパレータにおいては、ハロゲンランプ50c、52cの通電に伴って、ギャップが最大で約0.40〔mm〕小さくなる。この場合も、セパレータ54と定着ローラ50とが接触することはないが、分離プレート70に反りが発生していることが分かる。この場合、ギャップの初期値を約0.40〔mm〕だけ大きくすることが好ましいが、用紙Pが定着ローラ50に巻き付いてしまい、用紙Pを定着ローラ50から分離させるのが困難になってしまう。
これに対して、本実施の形態のセパレータ54においては、ハロゲンランプ50c、52cの通電に伴って、ギャップが最大で約0.14〔mm〕小さくなるが、第2の比較例のセパレータと同様に、セパレータ54と定着ローラ50とが接触することはない。また、用紙Pを定着ローラ50から確実に分離させることができるので、用紙Pが定着ローラ50に巻き付くのを防止することができる。
このように、本実施の形態においては、厚さが異なる第1、第2のプレート部71、72をスポット溶接することによってセパレータ54が形成され、厚さの小さい第1のプレート部71に通紙面S1及びエッジ部71bが形成されるので、定着ローラ50から用紙Pを確実に分離させることができる。
また、第1のプレート部71に通紙面S1が形成され、しかも、厚さの大きい第2のプレート部72に薄肉部領域AR2が形成されるので、セパレータ54の熱容量を小さくすることができ、第1のプレート部71を急速に加熱することができる。したがって、ニップ部を通過する際に用紙Pから発生した水蒸気はセパレータ54に付着しても結露せず、短い時間で蒸発するので、用紙Pをセパレータ54によって定着ローラ50から分離させる際に、用紙Pに水滴が付着するのを確実に防止することができる。
さらに、第1のプレート部71の厚さを、例えば、0.08〔mm〕以上、かつ、1.1〔mm〕未満にして、第1の実施の形態における薄肉部領域AR1の厚さより小さくすることができるので、定着装置としての定着器35のコストを高くすることなく、簡単な構造で通紙面温度を更に急速に高くすることができる。
そして、第2のプレート部72によって第1のプレート部71を補強することができるので、第1のプレート部71が変形するのを防止することができる。
また、シャフト62を貫通させるための貫通穴72hが第2のプレート部72に形成されるので、分離プレート70を筐体Csに対して揺動自在に支持するに当たり、第1のプレート部71に外力が加わることがない。さらに、第2のプレート部72にスペーサ63が取り付けられるので、該スペーサ63が定着ローラ50に押し付けられるときに、第1のプレート部71に外力が加わることがない。したがって、第1のプレート部71が変形するのを防止することができるだけでなく、用紙Pの分離を行うに当たり、第1のプレート部71に負荷が加わることがない。
次に、第1、第2のプレート部71、72の材質を変更することなく、剛性を高くすることができるようにしたセパレータ54の変更例について説明する。
図14は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの第1の変更例を示す図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの第2の変更例を示す図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの第3の変更例を示す図である。
この場合、複数の貫通穴73によって薄肉部領域AR2が形成され、各貫通穴73の長さLh及び幅Bhのいずれか一方が第2のプレート部72の長手方向において異ならせて設定される。
ところで、定着ローラ50及び加圧ローラ52は、それぞれ、ハロゲンランプ50c、52cを備え、ハロゲンランプ50c、52cを通電することによって加熱される。この場合、前記定着ローラ50及び加圧ローラ52の中央部においては、放熱量が少ないのに対して、両端部においては放熱量が多い。そこで、本実施の形態においては、ハロゲンランプ50c、52cの加熱量(配熱量)を軸方向において異ならせて設定し、前記定着ローラ50及び加圧ローラ52の中央部においては加熱量を多く、両端部においては加熱量を少なくするようにしている。したがって、セパレータ54は、中央部において温度が高くされ、両端部において温度が低くされる。
そこで、図14のセパレータ54においては、第2のプレート部72の中央部の各貫通穴73の長さLhが、第2のプレート部72の両端部の各貫通穴73の長さLhより短くされ、各貫通穴73の幅Bhが、第2のプレート部72の長手方向において等しくされる。
また、図15のセパレータ54においては、第2のプレート部72の各貫通穴73の長さLhが、第2のプレート部72の長手方向において等しくされ、第2のプレート部72の中央部の各貫通穴73の幅Bhが、第2のプレート部72の両端部の各貫通穴73の幅Bhより小さくされる。
そして、図16のセパレータ54においては、第2のプレート部72の中央部の各貫通穴73の長さLhが、第2のプレート部72の両端部の各貫通穴73の長さLhより短くされ、第2のプレート部72の中央部の各貫通穴73の幅Bhが、第2のプレート部72の両端部の各貫通穴73の幅Bhより小さくされる。
このように、中央部における貫通穴73の面積が小さくされ、両端部における貫通穴73の面積が大きくされるセパレータ54を形成することができるので、セパレータ54の剛性が低くなるのを抑制することができる。その結果、ギャップの変化量を小さくすることができる。
次に、貫通穴73の長さLhを変化させたときのギャップの変化量、及び貫通穴73の幅Bhを変化させたときのギャップの変化量について説明する。
図17は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの貫通穴の長さとギャップの変化量との関係を示す図、図18は本発明の第2の実施の形態におけるセパレータの貫通穴の幅とギャップの変化量との関係を示す図である。なお、図17において、横軸に貫通穴73の長さLhを、縦軸にギャップの変化量を採ってある。また、図18において、横軸に貫通穴73の幅Bhを、縦軸にギャップの変化量を採ってある。
図に示されるように、貫通穴73の長さLh又は幅Bhが大きくなるのに伴ってギャップの変化量が大きくなる。
そこで、セパレータ54の中央部の貫通穴73の長さLhを、前記第1の実施の形態の25〔mm〕から12.5〔mm〕にすると、セパレータ54の剛性が低くなるのを抑制することができ、ギャップの変化量を小さくすることができる。同様に、貫通穴73の幅Bhを、前記第1の実施の形態の8〔mm〕から4〔mm〕にすると、セパレータ54の剛性が低くなるのを抑制することができ、ギャップの変化量を小さくすることができる。
このように、貫通穴73の形状を中央部と両端部とで異ならせることによって、セパレータ54の剛性が低くなるのを抑制することができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。