以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
[画像形成装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る定着装置500を有する画像形成装置1の構成を示す概略図である。この画像形成装置1は、記録媒体上に形成された現像剤像であるトナー像を定着装置500により定着して画像を形成する装置である。具体的には、画像形成装置1は、電子写真方式の印刷装置であり、ここではカラープリンタである。
画像形成装置1は、用紙トレイ100、用紙繰り出し部200、用紙搬送部300、画像形成部400、および定着装置500を備える。
用紙トレイ100は、記録媒体としての用紙Pを積層状態で収納する。用紙トレイ100は、内部に収納された用紙Pを所定の高さまで上昇させるように構成されている。
用紙繰り出し部200は、用紙トレイ100の繰り出し側に設けられ、用紙トレイ100に収納された用紙Pを1枚ずつ繰り出す。用紙繰り出し部200は、ピックアップローラ201、フィードローラ202、および分離片203を有する。ピックアップローラ201は、所定の高さまで上昇した用紙Pに圧接するように設けられ、用紙Pを繰り出す。フィードローラ202および分離片203は、ピックアップローラ201により繰り出された用紙Pを1枚ずつに分離して繰り出す。
用紙搬送部300は、用紙繰り出し部200により1枚に捌いて繰り出された用紙Pを画像形成部400に搬送する。用紙搬送部300は、繰り出された用紙Pを搬送するための搬送ローラ対301、302を有する。
画像形成部400は、用紙搬送部300から搬送される用紙P上にトナー像を形成する。画像形成部400は、4つのトナー像形成部410K、410Y、410M、410Cと、転写部420とを有する。トナー像形成部410K、410Y、410M、410Cは、それぞれ、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像を形成する。トナー像形成部410K、410Y、410M、410Cは、用紙が搬送される方向に沿って直列に並べられており、装置本体2に対して着脱可能に設けられている。転写部420は、トナー像形成部410K、410Y、410M、410Cにより形成された各色のトナー像を用紙P上に転写する。
トナー像形成部410Kは、トナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム411、感光体ドラム411の表面を帯電させる帯電装置としての帯電ローラ412、帯電した感光体ドラム411の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置または露光装置としての光ヘッド413、静電潜像を現像剤であるトナーにより現像して感光体ドラム411上にトナー像を形成する現像装置としての現像ローラ414、および感光体ドラム411の表面を清掃するクリーニング装置としてのクリーニングブレード415を有する。なお、トナー像形成部410Y、410M、410Cの構成については、使用するトナーの色を除いてトナー像形成部410Kと同様であるので、説明を省略する。
転写部420は、転写ベルト421、ドライブローラ422、テンションローラ423、および4つの転写ローラ424を有する。転写ベルト421は、用紙Pを静電吸着して図中矢印A1方向に搬送する無端状の部材である。ドライブローラ422は、転写ベルト421を駆動し、テンションローラ423は、ドライブローラ422とともに転写ベルト421を張架する。4つの転写ローラ424は、4つの感光体ドラム411に転写ベルト421を挟んで対向して配置され、それぞれ対応する感光体ドラム411上のトナー像を用紙Pの上面にクーロン力により転写する。転写ベルト421は、トナー像が転写された用紙Pを定着装置500へと送り出す。
定着装置500は、画像形成部400により用紙P上に形成されたトナー像を熱と圧力により用紙Pに定着させる。定着装置500については、後に詳しく説明する。
定着装置500の下流側には、定着装置500から送り出された用紙Pを搬送して排出口603から排出する排出ローラ対601、602と、排出口603から排出された用紙Pを積載する積載部604とが設けられている。また、両面印刷を行うための構成として、反転部700が設けられている。反転部700は、定着装置500から送り出された用紙Pを反転して用紙搬送部300に搬送する。反転部700は、用紙Pを搬送する搬送ローラ対701〜704と、用紙Pの搬送路を切り替える搬送路切り替えガイド705、706を有する。
図2に示されるように、画像形成装置1は、さらに、制御部801、駆動部802、および電源部803を備える。制御部801は、例えば中央処理装置(CPU)を含み、画像形成装置1の動作を制御する。駆動部802は、例えばモータを含み、制御部801からの指示に従い、定着装置500等の画像形成装置1の各部に駆動力を供給する。電源部803は、制御部801からの指示に従い、定着装置500等の画像形成装置1の各部に電力または電圧を供給する。
[定着装置の構成]
以下、定着装置500の構成について説明する。
図3は、本実施の形態に係る定着装置500の構成を示す断面図である。図3において、定着装置500は、定着部10、分離ユニット30、搬送ローラ対50、および用紙ガイド71、72、73を有する。
定着部10は、回転する定着部材としての定着ベルト11と、定着ベルト11と当接してニップ部(または当接部)N1を形成する加圧部材としての加圧ローラ16とを有し、トナー像が形成された用紙Pをニップ部N1で挟んで搬送しながら加熱することにより、トナー像を用紙Pに定着させる。定着部10は、装置本体2に固定される定着フレーム21に組み付けられる。以下では、定着部10により用紙Pが搬送される方向を「用紙搬送方向」という。
図3において、定着部10は、定着ベルト11、定着ローラ12、加熱部材13、ベルトガイド14、定着パッド15、および加圧ローラ16を有する。
定着ベルト11は、用紙P上のトナー像を加熱して溶融する無端状の部材である。定着ベルト11は、用紙搬送方向に直交する幅方向(図3の紙面に直交する方向)に延在する。定着ベルト11の幅方向は、用紙搬送方向に直交する用紙Pの幅方向と一致する。以下では、定着ベルト11の幅方向に平行な方向を単に「幅方向」という。定着ベルト11の表面は、フッ素コーティングされている。定着ベルト11の内周側には、定着ローラ12、加熱部材13、ベルトガイド14、および定着パッド15がこの順で配置される。定着ローラ12、加熱部材13、ベルトガイド14、および定着パッド15は、いずれも幅方向に延在する。
定着ローラ12は、定着フレーム21に回転可能に支持され、図示せぬギアを介して駆動部802と接続される。定着ローラ12は、駆動部802からの駆動力によって所定の回転方向(図3の矢印A2方向)に回転し、定着ベルト11を所定の回転方向(図3の矢印A3方向)に回転させる。定着ローラ12は、金属パイプと、この金属パイプの外周に形成された弾性層であるシリコンスポンジ層とにより構成される。
加熱部材13は、定着ベルト11を加熱する部材である。具体的には、加熱部材13は、電源部803から電力の供給を受けて発熱する熱源であるヒータ13aと、ヒータ13aの熱を定着ベルト11に伝達する熱伝達部材13bとを有する。加熱部材13は、付勢部材であるスプリング22によって定着ベルト11の内周面に押し付けられる。スプリング22は、定着フレーム21に固定された支持部材23と加熱部材13との間に配置される。
ベルトガイド14は、定着フレーム21に固定され、定着ベルト11の内周面に接触して定着ベルト11の移動を案内する。
定着パッド15は、定着フレーム21に支持され、付勢部材であるスプリング24によって加圧ローラ16に向かって付勢される。スプリング24は、支持部材23と定着パッド15との間に配置される。定着パッド15は、定着ベルト11に当接するゴム製の当接部15aと、当接部15aを支持する金属製のフレーム15bとにより構成される。
加圧ローラ16は、幅方向に延在し、定着ベルト11を挟んで定着ローラ12および定着パッド15と対向するように配置される。加圧ローラ16は、図示せぬ付勢部材であるスプリングによって定着ベルト11を挟んで定着ローラ12および定着パッド15に圧接され、定着ベルト11との間にニップ部N1を形成する。加圧ローラ16は、定着フレーム21に回転可能に支持され、定着ローラ12の回転に伴って図3の矢印A4方向に回転する。加圧ローラ16は、金属パイプと、この金属パイプの外周に形成された弾性層であるシリコンゴム層とにより構成される。
その他、定着部10は、定着ベルト11の温度を検知する温度検知部材25と、定着部10の過熱を防止する過熱防止部材26とを備える。温度検知部材25は、例えばサーミスタであり、検知結果を制御部801に出力する。過熱防止部材26は、例えばサーモスタットであり、熱伝達部材13bの温度が所定温度に達した場合に、電源部803からヒータ13aへの電力供給を遮断する。
分離ユニット30は、用紙搬送方向における定着部10の下流側に配置され、ニップ部N1から排出された用紙Pを定着ベルト11から分離して案内する。分離ユニット30は、定着ベルト11への用紙Pの巻き付きを防止する役割を果たす。
搬送ローラ対50は、用紙搬送方向における分離ユニット30の下流側に配置され、分離ユニット30を通過した用紙Pをさらに搬送する。搬送ローラ対50は、定着部10の用紙搬送方向の下流側に1番目に配置された搬送ローラ対、すなわち定着部10の直後の搬送ローラ対である。搬送ローラ対50は、互いに当接してニップ部(または当接部)N2を形成する2つの搬送ローラ51、52を有する。2つの搬送ローラ51、52は、駆動部802からの駆動力によって回転し、ニップ部N2で用紙Pを挟んで搬送する。用紙Pのシワの発生を抑える等の観点より、搬送ローラ対50による用紙Pの搬送速度VEは、定着部10による用紙Pの搬送速度VFよりも大きく設定されており、VE>VFとなっている。
用紙ガイド71〜73は、用紙搬送方向に延在し、定着部10から排出された用紙Pを搬送ローラ対50に向けて案内する。用紙ガイド71〜73は、幅方向に配列された用紙搬送方向に延びる複数のリブを有する。用紙ガイド71〜73は、樹脂で構成されている。用紙ガイド71は、分離ユニット30と対向して配置され、用紙ガイド72は、用紙ガイド71に対して用紙搬送方向下流側に隣接して配置され、用紙ガイド73は、分離ユニット30に対して用紙搬送方向下流側に隣接して配置される。
分離ユニット30および用紙ガイド73と、用紙ガイド71および72との間には、用紙Pが搬送される用紙搬送路80が形成される。分離ユニット30および用紙ガイド73は、用紙搬送路80の上方に配置され、用紙Pの印刷面と対向する。一方、用紙ガイド71および72は、用紙搬送路80の下方に配置される。ここで、用紙Pの印刷面とは、用紙Pのトナー像が形成された面であり、両面印刷においては、直前にトナー像が形成された面である。
[分離ユニットの構成]
図4は、分離ユニット30およびその周辺の断面図である。図5は、分離ユニット30の断面図である。図6は、分離ユニット30の斜視図である。以下、図4〜図6を参照して、分離ユニット30の構成について説明する。
分離ユニット30は、分離部材としての分離プレート31、保持部材32、当接部材(またはスペーサ)33、34、付勢部材であるスプリング35、36、ガイドローラ37、および用紙ガイド38を有する。
分離プレート31は、ニップ部N1から排出された用紙Pを定着ベルト11から分離する部材である。分離プレート31は、用紙搬送方向におけるニップ部N1の下流側に定着ベルト11に対向または近接して配置される。分離プレート31は、板状の部材であり、結露防止の観点より、厚みが薄いことが好ましく、具体的には0.5mm以下であることが好ましい。分離プレート31は、例えば1枚の板金を加工して形成される。ここでは、分離プレート31は、板厚0.3mmのステンレス製の板金により構成されている。
分離プレート31は、ニップ部N1から排出された用紙Pを定着ベルト11から分離する分離ガイド部31aと、分離ガイド部31aの用紙搬送方向下流側の端部から延出する延出部31bとを有する。これらについては、後に詳しく説明する。
保持部材32は、分離プレート31を保持する部材である。具体的には、保持部材32は、分離プレート31の延出部31bを保持する。また、保持部材32は、幅方向に延在する板状の部材であり、分離プレート31よりも厚い板厚を有する。また、保持部材32は、分離プレート31と熱膨張率が同じになるように、分離プレート31と同じ材料により構成される。保持部材32は、例えば1枚の板金を加工して形成される。ここでは、保持部材32は、板厚1.0mmのステンレス製の板金によって構成されている。分離プレート31は、例えばスポット溶接によって保持部材32に固定される。保持部材32は、定着フレーム21に対し、幅方向に延びる回転軸回りに回転可能に支持される。具体的には、保持部材32は、定着フレーム21に固定された幅方向に延びるシャフト41に回転可能に取り付けられている。
当接部材33、34は、分離プレート31に取り付けられ、定着ベルト11と当接することにより分離プレート31(具体的には分離ガイド部31a)と定着ベルト11との間に一定の隙間Gを形成する。隙間Gは、例えば0.2〜0.5mmである。当接部材33、34は、摺動性の良い樹脂により構成される。当接部材33、34は、分離プレート31の幅方向の両端部に取り付けられる。具体的には、当接部材33、34は、幅方向において、定着装置500で搬送可能(または画像形成装置1で使用可能)な最大幅の用紙が搬送される領域(以下、「最大通紙領域」という)の両外側に配置される。当接部材33、34は、分離プレート31により位置決めされた状態で、保持部材32に固定される。ここでは、当接部材33、34は、それぞれ雄ネジ42、43により保持部材32にネジ止めされている。
スプリング35、36は、当接部材33、34が定着ベルト11と当接する方向に保持部材32を付勢する。具体的には、スプリング35、36はトーションスプリングであり、そのコイル部はシャフト41周りに配置され、一方のアームは保持部材32に係止され、他方のアームは定着フレーム21に係止されている。スプリング35、36の付勢力により、当接部材33、34が定着ベルト11を挟んで定着ローラ12と当接し、分離プレート31が定着ベルト11と一定の隙間Gを空けて配置される。
ガイドローラ37は、用紙搬送方向における分離プレート31(具体的には分離ガイド部31a)の下流側に配置され、用紙搬送方向に沿って回転しながら、定着部10から排出された用紙Pを案内する。ガイドローラ37は、幅方向において最大通紙領域に渡って延在する。ガイドローラ37の幅方向の長さは、最大通紙領域の幅よりも長い。ガイドローラ37は、分離プレート31の近傍に配置される。ガイドローラ37は、分離プレート31の用紙Pと接触する面(具体的には、後述の分離ガイド部31aの下面31h)よりも用紙P側(または用紙搬送路80側)に突出するように配置される。ガイドローラ37は、用紙Pの印刷面に当接するように配置される。
ガイドローラ37は、用紙搬送時に用紙Pに従動して回転するように構成される。具体的には、ガイドローラ37は、幅方向に延びる回転軸回りに回転可能に保持部材32に支持される。より具体的には、保持部材32の幅方向両端部にベアリング44を介して支持される。また、幅方向における保持部材32の外側において、ガイドローラ37の両端部には、ガイドローラ37の軸方向の移動を規制する抜け落ち防止用のEリング45が取り付けられている。
用紙ガイド38は、用紙搬送方向に延在し、定着部10から排出された用紙Pを案内する。用紙ガイド38は、保持部材32に固定される。具体的には、用紙ガイド38は、雄ネジ46により保持部材32にネジ止めされている。用紙ガイド38は、上流ガイド38aおよび下流ガイド38bを有する。上流ガイド38aは、用紙搬送方向における分離ガイド部31aの下流側かつガイドローラ37の上流側に、延出部31bと対向するように配置され、用紙Pを案内するガイド部材である。上流ガイド38aは、用紙Pが延出部31bと接触しないように配置される。下流ガイド38bは、用紙搬送方向におけるガイドローラ37の下流側に配置され、用紙Pを案内する。上流ガイド38aおよび下流ガイド38bは、用紙Pとの接触面積が小さくなるように、幅方向に配列された用紙搬送方向に延びる複数のリブを有する。
図7は、定着装置500において用紙Pが搬送される様子を示す図である。
図7に示されるように、ガイドローラ37は、定着部10と搬送ローラ対50との間で用紙Pが突っ張ったときに、ガイドローラ37が用紙Pと接触するように配置される。具体的には、ガイドローラ37は、幅方向から見て、定着部10のニップ部N1の出口(用紙搬送方向下流側の端部)と搬送ローラ対50のニップ部N2の入口(用紙搬送方向上流側の端部)とを結んだ直線よりも、用紙搬送路80側に突出するように配置される。
また、用紙ガイド38は、定着部10と搬送ローラ対50との間で用紙Pが突っ張ったときに、用紙ガイド38が用紙Pと接触しないように配置される。具体的には、上流ガイド38aは、幅方向から見て、定着部10のニップ部N1の出口を通ってガイドローラ37の外周に接する直線よりも、用紙搬送路80側に突出しないように配置される。下流ガイド38bは、幅方向から見て、搬送ローラ対50のニップ部N2の入口を通ってガイドローラ37の外周に接する直線よりも、用紙搬送路80側に突出しないように配置される。
さらに、用紙ガイド71〜73も、定着部10と搬送ローラ対50との間で用紙Pが突っ張ったときに、用紙ガイド71〜73が用紙Pと接触しないように配置される。具体的には、用紙ガイド73は、幅方向から見て、搬送ローラ対50のニップ部N2の入口を通ってガイドローラ37の外周に接する直線よりも、用紙搬送路80側に突出しないように配置される。
定着装置500は、定着部10と搬送ローラ対50との間で用紙Pが突っ張ったときに、定着部10と搬送ローラ対50との間において、用紙Pがガイドローラ37のみに接触するように構成される。
以下、分離ユニット30の構成について、より詳細に説明する。
(分離プレートの構成)
図8は、幅方向に直交する平面で切断したときの分離プレート31および保持部材32の断面図である。図9は、分離プレート31および保持部材32の斜視図である。主に図8および図9を参照して、分離プレート31の構成について説明する。
分離プレート31は、ニップ部N1から排出された用紙Pを定着ベルト11から分離して案内する分離ガイド部31aと、分離ガイド部31aから延出する延出部31bと、当接部材33、34が取り付けられる被取付部31c、31dとを有する。
分離ガイド部31aは、用紙搬送方向におけるニップ部N1の下流側に、幅方向に沿って定着ベルト11に対向または近接して配置される。分離ガイド部31aは、幅方向に延びる長尺状をなし、幅方向において最大通紙領域に渡って延在する。分離ガイド部31aの幅方向の長さは、最大通紙領域の幅よりも長い。
分離ガイド部31aは、用紙搬送方向に沿ったガイド方向(図8の紙面左右方向)に延在する。分離ガイド部31aのガイド方向の長さL1は、結露防止の観点より、短いことが好ましく、具体的には5mm以下であることが好ましく、ここでは4mmである。
分離ガイド部31aは、用紙搬送方向上流側の端部である先端部31eと、用紙搬送方向下流側の端部である後端部31fとを有する。先端部31eおよび後端部31fは、互いに平行に幅方向に延びる。
また、分離ガイド部31aは、上面31gおよび下面31hを有する。上面31gおよび下面31hは、ガイド方向および幅方向に延びる表面であり、分離ガイド部31aの厚さ方向(ガイド方向および幅方向と直交する方向、図8の紙面上下方向)に互いに対向する。下面31hは、フッ素コーティングされている。
以下では、説明の便宜上、図8および図9に矢印X、Y、Zで示されるように、ガイド方向に平行な方向を「X方向」、幅方向に平行な方向を「Y方向」、XおよびY方向と直交する方向(分離ガイド部31aの厚さ方向)を「Z方向」という。Z方向は、例えば、鉛直上下方向または定着装置500の上下方向と一致する。X方向のうち、用紙搬送方向側の方向を「+X方向」、その反対方向を「−X方向」という。Y方向のうち、定着装置500を+X方向側から見て右側(図8の紙面手前側)を「+Y方向」、その反対方向を「−Y方向」という。Z方向のうち、用紙搬送路80から分離ガイド部31aに向かう方向を「+Z方向」、その反対方向を「−Z方向」という。なお、他の図面にも、X、Y、Z方向を示す矢印が図示されている。
延出部31bは、分離ガイド部31aの後端部31fから延出するように設けられている。延出部31bは、用紙搬送方向の下流側に向かうに従って用紙P(または下面31hを含む平面)から離れる方向に、分離ガイド部31a(またはガイド方向)に対して曲がっている。つまり、分離プレート31は、用紙搬送方向の下流側で用紙Pから遠ざかる方向に曲がっている。分離プレート31の曲げ角度(または分離ガイド部31aに対する延出部31bの傾斜角度)θは、好ましくは30度以上であり、ここでは45度である。したがって、分離プレート31は、先端部31eから+X方向に4mm離れた部分で、用紙搬送路80から離れる方向に45度曲がっている。なお、本例では、分離プレート31は屈曲しているが、例えば湾曲していてもよい。
延出部31bは、Y方向に延びる長尺状をなし、Y方向において分離ガイド部31aの全長に渡って延在する。ここで、「全長」とは、厳密な意味での全長に限定されず、略全長を含む。
被取付部31c、31dは、それぞれ分離ガイド部31aのY方向外側(+Y方向側、−Y方向側)に設けられる。被取付部31c、31dの詳細については後述する。
(保持部材の構成)
次に、主に図8および図9を参照して、保持部材32の構成について説明する。
保持部材32は、分離プレート31を固定する分離プレート固定部32aを有する。分離プレート固定部32aには、延出部31bが当接して固定されている。分離プレート固定部32aは、延出部31bの用紙搬送路80と反対側の裏面に当接する。また、分離プレート固定部32aは、Y方向において延出部31bの全長に渡って延出部31bに当接する。具体的には、分離プレート固定部32aは、延出部31bの裏面全体に当接する。ここで、「全長」、「全体」とは、それぞれ、厳密な意味での全長、全体に限定されず、略全長、略全体を含む。延出部31bは、Y方向に沿って複数の溶接箇所WPで、スポット溶接にて分離プレート固定部32aに固定されている。
その他、保持部材32は、当接部材33、34を固定する当接部材固定部32b、32cと、ガイドローラ37を支持するガイドローラ支持部32d、32eと、用紙ガイド38を固定する用紙ガイド固定部32fとを有する。
当接部材固定部32b、32cは、それぞれ分離プレート固定部32aのY方向外側(+Y方向側、−Y方向側)に設けられる。当接部材固定部32b、32cの詳細については後述する。
ガイドローラ支持部32d、32eは、それぞれ分離プレート固定部32aのY方向外側(+Y方向側、−Y方向側)に設けられ、ベアリング44を保持するベアリング保持部32gと、シャフト41が挿通される挿通穴32hと、スプリング35、36のアームを係止する係止部32iとを有する。
用紙ガイド固定部32fは、分離プレート固定部32aの+Z方向側に設けられ、雄ネジ46と螺合する雌ネジ32jを有する。
(当接部材の位置決め構造)
図10は、当接部材33の取り付け前の状態を示す斜視図であり、図11は、当接部材33の取り付け後の状態を示す斜視図である。主に図10および図11を参照して、当接部材33の位置決め構造について説明する。
分離プレート31の被取付部31cは、当接部材33が取り付けられる被取付面31iを有する。被取付面31iは、分離ガイド部31aの下面31hと同一平面を形成する。具体的には、被取付部31cは、分離ガイド部31aから+Y方向に延出するように形成されており、分離ガイド部31aの上面31gおよび下面31hとそれぞれ同一平面を形成する上面および下面(被取付面)31iを有する。被取付面31iは、当接部材33に設けられた取付面33aと当接する。
当接部材33は係合部33bを有し、被取付部31cは被係合部31jを有する。被係合部31jは、係合部33bと係合することにより、X方向における分離プレート31に対する当接部材33の位置を位置決めする。具体的には、被係合部31jは被取付面31iに設けられ、係合部33bは取付面33aに設けられている。より具体的には、被取付面31iには、2つの係合穴31k、31lが設けられている。係合穴31k、31lは、Z方向に貫通し、互いにX方向に所定の間隔を空けて配置されている。取付面33aには、2つの係合突起33c、33dが設けられており、係合突起33c、33dが係合穴31k、31lに嵌入することによって、XおよびY方向における分離プレート31に対する当接部材33の位置が位置決めされる。なお、当接部材33を位置決めすることができればよく、例えば、係合穴および係合突起は、それぞれ1つずつであってもよい。
被取付部31cは、分離ガイド部31aよりも定着ベルト11から離して設けられ、被取付部31cの−X方向側の先端部31mは、分離ガイド部31aの先端部31eから+X方向に後退した位置に形成される。一方、当接部材33は、定着ベルト11と当接する当接片33eと、当接片33eを支持する支持片33fとを有する。支持片33fは、取付面33aを有し、被取付面31iと対向する。当接片33eは、支持片33fから−X方向に突出するとともに、被取付部31cの−Z方向側から+Z方向側に突出するように形成されており、被取付部31cの先端部31mと定着ベルト11との間に挟まれる。当接片33eは、−X方向側の先端部に定着ベルト11と当接する当接面33gを有する。
(当接部材の固定構造)
次に、主に図10および図11を参照して、当接部材33を固定する構造について説明する。
保持部材32の当接部材固定部32bは、分離プレート31の被取付部31cとZ方向に対向するように設けられる。ここでは、当接部材固定部32bは、被取付部31cの+Z方向側に設けられている。当接部材固定部32bは、Z方向に延びる雌ネジ32kを有する。
被取付部31cは、雌ネジ32kに対応する位置に、Z方向に貫通する貫通穴31nを有する(図9参照)。貫通穴31nは、2つの係合穴31k、31lの間に設けられており、係合穴31k、31lおよび貫通穴31nは、X方向に直線状に配列されている。
当接部材33は、雌ネジ32kに対応する位置に、Z方向に貫通する貫通穴33hを有する。貫通穴33hは、2つの係合突起33c、33dの間に設けられており、係合突起33c、33dおよび貫通穴33hは、X方向に直線状に配列されている。
雄ネジ42は、当接部材33の貫通穴33hおよび被取付部31cの貫通穴31nを通って、保持部材32の雌ネジ32kと螺合する。これにより、当接部材33が、保持部材32に固定される。
なお、当接部材34の位置決め構造および固定構造については、上記と同様であるので、説明を省略する。
(ガイドローラの構成)
図12(a)および(b)は、それぞれガイドローラ37の側面図および断面図である。以下、図12(a)および(b)を参照して、ガイドローラ37の構成について説明する。
ガイドローラ37は、回転可能に設けられ、幅方向に延びるシャフト37aを有する。シャフト37aが撓んでしまうと、ガイドローラ37の所期の効果が十分に得られない場合があることから、シャフト37aは、高い剛性を有することが望ましく、好適には金属製である。ここでは、シャフト37aは、直径4mmの快削鋼(SUM24L)により構成されている。
シャフト37aの外周には、断熱層37bが設けられている。断熱層37bは、シャフト37aよりも低い熱伝導率を有する。好適には、断熱層37bは、発泡体(またはスポンジ)により構成され、より好適には耐熱性発泡体により構成される。ここでは、高い断熱性および耐熱性を有することから、メラミン樹脂の発泡体が用いられる。断熱層37bの厚みは、1mm以上であることが好ましく、例えば1mm〜2mmであり、ここでは1.5mmである。断熱層37bは、接着剤にてシャフト37aに固定されている。
断熱層37bの外周には、離型層37cが設けられている。離型層37cは、断熱層37bよりもトナーに対して高い離型性を有する。好適には、離型層37cは、フッ素系材料(具体的にはフッ素樹脂)により構成される。ここでは、離型層37cは、フッ素系材料のチューブにより構成され、具体的には熱収縮性のあるPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブにより構成される。PFAチューブは、熱収縮されて断熱層37bの表面を覆っている。
ここで、発泡体に含まれる空気層(または気泡)が多いほど、発泡体の熱伝導率が低くなり、ガイドローラ37の表面温度が上昇しやすくなり、結露に対して高い効果が得られる。したがって、発泡体の密度が小さいほど、結露に対して高い効果が得られる。ここでいう密度とは、実装状態(例えばシャフトとPFAチューブとの間に設置された状態)での発泡体の体積(樹脂の体積と気泡の体積との和)で発泡体の質量を割った値である。
本実施の形態の画像形成装置を用いて実験したところ、密度0.015g/cm3のメラミンスポンジを使用した場合、結露に対して十分な効果が得られた。密度1.14g/cm3のシリコンスポンジを使用した場合には、メラミンスポンジを使用した場合よりも効果が少なかったが、断熱層を設けない場合と比較すると効果があった。なお、上記メラミンスポンジの自由状態での密度は0.010g/cm3であり、上記シリコンスポンジの自由状態での密度は1.0g/cm3であった。ここで、自由状態での密度とは、実装前の状態での発泡体の体積で発泡体の質量を割った値である。
[画像形成装置の動作]
以下、画像形成装置1の動作について説明する。
制御部801は、図示せぬ上位装置からの印刷命令を受けると、次のような印刷動作が行われるように画像形成装置1の各部を制御する。
図1を参照すると、用紙トレイ100に収納された用紙Pは、用紙繰り出し部200によって1枚ずつ繰り出され、用紙搬送部300によって転写ベルト421まで搬送される。一方、トナー像形成部410K、410Y、410M、410Cは、それぞれ感光体ドラム411上にトナー像を形成する。各感光体ドラム411上に形成された各色のトナー像は、転写部420によって転写ベルト421上の用紙P上に順次重ねて転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置500のニップ部N1に挟持されて搬送される。このとき、トナー像が加熱および加圧されて用紙Pに定着される。定着後の用紙Pは、搬送ローラ対50および排出ローラ対601、602により搬送され、積載部604に排出される。
図2および図3を参照すると、定着装置500では、印刷動作の開始により、電源部803から加熱部材13への電力供給が開始され、加熱部材13が定着ベルト11を加熱する。また、駆動部802による定着ローラ12の駆動が開始され、定着ローラ12が回転し、これに連動して定着ベルト11および加圧ローラ16が回転する。制御部801は、定着ベルト11の温度が所定温度となるように、温度検知部材25の検知温度に基づいて加熱部材13に供給される電力を制御する。また、制御部801は、定着ベルト11の温度が定着可能な温度に達してから用紙Pがニップ部N1に到達するように、温度検知部材25の検知温度に基づいて用紙Pの搬送を制御する。
図3および図4を参照すると、用紙Pがニップ部N1を通過する際、定着ベルト11に張り付いた用紙Pは、分離プレート31により定着ベルト11から分離されて搬送される。具体的には、用紙Pは、分離ガイド部31aによって分離され、分離ガイド部31aの下面31hに接触して移動する。その後、用紙Pは、用紙ガイド38、71〜73およびガイドローラ37に案内されて移動し、搬送ローラ対50に到達する。その際、用紙Pは、分離プレート31の延出部31bには接触しない。
搬送ローラ対50の用紙搬送速度VEは定着部10の用紙搬送速度VFよりも速いので、搬送ローラ対50は、用紙Pを引っ張りながら搬送する。このため、図7に示されるように、用紙Pは、搬送ローラ対50と定着部10との間で突っ張った状態で搬送されることになる。このとき、用紙Pは、ガイドローラ37に接触し、ガイドローラ37は、用紙Pからの摩擦力により、用紙Pの移動に連れて図7の矢印A5方向に回転する。
印刷動作の際、定着部10によって用紙Pが加熱されることにより、用紙Pから水蒸気が発生し、定着装置500の表面温度が低い部分に結露が発生する場合がある。
本実施の形態では、分離ガイド部31aは、定着ベルト11の近傍にあり、薄く短く、熱容量が小さいので、定着ベルト11からの熱によって迅速に温度が上がる。このため、分離ガイド部31a(すなわち分離プレート31のうち用紙Pが接触する部分)には、結露が発生しない。一方、延出部31bは、熱容量が大きい保持部材32に当接しているので、分離ガイド部31aよりも温度が上がりにくく結露しやすい。ただし、用紙Pは延出部31bとは接触しないので、延出部31bが結露した場合でも、用紙Pが延出部31b上の水滴に接触して濡れることはない。
ガイドローラ37は、シャフト37aと離型層(表面層)37cとの間に断熱層37bが設けられているので、定着ベルト11からの熱によって表面温度が迅速に上がる。このため、ガイドローラ37には結露が発生しにくい。
用紙ガイド38は、リブ形状を有しており用紙Pとの接触面が小さいので、用紙ガイド38が結露した場合でも、用紙Pに水滴が付着しにくく、付着しても僅かである。
[効果]
以上説明した本実施の形態によれば、下記(1)〜(11)の効果が得られる。
(1)ガイドローラ37は、幅方向において最大通紙領域に渡って延在する。本構成によれば、ガイドローラ37による画像欠陥を抑制することができる。具体的には、特許文献1に記載の技術のように、ガイドローラの幅方向の寸法が短く、ガイドローラが用紙Pの一部に接触する構成では、印刷画像上にガイドローラの接触跡が付くなど、ガイドローラによる画像欠陥が生じる場合がある。例えば、ガイドローラのエッジによって用紙からトナーが剥がれたり、剥がれたトナーが別の用紙の部分に付着したりすることで、印刷画像上にスジが生じる場合がある。また、ガイドローラと接触する部分と接触しない部分とで印刷画像上に光沢差が生じる場合がある。これに対し、本構成によれば、ガイドローラが用紙の一部と接触することによる上記問題を回避することができる。
(2)ガイドローラ37は、表面に離型層37cを有する。これにより、用紙Pからガイドローラ37へのトナーの付着を抑制することができる。
(3)ガイドローラ37は、シャフト37aの外周に設けられた断熱層37bを有する。これにより、ガイドローラ37の表面とシャフト37aとの間の熱移動を抑えることができ、ガイドローラ37の結露を抑制することができる。
(4)定着装置500は、定着部10と搬送ローラ対50との間で用紙Pが突っ張ったときに、定着部10と搬送ローラ対50との間において、用紙Pがガイドローラ37のみに接触するように構成される。本構成によれば、用紙Pが突っ張った状態で搬送される際に、用紙ガイド等で用紙Pが擦れてトナー像が乱れることを防止することができる。
(5)ガイドローラ37は、分離プレート31の用紙Pと接触する面(具体的には下面31h)よりも用紙P側に突出するように配置される。本構成によれば、ガイドローラ37によって、用紙Pを分離プレート31(具体的には下面31h)から遠ざけるように案内することができる。これにより、用紙Pと分離プレート31との接触を少なくすることができ、用紙Pから分離プレート31へのトナーの付着や、分離プレート31から用紙Pへのトナーの付着を抑制することができる。
(6)分離プレート31の用紙搬送方向下流側の部分が、用紙Pから離れる方向に曲がっている。本構成によれば、分離プレート31の結露によって用紙Pが濡れることを抑制することができる。具体的には、分離プレートが曲がっていない場合と比較して、分離プレートの用紙と接触する領域を狭くすることができ、分離プレート31上の水滴の用紙Pへの付着を抑制することができる。より具体的には、分離プレート31の上流側の部分については、定着ベルト11と近いので温まりやすく、結露が発生しにくい。一方、分離プレート31の下流側の部分については、上流側の部分と比較して、定着ベルト11から遠くて温まりにくく、結露が発生しやすいが、用紙Pから離れる方向に曲がっているので、用紙Pに水滴が付着しにくい。さらに、分離プレート31を曲げることによって剛性を高めることができるので、分離プレート31を薄くして熱容量を小さくすることができ、これにより結露の発生を抑えることができる。この結果、高品質の印刷物を得ることができ、例えば、高速化しても高画質の画像を得ることができる。
(7)分離プレート31の下流側の部分(延出部31b)が、保持部材32に当接して固定される。本構成によれば、より効果的に、分離プレート31の結露によって用紙Pが濡れることを抑制することができる。具体的には、分離プレート31の上流側の部分については、保持部材32と当接させないことで、結露を抑制することができる。一方、分離プレート31の下流側の部分については、保持部材32と当接することで結露が発生しやすくなるが、用紙Pから離れる方向に曲げることで、用紙Pへの水滴の付着を抑制することができる。
(8)保持部材32は、分離プレート31よりも厚い板厚を有する。本構成によれば、保持部材32によって分離プレート31の撓み等の変形を抑えることができ、分離プレート31を薄くすることができる。
(9)延出部31bは、幅方向において分離ガイド部31aの全長に渡って延在し、保持部材32は、幅方向において延出部31bの全長に渡って延出部31bに当接する。本構成によれば、分離プレート31の撓み等の変形を良好に抑えることができる。
(10)被取付部31cは、分離ガイド部31aの下面31hと同一平面を形成する被取付面31iを有し、当接部材33は、被取付面31iに当接する取付面33aを有する。本構成によれば、簡易な構成で、当接部材33を精度良く位置決めすることができ、隙間Gを精度良く形成することができる。具体的には、分離プレート31に対して当接部材33をZ方向において容易に精度良く位置決めすることができる。また、取付面33aに係合部33bを設け、被取付面31iに係合部33bと係合する被係合部31jを設けることで、分離プレート31に対して当接部材33をX方向において容易に精度良く位置決めすることができる。
(11)当接部材33は、被取付部31cにより位置決めされた状態で、保持部材32に固定される。本構成によれば、当接部材33を保持部材32に固定するので、当接部材33の固定のために分離プレート31を厚くする必要がない。
なお、本明細書において、「平行」とは、厳密な意味での平行に限定されず、略平行を含む。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
例えば、ガイドローラ37は、下記(a)〜(h)のように変形されてもよく、これらの変形例は適宜組み合わされてもよい。
(a)断熱層37bは、発泡体に限られず、例えばソリッドの樹脂材料により構成されてもよい。例えば、シャフト37aの熱容量または熱伝導率が十分に小さい場合や、断熱層37bが十分に厚い場合には、ソリッドを用いることができる。
(b)離型層37cは、フッ素樹脂のチューブに限られず、例えばフッ素樹脂のコートにより形成されてもよい。
(c)断熱層37bが省略され、シャフト37aの表面に離型層37cが設けられてもよい。例えば、シャフト37aの熱容量または熱伝導率が十分に小さい場合には、断熱層37bを省略することができる。
(d)離型層37cが省略され、シャフト37aの表面に断熱層37bが表面層として設けられてもよい。例えば、断熱層37bの離型性が十分に高い場合には、離型層37cを省略することができる。
(e)断熱層37bおよび離型層37cが省略され、シャフト37aだけでガイドローラ37が構成されてもよい。例えば、シャフト37aの熱容量または熱伝導率が十分に小さく、かつ離型性が十分に高い場合には、断熱層37bおよび離型層37cを省略することができる。
(f)シャフト37aの内部に空気層を設けてもよい。これにより、シャフト37aの熱容量や熱伝導率を小さくすることができる。一例では、中空円筒状の部材をシャフト37aとして用いてもよい。
(g)ガイドローラ37は、幅方向において、断熱層37bの少なくとも一方の端部が、離型層37cの対応する端部よりも内側に位置するように構成されてもよい。図13の例では、幅方向において、断熱層(発泡体)37bの長さがPFAチューブ37cよりも短く、断熱層(発泡体)37bの端部37dがPFAチューブ37cの端部37eよりも長さL2(例えば2mm)だけ内側に位置している。本構成によれば、熱膨張によって断熱層(発泡体)37bが離型層(PFAチューブ)37cの外側に突出することを防止することができる。
(h)ガイドローラ37は、駆動部802からの駆動力により回転してもよい。この場合、ガイドローラ37は、その表面の移動速度が用紙Pの移動速度と同じとなるように駆動される。
また、ガイドローラ37は、定着部10と搬送ローラ対50との間に配置されればよく、分離ユニット30以外の場所に設けられてもよい。さらに、分離ユニット30は、省略されてもよい。
また、上記実施の形態では、カラープリンタについて説明したが、本発明は、モノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)など、他の種類の画像形成装置にも適用可能である。