JP2013130666A - 画像形成方法 - Google Patents

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信也 谷内
Yasushi Katsuta
恭史 勝田
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武 辻野
Hideki Kaneko
秀樹 金子
Kenta Kamikura
健太 上倉
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Abstract

【課題】高速化、高画質、高耐久および耐部材汚染性を満足する画像形成方法を提供すること。
【解決手段】加熱手段と該加熱手段に圧接させる加圧手段によって、転写材上のトナーを加熱加圧により当該転写材に定着させる画像形成方法において、該定着手段を形成する部材と該定着手段を構成するフレームとの間にバイアスを印加可能な部材を有し、該トナーは結着樹脂、着色剤およびワックスを含有するトナー粒子と無機微粉体を有し、
該ワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、該ワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が1500ppm以下であり、該バイアス印加可能部材表面に対する120℃における該ワックスの接触角が0°乃至45°であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、像担持体上に形成された潜像に現像剤を付着させて可視化する電子写真方式や静電記録方式などの複写機、プリンタ等の画像形成装置に適用される画像形成方法に関するものである。
最近の複写機やプリンターには、小型化、軽量化、高信頼性といった要求が強まり、性能に対する要求も厳しいものとなってきている。例えば、各画像形成工程において優れた特性を有する部材を設計することや該部材に適応したトナーを設計することが挙げられる。
そのような要望を達成するために様々な特性の樹脂成型部材の提案がなされている。例えば熱可塑性結晶性エステル系樹脂、熱可塑性非晶性エステル系樹脂及び重合触媒を加熱混練した後固化させ、その後、150℃以上、該熱可塑性結晶性エステル系樹脂の融点未満の温度で熱処理を施したことを特徴とする成形部材が提案されている(特許文献1参照)。この成型部材は、良好な転写性を達成することを可能としている。
しかしながら、本発明は良好な転写性を達成する中間転写体に関しての特性を検討したものとなっており、定着部材特性に関して設計したものではないため、優れた定着特性を達成するには新たな設計が必要となっている。
また、トナーの加熱での蒸発量を規定したトナーが提案されている(特許文献2参照)。この提案においては、トナーの蒸発量を変更することで弾性層を備える加熱ローラが劣化せず、弾性層の劣化に起因するトナー転写像の画像品質低下が防止できるとしている。さらに、弾性層の劣化防止によって粒状度の良好な高品質の画像が得られるとしている。
しかしながら、昨今のプリントスピードの高速化においてプロセススピードの速い定着工程に関しては、低温定着性等の基本特性に加え、部材汚染等に関してさらに改良の余地がある。
このようにプリントスピードの高速化に対応したトナーおよび画像形成方法が存在しないのが現状である。
特開2002−194183号公報 特開2003−98720号公報
本発明は、上記状況を鑑み、高速、高画質、高耐久および高環境安定性を満足する画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、加熱手段と該加熱手段に圧接させる加圧手段によって、転写材上のトナーを加熱加圧により当該転写材に定着させる画像形成方法において、
該定着手段を形成する部材と該定着手段を構成するフレームとの間にバイアスを印加可能な部材を有し、該トナーは結着樹脂、着色剤およびワックスを少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体を有するトナーであって、
該ワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、該ワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が1500ppm以下であり、
該バイアス印加可能部材表面に対する120℃における該ワックスの接触角が0°乃至45°であることによって、本発明が達成される。
本発明によれば、高速化したプリンタでの定着器周辺部材汚染抑制に優れた画像形成方法が得られる。さらに本発明によれば、高速化したプリンタでの定着性や現像性に優れた画像形成方法が得られる。
本発明の画像形成装置の断面図である。 本発明の定着装置の一例の断面図である。 本発明の別の捕集部材の構成説明図である。 本発明の現像装置を用いた画像形成装置の一例の説明図である。
本発明は、加熱手段と該加熱手段に圧接させる加圧手段によって、転写材上のトナーを加熱加圧により当該転写材に定着させる画像形成方法において、
該定着手段を形成する部材と該定着手段を構成するフレームとの間にバイアスを印加可能な部材を有し、該トナーは結着樹脂、着色剤およびワックスを少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体を有するトナーであって、
該ワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、該ワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が1500ppm以下であり、
該バイアス印加可能部材表面に対する120℃における該ワックスの接触角が0°乃至45°であることを特徴とする。
本発明に係るトナーに関して、上述の項目を同時に満たすことにより低温低湿環境から高温高湿環境まで様々な状況においても現像性が良好である。また、定着器によって加熱されたトナーによって定着器周辺のセンサー群が汚染されるのを防ぐことが可能となる。具体的には下述していく。
本発明においては、まず結着樹脂、着色剤およびワックスを少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体を有するトナーであって、該ワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、該ワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が1500ppm以下であることが必要である。
トナーに使用される成分にはメインの成分の結着樹脂、極性基を持つ樹脂成分、離型性を有するワックス等が存在するが、加熱定着工程を改善する本発明においては特にワックス成分の設計が重要である。
トナーに使用されるワックスの特性としては加熱によりシャープに溶解し離型剤として働くことが求められるが、トナー加熱定着工程おいて揮発成分が多い場合には定着器付近のセンサーを汚染し誤検知を起こす可能性があることがわかってきた。これは、ワックス低分子量成分や一部ワックスが加熱等により分解した成分が揮発していることなどによると発明者らは考えている。また、ワックスの物性としては融点および昇華点の比較的高いワックスでは揮発しにくい傾向であることもわかってきた。
ワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、該ワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が1500ppm以下であると、加熱定着工程におけるワックス成分の揮発を防止でき、かつ良好な定着性を示す。
濃度が1500ppmを超えると、トナー加熱定着工程おいて揮発成分が多い場合であり、定着工程付近のセンサーを汚染し誤検知を起こしやすくなる。
ここで、本発明におけるワックスの揮発成分の測定法について述べる。
{加熱脱着装置を用いたワックスの揮発性分濃度の測定}
<使用する装置>
加熱脱着装置:メーカー:パーキンエルマー社製、TurboMatrixATD
GC/MS:メーカー:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、TRACE DSQ
<加熱脱着装置条件>
チューブ温度:200℃
トランスファー温度:300℃
バルブ温度:300℃
カラム圧力:150kPa
入口スプリット:25ml/min
出口スプリット:10ml/min
2次吸着管材質:TenaxTA
保持時間:10 min
脱着時2次吸着管温度:−30℃
2次吸着管脱着温度:300℃
<GC/MS条件>
カラム:ウルトラアロイ(金属製カラム)UT−5(内径0.25mm,液相0.25μm,長さ30m)
カラム昇温条件:60℃(3min),350℃(20.0℃/min),350℃(10min)
なお、加熱脱着装置のトランスファーラインとGCカラムは直結させ、GC注入口は使用しない。
<内部標準入りガラスチューブの作製>
あらかじめ10mg のTenaxTA吸着剤をガラスウールで挟んだ加熱脱着装置用のガラスチューブを作製し、不活性雰囲気ガスを流した状態下で、300℃−3hコンディショニングを行ったものを用意する。その後、重水素化ヘキサデカン(ヘキサデカンD34)100ppmのメタノール溶液5uLをTenaxTAに吸着させ、内部標準入りガラスチューブとする。
<ワックスの測定>
ワックス約1mgをあらかじめ300℃で焼き出ししたアルミホイルに包み、上記内部標準入りガラスチューブの作製で準備した、専用チューブに入れる。このサンプルを加熱脱着装置用のテフロン(登録商標)キャップでフタをし、装置へセットする。
このサンプルを上記条件で測定し、内部標準ピークおよび、重水素化ヘキサデカン以降のピークの全ピーク面積を算出する。
<解析>
上記操作で得られたピークのうち、内部標準である重水素化ヘキサデカンのリテンションタイム以降のピークをすべて積分し、全ピークの合計値を算出する。この際、ピークとは異なるノイズピーク等を積分値に加えないよう注意する。
(式1)ワックスの揮発性分濃度(mg/kg)
=(A1/B1×0.0005×0.77)/C1×1000000
なお、上記式中、
0.0005の値は、スタンダード溶液5μL中の重水素化ヘキサデカンの体積(μL)
0.77の値は、ヘキサデカンの密度(mg/μL)
A1の値は、重水素化ヘキサデカン以降の全ピーク面積
B1の値は、重水素化ヘキサデカン(内部標準)のピーク面積
C1の値は、秤量したワックスの重量(mg)
をそれぞれ示す。
本発明においては、定着手段を形成する部材と該定着手段を構成するフレームとの間にバイアスを印加可能な部材を有し、かつ、該バイアス印加可能部材表面に対する120℃における該ワックスの接触角が0°乃至45°であることが必須である。
ここで定着手段を形成する部材は例えば定着スリーブ、加圧ローラ等を示し、定着手段を構成するフレームは例えば金属製の定着ユニット枠体等を示す。これは、定着手段を形成する部材と定着手段を構成するフレームとの間にバイアスを印加可能な部材を有することで、離型ワックスの一部が溶融し揮発し該部材に接触した場合、定着器内にて効率良く捕集することが可能となる。
さらに離型ワックスの一部が溶融し揮発し該部材に接触した場合、120℃における該部材とワックスの接触角が0°乃至45°であるとワックスと部材のなじみが良いため良好に部材に捕集される。
一方45°を超えると、ワックスと部材のなじみが悪いため部材に捕集がされにくくなったり、捕集されても定着器の温度によって再揮発しやすくなる。
本発明の詳細な本体構成については後述する。
<接触角の測定>
測定装置:CA−X型 (協和界面化学社製)
測定温度:120℃
測定湿度:相対湿度40乃至60%
試料調製:部材が鏡平面部を持っている場合、鏡面を傷つけないよう約20mm四方の平面片を切り出しサンプルとする。部材が凹凸形状であったり不織布の形態の場合、約200℃以上の熱で軟化させ、テフロン(登録商標)製のシートを介して200kgf/cm2程度の加圧により平面片を作製する。さらに表面が鏡面で無い場合は冷却後、#280、#800、#1500の順に研磨剤を用いて順次研磨することにより鏡面サンプルとする。
このように調製されたサンプルはホットプレート上に水平を保ち設置し、非接触温度計により表面が120℃となるよう加熱する。接触角計はサンプル横方向から焦点を合わせあらかじめ設置しておく。
一方、ワックスに関してはサンプル瓶等内で120℃以上に加熱し溶解させる。金属あるいはガラス製の注射針を120℃以上に保ちながら溶解液を注入し、120℃に保っているサンプル片上に滴下量5μlで滴下する。各試料について5回接触角を測定してその平均値をもってワックスの接触角とする。なお、ワックスを数種併用する場合には、120℃における該部材と各々ワックスの接触角が0°乃至45°であれば複数種併用しても構わない。
また、本発明においては該トナーのn−ヘキサン可溶分が1乃至10質量%であり、該可溶分はワックスを主成分としており、n−ヘキサン可溶分重量平均分子量が500乃至5000であることが好ましい。上記物性はワックス単体の分子量やトナー主要成分樹脂の分子量等により制御可能である。
n−ヘキサン可溶分はワックスを主成分としており、特にトナー表層から中間部のワックスを抽出したものである。これが1乃至10質量%であると、良好な定着性を保ったまま現像性を向上でき、かつ定着時に熱により揮発するワックスを最小限にすることが可能である。
さらに、n−ヘキサン可溶分重量平均分子量が500乃至5000であると、良好な定着性を保ったまま現像性を向上でき、かつ定着時に熱により揮発するワックスを最小限にすることが可能である。
また、本発明においては該ワックス成分が少なくともエステルワックスを含み、且つワックス成分の含有量が該結着樹脂100質量部に対して1質量部乃至15質量部であることが好ましい。これはワックスの化学構造としては極性基を持ったエステルワックス等では揮発しにくい傾向であることもわかってきたからである。ワックスの含有量がトナーに対し1乃至15質量%であると、良好な定着性を保ったまま現像性を向上でき、かつ定着時に熱により揮発するワックスを最小限にすることが可能である。
該トナーの110℃における粘度が5000乃至15000であると定着特性が良好となる。これは様々な機能物質の複合体であるトナーの挙動を、材料物質の物性や添加量だけで判断することは困難であることと、結着樹脂のゲル分(不溶分)、非ゲル分(可溶分)、そして離型剤の複合体として評価できることに鑑みている。
本発明において、トナーの110℃における溶融粘度を15000(Pa・s)以下にすることで、現像における耐久安定性を損なうことなく、色再現性および定着性の安定したフルカラー画像を得ることができる。
さらに、昨今のプリンターの高速化に伴い溶融粘度が15000以内のトナーを定着させる場合、定着工程において高温の温度設定としなくても良く、結果としてワックスからの揮発成分を少なくできる。
トナーの溶融粘度が5000以上であると、ホットオフセット定着性が良好になり、現像耐久性も良好になる。
ここでトナーの110℃におけるフローテスタ測定による溶融粘度の測定方法を以下に示す。
<110℃における溶融粘度の測定>
装置としては、例えばフローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、下記の条件で測定を行う。
・サンプル:1.0gのトナーを秤量し、これを直径1cmの加圧成型器により荷重20kNで1分間加圧することで成型してサンプルとする。
・ダイ穴径:1.0mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×105(Pa)
・測定モード:昇温法
・昇温速度:4.0℃/min
前記の方法により、50℃乃至200℃におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、110℃における溶融粘度(Pa・s)を求める。
本発明においては上述してきた必須項目の他に、下述のような項目を満たすことによりより好ましい形態となり、効果が増す。
本発明トナーにおいては、該エステルワックス成分の含有量がトナーに対して1質量%乃至10質量%であることが重要である。この範囲に制御すると現像特性、保存特性、低温定着特性に優れる。特にピクトリアル画像に求められる高グロス画像を達成することが可能である。
本発明トナーにおいてはまた、シクロヘキサン可溶成分は中程度の分子量でかつ水親和性の低い成分であり、この成分を制御することが重要である。シクロヘキサン可溶分成分を60乃至100質量%に制御すると現像特性(帯電量、カブリ等)を悪化させることなく、定着特性にも優れる。特にピクトリアル画像に求められる高グロス画像を達成することが可能である。さらに、トナーに含まれる水分を抑え、揮発分がセンサーを汚すのを抑えることが可能となる。シクロヘキサン可溶分成分を60乃至100質量%に制御する方法としては、添加する樹脂(ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂等)の分子量や主要成分を構成する結着樹脂の架橋度合い等を制御することがあげられる。
ここでトナーのn−ヘキサン及びシクロヘキサン溶媒に対する可溶分の測定方法を以下に示す。
<n−ヘキサン及びシクロヘキサン可溶分の測定方法>
本発明におけるn−およびシクロヘキサン可溶分とは、以下のように測定された値をもって定義する。
トナーサンプル1.0gを秤量し、溶媒としてn−またはシクロヘキサン60mlを用いて常温(20℃)にて12時間撹拌抽出し、該混合溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、該混合溶媒可溶樹脂成分量を秤量する。
本発明のトナーを製造する方法は、懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー粒子の製造などが挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in site重合法、コアセルベーション法などの製造も挙げられる。さらに、少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望のトナーを得る界面会合法なども挙げられる。あるいは、粉砕法によって得られたトナーを、機械的衝撃力で球形化する方法などが挙げられる。
中でも、小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に好ましい。トナー粒子の製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナー粒子を製造することが可能である。
単量体中に着色剤,重合開始剤,架橋剤,その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50乃至80℃(好ましくは55乃至70℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpH変更しても良い。本発明では、更に、トナーの定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
以下に重合法トナーの材料に関して記載する。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、主に単官能性重合性単量体を使用する。本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて使用する。
本発明においては反応の補助として水溶性開始剤を併用しても良い。重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明に用いられる着色剤は、カーボンブラックあるいは以下に示したような公知のイエロー/マゼンタ/シアン着色剤が利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、151、154、155、168、180、185等が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、146、166、150、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。
本発明において用いられるワックスとしては、化学構造としての制限はないが、好ましい形態としてエステルワックス(例としてモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ヘキサエステル、オリゴエステル等)及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられる。
本発明の好ましい形態として、これらワックスから液状脂肪酸、長鎖アルコール等の如き残原材料、反応残渣、複生成物を予め精製除去してあるものが良い。精製方法としては、蒸留、溶媒洗浄、再結晶等の方法が挙げられ、これら方法の工程条件などを変えることで本発明に最適な範囲に調整することが可能である。
これらワックスには酸化防止剤が添加されていても良い。
さらに本発明においては、好ましい形態のエステルワックスに加え、汎用のワックスを併用しても良い。ただし、本発明の効果を顕在化するにはエステルワックスを全添加ワックスの少なくとも半量以上入れることが好ましい。
本発明に使用できるトナーの添加剤としては、オイル処理されたシリカ,チタニア等の無機微粒子が好適に用いられる。その他、酸化ジルコニウム,酸化マグネシウムの如き酸化物の他に、炭化ケイ素,チッ化ケイ素,チッ化ホウ素,チッ化アルミニウム,炭酸マグネシウム,有機ケイ素化合物なども併用することが可能である。
シリカは、出発材料あるいは温度等の酸化の条件により、ある程度任意に、一次粒子の合一をコントロールできる点で好ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-の如き製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
更に、上記シリカは疎水化処理されていることが、トナーの帯電量の温度や湿度の如き環境依存性を少なくするため及びトナー表面からの過剰な遊離を防止するために良い。この疎水化処理剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤,アルミニウムカップリング剤の如きカップリング剤が挙げられる。特にシランカップリング剤が、無機酸化物微粒子上の残存基あるいは吸着水と反応し均一な処理が達成され、トナーの帯電の安定化,流動性付与の点で好ましい。
シランカップリング剤は、下記一般式
Rm SiYn
R:アルコキシ基
m:1乃至3の整数
Y:アルキル基
ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基
n:1乃至3の整数
で表されるものであり、例えばビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,イソブチルトリメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,トリメチルメトキシシラン,ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,n−ヘキサデシルトリメトキシシラン,n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
より好ましくは、Ca2a+1−Si(OCb2b+13
a=4乃至12、b=1乃至3である。
ここで、一般式におけるaが4より小さいと、処理は容易となるが疎水性が十分に達成できない。またaが12より大きいと疎水性は十分になるが、粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下してしまう。bは3より大きいと反応性が低下して疎水化が十分に行われなくなってしまう。したがって上記一般式におけるaは4乃至12、好ましくは4乃至8、bは1乃至3、好ましくは1乃至2が良い。
シリカのオイル処理に関しては、未処理のシリカに直接オイルで処理しても構わないし、上記疎水化処理をしたシリカにさらにオイル処理しても構わない。
オイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、パラフィン、ミネラルオイル等が使用できるが、なかでも環境安定性に優れたジメチルポリシロキサンが好適である。
本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばフッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、酸化アルミニウム粉末の如きケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
まず、本発明の現像装置における装置構成例に関して図面に即して説明する。
[電子写真画像形成装置]
本発明の実施形態の画像形成装置である、フルカラーレーザービームプリンタについて説明する。図1はフルカラーレーザービームプリンタ1(以後、プリンタ1)の全体構成を示す、縦断面図である。
プリンタ1の下部には、カセット2が引き出し可能に収納されている。そして、プリンタ1の右側には手差し給送部3が併設されている。カセット2、手差し給送部3にはそれぞれ転写材を積載収納し転写材を1枚ごとに分離し、レジストローラ4に給送するようになっている。プリンタ1はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色毎に対応する画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kを、横一列に並列してなる画像形成手段としての画像形成部5を備えている。画像形成部5には像担持体である感光体ドラム6Y、6M、6C、6K(以後、感光体ドラム6で統一)、感光体6の表面を均一に帯電する帯電装置7Y、7M、7C、7K、画像情報に基づいてレーザービームを照射して感光体ドラム6上に静電潜像を形成するスキャナユニット8、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像させる現像装置9Y、9M、9C、9K、感光体ドラム6上のトナー像を静電転写ベルト10に転写する一次転写部11Y、11M、11C、11K(以後、一次転写部11で統一)が配設されている。一次転写部11でトナー像が転写された転写ベルト10のトナー像は、二次転写部12で転写材に転写される。その後、加熱ユニット101と加熱ユニット101に圧接する加圧ローラ102とで形成されるニップを通過する際に、転写画像の定着を行う定着装置100を転写材は通過する。その後、両面フラッパ13によって搬送路が切り替えられ、排出ローラ14、スイッチバックローラ15のどちらかに搬送される。スイッチバックローラ15に搬送された転写材は、スイッチバックローラ15部で反転搬送して、再度レジストローラ4、二次転写部12、定着装置100を通過した後、排出ローラ14側に搬送される。排出ローラ14を通過後、転写材は転写材積載部16に排出される。
尚、中間転写ベルト10の構成としては、厚さ100μm、体積抵抗率 1010ΩcmのPVDFを用いている。
2次転写対向ローラは、Al芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗104Ω、肉厚1.5mmのEPDMゴムを被覆したΦ25のものを用いている。
次にプリンタ1の定着装置100の詳細な構成図を図2に基づいて説明する。図2は定着装置100の縦断面図である。
定着装置100において、101は加熱ユニット、102は加圧回転体としての加圧ローラである。加熱ユニット101は、加熱手段としてヒータ103を有する。このヒータ103は支持部材としてヒータホルダ104に支持されている。ヒータホルダ104は液晶ポリマー等の、耐熱性と摺動性を具備した耐熱性樹脂により、断面略半円形桶型に形成されている。ヒータホルダ104には、加熱回転体としてのスリーブ状の定着スリーブ105が外装されている。定着スリーブ105は加圧ローラ102とほぼ同じ長さを有するエンドレスの形態をなし、両端部は一対のスリーブフランジ106の外周に回転可能に保持されている。そして、この一対のスリーブフランジ106を側板対107に保持されている。ヒータホルダ104に支持されたヒータ103と対向させるように定着スリーブ105に加圧ローラ102を所定に押圧力Tをもって圧接させている。これによって、定着スリーブ105と加圧ローラ102との間に定着ニップNを形成している。
加熱ユニット101と加圧ローラ102は、側板対107、ステー108、ベース板109で囲われており、すべて板金部材である。これら3部材は定着装置100を構成するフレームで、定着装置100の剛性を確保している。側版107、ステー108、ベース板109は、後ろカバー110、上カバー111、前下カバー112、左右カバー117で囲われており、ユーザーが外側から、側板対107、ステー108、ベース板109に触れることの出来ない構成となっている。前下カバー112は下部が加熱ユニット101に直接面しているため、定着装置100を構成するフレームとしての機能を兼ね備えている。ステー108の定着スリーブ105側の面には捕集部材113、前下カバー112の定着スリーブ105側の面には捕集部材114、ベース板109の加圧ローラ102側の面には捕集部材115がそれぞれ設置されており、捕集部材113乃至115すべてユーザーが外側から触れることの出来ない構成となっている。そして、捕集部材113、114と定着スリーブ105の隙間は3mm、捕集部材115と加圧ローラ102の隙間は1.5mm設けられている。
次に、捕集部材113乃至115の詳細構成を説明する。捕集部材113乃至115はいずれも厚さ1mmのPBTである。主内容物として、PBTの他に強度、耐熱性を増すためガラス、さらにバイアスを印加させるため抵抗調整用にカーボンブラックが添加されている。また、ワックスに対する接触角を変えるため、含フッ素粒子が添加されている。荷重撓み温度は207℃(1.82MPa:試験方法:ISO075−1,2)である。肉厚が薄いため、射出成型時のショートが発生する可能性が高い。しかし、ショート対策するために、射出圧力、型温度や樹脂温度を上げると、部品のそりが大きくなり、定着スリーブ105や加圧ローラ102と接触してしまう懸念が生じる。そのため、捕集部材113乃至115は長軸を有した形状ではなく、短形状の部材を横にならべて2ヶずつ使用する構成にしている(ただし、削り出し品や押し出しシート材、打ち抜きシート材等を使用する場合はその限りではない。)。
また、捕集部材113乃至115のステー設置面並びに固定用爪に接触する部分にはリーク防止用に絶縁処理が施されている。
さらに、それぞれの捕集部材113乃至115に対して並列で−0.5kVの条件の直流波を印加した。高電圧印加装置としては、アンプ(TREK社製MODEL615−3)を用いた。
次に、定着スリーブ105と加圧ローラ102の詳細構成を説明する。
定着スリーブ105はエンドレスの基層、と基層の外周に設けられたプライマ層、プライマ層の外周に設けられた弾性層と弾性層の外周に設けられた離型層とを有する。基層は熱伝導性に優れたSUS等の金属製のベース層であり、熱ストレス、機械的ストレスに耐え、耐久寿命の長い定着装置とするために十分な強度を持たせるために、30μm程度の厚みに形成している。プライマ層は、基層の上に、カーボン等の導電粒子を適量分散した導電性プライマを5μm程度の厚みで塗布することによって形成されている。弾性層の弾性によって転写材Pに担持されたトナー画像を包みこむことが出来、均一な過熱加圧定着を実現できる。離型層はトナーや紙粉の付着防止や定着スリーブ105からの転写材Pの分離性能を確保するために、離型性に優れた耐熱性の高いフッ素樹脂としてPFA樹脂を20μm程度の厚みで塗布することによって形成されている。
加圧ローラ102は金属(アルミや鉄)の芯金と、芯金の外側にシリコンゴム等で形成された弾性層と、弾性層の表面を被覆する離型層とを有する。芯金の両端部は側板対に回転可能に軸受け支持されている。弾性層はシリコンゴム等で形成されたソリッドゴム層、あるいは断熱効果を持たせるためシリコンゴムを発泡させ形成されたスポンジゴム層が用いられる。離型層はPFA等のフッ素系樹脂で、チューブを被覆させたものである。
第二実施形態におけるフルカラーレーザービームプリンタ1(以後、プリンタ1)は、定着装置100内部以外は第一実施形態と同じであるため説明を割愛する。定着装置100の内部で第一実施形態異なる特徴的な部分を説明していく。
図3のように本実施形態における定着装置100において、捕集部材113、捕集部材114、捕集部材115の表面には、部材表面に離型ワックスが含浸可能な耐熱不織布118は平均径が数十μmの繊維の集合体であり、外表面積が通常の樹脂部品に比べて非常に大きい。
以下に実施例の効果について説明する。本実施例によれば、捕集部材113乃至115の表面に離型ワックスが含浸可能な耐熱不織布118を貼り付けて、外表面積を大きくすることで、離型ワックスの捕集量を増やすことが可能である。
第二実施形態におけるバイアス印加に関して、第一実施形態と同じように捕集部材113乃至115に印加する場合は、耐熱不織布118を導電テープを用いて捕集部材113乃至115に貼り付けて使用する。耐熱不織布118にバイアス印加する場合は、耐熱不織布118に銅薄板を貼りここに印加する。捕集部材113乃至115には銅薄板側の面に絶縁テープを介して貼り付ける。
図4は、図1に示した画像形成部5Y、5M、5C、5Kから、レーザー光源を除いた機構を一体化したプロセスカートッリッジの一例である。プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電ローラ2、及びクリーニング部材6を備えたドラムユニット26、及び現像部材を有する現像ユニット4に分かれている。
前記ドラムユニット26のクリーニング枠体27には、感光体ドラム1が軸受(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。感光体ドラム1の周上には、前述した通り帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。さらに、クリーニング部材6によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは除去トナー室27aに落下する。そしてドラムユニット26に駆動源である駆動モータ(不図示)の駆動力を伝達することにより、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて回転駆動させる。帯電ローラ軸受28はクリーニング枠体27に対して矢印D方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ2は軸2jが帯電ローラ軸受28に回転可能に取り付けられており、帯電ローラ軸受28は帯電ローラ加圧部材46により感光体ドラム1に向かって加圧されている。
現像装置である現像ユニット4は、感光体ドラム1と接触して矢印B方向に回転する現像ローラ25と現像枠体31とから構成される。現像ローラ25は、現像枠体31の両側にそれぞれ取り付けられた軸受部材32を介して、回転自在に現像枠体31に支持されている。また現像ローラ25の周りには、現像ローラ25に接触して矢印C方向に回転するトナー供給ローラ34と現像ローラ25上のトナー層を規制するための現像ブレード35が配置されている。さらに現像枠体31のトナー収容部31aには、収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラ34へトナーを搬送するためのトナー搬送部材36が設けられている。
そして現像ユニット4は、軸受部材32R,32Lに設けられた、穴32Rb,32Lbに嵌合する軸37R、37Lを中心にしてドラムユニット26に回動自在に結合されている。プロセスカートリッジ7の画像形成時においては、現像ユニット4は、加圧バネ38により付勢されているため、軸37R,37Lを中心に回転し、現像ローラ25が感光体ドラム1に当接している。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
{結着樹脂の合成}
<スチレン系極性樹脂の合成例1>
原料及び溶剤として、
スチレンモノマー 95.6質量部
n−ブチルアクリレート 1.0質量部
メタクリル酸 1.7質量部
メタクリル酸メチル 1.7質量部
キシレン 100.0質量部
を温度計,撹拌器,リフラックスコンデンサー及び窒素ガス導入管を具備している四口フラスコに入れた。次いで、四口フラスコに窒素ガスを通し撹拌しながら徐々に昇温し、100℃で重合開始剤としてパーブチルD(日本油脂社製)を0.5質量部滴下し、200℃に昇温して5時間反応した。
その後、100℃に降温し、
スチレンモノマー 9.6質量部
n−ブチルアクリレート 0.1質量部
メタクリル酸 0.3質量部
メタクリル酸メチル 0.2質量部
を添加し、追加開始剤パーブチルD(日本油脂社製)を0.1質量部滴下し、200℃に昇温して5時間反応した。スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体であるスチレン系極性樹脂1を得た(Mp=12000、Mw=15000、Tg=92℃、酸価=15.0mgKOH/g)。
<スチレン系極性樹脂の合成例2>
スチレン系極性樹脂の合成例1における重合開始剤の添加量および反応温度を変更して、それ以外は製造例1と同様に製造を行い、スチレン系極性樹脂2を得た(Mp=21000、Mw=28000、Tg=93℃、酸価=13.0mgKOH/g)。
<スチレン系極性樹脂の合成例3>
スチレン系極性樹脂の合成例1における重合開始剤の添加量および反応温度を変更して、それ以外は製造例1と同様に製造を行い、スチレン系極性樹脂3を得た(Mp=43000、Mw=51000、Tg=94℃、酸価=16.0mgKOH/g)。
<スチレン系極性樹脂の合成例4>
スチレン系極性樹脂の合成例1における重合開始剤の添加量および反応温度を変更して、それ以外は製造例1と同様に製造を行い、スチレン系極性樹脂4を得た(Mp=26000、Mw=34000、Tg=91℃、酸価=15.0mgKOH/g)。
<芳香族カルボン酸チタン化合物の製造>
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においたガラス製4リットルの4つ口フラスコに、イソフタル酸65.3質量部、エチレングリコール18質量部を混合し、温度100℃で溶解し、減圧、脱水を行った。その後50℃に冷却後、窒素雰囲気下で、チタンテトラメトキサイド18.9質量部を加えた。その後、フラスコ内を減圧して反応生成物であるメタノールを留出させ、芳香族カルボン酸チタン化合物1を得た。
<ポリエステル樹脂の合成例1>
下記原料を温度計,撹拌器,リフラックスコンデンサー及び窒素ガス導入管を具備している四口フラスコに入れ、触媒量のチタン化合物1を入れ、四口フラスコに窒素ガスを通し撹拌しながら徐々に昇温し、150℃で10時間反応した。縮重合反応の後半200℃に温度を上げ、減圧下で縮重合反応をすすめ、重量平均分子量Mwが13000の前駆ポリエステル樹脂1(酸価24mgKOH/g、水酸基価13mgKOH/g)を得た。
・一般式(1)であらわされるジオール成分 57mol%
Figure 2013130666
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を表し、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2乃至10である。本実施例ではx+yの平均値は約3である。)
・フマル酸 19mol%
・テレフタル酸 24mol%
その後、前駆ポリエステル樹脂1の100質量部を四口フラスコに入れ温度150℃に加熱後に、無水トリメリット酸0.4質量部を加え、徐々に加熱して前駆ポリエステル樹脂1のポリマーの末端がトリメリット酸で変性されたポリエステル樹脂1を調製した。ポリエステル樹脂1の酸価は18.0mgKOH/gであった。
<エステル化合物の合成法1>
ジムロート還流器、Dean−Stark水分離器を備え4lの4つ口フラスコ反応装置にベンゼン2L、パルミチン酸500g、ジペンタエリスリトール500g、さらにp−トルエンスルホン酸を加え十分撹拌し溶解後、7時間還流せしめた後、水分離器のバルブを開け、共沸留去を行った。共沸留去後炭酸水素ナトリウムで十分洗浄後、乾燥し溶剤を留去させた。得られた化合物を再結晶後、洗浄し精製した。
さらにベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を行って精製を行い、エステル化合物1(ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート)を得た。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が200ppmであった。
<エステル化合物の合成例2>
上述のエステル化合物合成例1の添加材料、添加量を、ベヘン酸600g、ベヘニルアルコール400g、のように変更して、エステル化合物2を得た(モノエステル化合物)。反応、精製工程はエステル化合物の合成法1同様とした。
加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が400ppmであった。
<エステル化合物の合成法3>
上述のエステル化合物合成例1の添加材料、添加量をパルミチン酸700g、ペンタエリスリトール300g、さらにp−トルエンスルホン酸のように変更して、エステル化合物2を得た(テトラエステル化合物)。反応、精製工程はエステル化合物の合成法1同様とした。
加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が600ppmであった。
<エステル化合物の合成法4>
上述のエステル化合物合成法1の添加材料、添加量をセバシン酸700g、ベヘニルアルコール300g、さらにp−トルエンスルホン酸のように変更して、エステル化合物3を得た(ジエステル化合物)。反応、精製工程はエステル化合物の合成法1同様とした。
加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が800ppmであった。
<エステル化合物の合成法5>
上述のエステル化合物合成法1の添加材料、添加量をステアリン酸600g、ステアリルアルコール400g、さらにp−トルエンスルホン酸のように変更した。還流を3時間にせしめた後、水分離器のバルブを開け、共沸留去を行った。共沸留去後炭酸水素ナトリウムで十分洗浄後、乾燥し溶剤を留去させた。得られた化合物を再結晶後、洗浄し精製し、エステル化合物5とした。
加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が1200ppmであった。
<エステル化合物の合成例6>
上述のエステル化合物合成例1の添加材料、添加量を、ベヘン酸595g、ベヘニルアルコール400g、トリメリット酸5gのように変更して、エステル化合物6を得た(変性モノエステル化合物)。反応、精製工程はエステル化合物の合成法1同様とした。
加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が600ppmであった。
<炭化水素化合物1>
市販の炭化水素化合物HNP−9(日本精鑞社製)を再結晶後、洗浄し精製した。さらにベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を2回行って精製を行った。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が400ppmであった。
<炭化水素化合物2>
市販の炭化水素化合物HNP−9(日本精鑞社製)を再結晶後、洗浄し精製した。さらにベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を行って精製を行った。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が800ppmであった。
<炭化水素化合物3>
市販の炭化水素化合物HNP−9(日本精鑞社製)を再結晶後、洗浄し精製した。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が1000ppmであった。
<炭化水素化合物4>
市販の炭化水素化合物HNP−9(日本精鑞社製)にアルコール変性を行い、その後炭化水素化合物1と同様に再結晶後、洗浄し精製した。さらにベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を行って精製を行った。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が400ppmであった。
<炭化水素化合物5>
市販の炭化水素化合物HNP−9(日本精鑞社製)使用した。さらに市販の炭化水素化合物HNP−5(日本精鑞社製)をベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を行った際に得られた低分子成分をこれに20質量%添加して炭化水素化合物5とした。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が1300ppmであった。
<炭化水素化合物6>
市販の炭化水素化合物FT-105(日本精鑞社製)を再結晶後、洗浄し精製した。さらにベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を行って精製を行った。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が300ppmであった。
<炭化水素化合物7>
市販の炭化水素化合物HNP−9(日本精鑞社製)を使用した。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が1450ppmであった。
<炭化水素化合物8>
市販の炭化水素化合物HNP−5(日本精鑞社製)を再結晶後、洗浄し精製した。さらにベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を行って精製を行った。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が1700ppmであった。
<炭化水素化合物9>
市販の炭化水素化合物HNP−5(日本精鑞社製)を使用した。さらに炭化水素化合物1でベンゼンに再溶解し、窒素下蒸留留去を行った際に得られた低分子成分をこれに20質量%添加して炭化水素化合物4とした。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が2700ppmであった。
<炭化水素化合物10>
市販の炭化水素化合物HNP−9(日本精鑞社製)にフッ素変性を行い、その後炭化水素化合物1と同様に再結晶後、洗浄し精製した。加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、ヘキサデカン換算の濃度が1450ppmであった。
<トナーの製造例1>
下記の手順によって重合法トナーを製造した。
60℃に加温したイオン交換水1300質量部に、リン酸三カルシウム9質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000r/minにて撹拌し水系媒体を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式撹拌装置にて100r/minで溶解して溶解液を調製した。
スチレン 70.0質量部
n−ブチルアクリレート 30.0質量部
ジビニルベンゼン 0.2質量部
ポリエステル樹脂1 3.0質量部
(Mw=14000、Tg=72℃、酸価=18.0mgKOH/g)
スチレン系極性樹脂1:
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 15.0質量部
(Mp=12000、Mw=15000、Tg=92℃、酸価=15.0mgKOH/g)
次に上記溶解液に
銅フタロシアニン 7.0質量部
帯電制御剤(TN105:保土谷化学工業社製) 1.0質量部
エステル化合物1:
精製ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート(融点71℃) 10.0質量部
炭化水素化合物1:
精製パラフィンワックス(融点83℃) 3.0質量部
を加え、その後、混合液を温度60℃に加温した後にTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)にて、9,000r/minにて撹拌し、溶解、分散した。
これに重合開始剤(t−ブチルパーオキシピバレート)を8.0質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃にてTK式ホモミキサーを用いて10,000r/minで 30分間撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して100r/minで撹拌しつつ、窒素雰囲気下において溶存酸素0.50%以下にて、75℃で3時間反応させた後、85℃まで昇温し、更に5時間反応を行い、トナー粒子を製造した。
重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷却し、塩酸を加えリン酸三カルシウムを溶解し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してシアントナー粒子1を得た。
上記シアントナー粒子100質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に帯電する疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:15nm、BET比表面積:100m2/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で3000r/minで15分間混合してシアントナーNo.1を得た。
シアントナーNo.1の物性を表2に示し、評価結果を表4および5に示す。
(トナーの製造例2乃至6)
トナー製造例1におけるスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、炭化水素化合物およびエステル化合物に変えて表1に示すように変更し、かつ添加量を変更し、反応時において開始剤添加量および反応温度を変更して、トナー製造例1と同様にトナーの製造を行い、シアントナー2乃至6を得た。得られたトナー2乃至6の物性を表2に示す。
(トナーの製造例7)
〔顔料分散方法〕
以下の手順で顔料分散液を調製した。
・シアン顔料:(銅フタロシアニン) 96質量部
・顔料分散剤:アルコール変性ポリエチレン樹脂(Mw:7000) 4質量部
・酢酸エチル 100質量部
上記材料組成の分散液アトライター(三井鉱山製)等の分散機で分散し、その後酢酸エチルで希釈し顔料濃度15質量%の顔料分散液を調製した。
〔ワックス分散粒子の作製〕
以下の手順で微粒子化ワックスの分散液を調製した。
・エステル化合物4: 20質量部
・トルエン 80質量部
上記材料を、分散機に投入した。撹拌しながら徐々に温度を100℃まで上げてゆき、その後室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。作製した微粒子化ワックスの分散液は、ワックスの質量濃度が20質量%になるように酢酸エチルで希釈した。
〔トナー粒子の作製〕
・スチレン−nブチルアクリレート−ジビニルベンゼン共重合体 87質量部
(Mw:40000、Mn:15000)
・極性ポリエステル樹脂(3) 3質量部
・スチレン系極性樹脂(1) 15.0質量部
上記顔料分散液を30質量部、上記ワックス分散粒子液を25質量部、酢酸エチル50質量部をボールミルで分散させた(この液をA液とした。)。一方、炭酸カルシウム(平均粒径80nm)60質量部、水40質量部をボールミルで分散後、炭酸カルシウム分散液7質量部とカルボキシメチルセルロース(商品名「セロゲンBS−H」:第一工業製薬社製)の2%水溶液100質量部を撹拌した(この液をB液とした)。
次に乳化機(商品名「オートホモミキサー」:特殊機化工業社製)でB液100質量部を撹拌し、その中にA液50質量部をゆっくり投入して混合液を懸濁した。その後溶媒を除去し、塩酸を加えて炭酸カルシウムを除去、さらに水洗、乾燥、分級してシアン粒子7を得た。
上記シアントナー粒子7を100質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に帯電する疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:15nm、BET比表面積:100m2/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で3000r/minで15分間混合してシアントナーNo.7を得た。
シアントナーNo.7の物性を表2に示し、評価結果を表4および5に示す。
(トナーの製造例8乃至9)
トナー製造例1におけるジビニルベンゼンの添加量を変更して、トナー製造例1と同様にトナーの製造を行い、シアントナー8乃至9を得た。得られたトナー8乃至9の物性を表2に示す。
(トナーの製造例10)
トナー製造例7におけるスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、炭化水素化合物およびエステル化合物に変えて表1に示すように変更し、かつ添加量を変更し、反応時において開始剤添加量および反応温度を変更して、トナー製造例7と同様にトナーの製造を行い、シアントナー10を得た。得られたトナー10の物性を表2に示す。
(トナーの製造例11)
・スチレン−nブチルアクリレート−ジビニルベンゼン共重合体 100質量部
(Mw:40000、Mn:15000)
・ポリエステル樹脂(3) 3質量部
・スチレン系極性樹脂(1) 12質量部
・エステル化合物5 15質量部
・荷電制御剤:芳香族オキシカルボン酸Zr化合物
(TN105:保土谷化学工業社製) 3質量部
・顔料:シアン顔料(銅フタロシアニン) 7質量部
上記材料を混練し粉砕して粉砕物1を得た。
その後、分級してシアン粒子11を得た。
上記シアントナー粒子11を100質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に帯電する疎水性シリカ微粉体1(1次粒子径:15nm、BET比表面積:100m2/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で3000r/minで15分間混合してシアントナーNo.11を得た。
シアントナーNo.11の物性を表2に示し、評価結果を表4および5に示す。
(トナーの製造例12乃至13)
トナー製造例1におけるエステル化合物1を表2のように変更し、また炭化水素化合物1を表2のように変更し、トナー製造例1と同様にトナーの製造を行い、シアントナー12乃至13を得た。得られたトナー12乃至13の物性を表2に示す。
(トナーの製造例14乃至15)
トナー製造例1における炭化水素化合物1を表2のように変更し、添加量を変更して、トナー製造例1と同様にトナーの製造を行い、シアントナー14乃至15を得た。得られたトナー14乃至15の物性を表2に示す。
(トナーの製造例16乃至17)
トナー製造例1における重合開始剤の添加量および反応温度を変更して、それ以外はトナー製造例1と同様にトナーの製造を行い、シアントナー16乃至17を得た。得られたトナー16乃至17の物性を表2に示す。
(トナーの製造例18乃至19)
トナー製造例1におけるエステル化合物1を表2のように変更し、添加量を変更して、トナー製造例1と同様にトナーの製造を行い、シアントナー18乃至19を得た。得られたトナー18乃至19の物性を表2に示す。
(トナーの製造例20乃至21)
トナー製造例1におけるエステル化合物1を変更し、添加量を変更して、トナー製造例1における重合開始剤の添加量および反応温度を変更して、それ以外はトナー製造例1と同様にトナーの製造を行い、シアントナー20乃至21を得た。得られたトナー20乃至21の物性を表2に示す。
(比較用トナーの製造例22乃至24)
トナー製造例11におけるエステル化合物1を炭化水素化合物7乃至9に変更し、添加量を変更して、トナー製造例7と同様にトナーの製造を行い、シアントナー22乃至24を得た。得られたトナー22乃至24の物性を表2に示す。
(比較用トナーの製造例25)
トナー製造例11におけるエステル化合物1を炭化水素化合物10に変更し、添加量を変更して、トナー製造例7と同様にトナーの製造を行い、シアントナー25を得た。得られたトナー25の物性を表2に示す。
<実施例1乃至21、比較例1乃至12>
(画像評価)
得られたトナー1乃至25を用い、以下の方法に従って画像評価を行った。
画像形成装置としては図1に概略を示す市販のレーザプリンタHP社製CLJ−CP4525(HP社製)のプロセススピードを300mm/秒に変えた改造機を用いた。
定着ユニットに関してはCLJ−CP4525用を使用し、前述のように枠体内部に捕集部材113乃至115を設置した。なお、材質として表3に示す樹脂100部に対しカーボンブラック10部並びにフッ素樹脂5部を混練し成型して使用した。実施例4、12、13及び比較例4に使用する捕集部材はフッ素樹脂添加量を変化させ、ワックスに対する接触角が表4乃至5のように変化させた。実施例1乃至21に関して、それぞれの捕集部材113乃至115に対して並列で−0.5kVの条件の直流波を印加した。高電圧印加装置としては、アンプ(TREK社製MODEL615−3)を用いた。比較例1乃至4に関しては捕集部材は設置したものの、直流波印加は行わなかった。また、すべてのカートリッジはCLJ−CP4525用をそのまま使用し、トナーを入れ替えて使用した。
本発明の評価方法としては2種類の評価を行った。
1つ目として、高温高湿環境下(30℃,80%RH)において、印字比率が1%となる画像を用い、単色モードにて以下に示す連続印字方法において10000枚を印字した。
2つ目として、低温低湿環境下(15℃,10%RH)において、印字比率が1%となる画像を用い、単色モードにて以下に示す連続印字方法において10000枚を印字した。
なお、画像形成速度はいずれも普通紙モード時の速度とした。
初期と10000枚目の画像を用い、以下の評価基準に基づき画像評価を行った。各評価結果について、表2に記す。
[耐久性評価方法]
(かぶりの測定)
カブリの測定は、REFLECTOMETER MODEL TC−6DS(東京電色社製)を用い測定し、下記式により算出した。かぶり値は少ない方が良好である。
カブリ(反射率;%)
=(標準紙の反射率;%)−(サンプルの白べた部の反射率;%)
A:1.5%以下
B:1.5%を超え3.0%以下
C:3.0%を超え4.5%以下
D:4.5%を超える
(画像濃度変化)
画像濃度はマクベス濃度計またはカラー反射濃度計(例えばColorreflection densitometer X−RITE 404Amanufactured by X−Rite Co.)で測定する。
初期濃度と一万枚耐久後の濃度の差で評価する。
A:0.1以下
B:0.1を超え0.2以下
C:0.2を超え0.3以下
D:0.3を超える
(現像ローラ縦ムラ)
現像ローラ縦ムラは、画像評価環境にて10000枚印字した際の、下記評価基準に基づいて評価した。
A:ローラ表面、画像ともに欠陥は全く認められない。
B:耐久後半、ローラ表面に汚れが若干認められるが、画像には現れない。
C:耐久後半、ローラ表面に汚れが若干認められ、画像にも若干のムラが生ずる。
D:耐久後半、ローラ表面の汚れがひどく、画像にもムラが生ずる。
(定着排紙部センサー汚れ)
定着排紙部センサー汚れは、センサー表面を目視で観察し、さらに印字動作欠陥(印字停止)を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
A:センサー表面の汚れはなく、印字動作不良は全く認められない。
B:耐久後半、センサー表面に汚れが若干認められるが、印字動作不良は現れない。
C:耐久後半、センサー表面に汚れが若干認められ、印字動作不良は不定期に生ずる。
D:耐久後半、センサー表面の汚れがひどく、印字動作不良は頻繁に生ずる。
(排紙ローラ汚れ)
排紙ローラ汚れは、ローラ表面を目視で観察し、さらに画像を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
A:ローラ表面、画像ともに欠陥は全く認められない。
B:耐久後半、ローラ表面に汚れが若干認められるが、画像には現れない。
C:耐久後半、ローラ表面に汚れが若干認められ、画像にも若干のムラが生ずる。
D:耐久後半、ローラ表面の汚れがひどく、画像にもムラが生ずる。
〔定着性評価項目の測定方法〕
ブラックトナー(1)を用いて、坪量が75または80g/m2の記録紙先端部に、トナー担持量が0.5乃至0.6dg/m2である帯状の画像を形成し、定着試験を行った。定着評価結果を表4に示す。
未定着画像の作成および定着性の試験は、特に記述がない場合は常温常湿下(23℃/60%)で行う。
加圧ローラ102としては、Fe製の芯金に対しシリコーンゴム及びPFA樹脂を被覆させたローラ硬度60度(Asker−C 500g)のローラを用いた。加圧力としては、加圧バネを調節して、80g/cm2の紙を介した状態で、面圧90,000N/m2で接して、定着ニップ6.0mmとした。
(定着開始温度)
上記方法により作成した未定着画像を、定着器加熱部の温度を100乃至230℃の温度範囲で5℃おきに温調し、定着させ、得られた定着画像を4900N/m2の荷重をかけたシルボン紙で2回摺擦し、摺擦前後の画像濃度低下率が10%以下となる温度を定着開始温度とする。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:定着開始温度が180℃未満。
B:定着開始温度が180℃以上195℃未満。
C:定着開始温度が195℃以上210℃未満。
D:定着開始温度が210℃以上。
(耐高温オフセット性)
定着温度を上げ、目視でオフセット現象の発生しない最高温度を高温オフセットフリー温度とし、耐オフセット性の指標とする。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:高温オフセットフリー温度が210℃以上。
B:高温オフセットフリー温度が200℃以上210℃未満。
C:高温オフセットフリー温度が190℃以上200℃未満。
C:高温オフセットフリー温度が180℃以上190℃未満。
Figure 2013130666
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1・・プリンタ、2・・給紙カセット、5・・画像形成部、11・・一次転写部、12・・二次転写部、14・・排出ローラ対、100・・定着装置、101・・加熱ローラ、108・・ステー、109・・ベース板、112・・前下カバー、113乃至115・・捕集部材、118・・耐熱不織布

Claims (6)

  1. 加熱手段と該加熱手段に圧接させる加圧手段によって、転写材上のトナーを加熱加圧により当該転写材に定着させる画像形成方法において、
    該定着手段を形成する部材と該定着手段を構成するフレームとの間にバイアスを印加可能な部材を有し、該トナーは結着樹脂、着色剤およびワックスを少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体を有するトナーであって、
    該ワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、該ワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が1500ppm以下であり、
    該バイアス印加可能部材表面に対する120℃における該ワックスの接触角が0°乃至
    45°であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 該トナーのn−ヘキサン可溶分が1乃至10質量%であり、該可溶分はワックスを主成分としており、n−ヘキサン可溶分重量平均分子量が500乃至5000であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該ワックスが少なくともエステルワックスを含み、且つワックスの含有量が該結着樹脂100質量部に対して1質量部乃至15質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 該トナーの110℃における粘度が5000乃至15000であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 該トナーはシクロヘキサン可溶分が60乃至100質量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 該トナー粒子は、重合性単量体及び着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合して得られるトナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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