JP2002091060A - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

トナー及び画像形成方法

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JP2002091060A
JP2002091060A JP2000281117A JP2000281117A JP2002091060A JP 2002091060 A JP2002091060 A JP 2002091060A JP 2000281117 A JP2000281117 A JP 2000281117A JP 2000281117 A JP2000281117 A JP 2000281117A JP 2002091060 A JP2002091060 A JP 2002091060A
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JP2000281117A
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Tomohito Handa
智史 半田
Hiroaki Kawakami
宏明 川上
Tatsuya Nakamura
達哉 中村
Koji Inaba
功二 稲葉
Yuji Moriki
裕二 森木
Katsuyuki Nonaka
克之 野中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な定着性と保存性を併せもつトナーを提
供することにある。 【解決手段】 (i)磁場発生手段17と、(ii)電
磁誘導により発熱する発熱層及び離型層を少なくとも有
する回転加熱部材10と、(iii)該回転加熱部材と
ニップを形成している回転加圧部材30とを少なくとも
有する加熱加圧手段100を使用し、記録材Pを介し
て、該回転加熱部材を押圧しながら、該記録材上のトナ
ー像t1を加熱加圧定着して記録材に定着画像t2を形
成する画像形成方法に適用されるトナーであり、該トナ
ーは、少なくとも、結着樹脂と着色剤を含有し、さらに
該トナーの構造においてコア=シェル構造を有するトナ
ーであり、コア粒子が平均膜厚0.005乃至0.75
μmのシェル層によって被覆されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法などを利用した記録方法に用いられ
るトナー、又はトナージェット方式の画像形成方法に用
いられるトナー、及び画像形成方法に関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は、予め静電潜像担持体上
にトナー像を形成後、転写材上に転写させて画像形成す
る、複写機、プリンター、ファックス等の電子写真、静
電記録、静電印刷に用いられるトナー及び画像形成方
法、又はトナージェット方式により記録材に直接トナー
を吐出し画像を得るトナー及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真での熱定着プロセスとし
ては、熱ローラ方式の定着装置が広く用いられてきてい
る。熱ローラ方式の定着装置の特徴は、熱媒体が剛体の
ローラであるために、加熱と同時に記録材に対して十分
な圧力を与えることができることにある。
【0003】しかし、熱ローラ方式の定着装置は、定着
ローラの熱容量が大きいために、電源投入後に定着装置
が所定の定着可能温度に立ち上がるまで、かなりの待ち
時間(ウエイトタイム)を必要とするという欠点があっ
た。
【0004】更に、熱ローラ方式の定着装置は、画像形
成装置のスタンバイ状態時(非画像出力時)において、
定着ローラを所定の温調状態に維持させる目的で、ハロ
ゲンランプに通電したまま保持している必要があり、画
像形成装置の内部昇温や電力消費増加という問題を派生
するといった欠点があった。
【0005】かかる問題を解決するために、例えば特開
昭63−313182号公報、特開平2−157878
号公報、特開平4−44075号公報、特開平4−20
4980号公報において、フィルム加熱方式の定着装置
が提案されている。
【0006】これらのフィルム加熱方式の定着装置は、
加熱体としてセラミックヒータと、加圧部材としての加
圧ローラとの間に耐熱性フィルム(定着フィルム)を挟
ませてニップ部を形成させ、該ニップ部のフィルムと加
圧ローラとの間に画像定着すべき未定着トナー画像を形
成担持させた被記録材を導入してフィルムと一緒に狭持
搬送させることでニップ部においてセラミックヒータの
熱をフィルムを介して被記録材に与え、またニップ部の
加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に熱圧定着さ
せるものである。このフィルム加熱方式の定着装置の特
徴としては、セラミックヒータ及びフィルムとして低熱
容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成す
ることができ、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源
としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に
発熱させた状態にすればよく、画像形成装置の電源オン
から画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイ
ックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小
さい(省電力)等の点があげられる。
【0007】しかし、大きな熱量が要求されるフルカラ
ー画像形成装置や高速機種用の定着装置としては、連続
定着に必要な迅速な熱量供給が不十分であり、定着不良
や定着画像の光沢ムラ(グロスムラ)やオフセット等の
問題が発生し、さらなる改善が必要である。
【0008】そこで、かかる問題点を解決するために、
実開昭51−109739号公報において、磁束により
定着ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱
させる誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘
導電流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱さ
せることができるために、ハロゲンランプを熱源として
用いた熱ローラ方式の定着装置よりも熱効率が良好な定
着プロセスを達成している。
【0009】しかしながら、この誘導加熱ローラ定着方
式は、従来のローラー定着同様に定着ローラの熱容量が
大きいために「オンデマンド定着」を達成することは困
難であった。
【0010】また、高速機種用で「オンデマンド定着」
を達成するために、プロセス速度を高めたフィルム定着
装置において定着部の線圧を高めるといった手法が提案
されている。かかる手法によると、定着時の線圧が高い
ことによって、定着フィルム表面に対して非常に傷がつ
きやすくなり、かかる定着装置と組み合わせるトナーに
対しての制限が大きくなる。
【0011】そこで、上記の如き定着装置と組み合わせ
るトナーとしては、熱を加えた際の溶融性及び混色性が
良いことが重要であり、軟化点が低く、且つ溶融粘度が
低く、高いシャープメルト性を有するトナーを使用する
ことが好ましい。
【0012】しかし、トナーの溶融性やフルカラートナ
ーの混色性向上のために、バインダー樹脂成分の軟化点
を下げると、放置中にトナー粒子同士が凝集しトナーの
流動性が変化したり、さらにはトナー粒子同士が融着し
て塊状物を生成し、トナーとしての「耐ブロッキング
性」が悪化する。トナーの「耐ブロッキング性」が悪化
すと、例えば、画像カブリや現像時の画像スジ等の現像
性に障害をきたすために好ましくない。
【0013】そこで、トナーの「溶融性」又は「混色
性」と「耐ブロッキング性」の両立を達成するために、
トナーの構造を制御しコア=シェル構造を有するトナー
が開示されている。かかるトナーは、「溶融性」又は
「混色性」に優れるバインダー樹脂をコア材とし、コア
材を熱的安定性の高いシェル樹脂で被覆することで「耐
ブロッキング性」を向上させ、トナーの「溶融性」又は
「混色性」と「耐ブロッキング性」の両立を達成してい
る。
【0014】しかしながらこのような高い「溶融性」又
は「混色性」を有するトナーは、一般に定着ローラとの
親和性が高く、定着時に定着ローラにオフセットし易い
傾向にある。また、さらに定着オフセットによって付着
したオフセットトナーは、連続定着時の紙間隔、あるい
は待機時の空回転動作で加圧ローラ側に移行し、紙の裏
汚れや、定着紙のローラ巻き付きを発生しやすくなるた
め問題がある。
【0015】更に上記のごとき問題は、特に連続での印
刷時、又は、フルカラー印刷時に起こりやすい。その理
由としては定かではないが、連続での印刷によって、転
写材へ連続的に熱を与える結果熱供給不足を生じること
が一因として考えられる。特にフルカラー画像形成時に
は、転写材上にマゼンタトナー、シアントナー、イエロ
ートナー、ブラックトナーと複数層のトナー層が形成さ
れるため、単色で現像する場合に比べてトナー層厚が増
大し、定着時の熱や圧力が不十分になり易くなることが
考えられる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題点を解決したトナー及び画像形成方法
を提供することにある。
【0017】すなわち、本発明の目的は、良好な定着性
と保存性を併せもつトナー及び画像形成方法を提供する
ものである。
【0018】更に本発明の目的は、定着フィルム削れを
極力抑え、且つ、定着装置とのマッチングに優れたトナ
ー及び画像形成方法を提供するものである。
【0019】更に本発明の目的は、安定した定着グロス
を実現し、さらに定着装置とのマッチングに優れたカラ
ートナー及び画像形成方法を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明者は鋭意検討を行った結果、本発明
を開示するに至った。
【0021】すなわち、第一の発明は、(i)磁場発生
手段と、(ii)電磁誘導により発熱する厚さ1〜20
0μmの発熱層、及び、厚さ1〜100μmの離型層を
少なくとも有する回転加熱部材と、(iii)該回転加
熱部材と幅5〜15mmのニップを形成している回転加
圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を使用し、記
録材を介して面圧9〜500kN/m2で該回転加熱部
材を押圧しながら、定着スピード20〜300mm/秒
の条件で該記録材上のトナー像を加熱加圧定着して記録
材に定着画像を形成する画像形成方法に適用されるトナ
ーであり、該トナーは、少なくとも、結着樹脂と着色剤
を含有し、さらに該トナーの構造においてコア=シェル
構造を有するトナーであり、コア粒子が平均膜厚0.0
05乃至0.75μmのシェル層によって被覆されてい
ることを特徴とするトナー、及び、画像形成方法に関す
る。
【0022】また、第二の発明は、(i)磁場発生手段
と、(ii)電磁誘導により発熱する厚さ1〜200μ
mの発熱層、及び、厚さ1〜100μmの離型層を少な
くとも有する回転加熱部材と、(iii)該回転加熱部
材と幅5〜15mmのニップを形成している回転加圧部
材とを少なくとも有する加熱加圧手段を使用し、記録材
を介して面圧9〜500kN/m2で該回転加熱部材を
押圧しながら、定着スピード20〜300mm/秒の条
件で該記録材上のトナー像を加熱加圧定着して記録材に
定着画像を形成する画像形成方法に適用されるトナーで
あり、該トナーは、少なくとも、結着樹脂と着色剤とワ
ックス成分を含有するトナーであって、該トナーの透過
電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察
において、ワックス成分を含有してなるコアと、該コア
をシェルが被覆してなるコア=シェル構造を有するトナ
ーであり、(1)フロー式粒子像測定装置で測定される
トナーの質量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対
し、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R
(μm)を呈するトナー粒子の断層面を観察し、(2)
トナー粒子の断層面観察においてコア粒子が平均膜厚
0.005乃至0.75μmのシェル層によって被覆さ
れており、さらに(3)ワックスに由来する相分離構造
が存在し、(4)ワックス成分に起因する相分離構造の
うち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求め
られたr/Rの相加平均値(r/R)stが、0.05
≦(r/R)st≦0.95を満たすように、該ワック
ス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の
島状に分散されていることを特徴とするトナー、及び、
画像形成方法に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第一の発明である
トナーを詳細に説明する。
【0024】第一の発明であるトナーは、コア=シェル
構造を有し、コア粒子が平均膜厚0.005乃至0.7
5μm、さらに好ましくは平均膜厚0.005乃至0.
3μm、より好ましくは平均膜厚0.01乃至0.2μ
mのシェル層によって被覆されているものである。
【0025】本発明において、トナーのコア=シェル構
造のシェル平均膜厚を測定する方法は種々の方法が適用
可能である。測定方法の例として、たとえば、トナー粒
子単層に対してESCAによる分析を行い得られるバン
ドスペクトルから特定できる元素の元素比から求める方
法、透過電子顕微鏡(TEM)による断層形態観察から
直接的に求める方法、光音響分析(PASS)と赤外分
光分析(IR)を組み合わせたIR−PASS分析によ
るトナー粒子表面とトナー内部の化学組成比から求める
方法が挙げられる。これらの中で特に好ましくは、TE
Mによる断層形態観察から直接的に求める方法が用いら
れる。
【0026】ここで、透過電子顕微鏡(TEM)観察に
よる具体的観察方法について説明する。
【0027】透過電子顕微鏡(TEM)観察による観察
は、以下の方法で行う。
【0028】常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒
子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日
間硬化させトナー粒子を含む樹脂硬化物を用意する。 得られた樹脂硬化物を適当な大きさに調整し、更に、
四三酸化ルテニウム、または四三酸化オスミウム、ある
いはこれらを併用し染色を施す。試料によっては、染色
せずにコア=シェル構造が観察できるものもあるため、
染色は必要に応じて行う。 前記工程の後、樹脂硬化物をダイヤモンド歯を備えた
ミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し、観察
用のサンプルを作製する。また、透過電子顕微鏡(TE
M)観察の前準備として、観察用のサンプルに対し白金
蒸着を適宜行う。 透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナーの断層形態を
観察する。
【0029】透過電子顕微鏡(TEM)としては、トナ
ーの構造を確認できる能力を有するものであれば特に限
定するものではない。具体的な例を以下に示す。
【0030】《断面観察条件》 装置:透過型電子顕微鏡H−7500(日立製作所製) 一次加速電圧:40〜120kV
【0031】コア=シェル構造を有するトナー粒子のほ
とんどのものは、芯材と外殻を構成する樹脂との若干の
結晶化度、電子線反射の違いから材料間のコントラスト
として観察される。更に材料間のコントラストが弱く、
観察しにくい場合、観察画像を電子化し、画像のコント
ラスト調節が可能な画像処理ソフト(例えば、Scan
Craft CS/キヤノン社製など)によって材料
間のコントラストが強調されるよう適宜調節し、コア=
シェル構造を観察する。
【0032】代表的コア=シェル構造を有するトナーの
断層面観察の一例を図10aに示す。
【0033】後記の実施例で得られたトナー粒子は、ト
ナー粒子中にコア=シェル構造が形成されていることが
観測された。
【0034】シェル平均層厚は、得られたトナー粒子の
断層面に対して、フロー式粒子像測定装置で測定される
トナーの質量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対
し、0.9≦R/D4≦111の関係を満たす長径R
(μm)を呈するトナー粒子の断層面を20箇所選び出
し、下記計算によってシェル平均層厚(μm)を求め
た。
【0035】
【数1】シェル平均層厚(μm)=(B+C)×D4
(2×A) A:TEM写真上のトナー径(μm) B,C:上記観察トナーの断層面両端の写真上シェル厚
(μm)(図10参照)
【0036】ここでのトナーの質量基準の円相当重量平
均径D4(μm)は、コールターカウンターTA−II
型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社
製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインター
フェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコン
ピューター(NEC製)を接続し測定を行った。測定電
解溶液としては、たとえば、ISOTON R−II
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使
用できる。
【0037】測定法としては、前記電解溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mlと測定試
料を2〜20mg加えた後、超音波分散器で約1〜3分
間分散処理を行ない前記コールターカウンターTA−I
I型により測定した。測定した2μm以上のトナーの体
積、個数から、体積分布と個数分布とを算出し、重量平
均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を求める。
【0038】以上、得られたシェル層厚(μm)につい
て、下記〜の統計処理を行い、シェル平均層厚(μ
m)を算出した。
【0039】同一サンプルについて、トナー粒子10
個から10点のシェル層厚測定を行う。 得られた10個のデータから最大と最小の値を削除
し、 残り8個のデータの相加平均により、シェル平均層厚
(μm)を求める。
【0040】次に、本発明の第二の発明であるトナーに
ついて詳細に説明する。
【0041】第一の発明との相違点はワックスの存在、
及びその存在形態にある。
【0042】すなわち、該トナーは、少なくとも、結着
樹脂と着色剤とワックス成分を含有するトナーであっ
て、該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナ
ー粒子の断層面観察において、コア=シェル構造を有す
るトナーであり、(1)フロー式粒子像測定装置で測定
されるトナーの質量基準の円相当重量平均径D4(μ
m)に対し、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす
長径R(μm)を呈するトナー粒子の断層面を観察し、
(2)トナー粒子の断層面観察においてコア粒子が平均
膜厚0.005乃至0.75μmのシェル層によって被
覆されており、さらに(3)ワックスに由来する相分離
構造が存在し、(4)ワックス成分に起因する相分離構
造のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、
求められたr/Rの相加平均値(r/R)stが、0.
05≦(r/R)st≦0.95を満たすように、該ワ
ックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘
形の島状に分散されていることを特徴とする。
【0043】本発明のワックスは、コア=シェルを形成
するコア部の樹脂に対して層分離構造をとるものであ
る。ワックスと樹脂の層分離形態が結着樹脂中に実質的
に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることが
好ましい。
【0044】ワックス成分を含有するトナーの場合、保
存中にワックス成分がトナー粒子からしみ出したり、ト
ナー表面にワックス成分が局在したりして、ワックス成
分が現像装置内部を汚染し、時にはトナーの帯電特性や
スリーブコート性を悪化させるといった問題を生じるこ
とがある。ワックス成分を上記の如く分散させ、トナー
中に内包化させ、さらにトナー粒子表面をシェル層によ
って被覆することにより、トナーの劣化や画像形成装置
への汚染等を防止することができる。
【0045】トナー表面を被覆するシェル層の平均膜厚
としては、ワックスのしみだし防止と定着性の観点か
ら、0.005乃至0.75μm、さらに好ましくは
0.005乃至0.3μm、より好ましくは0.01乃
至0.2μmが好ましい。
【0046】更に、ワックスと樹脂の層分離形態は、
(r/R)stが0.05≦(r/R)st≦0.9
5、より好ましくは0.25≦(r/R)st≦0.9
0を満たす分散状態で結着樹脂中に実質的に球状及び/
又は紡錘形の島状に分散されていることが、定着時のワ
ックスに由来する離型効果向上とコア材の熱安定性の観
点から好ましい。
【0047】ワックスと樹脂の層分離が不完全な場合、
結着樹脂に対してワックスが可塑剤として働くために、
コアを形成する樹脂がワックス成分の樹脂の可塑効果に
よって軟化し、トナー粒子が機械的ストレスに対して容
易に破壊されやすくなって、現像容器内汚染を生じるた
め好ましくない。さらに、ワックスと樹脂の層分離が不
完全な場合、定着時にワックスが記録材上のトナー層と
定着ローラとの界面で、離型剤として作用しにくくな
り、定着装置へのトナー融着や記録材の定着ローラ巻き
付きといった問題を生じるため好ましくない。
【0048】このように、ワックスをトナーの結着樹脂
中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されて
いることによって、定着装置へのトナー融着や記録材の
定着ローラ巻き付きが更に改良され、連続的な画像出力
においても、耐久性に優れた良好なフルカラーの画像形
成が可能になる。
【0049】本発明においてトナーの断層面を観察する
具体的方法としては、第一の発明同様の観察方法によっ
て行うことができる。代表的な一例を図10bに示す。
後記の実施例で得られたトナー粒子は、トナー粒子がコ
ア=シェル構造を形成し、且つ、ワックス成分が外殻樹
脂中に内包化されていることが観測された。
【0050】本発明のトナー用樹脂に用いられるコアと
して使用可能な結着樹脂としては、トナーを製造する際
に用いられるものであれば特に限定されるものではな
い。
【0051】本発明のトナーのコアとして使用可能な結
着樹脂の具体例としては、以下の重合性単量体の重合
体、又は、重合性単量体単独の重合体の混合物、あるい
は、2種類以上の重合性単量体の共重合生成物が挙げら
れる。更に具体的には、スチレン−アクリル酸共重合体
あるいはスチレン−メタクリル酸系共重合体が好まし
い。
【0052】スチレン系重合性単量体としては、例えば
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロル
スチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及
びその誘導体が挙げられる。
【0053】アクリル酸エステル系重合性単量体として
は、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタ
クリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチル
アミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸
エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステ
アリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェ
ニルの如きアクリル酸エステル類、及びその誘導体が挙
げられる。
【0054】これらコアを形成する樹脂のガラス転移温
度としては、トナーの定着性及びカラートナーの混色性
を保持するために、通常、40〜90℃であり、45〜
80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
【0055】コアを形成する樹脂のガラス転移温度が4
0℃以下では、微弱な力でカプセル構造が破断しやす
く、保存中にトナー粒子同士が合一してトナーの流動性
が損なわれる、所謂、ブロッキング現象を発生しやすく
なるため好ましくない。また、コアを形成する樹脂のガ
ラス転移温度が90℃以上では、一定のグロスを持った
定着物を得るために定着器の温度を非常に高く設定する
必要が生じるため、消費エネルギーが甚大になり、ま
た、じっくりと定着熱エネルギーをトナーに与える必要
から、高速での定着が困難になるという問題が生じるた
め好ましくない。
【0056】本発明において、樹脂のガラス転移温度の
測定としては、DSC測定が使用できる。
【0057】DSC測定装置としては、高精度の内熱式
入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好まし
い。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用
できる。ガラス転移点は、サンプルを1回昇温−降温さ
せ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで昇温さ
せた時に測定されるDSC曲線の変極点から、定法によ
って求められる。
【0058】本発明のトナー用樹脂に用いられるシェル
は、有機物、無機物に限定するものではないが、高分子
状の有機物であることが好ましく、トナー用に使用可能
な公知の結着樹脂であることが更に好ましい。
【0059】本発明のトナーのシェルとして好適に用い
られる樹脂の特性としては、コア材よりも熱的、あるい
は機械的安定性の高い特性を有するものである。
【0060】本発明のトナーのシェルとして好適に用い
られる樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂が好ま
しく、また、以下の重合性単量体の重合体、又は、2種
類以上の重合性単量体の共重合生成物、あるいは、ポリ
カーボネート、オキサイド樹脂などの主鎖に酸素を含有
する樹脂、酸化ポリエチレンのごとき変性ポリアルキレ
ン系樹脂などの極性樹脂も好適に使用することができ
る。
【0061】本発明のトナーのシェルとしてのポリエス
テル樹脂は、通常、以下に示すような2価以上のアルコ
ール単量体および2価以上のカルボン酸単量体を組み合
わせて縮重合反応によって得られるものが好ましく用い
られる。
【0062】具体的に2価アルコール成分としては、例
えばポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキ
レンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ビスフェノールAのプロピレン付加
物等が挙げられる。
【0063】3価以上のアルコール成分としては、例え
ばソルビトール、1,4−ソルビタン、ぺンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、グリセロール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げら
れる。
【0064】また、酸成分としては、2価のカルボン酸
として、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン
酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、コハク酸、n−オクチルコハク酸、
イソオクチルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もし
くは低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0065】3価以上のカルボン酸としては、例えば
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカル
ボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパ
ン、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリッ
ト酸及びこれらの酸無水物、低級のアルキルエステル等
が挙げられる。これらの酸成分として、3価のカルボン
酸誘導体が好ましく用いられる。
【0066】本発明におけるポリエステルの製造方法
は、重縮合反応をする方法であれば特に限定されること
なく、上記の単量体を用いてエステル化、エステル交換
反応により製造することができる。
【0067】本発明のトナーのシェルとして用いる重合
性単量体の例としては、(メタ)アクリル系樹脂とし
て、ヘキサデシルアクリレート、メトキシカルボニルフ
ェニルアクリレート、フェニルアクリレート、メタクリ
ル酸メチル、シクロヘキシルメタクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレート、3,3−ジメチル2−ブチ
ルメタクリレート等が挙げられる。
【0068】スチレン系重合性単量体として、4−アセ
チルスチレン、4−ベンゾイルスチレン、3,4−ビフ
ェニルスチレン、4−ブロモスチレン、4−クロロ2−
メチルスチレン、クロロスチレン、2−エトキシカルボ
ニルスチレン、4−エトキシスチレン、2−エチルスチ
レン、4−フロロスチレン、2,3,4,5,6−ペン
タフロロスチレン、4−isoプロピルスチレン、2−
メトキシカルボニルスチレン、αメチルスチレン、4−
フェニルスチレン、スチレン等が挙げられる。
【0069】シェルを形成する樹脂のガラス転移温度と
しては、トナーの保存性及びカラートナーの混色性の相
反する特性を両立するために、コアを形成する樹脂のガ
ラス転移温度に対して、通常、5乃至80℃高いもので
あり、10乃至50℃高いものが好ましく、10乃至3
5℃高いものがより好ましい。
【0070】シェル層の厚みは、コア材を形成する樹脂
量とシェル材を形成する樹脂量の比率、トナーの粒子
径、粒径分布、およびトナー粒子形状によってコントロ
ール可能である。ここで、実用的なトナーとして要求さ
れるトナーの粒子径、粒径分布、およびトナー粒子形状
を一定とした場合、シェル層の厚みは、製造時のコア材
を形成する樹脂量とシェル材を形成する樹脂量の使用比
率によって容易にコントロールできる。
【0071】本発明のトナーにおいて、コア材を形成す
る樹脂量とシェル材を形成する樹脂量の使用質量比率
は、通常、100対0.5乃至100対100であり、
100対1乃至100対30が好ましく、更に、100
対1乃至100対20がより好ましい。これらの範囲に
コア材を形成する樹脂量とシェル材を形成する樹脂量の
使用質量比率を制御することで、本発明の好ましいシェ
ル膜厚を有するコア=シェル構造のトナーを形成するこ
とができる。
【0072】さらに、第二の発明であるトナーには、定
着時の離型性向上のためにワックス成分が含有されてお
り、ワックス成分としては、コアの結着樹脂中で実質的
に球状及び/又は紡錘形の島状に分散可能なものであれ
ば特に限定せずに使用可能である。
【0073】コアの結着樹脂中で実質的に球状及び/又
は紡錘形の島状に分散可能なワックス成分の例として
は、具体的に以下の化合物が挙げられる。
【0074】例えばシリコーン樹脂、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノ
ール樹脂、低分子量ポリエチレン又は低分子量ポリプロ
ピレンの如き脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系
石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなど
である。
【0075】これらのワックスから、種々の方法により
ワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好
ましく用いられる。また、分別後に酸化やブロック共重
合、グラフト変性を行っても良い。
【0076】中でも好ましく用いられるワックスは、低
分子量ポリプロピレン及びその副生成物、低分子量ポリ
エステルおよびエステル系ワックス、脂肪族の誘導体で
ある。
【0077】これらのうち、更に好ましいエステルワッ
クスの代表的化合物の例をエステルワックスの一般構造
式〜として以下に示す。
【0078】
【化1】 (式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4で
あり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示し、
且つR1とR2との炭素数差が10以上である基を示し、
n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0に
なることはない。)
【0079】
【化2】 (式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4で
あり、R1は炭素数が1〜40の有機基を示し、n及び
mは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になるこ
とはない。)
【0080】
【化3】 (式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3で
あり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示し、
且つR1とR2との炭素数差が10以上である基を示し、
3は炭素数が1以上の有機基を示し、n及びmは0〜
15の整数を示し、nとmが同時に0になることはな
い。)
【0081】
【化4】 (式中、R1及びR2は炭素数が1〜40の炭化水素基を
示し、nは2〜20の整数であり、且つR1及びR2は、
お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
【0082】
【化5】 (式中、R1及びR2は炭素数が1〜40の炭化水素基を
示し、nは2〜20の整数であり、且つR1及びR2は、
お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
【0083】更に好適なワックス成分の具体例として、
以下の化合物が挙げられる。
【0084】
【化6】
【0085】これらのワックスは定着時の離型性向上を
達成するために、トナー中に一般的に樹脂100質量部
当り1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部が
使用される。ワックス成分が1質量部未満の場合、ワッ
クスとしての離型効果がほとんど発揮できず、また、ワ
ックス成分が30質量部超では、コア=シェル構造中に
ワックスが収まりにくくなり、例えば、現像性悪化とい
った定着以外の弊害を生じやすくなるため好ましくな
い。
【0086】本発明に係るワックス成分は、示差走査熱
量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に5
0〜100℃の領域に最大吸熱ピークを示し、該最大吸
熱ピークを含む吸熱ピークの始点のオンセット温度が4
0℃以上であることが好ましく、特に該最大吸熱ピーク
のピーク温度と該オンセット温度の温度差が7〜50℃
の範囲であることが好ましい。
【0087】昇温時のDSC曲線において、上記温度領
域で溶融するワックス成分を用いることにより、他の添
加剤の分散性を良好なものとすることができると共に、
ワックス成分自身を前述の如き分散状態に容易にコント
ロールすることができる。
【0088】これによりトナーの良好な定着性はもとよ
り、該ワックス成分による離型効果が効果的に発現さ
れ、十分な定着領域が確保されると共に、従来から知ら
れるワックス成分による現像性、耐ブロッキング性や画
像形成装置への悪影響が排除されるのでこれらの特性が
格段に向上する。特に粒子形状が球形化するに従い、ト
ナーの比表面積は減少していくので、ワックス成分の分
散状態をコントロールすることは、非常に効果的なもの
となる。
【0089】更に高画質化を達成する目的でより微小な
潜像ドットを忠実に現像する必要があるが、そのために
はトナー粒子は重量平均径(D4)が4乃至9μmであ
ることが好ましい。重量平均径(D4)が4μm未満の
トナー粒子においては、感光体から中間転写体、中間転
写体から記録材、感光体から記録材等への、トナー粒子
の転写効率が低下し、未転写の残トナー付着が画像欠陥
の原因となるため本発明で使用するトナーには好ましく
ない。また、トナー粒子の重量平均径(D4)が9μm
を超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ
やすく、高画質化のための微小なドット再現が困難にな
るため好ましくない。
【0090】更に、トナーの質量基準の円相当重量平均
径D4(μm)と、トナー粒子の断層面観察におけるシ
ェル平均層厚との比は、コアシェル構造安定化と定着性
を両立する観点から、8乃至1800であることが好ま
しい。
【0091】本発明に好適なトナー形状としては、トナ
ーの個数基準の粒径頻度分布における円相当個数平均径
(D1粒子径)が2乃至10μmであり、円形度頻度分
布における平均円形度が0.920乃至0.995で、
円形度標準偏差が0.040未満であることが、トナー
のコア=シェル構造を形成するために好ましい。
【0092】トナーの個数基準の粒径頻度分布における
円相当個数平均径を2乃至10μmと小粒径化すること
により、転写性と現像性をバランス良くすることが可能
になる。さらに、トナーの円形度頻度分布の円形度標準
偏差を0.040未満とすることで、転写性が更に良好
なものとなる。
【0093】本発明におけるトナーの円相当個数平均
径、円形度及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形
状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−10
00型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式
を用いて算出した。
【0094】
【数2】
【0095】ここで、「粒子投影面積」とは二値化され
たトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」
とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線
の長さと定義する。
【0096】本発明における円形度はトナー粒子の凹凸
の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の
場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形
度は小さな値となる。
【0097】本発明において、トナーの個数基準の粒径
頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径と粒径標
準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心
値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0098】
【数3】
【0099】また、円形度頻度分布の平均値を意味する
平均円形度と円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割
点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとする
と、次式から算出される。
【0100】
【数4】
【0101】具体的な測定方法としては、容器中に予め
不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意
し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を
0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段
としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社
製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着した
ものを用い、1〜5分間分散処理を用い、測定用の分散
液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上となら
ない様に適宜冷却する。
【0102】トナー粒子の形状測定には、前記フロー式
粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が30
00〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整
し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、こ
のデータを用いて、トナーの円相当個数平均径や円形度
頻度分布等を求める。
【0103】本発明のコア=シェル構造を有するトナー
の製造方法は、コア=シェル構造を形成可能な方法であ
ればなんら限定するものではなく、一般的なin−Si
tu重合法、二段重合法、多段重合法等の公知の重合法
によるトナー製造方法、トナー粒子径より小さい重合樹
脂粒子を形成した後、相互凝集してトナー粒径にする重
合凝集トナー製造法、粉砕法によりコア粒子を形成し、
機械的表面処理によってトナー粒子表面にシェル層を形
成する乾式機械処理によるトナーの製造方法など、公知
の方法が使用できる。
【0104】これらの製造方法の中で、製造工程の簡略
化およびコア=シェル構造の均一化の観点から、in−
Situ重合法、二段重合法、多段重合法が好ましく用
いられる。
【0105】具体的に、コア=シェル構造を形成するト
ナー粒子の製造方法の一例として、二段重合方法による
トナーの製造方法について説明する。
【0106】二段重合法でのトナーの製造方法例として
は、重合性単量体、架橋剤、重合開始剤、ワックス、顔
料、及び、その他の添加剤等を混合分散し、懸濁分散安
定剤の存在下、水系中で懸濁重合することにより、コア
用重合性着色樹脂粒子を調製し〔第1の重合〕、コア用
重合性着色樹脂粒子が一定の転化率に達した後、次い
で、該コア粒子の存在下に、シェル用重合性単量体を適
量加え、重合を進行させ〔第2の重合〕、コア粒子を被
覆する重合体層を形成すると共にコアの重合体の重合を
完結させることにより重合性着色樹脂粒子を合成し、固
液分離、乾燥の後分級を行なうことによって、本発明に
係るトナーを得ることができる。
【0107】上記懸濁分散安定剤の具体的な例として
は、例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、
リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜
鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ
ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベ
ントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等
が挙げられる。有機系化合物としては、例えばポリビニ
ルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒ
ドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が
水相に分散させて使用される。これら分散剤は、重合性
単量体100質量部に対して0.2乃至10質量部を使
用することが好ましい。
【0108】また本発明のトナーに使用しうる着色剤と
しては、従来より知られている無機、有機の染料・顔料
が使用可能である。具体的には次の様なものが挙げられ
る。
【0109】イエロー用着色顔料の具体例としては、縮
合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノ
ン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド
化合物に代表される化合物が用いられる。さらに具体的
には、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,
5,6,7,10,11,12,13,14,15,1
6,17,23,65,73,83,93,94,9
5,97,109,110,111,120,127,
128,129,147,168,174,176,1
80,181,191、C.I.バットイエロー1,
3,20等が挙げられる。また、黄鉛、カドミウムイエ
ロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、
ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネン
トイエローNCG、タートラジンレーキなども使用する
ことができる。
【0110】マゼンタ用着色顔料の具体例としては、
C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,
7,8,9,10,11,12,13,14,15,1
6,17,18,19,21,22,23,30,3
1,32,37,38,39,40,41,48,4
9,50,51,52,53,54,55,57,5
8,60,63,64,68,81,83,87,8
8,89,90,112,114,122,123,1
63,202,206,207,209、C.I.ピグ
メントバイオレット19、C.I.バットレッド1,
2,10,13,15,23,29,35等が挙げられ
る。
【0111】さらに染料としては、C.I.ソルベント
レッド1,3,8,23,24,25,27,30,4
9,81,82,83,84,100,109,12
1、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ディスパ
ースバイオレット1等の油溶染料;C.I.べーシック
レッド1,2,9,12,13,14,15,17,1
8,22,23,24,27,29,32,34,3
5,36,37,38,39,40等の塩基性染料;
C.I.アシッドレッド1、C.I.ダイレクトレッド
1,4、C.I.モーダントレッド30等が挙げられ
る。
【0112】シアン用着色顔料の具体例としては、C.
I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.
I.べーシックブルー3,5、C.I.バットブルー
6、C.I.ダイレクトブルー1,2、C.I.アシッ
ドブルー9,15,45、C.I.モーダントブルー
7、又は銅フタロシアニン顔料等がある。
【0113】黒用着色顔料の具体例としては、カーボン
ブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、オ
イルブラック等がある。また、色用の着色剤を混合し、
黒色着色剤として使用することも可能である。
【0114】また、上記着色剤の他に、チタンホワイ
ト、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.べーシッ
クグリーン4,6、ピグメントグリーンB、マラカイト
グリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、クロ
ムグリーン、モリブデンオレンジ、パーマネントオレン
ジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジ
G、C.I.べーシックバイオレット1,3,7,1
0,14,15,21,25,26,27,28、C.
I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,2
7、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ等を使用して、上記色以外の色トナー用
着色剤として使用することも可能である。
【0115】これらは、単独、あるいは組み合わせて使
用することができ、通常、電子写真特性的観点及び透過
性の観点から、結着樹脂100質量部に対して0.1〜
60質量部、好ましくは0.5〜20質量部使用され
る。
【0116】本発明のトナー中の架橋成分に関してなん
ら限定するものではないが、トナー特性向上のために、
以下に例示する架橋性重合性単量体を含有することが好
ましい。
【0117】架橋性重合性単量体としては主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する重合性単量体が用い
られる。
【0118】具体例としては、2官能の架橋剤、例えば
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ビス(4−ア
クリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレン
グリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコー
ルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコール#200、#400、#600の各ジアクリ
レート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型
ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上のア
クリレートをメタクリレートにかえたものが挙げられ
る。
【0119】多官能の架橋剤としてペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエス
テルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビ
ス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロ
パン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、
トリアリルアソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレン
デート等が挙げられる。
【0120】これらの架橋性重合単量体のうち好適に用
いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビ
ニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で
結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0121】トナー特性向上のために、これら架橋剤は
他の重合単量体成分100質量部に対して、0.01〜
5質量部程度、更には0.03〜3質量部用いることが
好ましい。
【0122】本発明に用いられる結着樹脂を得るため
に、以下に例示するような重合開始剤を用いることが好
ましい。
【0123】具体的には、過酸化物系開始剤の例とし
て、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウ
レート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル4,4−ビス(t
−ブチルパーオキシ)バリレート、ジクミルパーオキサ
イド、及びこれらの誘導体、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどの過硫酸塩が挙げられる。
【0124】また、アゾ系及びジアゾ系開始剤の例とし
て、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’
−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)など及びこれらの誘導体が挙げ
られる。
【0125】これら重合開始剤は、単独で使用してもよ
く、また複数併用して使用しても良い。その使用量は重
合性単量体100質量部に対し、0.05〜15質量
部、より好ましくは0.5〜10質量部の濃度で用いら
れる。
【0126】また、本発明のトナーは、分子量に関して
なんら限定するものではないが、テトラヒドロフラン溶
媒に可溶な成分のGPCにより測定される分子量分布に
おいて、数平均分子量(Mn)が8000乃至3000
0であることがトナーの保存性及び定着性の点で好まし
く、さらに、数平均分子量(Mn)が8000乃至30
000で且つ重量平均分子量(Mw)が50,000乃
至500,000であることが更に好ましい。
【0127】また、本発明では分子量をコントロールす
る目的で、公知の連鎖移動剤を添加しても良い。連鎖移
動剤の具体例としては、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭
化酢酸エチル、三臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼ
ン、二臭化エタン、二塩化エタンの如きハロゲン化炭化
水素化合物;ジアゾチオエーテル、ベンゼン、エチルベ
ンゼン、イソプロピルベンゼンの如き炭化水素類化合
物;ターシャリードデシルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタンの如きメルカプタン化合物;ジイソプロピ
ルザントゲンジスルフィドの如きジスルフィド化合物;
α−メチルスチレンダイマーのごときオリゴマー等が挙
げられる。
【0128】これらの連鎖移動剤の添加量は、分子量を
コントロールする目的を達成する量として一般的に0.
001〜15質量部が使用される。
【0129】本発明のトナーには、公知の荷電制御剤が
使用できる。荷電制御剤にはトナーを負帯電性に制御す
るものと、トナーを正帯電性に制御するものがある。
【0130】トナーを負荷電性に制御するものの例とし
て下記物質がある。具体的には、有機金属化合物、キレ
ート化合物が有効であり、具体的には、モノアゾ金属化
合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキ
シカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物が
ある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族
モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エス
テル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などが
ある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、
含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモ
ニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレ
ン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重
合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノン
メタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。
【0131】トナーを正荷電性に制御するものの具体例
として下記物質がある。具体的には、ニグロシン及び脂
肪酸金属塩等による変性物、グアニジン化合物、イミダ
ゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−
ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルア
ンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニ
ウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等の
オニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタ
ン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、
りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングス
テンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子
酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級
脂肪酸の金属塩:ジブチルスズオキサイド、ジオクチル
スズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなど
のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、
ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレー
トなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或
は2種類以上組合せて用いることができる。これらの中
でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制
御剤が特に好ましく用いられる。
【0132】本発明のトナーにおいては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上の目的で、外添剤をトナー
粒子に外添することが好ましい。外添剤の具体的な例と
しては、シリカ微粉末、アルミナ微粉末、酸化チタン微
粉末、又はそれらの疎水化処理粉末、各種樹脂粒子、脂
肪酸金属塩等が挙げられ、これら単独あるいは複数併用
して用いられることが好ましい。
【0133】本発明に好適に用いられる外添剤は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g
以上(特に30〜400m2/g)の範囲内のものであ
る。使用量としては、トナー粒子100質量部に対して
外添剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量
部使用するのが良い。該外添剤は、必要に応じ、疎水化
及び帯電性コントロールの目的で、表面処理剤で処理す
ることが好ましい。表面処理剤の具体例としては、シリ
コーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーン
オイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリン
グ剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の
有機ケイ素化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独
でもあるいは混合して使用しても良い。
【0134】更に公知の滑剤粉末をトナーに添加しても
良い。滑剤粉末としては例えばテフロン(登録商標)、
ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボ
ンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸
金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;
硫化モリブデンが挙げられる。
【0135】更に次に示す公知の無機粉体を添加するこ
とも好ましい。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セ
リウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガ
ン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化
物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタ
ン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属
塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸
化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物,
カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末が挙げ
られる。
【0136】これらのうち、酸化亜鉛、酸化アルミニウ
ム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロン
チウム、チタン酸マグネシウムの微粉体が好ましい。
【0137】(2)画像形成方法 次に、本発明の画像形成方法について述べる。
【0138】本発明の特徴の一つは記録材に定着画像を
形成する画像形成方法にある。
【0139】図1を参照しながら本発明の画像形成方法
の一例をより具体的に説明する。
【0140】図1は画像形成装置の一例の概略構成図で
ある。本例の画像形成装置は電子写真プリンタである。
【0141】101は有機感光体やアモルファスシリコ
ン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢
示の方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆
動される。
【0142】感光体ドラム101は、その回転過程で帯
電ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様
な帯電処理を受ける。
【0143】次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レ
ーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103
による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レー
ザ光学箱110は、不図示の画像読み取り装置等の画像
信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル
画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光1
03を出力して、回転感光体ドラム101面に走査露光
した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0144】次いでその静電潜像に対して、適切な現像
電位差を与えられた現像装置104によって、静電潜像
を感光体ドラム101上にトナー画像として顕像化す
る。
【0145】そのトナー画像は、感光体ドラム101と
転写ローラ106との接触ニップ部である転写部におい
て、不図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれ
た記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ106
は、記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給す
ることで感光体ドラム101面側から記録材P側へトナ
ー画像を転写する。
【0146】転写部を通過した記録材Pは、感光体ドラ
ム101の面から分離されて像加熱装置(定着装置)1
00へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受
けて画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出
される。定着装置100については次の『(3)定着装
置(加熱手段)』で詳述する。
【0147】記録材Pに対するトナー画像転写後の感光
体ドラム101は、クリーナ107により転写残りトナ
ー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。こ
のクリーナ107は常時は中間転写体ドラム105に接
触状態に保持される。
【0148】本例装置は、カートリッジに充填するトナ
ーにモノカラートナーを用いることで、黒以外のモノカ
ラー画像のプリントモードも実行できる。また両面画像
プリントモード、或いは多重画像プリントモードも実行
できる。両面画像プリントモードの場合は、定着装置1
00を出た1面目画像プリント済みの記録材Pは、不図
示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び転写部
へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再
度、定着装置100に導入されて2面に対するトナー画
像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力さ
れる。
【0149】多重画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは不
図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び転
写部へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回
目のトナー画像転写を受け、再度、定着装置100に導
入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで
多重画像プリントが出力される。
【0150】一方、図2は他の画像形成装置の概略構成
図である。本例の画像形成装置は電子写真フルカラープ
リンタである。
【0151】101は有機感光体やアモルファスシリコ
ン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢
示の方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆
動される。
【0152】感光体ドラム101は、その回転過程で帯
電ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様
な帯電処理を受ける。
【0153】次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レ
ーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103
による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レー
ザ光学箱110は、不図示の画像読み取り装置等の画像
信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル
画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光1
03を出力して、回転感光体ドラム101面に走査露光
した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。1
09は、レーザ光学箱110からの出力レーザ光を感光
体ドラム101の露光位置に偏向させるミラーである。
【0154】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器
104Yの作動でトナー画像として現像される。そのト
ナー画像は、感光体ドラム101と中間転写体ドラム1
05との接触部(或いは近接部)である一次転写部T1
において中間転写体ドラム105の面に転写される。中
間転写体ドラム105面に対するトナー画像転写後の回
転感光体ドラム101面は、クリーナ107により転写
残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0155】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、
マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画
像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作
動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現
像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順
次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナ
ー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒ト
ナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写され
て、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像
が合成・形成される。
【0156】中間転写体ドラム105は、金属ドラム上
に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光
体ドラム101に接触して或いは近接して感光体ドラム
101と同じ周速度で矢示の方向に回転駆動され、中間
転写体ドラム105の金属ドラムにバイアス電位を与え
て感光体ドラム101との電位差で、感光体ドラム10
1側のトナー画像を前記中間転写体ドラム105面側に
転写させる。
【0157】上記の回転中間転写体ドラム105面に合
成・形成されたカラートナー画像は、前記回転中間転写
体ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部で
ある二次転写部T2において、前記二次転写部T2に不
図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた記録
材Pの面に転写されていく。転写ローラ106は、記録
材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給すること
で、中間転写体ドラム105面側から記録材P側へ合成
カラートナー画像を順次に一括転写する。
【0158】二次転写部T2を通過した記録材Pは、中
間転写体ドラム105の面から分離されて像加熱装置
(定着装置)100へ導入され、未定着トナー画像の加
熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図
示の排紙トレーに排出される。定着装置100について
は次の『(3)定着装置(加熱手段)』で詳述する。
【0159】記録材Pに対するカラートナー画像転写後
の回転中間転写体ドラム105は、クリーナ108によ
り転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。このクリーナ108は、常時は中間転写体
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像
の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に
接触状態に保持される。
【0160】また転写ローラ106も、常時は中間転写
体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転
写体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画
像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105
に記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0161】本例装置は、白黒画像などモノカラー画像
のプリントモードも実行できる。また両面画像プリント
モード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
両面画像プリントモードの場合は、定着装置100を出
た1面目画像プリント済みの記録材Pは、不図示の再循
環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2
へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再
度、定着装置100に導入されて2面に対するトナー画
像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力さ
れる。
【0162】多重画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは、
不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び
二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済み
の面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、定着装置
100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受
けることで多重画像プリントが出力される。
【0163】本発明の画像形成方法において、記録材上
のトナー乗り量は、黒トナーの他、マゼンタ,シアン,
イエローのような単色モノカラーの場合0.05乃至
0.80dg/m2が好ましく、0.1乃至0.7dg
/m2がより好ましく、0.1乃至0.5dg/m2が特
に好ましい。
【0164】0.05dg/m2未満の場合には、トナ
ーの着色力を大きくしたとしても、画像濃度の貧弱なも
のしか得られない。0.80dg/m2を超える場合に
は、本発明で謳っている効果が明確に発現されにくい。
【0165】次に、本発明の定着装置の例について説明
する。
【0166】本例では、発熱層と離型層に加えて弾性層
を有する加熱回転部材を有する定着装置を例示したが、
例えば、モノカラーの画像形成装置から出力される画像
を定着する際には、画像の品質などを損なわない限りに
おいて、弾性層を有しない構成も可能である。
【0167】その際には、後述の定着ベルトの構成にお
ける発熱層と離型層とを直接接触させれば良く、各層の
接着性を向上させるためにプライマー層を設けても良
い。
【0168】(3)定着装置(加熱手段)100 本発明の特徴の一つである定着装置について具体的に説
明するが、本発明の加熱定着装置は例示したものに限定
するものではなく、例えば励磁コイル部分をベルトの外
部に設置した構成の加熱定着装置であっても良い。
【0169】図3は、本発明における電磁誘導加熱方式
の定着装置100の要部の横断側面模式図、図4は要部
の正面模式図、図5は要部の縦断正面模式図を具体的に
示したものである。
【0170】本例装置100は図12の定着器と同様
に、円筒状の電磁誘導発熱性ベルトを用いた、加圧ロー
ラ駆動方式、電磁誘導加熱方式の装置である。図12の
装置と共通の構成部材・部分には同一の符号を付して再
度の説明を省略する。
【0171】磁場発生手段は、磁性コア17a・17b
・17c及び励磁コイル18からなる。
【0172】磁性コア17a・17b・17cは高透磁
率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったト
ランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは
100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いる
のがよい。
【0173】励磁コイル18には、図6に示すように給
電部18a・18bに励磁回路27を接続してある。こ
の励磁回路27は、20kHzから500kHzの高周
波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
【0174】励磁コイル18は、励磁回路27から供給
される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生
する。
【0175】16a・16bは横断面略半円弧状樋型の
ベルトガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせ
て略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベ
ルトである定着ベルト10をルーズに外嵌させてある。
【0176】前記ベルトガイド部材16aは、磁場発生
手段としての磁性コア17a・17b・17cと励磁コ
イル18を内側に保持している。
【0177】また、ベルトガイド部材16aには、図5
に示すように紙面垂直方向長手の良熱伝導部材40がニ
ップ部Nの加圧ローラ30との対向面側で、定着ベルト
10の内側に配設してある。
【0178】本例においては、良熱伝導性部材40にア
ルミニウムを用いている。前記良熱伝導部材40は熱伝
導率λが6.0×10-3[J/cm・sec・deg]
であり、厚さ1[mm]である。
【0179】また、良熱伝導部材40は、磁場発生手段
である励磁コイル18と磁性コア17a・17b・17
cから発生する磁場の影響を受けないように、この磁場
の外に配設してある。
【0180】具体的には、良熱伝導部材40を励磁コイ
ル18に対して磁性コア17cを隔てた位置に配設し、
励磁コイル18による磁路の外側に位置させて良熱伝導
体40に影響を与えないようにしている。
【0181】22は、ベルトガイド部材16bの内面平
面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイであ
る。
【0182】19は、磁性コア17a・17b・17c
及び励磁コイル18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁
するための絶縁部材である。
【0183】フランジ部材23a・23bは、ベルトガ
イド部材16a・16bのアセンブリの左右両端部に外
嵌し、前記左右位置を固定しつつ回転自在に取り付け、
定着ベルト10の回転時に前記定着ベルト10の端部を
受けて定着ベルトのベルトガイド部材長手に沿う寄り移
動を規制する役目をする。
【0184】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被
覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂な
どの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金
30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回
転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0185】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャ
ーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ
加圧バネ25a・25bを縮設することで、加圧用構成
ステイ22に押し下げ力を作用させている。これによ
り、ベルトガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の
上面とが定着ベルト10を挟んで圧接して所定幅の定着
ニップ部Nが形成される。
【0186】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動
による前記加圧ローラ30と定着ベルト10の外面との
摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用し、前記定着ベ
ルト10が、その内面が定着ニップNにおいて良熱伝導
部材40の下面に密着して摺動しながら、矢示の方向に
加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をも
ってベルトガイド部材16a・16bの外回りを回転状
態になる。
【0187】この場合、定着ニップ部Nにおける良熱伝
導部材40の下面と定着ベルト10の内面との相互摺動
摩擦力を低減化させるために、定着ニップ部Nの良熱伝
導部材40の下面と定着ベルト10の内面との間に耐熱
性グリスなどの潤滑剤を介在させる、あるいは良熱伝導
性部材40の下面を潤滑部材で被覆することもできる。
これは、良熱伝導部材40としてアルミニウムを用いた
場合のように表面滑り性が材質的によくない或いは仕上
げ加工を簡素化した場合に、摺動する定着ベルト10に
傷をつけて定着ベルト10の耐久性が悪化してしまうこ
とを防ぐものである。
【0188】良熱伝導部材40は長手方向の温度分布を
均一にする効果があり、例えば、小サイズ紙を通紙した
場合、定着ベルト10での非通紙部の熱量が、良熱伝導
部材40へ伝熱し、良熱伝導部材40における長手方向
の熱伝導により、非通紙部の熱量が小サイズ紙通紙部へ
伝熱される。これにより、小サイズ紙通紙時の消費電力
を低減させる効果も得られる。
【0189】また、図6に示すように、ベルトガイド部
材16aの曲面に、その長手に沿い所定の間隔を置いて
凸リブ部16eを形成具備させ、ベルトガイド部材16
aの曲面と定着ベルト10の内面との接触摺動抵抗を低
減させて定着ベルト10の回転負荷を少なくしている。
このような凸リブ部はベルトガイド部材16bにも同様
に形成具備することができる。
【0190】図7は交番磁束の発生の様子を模式的に表
したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表
す。磁性コア17a・17b・17cに導かれた交番磁
束Cは、磁性コア17aと磁性コア17bとの間、そし
て磁性コア17aと磁性コア17cとの間において定着
ベルト10の電磁誘導発熱層1に渦電流を発生させる。
この渦電流は電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁
誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生させる。
ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通る磁束の密度
によって決まり、図7のグラフような分布を示す。図7
のグラフは、縦軸が磁性コア17aの中心を0とした角
度θで表した定着ベルト10における円周方向の位置を
示し、横軸が定着ベルト10の電磁誘導発熱層1での発
熱量Qを示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとし
た場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これ
は、定着に必要な発熱量が得られる領域である。
【0191】この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温
度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する
電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるよ
うに温調される。26は定着ベルト10の温度を検知す
るサーミスタなどの温度センサであり、本例においては
温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報を
もとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしてい
る。
【0192】而して、定着ベルト10が回転し、励磁回
路27から励磁コイル18への給電により上記のように
定着ベルト10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部
Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態におい
て、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像t
が形成された記録材Pが定着ニップ部Nの定着ベルト1
0と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着
ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて
画像面が定着ベルト10の外面に密着して定着ベルト1
0と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この
定着ニップ部Nを定着ベルト10と一緒に記録材Pが挟
持搬送されていく過程において定着ベルト10の電磁誘
導発熱で加熱されて、記録材P上の未定着トナー画像t
1が加熱定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過
すると回転定着ベルト10の外面から分離して排出搬送
されていく。記録材上の加熱定着トナー画像t2は定着
ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
【0193】本例においては、図3に示すように、定着
フィルム10のこの発熱域H(図7)の対向位置に暴走
時の励磁コイル18への給電を遮断するため、温度検知
素子であるサーモスイッチ50を配設している。
【0194】図8は本例で使用した安全回路の回路図で
ある。温度検知素子であるサーモスイッチ50は、+2
4V DC電源とリレースイッチ51と直列に接続され
ており、サーモスイッチ50が切れると、リレースイッ
チ51への給電が遮断され、リレースイッチ51が動作
し、励磁回路27への給電が遮断されることにより励磁
コイル18への給電を遮断する構成をとっている。サー
モスイッチ50はOFF動作温度を220℃に設定し
た。
【0195】また、サーモスイッチ50は定着フィルム
10の発熱域Hに対向して定着フィルム10の外面に非
接触に配設した。サーモスイッチ50と定着フィルム1
0との間の距離は約2mmとした。これにより、定着フ
ィルム10にサーモスイッチ50の接触による傷が付く
ことがなく、耐久による定着画像の劣化を防止すること
ができる。
【0196】本例によれば、装置故障による定着装置暴
走時、図13のような定着ニップNで発熱する構成とは
違い、定着ニップNに紙が挟まった状態で定着器が停止
し、励磁コイル18に給電が続けられ定着フィルム10
が発熱し続けた場合でも、紙が挟まっている定着ニップ
部Nでは発熱していないために紙が直接加熱されること
がない。また、発熱量が多い発熱域Hには、サーモスイ
ッチ50が配設してあるため、サーモスイッチ50が2
20℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点で、リ
レースイッチ51により励磁コイル18への給電が遮断
される。
【0197】本例によれば、紙の発火温度は約400℃
近辺であるため紙が発火することはなく、定着フィルム
の発熱を停止することができる。
【0198】温度検知素子としてサーモスイッチのほか
に温度ヒューズを用いることもできる。
【0199】本例では低軟化物質を含有させたトナーを
使用したため、定着装置にオフセット防止のためのオイ
ル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させて
いないトナーを使用した場合にはオイル塗布機構を設け
てもよい。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用
した場合にもオイル塗布や冷却分離を行ってもよい。
【0200】本発明の特徴の一つである定着装置の構成
について更に具体的に説明する。
【0201】A)励磁コイル18 励磁コイル18はコイル(線輪)を構成させる導線(電
線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の
細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回
巻いて励磁コイルを形成している。本例では10ターン
巻いて励磁コイル18を形成している。
【0202】絶縁被覆は、定着ベルト10の発熱による
熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよ
い。たとえば、アミドイミドやポリイミドなどの被覆を
用いるとよい。
【0203】励磁コイル18は外部から圧力を加えて密
集度を向上させてもよい。
【0204】励磁コイル18の形状は、図3のように発
熱層の曲面に沿うようにしている。本例では定着ベルト
の発熱層と励磁コイル18との間の距離は約2mmにな
るように設定した。
【0205】励磁コイル保持部材19の材質としては絶
縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノ
ール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹
脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
【0206】磁性コア17a・17b・17c及び励磁
コイル18と、定着ベルトの発熱層の間の距離はできる
限り近づけた方が磁束の吸収効率が高く、この距離が5
mmを超えるとこの効率が著しく低下するため5mm以
内にするのがよい。また、5mm以内であれば定着ベル
ト10の発熱層と励磁コイル18の距離が一定である必
要はない。
【0207】励磁コイル18の励磁コイル保持部材19
からの引出線すなわち18a・18b(図6)について
は、励磁コイル保持部材19から外の部分について束線
の外側に絶縁被覆を施している。
【0208】B)定着ベルト10 図9は本例における定着ベルト10の層構成模式図であ
る。本例の定着ベルト10は、電磁誘導発熱性の定着ベ
ルト10の基層となる金属ベルト等でできた発熱層1
と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層し
た離型層3の複合構造のものである。発熱層1と弾性層
2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のた
め、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。
略円筒形状である定着ベルト10において発熱層1が内
面側であり、離型層3が外面側である。前述したよう
に、発熱層1に交番磁束が作用することで前記発熱層1
に渦電流が発生して前記発熱層1が発熱する。その熱が
弾性層2・離型層3を介して定着ベルト10を加熱し、
前記定着ニップNに通紙される被加熱材としての記録材
Pを加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
【0209】a.発熱層1 発熱層1は、非磁性の金属でも良いが、より好ましくは
磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバ
ルト−ニッケル合金等の強磁性体の金属が良い。
【0210】その厚みは次の式で表される表皮深さより
厚くかつ200μm以下にすることが好ましい。表皮深
さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μ
と固有抵抗ρ[Ωm]で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0211】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収されている。
【0212】発熱層1の厚さは好ましくは1〜200μ
mがよい。発熱層1の厚みが1μmよりも小さいとほと
んどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪く
なる。また、発熱層が200μmを超えると剛性が高く
なりすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用する
には現実的ではない。
【0213】b.弾性層2 弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質で
ある。
【0214】弾性層2の厚さは、画像を印刷する場合に
記録材の凹凸あるいはトナー層の凹凸に加熱面(離型層
3)が追従できないとによる光沢ムラを予防するため
に、10〜500μmが好ましい。
【0215】弾性層2の厚さが10μm未満では、弾性
部材としての機能が発揮されず、定着時の圧力分布が不
均一となることによって、特にフルカラー画像定着時に
二次色の未定着トナーを十分に加熱定着することができ
ずに定着画像のグロスにおいてムラを生じるだけでな
く、溶融不十分なことによってトナーの混色性が悪化
し、高精細なフルカラー画像が得られず好ましくない。
また、弾性層2の厚さが500μmを超えると、定着時
の熱伝導性が阻害され、定着面での熱追従性が悪化する
ことにより、クイックスタート性が犠牲になるだけでな
く、定着ムラを生じやすくなるため好ましくない。
【0216】弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると記録
材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず、画像光沢ム
ラが発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度として
は、60°(J1S−A)以下、より好ましくは45°
(JlS−A)以下がよい。
【0217】弾性層2の熱伝導率λに関しては、 2.5×10-3〜8.2×10-3[J/cm・sec・
deg.] がよい。
【0218】熱伝導率λが2.5×10-3[J/cm・
sec・deg.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大
きく、定着ベルトの表層(離型層3)における温度上昇
が遅くなる。熱伝導率λが8.2×10-3[J/cm・
sec・deg.]よりも大きい場合には、硬度が高く
なりすぎたり、圧縮永久歪みが悪化する。
【0219】よって熱伝導率λは2.5×10-3〜8.
2×10-3[J/cm・sec・deg.]がよい。よ
り好ましくは3.3×10-3〜6.3×10-3[J/c
m・sec・deg.]がよい。
【0220】c.離型層3 離型層3はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリ
コーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、P
TFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択
することができる。
【0221】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。また、離型層が100μmを超
えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂
系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効
果がなくなってしまう。
【0222】本発明では、先述の低軟化点物質を含有し
たトナーの適用によって、トナー自身にも離型性があ
り、耐久性が向上する。
【0223】d.断熱層 また、定着ベルト10構成において、発熱層1のベルト
ガイド面側(発熱層1の弾性層2とは反対面側)に断熱
層(不図示)を設けてもよい。
【0224】断熱層としては、フッ素樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEE
K樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTF
E樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0225】また、断熱層の厚さとしては10〜100
0μmが好ましい。断熱層の厚さが10μmよりも小さ
い場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不足す
る。一方、1000μmを超えると磁性コア17a・1
7b・17c及び励磁コイル18から発熱層1までの距
離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなく
なる。
【0226】断熱層は、発熱層1に発生した熱が定着ベ
ルトの内側に向かわないように断熱できるので、断熱層
がない場合と比較して記録材P側への熱供給効率が良く
なる。よって、消費電力を抑えることができる。
【0227】C)ニップ 本発明の加熱定着装置における回転加熱部材と加圧部材
からなる定着ニップ部Nは、良好な定着性を確保するた
めに、幅5.0〜15.0mmのニップを形成している
とが好ましい。定着ニップN部の幅が5.0mm未満で
は、フルカラー画像形成時、トナーを定着するための熱
量を十分に未定着トナーに与えることができなくなり、
トナーを溶融混色できず、不自然なカラー画像となるた
め好ましくない。
【0228】また、定着ニップN部の幅が15.0mm
を超えると、トナーを定着するための熱量は十分に与え
ることができるものの、定着時のホットオフセットが発
生し易くなり、また、定着ニップ部Nの両端部(定着フ
ィルム10の上流側端部及び下流側端部)において曲率
変化が大きくなりすぎ、定着フィルム10の耐久性が著
しく悪化するため好ましくない。
【0229】D)面圧 本発明の加熱定着装置におけるニップ部の圧力(面圧)
は、記録材を介した状態で、面圧9〜500kN/m2
の範囲が好ましく、面圧30〜350kN/m2の範囲
がより好ましい。面圧が9kN/m2未満であると、記
録材の搬送ブレを発生しやすく、さらに定着圧力不足に
よる定着不良が起こるので好ましくない。また、面圧が
500kN/m2を超える場合、定着フィルム10の耐
久劣化が著しく悪化するため好ましくない。
【0230】ここでの面圧は、転写材に加えられる圧力
と、当接されている長さLRから、次式で算定する。
【0231】
【数5】
【0232】転写材に加えられる圧力の調節は、図4に
おけるバネ25a・25bのバネ圧により行うことがで
きる。すなわち、25a・25bに使用するバネのバネ
定数を任意に変更することによって、面圧を制御する。
また、バネ止め位置29a・29bと加圧ローラ30の
距離を制御することによって、面圧を制御することも可
能である。
【0233】E)定着フィルム10の周長、及び、定着
スピード 本例においては、電磁誘導により発熱する定着フィルム
10の周長及び定着フィルム10が一回転するのに要す
る時間を以下のように設定することによって、安定した
定着性を確保したまま、クイックスタートを実現し、か
つ消費電力を小さくしている。
【0234】定着フィルム10の発熱層1は薄いために
熱容量が小さく、また、金属のために熱伝導率が良いた
め放熱性がよい。そのため、定着フィルム10の周長L
が200mmを超える場合、定着フィルム10が一回転
する間の温度低下が大きすぎて、クイックスタートがで
きなくなる。また、周長の増加に伴う加熱面積の増加に
より、消費電力が大きくなってしまう。このため、定着
フィルム10の周長Lは200mm以下が望ましい。
【0235】一方、定着フィルム10の周長Lが70m
m未満の場合、定着ニップ部Nの両端部(定着フィルム
10の上流側端部及び下流側端部)において曲率変化が
大きくなりすぎ、定着フィルム10の耐久性が著しく悪
化する。このため、定着フィルム10の周長Lは70m
m以上が望ましい。
【0236】また、定着フィルム10の回転移動速度
(定着速度)は、5乃至300mm/secが実用性と
定着性を両立して確保する上で好ましく、50乃至28
0mm/secがより好ましい。
【0237】定着フィルム10の回転移動速度(定着速
度)が5mm/sec未満では、たとえオンデマンド定
着を実現しても出力の時間がかかり実用的でない。ま
た、300mm/secを超えると、定着フィルム10
を安定して回転させることができず、定着フィルム10
を破損してしまう。このため、定着フィルム10の回転
移動速度Vとしてのプロセススピードは300mm/s
ec以下が望ましい。
【0238】また、図12は、励磁コイルの交番磁束分
布を定着ニップに集中させて効率を向上させた電磁誘導
加熱方式の定着装置の一例の概略構成である。
【0239】10は電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体
層、抵抗体層)を有する、電磁誘導発熱性の回転体とし
ての円筒状の定着フィルムである。
【0240】16は横断面略半円弧状樋型のフィルムガ
イド部材であり、円筒状定着フィルム10はこのフィル
ムガイド部材16の外側にルーズに外嵌させてある。
【0241】15はフィルムガイド部材16の内側に配
設した磁場発生手段であり、励磁コイル18とE型の磁
性コア(芯材)17とからなる。30は弾性加圧ローラ
であり、定着フィルム10を挟ませてフィルムガイド部
材16の下面と所定の圧接力をもって所定幅の定着ニッ
プ部Nを形成させて相互圧接させてある。上記磁場発生
手段15の磁性コア17は定着ニップ部Nに対応位置さ
せて配設してある。
【0242】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動
による該加圧ローラ30と定着フィルム10の外面との
摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用して、該定着
フィルム10が、その内面が定着ニップ部Nにおいてフ
ィルムガイド部材16の下面に密着して摺動しながら、
矢示の方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応し
た周速度をもってフィルムガイド部材16の外回りを回
転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0243】フィルムガイド部材16は、定着ニップ部
への加圧・磁場発生手段15としての励磁コイル18と
磁性コア17の支持、定着フィルム10の支持、該フィ
ルム10の回転時の搬送安定性を図る役目をする。この
フィルムガイド部材16は磁束の通過を妨げない絶縁性
の部材であり、高い荷重に耐えられる材料が用いられ
る。
【0244】励磁コイル18は、不図示の励磁回路から
供給される交番電流によって交番磁束を発生する。交番
磁束は、定着ニップ部Nの位置に対応しているE型の磁
性コア17により定着ニップ部Nに集中的に分布し、そ
の交番磁束は定着ニップ部Nにおいて定着フィルム10
の電磁誘導発熱層に渦電流を発生させる。この渦電流
は、電磁誘導発熱層の固有抵抗によって電磁誘導発熱層
にジュール熱を発生させる。
【0245】この定着フィルム10の電磁誘導発熱は、
交番磁束を集中的に分布させた定着ニップ部Nにおいて
集中的に生じて定着ニップ部Nが高効率に加熱される。
【0246】定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検
知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流
供給が制御されることで、所定の温度が維持されるよう
に温調される。
【0247】而して、加圧ローラ30が回転駆動され、
それに伴って円筒状の定着フィルム10がフィルムガイ
ド部材16の外回りを回転し、励磁回路から励磁コイル
18への給電により上記のように定着フィルム10の電
磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立
ち上がって温調された状態において、不図示の画像形成
手段部から搬送された未定着トナー画像t1が形成され
た記録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧
ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着フィルム
面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面
が定着フィルム10の外面に密着して定着フィルム10
と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定
着ニップ部Nを定着フィルム10と一緒に記録材Pが挟
持搬送されていく過程において定着フィルム10の電磁
誘導発熱で加熱されて記録材P上の未定着トナー画像t
1が加熱定着される。記録材Pは、定着ニップ部Nを通
過すると回転定着フィルム10の外面から分離して排出
搬送されていく。
【0248】上述したように、本発明のトナーと、電磁
誘導加熱方式の定着装置を組み合わせることによって、
電磁誘導加熱方式の定着装置の利点であるクイックスタ
ート性及び省電力に優れた点を生かしつつ、優れた均一
性のある定着画像が安定して得られるようになる。
【0249】すなわち、トナーの定着フィルムへの融着
軽減のみならず、ワックスの酸価と水酸基価を制御する
ことでワックスによるフィルム劣化を抑制し、均一性の
ある定着画像が安定して得られる。
【0250】また、トナーが有する離型作用効果によっ
て、従来のローラ定着で使用していた定着時のシリコー
ンオイル等の離型性が全く不要なフルカラー画像形成が
可能になる。
【0251】かくして、本発明のトナーは、これらの性
能を高次元でバランスした、まさに電子写真用の材料と
して格好のトナーである。
【0252】
【実施例】以下、本発明をトナー製造例及び実施例によ
り具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定する
ものではない。尚、以下の配合における部数は全て質量
部である。
【0253】トナー製造例(1) 二段重合方法によるコア=シェル構造を有するトナー製
造例を示す。
【0254】高速撹拌装置TK−ホモミキサーを具備し
た2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水71
0部と0.1mol/L−Na3PO4水溶液450部を
添加し、回転数を120S-1(7000rpm)に調整
し、60℃に加温せしめた。ここに1.0mol/L−
CaCl2水溶液68部を徐々に添加し、微小な難水溶
性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製し
た。
【0255】一方、 ・スチレン単量体/2−エチルヘキシルアクリレート単量体混合物 100部 (樹脂の設定Tg=55℃) ・エチレングリコールジアクリレート単量体 0.2部 ・カーボンブラック(一次粒子径40nm) 6.5部 ・テトラエステルワックス 5部 (Mn:320,Mw:430,Mw/Mn:1.34) ・ベンジル酸ホウ素化合物 1部 上記材料をボールミルを用い3時間分散させた後、ボー
ルミルより内容物を単離した。この内容物に対して、重
合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)3部を添加した後、該重合性単量体組
成物を、前記水系分散媒体中に投入し回転数120S-1
を維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌し
つつ60℃で重合を行った〔第1の重合〕。
【0256】重合開始後4時間経過した後、該重合粒子
を含む分散溶液に、シェル材となる単量体として、スチ
レン単量体(単独重合体のTg=100℃)10部を添
加し、順次、過硫酸カリウム(5%水溶液)10部を加
え、80℃で5時間重合させ重合反応を完結させた〔第
2の重合〕。
【0257】更に80℃で13.3kPa(100To
rr)以下の圧力で減圧蒸留することでトナー中の残存
単量体量を低減した。
【0258】なお、反応1終了時の重合転化率をガスク
ロマトグラフィーにより求めたところ、転化率はスチレ
ン単量体基準で83%であった。
【0259】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
て難水溶性分散剤Ca3(PO42を溶解し、濾過、水
洗、乾燥した後に風力分級によって所望の粒度に分級
し、重量平均径(D4)7.2μmの着色粒子(1)を
得た。
【0260】上記着色粒子(1)100部に対して流動
性向上剤として、ヘキサメチルジシラザンと、50mP
a・sのシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉
体(BET:300m2/g)1.5部をヘンシェルミ
キサーで乾式混合して、本発明のトナー(1)とした。
【0261】このトナー(1)のトナーの断面観察によ
るシェル厚は0.11μm、トナーの重量平均径
(D4)とシェル厚の比率は65、ワックスはトナー中
に紡錘形の島状で分散しており、(r/R)stの値は
0.13であった。
【0262】更に、得られたトナーの円相当個数平均径
1(μm)、平均円形度、円形度標準偏差の測定を行
ったところ、円相当個数平均径D1は6.2μm、平均
円形度0.979、円形度標準偏差0.033のトナー
であった。
【0263】トナー製造例(2) in−Situ重合方法によるコア=シェル構造を有す
るトナー製造例を示す。
【0264】高速撹拌装置TK−ホモミキサーを具備し
た2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水71
0部と0.1mol/L−Na3PO4水溶液450部を
添加し、回転数を120S-1に調整し、60℃に加温せ
しめた。
【0265】ここに1.0mol/L−CaCl2水溶
液68部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3
(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0266】一方、 ・スチレン単量体/2−エチルヘキシルアクリレート単量体混合物 100部 (樹脂の設定Tg=55℃) ・エチレングリコールジアクリレート単量体 0.2部 ・飽和ポリエステル樹脂 10部 (Tg=80℃、酸価11、ピーク分子量8500) ・カーボンブラック(一次粒子径40nm) 6.5部 ・モノエステルワックス 10部 (Mn:400,Mw:500,Mw/Mn:1.25) ・ベンジル酸ホウ素化合物 1部 上記材料をボールミルを用い3時間分散させた後、ボー
ルミルより内容物を単離した。この内容物に対して、重
合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)3部を添加した後、該重合性単量体組
成物を、前記水系分散媒体中に投入し回転数120S-1
を維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌し
つつ60℃で4時間重合を行い、さらにそのままの系で
80℃に昇温し、6時間重合させ重合反応を完結させ
た。更に80℃で13.3kPa以下の圧力で減圧蒸留
することでトナー中の残存単量体量を低減した。
【0267】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
て難水溶性分散剤Ca3(PO42を溶解し、濾過、水
洗、乾燥した後に風力分級によって所望の粒度に分級
し、重量平均径(D4)6.7μmの着色粒子(2)を
得た。
【0268】得られた着色粒子(2)に対して、トナー
製造例(1)と同様に乾式混合して、本発明のトナー
(2)を調製した。
【0269】このトナー(2)のトナーの断面観察によ
るシェル厚は0.10μm、トナーの重量平均径
(D4)とシェル厚の比率は65、ワックスはトナー中
に球形で分散しており、(r/R)stの値は0.42
であった。
【0270】更に、得られたトナーの円相当個数平均径
1(μm)、平均円形度、円形度標準偏差の測定を行
ったところ、円相当個数平均径D1は5.7μm、平均
円形度0.976、円形度標準偏差0.032のトナー
であった。
【0271】トナー製造例(3) トナー製造例(2)でシェル樹脂であるポリエステルの
量を0.5部に変更する他はトナー製造例(2)と同様
にして、トナー(3)を調製した。
【0272】トナー製造例(4) トナー製造例(2)で用いたワックスを使用しない他は
トナー製造例(2)と同様にして、トナー(4)を調製
した。
【0273】トナー比較製造例(1) トナー製造例(2)でシェル樹脂であるポリエステルを
使用しない他はトナー製造例(2)と同様にして、比較
トナー(1)を調製した。
【0274】トナー比較製造例(2) トナー製造例(2)でシェル樹脂であるポリエステル量
を80部にする他はトナー製造例(2)と同様にして、
比較トナー(2)を調製した。
【0275】以上、トナー製造例(1)〜(4)、比較
トナー(1)〜(2)についてトナー処方、トナーの重
量平均径(D4)、円相当個数平均径D1(μm)、平均
円形度、円形度標準偏差の測定値、トナーの断面観察に
よるシェル厚、トナーの重量平均径(D4)とシェル厚
の比率、ワックス分散状態、(r/R)st測定値結果
を表1にまとめる。
【0276】また、トナー(1)〜(4)、比較トナー
(1)〜(2)についてトナーの保存性試験を行った。
この評価結果を表1に併記した。
【0277】
【表1】
【0278】〔実施例1〜4〕 (1)画像形成装置例 本実施例に用いた画像形成装置について具体的に説明す
る。
【0279】図1は、本実施例に用いた電子写真プロセ
スを利用した600dpiレーザービームプリンタ(キ
ヤノン製:LBP−860)改造機の概略図である。本
実施例では、該定着装置を後述する電磁誘導定着装置に
交換して使用した。
【0280】感光体ドラム101は、基材上に有機光半
導体を有する感光層を有し、矢印方向に回転し、対抗し
接触回転する帯電ローラ102(導電性弾性層、芯金)
により感光体ドラム101上に約−600Vの表面電位
に帯電させる。露光103は、ポリゴンミラーにより感
光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせるこ
とで露光部電位が−100V、暗部電位が−600Vの
正電荷像が形成される。現像器104を用い、トナーを
感光体ドラム101上に反転現像方法を用いトナー像を
得た。さらに、特に感光体上にデジタル潜像を形成した
現像システムと組み合わせることで、潜像を乱さないた
めにドット潜像に対して忠実に現像することが可能とな
る。次に、該可視像を転写部材106により被転写体P
上に転写し、更に転写トナー104bは被転写体Pと共
に定着装置100を通過して定着され、永久画像を得
る。更に、感光体101上の転写残トナー104cはク
リーナー部材107により、残トナー用器107に回収
される。
【0281】本実施例に用いた加熱定着装置(加熱手
段)100について具体的に説明する。
【0282】加熱定着装置(加熱手段)100には、電
磁誘導加熱方式の装置を用いた。
【0283】図3は本例の定着装置100の要部の横断
側面模式図、図4は要部の正面模式図、図5は要部の縦
断正面模式図である。本例の加熱定着装置100におい
ては、従来のオイル塗布機構を省略したものを用いた。
【0284】磁場発生手段は磁性コア17a・17b・
17c及び励磁コイル18からなる。
【0285】磁性コア17a・17b・17cは、フェ
ライトである。また、励磁コイル18はコイル(線輪)
を構成させる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ
絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)
を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成してい
る。本例では10ターン巻いて励磁コイル18を形成し
ている。本例では、励磁コイルにおける励磁周波数の交
番電流を操作することで定着器ニップ部の温度を制御し
た。
【0286】図9(a)は本例における定着ベルト10
の層構成模式図である。本例の定着ベルト10は、電磁
誘導発熱性の定着ベルト10の基層となる金属ベルト等
でできた発熱層1と、その外面に積層した離型層3の複
合構造のものである。略円筒形状である定着ベルト10
において発熱層1が内面側であり、離型層3が外面側で
ある。
【0287】定着ベルト10の発熱層1には、厚み10
μmのニッケル層を用いた。また、離型層3は厚さ20
μmのフッ素樹脂を有するものを用いた。
【0288】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被
覆させた、耐熱性弾性フッ素ゴム30bとで構成されて
おり、加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャーシ側
のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ加圧バ
ネ25a・25bを縮設することで加圧用構成ステイ2
2に押し下げ力を作用させている。これにより、ベルト
ガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の上面とが定
着ベルト10を挟んで、80g/cm2の紙を介した状
態において面圧100kN/m2で圧接し、定着ニップ
部Nを6.5mm形成しているものである。
【0289】以上の条件で、常温常湿(25℃,50%
RH)環境下、トナー(1)〜(4)を順次、現像器1
04に充填し、未定着画像のトナー乗り量M/Sが0.
5dg/m2になるようトナー量を調整した後、プロセ
ス速度を117mm/secにして、黒ベタの画像出力
を行った。これらについて定着温度を165,175,
185,195℃となるよう定着装置を調整し、トナー
を定着した。得られた定着画像に対して、定着こすり試
験を行い、定着性について評価した。
【0290】〔比較例1〜2〕実施例1〜4と同様にし
て、比較トナー(1)〜(2)を用いて画像出力し、定
着性について評価した。
【0291】以上の定着試験結果を表2にまとめる。
【0292】
【表2】
【0293】実施例1〜4のトナーは低温定着性におい
て良好な結果となったが、これは、 トナーがコア=シェル構造をとり、コアのガラス転移
点が低いことに由来する低温定着性の効果が発揮された
こと、定着装置の定着領域において、未定トナー及び
記録材に対し十分な熱量と圧力を安定して与えることが
できたことの効果によるものであると考えられる。本実
施例1〜4によれば、低温定着が達成され省電力性に優
れたトナー及び画像形成方法が得られるものである。
【0294】〔実施例5〜8、比較例3〜4〕実施例1
〜4と同様の現像装置で定着温度を190℃に設定した
装置を用い、低温低湿(15℃,10%RH)環境下、
定着装置を十分室温になるまで放冷した状態から画像出
力を行うモード(クイックスタートモード)にて、トナ
ー(1)〜(4)、及び比較トナー(1)〜(2)を順
次現像器104に充填し、図11に示す画像を連続20
枚出力した。
【0295】得られたプリントアウト画像の1枚目と
5,10,20枚目に対して、定着こすり試験を行い定
着性を評価した。以上の定着試験結果を表3にまとめ
る。
【0296】
【表3】
【0297】〔実施例9〜12、比較例5〜6〕実施例
1〜4、及び比較例1〜2と同様の現像装置で定着温度
を190℃に設定した装置を用い、常温常湿(25℃,
50%RH)環境下、装置を停止させることなく連続で
画像出力を行う連続モードにて10000枚の耐久試験
を、トナー(1)〜(4)、及び比較トナー(1)〜
(2)について行った。
【0298】続いて、各々トナー耐久試験後の定着フィ
ルム表面の状態を観察し、後述の評価基準で定着フィル
ム表面劣化を評価した。
【0299】
【表4】
【0300】上記の実施例、並びに、比較例中に記載の
評価項目の説明とその評価基準について述べる。
【0301】[トナー評価] <1>保存性試験 初期のトナーの流動性に対して、トナーを50℃,5日
間放置したときのトナーの流動性の変化(トナーの耐ブ
ロッキング性)から評価した。 A:変化なし B:ほとんど変化なし C:若干流動性が変化したが、軽い振動を与えて流動性
が回復する D:かなり凝集し流動性が損なわれている
【0302】[プリントアウト画像評価] <1>定着評価 A4のCLC−SK紙(キヤノン製;105g/m2
に単位面積あたりのトナー質量を0.7mg/cm2
なるように調整し、濃度測定用の10mm×10mmベ
タ画像を多数有する未定着画像を出力する。定着装置の
温度を任意の温度に安定させた後、この未定着画像を定
着した。このときの得られた定着画像の画像濃度を求
め、摺擦前の画像濃度とした。
【0303】さらに、得られた定着画像を50g/cm
2の加重をかけたシルボン紙で2回摺擦し、摺擦後の画
像濃度を測定し、その画像濃度低下率から以下に基づい
て評価した。 A:0.02未満 B:0.02以上、0.07未満 C:0.07以上、0.2未満 D:0.2以上
【0304】[定着フィルム表面の劣化評価] <1>フィルム表面曇り 一定条件下での耐久試験後の定着フィルムに対して、表
面の長手方向について観察可能な部位(通常はニップ部
の上・下流側)を見つける。この部位に対して、観察す
るに十分な光量の蛍光灯のごとき光源を用い観察しやす
い状態にする。定着フィルム表面の観察は左、中央、右
側の3点について、未使用の定着フィルムと対比して行
った。得られた定着フィルム表面の観察結果を下記の基
準で評価し、各点の最悪評価をもってフィルム表面曇り
評価とした。 A:未使用の定着フィルム同等である B:未使用の定着フィルムに対し、若干光沢が低下して
いる C:未使用の定着フィルムに対し、かなり光沢が低下し
ている D:未使用の定着フィルムに対し、著しく曇っている
【0305】<2>フィルム表面スジ 一定条件下での耐久試験後の定着フィルムに対して、表
面の長手方向について観察可能な部位(通常はニップ部
の上・下流側)を見つける。この部位に対して、観察す
るに十分な光量の蛍光灯のごとき光源を用い観察しやす
い状態にする。定着フィルム表面の観察は左、中央、右
側の3点について、未使用の定着フィルムと対比して行
った。得られた定着フィルム表面の観察結果を下記の基
準で評価し、各点の最悪評価をもってフィルム表面スジ
評価とした。 A:スジが確認できない B:弱いスジが2本未満 C:弱いスジが5本未満、もしくは強いスジが1本未満 D:弱いスジが5本以上、もしくは強いスジが1本以上
【0306】〔比較例7〕実施例1において用いた定着
装置を、電磁誘導発熱性の離型層2の厚みを110μm
に変更した他は実施例1と同様の装置を用い、トナー
(1)を使用して未定着画像のトナー乗り量が0.5d
g/m2になるよう調整した後、図11に示す画像を出
力し、定着試験を行った。その画像を評価したところ、
定着画像のオフセット現象による定着不良が生じている
ことがわかった。このことより、この定着画像の定着不
良が発生した原因は、電磁誘導発熱性の定着ベルト10
の離型層2の厚みが厚すぎ、定着時のトナー粒子への熱
供給が画像定着に対して不足したために、トナーの溶融
不良を招いたのが原因と考えられる。
【0307】〔比較例8〕実施例1において用いた定着
装置を、電磁誘導発熱性の定着ベルト10の発熱層の厚
みを205μmに変更した他は同様にして、トナー
(1)を用いて、未定着画像のトナー乗り量が0.5d
g/m2になるよう調整した後、図11に示す画像を出
力し、定着試験を行った。その画像を評価したところ、
定着ムラが生じていることがわかった。この定着ムラ
は、そのほとんどが定着方向に対して垂直の方向に発生
していることから、定着時の定着ベルトのスリップが原
因であると考えられる。
【0308】〔比較例9〕実施例1において用いた定着
装置において、加圧バネ25a・25bを変更して、8
0g/cm2の紙を介した状態において面圧550kN
/m2になるよう改造した他は実施例1と同様の方法に
よって、トナー(1)を用いた画像出力を行った。得ら
れた定着画像を評価したところ、トナーの定着画像にオ
フセットによる画像欠陥が見られ、また、トナーのオフ
セットに由来する画像裏汚れが著しく見られた。
【0309】〔比較例10〕実施例1において、プロセ
ス速度を変更して、プロセス速度が310mm/sec
になるよう改造した他は実施例1と同様の方法によっ
て、トナー(1)を用いた画像出力試験を行った。その
結果、定着中に未定着画像を有する記録材が定着装置の
ニップ部を通過するときに、該定着装置の無端ベルトが
定着プロセス速度に追従できず、スリップして異音を発
生した。さらに、得られた定着画像を評価したところ、
トナーの定着画像が記録材の移動方向に乱されていた。
【0310】〔実施例13〕比較例10において、プロ
セス速度を変更して、プロセス速度が295mm/se
cになるよう改造した他は実施例1と同様の方法によっ
て、トナー(1)を用いた画像出力試験を行ったとこ
ろ、上記スリップ現象及びそれに由来する異常音は未発
生であり、得られた定着画像も良好であった。
【0311】以上、比較例10と実施例13から、定着
速度の適正範囲としては300mm/sec以内である
ことが好ましいことがわかった。
【0312】〔比較例11〕実施例1において用いた定
着装置を、図12に示したサーフ定着装置、すなわち、
フィルム加熱方式におけるトナー画像面と接し、且つフ
ィルム状部材のトナー画像と接する面と反対の面に設け
られた加熱手段の熱をトナー画像に付与する定着装置
(面圧127kN/m2;定着速度96mm/sec、
定着ニップ近傍温度が190℃、ウォームアップ20
秒)に変えた他は同様の方法によって、トナー(1)を
用いて10000枚の連続画像出力試験を行った。連続
画像出力後の定着フィルムの表面状態を評価したとこ
ろ、定着フィルムの表面に回転方向の無数の筋が発生し
ていることがわかった。これは、電磁誘導加熱方式に比
べて、サーフ定着装置の加熱手段の熱追従性が悪く、そ
の結果、画像先端を定着した後に熱供給が不足したた
め、画像後端での定着温度が好適な定着温度を大きく下
回ったことが主たる原因であると考えられる。従って、
かかる画像定着装置としては、熱応答性に劣るサーフ定
着装置は適さないことがわかった。
【0313】トナー製造例(5) 二段重合方法によるコア=シェル構造を有するトナー製
造例を示す。
【0314】高速撹拌装置TK−ホモミキサーを具備し
た2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水71
0部と0.1mol/L−Na3PO4水溶液450部を
添加し、回転数を120S-1(7000rpm)に調整
し、60℃に加温せしめた。ここに1.0mol/L−
CaCl2水溶液68部を徐々に添加し、微小な難水溶
性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製し
た。
【0315】一方、 ・スチレン単量体/2−エチルヘキシルアクリレート単量体混合物 100部 (樹脂の設定Tg=55℃) ・エチレングリコールジアクリレート単量体 0.2部 ・C.I.ピグメントブルー15 6部 ・テトラエステルワックス 5部 (Mn:320,Mw:430,Mw/Mn:1.34) ・ベンジル酸ホウ素化合物 1部 上記材料をボールミルを用い3時間分散させた後、ボー
ルミルより内容物を単離した。この内容物に対して、重
合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)3部を添加した後、該重合性単量体組
成物を、前記水系分散媒体中に投入し回転数120S-1
を維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌し
つつ60℃で重合を行った〔第1の重合〕。
【0316】重合開始後4時間経過した後、該重合粒子
を含む分散溶液の重合転化率をガスクロマトグラフィー
により求めたところ、スチレンモノマー基準の転化率は
83%であった。該重合粒子を含む分散溶液に、シェル
材となる単量体として、スチレン単量体(単独重合体の
Tg=100℃)10部を添加し、順次、過硫酸カリウ
ム(5%水溶液)10部を加え、80℃で5時間重合さ
せ重合反応を完結させた〔第2の重合〕。
【0317】更に80℃で13.3kPa(100To
rr)以下の圧力で減圧蒸留することでトナー中の残存
モノマー量を低減した。
【0318】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
て難水溶性分散剤Ca3(PO42を溶解し、濾過、水
洗、乾燥した後に風力分級によって所望の粒度に分級
し、重量平均径(D4)7.2μmの着色粒子(5)を
得た。
【0319】上記着色粒子(5)100部に対して流動
性向上剤として、ヘキサメチルジシラザンと、50mP
a・sのシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉
体(BET:300m2/g)115部をヘンシェルミ
キサーで乾式混合して、本発明のトナー(5)とした。
【0320】このトナー(5)のトナーの断面観察によ
るシェル厚は0.11μm、トナーの重量平均径
(D4)とシェル厚の比率は65、ワックスはトナー中
に紡錘形の島状で分散しており、(r/R)stの値は
0.13であった。
【0321】更に、得られたトナーの円相当個数平均径
1(μm)、平均円形度、円形度標準偏差の測定を行
ったところ、円相当個数平均径D1は6.2μm、平均
円形度0.979、円形度標準偏差0.033のトナー
であった。
【0322】トナー製造例(6)〜(8) トナー製造例(5)で用いた着色剤をC.I.ピグメン
トブルー15に換えてC.I.ピグメントレッド18、
C.I.ピグメントイエロー95、カーボンブラック
(一次粒子径40nm)をそれぞれ使用する以外は、ト
ナー製造例(5)と同様にして、トナー(6)〜(8)
を調製した。
【0323】トナー製造例(9) in−Situ重合方法によるコア=シェル構造を有す
るトナー製造例を示す。
【0324】高速撹拌装置TK−ホモミキサーを具備し
た2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水71
0部と0.1mol/L−Na3PO4水溶液450部を
添加し、回転数を120S-1に調整し、60℃に加温せ
しめた。
【0325】ここに1.0mol/L−CaCl2水溶
液68部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3
(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0326】一方、 ・スチレン単量体/2−エチルヘキシルアクリレート単量体混合物 100部 (樹脂の設定Tg=55℃) ・エチレングリコールジアクリレート単量体 0.2部 ・飽和ポリエステル樹脂 10部 (Tg=80℃、酸価11、ピーク分子量8500) ・C.I.ピグメントブルー15 3部 ・モノエステルワックス 10部 (Mn:400,Mw:500,Mw/Mn:1.25) ・ベンジル酸ホウ素化合物 1部 上記材料をボールミルを用い3時間分散させた後、ボー
ルミルより内容物を単離した。この内容物に対して、重
合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)3部を添加した重合性単量体組成物
を、前記水系分散媒体中に投入し回転数120S-1を維
持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ
60℃で4時間重合を行い、さらにそのままの系で80
℃に昇温し、6時間重合させ重合反応を完結させた。更
に80℃で13.3kPa以下の圧力で減圧蒸留するこ
とでトナー中の残存モノマー量を低減した。
【0327】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
て難水溶性分散剤Ca3(PO42を溶解し、濾過、水
洗、乾燥した後に風力分級によって所望の粒度に分級
し、重量平均径(D4)6.5μmの着色粒子(9)を
得た。
【0328】得られた着色粒子(9)に対して、トナー
製造例(5)と同様に乾式混合して、本発明のトナー
(9)を調製した。
【0329】このトナー(9)のトナーの断面観察によ
るシェル厚は0.10μm、トナーの重量平均径
(D4)とシェル厚の比率は65、ワックスはトナー中
に球形で分散しており、(r/R)stの値は0.42
であった。
【0330】更に、得られたトナーの円相当個数平均径
1(μm)、平均円形度、円形度標準偏差の測定を行
ったところ、円相当個数平均径D1は5.5μm、平均
円形度0.976、円形度標準偏差0.032のトナー
であった。
【0331】トナー製造例(10)〜(12) トナー製造例(9)で用いた着色剤をC.I.ピグメン
トブルー15に換えてC.I.ピグメントレッド18、
C.I.ピグメントイエロー95、カーボンブラック
(一次粒子径40nm)を各々使用する以外は、トナー
製造例(9)と同様にして、トナー(10)〜(12)
を調製した。
【0332】トナー製造例(13)〜(16) トナー製造例(9)で用いたワックスを使用せず、且
つ、トナー処方を表5に示すように変更した他はトナー
製造例(9)と同様にして、トナー(13)〜(16)
を調製した。
【0333】トナー比較製造例(3)〜(6) トナー製造例(9)〜(12)でシェル樹脂であるポリ
エステルを使用しない他はトナー製造例(9)〜(1
2)と同様にして、比較トナー(3)〜(6)を調製し
た。
【0334】トナー比較製造例(7) トナー製造例(9)でシェル樹脂であるポリエステル量
を80部にする他はトナー製造例(9)と同様にして、
比較トナー(7)を調製した。
【0335】以上、トナー製造例(5)〜(16)、比
較トナー(3)〜(7)についてトナー処方、トナーの
重量平均径(D4)、円相当個数平均径D1(μm)、平
均円形度、円形度標準偏差の測定値、トナーの断面観察
によるシェル厚、トナーの重量平均径(D4)とシェル
厚の比率、ワックス分散状態、(r/R)st測定値結
果を表5にまとめる。
【0336】また、トナー(5)〜(16)、比較トナ
ー(3)〜(7)についてトナーの保存性試験(評価方
法・基準は表1と同様)を行った。この評価結果を表5
に併記した。
【0337】
【表5】
【0338】〔実施例14〜17〕 (1)画像形成装置例 本実施例に用いた画像形成装置について具体的に説明す
る。図2は、本実施例に用いた二成分現像方式の電子写
真プロセスを利用した市販のフルカラー複写機CLC−
800(キヤノン製)の概略図である。本実施例では、
該定着装置を後述する電磁誘導定着装置に交換して使用
した。
【0339】感光体ドラム101は、基材上に有機光半
導体を有する感光層を有し、矢印方向に回転し、対抗し
接触回転する帯電ローラ102(導電性弾性層、芯金)
により感光体ドラム101上に約−600Vの表面電位
に帯電させる。露光103は、ポリゴンミラー109に
より感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさ
せることで露光部電位が−100V、暗部電位が−60
0Vの正電荷像が形成される。複数の現像器104Y、
104M、104C、104BKを用いイエロートナ
ー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを
感光体ドラム101上に反転現像方法を用いトナー像を
得た。該トナー像は、中間転写体105(弾性層、支持
体としての芯金)上に転写され中間転写体105上に四
色の色重ね顕色像が形成される。感光体101上の転写
残トナーはクリーナー部材107により、残トナー用器
107に回収される。
【0340】中間転写体105は、パイプ状の芯金にカ
ーボンブラックの導電付与部材をニトリル−ブタジエン
ラバー(NBR)中に十分分散させた弾性層をコーティ
ングした。該コート層の硬度は、「JIS K−630
1」に準拠し30度で、且つ体積抵抗値は、109Ω・
cmであった。感光体101から中間転写105への転
写に必要な転写電流は約5μAであり、これは電源より
+500Vを芯金上に付与することで得られた。
【0341】転写ローラ106は、直径10mmの芯金
上に、カーボンの導電性付与材をエチレン−プロピレン
−ジエン系三次元共重合体(EPDM)の発泡体中に十
分分散させたものをコーティングすることにより生成し
た弾性層の体積固有抵抗値が、106Ω・cmで、「J
IS K−6301」に準拠した硬度が35度の値を示
すものを用いた。転写ローラには電圧を印加して15μ
Aの転写電流を流した。
【0342】加熱定着装置(加熱手段)100には、上
記実施例1等で用いたものと同様の電磁誘導加熱方式の
装置を用いた。
【0343】但し、定着ベルト10として、図9(b)
に示す層構成のものを用いた。本例の定着ベルト10
は、電磁誘導発熱性の定着ベルト10の基層となる金属
ベルト等でできた発熱層1と、その外面に積層した弾性
層2と、その外面に積層した離型層3の複合構造のもの
である。略円筒形状である定着ベルト10において発熱
層1が内面側であり、離型層3が外面側である。
【0344】定着ベルト10の発熱層1には、厚み10
μmのニッケル層を用いた。また、弾性層2は、厚さ1
00μmシリコーンゴムで、「JIS K−6301」
に準拠した硬度は35度の値を示すものを用いた。ま
た、離型層3は厚さ20μmのフッ素樹脂を有するもの
を用いた。
【0345】面圧と定着ニップ部に関しては、ベルトガ
イド部材16aの下面と加圧ローラ30の上面とが定着
ベルト10を挟んで、80g/cm2の紙を介した状態
において面圧125kN/m2で圧接し、定着ニップ部
Nを8.5mm形成するようにした。
【0346】また、用いるトナーはCLC800用のキ
ャリアとの比率が8%になるように混合し現像剤とし
た。
【0347】以上の条件で、常温常湿(25℃,50%
RH)環境下、トナー(5)〜(8)を各々現像器10
4Y、104M、104C、104BKに充填し、画像
出力を行った。これらについて定着速度94mm/se
cの速度で、定着温度を160,170,180,19
0℃となるよう定着装置を調整し、トナーを定着した。
得られた定着画像に対して、定着こすり試験を行い、定
着性について評価した。
【0348】更に、これらトナー(5)〜(8)を用い
て、フルカラーの画像を形成したところ、フルカラーの
画像形成において、二次色でトナー濃度の高いベタ部に
おいても、定着光沢ムラが無く、定着性になんら問題の
ない定着画像が得られた。
【0349】〔実施例18〜21〕実施例14〜17と
同様にして、トナー(9)〜(12)を用いて画像出力
し、定着性について評価した。
【0350】更に、これらトナー(9)〜(12)を用
いて、フルカラーの画像を形成したところ、フルカラー
の画像形成において、二次色でトナー濃度の高いベタ部
においても、定着光沢ムラが無く、定着性になんら問題
のない定着画像が得られた。
【0351】〔実施例22〜25〕実施例14〜17と
同様にして、トナー(13)〜(16)を用いて画像出
力し、定着性について評価した。
【0352】更に、これらトナー(13)〜(16)を
用いて、フルカラーの画像を形成したところ、定着自体
には問題がないものの、二次色の高濃度部分において、
僅かに定着画像表面が荒れたような若干光沢ムラのある
定着画像が得られた。
【0353】〔比較例12〜15〕実施例14〜17と
同様にして、比較トナー(3)〜(6)を用いて画像出
力し、定着性について評価した。
【0354】更に、これら比較トナー(3)〜(6)を
用いて、フルカラーの画像を形成したところ、光沢ムラ
があり、特に二次色の高濃度部分において、定着画像の
部分的剥離が認められた。
【0355】〔比較例16〕実施例1と同様にして、比
較トナー(7)を用いて画像出力し、定着性について評
価した。評価方法・基準は表2の場合に準ずる。
【0356】以上の定着試験結果を表6にまとめる。
【0357】
【表6】
【0358】実施例14〜21のトナーは低温定着性に
おいて良好な結果となったが、これは、トナーがコア
=シェル構造をとり、コアのガラス転移点が低いことに
由来する低温定着性の効果が発揮されたこと、定着装
置の定着領域において、未定トナー及び記録材に対し十
分な熱量と圧力を安定して与えることができたことの効
果によるものであると考えられる。本実施例14〜21
によれば、低温定着が達成され省電力性に優れたトナー
及び画像形成方法が得られるものである。
【0359】〔実施例26〕実施例14において用いた
定着装置を、電磁誘導発熱性の定着ベルト10の弾性層
2の厚みを10μmにした定着装置に変えた他は実施例
14〜17で使用したトナーを用いてフルカラー画像出
力を行った。その画像を評価したところ、定着自体には
問題がないものの、二次色の高濃度部分において、定着
画像の光沢ムラが生じていることがわかった。さらに、
この定着画像の光沢ムラが生じている部分を、反射形の
光学顕微鏡で約300倍に拡大して観察した結果、トナ
ー粒子が一部溶融せずに残留しているのが観察された。
このことより、この定着画像の光沢ムラが生じたのは、
電磁誘導発熱性の定着ベルト10の弾性層2の厚みが不
足し、定着時の圧力がフルカラーの画像定着に対して必
要最低限の圧力となったために、トナーの部分的な溶融
不良を招いたのが原因と考えられる。
【0360】〔比較例17〕実施例14〜17において
用いた定着装置において、加圧バネ25a・25bを変
更して、80g/cm2の紙を介した状態において面圧
550kN/m2になるよう改造した他は同様の方法に
よって、トナー(5)〜(8)を用いたフルカラー画像
出力試験を行った。その画像を評価したところ、トナー
の定着画像にオフセットによる画像欠陥が見られ、ま
た、トナーのオフセットに由来する画像裏汚れが著しく
見られた。
【0361】〔比較例18〕実施例14〜17において
用いた定着装置において、定着速度を変更して、310
mm/secになるよう改造した他は実施例14〜17
同様の方法によって、トナー(5)〜(8)を用いたフ
ルカラー画像出力試験を行った。その結果、定着中に未
定着画像を有する記録材が定着装置のニップ部を通過す
るときに、該定着装置の無端ベルトが定着プロセス速度
に追従できず、スリップして異音を発生した。さらに、
得られた定着画像を評価したところ、トナーの定着画像
が記録材の移動方向に乱れていた。
【0362】〔実施例27〕比較例18の定着装置にお
いて、定着速度を変更して、295mm/secになる
よう改造し、同様のフルカラー画像出力試験を行ったと
ころ、上記スリップ現象及びそれに由来する異常音は未
発生であり、得られた定着画像も良好であった。
【0363】比較例18及び実施例27このことから、
定着速度の適正範囲としては300mm/sec以内に
抑えることが好ましい。
【0364】〔比較例19〕実施例14〜17において
用いた定着装置を、図12に示したサーフ定着装置、す
なわち、フィルム加熱方式におけるトナー画像面と接
し、且つフィルム状部材のトナー画像と接する面と反対
の面に設けられた加熱手段の熱をトナー画像に付与する
定着装置(面圧127kN/m2;定着速度96mm/
sec、定着ニップ近傍温度が190℃、ウォームアッ
プ20秒)に変えた他は同様の方法によって、トナー
(5)〜(8)を用いてフルカラー画像出力試験を行っ
た。その画像を評価したところ、画像先端と画像後端に
おいて、著しく光沢(グロス)の異なる画像が得られ
た。
【0365】この光沢(グロス)が不安定になったの
は、電磁誘導加熱方式に比べて、サーフ定着装置の加熱
手段の熱追従性が悪く、その結果、画像先端を定着した
後に熱供給が不足したため、画像後端での定着温度が好
適な定着温度を大きく下回ったことが主たる原因である
と考えられる。従って、かかるフルカラー画像定着装置
としては、熱応答性に劣るサーフ定着装置は適さないこ
とがわかった。
【0366】〔実施例28〕本実施例では、画像形成装
置をフルカラー画像形成装置であるキヤノン製クリエイ
ティブプロセッサ660を改造して実施した。
【0367】クリエイティブプロセッサ660の具体的
な変更点を示す。 a.加熱定着装置(加熱手段)100に、電磁誘導加熱
方式の装置を用いた。加熱定着装置の詳細は以下に示す
部分を除いては、実施例14と同様の構成を用いた。 b.励磁コイルにおける励磁周波数の交番電流を調整
し、定着器ニップ部近傍の温度が190℃になるよう設
定した。 c.定着ベルト10において、発熱層1は、ニッケルを
主とする厚み20μmの層を用いた。弾性層2は、シリ
コーンゴムで、「JIS K−6301」に準拠した硬
度は35度の値を示すのもを用い、厚さ100μmのも
のを用いた。離型層3はフッ素樹脂を有し、厚さ20μ
mのものを用いた。 d.バネ25a、25bを調節し、80g/cm2の紙
を介した状態において面圧85kN/m2になるように
した。 e.定着速度をプロセス速度に一致させた。
【0368】上記クリエイティブプロセッサ660改造
機を用い、一成分のトナー(9)〜(12)を充填した
カートリッジに変更して、温度23℃/湿度65%RH
の環境下で連続して1000枚の画像出力を行った。得
られた画像を評価したところ、フルカラーの画像形成に
おいて、二次色でトナー濃度の高いベタ部においても、
定着光沢ムラが無く、定着性に何ら問題のない高精細な
フルカラー画像が得られた。
【0369】〔実施例29〕実施例27におけるトナー
を、トナー(5)〜(8)に変えた他は実施例27と同
様にして1000枚の画像出力を行った。
【0370】得られた画像を評価したところ、初期画像
はフルカラーの画像形成において、二次色でトナー濃度
の高いベタ部においても、定着光沢ムラが無くなんら問
題のない定着画像であったが、約200枚すぎから画像
としては問題のないレベルではあるが、定着装置のフィ
ルム表面に極めて若干トナーの融着発生が確認された。
【0371】〔比較例20〕実施例27における定着装
置の定着ベルトにおいて、弾性層2の厚みを8.0μm
にした定着ベルトを使用した他は実施例27と同様の定
着装置、及び画像形成装置を用いることによりフルカラ
ー画像を出力した。その結果、複数の色が重なり合う二
次色でトナー濃度の高いベタ部において、トナーの溶融
不良による光沢(グロス)ムラが確認でき、さらに、ト
ナーのオフセット現象が発生し、画像欠陥が生じた。
【0372】これは、定着フィルムの弾性層が不十分で
あることによって、フルカラー画像を形成する未定着ト
ナー層に対して圧力が不足したために、トナーの部分的
な溶融不良や低温オフセット現象を招いたのが原因と考
えられる。
【0373】
【発明の効果】以上説明したように、第一の発明によれ
ば、電磁誘導による加熱加圧定着装置を用い記録材に定
着画像を形成する画像形成方法において、少なくとも、
結着樹脂と着色剤を含有するトナーであって、該トナー
がコア=シェル構造を有するトナーであり、コア粒子が
平均膜厚0.005乃至0.75μmのシェル層によっ
て被覆されていることを特徴とするトナーを用いること
によって、クイックスタート性及び省電力に優れた定着
装置の利点を損なうことなく、低温定着性及び保存性に
優れ、定着フィルムの劣化を低減したトナーが得られ、
カラートナーの場合には混色性に優れ、更に定着光沢ム
ラを抑えた良好なフルカラー画像が得られる。
【0374】さらに第二の発明によれば、電磁誘導によ
る加熱加圧定着装置を用い記録材に定着画像を形成する
画像形成方法において、少なくとも、結着樹脂とワック
スと着色剤を含有するトナーであって、該トナーがコア
=シェル構造を有するトナーであり、コア粒子が平均膜
厚0.005乃至0.75μmのシェル層によって被覆
されており、且つ、該ワックス成分が結着樹脂中に実質
的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていること
を特徴とするトナーを用いることによって、上記の効果
を維持しつつ、トナーの定着フィルムヘの融着を軽減
し、連続印刷時においても定着装置とのマッチングに優
れるトナー、及びフルカラー画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明におけるフルカラーの画像形成装置の概
略図である。
【図3】本発明の加熱装置(定着装置)の概略横断側面
模式図である。
【図4】本発明の加熱装置要部の正面模式図である。
【図5】本発明の加熱装置要部の縦断正面模式図であ
る。
【図6】本発明の加熱装置にかかる磁場発生手段の模式
図である。
【図7】交番磁束の発生の様子を模式的に表したもので
ある。
【図8】本発明の加熱装置にかかる安全回路の回路図で
ある。
【図9】本発明の加熱装置にかかる定着ベルト(定着フ
ィルム)の層構成模式図である。
【図10】本発明のトナーの断層面を模式的に示した図
である。
【図11】定着試験に用いた出力画像の説明図である。
【図12】比較例に使用されるサーフ定着装置の概略構
成である。
【図13】電磁誘導加熱方式の定着装置の一例の概略構
成である。
【符号の説明】
1 発熱層 2 弾性層 3 離型層 4 断熱層 10 定着ベルト 15 磁場発生手段 16,16a,16b フィルム(ベルト)ガイド部材 16e 凸リブ部 17,17a,17b,17c 磁性コア 18 励磁コイル 18a,18b 給電部 19 絶縁部材(励磁コイル保持部材) 22 加圧用剛性ステイ 23a,23b フランジ部材 25a,25b 加圧バネ 26 温度センサ 27 励磁回路 29a,29b バネ受け部材 30 加圧ローラ(弾性) 30a 芯金 30b 弾性材層 40 良熱伝導部材 50 サーモスイッチ 51 リレースイッチ 100 像加熱装置(定着装置) N 定着ニップ P 転写材(記録材) 101 感光体ドラム 102 帯電装置 104 現像装置 T1 一次転写部 T2 二次転写部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 107 G03G 15/20 107 H05B 6/14 H05B 6/14 (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 稲葉 功二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森木 裕二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野中 克之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA12 AA13 AA15 CA08 CA12 CA14 CB13 EA03 EA05 EA07 FB01 2H033 AA10 AA11 BA58 BB03 BB04 BB13 BB15 BB17 BB33 BB34 BB37 BE03 BE06 3K059 AA09 AB28 AD01 AD24

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)磁場発生手段と、(ii)電磁誘
    導により発熱する厚さ1〜200μmの発熱層、及び、
    厚さ1〜100μmの離型層を少なくとも有する回転加
    熱部材と、(iii)該回転加熱部材と幅5〜15mm
    のニップを形成している回転加圧部材とを少なくとも有
    する加熱加圧手段を使用し、記録材を介して面圧9〜5
    00kN/m2で該回転加熱部材を押圧しながら、定着
    スピード20〜300mm/秒の条件で該記録材上のト
    ナー像を加熱加圧定着して記録材に定着画像を形成する
    画像形成方法に適用されるトナーであり、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂と着色剤を含有し、
    さらに該トナーの構造においてコア=シェル構造を有す
    るトナーであり、コア粒子が平均膜厚0.005乃至
    0.75μmのシェル層によって被覆されていることを
    特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 該回転加熱部材に厚さ10〜500μm
    の弾性層を有することを特徴とする請求項1に記載のト
    ナー。
  3. 【請求項3】 該コア粒子が平均膜厚0.005乃至
    0.3μmのシェル層によって被覆されていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 該コア粒子が平均膜厚0.01乃至0.
    2μmのシェル層によって被覆されていることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 該コア=シェル構造を有するトナーが、 (1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの質
    量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9
    ≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈
    するトナー粒子の断層面を観察し、 (2)トナー粒子の断層面観察においてコア粒子が平均
    膜厚0.005乃至0.75μmのシェル層によって被
    覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該トナーは、コア粒子のガラス転移点
    (Tg)よりもシェル層のTgが高いことを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 該トナーは、コア=シェル構造を有する
    トナーであって、外殻がポリエステル樹脂からなること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナ
    ー。
  8. 【請求項8】 該コア=シェル構造を有するトナーの質
    量基準の円相当重量平均径D4(μm)と、トナー粒子
    の断層面観察におけるシェル平均層厚との比が8乃至1
    800であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    かに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 フロー式粒子像測定装置で計測されるト
    ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
    おいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2
    〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.
    920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未
    満であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに
    記載のトナー。
  10. 【請求項10】 該トナーは、少なくともシリコーンオ
    イル処理された無機微粉体を有することを特徴とする請
    求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 該トナーは、結着樹脂と着色剤とワッ
    クス成分を含有することを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 (i)磁場発生手段と、(ii)電磁
    誘導により発熱する厚さ1〜200μmの発熱層、及
    び、厚さ1〜100μmの離型層を少なくとも有する回
    転加熱部材と、(iii)該回転加熱部材と幅5〜15
    mmのニップを形成している回転加圧部材とを少なくと
    も有する加熱加圧手段を使用し、記録材を介して面圧9
    〜500kN/m2で該回転加熱部材を押圧しながら、
    定着スピード20〜300mm/秒の条件で該記録材上
    のトナー像を加熱加圧定着して記録材に定着画像を形成
    する画像形成方法に適用されるトナーであり、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂と着色剤とワックス
    成分を含有するトナーであって、 該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒
    子の断層面観察において、ワックス成分を含有してなる
    コアと、該コアをシェルが被覆してなるコア=シェル構
    造を有するトナーであり、 (1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの質
    量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9
    ≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈
    するトナー粒子の断層面を観察し、 (2)トナー粒子の断層面観察においてコア粒子が平均
    膜厚0.005乃至0.75μmのシェル層によって被
    覆されており、さらに(3)ワックスに由来する相分離
    構造が存在し、 (4)ワックス成分に起因する相分離構造のうち、最も
    大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求められたr/
    Rの相加平均値(r/R)stが、 0.05≦(r/R)st≦0.95を満たすように、
    該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は
    紡錘形の島状に分散されていることを特徴とするトナ
    ー。
  13. 【請求項13】 該回転加熱部材に厚さ10〜500μ
    mの弾性層を有することを特徴とする請求項12に記載
    のトナー。
  14. 【請求項14】 前記r/Rの相加平均値(r/R)s
    tが、 0.25≦(r/R)st≦0.90を満たすように該
    ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡
    錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項1
    2又は13に記載のトナー。
  15. 【請求項15】 該コア粒子が平均膜厚0.005乃至
    0.3μmのシェル層によって被覆されていることを特
    徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のトナ
    ー。
  16. 【請求項16】 該コア粒子が平均膜厚0.01乃至
    0.2μmのシェル層によって被覆されていることを特
    徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のトナ
    ー。
  17. 【請求項17】 該トナーのワックス含有量が結着樹脂
    100質量部当り1乃至30質量部であることを特徴と
    する請求項12乃至16のいずれかに記載のトナー。
  18. 【請求項18】 該トナーは、コア粒子のガラス転移点
    (Tg)よりもシェル層のTgが高いことを特徴とする
    請求項12乃至17のいずれかに記載のトナー。
  19. 【請求項19】 該トナーは、外殻がポリエステル樹脂
    からなるコア=シェル構造を有することを特徴とする請
    求項12乃至18のいずれかに記載のトナー。
  20. 【請求項20】 該トナーは、少なくともシリコーンオ
    イル処理された無機微粉体を有することを特徴とする請
    求項12乃至19のいずれかに記載のトナー。
  21. 【請求項21】 加熱加圧手段により記録材上のトナー
    画像を加熱定着して記録材に定着画像を形成する画像形
    成方法において、 該加熱加圧手段が、(i)磁場発生手段と、(ii)電
    磁誘導により発熱する厚さ1〜200μmの発熱層、及
    び、厚さ1〜100μmの離型層を少なくとも有する回
    転加熱部材と、(iii)該回転加熱部材と幅5〜15
    mmのニップを形成している回転加圧部材を使用し、記
    録材を介して面圧9〜500kN/m2で該回転加熱部
    材を押圧しながら、定着スピード20〜300mm/秒
    の条件で該記録材上のトナー像を加熱加圧定着して記録
    材に定着画像を形成する画像形成方法であり、 該トナー画像を形成しているトナーは、少なくとも、結
    着樹脂と着色剤を含有し、さらに該トナーの構造におい
    てコア=シェル構造を有するトナーであり、コア粒子が
    平均膜厚0.005乃至0.75μmのシェル層によっ
    て被覆されていることを特徴とする画像形成方法。
  22. 【請求項22】 該回転加熱部材を記録を介して面圧9
    〜500kN/m2で該回転加圧部材を押圧しながら定
    着スピード20〜300mm/秒の条件でトナー画像を
    加熱加圧定着することを特徴とする請求項21に記載の
    画像形成方法。
  23. 【請求項23】 該回転加熱部材に厚さ10〜500μ
    mの弾性層を有することを特徴とする請求項21又は2
    2に記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 該回転加熱部材を面圧30〜350k
    N/m2で押圧しながら、該記録材上のトナー像を加熱
    加圧定着することを特徴とする請求項21乃至23のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 定着スピードが50〜280mm/秒
    であることを特徴とする請求項21乃至24のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 該コア粒子が平均膜厚0.005乃至
    0.3μmのシェル層によって被覆されていることを特
    徴とする請求項21乃至25のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  27. 【請求項27】 該コア粒子が平均膜厚0.01乃至
    0.2μmのシェル層によって被覆されていることを特
    徴とする請求項21乃至25のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  28. 【請求項28】 該コア=シェル構造を有するトナー
    が、 (1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの質
    量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9
    ≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈
    するトナー粒子の断層面を観察し、 (2)トナー粒子の断層面観察においてコア粒子が平均
    膜厚0.005乃至0.75μmのシェル層によって被
    覆されていることを特徴とする請求項21乃至27のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 該トナーは、コア粒子のガラス転移点
    (Tg)よりもシェル層のTgが高いことを特徴とする
    請求項21乃至28のいずれかに記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 該トナーは、外殻がポリエステル樹脂
    からなるコア=シェル構造を有することを特徴とする請
    求項21乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 該コア=シェル構造を有するトナーの
    質量基準の円相当重量平均径D4(μm)と、トナー粒
    子の断層面観察におけるシェル平均層厚との比が8乃至
    1800であることを特徴とする請求項21乃至30の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が
    2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
    0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
    0未満であることを特徴とする請求項21乃至31のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 該トナーは、少なくともシリコーンオ
    イル処理された無機微粉体を有することを特徴とする請
    求項21乃至32のいずれかに記載の画像形成方法。
  34. 【請求項34】 該記録材上のトナー乗り量は、単色の
    場合0.8dg/m 2以下であることを特徴とする請求
    項21乃至33のいずれかに記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 該記録材上のトナー乗り量は、単色の
    場合0.7dg/m 2以下であることを特徴とする請求
    項21乃至33のいずれかに記載の画像形成方法。
  36. 【請求項36】 加熱加圧手段により記録材上のトナー
    画像を加熱定着して記録材に定着画像を形成する画像形
    成方法において、 該加熱加圧手段が、(i)磁場発生手段と、(ii)電
    磁誘導により発熱する厚さ1〜200μmの発熱層、及
    び、厚さ1〜100μmの離型層を少なくとも有する回
    転加熱部材と、(iii)該回転加熱部材と幅5.0〜
    15.0mmのニップを形成している回転加圧部材とを
    少なくとも有する加熱加圧手段であり、該トナー画像を
    形成しているトナーは、少なくとも、結着樹脂と着色剤
    とワックス成分を含有するトナーであって、 該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒
    子の断層面観察において、ワックス成分を含有してなる
    コアと、該コアをシェルが被覆してなるコア=シェル構
    造を有するトナーであり、 (1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの質
    量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9
    ≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈
    するトナー粒子の断層面を観察し、 (2)トナー粒子の断層面観察においてコア粒子が平均
    膜厚0.005乃至0.75μmのシェル層によって被
    覆されており、さらに(3)ワックスに由来する相分離
    構造が存在し、 (4)ワックス成分に起因する相分離構造のうち、最も
    大きいものの長径rをそれぞれ計測し、求められたr/
    Rの相加平均値(r/R)stが、 0.05≦(r/R)st≦0.95を満たすように、
    該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は
    紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする画像形
    成方法。
  37. 【請求項37】 該回転加熱部材を記録を介して面圧9
    〜500kN/m2で該回転加圧部材を押圧しながら定
    着スピード20〜300mm/秒の条件でトナー画像を
    加熱加圧定着する画像形成方法に適用されることを特徴
    とする請求項36に記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 該回転加熱部材に厚さ10〜500μ
    mの弾性層を有することを特徴とする請求項36又は3
    7に記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 該回転加熱部材を面圧30〜350k
    N/m2で押圧しながら、該記録材上のトナー像を加熱
    加圧定着することを特徴とする請求項36乃至38のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 定着スピードが50〜280mm/秒
    であることを特徴とする請求項36乃至39のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 前記r/Rの相加平均値(r/R)s
    tが、 0.25≦(r/R)st≦0.90を満たすように該
    ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡
    錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項3
    6乃至40のいずれかに記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 該コア粒子が平均膜厚0.005乃至
    0.3μmのシェル層によって被覆されていることを特
    徴とする請求項36乃至41のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  43. 【請求項43】 該コア粒子が平均膜厚0.01乃至
    0.2μmのシェル層によって被覆されていることを特
    徴とする請求項36乃至42のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  44. 【請求項44】 該トナーのワックス含有量が結着樹脂
    100質量部当り1乃至30質量部であることを特徴と
    する請求項36乃至43のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  45. 【請求項45】 該トナーは、コア粒子のガラス転移点
    (Tg)よりもシェル層のTgが高いことを特徴とする
    請求項36乃至44のいずれかに記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 該トナーは、外殻がポリエステル樹脂
    からなるコア=シェル構造を有することを特徴とする請
    求項36乃至45のいずれかに記載の画像形成方法。
  47. 【請求項47】 該トナーは、少なくともシリコーンオ
    イル処理された無機微粉体を有することを特徴とする請
    求項36乃至46のいずれかに記載の画像形成方法。
  48. 【請求項48】 該記録材上のトナー乗り量は、単色の
    場合0.8dg/m 2以下であることを特徴とする請求
    項36乃至47のいずれかに記載の画像形成方法。
  49. 【請求項49】 該記録材上のトナー乗り量は、単色の
    場合0.7dg/m 2以下であることを特徴とする請求
    項36乃至47のいずれかに記載の画像形成方法。
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