JPH1124463A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JPH1124463A
JPH1124463A JP10261298A JP10261298A JPH1124463A JP H1124463 A JPH1124463 A JP H1124463A JP 10261298 A JP10261298 A JP 10261298A JP 10261298 A JP10261298 A JP 10261298A JP H1124463 A JPH1124463 A JP H1124463A
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heating
resin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録材先端がニップ部Nへ導入されるときの
突入ショックによる画像乱れの防止。定着速度及び加熱
源の発熱量を変えずに形成画像の光沢の制御。 【解決手段】 ニップ部Nよりも記録材の搬送方向に関
して上流側にトナーを予熱する加熱通路Pを備え、球形
のトナーを加熱通路Pで予熱することによりトナーの形
状を変化させてトナーの流動性を低下させ、記録材の突
入ショックによる画像乱れを防止する。また、形成する
画像の光沢を制御するため、加熱源−ガイド板間の距離
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
・静電記録プロセス等、適宜の画像形成プロセスにより
記録材上に顕画像を形成する画像形成装置の定着装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機・プリンタ・ファクシミ
リ等の画像形成装置では、像形成手段により、記録媒体
(エレクトロファックスシート・静電記録シート・転写
材シート・印刷紙など)面上に直接方式若しくは間接
(転写)方式で目的画像に応じた顕画像を形成担持さ
せ、該記録媒体上の顕画像を像加熱手段で加熱及び加圧
して、該顕画像を記録媒体に定着させている。
【0003】該画像形成装置の像加熱手段としては、従
来からいわゆる加熱ローラ方式の定着装置が多く用いら
れている。これは図12のように一対のローラの内部に
加熱源を設けると共に、両ローラ間に適当な圧力を加え
つつ回転させ、トナーを転写した記録材を上記一対のロ
ーラ間を通過させて定着を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、たとえば特開
平6−67504号公報に開示されているように、この
ような定着装置で重合方法により生成されたトナー(以
後重合トナーという)を定着すると、トナーの流動性が
良いためにローラ間に記録材が突入するときの突入ショ
ックにより画像が乱れてしまうことがある。
【0005】また、画像の光沢を制御する場合は、ロー
ラ間を通過する記録材の搬送速度を変える、もしくは、
加熱源の温度を変える方法がよく知られている。
【0006】しかし、ローラ間を通過する記録材の搬送
速度を変える場合、光沢の高い画像を形成するときに搬
送速度を遅くするので定着に時間がかかってしまう。ま
た、加熱源の温度を変えて光沢を制御する方法は、次に
形成する画像の光沢が前に形成した画像の光沢とは違え
る場合に加熱源の温度が下がる、もしくは上がるのを待
たなければならず、前の記録材の定着を終了してから次
の記録材の定着を始めるまでに時間がかかってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題点
を解決するもので、未定着トナーを担持する記録材を挟
持搬送するニップを形成する定着部材と、前記ニップよ
りも記録材の搬送方向に関し上流側に記録材と非接触に
設けられ記録材を加熱する第1加熱手段と、を有する定
着装置及びこの定着装置を有する画像形成装置におい
て、前記未定着トナーは球形であり、前記第1加熱手段
により前記ニップよりも記録材の搬送方向に関し上流側
で熱せられてから前記ニップへ搬送されることを特徴と
する。
【0008】未定着トナーを担持する記録材を挟持搬送
するニップを形成する定着部材と、前記ニップよりも記
録材の搬送方向に関し上流側に設けられ記録材を加熱す
る第1加熱手段と、を有する定着装置において、前記第
1加熱手段から記録材の受ける熱量を制御する制御手段
を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、図面に基づき本発明の第1の
実施形態について説明する。
【0010】図1は画像形成装置の一例の概略構成図で
ある。本例の画像形成装置は電子写真フルカラープリン
タである。
【0011】11は像担持体としての電子写真感光ドラ
ムであり、OPC(有機感光体)・アモルファスSe・
アモルファスSi等の感光材料層をアルミニウムやニッ
ケルなどのシリンダ状の基体(基盤)上に形成したもの
であり、矢示の反時計方向に所定のプロセススピード
(周速度)で回転駆動される。
【0012】感光ドラム11はその回転過程で帯電ロー
ラ等の帯電装置12で所定の極性・電位の一様な帯電処
理を受ける。
【0013】次いでその帯電処理面にレーザスキャナ1
0から出力されるレーザビーム13による、目的の画像
情報の走査露光処理を受ける。レーザスキャナ10は不
図示の画像読取装置等の画像信号発生装置からの目的画
像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調
(オン/オフ)したレーザビーム13を出力しミラー1
9を介して回転感光ドラム面を走査露光するもので、こ
の走査露光により回転感光ドラム11面に走査露光した
目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0014】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置14のうちのイエロー現像器1
4Yの作動でイエロートナー画像として現像される。そ
のイエロートナー画像は感光ドラム11と中間転写ドラ
ム15との接触部(或は近接部)である一次転写部T1
において中間転写ドラム15の面に転写される。中間転
写ドラム15面に対するトナー画像転写後の回転感光ド
ラム11面はクリーナ17により転写残りトナー等の付
着残留物の除去を受けて清掃される。
【0015】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の、第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画
像、マゼンタ現像器14Mが作動)、第3の色分解成分
画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器14Cが作
動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現
像器14BKが作動)の各色分解成分画像について順次
に実行され、中間転写ドラム15面にイエロートナー画
像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒トナー
画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、
目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が合
成形成される。
【0016】中間転写ドラム15は、金属ドラム上に中
抵抗層と高抵抗の表層を有するもので、感光ドラム11
に接触して或は近接して感光ドラム11と略同じ周速度
で矢示の時計方向に回転駆動され、中間転写ドラム15
の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光ドラム11と
の電位差で感光ドラム11側のトナー画像を該中間転写
ドラム15面側に転写させる。
【0017】上記の回転中間転写ドラム15面に合成形
成されたカラートナー画像は、該回転中間転写ドラム1
5と転写ローラ16との接触ニップ部である二次転写部
T2において、該二次転写部T2に不図示の給紙部から
所定のタイミングで送り込まれた記録材Cの面に転写さ
れていく。転写ローラ16は記録材Cの背面からトナー
と逆極性の電荷を供給することで中間転写ドラム15面
側から記録材C側へ合成カラートナー画像を順次に転写
する。
【0018】これらの像形成手段Mによりトナー像が形
成された記録材Cは中間転写ドラム15の面から分離さ
れて像加熱装置(加熱定着装置)Rへ導入され、未定着
トナー画像の加熱定着処理(画像の永久固着処理)を受
けてフルカラー画像形成物として機外の不図示の排紙ト
レーに排出される。なお、本例装置ではフルカラー画像
だけでなく、白黒画像などモノカラー画像のプリントモ
ードも実行できる。
【0019】次に定着装置Rについて説明する。
【0020】図2は上記定着装置Rの横断面模型図、図
3は該装置の加熱ローラR3の模型説明図、図4は図2
の定着装置における、定着フィルムの断面模型図であ
る。
【0021】R1は定着ローラ、R2は加圧ローラ、R
3は加熱ローラ、Bは定着フィルム、H1,H2は発熱
体を有する加熱源、S1,S2は温度制御手段としての
サーミスタ、Gは記録材支持体としてのガイド部材、P
は定着ニップよりも記録材の搬送方向に関し上流側に位
置し、トナーが転写された記録材を非接触で加熱する加
熱通路を示す。
【0022】定着ローラR1は、直径34mmのアルミ
ニウム芯金1上に厚さ3mmのシリコーンゴムによる耐
熱弾性被覆層2を設けて構成され、加圧ローラR2は直
径40mmのアルミニウム芯金3上に50μmのシリコ
ーンゴムによる耐熱弾性被覆層4を設けて構成されるも
のであり、耐熱弾性被覆層2の表面硬度は耐熱弾性被覆
層4の硬度と同等あるいはそれより軟らかく設定してあ
る。
【0023】加熱ローラR3は直径40mmのアルミニ
ウム芯金5に30μmのテフロン被覆層6を有し、定着
フィルムBの寄り止め対策用に軸方向の両端部において
定着フィルムBの厚さより大きな段差部7を有する段付
きローラとして構成される。(図3参照)。
【0024】無端ベルト部材である定着フィルムBは、
厚さ40μmの電鋳による金属ニッケルの無端状フィル
ム主体B1の外周面に100μmのシリコーンゴムによ
る離型層B2を設けて構成されたもの、または厚さ55
μmのポリイミド樹脂の無端状フィルム主体B1の外周
面に200μmのシリコーンゴムによる離型層B2を設
けて構成されたものである。さらに耐久性及び離型性を
向上するために、離型層B2はシリコーンゴムの外周面
に4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン樹脂(FE
P)、等のフッ素系樹脂をコーティングすることが好ま
しい。また、定着装置の熱効率を上げるために定着フィ
ルムBは例えばセラミック等の遠赤外線物質を含有する
ようにしても良い。
【0025】加熱ローラR3の内部には主加熱源H1が
設けられ、加圧ローラR2の内部には補助加熱源H2が
設けられ、また定着ローラR1の内部にも必要に応じて
補助加熱源を設けることができる。加熱ローラR3の外
側において、主加熱源H1の温度を制御するためサーミ
スタS1が定着フィルムBに接して設けられ、加圧ロー
ラR2に接してサーミスタS2が設けられる。
【0026】記録材支持体としての金属材から成るガイ
ド板Gは、図2のように、加熱ローラR3付近からニッ
プ部Nの近くまで定着フィルムBの下方位置において定
着フィルムBとの間隔を0.5〜10mmの範囲内とし
定着フィルムBと略平行状態に設置され、定着フィルム
Bとの間において加熱ローラR3付近からニップ部Nの
手前にかけて略直線上にトナーC1及び記録材Cを予熱
する加熱通路Pを形成する。該ガイド板Gは、非通紙時
に定着フィルムBからの輻射熱を受けて昇温し、通紙時
に該熱を記録材Cに付与することで予熱に寄与する。
【0027】加圧ローラR2は、不図示の加圧手段によ
り定着フィルムBを挟んで定着ローラR1に向けて加圧
されてニップ部Nを形成しており、該ニップ部Nにおけ
る圧接圧(定着圧)が66kgf.に設定されている。
【0028】定着フィルムBは摩擦帯電する。したがっ
て、帯電極性の正極性のトナーを定着する場合は定着フ
ィルムBの表面をシリコンゴムとし、帯電極性が負極性
のトナーを定着する場合は定着フィルムBの表面をフッ
素系樹脂とすることが好ましい。このようにトナーの帯
電極性に応じて定着フィルム表面の材質を選択すること
により、摩擦帯電した定着フィルムBとトナーを静電的
に反発させて加熱通路Pで記録材上の未定着トナーが定
着フィルムBに付着することを防止することができる。
【0029】運転時において、定着フィルムBは像形成
手段M側から導入される記録材Cの搬送速度と同じ13
3mm/sの線速で加熱ローラR3からニップ部Nにか
けて直線的に移動する。
【0030】これらの構成において好適な加熱処理が行
なえるように、本形態例では加熱ローラR3の温度15
0〜170℃、加熱空間Pにおける定着フィルムBの温
度145〜165℃、ニップ部Nにおける加圧ローラR
2の温度が108〜123℃となるようにサーミスター
S1からの信号に基づいて主加熱源H1の発熱量を制御
している。
【0031】而して、記録材Cが搬送手段Tにより加熱
通路Pに送り込まれると、該記録材Cはガイド板Gと接
し、該ガイド板Gにガイドされて定着フィルムBと非接
触かつ近接した状態で該フィルムBに沿って搬送され、
該搬送過程において記録材C及び未定着トナーC1は、
同速度で移動する定着フィルムBからの輻射熱と、非通
紙時に蓄熱したガイド板Gからの熱とによって予熱され
たのち、ニップ部Nに導入されて所定の定着圧で定着フ
ィルムBと密着し、直接該フィルムBからの熱が付与さ
れ加熱処理される。
【0032】このように本例装置は、加熱通路Pを設け
て記録材C及びトナーC1を予熱しているので、にっぷ
部Nにおいて記録材C及びトナーC1に与える熱量を少
なくでき、ニップ部Nの温度を低くすることができる。
【0033】特に、トナーC1と接する定着フィルムB
は熱容量を小さく適切に設定されているため、加熱ロー
ラR3通過時に加熱された定着フィルムBは、その熱を
加熱通路P及びニップ部Nを通過中にトナーC1と記録
材Cに与えることで冷える。このため、ニップ部N出口
での定着フィルムBの温度が従来の加熱ローラ方式の装
置の熱ローラと比べて大幅に低くなり、定着フィルムB
はトナーC1との分離性が良くなっている。更に、本例
装置のトナーC1は、重合方法により生成され、ワック
スを内包するトナー(以後重合トナーという)であり、
加熱通路Pで予熱されると、ワックスが浸み出やすくな
るので、定着フィルムBとの分離性が良くなっている。
【0034】これらの構成により、本例装置では定着フ
ィルム外周へのオイルの塗布機構を備えなくとも、定着
フィルムBとトナーC1との分離性を充分確保でき、オ
フセットのない定着画像が得られる。特に予熱によるト
ナー自身の作用で分離性が改善されているので、トナー
の載り量に依存しないでオフセットを防止できる。
【0035】更に本発明者らは、OHPシート(OH
T)上への良好な画像形成に関して鋭意研究を行った結
果、トナーを溶融させて透明性に優れたフルカラーOH
Tを作成する際に、上記構成の装置においてワックスの
一部または全部が適度に被膜を形成するように設定する
ことで、トナーがオフセットすることなく、フルカラー
OHTが作成でき且つ良好な低温定着性が発現でき、良
好な耐オフセット性が維持でき、圧接部材の長寿命化を
発現できる事を見出した。
【0036】なお、定着ローラR1の表面硬度を加圧ロ
ーラR2の表面硬度と同等あるいはそれより軟らかく設
定してあるので、ニップ部Nにおいては加圧ローラR2
の一部が定着フィルムBと共に定着ローラR1に食い込
むようになり、従ってニップ部Nから出る紙等の記録材
Cの先端の向きが加圧ローラR2側の下向きとなるの
で、定着フィルムB側の分離爪が不要となる(図5参
照)。
【0037】また、寒冷地等において、始動直後に加圧
ローラR2が冷えすぎていると定着性能に支障をきたす
場合があるので、その場合には上述の所定温度となるよ
うにサーミスタS2の検出温度に基づき補助加熱源H2
で加熱する。勿論、トナーを定着する際に主加熱源H1
とともに補助加熱源H2で加熱しても良い。
【0038】定着フィルムBの片寄りについては、図3
に示すように加熱ローラR3の両端部に段差部7を設け
て、その段差hを定着フィルムBの厚さと同等以上に設
定し、該定着フィルムBの剛性を利用して該段差部7で
修正する。
【0039】本形態例に使用されるトナーは球形であ
り、球形の度合いは、以下のように定義される形状係数
SF−1、SF−2で表わすと、SF−12は100以
上140以下、SF−2は100以上130以下である
ことが好ましい。SF−2に関しては100以上120
以下であることがより好ましい。
【0040】本発明の形状係数SF−1,SF−2は、
例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用
い、1000倍に拡大した2μm以上の非磁性トナー粒
子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報
はインターフェースを介して、例えばニコレ社製画像解
析装置(Luzex III)に導入し解析を行い下式
より算出し得られた値であると定義する。
【0041】
【外1】 (式中、MXLNGは粒子の絶対最大長、PERIは粒
子の周囲長、AREAは粒子の投影面積を示す。図6参
照) 形状係数SF−1はトナーの丸さの度合を示し、形状係
数SF−2はトナーの凹凸の度合を示している。
【0042】本発明では、このようなトナーを加熱通路
Pで予熱することによりトナーの形状を変化させてトナ
ーの流動性を低下させ、記録材の突入ショックによる画
像乱れを防止している。
【0043】また、本形態例のトナーC1は図7に示す
ような、シェル103の内側にバインダー樹脂102及
びワックス101を内包するカプセルトナー(コアーシ
ェル構造のトナー)であることが好ましい。
【0044】このようなワックス内包型のトナーを加熱
通路Pで予熱することによりワックスをしみ出しやすく
することができ、ニップでの加熱量を抑えることができ
る。
【0045】このようなカプセル構造のトナーとして好
ましいのはシェル103のガラス転移温度がワックス1
01の融点及びバインダー樹脂102のガラス転移温度
よりも高いトナーであり、ワックスの融点は少なくとも
加熱通路Pでの記録材の表面温度よりも低いことが好ま
しい。
【0046】次に、本形態例で使用するトナーについて
詳細に説明する。
【0047】まず、本形態例のトナーに使用される離型
材であるワックスについて説明する。本例に用いられる
ワックスとしては、良好な定着性、耐オフセット性(離
型性)を発現させるため、バインダー樹脂(結着樹脂)
と適度な親和性を有し、疎水性が高く、さらに低融点を
有する低結晶性のものが好ましい。さらにワックスの分
子量分布がピーク及び/またはショルダーを少なくとも
2つ以上有し、重量平均分子量(Mw)が400以上4
000以下、数平均分量(Mn)が200以上4000
以下である事が好ましい。上述の分子量分布は単一のも
のでも複数のものでも達成しても良く、結果として結晶
性が阻害でき、透明性が一層向上する事を見出した。2
種以上のワックスをブレンドする方法としては特に制約
を受けるものではないが、例えばブレンドするワックス
の融点以上においてメディア式分散機(ボールミル,サ
ンドミル,アトライター,アペックスミル,フボールミ
ル,ハンディミル)等を用いて溶融ブレンドする事やブ
レンドするワックスを重合性単量体中へ溶融させ、メデ
ィア式分散機等にてブレンドする事も可能である。この
時添加物として、顔料,荷電制御剤,重合開始剤等を使
用しても構わない。
【0048】本例においてワックスの分子量分布はGP
Cにより次の条件で測定される。
【0049】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温 度:135℃ 溶 媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流 速:1.0ml/min 試 料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算する事に
よって算出される。
【0050】ワックスの重量平均分子量(Mw)は40
0以上4000以下、数平均分子量(Mn)は200以
上4000以下である事が好ましく、より好ましくはM
wが450以上3500以下、さらに好ましくは500
以上3000以下、Mnは200以上3500以下、さ
らに好ましくは250以上3000以下である事が望ま
れる。Mwが400未満,Mnが200未満の場合に
は、トナーの耐ブロッキング性が悪化する。また、Mw
が4000,Mnが4000を越える場合には、ワック
ス自体の結晶性が発現し、透明性が悪化する。
【0051】ワックスは、トナーのバインダー樹脂10
0重量部に対して1〜40重量部(好ましくは2〜30
重量部)配合するのが良い。
【0052】バインダー樹脂、着色剤及びワックスを有
する混合物を溶融混練後、冷却し粉砕後分級してトナー
粒子を得る乾式トナー製法におけるワックスの添加量
は、バインダー樹脂100重量部に対し1〜10重量
部、より好ましくは2〜7重量部使用するのが好まし
い。
【0053】重合性単量体と着色剤及びワックスを有す
る混合物を重合せしめる事により、直接的にトナー粒子
を得る重合法トナー製法におけるワックスの添加量は、
重合性単量体100重量部に対し2〜40重量部、より
好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは10〜2
0重量部使用するのが好ましい。
【0054】乾式トナー製法に比べ重合性トナー製法に
おいては、通常バインダー樹脂よりワックスの極性が低
いため水系媒体中での重合方法ではトナー粒子内部に多
量のワックスを内包化させ易い。このため、乾式トナー
製法と比較し、一般に重合性トナー製法は多量のワック
スをトナーに含有させる事が可能となり定着時のオフセ
ット防止効果には、特に有効となる。
【0055】添加量が下限より少ないとオフセット防止
効果が低下しやすく、上限を越える場合、耐ブロッキン
グ効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与え易
く、ドラム融着、スリーブ融着を起こし易く、さらに重
合性トナーの場合には粒度分布の広いトナーが生成する
傾向にある。
【0056】定着器の低熱容量で十分なOHP画像を得
るためには、トナー中に含有せしめるワックスの結晶性
を低下せしめる事が好ましい。また、定着後でも溶解し
なかった一部未溶解のトナー粒の界面が存在したり、定
着後ワックスにより形成されたトナー層表面の離型剤層
と離型剤層下のトナー層との屈折率差が大きいと、これ
も光の乱反射の原因となる。
【0057】光の乱反射の増加は、投影像の明度低下や
色の鮮鋭度の低下につながる。特に、透過型オーバーヘ
ッドプロジェクターを用いた場合は、反射型オーバーヘ
ッドプロジェクターを用いる場合よりも明度や鮮鋭度の
低下が顕著となる。
【0058】即ち、ワックスの結晶性を低下させるため
には、ワックス単独の結晶化度を低くする事が肝要であ
る。更に、トナー定着層中に未溶融のトナー粒の界面を
存在させないためには、バインダー樹脂のガラス転移温
度(Tg)は低いことが好ましい。また、低エネルギー
量で迅速に溶解せしめるため、ワックスの潜熱である溶
融エンタルピー(ΔH)が小さい材料が特に好ましい。
また、溶融したワックスをバインダー樹脂層と定着フィ
ルム間に迅速に移行させ離型層を形成させるため、バイ
ンダー樹脂とワックス間の溶解度パラメーター(SP)
差を適度に調整する事が好ましい。
【0059】このような観点から本形態例に好ましい具
体例を以下に詳細に述べる。
【0060】通常トナーのバインダー樹脂としてポリエ
ステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ系
樹脂、またはスチレン−ブタジエン系樹脂が多く用いら
れているため、本例に用いられるワックスは、これらの
樹脂と屈折率が近いものが好ましい。以下に述べる屈折
率差は、縦(20〜30)×横(8)×厚み(3〜1
0)の大きさの固体試料を作成し、次にプリズム面との
密着性を良好にするために、ブロムナフタレンをプリズ
ム面に少量つけ、その上に固体資料を乗せて測定したも
のである。また、測定機器としては、例えばアタゴ社製
のアッペ屈折計2Tを用いる。
【0061】バインダー樹脂とワックスの屈折率差は、
温度25℃にて0.18以下、より好ましくは0.10
以下が特に有効である。屈折率差が0.18を越える場
合にはOHP画像の透明性を低下させ易く、特にハーフ
トーン投影像は、明度が低くなる。
【0062】本例に用いられるワックスの融点は、30
〜150℃である事が好ましく、より好ましくは50〜
120℃が特に好ましい。融点が30℃より低い場合は
トナーの耐ブロッキング性、多数枚の複写時でのスリー
ブ汚染抑制・感光体の汚染防止性が低下し易い。融点が
150℃を越える場合、粉砕法によるトナーの製造にお
いてはバインダー樹脂との均一混合に過大のエネルギー
が必要になる。他方、重合法によるトナーの製造におい
ては融点が100℃よりも小さいことが好ましい。ワッ
クスの融点が100℃よりも大きいとバインダー樹脂を
重合する際に粘度が大きくなる為に装置の大型化或い
は、相溶する量に限界があり、多量にワックスをトナー
に含有させる事が難しくなる。
【0063】以下の溶解度パラメーター(SP)値は、
原子団の加成性を利用したFedorsの方法〔Pol
ym.Eng.Sci.,14(2)147(197
4)〕を用いて算出したものである。
【0064】本例に使用されるワックスのPS値は、
7.5〜9.7の範囲である事が好ましい。SP値が
7.5未満の値を示すワックスは、用いるバインダー樹
脂との相溶性が乏しく、結果的にバインダー樹脂中への
良好な分散が得られにくく、多数毎複写時においてワッ
クスの現像スリーブへの付着が生じ易く、トナーの帯電
量が変化し易くなる。更に地カブリ・トナー補給時の濃
度変動時等も起こし易い。SP値が9.7を越えるワッ
クスを用いる場合には、トナーを長期保存した再トナー
同士のブロッキングが発生し易い。更にバインダー樹脂
との相溶性が良すぎるため定着時にトナー層表面間に十
分な離型層が形成しにくく、オフセット現象を起こし易
い。
【0065】本例に使用されるワックスの溶融粘度の測
定方法としては、HAAKE社製VT−500にてコー
ンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定する方
法が挙げられる。100℃に於ける溶融粘度は1〜50
mPas.secである事が好ましく、更に好ましくは
3〜30mPas.secを有するワックス化合物が特
に好ましい。1mPas.secより低い溶融粘度を有
する場合は、非磁性一成分現像方式でブレード等により
スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的
なズリ力によりスリーブ汚染を招き易い。また、二成分
現像方法に於いてもキャリヤーを用いトナーを現像する
際に於いてトナーとキャリヤー間のズリ力によりダメー
ジを生じ易く、外添剤の埋没・トナー破砕等が生じ易
い。50mPas.secを越える溶融粘度を有する場
合には、重合方法を用いてトナーを製造する際、分散質
の粘度が高すぎ、均一な粒径を有する微小粒径のトナー
を得る事が容易でなく、粒度分布の広いトナーとなりや
すい。
【0066】ワックスの硬度測定としては、例えば島津
ダイナミック超微小硬度計(DUH−200)を用いる
測定法が挙げられる。測定条件は、ビッカース圧子を用
い0.5g荷重下で9.67mg/秒の負荷速度にて1
0μm変位させた後、15秒保持させサンプル上に付い
た打痕を解析する事によりビッカース硬度を求める。サ
ンプルは直径20mmφの金型を用い予め溶融したサン
プルを5mm厚の円柱状に成型して用いる。本例に用い
られるワックスの硬度は0.3〜5.0範囲が好まし
く、更に好ましいビッカース硬度は0.5〜3.0が特
に有効である。
【0067】ビッカース硬度0.3より低いワックスを
含有したトナーは、多数毎複写に於いて複写機のクリー
ニング部位で破砕され易く、ドラム表面上にトナー融着
を起こし易く結果的に画像上に黒筋が発生し易い。ま
た、画像サンプルを多重枚重ねて保存した際、裏面にト
ナーが転写し所謂裏写りが発生し易い。ビッカース硬度
が5.0を越えるワックスを含有したトナーは、加熱定
着時に用いる定着器に必要以上の加圧力を必要とし、定
着器に必要以上の強度設計が必要となる。通常加圧力の
定着器を用いたなら耐オフセット性が低下しやすい。
【0068】ワックスの結晶化度は10〜50%、より
好ましくは20〜35%である事が好ましい。
【0069】結晶化度が10%未満の場合には、トナー
保存性、流動性が低下し易く、50%を越える場合に
は、OHP画像の透明性が低下し易い。
【0070】本例に於ける結晶化度は、検量線は使用せ
ず、非晶散乱ピークと結晶散乱ピークの面積比から以下
の計算式にて測定する。
【0071】
【外2】
【0072】測定装置としては、例えば理学電機社製の
ローターフレックスRU300(Cuターゲット、ポイ
ントフォーカス、出力50KV/250mA)が挙げら
れる。測定法は透過法−回転法を用い、測定角度は2θ
=5〜35°とする。
【0073】本例に好ましく用いられるエステルワック
スの製造方法としては、例えば、酸化反応による合成
法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付
加反応に代表されるエステル基導入反応等が用いられ
る。本例に用いられるエステルワックスの特に好ましい
製造方法は、原料の多様性、反応の容易さからカルボン
酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用
する方法または酸ハロゲン化物とアルコール化合物から
の反応が特に好ましい。
【0074】
【外3】
【0075】上記のエステル平衡反応を生成系に移行さ
せるため、大過剰のアルコールを用いるか、水との共沸
が可能な芳香族有機溶剤中にてDean−Stark水
分離器を用い反応を行う。また酸ハロゲン化合物を用い
芳香族有機溶剤中にて副生する酸の受容物として塩基を
添加しポリエステルを合成する方法も利用できる。
【0076】次に、本形態例のトナーに使用されるバイ
ンダー樹脂について説明する。
【0077】加熱通路Pでトナーの形状が変化するため
に、本例のトナーに用いられるバインダー樹脂として
は、加熱通路Pを通過中に溶融粘度が1×106cp以
下になるバインダー樹脂が好ましい。
【0078】本例のバインダー樹脂としては下記のバイ
ンダー樹脂が使用可能である。
【0079】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが
使用できる。好ましいバインダー物質としては、スチレ
ン系共重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0080】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリニトリル、アクリルアミドなどのような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
マイレン酸、マイレン酸ブチル、マイレン酸メチル、マ
イレン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボ
ン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酸化ビニル、
安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えば
エチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチレン
系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘ
キシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビ
ニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0081】本例のバインダー樹脂のTHF可溶分の数
平均分子量は3,000〜1,000,000が好まし
い。
【0082】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていても良く、またそれらの混合樹脂でも
良い。
【0083】バインダー樹脂の架橋剤としては、主とし
て2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用い
ても良い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レンなどのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレ
ングリコールアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレートな
どのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;
ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフ
ィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および
3個以上のビニル基を有する化合物、が単独もしくは混
合物として用いられる。添加量としては、重合性単量体
100重量部に対して0.001〜10重量部が好まし
い。
【0084】本例のトナーは、荷電制御剤を含有しても
良い。
【0085】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0086】例えば、有機金属化合物、キレート化合物
が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン
金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダ
イカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハ
イドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸
及び金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等の
フェノール誘導体類などがある。
【0087】また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化
合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級
アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル
酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合
体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。
【0088】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0089】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性
物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチ
ルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフト
スルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムトテラフル
オロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの
類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれら
のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレ
ーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、
りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タ
ンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、
フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金属塩;ジブチル
スズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロ
ヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイ
ド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、
ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボ
レート類;これらを単独で或いは2種類以上組み合わせ
て用いることができる。これらの中でも、ニグロシン
系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好まし
く用いられる。
【0090】これらの荷電制御剤は、樹脂成分100重
量部に対して0.01〜20重量部(より好ましくは
0.5〜10重量部)使用するのが良い。
【0091】本例に用いられる着色剤は、黒色着色剤と
してカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/
マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが
用いられる。
【0092】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180等が
好適に用いられる。
【0093】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン,キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8;2、48;3、48;4、57;1、81;1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0094】本例に用いられるシアン着色剤としては、
同フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノ
ン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体
的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、1
5:1、15:2、15:3、15:4、60、62、
66等が好適に利用できる。これらの着色剤は、単独ま
たは混合しさらには固溶体の状態で用いることができ
る。本例の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,O
HP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。
該着色剤の添加量は、樹脂100重量部に対し1〜20
重量部添加して用いられる。
【0095】さらに本例のトナーは更に磁性材料を含有
させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材
料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本例におい
て、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバ
ルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアル
ミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウムのような金属の合金及び混合物等が挙げ
られる。
【0096】本例に用いられる磁性体は、より好ましく
は、表面改質された磁性体が望まれ、重合法トナーに用
いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤に
より、疎水化処理を施したものであれば、どんなもので
も良く、このような表面改質剤としては、例えばシラン
カップリング剤、チタンカップリング剤などを挙げるこ
とができる。
【0097】これらの強磁性体は平均粒子が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重
量部に対し40〜150重量部が良い。
【0098】また、10Kエルステッド印加での磁気特
性が保磁力(Hc)20〜30エルステッド、飽和磁化
(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σr)2
〜20emu/gのものが好ましい。
【0099】各種トナー特性付与を目的とした添加剤と
しては、トナー中に、或いはトナーに添加したときの耐
久性の点から、トナー粒子の体積平均径の1/5以下の
粒径である事が好ましい。この添加剤の粒径とは、電子
顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその
平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加
剤としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
【0100】流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)カーボン
ブラック、フッ化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理
を行ったものが、より好ましい。
【0101】研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ス
トロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素
など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げら
れる。
【0102】滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪
酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム
など)などが挙げられる。
【0103】荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸
化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウムなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。
【0104】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し0.1〜10重量部が用いられ、好ましくは0.
1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独で用
いても、また、複数併用しても良い。
【0105】本例のトナーは、通常一成分系及び二成分
系現像剤として、いずれの現像剤にも使用できる。
【0106】例えば、一成分系現像剤として、磁性体を
トナー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像ス
リーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナ
ーを搬送及び帯電せしめる方法がある。また、磁性体を
含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及
びファーブラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦
帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめる事で搬送せし
める方法がある。
【0107】一方、一般的に利用されている二成分系現
像剤として用いる場合には、本例のトナーと共に、キャ
リアを用い現像剤として使用する。本例に使用されるキ
ャリアとしては特に限定されるものではないが、主とし
て、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、ク
ロム元素からなる単独及び複合フェライト状態で構成さ
れる。飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールでき
る点からキャリア形状も重要であり、例えば球状、偏
平、不定形などを選択し、更にキャリア表面状態の微細
構造、例えば表面凸凹性をもコントロールする事が好ま
しい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒するこ
とにより、あらかじめ、キャリアコア粒子を生成した
後、樹脂にコーティングする方法が用いられているが、
キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無
機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キ
ャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノ
マーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状
分散キャリアを得る重合キャリアを得る方法なども利用
する事が可能である。
【0108】上記キャリアの表面を樹脂等で被覆する系
は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被覆剤
を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに
付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公
知の方法がいずれも適用できる。
【0109】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ
ターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブ
チラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基
性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末
などを単独或いは複数で用いるのが適当であるが、必ず
しもこれに制約されない。
【0110】上記化合物の処理量は、一般には総量で本
例のキャリアに対し0.1〜30重量%(好ましくは
0.5〜20重量%)が好ましい。
【0111】これらキャリアの平均粒径は10〜100
μm、好ましくは20〜50μmを有する事が好まし
い。
【0112】特に好ましい態様としては、フェライトで
あり、その表面をフッ素系樹脂とスチレン系樹脂の如き
樹脂の組み合わせ、例えばポリフッ化ブニリデンとスチ
レン−メチルメタアクリレート樹脂;ポリテトラフルオ
ロエチレンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂、
フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;などを90:
10〜20:80、好ましくは70:30〜30:70
比率の混合物としたもの或いはシリコーン樹脂等で、
0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%コー
ティングしたコートフェライトキャリアであるものが挙
げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜9
0:10)が例示され、スチレン系共重合体としてはス
チレン−アクリル酸2−エチルエキシル(20:80〜
80:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルエキシ
ル−メタクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10
〜50)が例示される。
【0113】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープであり、本例のトナーに対し好ましい摩擦帯
電性が得られ、更に電子写真特性を向上させる効果があ
る。
【0114】本例に於けるトナーと混合して二成分現像
剤を調整する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃
度として、2重量%〜15重量%、好ましくは4重量%
〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナ
ー濃度が2%以下では画像濃度が低く実用不可となり、
15%以上ではカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤
の耐用寿命を縮める。
【0115】更に該キャリアの磁性特性は以下のものが
良い。飽和磁化は20〜90Am2/kgである事が必
要である。更に高画質化を達成するために、好ましくは
30乃至70Am2/kgである事が良い。90Am2
/kgより大きい場合には、高画質なトナー画像が得ら
れにくくなる。20Am2/kg未満であると、磁気的
な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
【0116】本例に於ける粉砕法トナーの製造法はバイ
ンダー樹脂、本例の上記エステルワックス、着色剤とし
ての顔料、または染料、磁性体、必要に応じて荷電制御
剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボール
ミル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、ニ
ーダー、エクストルダーの如き熱混練機を用いて溶融混
練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔
料、染料、磁性体を分散または溶解せしめ、冷却固化後
粉砕、球形化、シェルの生成、及び分級を行って本例に
係わるところのトナーを得る事ができる。
【0117】更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し、本例に係わる
静電荷像現像用トナーを得る事ができる。
【0118】また、本例で用いられる重合トナーの製造
法は、特公昭56−13945号公報等に記載のディス
クまたは多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化
し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号
公報,特開昭59−53856号公報,特開昭59−6
1842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直
接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる
重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成す
る分散重合法または水溶性極性重合開始剤存在下で直接
重合しトナーを生成するソープフリー重合法に代表され
る乳化重合法や、予め1次極性乳化重合粒子を作った
後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ
凝集法等を用いトナーを製造する事が可能である。
【0119】しかしながら、分散重合法に於いては、得
られるトナーは極めてシャープな粒度分布を示すが、使
用する材料の選択が狭い事や有機溶剤の利用が廃溶剤の
処理や溶剤の引火性に関する観点からの製造装置が複雑
で煩雑化しやすい。ソープフリー重合に代表される乳化
重合法は、トナーの粒度分布が比較的揃うため有効であ
るが、使用した乳化剤や開始剤末端がトナー粒子表面に
存在したときに環境特性が低下する。
【0120】本例に於いては比較的容易に粒度分布がシ
ャープな微粒子トナーが得られる常圧下での、または、
加圧下での懸濁重合法が特に好ましい。一旦得られた重
合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用
い重合せしめる所謂シード重合方法も本例に好適に利用
することができる。
【0121】本例に用いられるより好ましいトナーは、
直接重合法を用いて製造されたものである。エステルワ
ックスが、シェルである外殻樹脂層に内包されている。
定着性の観点から多量のエステルワックスをトナーに含
有せしめることが好ましく、エステルワックスを外殻樹
脂で内包化せしめたトナーが特に好ましい。
【0122】エステルワックスを内包化せしめる具体的
な方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量
体よりエステルワックスの方を小さく設定し、更に少量
の極性の大きな樹脂または単量体を添加せしめる事でエ
ステルワックスを外殻樹脂で被覆した、所謂コアーシェ
ル構造を有する、トナーを得ることができる。トナーの
粒度分布制御や粒径の制御は、離水溶性の無機塩や保護
コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法
や機械的装置条件例えばローターの周速・パス回数・攪
拌羽根形状等の攪拌条件や容器形状または、水溶液中で
の固形分濃度等を制御する事により所定の本例のトナー
を得る事ができる。
【0123】本例に於いてトナーの断層面は、常温硬化
性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後温度4
0℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三
酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用
し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトー
ムを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡
(TEM)を用い測定した。本例に於いては、用いるエ
ステルワックスと外殻を構成する樹脂との若干の結晶化
度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため
四三酸化ルテニウム染色法を用いる事が好ましい。
【0124】本例のトナー製造方法に直接重合法を用い
る場合に於いては、以下の如き製造方法によって具体的
にトナーを製造する事が可能である。単量体中にエステ
ルワックス,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の
添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によっ
て均一に溶解または分散せしめた単量体系を、分散安定
剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサ
ー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは
単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように
攪拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定
剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降
が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40
℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合
を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、
トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量
体、副生成物等を除去するために反応後半、または、反
応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了
後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾
燥する。懸濁重合法に於いては、通常単量体系100重
量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として
使用するのが好ましい。
【0125】また、重合法を用い直接トナーを得るとき
には、重合性単量体としては、スチレン,o(m−,p
−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレン等
のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メ
タ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,
(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチ
ル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸
ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメ
チルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノ
エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタ
ジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリ
ロニトリル,アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ま
しく用いられる。
【0126】本例に於いて、コアーシェル構造を形成せ
しめるためには、極性樹脂を併用する事が必須であり、
本例に使用できる極性重合体、共重合体を以下に例示す
る。
【0127】メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチルなど含窒素単量体の重合
体もしくはスチレン−不飽和カルボン酸エステル等との
共重合体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩
化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸、メタク
リル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸、
不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の重合体もし
くはスチレン系単量体等との共重合体、ポリエステル、
エポキシ樹脂等が挙げられる。より好ましいものとし
て、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイ
ン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が
挙げられる。
【0128】重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビ
ス(シクロエキサン−1−カルボニトリル)、2,2’
−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系または
ジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチル
エチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキイ
カーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチル
ヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ
クシルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペル
オキシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等
の過酸化物系開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開
始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、過酸化水素などが使用される。
【0129】重合開始剤は重合性単量体の0.5〜20
重量部の添加量が好ましく、単独でまたは、併用しても
良い。
【0130】また、本例では分子量をコントロールする
ために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良く、
好ましい添加量としては0.001〜15重量部であ
る。
【0131】本例に於いて、乳化重合、分散重合、懸濁
重合、シード重合、ヘテロ凝集法を用いる重合法等によ
って、重合法トナーを製造する際に用いられる分散媒に
は、いずれか適当な安定剤を使用する。例えば、無機化
合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウ
ム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シ
リカ、アルミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポ
リビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メ
チルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリ
アクリル酸及びその塩、デンプン、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレンオキシド、ポリ(ハイドロオキシステ
アリン酸−g−メタクリル酸メチル−eu−メタクリル
酸)共重合体やノニオン系或いはイオン系界面活性剤等
が使用される。
【0132】また、乳化重合法及びヘテロ凝集法を用い
る場合には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤、両性イオン界面活性剤及びノニオン系界面活性剤
が使用される。これらの安定剤は重合性単量体100重
量部に対して0.2〜30重量部を使用する事が好まし
い。
【0133】これら安定化剤の中で、無機化合物を用い
る場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい
粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成さ
せても良い。
【0134】また、これら安定化剤の微細な分散のため
に、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用して
も良い。これは上記分散安定化剤の所期の作用を促進す
るためのものであり、その具体例としては、ドデシルベ
ンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、
ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ス
テアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げら
れる。
【0135】また、本例に於いて重合法トナーに用いら
れる着色剤としては、着色剤の持つ重合阻害性や水相移
行性に注意を払う必要があり、前記着色剤を好ましくは
表面改質、例えば重合阻害のない疎水化処理を施した方
が良い。特に染料系やカーボンブラックは、重合阻害性
を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
染料系を表面処理する好ましい方法としては、これら染
料の存在下に重合性単量体を予め重合せしめる方法が挙
げられ、得られた着色重合体を単量体系に添加する。ま
た、カーボンブラックに付いては、上記染料と同様の処
理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物
質、例えば、ポリオルガノシロキサン等で処理を行って
も良い。
【0136】以上のように本形態例によれば、定着ロー
ラR1と加熱ローラR3間に高ヤング率で耐熱性の金属
や樹脂で構成されたフィルム主体B1の表面に離型層B
2を有する無端状の定着フィルムBを張設し、定着フィ
ルムBを介して下方から定着ローラR1を押圧する加圧
ローラR2を設けて定着フィルムBと加圧ローラR2に
間にニップ部Nを構成する。加熱ローラR3とニップ部
N間における定着フィルムBの下方の近接位置において
ガイド板Gを設けて定着フィルムBとの間に略直線状の
加熱通路Pを形成する。該加熱通路Pにおいて記録材C
及びトナーC1に接触せずに記録材及びトナーを熱した
のち、ニップ部Nで加圧及び加熱して顕画像を記録材に
定着させたのち該定着フィルムBと記録材Cを分離させ
る。
【0137】そして、流動性の高い球形トナーを加熱通
路Pで予熱することにより、トナーの形状を変化させて
トナーの流動性を低下させ、記録材先端がニップ部Nへ
導入されるときの突入ショックによる画像乱れを防止す
ることができる。
【0138】また、ワックス内包型のトナーの場合、加
熱通路Pで予熱することにより、ワックスがしみ出やす
くなりニップ部Nでの温度を低温化でき、ヒートアップ
時間を短縮できる。また、定着フィルムにオイルを塗布
することなくトナーのオフセットを防止することが可能
となる。
【0139】さらに、透明性に優れたフルカラーOHP
画像を入手しうる定着装置を提供できる。
【0140】なお、これまで、加熱源H1と定着フィル
ムBとの間に加熱ローラR3が存在する定着装置につい
て説明したが、本形態例は図8、図9のように加熱源が
直接定着フィルムを加熱する定着装置でもよい。
【0141】図8の装置は抵抗発熱体を有するセラミッ
クヒータ21を定着フィルムBに当接させて定着フィル
ムBを加熱するものである。
【0142】図9の装置は定着フィルムFがニッケルの
電鋳ベルトであり、コイル22とコア23を図のように
配置し、放出される磁束によって定着フィルムFを加熱
するものである。
【0143】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態について以下に説明する。
【0144】図10は本発明の形態例2の縦断面模型図
である。
【0145】本形態例では、前記形態例1と比べ、定着
フィルムBに沿って搬送される記録材Cと該フィルムB
との間隔を制御する構成とした点が異なる。実施形態1
と同一の構成又は相当する構成には同一の符号を付し説
明は省略する。
【0146】このようにすることにより、加熱通路Pに
おいて記録材C及びトナーC1の受ける熱量が調整され
る。例えば、ガイド板Gを上昇させた状態とすれば、加
熱源H1−ガイド板G間の距離が短くなり記録材の受け
る熱量が増して光沢の高い画像が得られる。また、ガイ
ド板Gを下降させた状態とすれば、加熱源H1−ガイド
板G間の距離が長くなり、記録材の受ける熱量が減少し
て光沢を抑えた画像が得られる。
【0147】図10において、Eは昇降装置であり、ガ
イド板Gを昇降させることによりガイド板G上を搬送さ
れる記録材Cと定着フィルムBとの間隔を制御してい
る。
【0148】特に、カプセルトナーを用いる場合、加熱
源H1−ガイド板G間の距離によってワックスのしみ出
しやすさが変化するため、より光沢の制御を行いやすく
なる。
【0149】本形態例は以上のように、加熱源H1−ガ
イド板G間の距離を制御することにより光沢を制御する
ことができ、定着速度や加熱源の発熱量を変えずに光沢
の制御を行うことができるものである。
【0150】なお、このような光沢制御は、操作者の指
示、もしくは、不図示の原稿の光沢を検知する光沢検知
手段の検知結果に基づいて行っても良い。または、記録
材の厚みや材質、もしくは記録材の表面状態に基づい
て、行っても良い。この場合、例えば記録材の厚みが厚
いと薄い記録材に定着するときよりもガイド板Gを上昇
させる。または、形成する画像が線画像であるが非線画
像であるか、または単色であるか複数色であるか、に基
づいて行っても良い。この場合、例えば非線画像は線画
像に比べて、複数色は単色に比べてガイド板Gは上昇し
ている。
【0151】また、ガイド板Gの昇降を一枚の記録材が
加熱通路を通過する間に行っても良い。たとえば、記録
材先端が加熱通路Pを通過する際はガイド板を下降させ
る。そして、記録材が加熱通路Pを通過中に徐々にガイ
ド板を上げることによって、記録材の後端の光沢と記録
材先端の光沢が同一になるようにし、一枚の記録材の光
沢が均一になるようにしてもよい。
【0152】なお、本形態例では、これまで、ガイド板
Gの昇降により加熱源H1−ガイド板G間の距離を制御
することについて説明したが、図11のように加熱源が
直接定着フィルムを加熱する場合、不図示の制御手段、
例えばソレノイド、でコア22及びコイル23を回転体
である定着フィルムFから離間させたり定着フィルムF
に近づけたりしてもよい。つまり、加熱源−定着フィル
ム間の距離を制御して定着フィルムに与える熱量を制御
し光沢の制御を行ってもよい。
【0153】以上、本発明の実施形態例を説明したが、
本発明はこれらの実施形態例にとらわれるものではな
く、技術思想内でのあらゆる変形が可能である。
【0154】本発明の画像形成装置における具体例につ
いて、以下に説明する。
【0155】〔具体例1〕本例は、定着フィルムBとし
て(Ni電鋳フィルム40μm+シリコーンゴム200
μm)のものを装着し、トナーとして以下の手法により
得たものを備えた装置であり、その他の構成は図1の装
置と同じである。
【0156】本例のトナーは、イオン交換水710g
に、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、
60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特種機化工
業製)を用いて、13000rpmにて攪拌した。これ
に1.0M−CaC12水溶液68gを徐々に添加し、
Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。一方、 スチレン 166g n−ブチルアクリレーサ 34g 同フヌロラアニン顔料 15g ジターシャリーブチルサリチル酸金属化合物 3g 飽和ポリエステル(酸価11、ピーク分子量8500) モノエステルワックス1 40g (Mw500、Mn400、粘度6.5mPas、SP
値8−6) 上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特種
機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶
解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、
重合性単量体組成物を調整した。前記、水系媒体中に上
記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下
において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで
20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その
後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃に昇温し、10
時間反応させた。
【0157】重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン
酸カルシウムを溶解させた後、濾過,水洗,乾燥をし
て、重合粒子を得た。
【0158】得られた粒子100質量部に対して、BE
T法による比表面積が100cm2/gである疎水性酸
化チタン2.0質量部を外添し、平均粒径6.2μmの
トナーを得た。
【0159】このトナー7質量部に対し、シリコーンコ
ートされた35μmのクロナイトキャリア93質量部を
混合し使用した。
【0160】装置の各部の設定温度を多段階に変更して
普通紙に対するトナー画像の定着を行った。そして、定
着性能の評価をした結果を表1に示した。なお、つぎの
条件は一定とした。
【0161】 定着フィルムBの線速 :133mm/s 加圧ローラR2の加圧力 :66kg 定着フィルムBとガイド板Gの間隔:3mm
【0162】
【表1】 定着性・オフセット発生の評価:○=良好、△=許容範
囲、×=不良 備考:ガイド板温度100℃(加熱ローラ170℃の
時)〜130℃(加熱ローラ170℃の時)
【0163】〔具体例2〕定着フィルムBとして(ポリ
イミド55μm+シリコーンゴム200μm)のものを
装着した定着装置Rを用いたほかは実施例1と同様な条
件で、普通紙に対するトナー画像の定着を行い、定着性
能の評価をした結果を表2に示した。
【0164】
【表2】 定着性・オフセット発生の評価:○=良好、△=許容範
囲、×=不良 備考:ガイド板温度100℃(加熱ローラ170℃の
時)〜130℃(加熱ローラ170℃の時)
【0165】〔具体例3〕パラフィンワックス(Mw4
70,Mn380,粘度6.8mPas,SP値8−
3)を用いて現像剤(トナーC1)を作成する以外は実
施例1と同様にして評価を行った。表1と同様良好な結
果を得られた。
【0166】〔具体例4〕ジエステルワックス(Mw4
70,Mn410,粘度10.5mPas,SP値9−
1)を用いてトナーC1を作成する以外は実施例1と同
様にして評価を行ったところ、良好な結果が得られた。
【0167】〔具体例5〕テトラエステルワックス(M
w430,Mn380,及びMw850にショルダー有
り、粘度11.6mPas,SP値8−5)を用いてト
ナーC1を作成する以外は実施例1と同様にして評価を
行ったところ、良好な結果が得られた。
【0168】〔具体例6〕銅フヌロラアニン顔料の代わ
りにキナクリドン顔料,C.I.ピグメントイエロー1
80,カーボンブラックを用いてマゼンタ,イエロー,
ブラック現像剤を作成する以外は実施例1と同様にして
画出しを行ったところ、淡い色の色再現性にも優れ、良
好な結果が得られた。
【0169】〔具体例7〕シランカップリング剤処理磁
性酸化鉄200g(平均粒径0.25μm)を使用し、
疎水性ラリカを用して磁性トナーC1を作成する以外は
実施例1と同様にして画出しを行ったところ良好な結果
が得られた。
【0170】上記の具体例1〜7をそれぞれ、図10の
装置に適用し、加熱通路Pの間隔を可変としたところ、
何れの装置でも画像の光沢制御を行うことができた。
【0171】これらの装置において、ガイド板Gを下降
させた状態、即ち積極的に予熱しない場合、積極的に予
熱した場合と比べ、60度法で10以上光沢が低下し
た。
【0172】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
流動性の高い球形トナーを加熱通路Pで予熱することに
より、トナーの形状を変化させてトナーの流動性を低下
させ、記録材先端がニップ部Nへ導入されるときの突入
ショックによる画像乱れを防止することができる。ま
た、ワックス内包型のトナーの場合、加熱通路Pで予熱
することにより、ワックスがしみ出やすくなりニップ部
Nでの温度を低温化でき、ヒートアップ時間を短縮でき
る。また、定着フィルムにオイルを塗布することなくト
ナーのオフセットを防止することが可能となる。さら
に、透明性に優れたフルカラーOHP画像を入手しうる
定着装置及び画像形成装置を提供できる。
【0173】また、加熱源H1−ガイド板G間の距離を
制御することにより形成する画像の光沢を制御でき、定
着速度や加熱源の発熱量を変えずに光沢の制御を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の画像形成装置の縦断面模型図
【図2】第1の実施形態の定着装置の縦断面模型図
【図3】図2の定着装置における加熱ローラの正面模型
【図4】図2の定着装置における定着フィルムの断面模
型図
【図5】図2の定着装置の要部断面図
【図6】形状係数SF−1及びSF−2の説明図
【図7】ワックスを内包するトナーの構成を示す断面図
【図8】第1の実施形態の他の定着装置例の縦断面模型
【図9】第1の実施形態の他の定着装置例の縦断面模型
【図10】第2の実施形態の定着装置の縦断面模型図
【図11】第2の実施形態の他の定着装置例の縦断面模
型図
【図12】従来の定着装置の縦断面模型図
【符号の説明】
M 像形成手段 R 像加熱手段(定着装置) R1 定着ローラ R2 加圧ローラ R3 加熱ローラ B 定着フィルム B1 フィルム主体 B2 離型層 G ガイド板 P 加熱通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 9/08 384

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着トナーを担持する記録材を挟持搬
    送するニップを形成する定着部材と、前記ニップよりも
    記録材の搬送方向に関し上流側に記録材と非接触に設け
    られ記録材を加熱する第1加熱手段と、を有する定着装
    置において、 前記未定着トナーは球形であり、前記第1加熱手段によ
    り前記ニップよりも記録材の搬送方向に関し上流側で熱
    せられてから前記ニップへ搬送されることを特徴とする
    定着装置。
  2. 【請求項2】 前記第1加熱手段は発熱体とこの発熱体
    の熱により熱せられた無端ベルト部材とを有し、前記無
    端ベルト部材は前記ニップまで延伸し前記定着部材とと
    もにニップを形成し記録材上のトナーと接することを特
    徴とする請求項1の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記定着部材は回転体対であることを特
    徴とする請求項1の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記無端ベルト部材は弗素樹脂により被
    覆されていることを特徴とする請求項2の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記無端ベルト部材は遠赤外線発生物質
    を含有することを特徴とする請求項2の定着装置。
  6. 【請求項6】 記録材上のトナーは、懸濁重合法により
    形成されたトナーであることを特徴とする請求項1の定
    着装置。
  7. 【請求項7】 記録材上のトナーの形状係数SF−1は
    100以上140以下であり、形状係数SF−2は10
    0以上130以下であることを特徴とする請求項1の定
    着装置。
  8. 【請求項8】 記録材上のトナーは、樹脂とこの樹脂よ
    りも内側にワックスを有し、前記ワックスの融点は前記
    樹脂のガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請求
    項1の定着装置。
  9. 【請求項9】 記録材上のトナーは、外殻樹脂とこの外
    殻樹脂よりも内側にバインダー樹脂を有し、前記バイン
    ダー樹脂のガラス転移温度は前記外殻樹脂のガラス転移
    温度よりも低いことを特徴とする請求項1の定着装置。
  10. 【請求項10】 前記第1加熱手段とは異なる第2加熱
    手段を有し、この第2加熱手段はニップで記録材上のト
    ナーを加熱することを特徴とする請求項1の定着装置。
  11. 【請求項11】 未定着トナーを担持する記録材を挟持
    搬送するニップを形成する定着部材と、前記ニップより
    も記録材の搬送方向に関し上流側に設けられ記録材を加
    熱する第1加熱手段と、を有する定着装置において、 前記第1加熱手段から記録材の受ける熱量を制御する制
    御手段を有することを特徴とする定着装置。
  12. 【請求項12】 前記第1加熱手段は記録材を加熱する
    加熱体と、この加熱体に対向し記録材のトナー担持側の
    裏面とニップへ記録材をガイドするガイド部材と、を有
    し、前記制御手段は前記加熱体と前記ガイド部材の距離
    を制御することを特徴とする請求項11の定着装置。
  13. 【請求項13】 前記加熱体は発熱体の熱により熱せら
    れた無端ベルト部材であり、ニップまで延伸し前記定着
    部材とともにニップを形成することを特徴とする請求項
    12の定着装置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は前記ガイド部材を移動
    することを特徴とする請求項12の定着装置。
  15. 【請求項15】 前記制御手段は、前記ガイド部材が記
    録材の先端をガイドするときよりも記録材の後端をガイ
    ドするときの方が上位になるよう制御することを特徴と
    する請求項14の定着装置。
  16. 【請求項16】 前記第1加熱手段は発熱体とこの発熱
    体により加熱される回転体と、を有し、前記制御手段は
    前記発熱体と前記回転体の距離を制御することを特徴と
    する請求項11の定着装置。
  17. 【請求項17】 前記回転体は無端ベルト部材であり、
    ニップまで延伸し前記定着部材とともにニップを形成す
    ることを特徴とする請求項16の定着装置。
  18. 【請求項18】 前記制御手段は記録材の種類に応じて
    制御されることを特徴とする請求項11の定着装置。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は記録材上のトナー画像
    が単色であるか複数色であるかによって制御されること
    を特徴とする請求項11の定着装置。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は記録材上のトナー画像
    が線画像であるか非線画像であるかによって制御される
    ことを特徴とする請求項11の定着装置。
  21. 【請求項21】 前記制御手段は原稿の光沢に応じて制
    御されることを特徴とする請求項11の定着装置。
  22. 【請求項22】 記録材上のトナーは、懸濁重合法によ
    り形成されたトナーであることを特徴とする請求項1の
    定着装置。
  23. 【請求項23】 記録材上のトナーの形状係数SF−1
    は100以上140以下であり、形状係数SF−2は1
    00以上130以下であることを特徴とする請求項11
    の定着装置。
  24. 【請求項24】 記録材上のトナーは、樹脂とこの樹脂
    よりも内側にワックスを有し、前記ワックスの融点は前
    記樹脂のガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請
    求項11の定着装置。
  25. 【請求項25】 記録材上のトナーは、外殻樹脂とこの
    外殻樹脂よりも内側にバインダー樹脂を有し、前記バイ
    ンダー樹脂のガラス転移温度は前記外殻樹脂のガラス転
    移温度よりも低いことを特徴とする請求項11の定着装
    置。
  26. 【請求項26】 前記第1加熱手段とは異なる第2加熱
    手段を有し、この第2加熱手段はニップで記録材上のト
    ナーを加熱することを特徴とする請求項11の定着装
    置。
  27. 【請求項27】 記録材上に未定着トナー像を形成する
    未定着トナー像形成手段と、未定着トナーを担持する記
    録材を挟持搬送するニップを形成する定着部材と、前記
    ニップよりも記録材の搬送方向に関し上流側に記録材と
    非接触に設けられ記録材を加熱する第1加熱手段と、を
    有する画像形成装置において、 前記未定着トナーは球形であり、前記第1加熱手段によ
    り前記ニップよりも記録材の搬送方向に関し上流側で第
    1加熱手段とは非接触に熱せられてから前記ニップへ搬
    送されることを特徴とする画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記第1加熱手段は発熱体とこの発熱
    体の熱により熱せられた無端ベルト部材とを有し、前記
    無端ベルト部材は前記ニップまで延伸し前記定着部材と
    ともにニップを形成し記録材上のトナーと接することを
    特徴とする請求項27の定着装置。
  29. 【請求項29】 前記定着部材は回転体対であることを
    特徴とする請求項27の定着装置。
  30. 【請求項30】 前記無端ベルト部材は弗素樹脂により
    被覆されていることを特徴とする請求項28の定着装
    置。
  31. 【請求項31】 前記無端ベルト部材は遠赤外線発生物
    質を含有することを特徴とする請求項28の定着装置。
  32. 【請求項32】 記録材上のトナーは、懸濁重合法によ
    り形成されたトナーであることを特徴とする請求項27
    の定着装置。
  33. 【請求項33】 記録材上のトナーの形状係数SF−1
    は100以上140以下であり、形状係数SF−2は1
    00以上130以下であることを特徴とする請求項27
    の定着装置。
  34. 【請求項34】 記録材上のトナーは、樹脂とこの樹脂
    よりも内側にワックスを有し、前記ワックスの融点は前
    記樹脂のガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請
    求項27の定着装置。
  35. 【請求項35】 記録材上のトナーは、外殻樹脂とこの
    外殻樹脂よりも内側にバインダー樹脂を有し、前記バイ
    ンダー樹脂のガラス転移温度は前記外殻樹脂のガラス転
    移温度よりも低いことを特徴とする請求項27の定着装
    置。
  36. 【請求項36】 前記第1加熱手段とは異なる第2加熱
    手段を有し、この第2加熱手段はニップで記録材上のト
    ナーを加熱することを特徴とする請求項27の定着装
    置。
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