JP5584445B2 - セルロース極細繊維綿 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロース極細繊維綿およびそれを用いてなる混合綿に関するものである。
従来から、セルロース繊維綿は、その使用目的や独自の風合い等の付与条件により幾種かの繊度条件があり、これらの製造が提案されている。また、単糸繊度を小さくすることにより、風合い、肌触り、吸水性などの特性が向上することも知られている。
現在、単糸繊度1dtex程度のセルロース繊維綿としてモダール(登録商標)1dtex、リヨセル(登録商標)0.9dtexが既に提案されているが、従来から、セルロース繊維の単糸繊度が細く、繊維長が長いとネップ発生数が急増するという問題がある(特許文献1)。
また、合成繊維からなる極細短繊維として、海島構造の繊維があり、単糸繊度として0.5dtexの極細短繊維が知られている(特許文献2)。
しかしながら、単糸繊度0.8dtex以下のセルロース極細繊維綿は知られておらず、また、0.8dtexを下回るセルロース極細繊維綿であってネップの発生が少ない綿を、紡績工程においてを安定して生産することは困難である。また、単糸繊度の細い繊維からなる綿は、カーディング時にネップが多発するため、紡績糸や、繊維生地において、製品品位を大きく阻害することが問題であった。
従来、セルロース短繊維において、単糸繊度が小さくなるとネップが増加することは周知である。例えば、0.9dtexのセルロース短繊維では、カーディング時に発生するネップ数が200個/g以上であり、得られる製品品位には限界があった。
ネップを減少する対策として、従来から、繊維長を短くする方策があるが、繊維同士の絡みの低下、紡績糸の糸物性の低下、紡績時の撚り回数の増加による生産効率の低下などが問題であった。
特開2005−187959号公報 特開2005−232672号公報
本発明の課題は、カーディング時のネップの発生が少なく、柔軟な風合い及び高い吸湿性を有し、嵩高性が高いセルロース極細繊維綿及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のセルロース極細繊維を用い、生産工程での繊維の絡みを極力低減化させ、繊維間配列の平行度を高めることにより、カーディング時に発生するネップが低く抑えられたセルロース極細繊維綿が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.セルロース極細繊維を構成繊維として含む綿であって、該セルロース極細繊維の繊度が0.1〜0.8dtexであり、繊維長が20〜200mmであり、該綿のネップ発生数が100個/g以下であることを特徴とするセルロース極細繊維綿。
2.セルロース極細繊維が再生セルロース繊維であることを特徴とする上記1に記載のセルロース極細繊維綿。
3.水分率が10〜14%であることを特徴とする上記1または2に記載のセルロース極細繊維綿。
4.白色度が70〜90%であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のセルロース極細繊維綿。
5.嵩高性が45〜53mmであることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のセルロース極細繊維綿。
6.上記1〜5のいずれかに記載のセルロース極細繊維綿を用いてなることを特徴とする紡績糸。
7.セルロース極細繊維と他の繊維が混合されていることを特徴とするセルロース極細繊維混合綿。
8.上記7に記載の混合綿を用いてなることを特徴とする紡績糸。
本発明のセルロース極細繊維綿は、柔軟な風合い及び高い吸湿性を有し、嵩高性が高く、繊維の絡みが低く、かつ、繊維間の平行配列性が高いので、カーディング時に発生するネップが100個/g以下と低い。
本発明のセルロース極細繊維綿の一例について、その断面の顕微鏡写真である。 実施例1〜3の各工程を示す図である。
以下、本発明につき詳述する。
本発明のセルロース極細繊維綿は、セルロース極細連続繊維を特定の長さにカットして得られた繊維を構成繊維として含み、単糸間の配列の平行度を高めることによって、カーディング時に発生するネップが低く抑えられたセルロース極細繊維綿である。
本発明において、セルロース繊維の素材としては、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨンなどの再生セルロース繊維、テンセル(登録商標)、リヨセル(登録商標)などの溶剤紡糸セルロース繊維などが挙げられ、なかでも、再生セルロース繊維が好ましく、さらに、紡糸の安定性、繊維強伸度等の物性の観点から、銅アンモニアレーヨンが更に好ましい。
本発明において、セルロース極細繊維の単糸繊度は0.1〜0.8dtexが必要であり、好ましくは0.2〜0.8dtexであり、より好ましくは0.3〜0.8dtex、更に好ましくは0.3〜0.6dtexである。繊度がこの範囲にあると、繊維の柔軟性が大きく、素材としてのソフト性及び吸水性に優れ、ネップ発生因子を大きく低減することができ、更に、安定した生産が可能であり、高品位のセルロース極細繊維綿が得られる。
繊維の断面形状としては、特に限定されず、例えば、丸型、楕円型、まゆ型等が挙げられる。それらの中でも膠着性が改善されることによるネップ発生の抑制という観点から丸型が好ましい。
本発明において、セルロース極細繊維の繊維長は20〜200mmが必要であり、好ましくは20〜100mm、より好ましくは35〜60mmである。繊維長がこの範囲であると、紡績糸にするための撚り回数を少なくできるので、生産性の向上が図れ、紡績糸の品位、物性、工程安定性が大きく改善される。繊維の番手としては、40〜150番手が好ましく、より好ましくは60〜120番手であり、特に細番手であると、紡績糸工程でのネップの発生も少なく、生産効率の向上を一層図ることができる。
本発明のセルロース極細繊維綿は、ネップ数が100個/g以下であり、好ましくは80個/g以下、より好ましくは50個/g以下である。ネップ数がこの範囲にあると、紡績での工程安定性に優れ、紡績糸の品位が向上する。
本発明のセルロース極細繊維綿は、水分率が10〜14%であることが好ましく、より好ましくは11〜13%の範囲である。水分率がこの範囲であると、綿の品質が長期に渡り安定する。
本発明のセルロース極細繊維綿は、白色度が70〜90%であることが好ましく、より好ましくは77〜83%の範囲である。白色度がこの範囲であると、他銘柄より白色度に優れ、商品価値が高い。
本発明のセルロース極細繊維綿は、嵩高性が45〜53mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは47〜51mmの範囲である。嵩高性がこの範囲にあると、綿の紡績性能に優れ、柔軟性に優れた紡績糸が得られる。
本発明において、セルロース極細繊維は、セルロース極細連続繊維のマルチフィラメントを特定の長さにカットして得られる。単糸本数には、特に限定はないが、生産性及び糸品位の観点より、単糸数2〜10000本であることが好ましい。
一般に、セルロース繊維には単糸間の自己接着性があり、特に、再生セルロース繊維ではその傾向が顕著であり、繊維径を細くするとこの傾向が強くなる。したがって、セルロース極細連続繊維では、単糸間の自己接着性が高くなりやすいため、カットして短繊維の綿にすると、カーディング時のネップは多発する傾向となり、ネップによる諸問題が発生しやすい。
一方、セルロース繊維単糸間の自己接着性を弱くし過ぎると、単糸間の摩擦が低下して、得られる極細繊維綿の品位低下が発生し、更に、紡績性能が大きく低下する。
そのため、本発明においては、繊維表面での適度の自己接着性を得ることが肝要であり、生産工程において、程よく単糸間の自己接着性を制御することが重要である。
このような観点から、本発明者らは、好ましい態様として、銅アンモニアレーヨン法による紡糸方法を用いることにより、自己接着性を制御したセルロース極細連続繊維を安定して得ることができる条件を見出した。
さらに、本発明者らは、セルロース極細繊維単糸間の自己接着性を制御するために、水で膨潤したセルロース繊維を乾燥させることにより単糸間の水素結合を制御し、また、再生セルロース繊維の場合、単糸表面に形成される微小な産毛の発生を制御することで、極細繊維単糸間の自己接着性を制御することを実現した。更に、単糸断面の異形化を抑えて丸断面とすることは、自己接着性を抑制するうえで好ましい。
本発明者らは、セルロース極細繊維綿のネップを改善する方法として、極細繊維のカッティング状態の改善が必要であることを見出した。
セルロース極細繊維綿は非常に柔らかく、連続繊維をカットして得られた後の単糸は、その環境により容易に曲がり、巻き付き、絡みやすいという問題があるため、カット後の環境を制御することが必要である。特に、再生セルロース繊維の場合、単糸間の自己接着性を制御しただけでは、カーディング時に発生するネップ数を大きく低減することはできない。
本発明者らは、カットされた状態のセルロース極細繊維のブロックは、弱い外力が加わることで、簡単に単糸状に分かれるという特徴があることを見出し、この知見にもとづいて、開綿工程までブロック状に保持することにより、上記問題を解決するに至った。
具体的な手段としては、(1)カット後の綿の移送時間の短縮、(2)精練終了後のカット及び綿の移送時間の短縮、(3)精練・乾燥後のカットである。
これにより、カーディング時に単糸長方向を揃え単糸間の平行度を高く制御することが可能になり、カーディング時のネップ発生を大きく低減することを可能とした。
また、セルロース極細繊維綿の製造工程において、ネップの発生に大きく影響するのが精練工程である。たとえば銅アンモニアレーヨン法においては、紡糸されたセルロース極細繊維中の銅を除去し、残留するアルカリを中和するために硫酸浴が用いられる。このとき、おおむね1dtex以上の単糸繊度の綿は、充分な精練効率を得るために、乱流(糸の走行と対向する向流や渦巻き状態)の精練浴を通して再生を行う。しかし、単糸径が細い極細繊維綿においては、向流や乱流では毛羽が発生しやすくネップ発生につながることを見出し、また、単糸径が細いことによる精練酸の浸透が良いことから、糸の走行と同方向の整流状態の精練浴を用いることでネップの削減が可能となった。
本発明において、セルロース極細繊維と他の繊維と混合して、混合綿とすることもできる。他の繊維としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ポリオレフィン系等の繊維が好ましく、天然繊維でも良い。他の繊維の繊度は、0.1〜2.0dtexが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0dtexである。また、他の繊維の混合率は、50wt%以下が好ましく、より好ましくは30wt%以下である。混合綿を用いて紡績糸とすることができ、紡績糸の番手としては、40〜150番手が好ましく、より好ましくは60〜120番手であり、特に細番手であると、紡績糸工程でのネップの発生も少なく、生産効率の向上を一層図ることができる。
本発明のセルロース極細繊維綿の製造方法の例として、再生セルロース極細連続繊維を用いた、下記のような工程(1)〜(3)からなる方法が挙げられる(図2参照)。
(1)紡糸工程、カット工程、精練工程、水洗工程、油脂分付与工程、乾燥工程、梱包工程;
(2)紡糸工程、精練工程、水洗工程、カット工程、油脂分付与工程、乾燥工程、梱包工程;
(3)紡糸工程、精練工程、水洗工程、油脂分付与工程、乾燥工程、カット工程、梱包工程。
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する。なお、物性の測定及び評価は下記の方法で行なった。
(1)強力及び伸度
試料を20℃、65%RHにて24時間調湿した後、東洋測定器社製のテンシロンUTM−4Lを用い、試料長10mm、ヘッドスピード300mm/分にて、n=5を測定し、その平均値を求め物性値とした。
(2)ネップ発生数
試料を20℃、65%RHにて24時間調湿した後、MESDAN製NATIネップ測定器を用い、試料重量1gにて、n=5を測定し、その平均値を求めネップ発生数(個/g)とした。
(3)繊度
カット前の繊維を1.5m程度の長さに切り取った試料を、精練、給油、乾燥し、20℃、65%RHにて24時間調湿した後、繊維の片方を固定し、もう片方に50gの重りを取り付けて張った状態で0.6mに切断し、小数点第4位まで標示できる重量計で試料の重量を測定した。得られた測定値を総単糸数で割り、10000mに換算した値を単糸の繊度(dtex)とした。
(4)白色度
カラーコンピューターにて測定した値を白色度とした。
(5)水分率
乾燥後の試料を適量採取して、その綿重量を測定し、その後、予め105℃に昇温した恒温乾燥機中に8時間以上入れて乾燥し、その重量差から計算した値を水分率とした。
(6)繊維長
カット工程直後の綿を採取し、物差しを用い、長さを測定して得られた値を繊維長とした。
(7)嵩高性
カーディングした綿を1g採取し、その綿を、内径35mm、長さ10cmのアクリル管に入れ、綿高を8cmに合わせ、続いて100gの重りを入れ、重りが底部から何mmの高さで止まるかを測定し、この値を嵩高性とした。底部からの高さが高いほど嵩高性が大きい。
(8)紡績糸の品質評価(NEP個数)
Zellweger USTER社のUSTER TESTER3を用いて、NEP(糸太さに対して200%以上の太さの欠点)を、長さ1000mあたりの個数として、n=10で測定し、その平均値を求めてNEP個数(個/km)とした。
〔実施例1〕
公知の方法によって得られた銅アンモニアレーヨン原液(質量比で、セルロース10.0%、アンモニア7.0%、銅3.6%)を用いて、流下緊張紡糸を行った。
紡糸ノズルとして、穴径0.6mm、穴数2430の吐出孔を有する紡口より、34℃〜39℃の温水中に該原液を吐出した。流下緊張紡糸法により、延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前洗練処理し、その後、ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットした。
その後、硫酸(70℃、1.5wt%)にて再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、次いで、油剤付与、乾燥を行なった後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。
なお、硫酸(70℃、1.5wt%)による再生は、硫酸液を、糸流れ方向と同一の方向で流し、整流状態で再生を行った。実施例1の工程を図2に示す。
〔実施例2〕
下記の条件以外は、実施例1と同様にして、流下緊張紡糸を行った。
延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前精練処理及び再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、ロータリーカッターを用いて繊維長38mmにカットした。その後、油剤付与・乾燥を行なった後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。実施例2の工程を図2に示す。
〔実施例3〕
下記の条件以外は、実施例1と同様にして、流下緊張紡糸を行った。
延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前精練処理及び再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、油剤付与・乾燥を行なった後、ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットし、その後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。実施例3の工程を図2に示す。
〔比較例1〕
下記の条件以外は、実施例1と同様に行った。
ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットし、その後、硫酸(70℃、1.5wt%)にて、硫酸液を、糸流れ方向に対し、向流方式で流し、乱流状態で再生を行った。
〔実施例4〕
公知の方法によって得られた銅アンモニアレーヨン原液(質量比で、セルロース10.0%、アンモニア7.0%、銅3.6%)を用いて、流下緊張紡糸を行った。
紡糸ノズルとして、穴径0.6mm、穴数2430の吐出孔を有する紡口より、32℃〜37℃の温水中に該原液を吐出した。流下緊張紡糸法により、延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前洗練処理し、その後、ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットした。
その後、硫酸(70℃、1.5wt%)にて再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、次いで、油剤付与、乾燥を行なった後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。
なお、硫酸(70℃、1.5wt%)による再生は、硫酸液を、糸流れ方向と同一の方向で流し、整流状態で再生を行った。
〔実施例5〕
下記の条件以外は、実施例4と同様にして、流下緊張紡糸を行った。
延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前精練処理及び再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、ロータリーカッターを用いて繊維長38mmにカットした。その後、油剤付与・乾燥を行なった後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。
〔実施例6〕
下記の条件以外は、実施例4と同様にして、流下緊張紡糸を行った。
延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前精練処理及び再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、油剤付与・乾燥を行なった後、ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットし、その後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。
〔比較例2〕
下記の条件以外は、実施例4と同様に行った。
ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットし、その後、硫酸(70℃、1.5wt%)にて、硫酸液を、糸流れ方向に対し、向流方式で流し、乱流状態で再生を行った。
〔実施例7〕
公知の方法によって得られた銅アンモニアレーヨン原液(質量比で、セルロース10.0%、アンモニア7.0%、銅3.6%)を用いて、流下緊張紡糸を行った。
紡糸ノズルとして、穴径0.6mm、穴数2430の吐出孔を有する紡口より、15℃〜20℃の温水中に該原液を吐出した。流下緊張紡糸法により、延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前洗練処理し、その後、硫酸(70℃、1.5wt%)にて再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、ロータリーカッターを用いて繊維長38mmにカットした。
その後、油剤付与、乾燥を行なった後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。
なお、硫酸(70℃、1.5wt%)による再生は、硫酸液を、糸流れ方向と同一の方向で流し、整流状態で再生を行った。
〔実施例8〕
下記の条件以外は、実施例4と同様にして、流下緊張紡糸を行った。
延伸並びに脱アンモニアして凝固せしめて青糸とし、この青糸を変向させ、硫酸(70℃、1.5wt%)にて前精練処理及び再生を行い、50℃の温水で水洗を行い、油剤付与・乾燥を行なった後、ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットし、その後、梱包した。更に、この綿を用いて紡績糸を製造し、評価に供した。
〔比較例3〕
下記の条件以外は、実施例7と同様に行った。
ロータリーカッターを用い、繊維長38mmにカットし、その後、硫酸(70℃、1.5wt%)にて、硫酸液を、糸流れ方向に対し、向流方式で流し、乱流状態で再生を行った。
〔比較例4〕
繊度を1.7dtexとした以外は、比較例3と同様に行った。
上記の実施例及び比較例で得られたセルロース極細繊維綿の物性及び評価結果を表1〜3に示す。また、本発明のセルロース極細繊維綿の断面の顕微鏡写真を図1に示す。
表1〜3に示した通り、実施例1〜3では、ネップの発生個数が100個/g以下であり、嵩高性、吸水性に優れた、セルロース極細繊維が得られた。
カット処理の工程を前精練後、水洗後、乾燥後と、後ろの工程にすることで、ネップの発生が減少する効果がある。実施例で得られた綿は、繊維配列の平行度が高く、ブロック状態を呈していた。
表1〜3から明らかなように、本発明のセルロース極細繊維綿は、ネップ発生数が低く抑えられていることが分かる。
本発明のセルロース極細繊維綿は、セルロースの特徴である優れた強力及び光沢、柔軟な風合い及び高い吸湿性を有し、これまでのセルロース極細繊維綿にはない柔軟な風合い及び高い吸湿性を実現できる。更に、カーディング時のネップ発生を低く抑えられることにより製品品位を向上できる。この特徴を生かして、衣料等の繊維分野への幅広い用途展開が期待できる。

Claims (5)

  1. 構成繊維として、繊度が0.1〜0.8dtexであり、繊維長が20〜200mmであり、そしてネップ発生数が100個/g以下である、銅アンモニア法によって得られた再生セルロース極細繊維綿を用いてなることを特徴とする紡績糸。
  2. 前記セルロース極細繊維綿の水分率が10〜14%である、請求項1に記載の紡績糸。
  3. 前記セルロース極細繊維綿の白色度が70〜90%である、請求項1又は2に記載の紡績糸。
  4. 前記セルロース極細繊維綿の嵩高性が45〜53mmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の紡績糸。
  5. 前記セルロース極細繊維以外の繊維が混合されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の紡績糸。
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