JP5583925B2 - 加硫ゴム成型品の製造方法 - Google Patents

加硫ゴム成型品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5583925B2
JP5583925B2 JP2009128687A JP2009128687A JP5583925B2 JP 5583925 B2 JP5583925 B2 JP 5583925B2 JP 2009128687 A JP2009128687 A JP 2009128687A JP 2009128687 A JP2009128687 A JP 2009128687A JP 5583925 B2 JP5583925 B2 JP 5583925B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vulcanized rubber
glycerin
polyglycerin
release agent
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009128687A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010274507A (ja
Inventor
大輔 八巻
Original Assignee
精工化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 精工化学株式会社 filed Critical 精工化学株式会社
Priority to JP2009128687A priority Critical patent/JP5583925B2/ja
Publication of JP2010274507A publication Critical patent/JP2010274507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5583925B2 publication Critical patent/JP5583925B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、ゴムホースをはじめとする各種の加硫ゴム成型品を製造する方法に関する。
高圧ホース等の各種ゴムホースをはじめとする加硫ゴム成型品は、例えば、マンドレル等の成型部材を用いて原料ゴムをホース状等の形状に加工するとともに加硫した後、成型部材から離型する(抜き取る)ことによって製造することができる。ホース状に加工された成型品は、例えば、ブロー等で水圧を負荷することでマンドレルから離型する(抜き取る)ことができる。
離型の際のマンドレルの抜けを向上させるべく、通常、マンドレルの表面には離型剤が予め塗布される。このような用途に用いられる離型剤としては、例えば、ノニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤とアニオン型界面活性剤の混合剤、ノニオン型界面活性剤とシリコーン類の混合剤、及びシリコーン型離型剤等が知られている。
各種離型剤のなかでも、洗浄性の高さやコスト面の利点から多く使用されているのは、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール系化合物や、ポリオキシアルキレングリコール系化合物等のノニオン型界面活性剤である。
離型剤は、各種ゴムホースを製造する際にも頻繁に使用されている。ゴムホースを製造するために用いられる原料ゴムとしては、異種ポリマーをブレンドしたブレンドポリマーを主成分とするものが知られている。ゴムホース製造用として多用されるブレンドポリマーの具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(以下、単に「NBR」ともいう)とポリ塩化ビニル(以下、単に「PVC」ともいう)のブレンドポリマーを挙げることができる。
NBRとPVCのブレンドポリマーは、耐オゾン性、耐ガソリン膨潤性、及び耐寒性等の諸特性のバランスが良好な材料として、自動車用燃料系ホースの原料として用いられている。なお、NBRとPVCのブレンドポリマーを原料として用いたゴムホースは、通常、マンドレルにて曲管成型又はその端部が拡管成型されることで製造される。
NBRとPVCは、未加硫時には相溶状態でありながらも物性が相違するものである。従って、NBRとPVCのブレンドポリマーは、ストレスの緩和が起き難く、歪みを蓄積し易いといった特性を示すものである。このため、NBRとPVCのブレンドポリマーを用いてゴムホース等の加硫ゴム成型品を製造しようとすると、曲管成型や拡管成型の際にストレスのかかるR部分や拡管率の大きい部分に亀裂が発生し易いといった問題がある。また、ストレスのかかったNBRとPVCの界面に離型剤が浸透してしまうことが、亀裂が発生する起点にもなっている。
特許文献1では、オキシエチレン基の含有率が20%以上、40%未満であるものを有効成分として含む、所定の化学式で表されるポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが、亀裂抑制効果を示す離型剤であることが開示されている。しかしながら、特許文献1で開示された離型剤は、従来の離型剤に比して良好な亀裂抑制効果を示すものであるが、未だ十分な効果を示すものであるとはいえなかった。
また、特許文献2では、NBRの結合アクリロニトリル量を従来に比して高く設定すること、並びにPVCの平均重合度、NBRとPVCの混合比、及びブレンドポリマーのムーニー粘度をそれぞれ所定の範囲に設定することで、亀裂の発生が抑制されることが開示されている。更に、特許文献3では、NBRのムーニー粘度を40以上、PVCの重合度とNBRの粘度の比を20以下とし、160〜220℃で、30〜600秒間保持して混練したゴム素材を使用することで、亀裂の発生が抑制されることが開示されている。
特許文献2と特許文献3のいずれにおいても、原料ゴム(NBRとPVCのブレンドポリマー)の配合組成や諸特性を調整することで、亀裂の発生を抑制しようとしている。しかしながら、いずれの場合であっても、亀裂抑制効果については未だ十分であるとはいえず、改良の余地がある。
特開2004−306409号公報 特開2001−317663号公報 特開2003−343770号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、離型剤がほとんど残留せず、亀裂の発生が効果的に抑制された高品質の加硫ゴム成型品を製造可能な、原料ゴムの挿入性及び製品の離型性(引き抜き性)の良好な加硫ゴム成型品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、少なくともアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びポリ塩化ビニルを含有するブレンドポリマーを主成分とする原料ゴムに、アルキレンオキサイド付加物を含有しないグリセリン、グリセリン誘導体、ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体、からなる群より選択される、少なくとも一種を主成分とする離型剤を使用することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す加硫ゴム成型品の製造方法が提供される。
[1]少なくともアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びポリ塩化ビニルを含有するブレンドポリマーを主成分とする原料ゴムを用いて加硫ゴム成型品を成型するとともに、アルキレンオキサイド付加物を含有しないグリセリン、グリセリン誘導体、ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体、からなる群より選択される、少なくとも一種を主成分とする離型剤を使用して、前記加硫ゴム成型品を離型させる工程を有する加硫ゴム成型品の製造方法。
[2]前記離型剤の少なくとも一種を主成分として、前記グリセリン誘導体が含まれ、前記グリセリン誘導体が、グリセリンと糖類の縮合物である前記[1]に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
[3]前記離型剤の少なくとも一種を主成分として、前記ポリグリセリン誘導体が含まれ、前記ポリグリセリン誘導体が、ポリグリセリンと糖類の縮合物である前記[1]に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
[4]前記離型剤の主成分とされる前記グリセリン誘導体が、HLB値が14以上であるグリセリン脂肪酸エステルである前記[1]に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
[5]前記離型剤の主成分とされる前記ポリグリセリン誘導体が、HLB値が14以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルである前記[1]に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
本発明の加硫ゴム成型品の製造方法は、原料ゴムの挿入性及び製品の離型性(引き抜き性)が良好であるといった効果を奏する製造方法である。また、本発明の加硫ゴム成型品の製造方法によれば、離型剤がほとんど残留せず、亀裂の発生が効果的に抑制された高品質の加硫ゴム成型品を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明の加硫ゴム成型品の製造方法は、少なくともアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びポリ塩化ビニルを含有するブレンドポリマーを主成分とする原料ゴムを用いて加硫ゴム成型品を成型するとともに、アルキレンオキサイド付加物を含有しないグリセリン、グリセリン誘導体、ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体、からなる群より選択される、少なくとも一種を主成分とする離型剤を使用して、加硫ゴム成型品を離型させる工程を有するものである。以下、その詳細について説明する。
[1]原料ゴム:
原料ゴムは、少なくともアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びポリ塩化ビニルを含有するブレンドポリマーを主成分ものである。また、加硫(架橋)可能な一種以上のポリマーとして、SBR、NR、EPDM等を含んでも良い。また、原料ゴムには、その他のポリマーを含有させることができる。その他のポリマーの具体例としては、PS、PP、ABS等を挙げることができる。
本発明の加硫ゴム成型品の製造方法においては、特定の離型剤を使用して加硫ゴム成型品を離型させるため、亀裂の発生が抑制されるといったこれまでにない効果を奏する。このような効果は、二種以上のポリマーを含有するブレンドポリマーを主成分とする原料ゴムを用いた場合、特に、NBRとPVCを含有するブレンドポリマーを用いた場合に顕著となる。
原料ゴムには、上記のポリマー以外の成分として、一般的に用いられる加硫ゴム用の成分が配合されていてもよい。一般的に用いられる加硫ゴム用の成分としては、例えば、加硫(架橋)剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、各種の補強剤(フィラー、コンパウンド等)を挙げることができる。
[2]離型剤:
本発明の加硫ゴム成型品の製造方法において使用する離型剤は、(1)グリセリン、(2)グリセリン誘導体、(3)ポリグリセリン、及び(4)ポリグリセリン誘導体、からなる群より選択される、少なくとも一種を主成分とするものである。なお、グリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルは、いずれもHLB値が14以上であることが必要である。
離型剤は、上記(1)〜(4)の各成分を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、「主成分とする」とは、上記(1)〜(4)の各成分の含有割合(上記(1)〜(4)の各成分を二種以上組み合わせて用いる場合には、二種以上の成分の合計の含有割合)が、離型剤の全体に対して、通常5質量%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは50〜100質量%であることを意味する。
離型剤はそのまま使用してもよく、使用時に水等の溶媒で2〜3倍程度に希釈して使用してもよい。また、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて他の離型剤と併用してもよい。
[2−1]グリセリン:
一般的に市販されているグリセリンをそのまま、又は水等の溶媒で20〜50質量%程度にまで希釈した状態で離型剤として用いることができる。
[2−2]グリセリン誘導体:
グリセリン誘導体の具体例としては、グリセリンと糖類の縮合物等を挙げることができる。糖類は、単糖類と多糖類のいずれであってもよく、糖アルコールであってもよい。これらのなかでも糖アルコールが好ましい。単糖類の具体例としては、グルコース、フルクトース等を挙げることができる。多糖類の具体例としては、デンプン、グリコーゲン、セルロース等を挙げることができる。また、糖アルコールの具体例としては、D−ソルビトール、マンニトール、キシリトール等を挙げることができる。
[2−3]ポリグリセリン:
一般的に市販されているポリグリセリンをそのまま、又は水等の溶媒で10〜50質量%程度にまで希釈した状態で離型剤として用いることができる。
ポリグリセリンの重合度(付加モル数)については特に限定されないが、重合度が高い(付加モル数が多い)と粘度が高くなるため、成型品の表面やマンドレル等の成型部材の表面への付着性が向上するために好ましい。従って、ポリグリセリンの付加モル数は、2〜10(ジグリセリン〜デカグリセリン)であるとこが好ましく、4〜10(テトラグリセリン〜デカグリセリン)であることが更に好ましい。
[2−4]ポリグリセリン誘導体:
ポリグリセリン誘導体の具体例としては、ポリグリセリンと糖類の縮合物等を挙げることができる。ポリグリセリンとしては、上記ポリグリセリンと同様のものを好適に用いることができる。
また、糖類は、単糖類と多糖類のいずれであってもよく、糖アルコールであってもよい。これらのなかでも糖アルコールが好ましい。単糖類の具体例としては、グルコース、フルクトース等を挙げることができる。多糖類の具体例としては、デンプン、グリコーゲン、セルロース等を挙げることができる。また、糖アルコールの具体例としては、D−ソルビトール、マンニトール、キシリトール等を挙げることができる。
[2−5]グリセリン脂肪酸エステル:
グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンを脂肪酸でエステル化したものである。グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、6〜18(C〜C18)であることが好ましく、8〜18(C〜C18)であることが更に好ましく、8〜12(C〜C12)であることが特に好ましい。脂肪酸の炭素数が6未満(C未満)であると、グリセリン脂肪酸エステルを用いた場合の離型性が低下する傾向にある。一方、脂肪酸の炭素数が18超(C18超)であると、グリセリン脂肪酸エステルの水への溶解性が低下するため、洗浄性が低下する傾向にある。
グリセリン脂肪酸エステルは、通常、界面活性剤としての機能を有する化合物である。このため、グリセリン脂肪酸エステルには、それぞれ特有のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が存在する。本発明において、離型剤の主成分として用いられることのあるグリセリン脂肪酸エステルのHLB値は、14以上であり、好ましくは14〜20、更に好ましくは14〜18である。グリセリン脂肪酸エステルのHLB値が14未満であると、このグリセリン脂肪酸エステルを主成分とする離型剤を用いた場合に、十分な離型性が発揮される反面、例えば、NBRとPVCのブレンドポリマーを使用して加硫ゴム成型品を成形する場合に、ストレスのかかったNBRとPVCの界面に離型剤が浸透し易くなり、亀裂が発生するか、或いは発生した亀裂が拡大してしまう。
なお、グリセリン脂肪酸エステルのエステル化度は、そのHLB値が上記の範囲内であれば特に限定されない。
なお、本明細書における「HLB値」は、グリフィン法によって算出された値である。
[2−6]ポリグリセリン脂肪酸エステル:
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンを脂肪酸でエステル化したものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの重合度(付加モル数)については特に限定されないが、重合度が低いと、得られるポリグリセリン脂肪酸エステルの水溶性が低下して洗浄性が劣る場合がある。このため、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの付加モル数は、2〜10(ジグリセリン〜デカグリセリン)であるとこが好ましく、4〜10(テトラグリセリン〜デカグリセリン)であることが更に好ましい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、6〜18(C〜C18)であることが好ましく、8〜18(C〜C18)であることが更に好ましく、8〜12(C〜C12)であることが特に好ましい。脂肪酸の炭素数が6未満(C未満)であると、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合の離型性が低下する傾向にある。一方、脂肪酸の炭素数が18超(C18超)であると、ポリグリセリン脂肪酸エステルの水への溶解性が低下するため、洗浄性が低下する傾向にある。
ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値は、14以上であり、好ましくは14〜20、更に好ましくは14〜18である。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値が14未満であると、このポリグリセリン脂肪酸エステルを主成分とする離型剤を用いた場合に、十分な離型性が発揮される反面、例えば、NBRとPVCのブレンドポリマーを使用して加硫ゴム成型品を成形する場合に、ストレスのかかったNBRとPVCの界面に離型剤が浸透し易くなり、亀裂が発生するか、或いは発生した亀裂が拡大してしまう。
なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度は、そのHLB値が上記の範囲内であれば特に限定されない。
[2−7]その他:
上記(1)〜(4)の各成分に対して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物(以下、単に「アルキレンオキサイド付加物」ともいう)を離型剤として使用すると、例えば、NBRとPVCのブレンドポリマーを使用して加硫ゴム成型品を成形する場合に、ストレスのかかったNBRとPVCの界面に離型剤が浸透し易くなり、亀裂が発生するか、或いは発生した亀裂が拡大してしまう。このような現象が生ずるのは、従来の離型剤であるポリオキシアルキレングリコール系化合物を使用した場合と同様である。このため、本発明の加硫ゴム成型品の製造方法において使用する離型剤には、アルキレンオキサイド付加物が実質的に含まれていないことが必要である
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、諸特性の評価方法を以下に示す。
[挿入性]:ホース状に形成した原料ゴムをマンドレルに挿入する際の挿入性を、以下に示す基準に従って評価した。
◎:力を込めなくても挿入することができる
○:片手で多少の力を込めれば挿入することができる
×:力を込めても挿入することができない
[離型性]:ゴムホース(加硫成型品)をマンドレルから引き抜く(離型させる)際の離型性を、以下に示す基準に従って評価した。
◎:力を込めなくても離型することができる
○:片手で多少の力を込めれば離型することができる
×:力を込めても離型することができない
[洗浄性]:25℃の水を入れた容器中に製造したゴムホースを入れ、3分間撹拌して洗浄した。乾燥後、ゴムホースを切り開き、ゴムホース内面における離型剤残渣の有無を目視することによって確認し、以下の基準に従って洗浄性を評価した。
○:離型剤残渣あり
×:離型剤残渣なし
[亀裂の有無]:原料ゴムを使用して、2.5cm×5cmの未加硫NBR/PVCコンパウンド生地を作製した。作製した生地を80℃に設定したオーブンに入れ、5分間加熱して半加硫させた。オーブンから取り出した半加硫後の生地の両端を100%引っ張るとともにその表面に離型剤を塗布し、再度オーブンに入れた。10分間加熱して加硫ゴムシートを得た。得られた加硫ゴムシートを水洗し、その表面に付着した離型剤を除去した後、乾燥した。得られた加硫ゴムシートの表面に発生した亀裂を、目視及び顕微鏡観察(50倍)することによって確認し、以下に示す基準に従って評価した。
○:僅かな亀裂も確認できない
△:僅かな亀裂が確認できる
×:多数の亀裂が確認できる
(合成例1:グリセリンとD−ソルビトールの縮合物の合成)
グリセリン69.1g(0.75mol)、D−ソルビトール54.7g(0.30mol)、及び触媒として10質量%NaOH水溶液10.0gを300mlのフラスコに入れ、105℃まで昇温して脱水した。更に240℃まで昇温し、水が13.5ml(0.75mol)留出した時点で加熱を止めて冷却した。85質量%リン酸を添加してpHを7に調整し、グリセリンとD−ソルビトールの縮合物を得た。得られたグリセリンとD−ソルビトールの縮合物は、グリセリンとD−ソルビトールが1:1のモル比で反応したものであった。なお、得られたグリセリンとD−ソルビトールの縮合物には未反応のグリセリンが残存していたが、特に精製することなく、そのまま離型剤として使用した。
(調製例1:原料ゴムの調製)
表1に示す配合処方に従って各成分を混合することにより、原料ゴムを調製した。
Figure 0005583925
(実施例1)
ホース成型用のマンドレル(ステンレス製)を蒸気で加熱した後、その表面に離型剤としてグリセリンを塗布した。ホース状に形成した原料ゴムの先端から離型剤としてグリセリンを注いで塗布した後、マンドレルに挿入した。なお、挿入性の評価結果は「◎」であった。160℃で15分間加硫した後、その表面温度が90℃になるまで冷却し、マンドレルから引き抜く(離型させる)ことによりゴムホース(加硫成型品)を得た。なお、離型性の評価結果は「◎」、洗浄性の評価結果は「○」、及び亀裂の有無の評価結果は「無」であった。
(実施例2〜6、比較例1〜5)
表2に示す種類の離型剤を使用したこと以外は、前述の実施例1と同様にしてゴムホースを得た。挿入性、離型性、洗浄性、及び亀裂の有無の評価結果を表2に示す。
Figure 0005583925
(評価)
表2に示す結果から、実施例1〜6の製造方法は、比較例1〜5の製造方法に比して、挿入性及び離型性に優れていることが明らかである。また、実施例1〜6の製造方法は、洗浄性についても好ましくない影響は認められなかった。更に、実施例1〜6の製造方法においては、成型時に生じ易かった亀裂についてもその発生が抑制されることが明らかである。このため、本発明の加硫ゴム成型品の製造方法は、NBRとPVCのブレンドポリマーをはじめとする各種ブレンドポリマー用の離型剤として特に有用である。
本発明の加硫ゴム成型品の製造方法によれば、曲管成型又は拡管成型が容易である。このため、本発明の加硫ゴム成型品の製造方法は、例えば、自動車用燃料系ホース等に頻繁に用いられるNBRとPVCのブレンドポリマーからなるゴムホースを製造する方法として好適である。

Claims (5)

  1. 少なくともアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びポリ塩化ビニルを含有するブレンドポリマーを主成分とする原料ゴムを用いて加硫ゴム成型品を成型するとともに、アルキレンオキサイド付加物を含有しないグリセリン、グリセリン誘導体、ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体、からなる群より選択される、少なくとも一種を主成分とする離型剤を使用して、前記加硫ゴム成型品を離型させる工程を有する加硫ゴム成型品の製造方法。
  2. 前記離型剤の少なくとも一種を主成分として、前記グリセリン誘導体が含まれ、前記グリセリン誘導体が、グリセリンと糖類の縮合物である請求項1に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
  3. 前記離型剤の少なくとも一種を主成分として、前記ポリグリセリン誘導体が含まれ、前記ポリグリセリン誘導体が、ポリグリセリンと糖類の縮合物である請求項1に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
  4. 前記離型剤の主成分とされる前記グリセリン誘導体が、HLB値が14以上であるグリセリン脂肪酸エステルである請求項1に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
  5. 前記離型剤の主成分とされる前記ポリグリセリン誘導体が、HLB値が14以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項1に記載の加硫ゴム成型品の製造方法。
JP2009128687A 2009-05-28 2009-05-28 加硫ゴム成型品の製造方法 Expired - Fee Related JP5583925B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009128687A JP5583925B2 (ja) 2009-05-28 2009-05-28 加硫ゴム成型品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009128687A JP5583925B2 (ja) 2009-05-28 2009-05-28 加硫ゴム成型品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010274507A JP2010274507A (ja) 2010-12-09
JP5583925B2 true JP5583925B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=43421923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009128687A Expired - Fee Related JP5583925B2 (ja) 2009-05-28 2009-05-28 加硫ゴム成型品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5583925B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6099690B2 (ja) * 2015-04-27 2017-03-22 住友理工株式会社 ゴムホースの製造方法
JP6567896B2 (ja) * 2015-06-29 2019-08-28 第一工業製薬株式会社 加硫ゴム成形用離型剤

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58132090A (ja) * 1982-01-29 1983-08-06 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd ゴムホース加硫成形用離型剤
JP2777621B2 (ja) * 1992-09-29 1998-07-23 山下ゴム株式会社 ゴム曲り管の製法
JP4604310B2 (ja) * 2000-05-11 2011-01-05 東海ゴム工業株式会社 燃料輸送ホースの製法
JP4919491B2 (ja) * 2007-02-21 2012-04-18 一方社油脂工業株式会社 加硫ゴム用離型剤
JP2009073030A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Seiko Kagaku Kk エピクロルヒドリンゴムホース用離型剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010274507A (ja) 2010-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101011279B1 (ko) 수용성 생분해 재료
KR101025977B1 (ko) 수용성 생분해 재료
JP4919491B2 (ja) 加硫ゴム用離型剤
EP3103788B1 (en) Plasticizer composition, method for manufacturing plasticizer composition, and resin composition comprising plasticizer composition
KR20150093601A (ko) 이소프탈레이트계 에스테르 화합물 및 이를 포함하는 가소제 조성물
JP6093490B2 (ja) 樹脂組成物及びフィルム
JP5583925B2 (ja) 加硫ゴム成型品の製造方法
KR20090026745A (ko) 소수성 생분해 재료
KR20080065619A (ko) 수용성 생분해 재료
JP6456132B2 (ja) 水溶性フィルム及び薬剤包装体
JP4321030B2 (ja) 加硫ゴム用離型剤
JP6479510B2 (ja) 加硫ゴムホース成形用離型剤
JP2002053674A (ja) 水溶性フィルム
JP2018052054A (ja) ホースの製造方法
JP2009073030A (ja) エピクロルヒドリンゴムホース用離型剤
JP2001072710A (ja) 変性ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法
SG190671A1 (en) Method for producing polyoxyalkylene alkyl ether
JP3509026B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂成型物の製造方法
JPS6243441A (ja) ゴム配合組成物
KR20150093606A (ko) 이소프탈레이트계 에스테르 화합물 및 이를 포함하는 캘린더링용 염화비닐계 수지 조성물
JP2019111724A (ja) 加硫ゴム用離型剤
CN118159405A (zh) 硫化橡胶成形用脱模剂、水稀释液、硫化橡胶成形品的制造方法和硫化橡胶成形品
KR101705428B1 (ko) 이소프탈레이트계 에스테르 화합물 및 이를 포함하는 가소제 조성물
JP2870155B2 (ja) ゴム組成物
KR20220076185A (ko) 가소제용 에스테르 화합물 및 이의 제조방법 및 이를 포함하는 가소제

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140715

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5583925

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees