JP2777621B2 - ゴム曲り管の製法 - Google Patents

ゴム曲り管の製法

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願はゴム曲り管の製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】三次元等に曲ったゴム曲り管を製造する
には、直管状をなす未加硫または半加硫ゴムの成形用材
料(ゴム半製品という)を曲線状のマンドレル上へ被せ
る装着工程と、マンドレル上へ装着された状態でゴム半
製品を加熱して加硫することにより曲線状に形状固定さ
れたゴム管にする加硫工程と、加硫後のゴム管をマンド
レルから取り外す抜き取り工程とからなる作業が行われ
ていた。
【0003】また装着工程では、マンドレルに対するゴ
ム半製品の着脱を容易にするため離型剤を塗布してい
た。この塗布方法は手作業でゴム半製品を離型剤のタン
ク内へディッピングすることにより行われていた。
【0004】さらに、西独特許3042167号には、
マンドレルの先端にそれよりも小径 で直線的な棒状をな
すガイド部材を一体化してあり、このガイド部材の周囲
へ被せた中空ゴム半製品の一端を管状の押し出し部材で
押すことにより、マンドレル上へ被せるようにしたゴム
曲り管の製造装置が記載されている。
【0005】特開平3−99809号には、加硫前の成
形ホース内へグリコール系離型剤及びシリコーン滑剤を
塗布してからマンドレルへ被せて加硫し、その後抜き取
ることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記離型剤の
塗布工程では、離型剤がゴム半製品の内外両面に不可避
的に塗布されてまう。しかし本来はゴム半製品の内面だ
け離型剤の塗布が必要であり、外面には無用であるか
ら、その分だけ無駄になって不経済である。
【0007】また、ディッピング後ゴム半製品をタンク
から引き上げて余分な離型剤が滴下し終えるまで待つ垂
れ切り処理が必要であり、この処理の分だけ余計に時間
がかかることになる。
【0008】さらに、離型剤のタンクが開放されている
こと、垂れ切り処理時に床面へ離型剤がこぼれること等
により作業環境が悪化し易くなり、かつ清掃に伴う排水
処理コストがかかることになる。
【0009】そのうえ、前記西独特許3042167号
のガイド部材は、マンドレルと一体に設けられたより小
径で直線的な棒状をなしているが、ガイド部材をこのよ
うに構成すると、ガイド部材からマンドレル上へ移る時
点でやはりゴム半製品の先端側が座屈し易く、ガイド部
材とその押し出し機構だけでは前記スムーズで確実な装
着を実現できない。
【0010】すなわち、ゴム半製品の一端部を押して先
端側からマンドレル上へ被せようとしても、先端がガイ
ド部材からマンドレルへ移る時点で抵抗が大きいために
移動 を停止すると同時に、その後方部分は押し出し部材
で押され続けることにより、全体が軸方向へ圧縮されて
軸直交方向外方へ膨らむだけで座屈してしまう。
【0011】したがって、実際上はゴム半製品のマンド
レルに対する装着がスムーズに行われず、例えば手を使
って押し込む等の装着補助作業が必要になる。しかも、
座屈した状態のまま押し続ければ軸直交方向外方へ膨ら
んだゴム半製品が破裂してしまうおそれもある。
【0012】また、特開平3−99809号のように装
着前に離型剤を塗布したとしても、装着方法と関連させ
た塗布方法を採用しなければ全体の製造効率を向上させ
ることができない。
【0013】本願はかかる諸問題点を解決し、かつ量産
性があり自動化にも適したゴム曲り管の製法を提供する
ことを目的にする。
【0014】
【上記課題を解決するための手段】上記課題を解決する
ため、本願発明に係るゴム曲り管の製法は、直管状をな
す未加硫または半加硫ゴムのゴム半製品を片持支持され
曲線状のマンドレルの自由端側における軸線と同軸線
上に配置された直管状をなすガイド部材の中空部内に支
持させ、ゴム半製品の反マンドレル側端面を押すことに
よりゴム半製品をガイド部材の中空部からマンドレル上
へ押し出して装着し、この状態でゴム半製品を加熱して
加硫することによりゴム曲り管を製造する方法におい
て、押し出しに先立って、ガイド部材の中空部内に支持
されているゴム半製品の中空部内へノズルを挿入し、こ
のノズルをゴム半製品の中空部内を軸方向へ移動しつつ
離型剤を塗布させることによりゴム半製品の内面のみに
離型剤を塗布することを特徴とする。
【0015】
【作用】本願発明によれば、装着工程においてゴム半製
品を直管状をなすガイド部材の中空部内に支持されたゴ
ム半製品をマンドレルへ向かって押し出すので、ゴム半
製品はマンドレルの手前で曲げることなくマンドレル上
へ取り付け可能になる。
【0016】しかも、ゴム半製品をマンドレル上へ被せ
ようとして押し出すとき、ガイド部材がゴム半製品を軸
直交方向外方へ必要以上に膨らませないように保持する
ので、ゴム半製品の先端がガイド部材からマンドレルへ
移る段階で座屈せずにスムーズにマンドレル上へ導か
れ、容易かつ確実にマンドレル上へ装着可能になる。
【0017】このとき、ゴム半製品を管状のガイド部材
内へ入れて周囲をガイド部材に支持させることにより、
ゴム半製品の中空部内が空間になっているので、この中
空部内へノズルを入れて離型剤を吐出させながら軸方向
に移動させると、ゴム半製品の内面のみ全長に離型剤が
塗布される。
【0018】そのうえ、ゴム半製品を管状のガイド部材
内へ支持していることにより、ゴム半製品の押し出しが
できる状態にしたまま、押し出しに先立って離型剤の塗
布ができ、その後ノズルを後退させて直ちに押し出しで
きるから、離型剤の乾燥による離型効果の低減を防止
し、同時に離型剤の塗布から装着するまでの作業を迅速
化できるので全体の製造効率を向上させる。
【0019】
【実施例】図3は本出願に係るゴム曲り管の製法に関す
る一実施例方法における工程を説明するための図であ
り、装着工程、加硫工程及び抜き取り工程の各工程を原
理的かつ時系列的に並べて示す図である。
【0020】この図において、A,B,Cの各段階は装
着工程、D段階は加硫工程、E,Fの各段階は抜き取り
工程を示す。なおF段階に示すものは最終製品であるゴ
ム曲り管1の断面形状でもある。このゴム曲り管1は3
次元的に曲っている。
【0021】まず、装着工程においてA段階はマンドレ
ル2とガイド部材3及びゴム半製品4を同軸上に配置さ
せた状態を示す。
【0022】マンドレル2はマンドレル台(図示省略)
へ片持支持され、ゴム曲り管1(F段階)と同形上に曲
った部材であり、その軸線と同軸上に直管状のガイド部
材3が配設されている。
【0023】ガイド部材3の中空部内には同じく直管状
をなすゴム半製品4が挿入され、ガイド部材3の長さ方
向へ移動自在に支持されている。
【0024】ゴム半製品4はEPT、NBR、NBRと
PVCの共重合体、SBR、CR、NR及びその他の適
宜ゴム素材のいずれか又はこれらのうちの適当な組み合
わせからなるブレンド、もしくはこれらのうちに適当な
ものとこれら以外とのブレンドであり、必要によって、
ゴム中に短繊維を練り込んだもの、中間層に補強糸や織
布を入れたもの、表面を補強糸で編み上げたものなどが
用いられる。
【0025】なお、本実施例では、A段階において、ゴ
ム半製品4の装着に先立ってその内部へノズル5を挿入
し、先端より離型剤を吐出させながらゴム半製品4の軸
線方向へ進退動させることにより、ゴム半製品4の内面
に離型剤を塗布するようになっている。
【0026】B段階では、ガイド部材3内へ後述する押
し出し装置の一部を構成するアーム6を、反マンドレル
2側から押し込み、アーム6の先端に取付けられたガイ
ド部材3の内径に略等しい大きさのヘッド7をゴム半製
品4の一端に当接させて、ゴム半製品4をマンドレル2
側へ押し出す。
【0027】すると、ゴム半製品4は本来座屈して曲り
易いにもかかわらず、マンドレル2と同軸上で直管状を
なすガイド部材3に周囲をガイドされるため、マンドレ
ル2自由端2bの手前で座屈して曲がることなく、その
先端側からマンドレル2の周囲へ被さりつつ押し込ま
れ、マンドレル2の曲り形状に沿って基部2a側へ押し
込まれる。
【0028】C段階はゴム半製品4の装着が終了した状
態であり、ゴム半製品4は完全にマンドレル2の周囲へ
装着されてマンドレル2と同一形状に曲がっている。同
時にアーム6及びヘッド7はガイド部材3内から外部へ
後退される。
【0029】D段階は加硫工程であり、ゴム半製品4は
マンドレル2上へ装着された状態で加硫装置8内へ移さ
れ、所定の温度、圧力及び時間で加熱することにより加
硫され、マンドレル2と同一形状に形状固定されたゴム
曲り管1となる。
【0030】E段階は、加硫後に加硫装置8外から出さ
れたマンドレル2及びゴム曲り管1に対して、ゴム曲り
管1の一端を把持部材10で把持し、マンドレル2の軸
線に沿って把持部材10を先端に取付けたプランジャ
(図示せず)のアーム11を後退させることにより、ゴ
ム曲り管1をマンドレル2から抜き取る。
【0031】このときゴム曲り管1はマンドレル2の軸
線方向へその曲りに応じて変形しながら抜き取られる。
ただし、加硫直後でまだゴム曲り管1が比較的高温であ
るため、抜き荷重を小さくでき、ためにスムーズに作業
できる。
【0032】F段階はこのようにして、抜き取られてか
つ把持部材10が外されゴム曲り管1を示し、ゴム曲り
管1はマンドレル2の曲り形状に対応する加硫後の所定
曲り形状に復元している。
【0033】図1及び図2は本願におけるゴム曲り管の
製法における液状離型剤の塗布工程で使用される装置の
一実施例を示す図である。
【0034】図1において、ゴム半製品4の中空部内に
挿入されているノズル5からは、ゴム半製品4の軸線方
向へ延び、かつガイド部材3の外方まで延出するノズル
アーム12が一体に設けられている。
【0035】ノズルアーム12の他端には注入ヘッド1
3が設けられ、かつこの注入ヘッド13部分は伸縮アー
ム14の先端部に連結されている。
【0036】伸縮アーム14はプランジャ15により伸
縮自在であり、その伸縮に伴って、ノズルアーム12が
ゴム半製品4の中空部内で軸線方向へ進退し、その結果
ノズル5が軸線方向へ移動するようになっている。
【0037】注入ヘッド13はフレキシブルチューブ1
6を介してプランジャ型の定量機17の液室18側と接
続し、さらに離型剤の液室18はバルブ19を介してタ
ンク20と接続されている。
【0038】液室18内の離型剤21はピストン22に
押されて、ピストン22の移動量に対応する所定量がフ
レキシブルチューブ16を介して注入ヘッド13へ圧力
状態で供給され、さらに注入ヘッド13からノズルアー
ム12を経てノズル5へ送られ、ノズル5から吐出され
る。
【0039】バルブ19は一方向弁であり、液室18内
が所定圧よりも高いとき閉じ、低くなれば開いてタンク
20から液室18内へ離型剤21を供給可能になってい
る。
【0040】ピストン22の移動は、ピストン22から
定量機17の外方へ延出するピストンロッド23の一端
を液圧式プランジャのような適当な駆動装置24により
進退させることによって行われる。
【0041】なお、ピストンロッド23の定量機17と
駆動装置24の中間部分には定量機17の壁部へ当接す
ることによりピストン22の移動量を規制するための定
量調整部材25が設けられている。
【0042】定量調整部材25はピストンロッド23の
軸方向へ移動してピストン22との間隔を変化させるこ
とができ、これによりピストン22の圧縮程度に応じて
ノズル5側へ供給される離型剤21の定量を調節可能で
ある。
【0043】図2はノズル5部分を拡大した図であり、
ノズル5には吐出口26が形成されており、この吐出口
26はゴム半製品4の内面へ指向している。吐出口26
と一端で連通する供給通路27がノズルアーム12の軸
心方向に形成され、供給通路27の他端は注入ヘッド1
3(図1)へ接続している。
【0044】次に本実施例装置の使用方法による離型剤
の塗布方法を説明する。まず、図1において、ガイド部
材3の中空部内に支持されたゴム半製品4の中空部内へ
ノズル5及びノズルアーム12を挿入する。
【0045】続いて定量機17よりフレキシブルチュー
ブ16を介して注入ヘッド13へ所定量の離型剤21を
圧力状態で供給すると、離型剤21は図2に示すように
供給通路27を通って吐出口26からゴム半製品4の内
面へ向かって吐出される。
【0046】そこで、図1に示すプランジャ15の伸縮
アーム14を伸縮させると、これと一体のノズルアーム
12がゴム半製品4内を進退することにより、ノズル5
がゴム半製品4の中空部内を軸線方向へ移動する。
【0047】その結果、ゴム半製品4の内面は全長に離
型剤が塗布される。このため、離型剤の塗布を自動化で
きる。しかも、離型剤の垂れ切り処理を不要にできるの
で、塗布工程の作業効率を著しく向上させることができ
る。
【0048】また、離型剤が床面へこぼれにくくなり、
かつタンク20を密閉式にでき、しかもゴム半製品4の
内面で塗布するため離型剤の周囲に対する散逸量を少な
くできるので、作業環境を良好にでき、かつ排水処理の
コストも低減できる。
【0049】そのうえ、離型剤の塗布はゴム半製品4の
内面だけに限定でき、その外面には塗布されないので、
従来のような余分な塗布をしないで済み、経済的であ
る。
【0050】さらに、ガイド部材3の中空部内に支持さ
れているゴム半製品4の内面のみへ離型剤を塗布し、そ
の後直ちにマンドレル2へ装着できるので、装着直前で
の離型剤塗布が可能になり、良好な離型効果を維持でき
るとともに、離型剤の塗布から装着するまでの作業を迅
速化できるので全体の製造効率を向上できる。
【0051】
【発明の効果】本願発明によれば、装着工程においてゴ
ム半製品を直管状をなすガイド部材の中空部内に支持さ
れたゴム半製品をマンドレルへ向かって押し出すので、
ゴム半製品はマンドレルの手前で曲げることなくマンド
レル上へ取り付け可能になる。
【0052】しかも、ゴム半製品をマンドレル上へ被せ
ようとして押し出すとき、ガイド部材がゴム半製品を軸
直交方向外方へ必要以上に膨らませないように保持する
ので、ゴム半製品の先端がガイド部材からマンドレルへ
移る段階で座屈せずにスムーズにマンドレル上へ導か
れ、容易かつ確実にマンドレル上へ装着可能になる。
【0053】また、ゴム半製品の外側をガイド部材で支
持させることにより、ゴム半製品の中空部内でノズルを
軸方向へ移動させることができるため、ゴム半製品の内
面のみ全長に離型剤の塗布ができるので、離型剤の塗布
をゴム半製品内面の必要部分だけに限定して塗布可能か
つ塗布範囲を必要最小限の部分のみに限定でき、極めて
経済的である。しかも、量産性があり、自動化も可能に
なる。
【0054】このため、従来のように垂れ切り処理を不
要にでき、作業効率を向上できるとともに、垂れ切り時
にこぼれて床面を汚すような事態も解消され、かつ離型
剤のタンクを密閉でき、しかもゴム半製品内における塗
布のため離型剤の散逸量も少なくできる。その結果、作
業環境を良好にできるようになり、かつ排水処理のコス
トを低減させることができる。
【0055】さらに、ガイド部材の中空部内に支持され
ているゴム半製品の内面のみへ離型 剤を塗布し、その後
直ちに装着できるので、装着直前での離型剤塗布が可能
になり、良好な離型効果を維持できるとともに、離型剤
の塗布から装着するまでの作業を迅速化できるので全体
の製造効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例方法に使用する離型剤塗布装置の概略
【図2】上記実施例装置要部の拡大図
【図3】上記施例方法の原理的な工程図
【符号の説明】
1:ゴム曲り管、2:マンドレル、3:ガイド部材、
4:ゴム半製品、5:ノズル、6:アーム、7:ヘッ
ド、8:加硫装置、10:把持部材、12:ノズルアー
ム、15:プランジャ、17:定量機、20:タンク、
26:吐出口、27:供給通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 53/08 B29C 53/08 F16L 11/04 F16L 11/04 // B29K 21:00 105:24 (72)発明者 長谷川 哲生 埼玉県入間郡大井町大字亀久保1239番地 山下ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−99809(JP,A) 西独国特許出願公開3042167(DE, A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29D 23/00 - 23/24 B29C 33/00 - 33/76 B29C 35/00 - 35/14 B29C 53/08 F16L 11/00 - 11/24 B29K 21:00 B29K 105:24 B29L 23:00 - 23:24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直管状をなす未加硫または半加硫ゴムの
    ゴム半製品を片持支持された曲線状のマンドレルの自由
    端側における軸線と同軸線上に配置された直管状をなす
    ガイド部材の中空部内に支持させ、ゴム半製品の反マン
    ドレル側端面を押すことによりゴム半製品をガイド部材
    の中空部からマンドレル上へ押し出して装着し、この状
    態でゴム半製品を加熱して加硫することによりゴム曲り
    管を製造する方法において、 押し出しに先立って、ガイド部材の中空部内に支持され
    ているゴム半製品の中空部内へノズルを挿入し、このノ
    ズルをゴム半製品の中空部内を軸方向へ移動しつつ離型
    剤を塗布させることによりゴム半製品の内面のみに離型
    剤を塗布することを特徴とするゴム曲り管の製法。
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