以下、添付図面に従って本発明に係る開閉体装置の一例として防火シャッター装置について説明する。図1は、本発明に係る開閉体装置である防火シャッター装置の概略構成を示す図である。この防火シャッター装置は、通常は開閉機1がシャッターカーテン4を図示しない巻取り軸に巻き取るなどして開口部の周縁部の上部に設けられた収納部に収納した開放状態にある。なお、別例としてはシャッターカーテンを巻き取らずに収納部に収納して開放状態とするものもある。この開放状態はブレーキ2で機械的に保持されることによって維持されている。そして、自動閉鎖装置3は、火災発生時には、連動中継器5を介して入力される感知器15(または感知器を接続した連動制御器や防災盤など)からの防災信号BSや電気式手動閉鎖装置7(非常用シャッター閉鎖ボタンを含む)の操作信号に応じて、ブレーキ2による開放状態の保持を解除し、シャッターカーテン4を自重で自然降下により収納部から繰り出させることによって、開口部を閉鎖し(仕切り)、所定の防火区画を形成するようになっている。
連動中継器に対して防災信号BSを出力する感知器15や感知器を接続した連動制御器や防災盤などは、設置環境などにより適宜選択され設けられる。複数の感知器などが設けられても良いが、複数の内一つ以上の感知器などが感知した場合に複数の防災BSの感知に応じた数の防災信号が連動中継器に入力されるようにしてもよいし、複数の内一つ以上の感知器などが感知した場合に単一の防災信号BSが連動中継器に入力されるようにしても良い。なお、防災盤や感知器を接続した連動制御器から出力される防災信号BSは直流24Vなど有電圧信号である場合が多いが、感知器から出力される防災信号BSは無電圧信号である場合が多いので、連動中継器は入力される防災信号BSに適宜対応できるようにされている。
開閉機1は、シャッターカーテン4を電動で開放、閉鎖するための駆動モータである。なお、シャッターカーテン4を開閉させる必要がない通常時には、図示のような駆動源である開閉機1とブレーキ2とで構成しなくても、ブレーキ2のみで構成するようにしても良い。連動中継器5は、防災信号BSの入力があった場合、自動閉鎖装置3に有電圧信号である直流24V信号を出力するものである。連動中継器5は、通常は、商用電源16を使用して直流24V信号を出力するが、停電時などには連動中継器5に内蔵されている予備電源(蓄電池などのバッテリー)からの電力によって直流24V信号を出力する。
自動閉鎖装置3は、従来の防火シャッター等に用いられる既知の自動閉鎖装置のように連動中継器5を介して供給される商用電源16又は連動中継器5に内蔵されている予備電源(蓄電池)からの電力(直流24V信号)に応じて動作する。また、自動閉鎖装置3は、シャッター用予備電源を内蔵する連動中継器5から供給される24V信号の電力を用いて動作することにより、火災発生時に防火シャッター装置10に対する商用電源の供給がなくとも、感知器15などから入力される防災信号BSに基づきブレーキ2を解放し、巻取り状態にある防火構造のシャッターカーテン4を自重で下降させ自動的に開口部を閉鎖することができるようになっている。
電気式手動閉鎖装置7は、主にシャッター電動開閉駆動用の開閉機を操作したり、連動中継器に防災信号BSが入力したときと同様の動作をさせるための起動信号を手動で入力させるものである。電気式手動閉鎖装置7には、開閉機1へのシャッターカーテン開閉停の指示に対応した平常時操作用の入力スイッチ(押しボタンスイッチ)と、非常用シャッター閉鎖ボタンである作動ボタン、復旧ボタン及び電池試験ボタンなどを備え、さらに電池試験結果を表示したり、予備電源の状態を表示したり、コード断線状態を表示したりする種々の表示手段を備えている。図1では防火戸12の上側に電気式手動閉鎖装置7が図示してあるが、実際は防火戸12近くの躯体側などの人が操作可能な位置に設置されている。電気式手動閉鎖装置7の特に作動ボタンは、樹脂製の透明パネル(押し破りキャップ)に覆われ、非常時にこの樹脂製の透明パネルを押し込むことによって、操作可能に構成された非常用シャッター閉鎖ボタン(作動ボタン)を備えている。
この防火シャッター装置10には、開閉中に障害物への接触を検出する障害物感知装置が設けられている。障害物感知装置は、図示のようにシャッターカーテン4の下端の座板上に設けられた座板スイッチ9と、シャッターカーテン4の収納ボックス内に設けられた有線式障害物感知装置17と、これらの間を電気的に接続する信号コード11とによって構成される。座板スイッチ9は、シャッターカーテン4の座板に取り付けてあり、この座板が人や物などの障害物に接触することによって接点の閉じるマイクロスイッチを内蔵しており、この接点が閉じた場合にそれを感知信号として有線式障害物感知装置17に信号コード11を介して有線方式で送信する。信号コード11は、座板スイッチ9の感知信号を有線式障害物感知装置17に伝送するケーブルである。このケーブルは、コードリールや移動式プーリー等により収納したりガイドしたりすることによって、シャッターカーテン4の開閉を阻害する撓みを生じないようにしている。
有線式障害物感知装置17は、通常時は商用電源により動作し、座板スイッチ9からの感知信号の入力に応じて開閉機1の動作を制御し、さらに少なくとも火災発生時など非常時には、座板スイッチ9からの障害物感知信号を自動閉鎖装置3へスルー出力するものである。自動閉鎖装置3は、この有線式障害物感知装置17からの障害物感知信号の入力に応じてシャッターカーテン4の閉動作を停止してその回避動作を行うようになっている。従って、火災発生時にシャッターカーテン4が自重下降している際に座板などが障害物に接触し、座板スイッチ9から感知信号が検出された場合に、シャッターカーテン4の自重下降を停止してその回避動作を行うようになっている。すなわち、有線式障害物感知装置17は、通常時、シャッターカーテン4が下降中に障害物感知信号を入力した場合、シャッターカーテン4の下降動作を停止し、一定時間だけ上昇させるという制御を行う。一方、有線式障害物感知装置17は、防災発生時などのように自動閉鎖装置3が起動して、シャッターカーテン4が下降中に、障害物感知信号を入力した場合には、その障害物感知信号を自動閉鎖装置3にスルー出力し、自動閉鎖装置3の動作を停止させ、開閉機1のブレーキ2の解放状態を戻して、一旦、シャッターカーテン4を停止させるという制御を行う。
シャッターカーテンに併設して防火戸を備える防火シャッター装置の一般的な構成では、シャッターカーテン4の両サイドに、開口部側端部に設けられるガイドレールと、シャッターカーテンと防火戸との間の開口部に設けられる中柱と呼ばれるガイドレールとが存在する。この実施の形態では、シャッターカーテン4の片側(図の左側)にガイドレール21が設けられているが、中柱は存在せず、防火戸12の側端部の一部に凹状の溝部を設けそれをガイドレール22として利用している。従って、この実施の形態に係る開閉体装置の場合、防火戸12が回転可動して閉鎖した(仕切った)状態にならないと、シャッターカーテン4の両サイドにガイドレールが存在しないこととなる。
従って、この実施の形態では、遮蔽戸手段として設けられた袖扉である防火戸12の閉鎖動作に連動してシャッターカーテン4を閉鎖作動させるための閉鎖確認用スイッチ24が戸当り部又は開口部のまぐさ上部に設置してあり、防火戸12が先に閉鎖して閉鎖確認用スイッチ24から閉鎖確認信号が出力されることによってシャッターカーテン4が閉鎖動作を開始するような構成になっている。閉鎖確認用スイッチ24から出力される閉鎖確認信号は、ガイドレール22の近傍を通って、シャッターカーテン4と干渉しない位置を通過して開閉機1及び自動閉鎖裝置3などの制御部に導入されるようになっている。防火戸12は、常時開放式のものであり、通常は開口部側面の柱や壁などに設けられた戸袋等に収納されている。この常時開放式の防火戸12には、閉鎖した防火戸に別途設けられた潜り戸121によって避難通路が確保されるようになっている。
防火戸12は平常時には図示していない防火戸用自動閉鎖装置により開放状態で拘束されているが、防火戸用自動閉鎖装置により拘束を解かれると、自重(所謂グラビティーヒンジ使用など)やばね力(クローザー使用など)などの付勢力により閉鎖するように構成されている。防火戸用自動閉鎖装置は、連動中継器に設けられた外部機器電源供給端子(24ボルト出力端子:端子24−0)に電気的に接続されており、危害防止連動中継器が起動信号の入力に応じて外部機器電源供給端子から24[V]の電圧を防火戸用自動閉鎖装置へ有電圧信号として出力するとその電力を用いて防火戸の拘束を解き、防火戸を閉鎖させる。また、防火戸用自動閉鎖装置に防火戸用手動閉鎖装置(非常用閉鎖指示手段)が接続されている場合は、防火戸用手動閉鎖装置の操作によっても、防火戸用自動閉鎖装置は、防火戸の拘束を解き、防火戸を閉鎖させることもできる。防火戸用自動閉鎖装置は、電気的に防火戸用自動閉鎖装置へ閉鎖指示信号を出力するものであっても機械的に作用して防火戸用自動閉鎖装置を作動させるものであってもよい。
防火戸12は、防火戸本体とガイドレール22と潜り戸121とから構成されており、通常は、開口部側面に設けられた戸袋に収納され、防災信号BSや電気式手動閉鎖装置7(非常用シャッター閉鎖ボタンを含む)の操作信号に応じてシャッターカーテン4の閉鎖動作前に戸袋から脱出し、開口部の一部を塞ぐように回転移動してまぐさ上部の戸当たりに当接して停止する。なお、図示していないが、ガイドレール22とシャッターカーテン4の勘合部分には、ガラスクロス材やクロロプレンゴム材等からなる気密材が、また、防火戸12と柱との勘合部分にも、ガラスクロス材やクロロプレンゴム材等からなる気密材が、それぞれ取り付けられている。これによって、防火戸12のガイドレール22とシャッターカーテン4との間の隙間、及び防火戸12と柱との間の隙間がそれぞれ塞がれ、煙の漏れを防止することができる。なお、ゴム材に代えて気密材を設けてもよく、気密材に代えてゴム材を設けてもよい。
図2は、防火戸の詳細構成を示す図である。図3は、図2の防火戸とまぐさ上部の戸当たり及び床面との関係の詳細を示す図であり、図3(A)は、防火戸が回転移動してまぐさ上部の戸当たりに当接して停止した状態を防火戸の回転軸側から見た図であり、図3(B)は、さらにラッチ側から閉鎖確認用スイッチ側を見た図である。防火戸12は、図2に示すように、ドアノブ123の扉開放操作(回転操作)に対応して解錠されるラッチ124をその上端(天端)に有する。ラッチ124は、図3(A)に示すように、上枠となる戸当たり30に凹状のラッチ受け31を有する。ラッチ124は、伝達駆動機構125を介してドアノブ123に連結されている。このラッチ124によって、防火戸12はまぐさ上部の戸当たり30に固定され、風圧などを受けても開くことはない。
ロック爪37は、図3(B)に示すように、防火戸12の上端面と接触することによって、上枠となる戸当たり30に設けられた凹状のロック爪受け部39に押し込まれて(沈み込んで)接点の閉じるマイクロスイッチを内蔵している。ロック爪受け部39内に設けられたマイクロスイッチが閉鎖確認用スイッチ24を構成する。従って、ロック爪受け部39内のマイクロスイッチの接点が閉じると閉鎖確認用スイッチ24からは閉鎖確認信号が開閉機1に送信されるようになる。ロック爪37は防火戸12の上端面からの加圧力が無くなった場合にはバネなどの弾性力によって元の状態に復帰して、ロック爪受け部39から突出するように構成されている。このように、開閉確認用スイッチ24がまぐさ上部の戸当たり30に固定的に設けることによって、防火戸12が閉鎖して上枠となる戸当たり30に当接しても、それに応じて発生する衝撃や振動などの影響を開閉確認用スイッチ24が受けることがなくなり、開閉確認用スイッチ24の信頼性が向上する。また、開閉確認用スイッチ24は、防火戸12の回転中心から最も遠いところに設置してあるので、防火戸12の閉鎖状態を検出することができる。
図2に示すように、潜り戸121にもドアノブ122が存在しているが、この潜り戸121のラッチ(図示せず)は通常のドアと同様に側面に存在しており、このラッチによって防火戸12に固定されるようになっている。図3に示すように、防火戸12とまぐさ上部の戸当たり30との間には、気密用のゴム材33が取り付けられている。また、防火戸12と床面との間には、同じくガラスクロス材やクロロプレンゴム材等からなる気密材35が取り付けられている。これによって、防火戸12とまぐさ上部の戸当たり30及び床面との間の隙間が塞がれ、煙の漏れを防止することができる。なお、ゴム材に代えて気密材を設けてもよく、気密材に代えてゴム材を設けてもよい。
なお、上述の実施の形態では、ラッチを防火戸の上端(天端)に設ける場合について説明したが、防火戸の下端だけに設けてもよいして、上端及び下端の両方に設けてもよい。この場合、開閉確認用スイッチ24はラッチの設けられた位置よりも防火戸の回転軸から遠い位置に設けられることが好ましい。また、上述の実施の形態では、防火戸が約90°回転移動する場合について説明したが、開口部の形成される場所などによっては、これ以外の角度(例えば180°)で回転移動するような場合もある。さらに、防火戸は、上下垂直方向の回転軸を中心に回転するために、全体的に円形状の軌跡を描くように回転移動するが、これに限らず、回転軸が移動することによって、防火戸が全体的に楕円状の軌跡を描くように回転移動する場合もある。
図4は、袖扉である防火戸とシャッターカーテンとが互いに連動して動作する場合の一例を示す図である。まず、ステップ41では、連動中継器5は待機状態にある。ステップ42では、連動中継器5は、防災信号BSまたは起動信号が入力されたか否かの判定の行い、入力された(yes)場合は次のステップ43以降に進み、入力されない(no)場合はステップ41にリターンし、起動信号が入力されるまで、ステップ41,42の処理を繰り返し実行する。ここで起動信号の種類として、防災信号BS、電気式手動閉鎖装置起動スイッチからの信号、連動中継器5に設けられた点検用の起動スイッチからの信号、起動信号を離れた場所から送信する場合や複数の防災シャッター装置に一斉送信する場合などに接続されることのある外部起動スイッチからの信号などが対応する。なお、ステップ42では、起動信号が入力されたことを判定する代わりに、起動信号の入力に応じて閉鎖する袖扉(防火戸)の閉鎖動作開始を図示しない袖扉状態感知手段により感知したかどうかを判定するようにしてもよい。ステップ43では、連動中継器5に設けられた外部機器電源供給端子(24ボルト出力端子:端子24−0)から24[V]の電圧を出力し、防火戸を閉鎖して袖扉連動待機状態に設定すると共に60秒タイマをスタートさせる。
ステップ44では、袖扉の閉鎖によって閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されたか否かの判定を行い、入力された(yes)場合は次のステップ45に進み、入力されない(no)場合はステップ47に進む。ステップ45では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されたので、60秒タイマのカウントを停止し、起動遅延タイマ(遅延時間約3秒程度)をスタートさせる。起動遅延タイマは閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力された場合に直ちにシャッターカーテンの閉鎖を行なうのではなく、少しの時間遅延させて閉鎖動作を行なうようにするためのものである。ステップ46では、ステップ45でスタートされた起動遅延タイマがカウントアップしたか否かの判定を行い、カウントアップした(yes)場合はステップ48に進み、カウントアップしていない(no)場合は起動遅延タイマがカウントアップするまで、ステップ46の判定処理を繰り返し実行する。
ステップ47では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されていないと判定されたので、ステップ43でスタートされた60秒タイマがカウントアップしたか否かの判定を行い、カウントアップした(yes)場合はステップ48に進み、カウントアップしていない(no)場合はステップ44にリターンし、カウントアップするまで、ステップ44,46の処理を繰り返し実行する。ステップ48では、ステップ46で起動遅延タイマがカウントアップしたと判定された場合、又はステップ46で60秒タイマがカウントアップしたと判定された場合に実行される処理であり、自動閉鎖装置3を起動させ、シャッターカーテンの自動閉鎖処理を実行させる。このように、上述の袖扉連動動作フローでは、袖扉閉鎖信号が入力されなかった場合には、60秒タイマをセットし、60秒経過後に強制的にシャッターカーテンを自動閉鎖するように動作するようになっている。
図5は、袖扉である防火戸とシャッターカーテンとが互いに連動して動作する場合の別の一例を示す図である。図5の袖扉連動動作フローでは、起動信号の入力に応じて、扉の自動閉鎖を実行し、防火戸の閉鎖状況にかかわらず、その後のタイマのカウントアップ処理に応じて強制的にシャッターカーテンを自動閉鎖するようにした。まず、ステップ51では、図4のステップ41,42と同様の処理である起動信号入力確認処理を行なう。すなわち、通常、自動閉鎖装置3は待機状態にあるので、起動信号が入力されたか否かの判定の行い、入力された(yes)場合は次のステップ52に進み、入力されない(no)場合はこの判定処理を繰り返し実行する。なお、ステップ51でも、ステップ52同様に起動信号が入力されたことを判定する代わりに、起動信号の入力に応じて閉鎖する袖扉(防火戸)の閉鎖動作開始を、図示しない袖扉状態感知手段により感知したかどうか判定するようにしてもよい。ステップ52では、連動中継器5を起動させる。ステップ53では、扉側(シャッターカーテン4の左右両側に扉が存在する場合には両側の扉)の防火戸用自動閉鎖装置を作動させる。ステップ54では、扉(シャッターカーテン4の左右両側に扉が存在する場合には両側の扉)の閉鎖処理が実行される。
ステップ55では、ステップ54で扉の閉鎖処理が開始したので、連動中継器5は、シャッター側の自動閉鎖装置を作動させるための作動遅延タイマをスタートさせる。ステップ56では、前のステップでスタートした作動遅延タイマがカウントアップしたか否かの判定を行い、カウントアップした(yes)場合はステップ57に進み、カウントアップしていない(no)場合はステップ56の処理を繰り返し実行する。ステップ57では、ステップ56で作動遅延タイマがカウントアップしたと判定された場合に実行される処理であり、連動中継器5は、シャッター側の自動閉鎖装置3を起動させる。ステップ58では、自動閉鎖装置3による自動閉鎖処理が実行される。このように、図5の袖扉連動動作フローでは、起動信号の入力に応じて、扉の自動閉鎖を実行し、その後タイマのカウントアップ処理に応じて強制的(防火戸の閉鎖状況にかかわらず)にシャッターカーテンを自動閉鎖するように動作するようになっている。
図6は、袖扉である防火戸とシャッターカーテンとが互いに連動して動作する場合のさらに別の一例を示す図である。図6の袖扉連動動作フローでは、袖扉閉鎖信号が入力されなかった場合には、60秒タイマをセットし、60秒経過後に強制的にシャッターカーテンを自動閉鎖するが、この60秒タイマのカウントアップ前に電気式手動閉鎖装置7が操作された場合には、直ちにシャッターカーテンを強制的に降下させるようにした。まず、ステップ61では、自動閉鎖装置3は待機状態にある。ステップ62では、自動閉鎖装置3は、起動信号が入力されたか否かの判定の行い、入力された(yes)場合は次のステップ63に進み、入力されない(no)場合はステップ61にリターンし、起動信号が入力されるまで、ステップ61,62の処理を繰り返し実行する。ステップ63では、外部機器電源供給端子(24ボルト出力端子:端子24−0)から24[V]の電圧を出力し、防火戸を閉鎖処理させて袖扉連動待機状態に設定すると共に60秒タイマをスタートさせる。
ステップ64では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されたか否かの判定を行い、入力された(yes)場合は次のステップ65に進み、入力されない(no)場合はステップ67に進む。ステップ65では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されたので、60秒タイマのカウントを停止し、起動遅延タイマ(遅延時間約3秒程度)をスタートさせる。起動遅延タイマは閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力された場合に直ちにシャッターカーテンの閉鎖を行なうのではなく、少しの時間遅延させて閉鎖動作を行なうようにするためのものである。ステップ66では、ステップ65でスタートされた起動遅延タイマがカウントアップしたか否かの判定を行い、カウントアップした(yes)場合はステップ6Aに進み、カウントアップしていない(no)場合は起動遅延タイマがカウントアップするまで、ステップ66の処理を繰り返し実行する。
ステップ67では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されていないと判定されたので、60秒タイマスタート(ステップ65)以降に電気式手動閉鎖装置(手閉器)7からの起動スイッチが入力されたか否かの判定を行い、入力された(yes)場合はステップ68に進み、入力されていない(no)場合はステップ69に進む。ステップ68では、ステップ67で電気式手動閉鎖装置7からの起動スイッチが入力されたと判定されたので、60秒タイマのカウントアップを停止して、ステップ6Aに進む。ステップ69では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されず、かつ、電気式手動閉鎖装置7からの起動スイッチも入力されていないと判定されたので、ステップ63でスタートされた60秒タイマがカウントアップしたか否かの判定を行い、カウントアップした(yes)場合はステップ6Aに進み、カウントアップしていない(no)場合はステップ64にリターンし、カウントアップするまで、ステップ64,67,69の処理を繰り返し実行する。ステップ6Aでは、ステップ66で起動遅延タイマがカウントアップしたと判定された場合、ステップ69で60秒タイマがカウントアップしたと判定された場合、又は電気式手動閉鎖装置7からの起動スイッチが入力されて60秒タイマのカウントアップが停止された場合に実行される処理であり、自動閉鎖装置3を起動させ、シャッターカーテンの自動閉鎖処理を実行させる。
図6の袖扉連動動作フローのように、60秒タイマのカウントアップ前に電気式手動閉鎖装置7が操作された場合には、直ちにシャッターカーテンを強制的に降下させるようにすることによって、シャッターカーテンが降下した後でも袖扉を手動で閉鎖可能とすることができ、防火区画を略形成することができる。また、逆にシャッターカーテンが降下した後に、袖扉が閉鎖することによってシャッターカーテンが壊れたりするおそれがあるので、このような場合にはシャッターカーテン閉鎖時にのみ、まぐさから突出する戸当たりを設けて袖扉がシャッターカーテン4に衝突しないようにしてもよい。
上述の実施の形態では、袖扉とシャッターカーテンが連動して動作する場合について説明したが、袖扉を手動又は電動で閉鎖させた後に、電気式手動閉鎖装置7を用いてシャッターカーテンを電動で操作するようにしてもよい。この場合、袖扉閉鎖信号が入力されていない場合すなわち袖扉が閉鎖していない場合には、電気式手動閉鎖装置7の押しボタンの開閉スイッチの入力を無効とし、この状態で平常時入力スイッチの開閉スイッチが入力された場合、その入力している間だけ電気式手動閉鎖装置7の例えば電池試験表示灯(LED)を点灯させ、使用者に電気式手動閉鎖装置7で操作できないこと(袖扉が閉鎖していないこと)を表示するようにしてもよい。また、この状態で袖扉閉鎖信号の入力が3秒間継続された場合、押しボタンの開閉スイッチの入力を有効とし、シャッターカーテン及び/又は袖扉の電動開閉動作すわなち、通常のシャッターカーテン及び/又は袖扉の電動動作を可能としてもよい。
このように、一時的にシャッターカーテン及び/又は袖扉の電動動作が可能になった場合に袖扉が開放して袖扉閉鎖信号の入力がなくなった場合には、電気式手動閉鎖装置7の停止信号を1秒間程度出力してシャッターカーテンの閉鎖動作を停止し、電気式手動閉鎖装置7の開閉スイッチを無効とすればよい。電気式手動閉鎖装置7の電源投入時に袖扉閉鎖信号が入力されていなかった場合にも同様に電気式手動閉鎖装置7の停止信号を1秒間程度出力する。
袖扉閉鎖信号が入力されていない場合すなわち袖扉が閉鎖していない状態で、電気式手動閉鎖装置7の平常時操作用入力スイッチの停止スイッチが例えば5回程度(10秒間に5回程度)操作された場合には、例えば2分間だけ、電気式手動閉鎖装置7の平常時操作用入力スイッチを操作(入力しているあいだのみしか開閉動作しない押し切り動作に限定)して開動作や閉動作を行なえるようにしてもよい。このように袖扉閉鎖信号が入力されていないのに操作可能な状態を袖扉連動強制操作状態と呼ぶ。なお、2分経過後は停止出力を例えば1秒間出力し、電気式手動閉鎖装置7の押しボタンの開閉スイッチの入力を無効とする。
この袖扉連動強制操作状態中に、袖扉閉鎖信号の入力が3秒間継続した場合には、前述と同様に平常時操作用入力スイッチの開閉スイッチの入力を有効とし、シャッターカーテンの電動開閉動作すわなち、通常のシャッターカーテンの電動動作を可能とする。また、袖扉閉鎖信号が入力しておらず、電気式手動閉鎖装置7の平常時操作用入力スイッチの開閉スイッチの入力が無効状態にある場合に、防災信号、電気式手動閉鎖装置からの起動スイッチからの信号、点検用起動スイッチからの信号、外部起動スイッチからの信号などのいずれかの信号を入力したとしても、電気式手動閉鎖装置7の平常時操作用入力スイッチの開閉スイッチの入力は無効状態のままとし、袖扉閉鎖信号の入力が3秒間継続された場合だけ、平常時操作用入力スイッチの開閉スイッチの入力を有効とする。
上述の図4又は図6の実施の形態では、扉側が開口部の両側に存在する場合には両側の扉の自動閉鎖を実行し、その後タイマのカウントアップ処理に応じて強制的にシャッターカーテンを自動閉鎖する場合について説明したが、図4のステップ44及び図6のステップ64の袖扉閉鎖信号入力有無の判定処理において、開口部の両側に袖扉が存在する場合には、両方の袖扉閉鎖信号が入力された場合を袖扉閉鎖信号入力有と判定する。なお、いずれか一方の袖扉側から袖扉閉鎖信号の入力があった場合を袖扉閉鎖信号入力有と判定してもよい。
図7は、袖扉である防火戸とシャッターカーテンとが互いに連動して動作し、防火戸の閉鎖開始前に音声アナウンスする場合の一例を示す図である。まず、ステップ71では、自動閉鎖装置3は待機状態にある。ステップ72では、自動閉鎖装置3は、起動信号が入力されたか否かの判定の行い、入力された(yes)場合は次のステップ73に進み、入力されない(no)場合はステップ71にリターンし、起動信号が入力されるまで、ステップ71,72の処理を繰り返し実行する。ステップ73では、起動信号が入力されたので、『ただいまから防火戸が閉まります。ご注意下さい。』のような音声アナウンスをスタートさせる。音声アナウンスによって周囲の人間に注意喚起させてたら袖扉を閉鎖させる。これによって、袖扉の可動エリアに居た人に対して速やかな退去を促すことができる。ステップ74では、ステップ73でスタートされた音声アナウンスが所定回数(この実施の形態では例えば3回)行なわれたか否かの判定を行い、所定回数行なわれた(yes)場合はステップ75に進み、行なわれなかった(no)場合は音声アナウンスが所定回数行なわれるまで、ステップ74の判定処理を繰り返し実行する。なお、音声アナウンスに代えて光や表示手段などを用いて視認可能に表示するようにしてもよいし、音声アナウンスと共に視認可能な表示を行なうようにしてもよい。
ステップ75では、連動中継器5に設けられた外部機器電源供給端子(24ボルト出力端子:端子24−0)から24[V]の電圧を出力し、袖扉連動待機状態に設定すると共に60秒タイマをスタートさせる。ステップ76では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されたか否かの判定を行い、入力された(yes)場合は次のステップ77に進み、入力されない(no)場合はステップ79に進む。ステップ77では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されたので、60秒タイマのカウントを停止し、起動遅延タイマ(遅延時間約6〜10秒程度)をスタートさせる。起動遅延タイマは閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力された場合に直ちにシャッターカーテンの閉鎖を行なうのではなく、『ただいまからシャッターが閉まります。ご注意下さい。』のような音声アナウンスをスタートさせ、周囲の人間に注意喚起させてたらシャッターカーテンを閉鎖させる。これによって、シャッターカーテンの移動軌跡に居た人に対して速やかな退去を促す。ステップ78では、ステップ77でスタートされた起動遅延タイマがカウントアップしたか否かの判定を行い、カウントアップした(yes)場合はステップ7Cに進み、カウントアップしていない(no)場合は起動遅延タイマがカウントアップするまで、ステップ78の処理を繰り返す。この場合も、音声アナウンスに代えて光や表示手段などを用いて視認可能に表示するようにしてもよいし、音声アナウンスと共に視認可能な表示を行なうようにしてもよい。
ステップ79では、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されていないと判定されたので、60秒タイマスタート(ステップ75)以降に電気式手動閉鎖装置(手閉器)7からの起動スイッチが入力されたか否かの判定を行い、入力された(yes)場合はステップ7Aに進み、入力されていない(no)場合はステップ7Bに進む。ステップ7Aでは、ステップ79で電気式手動閉鎖装置7からの起動スイッチが入力されたと判定されたので、60秒タイマのカウントアップを停止して、ステップ7Cに進む。ステップ7Bでは、閉鎖確認用スイッチ24から袖扉閉鎖信号が入力されず、かつ、電気式手動閉鎖装置7からの起動スイッチも入力されていないと判定されたので、ステップ75でスタートされた60秒タイマがカウントアップしたか否かの判定を行い、カウントアップした(yes)場合はステップ7Cに進み、カウントアップしていない(no)場合はステップ76にリターンし、カウントアップするまで、ステップ76,79,7Bの処理を繰り返す。ステップ7Cでは、ステップ78で起動遅延タイマがカウントアップしたと判定された場合、ステップ7Bで60秒タイマがカウントアップしたと判定された場合、又は電気式手動閉鎖装置7からの起動スイッチが入力されて60秒タイマのカウントアップが停止された場合に実行される処理であり、自動閉鎖装置3を起動させ、シャッターカーテンの自動閉鎖処理を実行させる。このように、上述の袖扉連動動作フローでは、袖扉を閉鎖する前やシャッターカーテンを閉鎖する前に、音声アナウンスや視認可能表示を行なうようにしたものである。
上述の実施の形態では、起動信号が入力された場合に、袖扉閉鎖信号が入力された場合の処理について説明したが、連動中継器は、起動信号の入力がないのに、袖扉閉鎖信号が入力された場合には、この袖扉が誤って閉鎖されたことを示す誤閉鎖信号を出力するようにしてもよい。図示していない防火戸用自動閉鎖装置を作動させる防火戸用手動閉鎖装置を設け、この防火戸用手動閉鎖装置が操作されて防火戸が閉鎖し遮蔽戸閉鎖信号があった場合には、連動中継器は起動信号入力がなくても即または所定時間後に自閉器に24V信号を出力し、シャッターカーテンを閉鎖させるようにしてもよい。また、この防火戸用手動閉鎖装置が防火戸非常閉鎖指示の操作をされたことを連動中継器が検出し、以後、連動中継器に起動信号が入力されたときと同様の制御(ステップ43(又はステップ42,53,73)以降の制御)を行なうようにしてもよい。この場合は、連動中継器に起動信号を出力する電気式手動閉鎖装置7を省略しても人為的な非常閉鎖操作が可能である。
火災には適さないものもあるが、開閉体としては、例えば、シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置などでも防災の種類に応じて適切な装置を選択すればよい。開閉体装置をシャッター装置とした場合、開閉体手段である開閉部材は、シャッターカーテンであり、その構成は、多数の短冊状のスラット材からなるスラットカーテン、多数のパイプ材をリンク材などで連結させてなるパイプグリルカーテン、一枚状あるいは多数連結されたパネル材からなるパネルカーテン、ネット材からなるネットカーテン、合成樹脂あるいは布繊維製のシート材からなるシートカーテン、あるいはこれらの複合部材などからなる複合カーテンなどによるものである。また、開閉体手段である開閉部材の材質は、使用目的に応じたものであれば、どのようなものでもよい。具体的には、金属製、木製、プラスチック製、布製、これらの複合されたものなどで構成することができる。なお、防火目的で設置される開閉体装置の場合、少なくとも開閉体手段である開閉部材の材質は、耐火性を有しているものが好ましい。
上述の実施の形態では、座板スイッチのように障害物に当接することによって障害物を検出するものを例に説明したが、これ以外にテープスイッチや非当接にて障害物を検出可能なものでもよい。例えば、非当接にて障害物を検出するものとして、開閉部材の両側に赤外光の発光素子と受光素子を設け、赤外光が遮断された場合に障害物を検出するようなものなどがある。また、障害物検出手段は、開口部周辺を含む開口部に存在する障害物を検出するものである。