JP5581344B2 - 結合部材作製用高強度細径鋼線の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、動的部品の結合に用いるボルト等の端部に頭部を持つ結合部材を製造する際に使用する高強度細径鋼線の製造方法に関するものである。
より詳しくは、自動車の小物部品、具体的には、回転体、水平移動部材等の動的部品を組立てる際に用いる、ボルト、ビス、タッピンネジ等の端部に頭部を持つ結合部材を製造する際に好適に用いることができる、高強度を有すると共に加工性に優れた細径鋼線の製造方法に関するものである。
回転体、水平移動部材等の動的部品を組立てる際に用いるのに適した、ボルト、ビス、タッピンネジ等の結合部材の従来の製造方法は以下の通りである。
すなわち、従来におけるそれら部品の製造方法は、頭部を形成する際の割れを防止するために、低炭素鋼材料を使用して、冷間加工により予備伸線を施し、その後線材製造時に形成された熱間圧延組織であるフェライト−パーライト組織に球状化焼鈍を施し、次いで、低減面率の冷間伸線による仕上伸線を施すものである。
このようにすることにより、仕上伸線による加工硬化を防止して、冷間伸線による引張強さの上昇を抑制し、同強さ500〜600MPa程度のものを製造するものである。
この製造プロセスを具体的に一例で示すと以下の通りである。
すなわち、直径5.5mmの線材を減面率53%で冷間加工を用いて予備伸線により直径3.77mmとし、次いで700℃にて6時間で球状化焼鈍を行い(引張強さ420MPa)、その後減面率28%にて冷間伸線し、引張強さ570MPa、直径3.20mmの結合部材作製用鋼線を製造するものである。その製造プロセスをフローシートで示すと図1の通りである。
このようにして製造された鋼線の引張強さは、前記した通り500〜600MPa程度、すなわち500〜600N/mm2程度である。
その鋼線は、所定長さに切断し、その後頭部を形成してボルト、ビス、タッピンネジ等の結合部材を製造し、それを自動車、冷蔵庫、エアコン等に用いる小物の動的部品を組み立てる際に、2つの部材を結合して完成品を作製するのに使用するものである。
それを切断して作製された結合部材は、例えばボルトの場合には、結合対象の2つの部材に予め形成された貫通孔に挿通した後に頭部の存在しない側にナットを取り付けて2つの部材が結合され、部品が完成する。
このような結合した部品については、自動車業界からは益々軽量化に対する要求が強くなり、自動車の小物部品に至るまで冷間圧造用鋼線の高強度化が叫ばれてきた。
さらに、それに加えて環境に優しい省エネルギー型の製品開発が求められている。
すなわち、従来の高強度冷間圧造部品は、部品形状にした後に、焼入れ、焼き戻しをして強度を得る方法か、あるいは浸炭焼入れして表面硬さを向上させる方法であった。
そのため、両方法とも長時間の熱処理が行われる結果、エネルギー消費が大きく、消エネルギー性に欠け、かつこの熱処理に伴い環境汚染を引き起こす粉塵等が発生し、決して環境に優しい技術ではなかった。
本願発明は、このような場合にも対処し得る、すなわち自動車業界からの要望にも応え、かつ環境にも優しい製造方法により、結合部材形成用高強度鋼線を提供することを狙いとするものであり、本発明者等はそのために鋭意検討を行った。
そのためには、本願発明が開発しようとする細径鋼線は、前記した以上の強度を有し、結合部材には欠かすことのできない頭部を形成する必要があることから、細線化後の鋼線は加工性にも優れたものであることが必要ということになる。
そのようなことから、本出願人は、前記した従来法と同様に頭部を有し加工性に優れていることが求められ、かつ高強度をも求められるアプセットボルト用鋼線の製法について調査した。
それには、まずC0.15〜0.3%、Mn1〜2%を含む鋼をAc3変態点以上に加熱し、加熱後450〜580℃で恒温変態させ、冷却後15〜40%の加工率で冷間伸線し、ボルト成形することを特徴とする高張力ボルト製造方法がある(特許文献1参照)
この製造方法で製造するボルトの張力は、具体的には70kg/mm2以上、すなわち引張強さは700N/mm2以上であり、この方法に使用する線材の炭素(C)及びマンガン(Mn)の含有量は高いものとなっている。
この点について、引用文献1には、炭素に関し「Cは鋼の強度を増加させるための必須の元素であり、含有量が0.15%未満ではこの効果はなく、また、0.3%を越えて含有されると靱性を低下させ、ひいては冷間圧造性、工具寿命を著しく低下させる。よって、C含有量は0.15〜0.3%とする。」と記載されている。
さらに、マンガンに関しては、「Mnはフェライト中に固溶して鋼を強化させる元素であるが、含有量が1%未満であると強度を確保することができない。そして、強度を確保するためにMnを含有させるのは、他の元素、例えば、C、Siなどを含有させて強化をさせるのに比較して、Mnを含有させた場合強化を伴う靱性の低下が他の元素より少なく、かつC、Siに比べて冷間圧造性を阻害する割合が低いからである。また、含有量が2%を越えると靱性改良効果が少なくなり、冷間圧造性も阻害され、かつコストが上昇する。常襲するする割合が低いからである。よって、Mn含有量は1〜2%とする。」と記載されている。
また、かかる高張力ボルトの製造技術には、C0.20〜0.35wt%、Mn1〜2wt%を含む鋼をAc3変態点以上に加熱後、450〜580℃で恒温変態させて冷却後、減面率10〜20%で1パス目の冷間伸線を行い、次いで、減面率30%以上で2パス目の冷却伸線を行い、かつ、総減面率を40〜60%とし、後ボルト成形することを特徴とする高張力ボルトの製造方法もある(特許文献2参照)
この方法においても、炭素(C)及びマンガン(Mn)の含有量が高いものとなっており、この高含有量とする趣旨については、特許文献1と同様のものであることも記載されている。
そして、かかる高張力ボルトの製造技術には、それら以外にも多くの提案があり、それには、例えば、熱間圧延後の組織がフェライトおよびパーライトの2相組織で、該フェライト分率が面積率で30〜70%であって、且つ該フェライト中の炭・窒化物の平均粒径が50nm以下で、粒径50nm以下の炭・窒化物が50個/μm2以上存在することを特徴とする冷間圧造性に優れた高強度非調質アプセットボルト用線材であって、熱間圧延に際してまず900〜1200℃に加熱し、仕上げ圧延を850℃以上で行った後、800〜500℃間の冷却を平均冷却速度2〜10℃/sで行うことを特徴とする方法がある。(特許文献3参照)
この製造方法により得られる鋼線は、900N/mm2以上の強度を有し、かつ加工性にも優れたものであり、C:0.15〜0.35%、Si:0.10%以下、Mn:1.0〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%、Al:0.005〜0.07%、N :0.005%以下の条件を満たすものでもある。
また、その鋼線は、特許文献1及び2と同様に、炭素(C)及びマンガン(Mn)の含有量が高いものとなっており、この高含有量とする趣旨については、特許文献1及び2と同様のものである。
特公昭60−406号公報 特公昭64−7136号公報 特開2003−113444号公報
本発明者等は、頭部を有する点、、並びに強度及び加工性にも優れている点で、本発明で製造するボルト、ビス、タッピンネジ等の結合部材と共通するボルトの製造技術に関し、前記した通り調査したところ、いずれもボルト製造に使用する線材は炭素及びマンガンを高濃度で含有することが判明した。
この調査結果を踏まえて、本発明者等は、ボルトと同様の方向を目指すのではなく、高強度を発現する上で、高濃度で含有することが必要不可欠と業界では考えられている炭素及びマンガンに関し、濃度を低く抑えた低炭素鋼を用い、それにもかかわらず冷間圧造性に優れ、かつボルト用鋼線と同様の強度及び加工性を有する高強度細径鋼線の製造方法を開発すべく鋭意研究開発に努めた。
その研究開発の結果、開発に成功したのが本発明である。
したがって、本発明は、炭素及びマンガンの濃度を低く抑え、それにかかわらず、ボルト用鋼線と同様の強度及び加工性し、かつ端部に頭部を有するボルト、ビス、タッピンネジ等の各種形状の動的部品の結合部材を製造するのに好適に用いることができるところの高強度の細径鋼線の製造方法を提供することを発明の解決課題とするものである。
その結合部材を製造するのに好適に用いることができる高強度細径鋼線の製造方法は以下のとおりである。
すなわち、その製造方法は、C 0.08〜0.18質量%、及びMn 0.30〜1.00質量%未満を含有し、Si 0.10〜0.35質量%又はAl 0.020〜0.060質量%を含有する低炭素鋼線材をAc3温度以上に加熱し、加熱後恒温変態処理を行い、その後冷却し、冷却後減面率60〜90%で冷間伸線を行うことを特徴とするものである。
そして、その製造方法は以下のことが好ましい。
(1)原料線材である低炭素鋼線材の直径が5.0〜11mmであること。
(2)Ac3温度以上に加熱の加熱温度が880〜1100℃であること。
(3)恒温変態処理温度が450〜600℃であること。
(4)Ac3温度以上に加熱し、その温度を維持する時間が1〜4分、変態処理時間が20〜100秒であること。
さらに、その製造方法は以下のことが好ましい。
(5)恒温変態処理後冷却し、その後行う冷間伸線前に酸処理することによりスケールを除去すること。
(6)冷間伸線後の線材の直径が0.7〜3.5mmであること。
(7)結合部材作製用高強度細径鋼線の強度が引張強さで800N/mm2以上であること。
(8)Ac3温度以上に加熱する前に、必要に応じて減面率30〜90%で予備冷間伸線を行うこと。
本願発明では、ボルトの従来製法のようにC及びMnの含有量が高くないにもかかわらず、強度が高く、かつ特に靭性及び加工性に優れた結合部材作製用高強度細径鋼線を製造できる。
さらに、本願発明では、高温変態処理後の冷間伸線により、強度が高く、加工性に優れ、かつ特に高靭性の結合部材作製用高強度細径鋼線を製造できる。
また、本願発明の製造方法で作製した結合部材作製用高強度細径鋼線は、加工性に優れているので、結合部材の頭部形成時の変形抵抗が少なく、頭部を容易に形成することができ、その結果、頭部形成用工具の寿命低下を回避することができる。
さらに、本願発明の製造方法で作製した結合部材作製用高強度細径鋼線は、結合部材の形状に成形した後に熱処理することもなく、高強度でかつ加工性に優れた各種結合部材を得ることができ、この点でも本願発明は優れたものである。
結合部材作製用鋼線の従来製法のフローシート。 本願発明の製造方法及び従来方法により製造された結合部材作製用高強度細径鋼線の引張強さを図示。特に冷間伸線における総減面率の違いによる引張強さを図示。
以下において、本発明の結合部材作製用高強度細径鋼線の製造方法について更に詳細に説明する。
その結合部材作製用高強度細径鋼線の製造方法は、前記した通りC 0.08〜0.18質量%、及びMn 0.30〜1.00質量%未満を含有し、Si 0.10〜0.35質量%又はAl 0.020〜0.060質量%を含有する低炭素鋼線材をAc3温度以上に加熱し、加熱後恒温変態処理を行い、その後冷却し、冷却後減面率60〜90%で冷間伸線を行うことを特徴とするものである。
その製造方法に用いる原料の低炭素鋼線材は、前記した通りC 0.08〜0.18質量%、及びMn 0.30〜1.00質量%未満を含有し、Si 0.10〜0.35質量%又はAl 0.020〜0.060質量%を含有する低炭素鋼線材であり、その直径は5.0〜11.0mmであることが好ましく、より好ましくは5.5〜9.0mmがよい。
そして、製品の仕上り寸法(すなわち結合部材作製用高強度細径鋼線の直径)が3.0mm未満の場合には、使用する原料線材の直径によっては、本願発明が採用する減面率では所望の直径が得られない場合もあるので、その場合には冷間伸線により予備伸線することが必要となる。
その場合の予備伸線は、減面率30〜90%で行うのが好ましく、この予備伸線により3.0mm未満とした後にAc3温度以上に加熱されることになる。
その原料線材は、まずAc3温度以上に加熱されるが、その際における加熱温度は880〜1100℃が好ましく、より好ましくは900〜950℃がよい。
この加熱により原料線材である低炭素鋼線材は、Ac3温度以上に加熱され、その結果オーステナイト化されるが、このオーストナイト化により強度のバラツキを有する圧延材の組織をキャンセルすることができる。
その際の加熱温度については、880℃より低いと2相組織となり、逆に1100℃より高いと結晶粒が粗大化し、恒温変態処理後の微細パーライト組織が大きくなる傾向があるため好ましくない。その加熱温度を維持する時間については1〜4分が好ましい。
また、その際の加熱手段は何等限定されることなく、各種炉が使用できるが、それにはパンチング炉、バッチ炉等が例示できる。
そのAc3温度以上への加熱に続いて恒温変態処理を行うが、線材は、この恒温変態処理によりオーストナイト化された組織から微細パーライト組織に変化する。
その際の温度は450〜600℃が好ましく、より好ましくは540〜580℃がよく、その処理時間は20〜100秒がよい。
その際のAc3温度以上から恒温変態処理温度までへの低温移行工程については、特段限定されるところはないが、直ちに行うのがよい。
また、恒温変態処理を行う際の装置についても特段限定されるところはないが、鉛浴、塩浴、流動層等で行うのがよい。
恒温変態処理後は鋼線を冷却するが、その際の冷却装置についても特段限定されることなく各種のものが使用可能であり、それには水冷、空冷等が例示できる。
その冷却後の鋼線には、加熱後、恒温変態処理時に表面にスケールが形成されるので、これを除去するために冷間伸線前に脱スケールを行う。この脱スケールは、特に制限されることなく各種酸による酸処理、機械的除去が使用可能であるが、表面の平滑性の点で、硫酸、塩酸による酸処理が好ましい。
この冷間伸線後に得られる鋼線が動的部品結合部材作製用高強度鋼線であり、これがボルト、ビス、タッピンネジ等の各種結合部材用の所定長さに切断されて頭部を形成した後、例えばボルトの場合は、結合すべき2部材に形成された挿通孔に貫通された後工具を用いてナットと締結することにより動的部品が形成される。その結合部材作製用高強度細径鋼線の直径は0.7〜5.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.8〜3.5mmがよい。
また、この結合部材作製用高強度細径鋼線は、引張強さが800N/mm2以上であることが好ましく、より好ましくは900N/mm2以上がよい。
以下において、本発明について実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
この実施例においては、原料線材として、C 0.10質量%、及びMn 0.42質量%、Si 0.17質量%を含有する直径5.5mmの低炭素鋼線材を用いた。
この直径5.5mm低炭素鋼線材を減面率53%で冷間伸線により予備伸線し、直径3.77mmの鋼線とした。次いで、Ac3温度以上に加熱し、加熱後910℃の温度に1分間維持した。
その後温度を鉛炉において急冷させ、580℃で恒温変態処理を行い、続いて冷却し、冷却後数種の減面率で連続にて冷間伸線を行って、直径2.00mmとした。
その際の各段階(各パス)における減面率は、28.0%、26.1%、27.0%及び27.6%であり、それら各段階における累計減面率(総減面率)は表1に示す通りで、それは28.0%、46.8%、61.1%、71.9%である。
なお、この表1には、予備伸線後の直径及び減面率、並びに冷間伸線の各段階における直径も合わせ記載してある。
Figure 0005581344
その冷間伸線後、得られた高強度鋼線について引張試験機を用いて引張強さを測定し、その測定結果については、冷間伸線の総減面率等を掲載する表2に合わせて記載すると共に、図2にも合わせて記載した。なお、その表2には、予備伸線後を含む各段階における減面率、線径等も記載されている。
その測定結果によれば、冷間伸線の総減面率が28.0%の場合は引張強さ700N/mm2、同総減面率が46.8%の場合は同引張強さ795N/mm2、同総減面率が61.1%の場合は同引張強さ880N/mm2、総減面率が71.9%の場合は同引張強さ945N/mm2であることがわかった。
Figure 0005581344
[比較例1]
比較例1においても、原料線材として、実施例1の場合と同様にC 0.10質量%、及びMn 0.42質量%、Si 0.17質量%を含有する直径5.5mmの低炭素鋼線材を用いた。
この直径5.5mm線材を実施例1の場合と同様に減面率53.0%で予備伸線して、直径3.77mmの鋼線とした。
次いで、700℃で6時間球状化焼鈍を行い、続いて冷却し、その冷却後実施例1と同じ数種の減面率で連続にて冷間伸線を行って、実施例1の場合と同様に直径2.00mmの鋼線とした。
得られた鋼線について実施例1と同一の総減面率における引張強さを測定し、その測定結果を実施例1の場合と同様に表2に示した。また、その結果を実施例1の結果を図示する図2にも合わせて記載した。
実施例1の測定結果によれば、冷間伸線の減面率が高いほど、引張強さが向上することがわかる。さらに、実施例1及び比較例1の引張強さを対比することにより、恒温変態処理を行った後に冷間伸線した実施例1の方が、球状化焼鈍を行った後に冷間伸線した比較例1に比し、遙かに引張強さが高いこともわかる。
また、このように引張強さが向上しても、実施例1により得られた線材は加工性に優れたものであったのに対し、比較例1では減面率が30%を越えると加工性が低下した。
本願発明の製造方法により得られた動的部品を形成するのに使用する結合部材作製用高強度細径鋼線は、所定長さに切断した後頭部等を形成して結合部材とし、その結合部材は、例えばボルトの場合には結合対象の2つの部材に形成された貫通孔に挿通し、その後工具によりナットと締結することにより2つの部材が結合され、動的部品を完成するために好適に使用されるものである。

Claims (4)

  1. C 0.08〜0.18質量%、及びMn 0.30〜1.00質量%未満を含有し、かつSi 0.10〜0.35質量%又はAl 0.020〜0.060質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物である低炭素鋼線材をAc3温度以上の880〜1100℃に加熱して1〜4分維持し、前記加熱後450〜600℃に低下させ、その低下温度において20〜100秒間で恒温変態処理を行い、その後冷却し、冷却後減面率60〜90%で冷間伸線を行うことを特徴とする動的部品結合部材作製用高強度鋼線の製造方法。
  2. 恒温変態処理後の冷却処理した後において、冷間伸線前に酸洗することによりスケールを除去する請求項1に記載の動的部品結合部材作製用高強度鋼線の製造方法。
  3. 動的結合部材作製用高強度線材の強度が、引張強さで800N/mm2以上である請求項1又は2に記載の動的部品結合部材作製用高強度鋼線の製造方法。
  4. Ac3温度以上に加熱する前に、減面率30〜90%で予備冷間伸線を行う請求項1ないしのいずれか1項に記載の動的部品結合部材作製用高強度鋼線の製造方法。
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