JP5618916B2 - 冷間加工用機械構造用鋼およびその製造方法、並びに機械構造用部品 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用部品、建設機械用部品等の各種機械構造用部品の製造に用いられる冷間加工用機械構造用鋼に関し、特に球状化焼鈍後の変形抵抗が低く冷間加工性に優れた特性を有する鋼材、およびそのような冷間加工用機械構造用鋼を製造するための有用な方法に関するものである。具体的には、冷間鍛造、冷間圧造、冷間転造等の冷間加工によって製造される自動車用部品、建設機械用部品などの各種部品、例えば、ボルト、ねじ、ナット、ソケット、ボールジョイント、インナーチューブ、トーションバー、クラッチケース、ケージ、ハウジング、ハブ、カバー、ケース、受座金、タペット、サドル、バルグ、インナーケース、クラッチ、スリーブ、アウターレース、スプロケット、コアー、ステータ、アンビル、スパイダー、ロッカーアーム、ボディー、フランジ、ドラム、継手、コネクター、プーリー、金具、ヨーク、口金、バルブリフター、スパークプラグ、ピニオンギヤ、ステアリングシャフト、コモンレール等の機械部品、伝送部品等に用いられる高強度機械構造用線材および棒鋼を対象とし、上記の各種機械構造用部品を製造するときの室温および加工発熱領域における変形抵抗が低く、且つ金型や素材の割れが抑制されることで優れた冷間加工性を発揮することができる。更に、高周波焼入れ処理を施すことによって、上記部品の高強度化を図ることができる。
自動車用部品、建設機械用部品等の各種部品を製造するにあたっては、炭素鋼、合金鋼などの熱間圧延材に冷間加工性を付与する目的で球状化焼鈍処理を施してから、冷間加工を行い、その後切削加工などを施すことによって所定の形状に成形した後、焼入れ焼戻し処理を行って最終的な強度調整が行われている。
近年は、部品形状が複雑化・大型化する傾向にあり、それに伴って冷間加工工程では、鋼材を更に軟質化し、鋼材の割れの防止や金型寿命を向上させるという要求がある。鋼材を更に軟質化させるためには、より長時間の球状化焼鈍処理(例えば、200時間の球状化焼鈍処理)を施すことによって軟質化は可能である。しかしながら、球状化焼鈍処理を長時間化することは、鋼材の生産性を著しく阻害し、コストを増加させるだけではなく、近年の地球環境保護のための省エネルギーの観点からも、その実施は困難である。
一方、地球環境負荷低減の目的で、部品の高強度化手法として、焼入れ・焼戻し処理から高周波焼入れ処理へと鋼の強化処理が変化してきている。この高周波焼入れ処理は、鋼を急速加熱・冷却する方法であり、短時間で部品を強化することができる。
ところで、球状化焼鈍処理材に高周波焼入れ処理を適用する場合には、部品特性を確保する観点から、短時間での加熱時にセメンタイトを迅速に分解させ、C濃度の均一なオーステナイトとした後に焼入れる必要がある。しかしながら、球状化焼鈍処理によって鋼材を軟質化するには、セメンタイトを凝集させることが有効であり、このことは高周波焼入れ処理時のセメンタイトの分解を遅延させることにつながり、短時間の高周波焼入れ処理ではCを全て強化に寄与させることができず(球状セメンタイトが残存するため)、部品特性を満足させることが困難になる。また、球状化焼鈍処理後の高周波焼入れ特性を向上させるため、球状セメンタイトサイズを小さくすると球状化焼鈍処理材の硬さを下げることができず、冷間加工性を確保することができない。
これまでにも、球状化焼鈍時間を短縮、或は球状化焼鈍処理を省略しても、通常の球状化焼鈍処理材と同等の軟質化を得る方法がいくつか提案されている。こうした技術として、例えば特許文献1には、初析フェライトとパーライト組織を規定し、その平均粒径を6〜15μmとし、且つフェライト体積率を規定することによって、球状化焼鈍処理を迅速に行なえること、通常の球状化焼鈍処理材と同等の球状化度と耐割れ性が得られることが開示されている。しかしながら、この技術で規定される組織は、従来の球状化焼鈍処理材よりも微細であるため、高周波焼入れに関しては有効であると考えられるものの、通常の球状化熱処理(10〜30時間程度の熱処理)を行った場合よりも変形抵抗(室温および加工発熱領域における変形抵抗)が高くなってしまい、冷間加工できる部品が限定されることになる。
一方、特許文献2には、優れた冷間加工性を得るために、表層と芯部のフェライト粒度番号と転位セルサイズを規定することによって、圧延ままで冷間加工を可能にする技術が開示されている。この技術では、圧延ままであるために、組織はフェライトとパーライトとなり、球状化焼鈍後の組織と同等の耐割れ性が得られるものの、パーライトによる組織強化であるため、変形抵抗が高くなってしまうという欠点がある。また、こうした組織を有する鋼材を球状化焼鈍処理しても、転位セルによってセメンタイトの凝集が阻害されるため、軟質化が不十分となって変形抵抗を十分に下げることは困難である。
例えば、非特許文献1に示されるように、素材を従来の球状化焼鈍処理材よりも軟質化する方法が報告されているが、この技術は球状化処理時間の長時間化(徐冷速度を十分に遅くする)を図るものである。しかしながら、球状化焼鈍後の冷間加工性は優れるものの、鋼材に高周波焼入れ処理を施しても、処理中にセメンタイトが残存するため、部品強度を確保することが困難である。
特開2000−119809号公報 特許第3474545号公報
田畑綽久ら、「川崎製鉄技報」 23−2(1991)、98−104
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は、通常の球状化焼鈍を施した場合であっても、これまで以上の軟質化を図ることができ、しかも良好な高周波焼入れ性を発揮できるような冷間加工用機械構造用鋼、およびこのような冷間加工用機械構造用鋼を製造するための有用な方法、並びにこのような冷間加工用機械構造用鋼から得られる機械構造用部品を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の冷間加工用機械構造用鋼とは、C:0.3〜0.6%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、Si:0.005〜0.5%、Mn:0.2〜1.1%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.001〜0.03%、Al:0.01〜0.1%、およびN:0.015%以下(0%を含まない)を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、鋼の金属組織が、パーライト、フェライトおよびベイナイトを有し、全組織に対するパーライト、フェライトおよびベイナイトの合計面積率が95面積%以上、パーライトとフェライトの合計面積率が70面積%以上、ベイナイトの面積率が10面積%超〜30面積%であると共に、フェライトの面積率Aが、下記(1)式で表されるAe値との関係でA>Aeを満足し、且つ隣り合う2つの結晶粒の方位差が15°よりも大きい大角粒界で囲まれたbcc−Fe結晶粒の平均円相当直径が15〜35μmである点に要旨を有するものである。尚、前記「平均円相当直径」とは、方位差が15°よりも大きい大角粒界で囲まれたフェライト結晶粒を、同一面積の円に換算したときの直径(円相当直径)の平均値である。
Ae=(0.8−Ceq1)×96.75 …(1)
但し、Ceq1=[C]+0.1×[Si]+0.06×[Mn]であり、[C],[Si]および[Mn]は、夫々C,SiおよびMnの含有量(質量%)を示す。
本発明の冷間加工用機械構造用鋼の基本的な化学成分は、上記の通りであるが、必要によって更に、(a)Cr:0.5%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない)、Ni:0.25%以下(0%を含まない)、Mo:0.25%以下(0%を含まない)、およびB:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、(b)Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)、およびV:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、等を含有させることも有用であり、含有される成分に応じてその鋼材の特性が更に改善される。
一方、上記のような本発明の冷間加工用機械構造用鋼を製造するに当っては、950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、950℃超、1100℃以下の温度で仕上げ加工した後、5℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却し、その後1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以下まで冷却するようにすれば良い。
また、950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、950℃超、1100℃以下の温度で仕上げ加工した後、20℃/秒以上の平均冷却速度で750〜800℃の温度範囲まで冷却し、その後、0.10℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却し、更に1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以下まで冷却するようにしても、本発明の冷間加工用機械構造用鋼を製造することができる。
本発明は、上記のような冷間加工用機械構造用鋼を用いて、線材または棒鋼を経て得られる機械構造用部品をも包含する。
本発明では、化学成分組成と共に、全組織に対するパーライト、フェライトおよびベイナイトの合計面積率、パーライトとフェライトの合計面積率、およびベイナイトの面積率を規定し、フェライトの面積率Aが所定の関係式で表されるAe値との関係でA>Aeを満足し、且つフェライト結晶粒の平均円相当直径を適切に規定することによって、通常の球状化焼鈍を実施した場合であっても硬さを十分低くすることができると共に、良好な高周波焼入れ性を発揮することのできる冷間加工用機械構造用鋼が実現できる。
従来の球状化焼鈍処理技術では、高周波焼入れ性を確保することが困難であり、冷間加工性と高周波焼入れ性を両立させることは困難であった。本発明者らは、通常の球状化焼鈍を施した場合であっても、球状化焼鈍による軟質化を図ることができると共に、良好な高周波焼入れ性をも確保できるような冷間加工用機械構造用鋼を実現するべく、様々な角度から検討した。
その結果、球状化焼鈍後における鋼の軟質化を図るためには、球状化焼鈍後のフェライト結晶粒の粒径を比較的大きくし、且つ球状セメンタイトによる分散強化を低減するために、セメンタイトの粒子間距離をできるだけ大きくすることが重要であること、および良好な高周波焼入れ性を確保するためには、組織中に所定量のベイナイトを生成させてやればよいとの着想が得られた。そして、球状化後に上記の様な組織を実現するためには、球状化焼鈍前の金属組織(以下、「前組織」と呼ぶことがある)を、パーライト、フェライトおよびベイナイトを主相とした上で、組織中のフェライトの面積率をできるだけ高めると共に、所定量のベイナイトを生成させ、且つ大角粒界で囲まれたフェライト結晶粒の平均円相当直径を比較的大きくすれば、球状化焼鈍後の硬さを最大限に低下できると共に、良好な高周波焼入れ性をも確保できることを見出し、本発明を完成した。
本発明で規定する各要件について説明する。
[金属組織:パーライト、フェライトおよびベイナイトを有すること]
パーライトとフェライトは鋼の変形抵抗を低減させて冷間加工性向上に寄与する金属組織である。また、ベイナイトは、高周波焼入れ性を確保するために必要な組織である。しかしながら、単に球状化したパーライト、フェライトおよびベイナイトを含む金属組織とするだけでは、所望の軟質化、および高周波焼入れ性を図ることができないことから、以下で詳述する様に、この金属組織における各組織の面積率(パーライト+フェライト+ベイナイトの合計面積率、パーライト+フェライトの合計面積率、ベイナイトの面積率)、フェライト面積率A、bcc−Fe結晶粒の平均粒径等も適切に制御する必要がある。
[パーライト、フェライトおよびベイナイトの合計面積率:95面積%以上、且つパーライトとフェライトの合計面積率:70面積%以上(いずれも全組織に対する割合)]
組織(前組織)にマルテンサイトの微細な組織を含む場合には、一般的な球状化焼鈍を行っても、球状化焼鈍後はマルテンサイトの影響によって組織が微細となり、軟質化が不十分となる。こうした観点から、全組織に対するパーライト、フェライトおよびベイナイトの合計面積率は95面積%以上とする必要がある。好ましくは97面積%以上、より好ましくは99面積%以上、最も好ましくは100面積%である。
フェライトは軟質相であるため、組織の軟質化に重要である。パーライトは、硬質であるセメンタイトがラメラ状に配置された組織であり、球状化焼鈍処理中にセメンタイトが分解し、わずかに残存したセメンタイトを核として、球状セメンタイトとして粗大化する。パーライトのようにある程度の大きさのセメンタイト同士が初期から近接することで、球状セメンタイトを形成しやすくなる。そのため、パーライトとフェライトの合計面積率は、全組織に対して70面積%以上とする必要がある。パーライトとフェライトの合計面積率が70面積%未満になると、球状セメンタイトの凝集が不十分になり、球状化焼鈍処理後の硬さを十分に下げることができず、冷間加工性を確保することができなくなる。但し、パーライトとフェライトの合計面積率が高すぎると、球状セメンタイトの凝集が進行しすぎて、高周波焼入れ時の球状セメンタイトの分解が不十分になり、部品特性を確保することができなくなるので90面積%以下とすることが好ましい。パーライトとフェライトの合計面積率の好ましい下限は72面積%以上(より好ましくは75面積%以上)であり、好ましい上限は88面積%以下(より好ましくは85面積%以下)である。
[ベイナイトの面積率:10面積%超〜30面積%(全組織に対する割合)]
ベイナイトは、球状化焼鈍の迅速化、球状化焼鈍処理材の高周波焼入れ性を向上させる上で必要な組織である。ベイナイトは、微細なセメンタイトが分散している組織であるため、セメンタイト同士が近接しており、短時間の球状化焼鈍処理で球状セメンタイト組織が得られる。但し、セメンタイトが微細であるため、凝集しにくく硬さが低下しにくい特徴がある。一方、高周波焼入れ処理においては、セメンタイトが微細であるほど、短時間でセメンタイトを分解することができる。
このような性質を持つベイナイト組織の面積率を10面積%超〜30面積%とすることによって、球状化焼鈍処理に対しても、その後の高周波焼入れ処理に対しても、夫々の特性を確保することができる。即ち、球状化しやすいフェライト+パーライト組織に加えて、一部をベイナイトとすることで、球状化焼鈍処理においても高周波焼入れ処理においても、ベイナイトやベイナイトによる球状化部分から組織変化が進行するようになり、ベイナイト部分は短時間でその処理を終了させることができる。球状化焼鈍処理においては、硬さの増加させる要因が残存パーライト、或は再生パーライトであるが、ベイナイト部分はパーライトの形成には関与しないため、硬さの増加要因とならない。
一方、高周波焼入れにおいては、ベイナイトによる微細球状セメンタイト部分が優先的に極短時間で分解し、オーステナイトを形成する。このオーステナイトはCをより多く固溶することができるため、軟質化のため粗大化させたセメンタイトからのCの拡散を促進させ、セメンタイト分解を促進させることができる。こうした作用は、ベイナイトの面積率が多いほど有効であるが、ベイナイトの面積率を増加させ過ぎると、球状化焼鈍処理後の硬さが下がりにくくなり、冷間加工性を阻害する。しかしながら、ベイナイトが少な過ぎても粗大セメンタイトの分解を促進させることができなくなる。そこで、各種実験により、球状化焼鈍処理後の硬さや冷間加工性に影響せず、且つ高周波焼入れ時の粗大セメンタイトの分解を促進させることができるベイナイトの面積率として、10面積%超〜30面積%と定めた。ベイナイトの面積率の好ましい12面積%以上(より好ましくは15面積%以上)であり、好ましい上限は28面積%以下(より好ましくは25面積%以下)である。
[フェライトの面積率Aが、下記(1)式で表されるAe値との関係でA>Aeを満足する]
上記趣旨から明らかなように、前組織中のフェライトAの面積率をできるだけ多くする必要がある。フェライトはCを殆ど固溶しないため、パーライト部分にセメンタイトを凝集させると共に、セメンタイト同士の距離を近接させることができる。但し、鋼材中のC含有量によって、フェライト面積率は変化するため、C含有量に応じたフェライト面積率を計算する必要がある。
本発明者らは、初析フェライトを平衡量まで析出させるという観点から検討し、実験に基づき平衡フェライト析出量は、(0.8−Ceq1)×129で表されること、およびフェライト面積率Aは、平衡析出量の75%以上を確保できれば良いとの着想に基づき、最低限確保する必要があるフェライト量として下記(1)式で表されるAe値を定めた。尚、フェライトの面積率Aを測定するときのフェライトは、パーライト組織中に含まれるフェライトは含まない趣旨である(初析フェライトのみ測定)。
Ae=(0.8−Ceq1)×96.75 …(1)
但し、Ceq1=[C]+0.1×[Si]+0.06×[Mn]であり、[C],[Si]および[Mn]は、夫々C,SiおよびMnの含有量(質量%)を示す。
即ち、フェライトの面積率Aが、上記(1)式で表されるAe値との関係でA>Aeを満足したときに、フェライト面積率を大きくすることによる効果が発揮されるものとなる。これに対し、フェライトの面積率Aが、上記Ae値以下となる場合(即ち、A≦Ae)とには、球状化焼鈍後に新たな微細フェライトが析出しやすくなって、軟質化が不十分となる。また、フェライト面積率Aが小さい状態で、フェライト結晶粒径を大きくすると(後述する)、再生パーライトが生成しやすくなり、十分な軟質化が困難となる。
[隣り合う2つの結晶粒の方位差が15°よりも大きい大角粒界で囲まれたbcc−Fe結晶粒の平均円相当直径:15〜35μm]
前組織におけるbcc(体心立方格子)−Fe結晶粒の平均円相当直径(以下、単に「フェライト平均粒径」と呼ぶことがある)を15μm以上にしておくと、球状化焼鈍後に軟質化が可能となる。しかしながら、前組織におけるフェライト平均粒径が大きくなり過ぎると、通常の球状化焼鈍では再生パーライト等の強度を増加させる組織となり、軟質化が困難となるので、フェライト平均粒径は35μm以下とする必要がある。フェライト平均粒径の好ましい下限は18μm以上であり、より好ましくは20μm以上である。フェライト平均粒径の好ましい上限は32μm以下であり、より好ましくは30μm以下である。
フェライト平均粒粒を測定するときのフェライトは、隣り合う2つの結晶粒の方位差が15°よりも大きい大角粒界で囲まれたフェライト結晶粒(bcc−Fe結晶粒)を対象とするが、これは方位差が15°以下の小角粒界では、球状化焼鈍による影響が小さいからである。つまり、前記方位差が15°よりも大きい大角粒界で囲まれたフェライト結晶粒で、同一面積の円に換算したときの直径を上記のような範囲とすることによって、球状化焼鈍後に十分な軟質化が実現できるものとなる。尚、前記「方位差」は、「ずれ角」若しくは「斜角」とも呼ばれているものであり、方位差の測定にはEBSP法(Electron Backscattering Pattern法)を採用すればよい。また、平均粒径を測定するフェライトは、パーライト組織中に含まれるフェライトも含む趣旨である。
本発明では、冷間加工用機械構造用鋼を想定してなされたものであり、その鋼種については冷間加工用機械構造用鋼としての通常の化学成分組成のものであれば良いが、C、Si、Mn、P、S、AlおよびNについては、適切な範囲に調整するのが良い。こうした観点から、これらの化学成分の適切な範囲およびその範囲限定理由は下記の通りである。
[C:0.3〜0.6%]
Cは、鋼の強度(最終製品の強度)を確保する上で有用な元素である。こうした効果を有効に発揮させるためには、C含有量は0.3%以上とする必要がある。好ましくは0.32%以上(より好ましくは0.34%以上)とするのが良い。しかしながら、Cが過剰に含有されると強度が高くなって、冷間加工性が低下するので0.6%以下とする必要がある。好ましくは、0.55%以下(より好ましくは0.50%以下)とするのが良い。
[Si:0.005〜0.5%]
Siは、固溶強化により鋼材強度を高める作用を有する。Si含有量を極端に低減することは製造上困難であり、コスト的にも見合わない。一方、Siを過剰に含有させると、変形抵抗の増大や変形能の低下を生じさせるため、冷間加工性が劣化する。この傾向はSi含有量が0.5%を超えると顕著に現れはじめる。このため、Si含有量は0.005〜0.5%とした。尚、Si含有量の好ましい下限は0.008%以上(より好ましくは0.01%以上)であり、好ましい上限は0.40%以下(より好ましくは0.30%以下)である。
[Mn:0.2〜1.1%]
Mnは、溶製中の鋼の脱酸、脱硫元素として有効であり、また鋼材への熱間加工時の加工性劣化を抑制する効果を発揮する。更に、Sと結合することで、鋼材の変形能を向上させるのにも有効な元素である。Mn含有量が、0.2%未満ではこれらの効果が発揮されず、1.1%を超えて過剰に含有されると、固溶強化による変形抵抗が増加して冷間加工性を劣化させるため、0.2〜1.1%とした。尚、Mn含有量の好ましい下限は0.3%以上(より好ましくは0.4%以上)であり、好ましい上限は1.0%以下(より好ましくは0.9%以下)である。
[P:0.03%以下(0%を含まない)]
Pは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、フェライト粒界に偏析し、変形能を劣化させる。またPは、フェライトを固溶強化させ、変形抵抗を増大させる。従って、変形抵抗や変形能の観点からは、Pは極力低減することが好ましいが、極端な低減は製鋼コストの増大を招き、0%とすることは製造上困難であるので、0.03%以下(0%を含まない)と定めた。P含有量の好ましい上限は0.028%以下(より好ましくは0.025%以下)である。
[S:0.001〜0.03%]
SもPと同様に鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、鋼中でFeと結合すると、FeSとして粒界上に膜状に析出するため、変形能を劣化させる。従って、Sは全量をMnと結合させ、MnSとして無害に析出させる必要がある。但し、このMnSの析出量が増加すると、変形能が低下するので、S含有量は0.03%以下とする必要がある。その一方で、Sは被削性を向上させる作用を発揮させるので、0.001%以上含有させることは有用である。S含有量の好ましい下限は0.003%以上(より好ましくは0.005%以上)であり、好ましい上限は0.028%以下(より好ましくは0.025%以下)である。
[Al:0.01〜0.1%]
Alは、脱酸元素として有用であると共に、鋼中に存在する固溶NをAlNとして固定し、変形抵抗の低下、変形能の向上に有用である。こうした効果を有効に発揮させるためには、Al含有量は0.01%以上とする必要がある。しかしながら、Al含有量が過剰になって0.1%を超えると、Al23が過剰に生成し、変形能を劣化させる。尚、Al含有量の好ましい下限は0.013%以上(より好ましくは0.015%以上)であり、好ましい上限は0.08%以下(より好ましくは0.06%以下)である。
[N:0.015%以下(0%を含まない)]
Nは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、鋼中に固溶Nが含まれると、動的歪み時効による変形抵抗の増加や、変形の局在化を招くため、冷間加工性を劣化させやすい。従って、変形抵抗、変形能の観点から、Nは極力低減することが望ましいが、極端な低減は製鋼コストの増加を招き、0%とすることは製造上困難であるので、0.015%以下(0%を含まない)と定めた。N含有量の好ましい上限は0.013%以下であり、より好ましい上限は0.010%以下である。
本発明の冷間加工用機械構造用鋼の基本的な化学成分は、上記の通りであり、残部は実質的に鉄である。尚、「実質的に鉄」とは、鉄以外にも本発明の鋼材の特性を阻害しない程度の微量成分(例えば、Sb,Zn等)も許容できる他、P,S,N以外の不可避不純物(例えば、O,H等)も含み得るものである。
本発明の冷間加工用機械構造用鋼には、必要によって更に、(a)Cr:0.5%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない)、Ni:0.25%以下(0%を含まない)、Mo:0.25%以下(0%を含まない)、およびB:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、(b)Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)、およびV:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、等を含有させることも有用であり、含有される成分に応じてその鋼材の特性が更に改善される。これらの成分を含有させるときの成分範囲限定理由は下記の通りである。
[Cr:0.5%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない)、Ni:0.25%以下(0%を含まない)、Mo:0.25%以下(0%を含まない)、およびB:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
Cr、Cu、Ni、MoおよびBは、いずれも鋼材の焼入れ性を向上させることによって最終製品の強度を増加させるのに有効な元素であり、必要によって単独でまたは2種以上で含有される。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、強度が高くなり過ぎ、冷間加工性を劣化させるので、上記のように夫々の好ましい上限を定めた。より好ましくはCrで0.45%以下(更に好ましくは0.40%以下)、Cu,NiおよびMoで夫々0.22%以下(更に好ましくは0.20%以下)、およびBで0.007%以下(更に好ましくは0.005%以下)である。尚、これらの元素による効果はその含有量が増加するにつれて大きくなるが、それらの効果を有効に発揮させるための好ましい下限は、Crで0.015%以上(より好ましくは0.020%以上)、Cu,NiおよびMoで0.02%以上(より好ましくは0.05%以上)、およびBで0.0003%以上(より好ましくは0.0005%以上)である。
[Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)、およびV:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
Ti,NbおよびVは、Nと化合物を形成し、固溶Nを低減することで、変形抵抗低減の効果を発揮するため、必要によって単独でまたは2種以上を含有させることができる。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、形成される化合物が変形抵抗の上昇を招き、却って冷間加工性を低下させるので、TiおよびNbで0.2%以下、Vで0.5%以下とすることが好ましい。より好ましくはTiおよびNbで0.15%以下(更に好ましくは0.10%以下)、およびVで0.40%以下(更に好ましくは0.30%以下)である。尚、これらの元素による効果はその含有量が増加するにつれて大きくなるが、その効果を有効に発揮させるためには好ましい下限は、いずれも0.001%以上(より好ましくは0.03%以上)である。
本発明の冷間加工用機械構造用鋼を製造するに当たっては、上記のような成分組成を満足する鋼を、950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、950℃超、1100℃以下の温度で仕上げ加工した後、5℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却し、その後1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以下まで冷却すれば良い。他の方法として、上記のような成分組成を満足する鋼を、950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、950℃超、1100℃以下の温度で仕上げ加工した後、20℃/秒以上の平均冷却速度で750〜800℃の温度範囲まで一旦冷却し、その後、0.10℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却し、更に1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以下まで冷却するようにしても良い。これらの製造条件について説明する。
[950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、仕上げ加工温度:950℃超、1100℃以下」
大角粒界で囲まれた結晶粒の平均粒径(フェライト平均粒径)を15〜35μmに制御するためには、950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、仕上げ加工温度(熱間仕上げ加工温度)を950℃超、1100℃以下に制御する必要がある。加熱温度は950℃超、1250℃以下の範囲であるが、加熱温度が950℃以下となると、鋼材の変形抵抗が高くなり、成形が困難となる。一方、加熱温度が1250℃を超える温度域では、成形が容易であるが、端部のだれによって鋼材の取り扱いが困難になることや、変形抵抗が低くなり過ぎて、過剰に成形されてしまうため、その上限を1250℃とした。仕上げ加工温度(熱間仕上げ加工温度)によって、フェライト平均粒径が主として決定されるが、仕上げ加工温度が1100℃を超えると、フェライト平均粒径を35μm以下にすることが困難となる。また、仕上げ加工温度が1100℃を超えると、フェライトの面積率Aを、Aeとの関係でA>Aeを満足させることが困難となる。但し、仕上げ加工温度が950℃以下となると、フェライト平均粒径を15μm以上にすることが困難となるので、950℃超とする必要がある。
[仕上げ加工後に、5℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却]
640〜680℃の温度範囲(冷却停止温度)までの冷却速度を速くすると、上記の圧延条件で作り込んだ前組織の平均粒径を維持したまま、組織サイズが変化しにくいAr1変態点以下まで冷却することができる。このときの平均冷却速度が5℃/秒未満であると、特に前組織の平均粒径が35μm付近の場合、所定の組織とすることができなくなる。こうした観点から、平均冷却速度は5℃/秒以上とする必要がある。この平均冷却速度は、好ましくは7.5℃/秒以上であり、より好ましくは10℃/秒以上である。このときの平均冷却速度の上限については、特に限定されないが、現実的な範囲として200℃/秒以下である。尚、このときの冷却については、5℃/秒以上となる平均冷却速度の範囲内であれば、冷却速度を変えるような冷却形態であっても良い。
[仕上げ加工後に、20℃/秒以上の平均冷却速度で750〜800℃の温度範囲まで一旦冷却し、その後、0.10℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却]
フェライト平均粒径の粗大化と、フェライト面積率Aが少なくなることを防止するためには、上記のような冷却(即ち、5℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却)の代わりに、20℃/秒以上の平均冷却速度で750〜800℃の温度範囲(第1冷却停止温度)まで一旦冷却し、その後、0.10℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲(第2冷却停止温度)まで冷却するようにしても良い。即ち、750〜800℃の温度範囲までを、平均冷却速度を20℃/秒以上の急冷とし、その温度範囲から640〜680℃の温度範囲までを、0.10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却するようにしても良い。
上記第1冷却時の平均冷却速度が20℃/秒未満の場合には、前組織のフェライト平均粒径が大きくなり過ぎることがある。この平均冷却速度は、好ましくは25℃/秒以上であり、より好ましくは30℃/秒以上である。尚、このときの平均冷却速度の上限については、特に限定されないが、上記と同様の観点から、200℃/秒以下である。
第1冷却停止温度が800℃を超える場合には、前組織のフェライト平均粒径が大きくなる過ぎることがある。また、第1冷却停止温度が750℃よりも低くなると、フェライト面積率Aが低下しやすくなる。第1冷却停止温度の好ましい下限は760℃以上(より好ましくは770℃以上)であり、好ましい上限は790℃以下(より好ましくは780℃以下)である。
640〜680℃の温度範囲までを2段階の冷却を行うことによって、1段階で冷却するときに比べてフェライト面積率Aを大きくすることができると共に、上記フェライト平均粒径を35μm以下に制御し易くなる。2段階目の冷却は、フェライト平均粒径を35μm以下とするために0.10℃/秒以上の平均冷却速度で行う必要があるが、その好ましい上限は20℃/秒未満(より好ましくは10℃/秒以下)である。また、このときの平均冷却速度が0.10℃/秒未満では、粗大なパーライトが生成しやすくなるため、球状化焼鈍後に硬さが低下し難くなる。尚、2段階目の冷却時の平均冷却速度は、好ましくは0.5℃/秒以上であり、より好ましくは1.0℃/秒以上である。
上記の冷却では、いずれの冷却方式(1段階の冷却または2段階の冷却)を採用するにしても、冷却停止温度(2段階冷却では第2冷却停止温度)は、640〜680℃の温度範囲とする必要がある。この温度が640℃よりも低くなると、フェライト平均粒径が15μm未満となり、680℃を超えるとフェライト平均粒径が35μmを超えるようになる。この冷却停止温度の好ましい下限は645℃以上(より好ましくは660℃以上)であり、好ましい上限は675℃以下(より好ましくは670℃以下)である。
[640〜680℃の温度範囲まで冷却した後、1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以下まで冷却]
640〜680℃の温度範囲から1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で冷却することによって、上記フェライト平均粒径を15〜35μmに制御しつつ(制御した状態で)、フェライト面積率Aを大きくし、且つ所定量のベイナイトを確保することができる。このときの冷却開始温度が680℃を超えると、前組織の平均粒径が35μmを超えやすくなり、球状化焼鈍処理で硬さが下がりにくくなる。一方、冷却開始温度が640℃未満では、動的再結晶によって組織が微細化しやすくなり、前組織のフェライト平均粒径が15μm未満となりやすくなる。
このときの平均冷却速度は、遅ければ遅いほどフェライト面積率Aの増加には有効であるが、ベイナイトが生成しなくなる。ベイナイトの生成し始める平均冷却速度として、少なくともは1℃/秒超の平均冷却速度が必要である。一方、平均冷却速度が10℃/秒を超えると、ベイナイトの面積率が過剰になることや、硬質組織であるマルテンサイトが生成しやすくなり、(フェライト+パーライト)面積率、ベイナイト面積率を所定範囲とすることができなくなる。平均冷却速度の好ましい下限は1.5℃/秒以上(より好ましくは2.5℃/秒以上)であり、好ましい上限は8℃/秒以下(より好ましくは5℃/秒以下)である。尚、このときの冷却はベイナイト組織を生成させるために、少なくとも300℃以下まで行う必要があるが、その後は通常の冷却若しくは放冷によって、室温まで冷却すれば良い。
上記のような冷間加工用機械構造用鋼を用いて、線材または棒鋼としたものでは、通常の球状化焼鈍を施した場合であっても、良好な冷間加工性および高周波焼入れ性を示し、こうした線材または棒鋼を経て得られる機械構造用部品では、良好な特性を発揮するものとなる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
下記表1に示した化学成分組成の鋼種を用い、熱間加工条件(加熱温度、仕上げ加工温度、平均冷却速度、冷却停止温度、:後記表2、4参照)を変化させて、φ60mmの棒線材を製造(熱間加工:熱間圧延または熱間鍛造)した。尚、下記表1中、1A〜1Vが熱間圧延材であり、1W〜2Eが熱間鍛造材である。
Figure 0005618916
得られた各棒線材の組織因子(組織および平均粒径)、および球状化焼鈍後の硬さの測定に当たって、各棒線材の縦断面が観察できるように樹脂埋めし、棒線材の半径Dに対し、D/4の位置を測定した。
(前組織のフェライト平均粒径の測定)
前組織粒径の測定は、EBSP解析装置およびFE−SEM(電解放出型走査電子顕微鏡)を用いて測定した。結晶方位差(斜角)が15°を超える境界(大角粒界)を結晶粒界として「結晶粒」を定義し、フェライトにおける結晶粒の平均粒径を決定した。このときの測定領域は400μm×400μm、測定ステップは0.7μm間隔とし、測定方位の信頼性を示すコンフィデンス・インデックス(Confidence Index)が0.1以下の測定点は解析対象から削除した。
(組織の観察)
パーライト+フェライト+ベイナイトの合計面積率(P+F+Bの割合)、パーライト+フェライトの合計面積率(P+Fの割合)、フェライト面積率A(F面積率A)、およびベイナイトの面積率の測定においては、ナイタールエッチングによって組織を現出させ、光学顕微鏡にてミクロ組織観察と判定を行った。それらの写真において、組織内が白く、濃淡の無い領域がフェライトであり、その他の濃淡のある部分が分散して混在している暗いコントラストの領域がパーライト、白い部分が針状に混在している領域がベイナイトと判定した。組織解析は、400倍で10枚組織写真を撮影し、各写真に対してランダムに100点を選び、各点の組織を判別した。各組織(フェライト、パーライト、ベイナイト、その他)が存在した点数を全点数100で割ることで組織分率を求めた。
(球状化焼鈍後の硬さの測定)
球状化焼鈍後の硬さの測定は、ビッカース硬度計を用いて、荷重1kgfで5点測定し、その平均値(Hv)を求めた。硬さの測定位置は、表層から1mm内部の位置である。このときの硬さの基準は、球状化焼鈍後の硬さの平均値が下記(2)式を満足し、且つ高周波焼入れ処理後の硬さが550Hv以上となるものを合格とした。それぞれ硬さの平均値が下記(2)式を満足しないもの、および高周波焼入れ処理後の硬さが550Hvを下回るものが比較例である。
Hv≦88.4×Ceq2+81.0 …(2)
但し、Ceq2=[C]+0.2×[Si]+0.2×[Mn]であり、[C],[Si]および[Mn]は、夫々C,SiおよびMnの含有量(質量%)を示す。
[実施例1]
上記表1に示した化学成分組成の鋼種のうち、鋼種1H(本発明で規定する成分組成を満足する鋼)を用い、ラボの加工フォーマスタ試験装置を用いて、加熱温度、仕上げ加工温度、平均冷却速度を下記表2、4のように変化させて、前組織の異なるサンプルを夫々作製した。尚、表2、4の製造条件において、「冷却1」は加熱温度から750〜800℃の温度範囲までの冷却を示し、「冷却2」は「冷却1」を行った後(行わない場合もある)、640〜680℃の温度範囲までの冷却を示し、「冷却3」は「冷却2」を行った後の300℃以下まで[実際には室温(25℃)まで冷却]の冷却を示している。
このとき、サンプルは、φ8mm×12mmとし、熱間加工後に横断面で2サンプル切断し、夫々前組織調査用サンプル、および球状化焼鈍用のサンプルとした。また球状化焼鈍は、サンプルを夫々真空封入し、大気炉にて、740℃×6時間保持(均熱)後、冷却速度10℃/時で710℃まで冷却して2時間保持し、その後冷却速度10℃/時で660℃まで冷却して放冷する熱処理(球状化焼鈍処理)を行った。また上記製造工程によって作製した熱間加工品の中央位置から、φ20mm×150mmの円柱状試験片を切り出し、加熱温度:850℃(周波数10kHz、電力150kW)、冷却を水冷とする条件で高周波焼入れ処理を施した。
これらについて、前組織のフェライト平均粒径(前組織α平均粒径)、パーライト+フェライト+ベイナイトの合計面積率(P+F+Bの割合)パーライト+フェライトの合計面積率(P+Fの割合)、フェライト面積率(F面積率A)、ベイナイト面積率(B面積率)、球状化焼鈍処理後の硬さ、および高周波焼入れ後の硬さの測定結果、並びに熱間加工後の組織判定(組織の要件のいずれも満足する場合を○、いずれかを満足しない場合を×)を、(2)式の右辺の値[88.4×Ceq2+81.0]、球状化焼鈍処理後のHvの判定(平均硬さ≦(2)式の右辺値の場合を○、平均硬さ>(2)式の右辺値の場合を×)、高周波焼入れ後のHvの判定(平均硬さ≧550Hvの場合を○、平均硬さ<550Hvの場合を×)と共に、下記表3、5に示す。
Figure 0005618916
Figure 0005618916
Figure 0005618916
Figure 0005618916
表2、3は、本発明で規定する化学成分組成を満足する鋼種(鋼種1H)を用いて、熱間加工後に、表2に記載の冷却2および冷却3のパターンで製造したときの結果を示したものである(試験No.1〜20)。このうち、試験No.2〜5、7、8、11、12、14、15、17、19は、本発明で規定する要件の全てを満足する例であり、球状化焼鈍後の硬さを十分低くすることができ、且つ高周波焼き入れ後の硬さも十分高くなっていることが分かる(総合判定○)。
これに対して、試験No.1、6、9、10、13、16、18、20は、本発明で規定する製造条件を満足しない例であり(製造条件判定×)、いずれかの特性が劣化していることが分かる(総合判定×)。即ち、試験No.1のものは、加熱温度が低い例であり、フェライト平均粒径が小さく、またベイナイト面積率が低くなっており、球状化焼鈍後の硬さ(平均値)が高く、高周波焼き入れ後の硬さも低くなっている。試験No.6のものは、仕上げ加工温度が低くなっている例であり、フェライト平均粒径が小さくなっており、またベイナイト面積率が低くなっており、球状化焼鈍後の硬さ(平均値)が高く、高周波焼き入れ後の硬さも低くなっている。
試験No.9のものは、仕上げ加工温度が高くなっている例であり、フェライト平均粒径が大きく、またパーライト+フェライトの合計面積率が低くなっており(その分ベイナイト面積率が高くなっている)、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。試験No.10のものは、「冷却2」での平均冷却速度が遅い例であり、フェライト平均粒径が大きくなっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。
試験No.13のものは、「冷却2」での冷却停止温度が低くなっている例であり、フェライト平均粒径が小さくなると共に、フェライト面積率Aが低くなっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。試験No.16のものは、「冷却2」での冷却停止温度が高くなっている例であり、フェライト平均粒径が大きくなっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。
試験No.18のものは、「冷却3」での平均冷却速度が遅い例であり、ベイナイトが生成しておらず、高周波焼き入れ後の硬さが低くなっている。試験No.20のものは、「冷却3」での平均冷却速度が速い例であり、パーライト+フェライトの合計面積率が低く(マルテンサイトが生成している)、フェライト面積率Aが低いため、球状化焼鈍後の硬さが高くなっている。
表4、5は、本発明で規定する化学成分組成を満足する鋼種(鋼種1H)を用いて、熱間加工後に表4に示した冷却1→冷却2→冷却3で冷却するパターンで製造したときの結果を示したものである(試験No.21〜40)。このうち、試験No.22〜24、26〜28、31、32、34、35、37、39は、本発明で規定する要件の全てを満足する例であり、球状化焼鈍後の硬さを十分低くすることができ、且つ高周波焼き入れ後の硬さも十分高くなっていることが分かる(総合判定○)。尚、試験No.26のものは、「冷却1」での冷却停止温度が低くなっているが、1100〜670℃の平均冷却速度が5℃/秒以上で、表2に示した製造パターンを満足する発明例に相当し、球状化焼鈍後の硬さを十分低くすることができ、且つ高周波焼き入れ後の硬さも十分高くなっている。
これに対して、試験No.21、25、29、30、33、36、38、40は、本発明で規定する製造条件を満足しない例であり(製造条件判定×)、いずれかの特性が劣化していることが分かる。即ち、試験No.21のものは、「冷却1」での平均冷却速度が遅くなっている例であり、フェライト平均粒径が大きく、またパーライト+フェライトの合計面積率が低く(その分ベイナイト面積率も高い)なっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。試験No.25のものは、「冷却1」での冷却停止温度が低くなっている例であり、フェライト面積率Aが低くなっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。
試験No.29のものは、「冷却1」での冷却停止温度が高くなっている例であり、フェライト平均粒径が大きく、またベイナイト面積率も高くなっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。試験No.30のものは、「冷却2」での平均冷却速度が遅い例であり、フェライト平均粒径が大きくなっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。
試験No.33のものは、「冷却2」での冷却停止温度が低くなっている例であり、フェライト平均粒径が小さくなると共に、フェライト面積率Aが低く、またベイナイト面積率も低くなっており、球状化焼鈍後の硬さが高く、高周波焼き入れ後の硬さが低くなっている。試験No.36のものは、「冷却2」での冷却停止温度が高くなっている例であり、フェライト平均粒径が大きく、またパーライト+フェライトの合計面積率が低く(その分ベイナイト面積率も高い)なっており、球状化焼鈍後の硬さが高いままである。
試験No.38のものは、「冷却3」での平均冷却速度が遅い例であり、ベイナイトが生成しておらず、高周波焼き入れ後の硬さが低くなっている。試験No.40のものは、「冷却3」での平均冷却速度が速い例であり、パーライト+フェライトの合計面積率が低く(マルテンサイトが生成している)、フェライト面積率Aが低いため、球状化焼鈍後の硬さが高くなっている。
[実施例2]
上記表1に示した鋼種1A〜2Eを用い(但し、1Hを除く)、前記試験No.17で採用した条件(表2)にて、φ60mmの線材を製造(熱間圧延)した。尚、サンプルは、φ60mm×50mmとし、熱間加工後に横断面で2サンプル切断し、夫々前組織調査用サンプル、および球状化焼鈍用のサンプルとした。また球状化焼鈍は、サンプルを夫々真空封入し、大気炉にて、740℃×6時間保持(均熱)後、冷却速度10℃/時で710℃まで冷却して2時間保持し、その後冷却速度10℃/時で660℃まで冷却して放冷する熱処理を行った。
これらについて、前組織のフェライト平均粒径(前組織α平均粒径)、パーライト+フェライト+ベイナイトの合計面積率(P+F+Bの割合)、パーライト+フェライトの合計面積率(P+Fの割合)、フェライト面積率(前組織F面積率A)、ベイナイト面積率(B面積率)を、(1)式の右辺の値、(1)式の判定(A>Aeの場合を○、A≦Aeの場合を×)、組織の判定(組織要件を満足するものを○、満足しないものを×)と共に、下記表6に示す。また、球状化焼鈍処理後の硬さ、および高周波焼入れ後の硬さの測定結果を、(2)式の右辺の値[88.4×Ceq2+81.0]、球状化焼鈍処理後のHvの判定(平均硬さ<(2)式の右辺値の場合を○、平均硬さ≧(2)式の右辺値の場合を×)、高周波焼入れ後のHvの判定(平均硬さ≧550Hvの場合を○、平均硬さ<550Hvの場合を×)と共に、下記表7に示す。尚、高周波焼入れ処理条件は、加熱温度:850℃(周波数10kHz、電力150kW)、冷却:水冷である。
Figure 0005618916
Figure 0005618916
これらの結果から、次のように考察できる。試験No.41〜57および試験No.62〜70は、本発明で規定する要件の全てを満足する例であり、球状化焼鈍後の硬さを十分低くすることができ、且つ高周波焼き入れ後の硬さも十分高くなっていることが分かる。
これに対して、試験No.58〜61のものでは、本発明で規定する要件のいずれかを欠くものであり、いずれかの特性が劣化している。即ち、試験No.58は、本発明で規定する製造条件は満足するが、C含有量が少ない鋼種1Sを用いているので、ベイナイト面積率が低くなっており、高周波焼入れ後の硬さが十分高くなっていない。試験No.59は、本発明で規定する製造条件は満足するが、C含有量が過剰な鋼種1Tを用いているので、パーライト+フェライトの合計面積率が低く、球状化焼鈍後の硬さが高くなっている。
試験No.60は、本発明で規定する製造条件は満足するが、Mn含有量が過剰な鋼種1Uを用いており、また試験No.61は、本発明で規定する製造条件は満足するが、N含有量が過剰な鋼種1Vを用いているので、いずれも球状化焼鈍後の硬さが高いままである(試験No.60はパーライト+フェライトの合計面積率も低くなっている)。

Claims (6)

  1. C :0.3〜0.6%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、
    Si:0.005〜0.5%、
    Mn:0.2〜1.1%、
    P :0.03%以下(0%を含まない)、
    S :0.001〜0.03%、
    Al:0.01〜0.1%、および
    N:0.015%以下(0%を含まない)を夫々含有し、
    残部が鉄および不可避不純物からなり、
    鋼の金属組織が、パーライト、フェライトおよびベイナイトを有し、全組織に対するパーライト、フェライトおよびベイナイトの合計面積率が95面積%以上、パーライトとフェライトの合計面積率が70面積%以上、ベイナイトの面積率が10面積%超〜30面積%であると共に、フェライトの面積率Aが、下記(1)式で表されるAe値との関係でA>Aeを満足し、
    且つ隣り合う2つの結晶粒の方位差が15°よりも大きい大角粒界で囲まれたbcc−Fe結晶粒の平均円相当直径が15〜35μmであることを特徴とする冷間加工用機械構造用鋼。
    Ae=(0.8−Ceq1)×96.75 …(1)
    但し、Ceq1=[C]+0.1×[Si]+0.06×[Mn]であり、[C],[Si]および[Mn]は、夫々C,SiおよびMnの含有量(質量%)を示す。
  2. 更に他の元素として、
    Cr:0.5%以下(0%を含まない)、
    Cu:0.25%以下(0%を含まない)、
    Ni:0.25%以下(0%を含まない)、
    Mo:0.25%以下(0%を含まない)、および
    B :0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1に記載の冷間加工用機械構造用鋼。
  3. 更に他の元素として、
    Ti:0.2%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.2%以下(0%を含まない)、および
    V:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1または2に記載の冷間加工用機械構造用鋼。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の冷間加工用機械構造用鋼を製造するに当たり、950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、950℃超、1100℃以下の温度で仕上げ加工した後、5℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却し、その後1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以下まで冷却することを特徴とする冷間加工用機械構造用鋼の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の冷間加工用機械構造用鋼を製造するに当たり、950℃超、1250℃以下の温度に加熱し、950℃超、1100℃以下の温度で仕上げ加工した後、20℃/秒以上の平均冷却速度で750〜800℃の温度範囲まで冷却し、その後、0.10℃/秒以上の平均冷却速度で640〜680℃の温度範囲まで冷却し、更に1℃/秒超、10℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以下まで冷却することを特徴とする冷間加工用機械構造用鋼の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の冷間加工用機械構造用鋼を用いて、線材または棒鋼を経て得られる機械構造用部品。
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