JP4669317B2 - 冷間鍛造性に優れた鋼線及びその製造方法 - Google Patents

冷間鍛造性に優れた鋼線及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4669317B2
JP4669317B2 JP2005137344A JP2005137344A JP4669317B2 JP 4669317 B2 JP4669317 B2 JP 4669317B2 JP 2005137344 A JP2005137344 A JP 2005137344A JP 2005137344 A JP2005137344 A JP 2005137344A JP 4669317 B2 JP4669317 B2 JP 4669317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel wire
steel
cold forgeability
cementites
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005137344A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006316291A (ja
Inventor
新 磯
世紀 西田
真吾 山崎
修 加田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2005137344A priority Critical patent/JP4669317B2/ja
Priority to PCT/JP2006/302539 priority patent/WO2006088019A1/ja
Priority to TW95104915A priority patent/TWI318645B/zh
Priority to KR20077015015A priority patent/KR101033752B1/ko
Publication of JP2006316291A publication Critical patent/JP2006316291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4669317B2 publication Critical patent/JP4669317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

本発明は、ボルト、ナット、ねじ、歯車あるいはバーインコイル、その他の機械部品を冷間鍛造によって製造する際に、優れた冷間鍛造性を示す鋼線及びその製造方法に関するものである。
冷間鍛造は、生産性が高く製品の寸法精度に優れ、鋼材の歩留が良いことから幅広い分野で利用されている。このような冷間鍛造に供される鋼材は、局部的に大きな変形を受けるため、高い冷間鍛造性が求められている。これは鋼材の冷間鍛造性が悪い場合、材料割れによる不良品の発生や、工具ダイスの破損などが生じ、経済性が悪化するからである。こうしたことから、冷間鍛造性を向上させる方策の一つとして球状化焼鈍を実施している。
球状化焼鈍は、鋼中の炭化物を球状化して微細かつ均一に分散させ、これにより冷間加工性、被削性、および最終製品の耐磨耗性を向上させるものである。球状化焼鈍は一般的に10〜20時間の処理時間を要する。
冷間鍛造時の加工性能の向上と変形抵抗の低減に関する技術は、これまでにも様々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、線径の表面から10〜25%の領域のフェライトの平均粒径が2〜5.5μmで、且つ長径が3μm以下で(長径/短径)で示されるアスペクト比が3以下のセメンタイトが、全セメンタイトに対して70%以上であり、更に前記領域より内部においてはフェライト及びパーライト組織が合わせて80面積%以上とすることによって、熱間圧延ままで変形抵抗を低減し、充分な変形能を与える鋼線が開示されている。
また、初析フェライト分率が5〜30面積%、残りの組織をベイナイト主体とし、かつベイナイトのラス間隔の平均値が0.3μm以上という技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示されている技術によれば、球状化処理後の球状化比率が向上し、加工性能の向上、及び変形抵抗の低減が可能となる。
特開2000−192148号公報 特開2001−89830号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、表面から25%以内の内面部位でフェライト、パーライト組織が80面積%以上を占めるため、セメンタイト不均一分散(等間隔に配置されていない)に起因する加工性能の低下が懸念される。また、熱間圧延工程で低温圧延を実施し、その後徐冷処理を施すため、エネルギーコストの増加や生産性の低下を招いている。
また、特許文献2に記載の技術では、熱間圧延後の熱処理で徐冷を施すことによって当該組織を実現するため、生産性の低下とコスト上昇を招いている。また、ベイナイト分率が過剰となった場合は、球状化処理後の冷間加工時の変形抵抗が高くなってしまうという問題もある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、冷間鍛造時の加工性能の向上を図ることができ、優れた冷間鍛造性を示す鋼線及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、冷間鍛造時の加工性能の向上と変形抵抗の低減の両方を満足させるための最適な前組織について検討した結果、本発明を見出した。
すなわち、本発明の冷間鍛造性に優れた鋼線は、鋼成分が質量%でC:0.005〜0.6%、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.00%、Al:0.01〜0.06%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.01%以下を含み、更に、Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、Ni:1.00%以下、V:0.50%以下、B:0.0050%以下、Ti:0.05%以下よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有し、残余がFe及び不可避不純物である鋼線であって、セメンタイト間距離の標準偏差を前記セメンタイト間距離の平均値で除した値が0.50以下となる組織を有することを特徴とする。
このような鋼線とすることで、冷間鍛造時にフェライトとセメンタイトとの界面への転位集積は軽減され、応力が集中せず割れ難くなり、冷間鍛造時の加工性能の向上を図ることができる。
また、本発明の冷間鍛造性に優れた鋼線においては、長径を短径で除した値であるアスペクト比が1.50以下であるセメンタイト形状を有するものとすることができる。
また、本発明の冷間鍛造性に優れた鋼線においては、鋼成分が質量%で、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.00%、Al:0.01〜0.06%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.01%以下を含み、更に、Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、Ni:1.00%以下、V:0.50%以下、B:0.0050%以下、Ti:0.05%以下よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有し、残余がFe及び不可避不純物であるものとすることができる。
このような鋼線とすることで、焼入れ性や冷間鍛造の強度を向上させることができるという利点がある。
また、上記課題を解決するために本発明の冷間鍛造性に優れた鋼線の製造方法は、上記のいずれかに記載の冷間鍛造性に優れた鋼線の製造方法であって、質量%でC:0.005〜0.6%、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.00%、Al:0.01〜0.06%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.01%以下を含み、更に、Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、Ni:1.00%以下、V:0.50%以下、B:0.0050%以下、Ti:0.05%以下よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有し、残余がFe及び不可避不純物である鋼成分の鋼を熱間圧延して、750〜1000℃から400〜550℃までを20℃/s以上の冷却速度で冷却し、400〜550℃において20秒以上保持して恒温変態を完了させ、室温まで冷却した後、40%以下の減面率で粗伸線して球状化焼鈍を行い、その後20%以下の減面率で仕上伸線することを特徴とする
本発明によれば、冷間鍛造時の加工性能の向上と変形抵抗の低減を達成することができ、優れた冷間鍛造性を発揮する鋼線を提供できる。
次に、本発明について詳細に説明する。
本発明の冷間鍛造性に優れた鋼線は、鋼成分が質量%でC:0.005〜0.6%含む鋼線であって、セメンタイト間距離の標準偏差を前記セメンタイト間距離の平均値で除した値が0.50以下となる組織を有する。セメンタイト間距離の標準偏差を前記セメンタイト間距離の平均値で除した値が(標準偏差/平均値)が0.50以下であるとは、セメンタイトがほぼ均一な間隔で分布していることを表している。セメンタイトがほぼ均一な間隔で分布していると、応力が集中せず割れ難くなり、その結果、冷間鍛造時の加工性能が向上する。また、セメンタイト間距離の標準偏差を前記セメンタイト間距離の平均値で除した値が(標準偏差/平均値)が0.50を越えると、セメンタイト間距離のばらつきが大きくなり、加工を加えた場合に、フェライトとセメンタイトとの界面への応力集中が大きくなりやすくなる。これによりフェライトとセメンタイトとの界面へ転位集積によるボイドが発生し、これらボイドが連結することによってマクロ割れが生じやすくなる。
セメンタイト間距離の標準偏差および平均値は、以下に示すように算出する。まず、走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で、20μm×20μmの視野範囲の写真撮影を行う。この写真について、6μm×6μmを1視野として重複箇所がないように9視野を選択し、1視野ごとにセメンタイト間距離を測定し、得られた測定値の平均値を1視野ごとの距離データ(個々値)とする。さらに、9視野分の「1視野の距離データ(個々値)」について、セメンタイト間距離の標準偏差とセメンタイト間距離の平均値とを算出する。1視野ごとのセメンタイト間距離の測定は、1視野を縦330等分、横330等分し、短径が0.05μm以上のセメンタイトを対象として、セメンタイト外郭間の距離を縦、横について測定することによって行う。測定機器としては、例えば(株)ニレコ社製の画像解析装置(LUZEX III)を用いることができる。
また、本発明の鋼線は、長径を短径で除した値であるアスペクト比が1.50以下であるセメンタイト形状を有するものであることが望ましい。長径を短径で除した値であるアスペクト比が1.50以下である場合、冷間鍛造時にフェライトとセメンタイトとの界面への転位集積は軽減される。一方、アスペクト比が1.50を越える場合、フェライトとセメンタイトの界面に転位が集積してボイドが発生し、割れが生じやすくなってしまう。
アスペクト比の観察は、走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で、20μm×20μmの視野範囲の写真撮影を行い、短辺が0.05μm以上のセメンタイトを対象として、長径/短径比を画像解析にて測定することによって行う。測定機器としては、例えば(株)ニレコ社製の画像解析装置(LUZEX III)を用いることができる。
また、本発明の鋼線は、鋼成分が質量%でCを0.005〜0.60%含むものである。また、鋼成分が質量%でSi:0.50%以下、Mn:0.20〜1.00%、Al:0.01〜0.06%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.01%以下含むものとすることできる。これら元素の範囲限定理由は下記の通りである。
C:0.005〜0.60%
Cは、ボルト、ねじ等の強度により規定される。0.005%未満では必要な強度が得られないため下限は0.005%とする。一方、0.60%を超えると冷間加工性の低下、靭性の低下が生じるため、0.60%を上限とする。
Si:0.50%以下
Siは、脱酸材として及び固溶体硬化による最終製品の強度増加目的に添加されるが、多量に添加すると強度増加が著しくなって靭性の劣化を招くため、上限を0.50%とする。
Mn:0.20〜1.00%
Mnは、焼入れ性を高め強度を向上させる元素として添加されるが、その効果を発揮させるためには0.20%以上含有させる必要がある。一方、添加量が過剰になると、冷間鍛造性や靭性の低下を招くため、上限は1.00%とする。
Al:0.01%〜0.06%
Alは、Nを固定して冷間鍛造中の動的歪時効を抑制し、変形抵抗を低減する効果がある。この効果を得るためには、少なくとも0.01%含有させる必要がある。しかし、過剰に含有させると靭性を低下させるため、上限は0.06%とする。
P:0.02%以下、S:0.02%以下
PとSは、不可避的に含有される成分である。Pは鋼中で粒界偏析や中心偏析を起こし靭性を劣化させるため、0.02%以下とする必要がある。Sは冷間加工において有害な元素であるため、0.02%以下とする必要がある。
N:0.01%以下
Nは、冷間鍛造中に動的歪時効を起こし変形抵抗の上昇と加工性能の低下を招く。よって、Nは0.01%以下とする。
本発明の鋼線は、鋼成分として、更に、Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、Ni:1.00%以下、V:0.50%以下、B:0.0050%以下、Ti:0.05%以下よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有するものとすることできる。
Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、Ni:1.00%以下
Cr、MoおよびNiは、焼入れ性を高めることに有効な元素である。しかし、過剰に含有させると延性の劣化を引き起こすため、上記範囲内に抑える。
V:0.50%以下
Vは、析出強化を目的として添加しても良い。しかし、多量に添加すると、延性の劣化を引き起こすため、上記範囲内に抑える。
B:0.0050%以下
Bは焼入れ性を向上させる元素であり、必要により添加しても良い。但し、過剰に含有させると靭性を劣化させるため上限を0.0050%とする。
Ti:0.05%以下
Tiは固溶Nの固定による動的歪時効抑制効果によって、冷間鍛造時の変形抵抗低減に有効な元素であるため、必要により添加しても良い。但し、過剰に含有させると粗大なTiNが析出し、この粗大なTiNを起点とする割れが生じやすくなることから、上限を0.05%とする。
このような鋼線を得るため、以下の製造を行う。
上記成分の鋼を熱間圧延後、750〜1000℃で捲取る。ここで捲取圧延温度が750℃未満ではリング状に捲き取ることが困難となることから750℃を下限とし、また1000℃を超えると酸化スケールが増大し、歩留ロスが生じるため1000℃を上限とする。
捲取後、750〜1000℃から400〜550℃までを20℃/s以上の速度で冷却し、400〜550℃で20秒以上保持して恒温変態を完了させ、室温まで冷却する。冷却速度を20℃/s以上としたのは、線材圧延後に擬似パーライトやベイナイトといったセメンタイトが均一に分散した組織を得るためである。線材圧延後に擬似パーライトやベイナイト組織が存在した場合、球状化焼鈍後もセメンタイトは均一な間隔で分布することが可能となる。
また、恒温保定温度を400〜550℃としたのは、400℃未満では変態に長時間を要し、更に冷却後の組織に大量のベイナイトやマルテンサイトが生じて冷間鍛造時の変形抵抗が高くなるため、400℃を下限とする。また、550℃を超えると層状パーライト組織が急増し、球状化焼鈍時間に長時間を要し、かつ加工性能の低下を招いてしまうため550℃を上限温度とする。恒温保定時間は、恒温変態を終了させるために20秒以上とする。上限は特に規定するものではないが、生産性向上の観点から、150秒以内とすることが望ましい。
この線材に対し、40%以下の減面率で粗伸線した後に球状化焼鈍を実施し、その後20%以下の減面率で仕上伸線を行う。粗伸線は、寸法形状確保、強度確保、セメンタイト球状化促進という観点から必要である。40%を超えた場合、球状化焼鈍後の強度が高くなることにより最終鋼線の強度が上昇し、冷間鍛造時の変形抵抗が高くなってしまうため、減面率の上限は40%とする。
また、仕上伸線に関しても、寸法形状確保、強度確保という観点から必要であるが、20%を超えると最終鋼線の強度が上昇し、冷間鍛造時の変形抵抗が高くなってしまうため減面率20%以下が望ましい。球状化焼鈍はA1点直下、もしくは二相域の雰囲気温度にて所定時間の保持を行い、セメンタイトの球状化を図るものである。焼鈍保定時間の上限は特に規定するものではないが、上述の線材圧延後組織である場合、焼鈍保定時間の短縮が可能である。生産性向上、エネルギーコスト低減の観点から、球状化焼鈍時の保定時間は5Hr以内とすることが望ましい。以上により、加工性能の向上と変形抵抗の低減を達成する、優れた冷間鍛造性を有する鋼線材となる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に特徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
「実施例」
表1に示す鋼成分I〜Vの鋼を、熱間圧延して、750〜1000℃で捲取し、750〜1000℃から400〜550℃までを20〜100℃/sの速度で冷却し、表2に示す恒温保定温度において20秒以上保持して恒温変態を完了させ、室温まで冷却し、その後、表2に示す減面率で粗伸線して球状化焼鈍(A1点直下まで150℃/Hrで昇温し、A1点直下で1Hr保持した後、空冷)を行い、その後表2に示す減面率で仕上伸線を行った。
Figure 0004669317
Figure 0004669317
仕上伸線後の鋼線から切り出した実験例1〜実験例19から得た直径4〜5mm、中心に開口部が角度θ=120°で面取りされた直径2mmの孔4を有するテストピース(円筒の直径dと高さhとの比:h/d=1.5)を使用して冷間据込み性試験を実施し、加工性能、変形抵抗を測定した。なお、割れの出難い実験例1〜実験例12については、図1に示すテストピース1を使用して冷間据込み性試験を実施した。図1に示すテストピース1は、図1(a)に示すように、直径d4〜5mmの円筒形(円筒の直径dと高さhとの比:h/d=1.5)であり、側面に図1(c)に示す半径b:0.8mm、中心角a:30°、底部の曲率R=0.15mmの平面視扇型の切欠部2を有し、図1(a)および図1(b)に示すように、中心に開口部が角度θ=120°で面取りされた直径2mmの孔4を有するものである。
なお、冷間据込み性試験は、JCFCS−1980の基準に則って実施した。その結果を表2に示す。
なお、表1および表2中のCeq=C%+1/3Si%+1/6Mn%である。
また、加工性能は、肉眼または拡大鏡を用いて、長さ0.5mm〜1.0mmの微細割れが観察されなかった場合「良好」と判断し、微細割れが観察された場合「悪い」と判断した。
また、変形抵抗は、圧縮率70%、歪速度=10s−1の条件で測定し、得られた結果が表2に示すceqにより求められた基準変形抵抗よりも小さい場合は「良好」と判断し、得られた結果が基準変形抵抗値よりも大きい場合は「悪い」と評価した。
そして、加工性能と変形抵抗のいずれもが良好である場合を「○」と判定し、加工性能が良好で変形抵抗が悪い場合を「△」と判定し、加工性能と変形抵抗のいずれもが悪い場合を「×」と判定し、「△」「×」と判定した場合には理由を記載した。
表1および表2より、セメンタイト間距離の標準偏差/平均値が0.50以下である実験例2および、セメンタイト間距離の標準偏差/平均値が0.50以下であって、アスペクト比が1.50以下である実験例1、3、5〜7、9〜11、13〜15、17〜19では、「○」または「△」となった。
また、CrとNiが好ましい範囲を越えて含まれている鋼成分Vの鋼を用いた実験例17〜19は、鋼成分I〜IVの鋼を用いた実験例1〜3、5〜7、9〜11、13〜15と比較して、マルテンサイト等の硬質組織が多量に発生し、同等Ceq(IV鋼)で比較した場合、冷間鍛造時の変形抵抗が高い。
さらに、「○」または「△」となった実験例1、3、5〜7、9〜11、13〜15のうち、恒温保定温度、粗伸線減面率、仕上伸線減面率が好ましい範囲である実験例3、7、11、15は、「○」となった。
すなわち、実験例1、5、9、13は、恒温保定温度が400℃を下回るため、マルテンサイト等の硬質組織が大量に発生し、同等Ceqで比較した場合、冷間鍛造時の変形抵抗が高い。また、実験例6、14は、粗伸線での減面率が40%を超えるため、同等Ceqで比較した場合、冷間鍛造時の変形抵抗が高い。実験例10は、粗伸線での減面率が40%を、仕上伸線での減面率が20%を超えるため、同等Ceqで比較した場合、冷間鍛造時の変形抵抗が高い。
また、実験例2は、セメンタイト間距離の標準偏差/平均値が0.50以下であるが、アスペクト比が好ましい範囲を越え、仕上伸線での減面率が20%を超えるため、同等Ceqで比較した場合、冷間鍛造時の変形抵抗が高い。
実験例4、8、12、16では、標準偏差の比率(標準偏差/平均)が0.5を越え、アスペクト比が1.50を越えているため、冷間鍛造時の加工性能が悪く「×」となった。
図1は、実験例1〜実験例12に使用したテストピースを示す図面であり、図1(a)は側面図であり、図1(b)は平面図であり、図1(c)は切欠部を説明するための拡大図である。
符号の説明
1…テストピース、2…切欠部、4…孔、a…中心角、b…半径、d…直径、h…高さ、R…曲率

Claims (3)

  1. 鋼成分が質量%でC:0.005〜0.6%
    Si:0.50%以下、
    Mn:0.20〜1.00%、
    Al:0.01〜0.06%、
    P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、
    N:0.01%以下を含み、
    更に、Cr:1.50%以下、
    Mo:0.50%以下、
    Ni:1.00%以下、
    V:0.50%以下、
    B:0.0050%以下、
    Ti:0.05%以下よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有し、残余がFe及び不可避不純物である鋼線であって、セメンタイト間距離の標準偏差を前記セメンタイト間距離の平均値で除した値が0.50以下となる組織を有することを特徴とする冷間鍛造性に優れた鋼線。
  2. 長径を短径で除した値であるアスペクト比が1.50以下であるセメンタイト形状を有することを特徴とする請求項1に記載の冷間鍛造性に優れた鋼線。
  3. 請求項1または請求項2に記載の冷間鍛造性に優れた鋼線の製造方法であって、
    質量%でC:0.005〜0.6%
    Si:0.50%以下、
    Mn:0.20〜1.00%、
    Al:0.01〜0.06%、
    P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、
    N:0.01%以下を含み、
    更に、Cr:1.50%以下、
    Mo:0.50%以下、
    Ni:1.00%以下、
    V:0.50%以下、
    B:0.0050%以下、
    Ti:0.05%以下よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有し、残余がFe及び不可避不純物である鋼成分の鋼を熱間圧延して、750〜1000℃から400〜550℃までを20℃/s以上の冷却速度で冷却し、400〜550℃において20秒以上保持して恒温変態を完了させ、室温まで冷却した後、40%以下の減面率で粗伸線して球状化焼鈍を行い、その後20%以下の減面率で仕上伸線することを特徴とする冷間鍛造性に優れた鋼線の製造方法。
JP2005137344A 2005-02-16 2005-05-10 冷間鍛造性に優れた鋼線及びその製造方法 Active JP4669317B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005137344A JP4669317B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 冷間鍛造性に優れた鋼線及びその製造方法
PCT/JP2006/302539 WO2006088019A1 (ja) 2005-02-16 2006-02-14 球状化処理後の冷間鍛造性に優れた熱間圧延線材、優れた冷間鍛造性を有する球状化焼鈍処理された鋼線、及びそれらの製造方法
TW95104915A TWI318645B (en) 2005-02-16 2006-02-14 Hot rolled steel wire material having superior processability for cold forgine after spheroidization, spheroidized steel wire having superior processability for cold forgine and methods for manufacturing the same
KR20077015015A KR101033752B1 (ko) 2005-02-16 2006-02-14 구상화 처리 후의 냉간 단조성이 우수한 열간 압연 선재,우수한 냉간 단조성을 갖는 구상화 어닐링 처리된 강선, 및그들의 제조 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005137344A JP4669317B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 冷間鍛造性に優れた鋼線及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006316291A JP2006316291A (ja) 2006-11-24
JP4669317B2 true JP4669317B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=37537222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005137344A Active JP4669317B2 (ja) 2005-02-16 2005-05-10 冷間鍛造性に優れた鋼線及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4669317B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170159693A1 (en) * 2013-12-02 2017-06-08 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) Steel wire for bolts, bolt, and methods for manufacturing same

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5257082B2 (ja) * 2009-01-09 2013-08-07 新日鐵住金株式会社 低温焼鈍後の冷間鍛造性に優れた鋼線材及びその製造方法並びに冷間鍛造性に優れた鋼線材の製造方法
WO2011062012A1 (ja) * 2009-11-17 2011-05-26 新日本製鐵株式会社 低温焼鈍用鋼線及びその製造方法
JP5581344B2 (ja) * 2012-02-10 2014-08-27 株式会社杉田製線 結合部材作製用高強度細径鋼線の製造方法
RU2600460C2 (ru) * 2012-06-28 2016-10-20 ДжФЕ СТИЛ КОРПОРЕЙШН Труба из высокоуглеродистой стали с превосходными обрабатываемостью в холодном состоянии, технологичностью и прокаливаемостью и способ ее изготовления
JP6245349B2 (ja) * 2014-03-20 2017-12-13 新日鐵住金株式会社 良加工性鋼線材およびその製造方法
JP7151885B2 (ja) 2019-05-16 2022-10-12 日本製鉄株式会社 鋼線
CN111041362B (zh) * 2019-12-16 2021-05-25 首钢集团有限公司 一种提高非调质螺栓钢包辛格效应的方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01215924A (ja) * 1988-02-24 1989-08-29 Kobe Steel Ltd 熱間圧延線俸鋼の製造方法
JPH05156369A (ja) * 1991-12-04 1993-06-22 Nippon Steel Corp スチールコードの製造方法
JP2000119809A (ja) * 1998-10-13 2000-04-25 Kobe Steel Ltd 迅速球状化可能で冷間鍛造性の優れた鋼線材およびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01215924A (ja) * 1988-02-24 1989-08-29 Kobe Steel Ltd 熱間圧延線俸鋼の製造方法
JPH05156369A (ja) * 1991-12-04 1993-06-22 Nippon Steel Corp スチールコードの製造方法
JP2000119809A (ja) * 1998-10-13 2000-04-25 Kobe Steel Ltd 迅速球状化可能で冷間鍛造性の優れた鋼線材およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170159693A1 (en) * 2013-12-02 2017-06-08 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) Steel wire for bolts, bolt, and methods for manufacturing same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006316291A (ja) 2006-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4669300B2 (ja) 球状化処理後の冷間鍛造性に優れた鋼線材及びその製造方法
JP5486634B2 (ja) 冷間加工用機械構造用鋼及びその製造方法
JP4669317B2 (ja) 冷間鍛造性に優れた鋼線及びその製造方法
KR101599163B1 (ko) 비조질 기계 부품용 선재, 비조질 기계 부품용 강선 및 비조질 기계 부품과 그들의 제조 방법
JP6497450B2 (ja) 冷間鍛造調質品用圧延棒線
JP5195009B2 (ja) 焼鈍後の冷間鍛造性に優れた鋼線材及びその製造方法
JP6528860B2 (ja) 非調質機械部品用鋼線及び非調質機械部品
US20180251876A1 (en) Mechanical structure steel for cold-working and manufacturing method therefor
KR20130037227A (ko) 베어링용 강
WO2006088019A1 (ja) 球状化処理後の冷間鍛造性に優れた熱間圧延線材、優れた冷間鍛造性を有する球状化焼鈍処理された鋼線、及びそれらの製造方法
US10570478B2 (en) Steel for mechanical structure for cold working, and method for producing same
JP2009275250A (ja) 冷間加工性に優れた鋼線材およびその製造方法
JP7247078B2 (ja) 冷間加工用機械構造用鋼およびその製造方法
JP7151885B2 (ja) 鋼線
CN108929985B (zh) 强度和冷加工性优异的中碳线材及其制造方法
JP2018024909A (ja) 冷間加工用機械構造用鋼およびその製造方法
JP6673478B2 (ja) 線材、鋼線及び部品
WO2017033773A1 (ja) 冷間加工用機械構造用鋼、およびその製造方法
JP7226083B2 (ja) 線材及び鋼線
WO2020158368A1 (ja) 冷間加工用機械構造用鋼およびその製造方法
WO2023190994A1 (ja) 線材
JP6645638B1 (ja) ボルト用鋼
JP2021183710A (ja) 鋼線、非調質機械部品用線材、及び非調質機械部品
TW202239985A (zh) 冷間加工用機械構造用鋼及其製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4669317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350