JP4975343B2 - 冷間鍛造加工性に優れた鋼管およびその製造方法 - Google Patents

冷間鍛造加工性に優れた鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車用部品、機械構造用部品の製造に用いる冷問鍛造加工性の優れた鋼管とその製造方法に関する。
自動車用部品や機械構造用部品等の素材として用いられる鋼管は一般に目的とする部品形状への冷間鍛造加工が施された後、焼き入れ処理による必要強度の付与がなされて使用される。焼き入れによって鋼管の強度を上げるためには素材である鋼管のC含有量を高くすることが必要である。通常、高炭素鋼の冷間鍛造加工性向上の観点から、高炭素鋼は球状化熱処理により強度を低下させることが一般的である。
例えば、高炭素鋼の冷間鍛造加工性を向上させるために、球状化熱処理する方法と熱処理した後の金属組織について知られている。(特許文献1、2参照)
一方、部品の形状が複雑になるとともに加工回数の低減によるコスト低減の観点から、さらに冷間鍛造加工性の優れた鋼管が必要となっている。
特開平11一269552号公報 特開平11−269553号公報
しかしながら、上述の従来公知の球状化熱処理だけでは、十分な冷間鍛造加工性が得られなかった。自動車および機械構造用中・高炭素鋼管は、冷間により鍛造加工される場合が多く、優れた冷間鍛造加工性が要求されるものであった。
本発明では優れた冷間鍛造加工性を有する厚肉の高強度鋼管を提供することを目的としている。
本発明は以下の構成を要旨とするものである。
(1)本発明は、質量%で、C:0.15〜0.50%、Si:0.35%以下、Mn:0.50〜2.50%、S:0.010%以下、P:0.010%以下を含み、鋼管の管軸方向に垂直な断面の全域においてセメンタイトの平均粒径が0.10μm以上、1.00μm以下であり、さらにフェライトの分率が10%以下、かつフェライト結晶粒の円相当の平均粒径が7.8μm以下であることを特徴とする冷間鍛造加工性に優れた鋼管である。
(2)本発明は、前記フェライト結晶粒の円相当の平均粒径が4.5μm以下であることを特徴とする(1)に記載の冷間鍛造加工性に優れた鋼管である。
(3)更に本発明は、重量%でCr:0.05〜1.50%、Mo:0.05〜1.50%、Ni:0.10〜2.00%、Cu:0.10〜2.00%、Ti:0.01〜0.20%、Nb:0.005〜0.100%、B:0.0005〜0.0100%以下、Mg:0.0050%以下、Ca:0.0010〜0.0100%のうち一種または二種以上を含んだ(1)又は(2)記載の冷間鍛造加工性に優れた鋼管である。
(4)本発明は、(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の化学組成を有する鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、1.0℃/sec以上の冷却速度で室温まで連続冷却した後、(Ac変態点温度−20℃)以上、Ac変態点温度未満に再加熱し、その温度範囲で50分以上、80分以下保持した後、空冷することを特徴とする先の(1)乃至(3)の何れか一項に記載の冷間鍛造加工性に優れた鋼管の製造方法である。
(5)本発明は、(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の化学組成を有する鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、1.0℃/sec以上の冷却速度で室温まで連続冷却した後、Ac変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に再加熱し、その温度範囲で20分以下保持した後、0.01〜0.10℃/secの冷却速度で(Ar 変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲まで連続冷却し、その後空冷することを特徴とする先の(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の鋼管の製造方法である。
(6)本発明は、(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の化学組成を有する鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、1.0℃/sec以上の冷却速度で室温まで連続冷却した後、Ac変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に再加熱し、その温度範囲で20分以下保持した後、0.1〜1.0℃/secの冷却速度で(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲まで連続冷却し、(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲で5分以上、60分以下保持した後、空冷することを特徴とする先の(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の鋼管の製造方法である。
以上に説明した如く、この発明によれば、自動車および機械構造部品用の鋼管に必要な冷問鍛造加工性を付与することができ、自動車および機械構造部品用として満足できる鋼管が提供可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では化学成分、金属組織を特定条件下で組み合わせているが、以下各要件ごとに説明する。はじめに、化学成分の限定理由について説明する。
Cは自動車および機械構造用部品としての強度及び焼き入れ性を確保するために必要な元素であるが、0.15%未満では最終製品の強度が不足し、焼き入れ性も確保できない。また、0.50%を超えるとむしろ硬くなりすぎて冷問加工性の劣化を招く。従って、Cは0.15〜0.50%とする。
Siは固溶体強化により硬さの上昇を招き冷間加工性が劣化する。従って、Siは0.35%以下とした。
Mnは焼き入れ性の確保に有効な元素であるが、0.50%未満ではこの効果が不十分である。一方、2.50%を超えるとむしろ硬くなって冷間加工性の劣化を招く。従って、Mnは0.50〜2.50%とする。
SはMnと結合してMnSを形成する。MnSは冷間加工において割れの発生起点となる。このため、S量はできるだけ少ないことが望ましい。従って、Sは0.010%以下とする。
Pは鋼中に不可避的に含有される成分であるが、Pは鋼中で粒界偏析や中心偏析を起こし、延性劣化の原因となるので、0.010%以下とする。
Crは焼き入れ性の確保に有効な元素であるが、0.05%未満ではこの効果が不十分である。一方、1.50%を超えるとむしろ硬くなって冷間加工性の劣化を招く。従って、Crは0.05〜1.50%とする。
Moは焼き入れ性の確保に有効な元素であるが、0.05%未満ではこの効果が不十分である。一方、1.50%を超えるとむしろ硬くなって冷間加工性の劣化を招く。従って、Moは0.05〜1.50%とする。
Niは焼き入れ性の確保に有効な元素であるが、0.10%未満ではこの効果が不十分である。一方、2.00%を超えるとむしろ硬くなって冷間加工性の劣化を招く。従って、Niは0.10〜2.00%とする。
Cuは焼き入れ性の確保に有効な元素であるが、0.10%未満ではこの効果が不十分である。一方、2.00%を超えるとむしろ硬くなって冷間加工性の劣化を招く。従って、Cuは0.10〜2.00%とする。
TiはNとの親和力が強いためにB添加した場合にBNの析出を防止し、固溶Bが確保できる。TiはB添加する場合に必要に応じて添加するが、0.01%未満では効果が不十分である。一方、0.20%を超えるとTiCの析出硬化が顕著となり、冷間加工性の劣化を招く。従って、Tiは0.01〜0.20%とする。
Nbは焼き入れ性の確保に有効な元素であるが、0.005%未満ではこの効果が不十分である。一方、0.100%を超えて添加しても焼き入れ性の効果は飽和してしまう。従って、Nbは0.005〜0.100%とする。
Bは焼き入れ性の確保に有効な元素であるが、0.0005%未満ではこの効果が不十分である。一方、0.0100%を超えると粒界脆化を招く場合がある。従って、Bは0.0005〜0.0100%とする。
Mgは脱酸元素であり、酸化物を生成する。酸化物はMnSの析出核になりMnSの微細均一分散に効果がある。0.0050%を超えても歩留まりが極端に悪くなるばかりで効果は飽和する。従って、Mgは0.0050%以下とする。
Caは、介在物の形態を調整し、冷問加工性を向上するのに有効である。Caは多すぎると鋼中の介在物が増し逆に冷間加工性を劣化させる。従って、Caは0.0010〜0.0100%とする。
次に、金属組織の限定理由について説明する。
冷間鍛造加工性はセメンタイトの形態および分散状態、さらにはフェライト分率とフェライト粒径に大きく影響される。冷間鍛造加工性の優れた鋼管を得るためには、鋼管の管軸方向に垂直な断面においてセメンタイトの平均粒径が0.10μm以上、1.00μm以下であり、さらにフェライトの分率が10%以下、かつフェライト結晶粒の円相当の平均粒径が10μm以下にすることが重要であり、上記の一つでも満足しない場合、本発明の効果は得られず、全てを満足して初めて効果が得られるものである。
セメンタイトの平均粒径は冷間鍛造加工におけるボイドの発生に大きく影響する。セメンタイトが微細なるとボイドの発生は抑制できるがセメンタイトの平均粒径が0.10μm未満になると強度の上昇にともない伸びが低下し、そのため冷問鍛造加工性も低下する。一方、セメンタイトの平均粒径の増加にともない冷間鍛造加工性は向上するが、セメンタイトの平均粒径が1.00μmを超えると、冷間鍛造加工におけるボイドの発生により冷間鍛造加工性が低下し、割れが発生しやすくなる。以上より、セメンタイトの平均粒径は0.10μm以上、1.00μm以下とする。
フェライトの分率とフェライト結晶粒の円相当の平均粒径は冷間鍛造加工性を支配する重要な因子である。フェライトの分率が10%を超え、かっフェライト結晶粒の円相当の平均粒径が10μmを超えると、冷間鍛造加工時にフェライトの部分が大きく変形するため、フェライトの結晶粒界近傍の球状セメンタイトの界面に応力集中によるボイドが発生し、これがクラックに成長するため、冷間加工性を劣化させてしまう。球状セメンタイトの分散状態を均一にすることにより、フェライトの結晶粒界近傍での球状セメンタイトの界面の応力集中が緩和され、ボイドの発生が抑制されることで冷問鍛造加工性が向上する。フェライトの分率が10%以下、かつフェライト結晶粒の円相当の平均粒径が10μm以下にすることにより、球状セメンタイトの分散状態を均一にした場合と同様な効果が得られ、冷間加工性が著しく向上する。
次に、本発明の冷間加工性の優れた鋼管の製造方法の限定理由について説明する。
本発明の金属組織を得るためには、鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、1.0℃/sec以上の冷却速度で連続冷却することによりフェライトの生成を抑制する。その結果、鋼管の管軸方向に垂直な断面の全域において、セメンタイトが均一に分散した組織が得られ、その後の球状化熱処理により、球状化したセメンタイトの均一分散化が達成できる。
次に、球状化熱処理条件について説明する。
鋼管を(Ac変態点温度−20℃)以上、Ac変態点温度未満に再加熱し、その温度範囲で50分以上、80分以下保持した後、空冷する。まず、加熱温度を(Ac変態点温度−20℃)以上に限定したのは加熱温度が(Ac変態点温度−20℃)未満ではセメンタイトの球状化が不十分で軟質化が達成できない。一方、加熱温度がAc変態点温度を超えると、一部がオーステナイト化されセメンタイトの一部が再固溶される。オーステナイトは加熱後の空冷においてフェライト+パーライトに変態し軟質化が達成できない。以上のことから本熱処理での加熱温度を(Ac変態点温度−20℃)以上、Ac変態点温度未満とした。
加熱時問を50〜80分に保持した理由について説明する。
加熱時間が50分未満ではセメンタイトの球状化が不十分で軟質化が達成できない。一方、80分を超えるとセメンタイトの球状化は進行するが硬さの低下代は飽和してしまう。さらには熱処理時間が増すことで、製造コストが高くなる。以上のことから本熱処理での加熱時間を50以上、80分以下とする。
また、次のような鋼管の球状化熱処理条件でも冷間鍛造加工性に優れた鋼管が得られる。鋼管をAc変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に再加熱し、その温度範囲で20分以下保持した後、0.01〜0.10℃/secの冷却速度で(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲まで連続冷却し、その後空冷する。Ac変態点温度とAc変態点温度の二相域加熱であってもAc変態点温度の直下ではフェライトからオーステナイト化する比率が大きいので大部分のセメンタイトが溶けてしまう。これに対してAc変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に加熱することでフェライトからオーステナイト化する比率が僅かであるために溶け残ったセメンタイトが存在する。その温度範囲で20分を超えると、その温度範囲で溶け残ったセメンタイトの大部分が溶けてしまうため20分以下とする。加熱後の連続冷却では、溶け残ったセメンタイトを核に球状化成長する。このために加熱後の連続冷却速度を0.01〜0.10℃/secとする。連続冷却終了温度は(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲とし、その後空冷する。
さらに、次のような鋼管の球状化熱処理条件でも冷問鍛造加工性に優れた鋼管が得られる。鋼管をAc変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に再加熱し、その温度範囲で20分以下保持した後、0.1〜1.0℃/secの冷却速度で(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲まで連続冷却し、(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲で5分以上、60分以下保持した後、空冷する。Ac変態点温度とAc変態点温度の二相域加熱であってもAc変態点温度の直下ではフェライトからオーステナイト化する比率が大きいので大部分のセメンタイトが溶けてしまう。これに対して、Ac変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に加熱することで、フェライトからオーステナイト化する比率が僅かであるために溶け残ったセメンタイトが存在する。その温度範囲で20分を超えると、その温度範囲で溶け残ったセメンタイトの大部分が溶けてしまうため20分以下とする。
加熱後の連続冷却および冷却終了温度範囲ではパーライト変態を抑制するために、0.1〜1.0℃/secの冷却速度で、(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の冷却終了温度範囲とする。冷却終了温度での保持時問が5分未満ではセメンタイトの球状化が不十分で軟質化が達成できない。一方、60分を超えるとセメンタイトの球状化は進行するが硬さの低下代は飽和してしまう。さらには熱処理時間が増すことで、製造コストが高くなる。
表1に鋼管の化学成分と変態点を示す。鋼管は変態点についてはフォーマスター試験により実測した。図1に鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、連続冷却する熱処理条件を示す。図2に鋼管を(Ac変態点温度−20℃)以上、Ac変態点温度未満に加熱し、その温度で50分以上、80分以下保持した後、空冷する熱処理条件を示す。図3に鋼管をAc変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に加熱し、その温度で20分以下保持した後、(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下まで0.01〜0.10℃/secで冷却し、その後空冷する熱処理条件を示す。図4に鋼管をAc変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃〉以下に加熱し、その温度で20分以下保持した後、(Ar変態点 温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下まで0.1〜1.0℃/secで冷却し、その温度で5分以上、60分以下保持した後、空冷する熱処理条件を示す。
Figure 0004975343
表2に本発明により製造された鋼管および比較で製造された鋼管の金属組織と冷間鍛造加工性を示す。表2の記号1〜10は本発明範囲内の本発明例であり、表2の記号11〜17は本発明範囲から外れる比較例である。金属組織の観察はSEMにより2000倍で6視野を観察し、セメンタイトの平均粒径およびフェライトの結晶粒の円相当直径を算出した。冷間鍛造加工性は圧縮試験により評価した。φ7×L10mmの円柱状の試験片を鋼管の管軸方向が試験片のL方向となるように採取した。試験片のL方向に圧縮した場合、表面に割れが発生したときの試験片の高さを圧縮高さL’とした。硬さはビッカース硬度計による表面硬さを示す。荷重は9.8Nである。
Figure 0004975343
表2より記号1〜10の試験例は、セメンタイトの平均粒径が0.10μm以上、1.00μm以下であり、さらにフェライトの分率が10%以下、かつフェライト結晶粒の円相当の平均粒径が10μm以下であることから、圧縮高さh’が1.2〜1.5mmと低く、冷間鍛造性が優れている。表2の記号11は化学成分のCが0.12%と本発明範囲から外れ、さらに硬さは低いがフェライト分率が15.0%と本発明範囲から外れることから、圧縮高さが本発明例に比較して高く、冷間鍛造性が劣っている。表2の記号12は化学成分のMnが2.90%と本発明範囲から外れ硬さが高く、さらにセメンタイトの平均粒径が1.20μmと本発明範囲から外れることから、圧縮高さが本発明例に比較して高く、冷間鍛造性が劣っている。表2の記号13は化学成分のCが0.60%と本発明範囲から外れ硬さが高く、さらにフェライト結晶粒の円相当の平均粒径が18.0μmと本発明範囲から外れることから、圧縮高さが本発明例に比較して高く、冷間鍛造性が劣っている。
表2の記号14は本発明例である記号4と同じ化学成分であり硬さも同等であるが、フェライト結晶粒の円相当の平均粒径が12.0μmと本発明範囲から外れることから、圧縮高さが本発明例である記号4に比較して高く、冷間鍛造性が劣っている。これは、熱処理条件がcであり、Ac変態点温度以上に加熱後の冷却速度が低い影響によるものと思われる。
表2の記号15は本発明例である記号5と同じ化学成分であり硬さも同等であるが、フェライトの分率が14.0%と本発明範囲から外れることから、圧縮高さが本発明例である記号5に比較して高く、冷間鍛造性が劣っている。これは、熱処理条件がcであり、Ac変態点温度以上に加熱後の冷却速度が低い影響によるものと思われる。
表2の記号16は試験例である記号9と同じ化学成分で南り硬さも同等であるが、セメンタイトの平均粒径が2.00μmと本発明範囲から外れることから、圧縮高さが本発明例である記号9に比較して高く・冷間鍛造性が劣っている。
表2の記号17は試験例である記号10と同じ化学成分であり硬さも同等であるが、フェライト結晶粒の円相当の平均粒径が20.5μmと本発明範囲から外れることから、圧縮高さが試験例である記号10に比較して高く、冷間鍛造性が劣っている。
鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、連続冷却する熱処理条件を示す説明図。 鋼管を(Ac変態点温度−20℃)以上、Ac変態点温度未満に加熱し、その温度で50分以上、80分以下保持した後、空冷する熱処理条件を示す説明図。 鋼管をAc変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に加熱し、その温度で20分以下保持後、(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下まで0.01〜0.10℃/secで冷却しその後空冷する熱処理条件を示す説明図。 鋼管をAc変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃〉以下に加熱し、その温度で20分以下保持した後、(Ar変態点 温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下まで0.1〜1.0℃/secで冷却し、その温度で5分以上、60分以下保持した後、空冷する熱処理条件を示す説明図。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.15〜0.50%、Si:0.35%以下、Mn:0.50〜2.50%、S:0.010%以下、P:0.010%以下を含み、鋼管の管軸方向に垂直な断面の全域においてセメンタイトの平均粒径が0.10μm以上、1.00μm以下であり、さらにフェライトの分率が10%以下、かつフェライト結晶粒の円相当の平均粒径が7.8μm以下であることを特徴とする冷間鍛造加工性に優れた鋼管。
  2. 前記フェライト結晶粒の円相当の平均粒径が4.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の冷間鍛造加工性に優れた鋼管。
  3. 更に、重量%で、Cr:0.05〜1.50%、Mo:0.05〜1.50%、Ni:0.10〜2.00%、Cu:0.10〜2.00%、Ti:0.01〜0.20%、Nb:0.005〜0.100%、B:0.0005〜0.0100%以下、Mg:0.0050%以下、Ca:0.0010〜0.0100%のうち一種または二種以上を含んだことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷間鍛造加工性に優れた鋼管。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化学組成を有する鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、1.0℃/sec以上の冷却速度で室温まで連続冷却した後、(Ac変態点温度−20℃)以上、Ac変態点温度未満に再加熱し、その温度範囲で50分以上、80分以下保持した後、空冷することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鋼管の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化学組成を有する鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、1.0℃/sec以上の冷却速度で室温まで連続冷却した後、Ac変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に再加熱し、その温度範囲で20分以下保持した後、0.01〜0.10℃/secの冷却速度で(Ar 変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲まで連続冷却し、その後空冷することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鋼管の製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化学組成を有する鋼管をAc変態点温度以上に加熱後、1.0℃/sec以上の冷却速度で室温まで連続冷却した後、Ac変態点温度以上、(Ac変態点温度+30℃)以下に再加熱し、その温度範囲で20分以下保持した後、0.1〜1.0℃/secの冷却速度で(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲まで連続冷却し、(Ar変態点温度−20℃)以上、Ar変態点温度以下の温度範囲で5分以上、60分以下保持した後、空冷することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鋼管の製造方法。
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