JP5577743B2 - センサ付軸受ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、複数の転動体が複列で組み込まれた軸受の列間に、当該軸受の回転状態を検出するためのセンサを備えたセンサ付軸受ユニットに関する。
従来、自動車等の車輪(例えば、ディスクホイール)を車体(例えば、懸架装置(サスペンション))に対して回転自在に支持するための各種軸受ユニットが知られている(特許文献1参照)。その一例として、図7(a),(b)には、複数の転動体が複列で組み込まれた軸受の列間に、当該軸受の回転状態を検出するためのセンサを備えたセンサ付軸受ユニットが示されている。
図7(a),(b)に示されたセンサ付軸受ユニットは、インボード(車体)側の構成品に固定されて常時非回転状態に維持される外輪(例えば、静止輪)2と、外輪2の内側に対向して設けられ、且つアウトボード(車輪)側の構成品に接続されて、車輪と共に回転する内輪(例えば、回転輪)4とを備えている。
外輪2の内周面2mには、複列(例えば2列)で外輪軌道面2s,2tが形成されており、一方、内輪4の外周面4mには、各外輪軌道面2s,2tに対向した位置に、それぞれ複列(例えば2列)で内輪軌道面4s,4tが形成されている。そして、外輪2と内輪4とを対向配置した状態において、外輪軌道面と内輪軌道面との間(2sと4sとの間、2tと4tとの間)に、それぞれ複数の転動体6,8を転動自在に組み込むことで、外輪2と内輪4とが各転動体6,8を介して相対回転可能に対向配置された軸受ユニットが構成される。
また、外輪2において、アウトボード(車輪)側に形成された外輪軌道面2sの内径寸法は、インボード(車体)側に形成された外輪軌道面2tの内径寸法よりも大きく設定されている。一方、内輪4において、アウトボード(車輪)側に形成された内輪軌道面4sの外径寸法は、インボード(車体)側に形成された内輪軌道面4tの外径寸法よりも大きく設定されている。
この場合、外輪軌道面と内輪軌道面との間(2sと4sとの間、2tと4tとの間)に複数の転動体6,8を組み込んだ状態において、アウトボード(車輪)側に複数配列された各転動体6の転動(回転)中心6gを相互に結んで構成される仮想円の径寸法(直径)6Dは、インボード(車体)側に複数配列された各転動体8の転動(回転)中心8gを相互に結んで構成される仮想円の径寸法(直径)8Dよりも大きな径寸法(6D>8D)に設定されている。そして、アウトボード(車輪)側に配列された各転動体6の個数は、インボード(車体)側に配列された各転動体8の個数よりも多く設定されている。
なお、外輪2は中空円筒状を成し、内輪4の外周を覆うように配置されており、外輪2と内輪4との間には、軸受内部を密封するためのシール部材(車輪側のリップシール10a、車体側のパックシール10b)が設けられている。また、転動体6,8として図面では、玉を例示しているが、軸受の構成や種類に応じて、コロが適用される場合もある。
また、外輪2には、その外周面から外方に向って放射状突出した固定フランジ2aが一体成形されており、固定フランジ2aの固定孔2bに固定用ボルト(図示しない)を挿入し、これをインボード(車体)側の構成品(例えば、懸架装置(ナックル))に締結することにより、当該外輪2を懸架装置(ナックル)に固定することができる。なお、外輪2と懸架装置(ナックル)との固定方法として、例えば固定フランジ2aに圧入したスタッドボルトとナットとの組み合わせを用いることもある。
一方、内輪4には、アウトボード(車輪)側の構成品(例えば、自動車のディスクホイール)を支持しつつ、車輪と共に回転する略円筒形状のハブ12が設けられており、ハブ12には、アウトボード(車輪)側の構成品(例えば、ディスクホイール)が固定されるハブフランジ12aが突設されている。
ハブフランジ12aは、外輪2を越えて外方(ハブ12の半径方向外側)に向って延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って所定間隔で複数のハブボルト14が設けられている。この場合、複数のハブボルト14をディスクホイールに形成されたボルト孔(図示しない)に差し込んでハブナット(図示しない)で締付けることにより、当該ディスクホイールをハブフランジ12aに対して位置決めして固定することができる。また、ハブフランジ12a側を雌ネジ穴とし、ボルトで締めて固定することもある。
また、ハブ12には、そのインボード(車体)側に環状の内輪構成体16(ハブ12と共に内輪4を構成する部材)が嵌合(外嵌)されるようになっている。この場合、例えば外輪2と内輪4との間に複数の転動体6,8を保持器18で保持した状態で、内輪構成体16をハブ12に形成された段部12bまで嵌合(外嵌)した後、ハブ12の車体側端部の加締め領域12cを塑性変形させて、当該加締め領域12cを内輪構成体16の周端部16sに沿って加締める(密着させる)ことで、内輪構成体16を内輪4(ハブ12)に固定することができる。
このとき、軸受ユニットには所定の予圧が付与された状態となり、この状態において、複列の各転動体6,8は、それぞれ、互いに所定の接触角を成して外輪2及び内輪4の各軌道面間(2sと4sとの間、2tと4tとの間)に沿って接触しつつ回転可能に組み込まれる。この場合、各転動体6,8の接触角方向α,βは、その一方において、各軌道面2s,2t,4s,4tに直交し、且つ各転動体6,8の転動(回転)中心6g,8gを通り、軸受ユニットの中心線(回転軸)上の1点(作用点)で交わる。これにより背面組合せ形(DB)軸受が構成される。なお、接触角方向α,βの他方は、外輪2を通り1点で交差している。
このような構成において、例えば自動車走行中に車輪に作用した力は、全てディスクホイールから軸受ユニットを通じて懸架装置に伝達されることになり、その際、軸受ユニットには、各種荷重(ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重など)が作用する。しかし、軸受ユニットは、上述したような背面組合せ形(DB)軸受となっているため、各種の荷重に対して高い剛性が維持される。
また、上記した軸受ユニットには、軸受の回転状態を検出するための検出装置が設けられている。検出装置は、内輪4(具体的には、ハブ12)の外周面4mに沿って周方向に連続して配置され、その外周面に符号化情報が付加された円環状のエンコーダ20と、外輪2に形成された貫通孔2hを介して軸受内部空間H内に挿入され、その挿入先端22a(以下、検出先端22aという)がエンコーダ20に対向(正対)配置されるセンサ22とを備えている。
エンコーダ20は、内輪4(ハブ12)の外周面4mに取り付けられた円環状のエンコーダ芯金24と、エンコーダ芯金24の外周面に沿って周方向に連続して形成された円環状のエンコーダ本体26とを備えている。なお、エンコーダ本体26は、例えば磁性ゴムや樹脂等で形成され、そこに符号化情報が周方向に沿って付加されている。
一方、センサ22は、外輪2の貫通孔2hに挿入された状態で固定されており、その状態で、当該センサ22の検出先端22aは、エンコーダ20(具体的には、エンコーダ本体26)の外周面に対向(正対)し、且つ所定の間隙を成して配置されている。なお、センサ22の検出先端22aと、エンコーダ20(エンコーダ本体26)との間隙の大きさの程度は、軸受の種類や形状、或いは、使用目的や使用環境に応じて、最適な間隙値に設定される。
これにより、軸受回転中において、回転輪である内輪4と共にエンコーダ20(エンコーダ本体26)が回転すると、当該エンコーダ本体26に付加された符号化情報が、センサ22の検出先端22aから読み取られることで、軸受の回転状態(例えば、回転速度、回転方向)が検出されることになる。
ところで、上記した軸受ユニットにおいて、軸受の回転状態を検出するための検出装置の回転検出精度を一定に維持するためには、エンコーダ20(エンコーダ本体26)を、内輪4(ハブ12)の外周面4mのうち、軸受回転中、回転軸と常に平行状態に維持される円筒面4mfに取り付ける必要があると共に、これに対応して、センサ22の検出先端22aが当該エンコーダ20(エンコーダ本体26)に真正面から対向(正対)するように、貫通孔2hを外輪2に形成する必要がある。
ここで、外内輪2,4間に複数の転動体6,8が複列配置された、その列間相互の軸受内部空間H内において、円筒面4mfを確保できる領域が限定されているような場合、内輪4(ハブ12)の外周面4mのうち、例えばインボード側からアウトボード側に向けて径寸法が拡大した拡径部4pに接近して、エンコーダ20(エンコーダ本体26)を配置せざるを得ない場合が想定される(図7(b))。
しかしながら、拡径部4pには、軸受回転中に応力が集中し易いため、その応力の程度によっては、円筒面4mfに例えば歪が生じることで、エンコーダ20(具体的には、エンコーダ芯金24)がクリープして変位(移動)してしまう虞がある。そうなると、回転信号に誤差が出るばかりでなく、エンコーダ本体26を、センサ22の検出先端22aに対向(正対)させることができなくなってしまうため、検出装置の回転検出精度を一定に維持することができなくなり、その結果、軸受の回転状態を精度良く検出することが困難になってしまう。
一方、センサ22の検出先端22aをエンコーダ20(エンコーダ本体26)に真正面から対向(正対)させるために、外輪2の内周面2mのうち、例えばアウトボード側からインボード側に向けて径寸法が縮小した縮径部2pに接近して、貫通孔2hを形成せざるを得ない場合が想定される(図7(b))。
しかしながら、縮径部2pには、軸受回転中に応力が集中し易いため、その応力の程度によっては、貫通孔2hの向きが変化したり、或いは、変形したりする虞がある。そうなると、センサ22の検出先端22aを、エンコーダ本体26に対向(正対)させることができなくなってしまうため、検出装置の回転検出精度を一定に維持することができなくなり、その結果、軸受の回転状態を精度良く検出することが困難になってしまう。
また、上記した縮径部2p(拡径部4p)から離間した位置に、貫通孔2h(円筒面4mf)を構成しようとすると、例えば外輪2(内輪4)を肉厚化せざるを得ない場合が想定され、そうなると、軸受ユニット全体の重量の増加に伴ってバネ下重量が増し、その結果、走行性が低下してしまう。逆に、例えば外輪2(内輪4)を薄肉化せざるを得ない場合も想定され、そうなると、軸受ユニット全体の強度(剛性)が低下してしまう。また、外輪2(内輪4)の肉厚化及び薄肉化のいずれの場合でも、これに対応して、センサ22の検出先端22aまでの長さを確保する必要があり、そうなると、エンコーダ本体26とセンサ22の検出先端22aとの間の対向(正対)精度を出し難くなってしまう。
更に、外内輪2,4間に区画された軸受内部空間Hは、その全体が略円錐形状を成している。このため、軸受回転中に生じる遠心力によって、軸受内部に封入された潤滑剤(グリース、油)は、インボード側からアウトボード側に向けて流動し易い状態にある。この場合、潤滑剤の流動の程度によっては、軸受内部の潤滑性をその全体に亘って一定に維持することが困難になってしまう虞がある。
特開2006−316904号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、現状の軸受構成をそのまま利用しつつ、常に一定の回転検出精度を維持すると共に、軸受内部の潤滑性をその全体に亘って一定に維持し続けることが可能な剛性に優れたセンサ付軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、インボード側の構成品に固定されて常時非回転状態に維持される外輪と、外輪の内側に対向して設けられ、且つアウトボード側の構成品に接続されて、車輪と共に回転する内輪と、外内輪間に複列で転動自在に組み込まれた複数の転動体と、前記内輪の外周面に備えられるエンコーダと、当該複数の転動体が複列で組み込まれた軸受の列間の軸受内部空間内に挿入して前記エンコーダに対向させることで当該軸受の回転状態を検出するセンサとを備え、アウトボード側の各転動体の転動中心を相互に結んで構成される仮想円の直径が、インボード側の各転動体の転動中心を相互に結んで構成される仮想円の直径よりも大きく設定され、且つアウトボード側に配列された各転動体の個数は、インボード側に配列された各転動体の個数よりも多く設定されているセンサ付軸受ユニットであって、内輪の外周面には、外内輪間に複列で組み込まれた各転動体が転動する内輪軌道面がアウトボード側及びインボード側にそれぞれ形成され、アウトボード側に形成された内輪軌道面の外径寸法は、インボード側に形成された内輪軌道面の外径寸法よりも大きく設定され、且つ、複数の転動体が複列で組み込まれた軸受の列間の軸受内部空間において、そのアウトボード側の内輪の外周面には、内輪の回転軸と平行を成す方向に沿って円筒状に突出した円筒面を有し、当該円筒面は、内輪の列間のアウトボード側の外周面に形成されており、エンコーダは、センサによって読み取られる符号化情報が付加された部位が、インボード側の内輪軌道面の外径寸法よりも大きく、且つアウトボード側の内輪軌道面の肩部よりも小さい外径寸法となるように設定されると共に、基端側が前記円筒面に装着され、且つ前記円筒面を超えて軸受内部空間を横断する方向に沿って円環状を成して延出しており、前記エンコーダは、少なくとも一部が外輪の列間のインボード側の内周面に近接する方向に沿って延出されるとともに、当該外輪のインボード側の内周面との間でラビリンスシールを構成しており、軸受回転中において、当該エンコーダに付加された符号化情報がセンサによって読み取られることで、軸受の回転状態が検出される。
本発明において、エンコーダは、外輪の列間のインボード側の内周面よりも小径である
また、本発明において、円筒面には、そのインボード側に、当該円筒面に直交し、且つ当該円筒面よりも縮径する方向に沿って円環状に連続して形成された直交面が設けられていると共に、エンコーダには、直交面に沿って円環状に密着して当接させることが可能な当接部が設けられており、エンコーダは、その当接部を直交面に密着して当接させた状態で、その基端側が円筒面に装着されている。
本発明によれば、現状の軸受構成をそのまま利用しつつ、常に一定の回転検出精度を維持すると共に、軸受内部の潤滑性をその全体に亘って一定に維持し続けることが可能な剛性に優れたセンサ付軸受ユニットを実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、第1の実施形態の第1変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、第1の実施形態の第2変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図、(c)は、第1の実施形態の第3変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図、(d)は、第1の実施形態の第4変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、第1の実施形態の第5変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、同図(a)に示された直交面を形成する方法例を説明するための図。 本発明の第2の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、第2の実施形態の第1変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、第2の実施形態の第2変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図。 第1の実施形態の第6変形例に係るセンサ付軸受ユニットの主要な構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、既存のセンサ付軸受ユニットの全体的な構成を示す断面図、(b)は、同図(a)に示されたセンサとエンコーダの従来構成を一部拡大して示す断面図。
以下、本発明の一実施形態に係るセンサ付軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。なお、下記の各実施形態は、図7に示されたセンサ付軸受ユニットの改良であるため、以下では、改良部分の説明にとどめる。この場合、上記したセンサ付軸受ユニット(図7)と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の符号を本実施形態に用いた図面上に付すことで、その説明を省略する。
図1には、第1の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットの構成が示されており、本実施形態において、複数の転動体6,8(図7(a)参照)が複列で組み込まれた軸受の列間の軸受内部空間Hにおいて、そのアウトボード側の内輪4(具体的には、ハブ12)の外周面4mには、内輪4の回転軸と平行を成す方向に沿って円筒状に突出した円筒面4cが形成されている。
ここでは一例として、円筒面4cは、アウトボード側の内輪軌道面4sに連続して形成されている場合を想定する。なお、内輪軌道面4sには、そのアウトボード側に、当該内輪軌道面4sを転動する転動体6に作用するアキシアル荷重を支える(受ける)ための肩部4kが、転動体6の外周に沿って円弧状に拡径するように形成されている。
この場合、円筒面4cの外径寸法は、インボード側の内輪軌道面4t(図7(a)参照)の外径寸法よりも大きく、且つアウトボード側の内輪軌道面4sの肩部4kの外径寸法よりも小さくなるように設定されている。これによれば、アウトボード側の内輪4(ハブ12)の外周面4mは、その肩部4kからインボード側へ向けて、内輪軌道面4sを経て円弧状に縮径した後、円筒面4cに沿って平行に連続することとなる。
なお、円筒面4cは、必ずしも、上記したアウトボード側の内輪軌道面4sに連続させる必要はなく、例えば軸受内部空間Hの大きさ、形状、或いは、軸受の使用環境や使用目的に応じて、内輪軌道面4sと断続するように形成してもよい。例えば、アウトボード側の内輪4(ハブ12)の外周面4mから、当該円筒面4cの部分のみを他の部分から突出させて形成してもよい。
また、本実施形態において、エンコーダ20は、その基端側20eが円筒面4cに装着され、且つ当該基端側20eから軸受内部空間Hを横断する方向に沿って円環状を成して延出している。この場合、エンコーダ20は、センサ22によって読み取られる符号化情報が付加された部位(即ち、その外周面に符号化情報が付加されたエンコーダ本体26)が、インボード側の内輪軌道面4t(図7(a)参照)の外径寸法よりも大きく、且つアウトボード側の内輪軌道面4sの肩部4kよりも小さい外径寸法となるように設定されている。
具体的に説明すると、エンコーダ20は、エンコーダ芯金24の基端側20eが一部円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)されており、エンコーダ芯金24の先端側20tは、アウトボード側の内輪4(ハブ12)に形成された拡径部4pを越えて軸受内部空間Hに延出されている。そして、エンコーダ芯金24の外周に連続するエンコーダ本体26は、円筒面4cから拡径部4pに亘って延在するように、当該エンコーダ芯金24の外周面に沿って形成されている。
この場合、エンコーダ20は、少なくとも一部(即ち、本実施形態では、エンコーダ芯金24並びにエンコーダ本体26の先端側20t)が外輪2の内周面2mに近接する方向に沿って延出された状態となる。この状態において、当該エンコーダ20の先端側20tと外輪2の内周面2mとの間には、ラビリンスシールが構成される。
一方、外輪2において、貫通孔2hは、上記した円筒面4cから拡径部4pに亘る部位に対向(正対)するように形成されている。この場合、当該貫通孔2hにセンサ22を挿入することで、その検出先端22aをエンコーダ本体26の外周面に対向(正対)させることができる。そして、当該貫通孔2hに対するセンサ22の挿入位置や挿入量等を調整し、その状態で固定することで、センサ22の検出先端22aをエンコーダ本体26の外周面から最適な間隙を成して位置決めすることができる。
このような構成によれば、軸受回転中において、エンコーダ20(具体的には、エンコーダ本体26)に付加された符号化情報がセンサ22(具体的には、検出先端22a)によって読み取られることで、軸受(具体的には、内輪4)の回転状態が検出される。
以上、本実施形態によれば、アウトボード側の内輪4(ハブ12)の外周面4mに、内輪4の回転軸と平行を成す方向に沿って円筒状に突出した円筒面4cを形成し、エンコーダ20の基端側20eを当該円筒面4cに装着させると共に、当該基端側20eから軸受内部空間Hを横断する方向に沿って円環状を成して延出させたことで、限られた軸受内部空間H内において、外周面に符号化情報が付加されたエンコーダ本体26の配置の自由度を向上させることができる。
この場合、内輪4(ハブ12)の外周面4mに形成された拡径部4pを回避した任意の位置に、エンコーダ20を配置することができる。これにより、軸受回転中に生じた当該拡径部4pへの応力集中による歪の影響を全く受けることがなくなり、常にセンサ22の検出先端22aとエンコーダ20(エンコーダ本体26)とを真正面から対向(正対)させることができる。この結果、検出装置の回転検出精度を常に一定に維持することができるため、軸受の回転状態を精度良く検出することができる。
また、このようにエンコーダ本体26の配置の自由度が向上したことに伴って、貫通孔2hを外輪2の内周面2mの縮径部2pを回避した任意の位置に形成することができる。これにより、軸受回転中に生じた当縮径部2pへの応力集中による歪の影響を全く受けることがなくなり、貫通孔2hの向きが変化したり、或いは、変形したりする虞も無い。この結果、センサ22の検出先端22aを、常にエンコーダ本体26に対向(正対)させることができる。この結果、検出装置の回転検出精度を一定に維持することができるため、軸受の回転状態を精度良く検出することができる。
更に、上記した構成上の効果に加えて、エンコーダ20を、センサ22によって読み取られる符号化情報が付加された部位(即ち、その外周面に符号化情報が付加されたエンコーダ本体26)が、インボード側の内輪軌道面4t(図7(a)参照)の外径寸法よりも大きく、且つアウトボード側の内輪軌道面4sの肩部4kよりも小さい外径寸法となるように設定したことで、外輪2(内輪4)を肉厚化或いは薄肉化すること無く、現状の軸受構成をそのまま利用することができる。
これにより、バネ下重量の増加に伴う走行性の低下や軸受強度(剛性)の低下といった不具合の発生を完全に無くすることができる。同時に、センサ22の検出先端22aまでの長さを短くすることができるため、エンコーダ本体26とセンサ22の検出先端22aとの間の対向(正対)精度を出し易くなり、その結果、長期に亘って一定の回転検出精度を維持することができる。
更に、エンコーダ20の先端側20tを軸受内部空間Hを横断する方向に沿って円環状に延出させたことで、これを、軸受内部に封入された潤滑剤(グリース、油)が、軸受回転中に生じる遠心力によって、インボード側からアウトボード側に向けて流動する際のストッパとして機能させることができる。これにより、軸受内部の潤滑性をその全体に亘って一定に維持することができる。
特に、エンコーダ20の先端側20tを外輪2の内周面2mに近接させるようにすることで、当該先端側20tと当該内周面2mとの間にラビリンスシールを構成することができる。これにより、軸受内部空間Hでの潤滑剤(グリース、油)の流動量を規制することができるため、軸受内部全体に亘る潤滑性の維持向上を図ることができる。
また、エンコーダ20の基端側20eの端面(具体的には、エンコーダ芯金24のアウトボード側の端面)に、面取20rを施してもよい。これにより、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)する際、面取20rが円筒面4cに対するガイドとして機能し、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cにスムーズに且つ安定して装着(例えば、圧入、嵌合)させることができる。
なお、本発明は、上記した第1の実施形態に限定されることはなく、以下のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、当該第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
「第1変形例」
図2(a)に示すように、エンコーダ20の先端側20tにおいて、エンコーダ芯金24のインボード側の端面を外輪2の内周面2mに向けて折り返し、当該上向き折り返し部24tでエンコーダ本体26を係止するようにしてもよい。なお、他の構成は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
本変形例によれば、エンコーダ芯金24の外周面にゴム(樹脂)材料によってエンコーダ本体26を形成する際、上向き折り返し部24tが、ゴム(樹脂)材料の流れ止めとして機能し、これにより、エンコーダ本体26をエンコーダ芯金24の外周面に片寄り無く且つ均一に形成することができる。また、当該エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)する際、上向き折り返し部24tを装着座(例えば、圧入座、嵌合座)として機能させることができるため、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cにスムーズに且つ安定して装着(例えば、圧入、嵌合)させることができる。なお、他の効果は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第2変形例」
図2(b)に示すように、エンコーダ20の先端側20tを外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させて、当該内周面2mに近接させるようにしてもよい。なお、図面では一例として、エンコーダ芯金24のみを外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させ、上記した上向き折り返し部24tを内周面2mに近接させているが、これに代えて、エンコーダ本体26及びエンコーダ芯金24を共に外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させ(図示しない)、当該上向き折り返し部24tを内周面2mに近接させてもよい。
ただし、エンコーダ本体26及びエンコーダ芯金24を共に外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させる場合には、その延出量は、エンコーダ本体26が外輪2の内周面2mと重ならない程度に設定することが好ましい。これにより、エンコーダ本体26付加された符号化情報に対する磁力(磁束)の乱れによる影響を防止することができる。なお、他の構成は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
本変形例によれば、エンコーダ20の先端側20tと外輪2の内周面2mとの間に、さらにシール性に優れたラビリンスシールを構成することができる。これにより、軸受内部空間Hでの潤滑剤(グリース、油)の流動量を効率良く規制することができるため、軸受内部全体に亘る潤滑性の維持向上を図ることができる。また、当該エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)する際、上向き折り返し部24tを装着座(例えば、圧入座、嵌合座)として機能させることができるため、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cにスムーズに且つ安定して装着(例えば、圧入、嵌合)させることができる。なお、他の効果は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第3変形例」
図2(c)に示すように、エンコーダ20の先端側20tにおいて、エンコーダ芯金24のインボード側の端面を内輪4の外周面4mに向けて折り返すようにしてもよい。この場合、当該下向き折り返し部24tは、内輪4の外周面4mに近接させてもよいし、最適な距離だけ離間させてもよい。
いずれの場合においても、エンコーダ本体26は、下向き折り返し部24tの基点となる曲面部24rよりもアウトボード側に形成することが好ましい。これにより、エンコーダ芯金24の外周面にゴム(樹脂)材料によってエンコーダ本体26を形成する際、曲面部24rに成形型(図示しない)を当ててゴム(樹脂)材料を止めることにより、当該ゴム(樹脂)材料の流れ出しを生じさせること無く、エンコーダ本体26をエンコーダ芯金24の外周面に亘って片寄り無く且つ均一に形成することができる。また、当該エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)する際、下向き折り返し部24tを装着座(例えば、圧入座、嵌合座)として機能させることができるため、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cにスムーズに且つ安定して装着(例えば、圧入、嵌合)させることができる。なお、他の構成及び効果は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第4変形例」
図2(d)に示すように、エンコーダ20の先端側20tを外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させて、当該内周面2mに近接させるようにしてもよい。なお、図面では一例として、エンコーダ芯金24のみを外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させ、上記した下向き折り返し部24tを内周面2mに近接させているが、これに代えて、エンコーダ本体26及びエンコーダ芯金24を共に外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させ(図示しない)、当該下向き折り返し部24tを内周面2mに近接させてもよい。
ただし、エンコーダ本体26及びエンコーダ芯金24を共に外輪2の内周面2mに向けてさらに延出させる場合には、その延出量は、エンコーダ本体26が外輪2の内周面2mと重ならない程度に設定することが好ましい。これにより、エンコーダ本体26付加された符号化情報に対する磁力(磁束)の乱れによる影響を防止することができる。また、当該エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)する際、下向き折り返し部24tを装着座(例えば、圧入座、嵌合座)として機能させることができるため、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cにスムーズに且つ安定して装着(例えば、圧入、嵌合)させることができる。なお、他の構成は、上記した第1の実施形態と同様であり、また、他の効果は、上記した第2変形例と同様であるため、その説明は省略する。
「第5変形例」
図3(a)に示すように、本変形例のセンサ付軸受ユニットにおいて、円筒面4cには、そのインボード側に、当該円筒面4cに直交し、且つ当該円筒面4cよりも縮径する方向に沿って円環状に連続して形成された直交面4aが設けられている。また、エンコーダ20には、直交面4aに沿って円環状に密着して当接させることが可能な当接部20aが設けられており、エンコーダ20は、その当接部20aを直交面4aに密着して当接させた状態で、その基端側20eが円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)されている。
本変形例によれば、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着する際、その当接部20aを直交面4aに密着して当接させることで、当該エンコーダ20の軸方向(具体的には、内輪4の回転軸方向)における装着位置合わせを簡単に行うことができる。即ち、当接部20aを直交面4aに密着して当接させるだけで、当該エンコーダ20を軸方向(内輪4の回転軸方向)の所定位置に高精度に位置決めして固定することができる。
この場合、図3(b)に示すように、アウトボード側の内輪軌道面4sと、円筒面4cに直交する直交面4aとには、内輪4の外周面4mを形成する際、同時に、研削処理を施すことが好ましい。なお、当該研削処理では、例えばロータリードレス成形された砥石(図示しない)によって、内輪軌道面4sと直交面4aとを同時に研削すればよい。そうすることで、エンコーダ20(図3(a))の軸方向位置の安定化を図ることができる。なお、他の構成及び効果は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第2の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットについて、図4を参照して説明する。なお、本実施形態は、上記した第1の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットの改良であるため、以下では、改良部分の説明にとどめる。この場合、上記したセンサ付軸受ユニット(図1参照)と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の符号を本実施形態に用いた図面上に付すことで、その説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態に係るセンサ付軸受ユニットにおいて、エンコーダ20は、その基端側20eが円筒面4cに装着され、且つ当該基端側20eから軸受内部空間Hを横断する方向に沿って円環状を成して延出している。この場合、エンコーダ20は、センサ22によって読み取られる符号化情報が付加された部位(即ち、その外周面に符号化情報が付加されたエンコーダ本体26)が、インボード側の内輪軌道面4t(図7(a)参照)の外径寸法よりも大きく、且つアウトボード側の内輪軌道面4sの肩部4kよりも小さい外径寸法となるように設定されている。
具体的に説明すると、エンコーダ20は、エンコーダ芯金24の基端側20eが一部円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)されており、エンコーダ芯金24の先端側20tは、アウトボード側の内輪4(ハブ12)に形成された拡径部4pを越えて軸受内部空間Hに延出されている。また、エンコーダ芯金24は、拡径部4pを越えた当りに構成されたクランク部20bを介して内輪4の外周面4m方向に縮径されており、当該クランク部20bから先端側20tに亘って延在する範囲のエンコーダ芯金24は、内輪4の回転軸と平行を成す方向に沿って円筒状に形成されている。なお、当該エンコーダ芯金24のインボード側の端部には、外輪2の内周面2mに近接する方向に折り返された上向き折り返し部24tが形成されている。
この場合、外周面に符号化情報が付加されたエンコーダ本体26は、クランク部20bと上向き折り返し部24tとの間に延在するエンコーダ芯金24の外周面に沿って周方向に連続して形成されている。なお、当該エンコーダ芯金24は、外輪2の内周面2mと重ならないように配置することが好ましい。これにより、エンコーダ本体26付加された符号化情報に対する磁力(磁束)の乱れによる影響を防止することができる。
以上、本実施形態によれば、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)する際、上向き折り返し部24tを装着座(例えば、圧入座、嵌合座)として機能させることができるため、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cにスムーズに且つ安定して装着(例えば、圧入、嵌合)させることができる。また、上向き折り返し部24tを外輪2の内周面2mに近接させたことで、当該上向き折り返し部24tと当該内周面2mとの間にラビリンスシールを構成することができる。これにより、軸受内部空間Hでの潤滑剤(グリース、油)の流動量を規制することができるため、軸受内部全体に亘る潤滑性の維持向上を図ることができる。なお、他の構成及び効果は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
なお、本発明は、上記した第2の実施形態に限定されることはなく、以下のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、当該第2の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
「第1変形例」
図5(a)に示すように、本変形例のセンサ付軸受ユニットにおいて、エンコーダ芯金24は、拡径部4pを越えた当りに構成されたクランク部20bを介して外輪2の内周面2m方向に拡径されており、当該クランク部20bから先端側20tに亘って延在する範囲のエンコーダ芯金24は、内輪4の回転軸と平行を成す方向に沿って円筒状に形成されている。なお、他の構成及び効果は、上記した第2の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第2変形例」
図5(b)に示すように、本変形例のセンサ付軸受ユニットにおいて、円筒面4cには、そのインボード側に、当該円筒面4cに直交し、且つ当該円筒面4cよりも縮径する方向に沿って円環状に連続して形成された直交面4aが設けられている。また、エンコーダ20には、直交面4aに沿って円環状に密着して当接させることが可能な当接部20aが設けられており、エンコーダ20は、その当接部20aを直交面4aに密着して当接させた状態で、その基端側20eが円筒面4cに装着(例えば、圧入、嵌合)されている。
この場合、当接部20aは、上記したクランク部20bを直交面4aに沿って内輪4の外周面4m方向に延出させて形成されており、当該クランク部20bから先端側20tに亘って延在する範囲のエンコーダ芯金24は、内輪4の回転軸と平行を成す方向に沿って円筒状に形成されている。
本変形例によれば、エンコーダ20の基端側20eを円筒面4cに装着する際、その当接部20aを直交面4aに密着して当接させることで、当該エンコーダ20の軸方向(具体的には、内輪4の回転軸方向)における装着位置合わせを簡単に行うことができる。即ち、当接部20aを直交面4aに密着して当接させるだけで、当該エンコーダ20を軸方向(内輪4の回転軸方向)の所定位置に高精度に位置決めして固定することができる。
この場合、図3(b)と同様に、アウトボード側の内輪軌道面4sと、円筒面4cに直交する直交面4aとには、内輪4の外周面4mを形成する際、同時に、研削処理を施すことが好ましい。なお、当該研削処理では、例えばロータリードレス成形された砥石(図示しない)によって、内輪軌道面4sと直交面4aとを同時に研削すればよい。そうすることで、エンコーダ20(図5(b))の軸方向位置の安定化を図ることができる。なお、他の構成及び効果は、上記した第2の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
なお、本発明において、上記した第1の実施形態における第6の変形例として、以下のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、当該第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
「第1の実施形態の第6変形例」
図6に示すように、本変形例のセンサ付軸受ユニットにおいて、エンコーダ20の基端側20eを装着させるための円筒面4cは、アウトボード側の内輪4(ハブ12)の外周面4mを一部窪ませて形成した段部に構成配置されている。
段部は、アウトボード側の内輪軌道面4sからインボード側に向けて(内輪4の回転軸と平行を成す方向に沿って)延在した円筒状の外周面4msよりも窪ませて(凹ませて)構成されており、内輪4の回転軸に直交する方向に沿って円環状に延在した段部面4dを備えている。この場合、段部面4dの外径端側は、上記した外周面4msに連続して構成されており、円筒面4cは、当該段部面4dの内径端側に連続して構成配置されている。なお、このような段部にエンコーダ20を組み付ける場合には、エンコーダ20のアウトボード側端部を段部面4dに突き当てるように、その基端側20eを円筒面4cに装着させればよい。これにより、エンコーダ20は、段部面4dによって軸方向(内輪4の回転軸に沿った方向)に位置決めされた状態で、当該段部に組み付けることができる。
ここで、段部面4dの深さ(高さ)寸法は、上記した段部にエンコーダ20を位置決めして組み付けた状態(具体的には、円筒面4cにエンコーダ20の基端側20eを装着した状態)において、当該エンコーダ20の外周面(具体的には、エンコーダ本体26の外周面)の外径寸法が、上記した外周面4msと同径か、或いは、それよりも小径となるように設定されている。なお、他の構成は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
本変形例によれば、軸受に対してエンコーダ20を組付け易くすることができるため、当該センサ付軸受ユニットの組立効率を向上させることができる。
例えば第1の実施形態(図1参照)では、エンコーダ20の外周面の外径寸法を外輪2の内周面2mよりも小さくした上で、アウトボード側の外輪軌道面2sと内輪軌道面4sとの間に保持器18と共に複数の転動体6を組み込んだ後、インボード側からエンコーダ20を挿入し、その基端側20eを円筒面4cに装着させ、その後、ハブ12に内輪構成体16を固定することで、インボード側の外輪軌道面2tと内輪軌道面4tとの間に保持器18と共に複数の転動体8を組み込む必要がある。
これに対して、本変形例では、予め、上記した段部にエンコーダ20を位置決めして組み付けた状態において、アウトボード側及びインボード側の外輪軌道面2s,2tに保持器18と共に転動体6,8を組み付けた後、内輪4(ハブ12、内輪構成体16)を組み合わせるといったシンプルな組立工程が可能となり、これにより、軸受に対するエンコーダ20の組付けが容易になり、その結果、当該センサ付軸受ユニットの組立効率の向上を図ることができる。
2 外輪
2m 外輪の内周面
2s アウトボード側の外輪軌道面
2t インボード側の外輪軌道面
4 内輪
4c 円筒面
4k アウトボード側の内輪軌道面の肩部
4m 内輪の外周面
4s アウトボード側の内輪軌道面
4t インボード側の内輪軌道面
20 エンコーダ
20e エンコーダの基端側
22 センサ
26 エンコーダ本体
H 軸受内部空間

Claims (3)

  1. インボード側の構成品に固定されて常時非回転状態に維持される外輪と、外輪の内側に対向して設けられ、且つアウトボード側の構成品に接続されて、車輪と共に回転する内輪と、外内輪間に複列で転動自在に組み込まれた複数の転動体と、前記内輪の外周面に備えられるエンコーダと、当該複数の転動体が複列で組み込まれた軸受の列間の軸受内部空間内に挿入して前記エンコーダに対向させることで当該軸受の回転状態を検出するセンサとを備え、
    アウトボード側の各転動体の転動中心を相互に結んで構成される仮想円の直径が、インボード側の各転動体の転動中心を相互に結んで構成される仮想円の直径よりも大きく設定され、且つアウトボード側に配列された各転動体の個数は、インボード側に配列された各転動体の個数よりも多く設定されているセンサ付軸受ユニットであって、
    内輪の外周面には、外内輪間に複列で組み込まれた各転動体が転動する内輪軌道面がアウトボード側及びインボード側にそれぞれ形成され、アウトボード側に形成された内輪軌道面の外径寸法は、インボード側に形成された内輪軌道面の外径寸法よりも大きく設定され、且つ、
    複数の転動体が複列で組み込まれた軸受の列間の軸受内部空間において、そのアウトボード側の内輪の外周面には、内輪の回転軸と平行を成す方向に沿って円筒状に突出した円筒面を有し、
    当該円筒面は、内輪の列間のアウトボード側の外周面に形成されており、
    エンコーダは、センサによって読み取られる符号化情報が付加された部位が、インボード側の内輪軌道面の外径寸法よりも大きく、且つアウトボード側の内輪軌道面の肩部よりも小さい外径寸法となるように設定されると共に、
    基端側が前記円筒面に装着され、且つ前記円筒面を超えて軸受内部空間を横断する方向に沿って円環状を成して延出しており、
    前記エンコーダは、少なくとも一部が外輪の列間のインボード側の内周面に近接する方向に沿って延出されるとともに、当該外輪のインボード側の内周面との間でラビリンスシールを構成しており、
    軸受回転中において、当該エンコーダに付加された符号化情報がセンサによって読み取られることで、軸受の回転状態が検出されることを特徴とするセンサ付軸受ユニット。
  2. エンコーダは、外輪の列間のインボード側の内周面よりも小径であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ付軸受ユニット。
  3. 円筒面には、そのインボード側に、当該円筒面に直交し、且つ当該円筒面よりも縮径する方向に沿って円環状に連続して形成された直交面が設けられていると共に、
    エンコーダには、直交面に沿って円環状に密着して当接させることが可能な当接部が設けられており、
    エンコーダは、その当接部を直交面に密着して当接させた状態で、その基端側が円筒面に装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ付軸受ユニット。
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