JP5577683B2 - 感熱転写受像シート - Google Patents
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Description
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。受容層は、少なくとも染料を受容し得る塩化ビニル系樹脂を含有する。塩化ビニル系樹脂はラテックスとして水溶性の分散媒中に分散して使用される。
塩化ビニル系樹脂ラテックスは、受容層の形成に使用されるものであり、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂100重量部に対してスルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物0.05〜1重量部、好ましくは0.4〜0.9重量部を含有するものである。スルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物が0.05重量部未満の場合は、表面張力が高いため均一な塗工が困難であり、1重量部を超える場合は、感熱転写受像シートの耐水性が悪化する。
断熱層は、サーマルヘッド等を用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い感熱転写受像シートを得ることができる。断熱層としては、例えば、ポリマー粒子中に熱伝導率の低い空気を含む層、中空ポリマー粒子を含む層等があげられる。
下地層は、感熱転写受像シートの光沢性や帯電性などを調整するために形成されるものである。下地層としては、例えば、白地調整層、帯電調整層、接着層、プライマー層等があげられる。
支持体は、例えば、耐水性支持体、導電性支持体等があげられるが、耐水性支持体が好ましい。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては、例えば、コート紙やラミネート紙等があげられる。コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて塗工量が異なる。
熱転写画像形成の際に、上述した本発明の感熱転写受像シートと併せて使用される感熱転写シート(インクシート)は支持体上に拡散転写染料を含む色素層を設けたものであり、任意のインクシートを使用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉又はロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成シート等の各種用途に適用することもできる。
アカシアからなるLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)50重量%及びアスペンからなるLBKP50重量%をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解し、パルプスラリーを調製した。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水900g、塩化ビニル単量体750g、3重量%過硫酸カリウム5g及び5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液75gを仕込み、温度を66℃に上げて、乳化重合を進めた。66℃における塩化ビニルの飽和蒸気圧より0.2MPa圧力が低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収、塩化ビニル樹脂ラテックス(ラテックス1)を得た。ラテックス1中の塩化ビニル樹脂の平均粒子径を以下の方法で測定したところ0.1μmであった。
ラテックスをレーザー透過率が75〜85%となるように水を添加し濃度調整を行った測定用試料を、レーザー回折/散乱式粒径測定装置(商品名LA−920、堀場製作場(株)製)を用いて、メジアン径を測定し、平均粒子径とした。
塩化ビニル単量体750gを、塩化ビニル単量体600gとアクリル酸ブチル150gとした以外は合成例1と同様の方法で作製し、塩化ビニル系樹脂ラテックス(ラテックス2)を得た。ラテックス2中の塩化ビニル系樹脂の平均粒子径を測定したところ0.1μmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムをラウリル硫酸ナトリウムとした以外は合成例1と同様の方法で作製し、塩化ビニル樹脂ラテックス(ラテックス3)を得た。ラテックス3中の塩化ビニル樹脂の平均粒子径を測定したところ0.1μmであった。
塩化ビニル単量体750gを、塩化ビニル単量体600gとアクリル酸ブチル150gとした以外は合成例3と同様の方法で作製し、塩化ビニル系樹脂ラテックス(ラテックス4)を得た。ラテックス4中の塩化ビニル系樹脂の平均粒子径を測定したところ0.1μmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液6gを仕込んだ以外は合成例1と同様の方法で作製し、塩化ビニル樹脂ラテックス(ラテックス5)を得た。ラテックス5中の塩化ビニル樹脂の平均粒子径を測定したところ0.1μmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液6gを仕込んだ以外は合成例2と同様の方法で作製し、塩化ビニル系樹脂ラテックス(ラテックス6)を得た。ラテックス6中の塩化ビニル系樹脂の平均粒子径を測定したところ0.1μmであった。
以下の方法で、感熱転写受像シート1を作製し、以下の評価方法により評価した結果を表1に示す。感熱転写受像シート1を用い作製された画像は白抜けが発生しなかった。
スチレンブタジエンラテックス(SR103、日本エイアンドエル(株)製)93重量%、PVA 8.7%水溶液 57重量%をNaOH水溶液でpH8に調整し、下地層塗工液とし、下地層が21ml/m2となるよう塗布した。
中空ポリマーラテックス(ニポール(登録商標)MH5055、日本ゼオン(株)製)38重量%、16%ゼラチン水溶液26重量%、水4重量%をNaOH水溶液でpH8に調整し、断熱層塗工液とし、断熱層が45ml/m2となるよう塗布した。
ラテックス1を10重量%、ラテックス2を40重量%、10%ゼラチン水溶液10重量%、マイクロクリスタリンワックス(EMUSTAR 42X、日本製蝋(株)製)7重量%、水35重量%をNaOH水溶液でpH8に調整し、受容層塗工液とし、受容層が18ml/m2となるよう塗布した(受容層中のスルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物含有量:塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5重量部)。
(印画方法)
プリンター(P−330、オリンパス(株)製)及び熱転写シート(P−330用)を用いて、各感熱転写受像シートを用い、出力画像は、白からマックスマゼンタ(マゼンタベタ)に変化する階調画像とした。
白抜けの評価は、以下の判断を基準に行った。
以下の方法で、感熱転写受像シート2を作製し、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。実施例1と同様、白抜けは発生しなかった。
感熱転写受像シート1において、受容層に用いたラテックス1をラテックス3に、ラテックス2をラテックス4に変更した以外は、感熱転写受像シート1と同様の方法で作製した(受容層中のスルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物含有量:塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5重量部)。
以下の方法で、感熱転写受像シート3を作製し、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。感熱転写受像シート3を用い作製された画像は白抜けが発生した。
感熱転写受像シート1において、受容層に用いたラテックス1をラテックス5に、ラテックス2をラテックス6に変更した以外は、感熱転写受像シート1と同様の方法で作製した(受容層中のスルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物含有量:塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.04重量部)。
Claims (2)
- 支持体上に断熱層と受容層を有する感熱転写受像シートであって、該受容層が、塩化ビニル単独樹脂又は塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂である塩化ビニル系樹脂、及び該塩化ビニル系樹脂100重量部に対してスルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物0.05〜1重量部を含有し、かつ、塩化ビニル単量体の全量を仕込んだ後に乳化重合を行って得られた、該塩化ビニル系樹脂、及び該塩化ビニル系樹脂100重量部に対してスルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物0.05〜1重量部を含有する塩化ビニル系樹脂ラテックスを用いて形成されており、さらに、該塩化ビニル系樹脂ラテックス中の該塩化ビニル系樹脂の平均粒子径が0.3μm以下であることを特徴とする感熱転写受像シート。
- スルホン酸塩又は硫酸エステル塩を有する有機化合物が、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像シート。
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