JP2009107324A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】コックリングが抑制されており、染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、高精細の画像を鮮明に印字できるインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】紙支持体上にインク溶媒吸収遅延層とインク受容層を順次設けた2層以上からなるインクジェット記録用紙において、該インク溶媒吸収遅延層がエチレン変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。インク溶媒吸収遅延層に粘土鉱物顔料を含有することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印字中又は印字後の紙支持体収縮による波打ち(以下、コックリングともいう。)を抑制し、インクジェット記録適性としての染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、高精細の画像を鮮明に印字できるインクジェット記録用紙に関する。
水性インクを微細なノズルからインクジェット記録用紙に向かって噴出し、インクジェット記録用紙表面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、及び、他の印刷装置より記録コストが安価であることなどの理由により、端末プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
プリンタの急速な普及と高精細・高速化にともなって、インク吸収速度の向上とともに、銀塩方式の写真、製版方式の多色印刷に匹敵する画像の鮮明性の実現が強く求められている。また、記録画像の品質のために、画像記録濃度や鮮明性の更なる向上が望まれている。
一方で、画像保存性を実現するために、インク自体の改良も提案されており、従来の主流であった親水性の高い着色剤を使用した水性染料インク(以下、染料インクともいう。)とともに、耐水性や耐光性が優れる、疎水性の着色顔料を分散したインク(以下、顔料インクともいう。)も多用化されるようになっている。
また、銀塩写真と同等の画像を実現するために、インク吐出量も増しており、紙支持体を使用したインクジェット記録用紙では、インクの溶媒である水が紙支持体まで浸透し、コックリングが発生し、印字中に記録ヘッドと擦れて画像が乱れるといった問題が生じたり、画像記録後もコックリングが残って印字物の見栄えを損なうといった問題も生じている。このような問題を解決するために、ポリエチレンのような合成樹脂を両面にラミネートした樹脂被覆紙が常用されてきたが、樹脂被覆紙を古紙として回収しようとすると皮膜化した樹脂が残り、古紙回収時にトラブルを起こす可能がある。
上記問題を解決するため、インクジェット記録用紙の紙支持体表面に、熱可塑性樹脂の分散液を塗工して透水性中間層を形成し、次いで、該透水性中間層の表面に、顔料と結着剤を含む塗工液を塗工してインク受容層を形成する方法(例えば、特許文献1参照)、また、紙支持体上に、下塗り層とインク受容層を設け、該下塗り層の顔料として、平均粒子径が4〜50μmでアスペクト比が5〜70の平板状顔料を用いる方法(例えば、特許文献2参照)、パルプの繊維間結合を少なくして紙の空隙を増すような低密度化薬品を含む基材を用いる方法(例えば、特許文献3参照)、原紙に合成ヘクトライト粘土鉱物を含む顔料とバインダーを含有する下塗り塗被層を設け、さらに樹脂を含有するキャスト用塗被層を設け、前記キャスト用塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト仕上げする方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。しかし、これらのインクジェット記録用紙であっても、インク量の多い画像においては、印字中又は印字後のコックリングを十分に防ぐものではなく、インクジェット記録適性は満足いくものではなかった。
特開2002−103787号公報 特開2006−015584号公報 特開2002−103791号公報 特開平8−324100号公報
本発明は、上記の問題を解決し、紙支持体を使用したインクジェット記録用紙であって、コックリングを抑制し、インクジェット記録適性としての染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、高精細の画像を鮮明に印字できるインクジェット記録用紙を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、紙支持体上にエチレン変性ポリビニルアルコールを含有するインク溶媒吸収遅延層を有するインクジェット記録用紙の発明に至ったのである。
(1)紙支持体上にインク溶媒吸収遅延層とインク受容層を順次設けた2層以上からなるインクジェット記録用紙において、該インク溶媒吸収遅延層がエチレン変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
(2)前記エチレン変性ポリビニルアルコールのエチレン変性度が1〜20mol%である(1)項に記載のインクジェット記録用紙。
(3)前記エチレン変性ポリビニルアルコールの重合度が300〜3000である(1)項又は(2)項に記載のインクジェット記録用紙。
(4)インク溶媒吸収遅延層に粘土鉱物顔料を含有する(1)項〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
(5)前記粘土鉱物顔料が、モンモリロナイトを主成分としたベントナイトである(4)項に記載のインクジェット記録用紙。
(6)インク溶媒吸収遅延層が板状顔料類を含有する(1)項〜(5)項のいずれかに記載のインクジェット記録用紙。
本発明によれば、従来、染料インク、顔料インクのいずれか一方に最適なインクジェット記録用紙であったものを、コックリングが抑制されていて、染料インク及び顔料インクのどちらで印字しても優れた印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供することができる。
以下に本発明のインクジェット記録用紙について、詳細に説明する。
(紙支持体)
本発明のインクジェット記録用紙の支持体としては、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙支持体が適宜使用される。
紙支持体は、木材パルプと必要に応じ含有する填料を主成分として構成される。
木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS P8121)程度である。紙支持体の平滑性を高めるためには叩解度を進めるほうが望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや記録画像のにじみは、叩解を進めないほうが良好な結果を得る場合が多い。従って、フリーネスは300〜500ml程度が好ましい。
填料は、不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合し、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。特に炭酸カルシウムを使用すると、白色度が高い基材となり、インクジェット記録体の光沢感が高まるので好ましい。
紙支持体中の填料の含有率(灰分)は1〜20質量%程度が好ましく、多すぎると紙力が低下するおそれがある。逆に少ないと紙支持体の透気性が悪くなるので、好ましい填料の含有率は7〜20質量%である。この範囲にすると、平滑度、透気度、紙力のバランスがとれているので、結果として平滑感が優れたインクジェット記録用紙が得られ易くなる。
紙支持体には、助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加することができる。さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール類、カチオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整できる。ステキヒトサイズ度(100g/mの紙として)は1〜200秒が好ましい。サイズ度が高いとインク吸収性が低下したり、印字後のカールやコックリングが著しくなる場合がある。より好ましいサイズ度の範囲は5秒〜120秒である。
基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m程度である。特に印刷用途には50〜250g/mの範囲が好ましい。60〜200g/mの範囲が最も好ましい。
(インク溶媒吸収遅延層)
本発明のインクジェット記録用紙では、紙支持体上に、エチレン変性ポリビニルアルコールを含有するインク溶媒吸収遅延層を設ける。インク溶媒吸収遅延層は、顔料を含有する層とすることができる。
(インク溶媒吸収遅延層のエチレン変性ポリビニルアルコール)
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク溶媒吸収遅延層に用いられるエチレン変性ポリビニルアルコールは、エチレンとビニルエステル系モノマーとを共重合して得られたエチレン−ビニルエステル系重合体をけん化し、ビニルエステル単位をビニルアルコール単位としたものを用いることができる。このビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げることができ、これらのなかでも酢酸ビニルを用いるのが好ましい。
エチレン変性ポリビニルアルコールのエチレン変性度は、1〜20mol%が好ましく、1〜15mol%が更に好ましく、1〜5mol%が特に好ましい。エチレン変性度が1mol%未満では、耐水性が低下し、コックリング抑制が低下する。また、20mol%を超えと、水溶解性が極端に低下し、インク吸収性が低下する。
なお、エチレン変性度は、エチレンとビニルエステル系モノマーとを共重合して得られたエチレン−ビニルエステル系重合体をけん化し、そのビニルエステル単位をビニルアルコール単位に変換したものにおけるエチレンの共重合量(mol%)を意味し、その数値は核磁気共鳴(プロトンNMR)法による測定を行って得た数値である。
エチレン変性ポリビニルアルコールを得るために、エチレンとビニルエステル系モノマーを共重合させる際には、必要に応じて、共重合可能なモノマーを発明の効果を損なわない範囲内、好ましくは15mol%以下、より好ましくは5mol%以下の割合、で共重合させることもできる。
このようなビニルエステル系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数3〜30のオレフィン類;アクリル酸及びその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸及びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩、N−メチロールアクリルアミド及びその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩、N−メチロールメタクリルアミド及びその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸及びその塩又はそのエステル;イタコン酸及びその塩又はそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド類を挙げることができる。
エチレン変性ポリビニルアルコールの重合度は、300〜3000が好ましく、より好ましくは500〜2000である。重合度が300未満では、本発明のインク溶媒吸収遅延層上に設けるインク受容層の塗膜強度が低下する傾向であり、重合度が3000を超えると、エチレン変性ポリビニルアルコールの粘度が著しく高くなり、塗工が困難となるし、また、インクジェット記録適性では、インク吸収性が低下し、にじみが悪化する可能性がある。なお、エチレン変性ポリビニルアルコールの重合度は、JIS K6726により測定を行った。
エチレン変性ポリビニルアルコールのケン化度は、80mol%以上であることが好ましい。より好ましくは90mol%以上であり、特に好ましくは95mol%以上である。ケン化度が80mol%より低いと、コックリング抑制が低下する。前記けん化度とは、けん化によりビニルアルコール単位に変換され得る単位の中で、実際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の割合を示したものである。なお、エチレン変性PVAのけん化度は、JIS K6726記載の方法により測定を行った。
エチレン変性ポリビニルアルコールがコックリング抑制を飛躍的に向上させる理由は定かではないが、一般的に使用されているポリビニルアルコールでは耐水性が低く、コックリング抑制には効果がない。しかし、エチレン変性ポリビニルアルコールにすることで、水不溶性が増すことから、水に対するバリアー性が増し、コックリング抑制に効果があると推測される。
また、SBR(ラテックス)のように耐水性の高すぎるバインダー等では、インク溶媒を完全に遮断してしまい、インク吸収性が低下してしまうが、エチレン変性ポリビニルアルコールの程良い膨潤性により、コックリング抑制と優れたインク吸収性の両立を可能としていると考えられる。
(インク溶媒吸収遅延層のその他のバインダー)
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク溶媒吸収遅延層には、バインダーとして、前記エチレン変性ポリビニルアルコール以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、従来の塗工紙に用いられる公知のバインダーを用いることができる。カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス類、ポリビニルアルコールやノニオンソープを保護コロイド層として有する合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成樹脂類等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
(インク溶媒吸収遅延層の粘土鉱物顔料)
本発明のインクジェット記録用紙のインク溶媒吸収遅延層は、エチレン変性ポリビニルアルコール以外に、粘土鉱物を顔料として含有することが好ましい。粘土鉱物とは、粘土を構成する鉱物で、主成分は層状珪酸塩鉱物(フィロ珪酸塩鉱物)であり、アルミニウム、ナトリウム、カルシウム等の金属イオンと、珪酸が連結し、できたシートが層状に形成されている。
粘土鉱物顔料としては、カオリナイト(高陵石)、モンモリロナイト(モンモリロン石)、セリサイト(絹雲母)、イライト、グローコナイト(海緑石)、クロライト(緑泥石)、タルク(滑石)、ゼオライト(沸石)が挙げられるが、コックリング抑制、印字適性の観点から、モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物顔料が好ましく、その中でもベントナイトが特に好ましい。また、粘土鉱物顔料以外にコックリング抑制及び印字適性を害さない範囲で、他の顔料を配合しても良い。
粘土鉱物顔料以外に併用できる顔料としては、インクジェット記録用紙用として公知の使用可能な顔料、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、サチンホワイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、雲母類、その他の各種板状顔料類、スチレン、エチレン、ブタジエン、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、及びこれらの共重合体の有機高分子微粒子等が挙げられ、印字適性を害さない範囲で、2種以上の顔料を併用しても良い。
活性白土やベントナイト等の粘土鉱物がインク吸収性を飛躍的に向上させる理由は定かではないが、活性白土やベントナイトの主成分であるモンモリロナイトは2枚の四面体シートと1枚の八面体シートからなる3層を基本とした層状構造を形成しており、四面体シートの陽イオンはSiのみで、八面体シートの陽イオンのAlが一部Mgに置換されている。このため、単位結晶層は負の電荷を帯びており、その負電荷に見合うように結晶層間に陽イオンが入り込み、この陽イオンは容易に置換される性質を持っており、且つ、水分子を容易に取り込む特性があることから、インク吸収性を飛躍的に向上させていると推測される。
エチレン変性ポリビニルアルコールの配合割合は、エチレン変性ポリビニルアルコール100質量部に対し、顔料10〜100質量部、好ましくは20〜80質量部である。顔料の量が10質量部未満では、プロッタ等のインク量の多いインクジェットプリンターで印字した場合、インク吸収性が遅くなり、にじみが低下する可能性がある。また、顔料が100質量部を超えると、インク溶媒吸収遅延層の遅延効果が低下し、コックリングが悪化する可能性がある。
インク溶媒吸収遅延層の塗工量は、特に限定はしないが、0.5〜5g/mが好ましい。更に好ましくは、1〜4g/mであり、特に好ましくは1.5〜3g/mである。塗工量が0.5g/mより少ないと、コックリングが悪化し、5.0g/mより多いと、インク吸収性が低下し、にじみが悪化する。
このインク溶媒吸収遅延層は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。
<インク受容層>
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク受容層は、インクジェット記録用紙用のインク受容層として知られている顔料とバインダーを主たる成分として含有する層とすることができる。
(インク受容層の顔料)
顔料としては、特に限定されるものではないが、発色性、インク吸収性の点から、無定形シリカが好ましい。
無定形シリカの製法は特に限定されるものではなく、電弧法、乾式法、湿式法(沈降法、ゲル法)のいずれの方法で製造されてもよいが、湿式法シリカが、染料インク、顔料インクのいずれにも適しているので特に好ましい。
無定形シリカの2次粒子の平均粒子径は2〜12μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。平均粒子径が2μm未満であると、染料インク用インクジェット記録用紙に用いた場合、染料インクの吸収性が低下し、また、光透過性がより高くなるので、染料インクによる記録の耐光性が低下し、塗膜強度も低下する。また、顔料インク用インクジェット記録用紙に用いた場合は、顔料インクの定着性が低下するといった悪影響が生じる。一方、無定形シリカの2次粒子径が12μmを超えると、染料インク用インクジェット記録用紙、顔料インク用記録用紙共に、画像の鮮明性の低下や、表面の粗さが目立ち、印字ムラが生じやすいといった問題を生じる。
なお、本発明において、シリカの平均粒子径とは、コールターカウンタ法によるもので、シリカを蒸留水中にて30秒間超音波分散したものを試料として測定される体積平均粒子径を表すものである。
無定形シリカは、他の顔料に比べ、発色性、インク吸収性に優れているので好ましいが、従来からインクジェット記録用紙の塗工層、インク受容層に用いられる顔料と混合して使用してもよい。例えば、シリカ、軽質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリル或いはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は真球状でも不定形でもよく、これらの顔料を無定形シリカと1種又は2種以上混合して用いてもよいが、印字適性を害さない範囲で調整する必要がある。
(インク受容層のバインダー)
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク受容層中のバインダーとしては特に限定するものではないが、インクジェット記録用紙用のバインダーとして公知のものを使用することが出来る。公知のバインダーとしては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体又は共重合体であるアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルアルコールを保護コロイドとして有するアクリル酸エステル系共重合体、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等があり、これらは1種のみを使用してもよく、2種以上のバインダーを併用してもよい。
シリカとバインダーの配合割合は、シリカ100質量部に対し、バインダー10〜70質量部、好ましくは30〜60質量部である。バインダーの量が70質量部より多いと、インクが溢れ、にじみが発生し、10質量部より少ないとインク受容層の層強度が弱くなる傾向にある。
(その他)
インク受容層に、インク定着剤を使用することができる。使用されるインク定着剤は特に限定するものではないが、インクジェット記録用紙用のインク定着剤として公知のカチオン性化合物を使用することができる。公知のカチオン性化合物として、1)ポリエチレンアミンやポリプロピレンなどのポリアルキレンアミン類、又はその誘導体、2)3級アミン基、4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、4)ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、6)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン付加重合物、7)ジアリルアミン塩−SO共重合物、8)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、9)アリルアミン塩の重合物、10)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、13)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウムなどのアルミニウム塩、カチオン性界面活性剤等の一般市販されているものが挙げられ、単独で用いられるかあるいは数種類が併用される。
カチオン性化合物の配合割合は、特に限定されるものではないが、顔料100質量部に対し、1〜60質量部が好ましく、より好ましくは5〜50質量部である。
カチオン性化合物が1質量部未満であると、画像の発色性の低下や、印字部の保存性の低下が起こりやすくなり、60質量部を超えると、インク吸収性の低下、印字ムラ、画像の鮮明性の低下が起こりやすくなる。
インク受容層には、さらに一般の塗被紙製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
インク受容層の塗工量は特に限定されるものではないが、0.5〜30g/mとするのが好ましく、2〜20g/mとするのがより好ましい。塗工量が0.5g/mより少ないと、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が低下しやすく、塗工量が30g/mより多いと、塗膜強度や画像の鮮明性が低下しやすい。なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
このインク受容層は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。
インク受容層の乾燥条件は、インク受容層塗工液の濃度などによって調節されるが、乾燥条件によっても、吸収速度の挙動が変動する。できるだけ強い乾燥条件で処理することが好ましいが、過剰の乾燥は発色性が低下する傾向である。
なお、塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよいが、係る処理もインク受容層表面の空隙を潰すことになるので、印字適性を害さない範囲で調製する必要がある。
(層構成)
本発明のインクジェット記録用紙の層構成は特に限定するものではなく、基材の両面に同様のインク受容層及びインク溶媒吸収遅延層を設けても構わない。この場合、インクジェット記録用紙において両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。また、インク受容層は複数層で構成されてもよい。また、インク受容層の印字適性を損なわない範囲で、光沢性を付与するための光沢層、或いは保存性を高めるためのオーバーコート層を設けてもよい。
前記、光沢層の形成においては、後述する加熱された鏡面ドラムを利用するキャスト方式やフィルム転写方式などのキャスト加工が行われる。
このようなキャスト加工においては、キャストドラムやフィルム等からの離型性を付与する目的で、離型剤を用いることができる。
離型剤としては、通常の印刷用塗工紙や印刷用キャスト塗工紙製造の際に用いられる離型剤が使用できる。このような離型剤としては、具体的には、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸カリウム,オレイン酸アンモニウム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、シリコーンオイル,シリコーンワックス等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物、レシチン、高級脂肪酸アミド等が挙げられるが、操業の安定性の面から、ノニオン性のポリエチレンワックスを使用することが望ましい。
この離型剤は、上記塗工液に添加するなどして使用される。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
各実施例、比較例で得られたインクジェット記録用紙のコックリング、にじみ、インク吸収性、印字濃度及び印字部均一性を以下に示す方法で評価した。
なお、評価にあたって、インクジェット記録用紙への印字は、市販の顔料インクジェットプリンター(CANON社製、商標:ImagePROGRAF W6200、印字モード:厚口コート紙/きれい)、及び市販の染料インクジェットプリンター(CANON社製、商標:PIXUS ip8600、印字モード:マットフォトペーパー/きれい)で行った。
[コックリング]
上記ImagePROGRAF W6200とPIXUS ip8600の2機種でブラックベタを印字し、印字部分を目視及び質感で評価した。
○:印字部のうねりがなく、印刷紙並。
△:印字部にうねりはが見られるが、実用上特に問題ないレベル。
×:うねりが目立つ。
[にじみ]
上記ImagePROGRAF W6200とPIXUS ip8600の2機種の印字境界部分から印字のにじみを目視で評価した。
◎:印字のにじみは全く認められず、優れたレベル。
○:印字のにじみはややあるが、実用上問題とならないレベル。
△:印字のにじみがあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字のにじみが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
[インク吸収性]
インクジェット記録用紙に上記ImagePROGRAF W6200とPIXUS ip8600の2機種で、グリーン色及びブルー色のベタ印画を施し、そのインク吸収性を目視観察し、下記の方法で評価した。
○:インク吸収速度が速く、インクの溢れとビーディングなし。
△:多少のビーディングは認められるが、実用上問題ないレベル。
×:インクの溢れとビーディングあり。
[印字濃度]
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/JIS−SCID」、識別記号:S6、画像名称:カラーチャート)を、ImagePROGRAF W6200(顔料インク使用)及びPIXUS ip8600(染料インク)の2機種で印字し、ブラックの最高色調部を、GuretagMacbeth社製RD−914にて、印字濃度を測定した。
[印字部均一性]
ImagePROGRAF W6200、PIXUS ip8600の2機種の印字部(ブラック)を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:印字ムラが全くなく、品位が高い。
○:印字ムラがややあるが、実用上問題ないレベルである。
△:印字ムラがあり、実用上劣っている。
×:印字ムラが多数あり、悪い。
[エチレン変性度測定]
本発明のエチレン変性度は、以下の測定機器及び測定条件にて行った。
測定機器:日本電子(株)社製FT−NMR「JNM−LA−400」
測定溶媒:重水
測定種類:HNMR
積算回数:16回
<実施例1>
[インク溶媒吸収遅延層塗工液の作製]
エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)を、水と混合して加温溶解し、10%水溶液を調製した。
[インク受容層塗工液の作製]
顔料として湿式シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−60)100部と、バインダーとしてシリル変性PVA(クラレ社製、商品名:R−1130)20部、インク定着剤としてジシアンジアミド−ポリアリルアミン共重合体(日華化学社製、商品名:ネオフィックスE−117)20部、及び水を混合分散して塗工液を調製した。
[インクジェット記録用紙の作製]
坪量170g/mの上質紙の片面に、インク溶媒吸収遅延層塗工液を、塗工量が2g/mとなるように塗工、乾燥し、インク溶媒吸収遅延層上にインク受容層塗工液を塗工量が10g/mとなるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液にあたり、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)10%水溶液を、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールRS−4104、エチレン変性度5.9mol%、けん化度98.0〜99.0、重合度400)10%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液にあたり、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)10%水溶液を、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールRS−3110、エチレン変性度4.4mol%、けん化度97.5〜99.0、重合度1000)10%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液にあたり、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)10%水溶液を、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールRS−2117、エチレン変性度3.0mol%、けん化度97.5〜99.0、重合度1700)10%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液にあたり、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)10%水溶液を、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)を70部、顔料としてベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:アドアースKH−101)30部、及び水を混合分散した10%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液にあたり、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)10%水溶液を、エチレン変性されていないポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−117、けん化度98.0〜99.0、重合度1700)10%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液にあたり、エチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:エクセバールHR−3010、エチレン変性度4.5mol%、けん化度99.0〜99.6、重合度1000)10%水溶液を、ブタジエンラテックス(SBR)(日本ゼオン社製、商品名:LX407S12、エマルジョン型バインダー)20%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明のインクジェット記録用紙は、コックリングを抑制し、染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、画像鮮明性に優れたインクジェット記録用紙である。
本発明のインクジェット記録用紙は、コックリングが抑制され、染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、高精細の画像を鮮明に印字できるので、多目的のインクジェット記録用紙として実用上極めて有用である。

Claims (5)

  1. 紙支持体上に、インク溶媒吸収遅延層とインク受容層を順次設けた2層以上からなるインクジェット記録用紙において、該インク溶媒吸収遅延層がエチレン変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記エチレン変性ポリビニルアルコールのエチレン変性度が1〜20mol%である請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記エチレン変性ポリビニルアルコールの重合度が300〜3000である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. インク溶媒吸収遅延層が、さらに粘土鉱物顔料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記粘土鉱物顔料が、モンモリロナイトを主成分としたベントナイトを含有する顔料である請求項4に記載のインクジェット記録用紙。
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WO2014171494A1 (ja) * 2013-04-17 2014-10-23 コニカミノルタ株式会社 光学反射フィルム、その製造方法およびそれを用いる光学反射体
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