JP2013146878A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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彰 中野
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浩和 大倉
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Abstract

【課題】光沢を有し、銀塩写真と同等の高発色、高画質の写真画像を出力することができるインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】木材パルプを主体とする原紙の片面に少なくとも一層以上の下塗り層を有する基紙の下塗り層の上にアルミナ水和物とバインダーを含有する少なくとも一層以上のインク受理層を塗工したインクジェット記録媒体において、下塗り層を有する基紙の密度が0.95g/cm以下であり、インク受理層塗工後にカレンダー処理を行い、カレンダー処理後の密度が1.00g/cm以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体により解決できる。
【選択図】なし

Description

本発明は光沢を有するインクジェット記録媒体に関し、染料インクまたは顔料インクのいずれにおいても良好に出力することができるインクジェット記録媒体に関するものである。
近年、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録媒体に着弾させ、画像・文字等の記録を行うものである。インクジェット記録方式を用いるインクジェットプリンターやプロッターは、コンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として種々の用途において近年急速に普及している。特に多色インクジェット記録方式により形成されるカラー画像は、製版方式による多色印刷や電子写真方式による画像形成と比較しても遜色のない記録を得ることが可能である。更に作成部数が少ない用途においてインクジェット記録方式は、印刷技術や写真技術よりもコスト面で優位なことから広範囲で活用されている。特に近年の急速なデジタル化およびデジタルカメラの普及に伴い、インクジェット記録方式は銀塩写真の代替方式としても使用されるようになってきている。
特にインクジェットプリンター技術の進歩と低価格化、デジタルカメラの普及により、一般家庭でも手軽に写真画像の出力ができるようになった。高画質の写真画像出力を得るためには高階調表現、ドット粒状感の軽減が必要となり、プリンターでは淡インクと呼ばれる色材濃度の低いインクの使用やインクの液滴のサイズを可変させることで高画質化に対応している。このような高画質化の工夫により、銀塩写真と同等以上の画像品質を有する記録物が得られるようになったが、その結果、単位面積当たりのインク打ち込み量は増加しており、記録媒体の負担が増す結果となっている。インクジェット記録媒体は、大量のインクを素早く吸収することが求められる反面、銀塩写真のような光沢を有する面質も必要とされ、吸収には記録媒体表面に空隙が必要であり、光沢には記録媒体表面に空隙が邪魔であるという相反する特性を満足させなければならない事態となっている。
インクジェット記録材料において、銀塩写真のような光沢を有しつつ高画質化に対応するインク吸収性を確保することが困難である。
光沢のインクジェット記録媒体として、キャスト法により光沢が付与されたインクジェット記録用紙がある。中でもより高い光沢を実現するために、下層の上にカチオン性微細粒子からなる中間層を設け、更にその上にコロイダルシリカを主成分とする光沢層を設けた3層構成のインクジェット記録用紙が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、高い光沢、インク吸収性および発色性を実現するためにアルミナ水和物とポリビニルアルコールを含有する光沢層を設け、これをホウ酸またはホウ酸塩を含有する処理液で処理した後に湿潤状態のまま加熱された鏡面ドラムに圧着・乾燥せしめたインクジェット記録用紙が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、光沢を低下させる表面亀裂を抑制するためにインク受容層の最表面にポリオキシレン基含有ポリビニルアルコールを含むインクジェット記録用シートも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−195781号公報 特開2002−293004号公報 特開2007−50580号公報
インクジェットプリンターに用いられるインクには、色材の違いにより、画像の着色効率に優れる染料インクと画像の保存性に優れる顔料インクがある。色材は、染料インクでは塗層中に定着し、顔料インクでは塗層表面に定着する。発色性や画質の点で特に、染料インクは塗層に透明性を要求し、顔料インクは塗層に亀裂がないことを要求する。従って、光沢を有する1つのインクジェット記録媒体で、染料インクおよび顔料インクのいずれにおいても良好な発色性と銀塩写真のような画質とを得ることは困難である。
特許文献1のインクジェット記録用紙では、優れた光沢を有するものの塗層に亀裂が発生し画質の低下や顔料インクにおける発色性が低下する。特許文献2のインクジェット記録用紙では、塗層の亀裂が軽減されるもののインク吸収性が不足し、インク吸収性の向上のために塗層を厚くした場合には塗層強度が低下する。特許文献3のインクジェット用記録シートでは、塗層強度が得られるもののインク吸収性が低下あるいは光沢を付与する際に塗層の面質が低下して出力画像の画質も低下する。
本発明の目的は、光沢を有し、染料インクおよび顔料インクのいずれにおいてもインク吸収性と発色性が良好であり、銀塩写真と同等の高画質の写真画像を出力することができるインクジェット記録媒体を提供することである。
本発明者らは鋭意実験の結果、インク受理層を設ける基紙の密度が特定の値以下であって、該基紙上にアルミナ水和物とバインダーを有するインク受理層を設け、設けた後にカレンダー処理によって密度が特定の値以上になるようにカレンダー処理することで、キャスト法を用いることなく、優れた光沢を有しつつ、染料インクおよび顔料インクのいずれにおいてもインク吸収性と発色性が良好であり、銀塩写真と同等の高画質の写真画像を出力することができるインクジェット記録媒体を見出した。
本発明の上記の課題は、木材パルプを主体とする原紙の片面に少なくとも一層以上の下塗り層を有する基紙の下塗り層の上に、アルミナ水和物とバインダーを含有する少なくとも一層以上のインク受理層を塗工したインクジェット記録媒体において、下塗り層を有する基紙の密度が0.95g/cm以下であり、インク受理層塗工後にカレンダー処理を行い、カレンダー処理後の密度が1.00g/cm以上であるインクジェット記録媒体により達成される。
また好ましくは、基紙が、下塗り層の塗層面におけるΔPPS値(PARKER PRINT−SURF値差:ソフトバッキング500kPa時の値からソフトバッキング2000kPa時の値を差し引いた値)1.2μm以上である。
また好ましくは、下塗り層が、顔料を含有し、下塗り層中の顔料100質量部に対してカオリンまたは炭酸カルシウムを50質量部以上含有する。
本発明のインクジェット記録媒体により、光沢を有し、染料インクおよび顔料インクのいずれにおいてもインク吸収性と発色性が良好であり、銀塩写真と同等の高画質の写真画像を出力することができる。また、インクジェット記録媒体が原紙を基材としているために、樹脂によってラミネートされた所謂RC紙に比べ低コストで生産することができ、樹脂でラミネートしていないために廃棄する際は古紙資源として容易にリサイクル可能である。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよいものとする。
本発明に係るインクジェット記録媒体は、木材パルプを主体とする原紙の片面に少なくとも一層以上の下塗り層を設けた基紙の下塗り層の上にアルミナ水和物とバインダーを含有する少なくとも一層以上のインク受理層を塗工したインクジェット記録媒体において、下塗り層を有する基紙の密度が0.95g/cm以下であり、インク受理層塗工後にカレンダー処理を行い、カレンダー処理後の密度が1.00g/cm以上である。
下塗り層を設けた基紙の密度が0.95g/cm超であるときインク受理層を設けた後にカレンダー処理すると、得られたインク受理層はインク吸収性の低下あるいは亀裂の発生を招く。一方、カレンダー処理後の密度が1.00g/cm未満であると、インク受理層の光沢低下あるいは出力された画質の低下を招く。基紙の密度が本発明に係る範囲を外れると、光沢や面質を得るためのカレンダー処理時に、インク受理層へのカレンダー圧力が偏り、空隙の破壊や亀裂の発生をもたらすものと考えられる。
基紙の密度は、原紙に含まれる填料の種類や含有量、原紙のカレンダー処理の程度、下塗り層に含まれる顔料の種類や含有量などによって調整することができる。
本発明に係るインクジェット記録媒体は、インク受理層にアルミナ水和物を含有する。アルミナ水和物は、透明性に優れ且つ無機顔料としては比較的強くカチオン性を帯びることから粒子間に空隙を形成し易い。一方でアルミナ水和物は塗層に亀裂や割れが発生し易い。インク受理層がアルミナ水和物を含有することでインク吸収性が得られ、且つ染料インクの発色性が得られ、上記密度の値を満たすことによってインク受理層の亀裂が抑えられて顔料インクの発色性が得られ、且つキャスト処理せずとも高い光沢が得られる。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、一般式Al・nHOにより表すことができる。アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物であり、nが1を超え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物であり、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物である。特に、本発明において、nが1を超え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物が好ましい。本発明で用いるアルミナ水和物は、平均一次粒子径3nm〜40nmの範囲が好ましい。特に平均一次粒子径5nm〜30nmの範囲が好ましい。また、一次粒子が凝集した二次粒子は平均二次粒子径50nm〜300nmの範囲が好ましい。
本発明に係るインクジェット記録媒体は、インク受理層にバインダーを含有する。バインダーとして、70mol%から100mol%までの種々のけん化度のポリビニルアルコールを用いることができる。またシリル基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等種々の官能基を導入した変性ポリビニルアルコール、エチレン等他の単量体をランダム的、グラフト的またはブロック的に導入した変性ポリビニルアルコールも用いることができる。本発明において、インク受理層へのポリビニルアルコールの添加量は、アルミナ水和物に対して2〜40質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。この範囲であるとインク受理層は、乾燥時に亀裂の発生が抑えられバインダーに依存したインク吸収性の低下が抑えられる。2質量%未満であると乾燥時に亀裂が発生する場合あるいはインク受理層の塗層強度が不足する場合がある。40質量%超であるとインク吸収性が低下する場合がある。
本発明において、インク受理層を塗工する方法は特に限定されるものではなく、ロッドコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の各方法を適宜使用することができる。
本発明において、下塗り層は顔料を含有することが好ましい。下塗り層の顔料としては、基紙の密度、インク吸収性およびインク受理層の亀裂の点で、下塗り層に含まれる全顔料100質量部に対してカオリンまたは炭酸カルシウムが50質量部以上であることが好ましい。
本発明の基紙は、下塗り層塗層面におけるΔPPS値(PARKER PRINT−SURF値差:ソフトバッキング500kPa時の値からソフトバッキング2000kPa時の値を差し引いた値)が1.2μm以上であることが好ましい。ΔPPS値を1.2μm以上とすることで、インク受理層の塗工後にカレンダー処理して密度1.00g/cm以上にする際に基紙とカレンダーロールとの両方にインク受理層の密着性を向上させ、カレンダー処理によって過度にインク受理層を変形させることなく、光沢の発現とインク吸収性の低下抑制との両立が可能となる。
PPS値は、ISO8791−4に準拠して測定される動的平滑度(単位μm)である。ここで「動的平滑度」とは、単に表面の平滑性を示す「平滑度」ではなく、オフセット印刷機やプリンター等の印字機器により画像を形成する際を想定して塗層の加圧的環境下における平滑性を示す平滑度である。この加圧量を変化させることによって、表面の加圧的環境下における平滑性の変化度合いを測定することができる。
これに対し、ベック平滑度やスムースター平滑度は、ISO8791−4に準拠したPPS値の平滑度と同様にエアーリークにより平滑性を測定している。しかし、エアーリークの背面からの圧力と弾性を考慮していないため、塗層の変形が加味されていない点でPPS値の平滑度と異なる。
ソフトバッキングが小さい値(500kPa)では背面からの圧力が低い状態であり、塗層が比較的変形の小さい状態のPPSを測定する。ソフトバッキングが大きい値(2000kPa)では背面からの圧力が高い状態であり、塗層が比較的変形の大きい状態のPPSを測定する。前者を後者で差し引いた値であるΔPPSは変形による平滑度の差を表しており、カレンダー等で圧力を加えた際の優れた平滑性への成りやすさを表している。
本発明において、下塗り層のΔPPS値は1.2μm以上である。ΔPPS値は、1.2μm以上3.0μm以下が好ましく、更には1.8μm以上2.5μm以下が好ましい。下塗り層のΔPPS値が本発明の範囲であると、下塗り層およびカレンダーロールとインク受理層の接触面が均一となり、インク吸収性と光沢との両立に優れる。
本発明において、下塗り層のΔPPS値を1.2μm以上に調整する方法としては、下塗り層の塗工量、下塗り層に含まれる顔料の粒度分布、下塗り層中の顔料とバインダーとの含有比率、バインダーとしてラテックスを用いるなどにより調整することができる。
本発明において、下塗り層に含まれるカオリンとしては1級カオリン、2級カオリン、微粒カオリン、高白カオリン、平板状カオリン、扁平状カオリン、微粒扁平状カオリン、デラミネーテッドカオリンなどがあり、特に制限なく用いることができる。また、下塗り層に含まれる炭酸カルシウムとしては重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムのいずれも特に制限なく使用することができる。ΔPPS値の点で、下塗り層の塗工量としては15g/m以上35g/m以下であることが好ましい。
本発明の下塗り層には、カオリン、炭酸カルシウム以外にその他の顔料を含有することができる。顔料として例えば、炭酸マグネシウム、合成シリカ、コロイダルシリカ、タルク、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、プラスチックピグメント、またはこれらをカチオン変性したもの、あるいはこれら二種以上の複合体が挙げられる。これらを単独で用いても構わないし、これらのうち複数種を併用することは何ら制限されるものではない。
本発明において、下塗り層はバインダーを含有することが好ましい。バインダーとして従来公知の水分散性バインダーおよび/または水溶性バインダーを含有する。水分散性バインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体あるいはメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂ラテックス、アルキド樹脂ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂ラテックス、またはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。水溶性バインダーとしては、例えば、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールまたはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、カゼイン、ゼラチンまたはそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー、アルギン酸ソーダ、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの水分散性バインダーおよび/または水溶性バインダーは、単独または二種以上を混合して用いることができる。
本発明の下塗り層には、一般的に印刷用塗工紙を製造する上で用いられるものは全て配合して構わない。例えば、増粘剤、分散剤、pH調整剤、潤滑剤、消泡剤、耐水化剤、界面活性剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤などの各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
本発明において、下塗り層を塗工する方法は特に限定されるものではなく、メタリングサイズプレス、ゲートロール、シムサイザー等の各種フィルムトランスファーコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、キャストコーター等の各方法を適宜使用する。
本発明において、下塗り層は一層または複数層の塗層であっても構わない。複数の下塗り層を設ける場合に各塗工方式を適宜組み合わせて下塗り層を設けてもよい。
本発明において、原紙はパルプを主体とする。本発明で使用される原紙としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の填料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を必要に応じ1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された紙、更にこれらの紙に澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた上質紙、コート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙、バライタ紙などの塗工紙が含まれる。
インク受理層を設ける側ではない原紙の反対面には、カール適性を付与するために、バックコート層を有することができる。バックコート層に用いられる顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、プラスチックピグメント、ポリエチレン微粒子、マイクロカプセル、尿素樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子などの有機顔料などが挙げられるが、特に平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましい。
バックコート層に用いるバインダーとしては、下塗り層に用いることができるバインダーから選択することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(下塗り層塗工液1の調製)
市販1級カオリン(エンゲルハード社製、ウルトラホワイト90)80質量部および市販湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルジャパン社製、カービタル90)20質量部に、市販ポリアクリル酸系分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.10質量部添加して、水で分散したものに、バインダーとして市販スチレン−ブタジエン共重合ラテックスを12質量部、市販リン酸エステル化澱粉2.0質量部、更に滑剤として市販ステアリン酸カルシウムを0.30質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH9.6に調整して、下塗り層塗工液1を得た。
(基紙1の作製)
サイズプレスで酸化澱粉を表面処理した坪量140g/mの上質紙に、下塗り層塗工液1をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が15g/mとなるように塗工・乾燥して下塗り層を塗設した。次に、上質紙の下塗り層を塗設した側とは反対の面に下塗り層塗工液1をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が7.5g/mとなるように塗工・乾燥してバックコート層を塗設し、基紙1を得た。
(インク受理層塗工液の調製)
市販のアルミナ水和物スラリー(イヌイ社製、B03)100質量部(固形分25質量部)に、68質量%の工業用酢酸1.2質量部、硼砂1.5質量部、界面活性剤(日信化学工業社製、オルフィンE1010)0.2質量部、界面活性剤(第一工業製薬社製、シャロールDC902P)1.5質量部、けん化度88mol%、4質量%水溶液の25℃における粘度95mPa・秒のポリビニルアルコール(株式会社クラレ社製、PVA235)の10質量%水溶液20質量部(固形分2質量部)を添加し、インク受理層塗工液を調製した。
(インクジェット記録媒体の調製)
基紙の下塗り層上にインク受理層塗液をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が20g/mとなるように塗工・乾燥し、次いでソフトカレンダーで線圧80kN/cmの条件で処理して、実施例1のインクジェット記録媒体を作製した。
(実施例2)
(下塗り層塗工液2の調製)
市販1級カオリン(エンゲルハード社製、ウルトラホワイト90)30質量部および市販湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルジャパン社製、カービタル90)70質量部に、市販ポリアクリル酸系分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.10質量部添加して、水で分散したものに、バインダーとして市販スチレン−ブタジエン共重合ラテックスを12質量部、市販リン酸エステル化澱粉2.0質量部、更に滑剤として市販ステアリン酸カルシウムを0.30質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH9.6に調整して下塗り層塗工液2を得た。
(基紙2の作製)
サイズプレスで酸化澱粉を表面処理した坪量140g/mの上質紙に、下塗り層塗工液1をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が10g/mとなるように塗工・乾燥し、更に、その上に下塗り層塗工液2をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が10g/mとなるように塗工・乾燥した。続けて、上質紙の下塗り層を塗設した側とは反対の面に下塗り層塗工液1をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が7.5g/mとなるように塗工・乾燥してバックコート層を塗設し、基紙2を得た。
(インクジェット記録媒体の調製)
基紙2の下塗り層上にインク受理層塗液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が20g/mとなるように塗工・乾燥し、次いでソフトカレンダーで線圧80kN/cmの条件で処理して、実施例2のインクジェット記録媒体を作製した。
(実施例3)
(下塗り層塗工液3の調製)
市販1級カオリン(エンゲルハード社製、ウルトラホワイト90)50質量部および市販湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルジャパン社製、カービタル90)50質量部に、市販ポリアクリル酸系分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.10質量部添加して、水で分散したものに、接着剤として市販スチレン−ブタジエン共重合ラテックスを12質量部、市販リン酸エステル化澱粉2.0質量部、更に滑剤として市販ステアリン酸カルシウムを0.30質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH9.6に調整して下塗り層塗工液3を得た。
(基紙3の作製)
サイズプレスで酸化澱粉を表面処理した坪量140g/mの上質紙に、下塗り層塗工液1をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が15g/mとなるように塗工・乾燥し、更に、その上に下塗り層塗工液3をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が20g/mとなるように塗工・乾燥した。続けて、上質紙の下塗り層を塗設した側とは反対の面に下塗り層塗工液1をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が7.5g/mとなるように塗工・乾燥してバックコート層を塗設し、基紙3を得た。
(インクジェット記録媒体の調製)
基紙3の下塗り層上にインク受理層塗工液をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が15g/mとなるように塗工・乾燥し、再度、インク受理層塗工液をエアーナイフコーターで乾燥固形分塗工量が10g/mとなるように塗工・乾燥し、次いでソフトカレンダーで線圧60kN/cmの条件で処理して、実施例3のインクジェット記録媒体を作製した。
(比較例1)
実施例1において、下塗り層塗工液1の乾燥固形分塗工量を10g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例2)
実施例1において、基紙1をソフトカレンダーで線圧120kN/cmの条件で処理したのちにインク受理層を塗工したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例3)
(下塗り層塗工液4の調製)
市販非晶質シリカ(トクヤマ製、ファインシールX30)100質量部を水に分散し、けん化度88mol%、4%水溶液の25℃における粘度95mPa・秒のポリビニルアルコール(株式会社クラレ社製、PVA235)の10%水溶液30質量部(固形分3質量部)を添加し、下塗り層塗工液4を得た。
(インクジェット記録媒体の調製)
比較例1において、下塗り層塗工液1に代えて下塗り層塗工液4を使用したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録媒体を得た。
[ΔPPS値の測定]
ΔPPS値(PARKER PRINT−SURF値差:ソフトバッキング500kPa時の値からソフトバッキング2000kPa時の値を差し引いた値)はISO8791−4に準拠して測定されるPPS値から算出した。測定機は、PPS−78、H.E.MESSMER社製を用いた。
[光沢の評価]
光沢は写像性により評価した。写像性は、スガ試験機社製写像性測定器を用い、測定角45°、光学くし幅2.0mmの条件にて測定を行った。本方法による測定においては一般に、60以上の写像性を与えるインクジェット記録媒体は高い光沢感を有し、65以上の写像性を与える記録媒体は非常に優れた光沢を有する。
[インク吸収性の評価]
キヤノン株式会社製インクジェットプリンター(PIXUS850i、ブラック顔料インク/イエロー染料インク/マゼンタ染料インク/シアン染料インクを搭載)により所定の評価画像を印刷し、各記録媒体のインク吸収性を、画像の細部の判読性を基準とし次の3段階に分類した。ここで、Cは実用上問題があるレベルである。
A;印画部にムラや滲みがなく、非常に良好
B;印画部の異なる色の境界部に若干滲みが確認されるものの、良好
C;異なる色の境界部の滲みが顕著になり、ベタ部に吸収ムラが確認される
[面質の評価]
面質に関しては、インクジェット記録媒体の光沢面の均一性、ムラ等を目視判定した。ここで、Cは実用上問題となるレベルである。
A;光沢面はムラなく均一で良好
B;光沢面に若干光沢ムラが散見され、光沢感の若干の変化が視認できる
C;光沢面に光沢ムラが多く、ぎらつきが視認できる
[発色性の評価]
顔料インクにおける発色性は、キヤノン株式会社製インクジェットプリンター(PIXUS Pro9000、顔料インクを搭載)を用い、所定の評価画像を印刷し、各記録媒体の発色性を、目視により次の3段階に分類した。ここで、Cは実用上問題があるレベルである。
A;色が鮮やかであり良好
B;普通
C;くすみや濃度低下が認められ劣る
各実施例、各比較例で得られた記録媒体の物性値、光沢、インク吸収性、面質発色性の評価結果を表1に示す。
Figure 2013146878
表1から、本発明に係る実施例1〜3は、面質が良好であり、インク吸収性と光沢とが両立し優れ、顔料インクについて発色性に優れることが分かる。一方、本発明を満足しない比較例1〜3は、このような効果は得られていない。
本発明におけるインクジェット記録媒体は、キャスト処理せずとも優れた光沢を有し、銀塩写真と同等の画質を得ることができる。本発明に係るインクジェット記録媒体は原紙を基材にすることから、樹脂で表面被覆したRC紙に比べて、インクジェット校正用紙やタック加工したラベル用紙にも広く容易に適用することが可能である。

Claims (3)

  1. 木材パルプを主体とする原紙の片面に少なくとも一層以上の下塗り層を有する基紙の下塗り層の上にアルミナ水和物とバインダーを含有する少なくとも一層以上のインク受理層を塗工したインクジェット記録媒体において、下塗り層を有する基紙の密度が0.95g/cm以下であり、インク受理層塗工後にカレンダー処理を行い、カレンダー処理後の密度が1.00g/cm以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 基紙が、下塗り層の塗層面におけるΔPPS値(PARKER PRINT−SURF値差:ソフトバッキング500kPa時の値からソフトバッキング2000kPa時の値を差し引いた値)1.2μm以上である請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 下塗り層が、顔料を含有し、下塗り層中の顔料100質量部に対してカオリンまたは炭酸カルシウムを50質量部以上含有する請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019214804A (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 三菱製紙株式会社 非塗工紙

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