JP2011121274A - 感熱転写受像用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐水性が良好で保存黄変がなく、画像の耐久性、耐光性に優れた熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】 支持体上に断熱層と受容層を有する感熱転写受像用シートであって、該受容層が、塩化ビニル系樹脂、及び塩化ビニル系樹脂100重量部に対してエポキシ基含有ビニル0.1〜5重量部を含有し、かつ、界面活性剤を含有しないことを特徴とする感熱転写受像用シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は耐水性が良好で保存黄変がなく、画像の耐久性、耐光性に優れた感熱転写受像用シートを提供することである。
従来から熱転写方式を用いて被転写体に文字や画像を形成することが行われている。熱転写方式としては、感熱昇華型転写方式と感熱溶融型転写方式が広く用いられている。このうち、感熱昇華型転写方式は昇華性染料を色材とし、それを画像情報に応じて発熱制御されたサーマルヘッドやレーザー光等の加熱デバイスを用いて、熱転写シート上の昇華性染料層中の染料を感熱転写受像シート等の被転写体に移行させて画像を形成させる方式である。この感熱昇華型転写方式は、極めて短時間の過熱によってドット単位で染料の移行量を制御できる。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから非常に鮮明であり、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像を得ることができる。このため、フルカラー銀塩写真に匹敵する高品質の画像を得ることができる。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
一般的に感熱転写受像シートは少なくとも支持体上に染料受像層(受容層)と断熱層が形成されている。受容層形成用樹脂としては、染料染着性、離型性に優れ、熱転写時に熱転写シートと感熱転写受像シートとの間において融着等の異常転写が起こらない点で、塩化ビニル系樹脂が使用されている。
感熱転写受像シートに転写された画像は、長期に渡って安定的に定着していることが求められる。しかし、上記受容シートに転写された画像は、室内光や太陽光、指紋などの油脂成分の付着により変色、褪色するため、画像耐久性の向上が求められている。
画像耐久性を向上させるために、受容層形成樹脂を水溶性、水分散性樹脂とする提案がなされており、例えばポリエステル樹脂の水分散体が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、画像の油性成分に対する耐久性は向上するが、耐光性は不十分である。
そこで、水性受容層塗工液に水分散性の紫外線吸収剤を添加する提案がされて、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系化合物があげられている。ただ、これら紫外線吸収能のある有機化合物は、比較的低分子量のため不安定であり、受容シートを長期保存した場合、白紙の黄変が発生することがあった。そこで、水溶性の高分子紫外線吸収剤を添加する提案がされている(特許文献2)。
しかしながら、このような高分子紫外線吸収剤を耐光性を十分向上させるために多量に添加すると、耐水性が低下するという問題があった。
特開平6−234269号公報 特開2003−54142号公報
本発明は耐水性が良好で保存黄変がなく、画像の耐久性、耐光性に優れた感熱転写受像用シートを提供することにある。
本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスを用いて形成された受容層を有する感熱転写受像用シートは耐水性が良好で保存黄変がなく、画像の耐久性、耐光性が優れることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、支持体上に断熱層と受容層を有する感熱転写受像用シートであって、該受容層が、塩化ビニル系樹脂、及び塩化ビニル系樹脂100重量部に対してエポキシ基含有ビニル0.1〜5重量部を含有し、かつ、界面活性剤を含有しないことを特徴とする感熱転写受像用シートである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の感熱転写受像用シートは、支持体上に断熱層と受容層を有するものであり、該受容層が、塩化ビニル系樹脂、及び該塩化ビニル系樹脂100重量部に対してエポキシ基含有ビニル0.1〜5重量部を含有し、かつ、界面活性剤を含有しないものである。
本発明の感熱転写受像用シートは、感熱転写受像用シートの光沢性や帯電性などを調整するため、受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、支持体上に下地層、断熱層、受容層の順に形成されることが好ましい。
(受容層)
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。受容層は、少なくとも染料を受容し得る塩化ビニル系樹脂を含有する。
受容層は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対してエポキシ基含有ビニル0.1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部を含有するものである。エポキシ基含有ビニルの単量体が0.1重量部未満の場合は、界面活性剤を含有しない受容層とならない。また、5重量部を越える場合は感熱転写受像用シートの表面平滑性が悪化する。
エポキシ基含有ビニルとしては、例えば、メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)、アクリル酸グリシジル(グリシジルアクリレート)、β−メチルグリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸のジグリシジルエステル等を挙げることができ、これらは2種類以上含有してもよい。
受容層は、界面活性剤を含有しないものである。界面活性剤を含有しないことにより、得られる感熱転写受像用シートの耐水性を向上することができる。
受容層に含有しない界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤であり、例えば、ラウリル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルの如きアルキル硫酸エステル塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムの如きアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの如きスルホコハク酸塩類、ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウムの如き脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類などのアニオン系界面活性剤、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートの如きソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリアルキレングリコール類、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸およびその塩などのノニオン系界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン系界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
受容層は、ソープフリー塩化ビニル系樹脂,エポキシ基含有ビニル以外にも、目的に応じて、例えば、ポリマーラテックス、水溶性ポリマー、離型剤等も含有することができる。
ポリマーラテックスは、膜の弾性率を調整するため、受容層に含有することができる。ポリマーラテックスとしては、例えば、アクリル系ポリマー、ポリエステル類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン類、ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン等が挙げられる。
水溶性ポリマーは、染料に染着した染料が拡散することを防止し、転写画像の経時変化が小さい記録画像を形成できるため、受容層に含有することができる。ここに、水溶性ポリマーは、例えば、ポリビニルアルコール類、ゼラチン等があげられ、これらのうちゼラチンが好ましい。
離型剤は、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために、受容層に含有することができる。離型剤は、各種ワックス分散物を用いることができる。ワックス分散物としては、公知の分散物を使用することができる。好ましい化合物の例としては、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックスをあげることができる。
(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)
ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、受容層の形成に使用されるものであり、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂100重量部に対してエポキシ基含有ビニル0.1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部を含有し、かつ、界面活性剤を含有しないものである。エポキシ基含有ビニルが0.1重量部未満の場合は、ソープフリー乳化重合により得られず、5重量部を超える場合は、得られる感熱転写受像用シートの表面平滑性が悪化する。
ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、塩化ビニル単量体とエポキシ基含有ビニル単量体におけるエポキシ基含有ビニル単量体が0.1重量%以上である塩化ビニル単量体とエポキシ基含有ビニル単量体を、界面活性剤を含有しない水性媒体中で、乳化重合することによって製造することができる。ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスとして2種類以上のソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスをブレンドして用いることも可能である。
乳化重合は、水、又は水と水に混合し得る有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン等)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒に対して5〜150重量%の塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体で、エポキシ基含有ビニル単量体が塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体に対して0.1重量%以上であるものを、界面活性剤を含有しない水性媒体中で、重合開始剤を用い、30〜100℃程度、好ましくは60〜90℃で3〜24時間、攪拌下重合することにより行われる。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)、アクリル酸グリシジル(グリシジルアクリレート)、β−メチルグリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸のジグリシジルエステル等を挙げることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
エポキシ基含有ビニル単量体が塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体に対して0.1重量%未満である場合、乳化重合が不安定化し、ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスが得られない。塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体/分散媒の重量比を小さくすることで、エポキシ基含有ビニル単量体を含有しない場合であっても、安定に重合を進行させ、ラテックスを得ることはできる。しかし、固形分濃度が低いため、受容層塗工液としては不適である。
塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体は、他にカルボン酸ビニルエステル単量体を含有することができる。
カルボン酸ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、安息香酸ビニル等を挙げることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
また、必要に応じて塩化ビニルに共重合可能な単量体を含有することもできる。塩化ビニルに共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸又はその無水物類;アクリル酸のメチル,エチル,ブチルなどのエステル類;、メタクリル酸のメチル,エチル,ブチルなどのエステル類;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、桂皮酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルアミルエーテル、ビニルフェニルエーテルなどのビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどのモノオレフィン類;塩化ビニリデン;スチレン及びその誘導体;アクリロニトリル;メタクリロニトリル等の単量体を挙げることができ、これらは2種以上でも用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシピバレートに代表されるアゾ化合物、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどの油溶性開始剤等を挙げることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
本発明で使用される水性媒体とは、水とその他水溶性の重合助剤(緩衝剤等)のことで、塩化ビニル単量体などの有機層を分散させる媒体のことである。
水性媒体が含有しない界面活性剤は、先に記載ものと同じである。
(断熱層)
断熱層は、サーマルヘッド等を用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い感熱転写受像用シートを得ることができる。断熱層としては、例えば、ポリマー粒子中に熱伝導率の低い空気を含む層、中空ポリマー粒子を含む層等があげられる。
断熱層は、中空ポリマーラテックスや水溶性ポリマーを含有することができる。中空ポリマーラテックスは市販されており、例えば、日本ゼオン社製ニポール(登録商標)MH5055や、松本油脂製薬社製F‐30等が挙げられる。また、水溶性ポリマーは受容層で記載した水溶性ポリマーが好ましい。
(下地層)
下地層は、感熱転写受像用シートの光沢性や帯電性などを調整するために形成されるものである。下地層としては、例えば、白地調整層、帯電調整層、接着層、プライマー層等があげられる。
(支持体)
支持体は、例えば、耐水性支持体、導電性支持体等があげられるが、耐水性支持体が好ましい。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては、例えば、コート紙やラミネート紙等があげられる。コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて塗工量が異なる。
(熱転写シート)
熱転写画像形成の際に、上述した本発明の感熱転写受像用シートと併せて使用される熱転写シート(インクシート)は支持体上に拡散転写染料を含む色素層を設けたものであり、任意のインクシートを使用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。また、本発明の感熱転写受像用シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉又はロール状の感熱転写受像用シート、カード類、透過型原稿作成シート等の各種用途に適用することもできる。
本発明の感熱転写受像用シートは、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。
本発明の感熱転写受像用シートは、耐水性が良好で保存黄変がなく、画像の耐久性、耐光性に優れたものである。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
感熱転写受像用シートを構成する支持体は、以下の通り作製した。
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)50重量%及びアスペンからなるLBKP50重量%をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解し、パルプスラリーを調製した。
次いで、上記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(CAT0304L、日本NSC(株)製)1.3重量%、アニオン性ポリアクリルアミド(DA41404、星光PMC製)0.15重量%、アルキルケテンダイマー(サイズバインK、荒川化学(株)製)0.29重量%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29重量%。ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(アラフィックス100、荒川化学(株)製)0.32重量%を加えた後、消泡剤0.12重量%を加えた。
前記のようにして調整したパルプスラリーを長抄紙機で抄紙し、ウェップのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンパスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンパスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行った後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール(KL−118、(株)クラレ製)を1g/m塗布して乾燥し、カレンダー処理を行い、支持体を作製した。
合成例1
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5重量%)、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。グリシジルメタクリレート11.2g(全仕込み単量体に対して2.5重量%)を、重合開始〜4hr後まで2.8g/hrで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止して、ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス(ラテックス1)を得た。ラテックス1中の塩化ビニル系樹脂の平均粒子径を以下の方法で測定したところ、0.45μmであった。
<平均粒子径>
ラテックスをレーザー透過率が75〜85%となるように水を添加し濃度調整を行った測定用試料を、レーザー回折/散乱式粒径測定装置(商品名LA−920、堀場製作場(株)製)を用いて、メジアン径を測定し、平均粒子径とした。
合成例2
合成例1の塩化ビニル単量体を塩化ビニル単量体393.8g(全仕込み単量体に対して87.5重量%)、酢酸ビニル45g(全仕込み単量体に対して10重量%)とした以外は、合成例1と同様の方法によりソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス(ラテックス2)を得た。ラテックス2中の塩化ビニル系樹脂の平均粒子径は0.4μmであった。
合成例3
5重量%のラウリン酸アンモニウム(アニオン系界面活性剤)水溶液180g(全仕込み単量体に対して2重量%)を重合開始の90分後から360分後まで、40g/hrで連続仕込みとし、合成例1の脱イオン水を420gとした以外は、合成例1と同様の方法で塩化ビニル系樹脂ラテックス(ラテックス3)を得た。ラテックス3中の塩化ビニル系樹脂の平均粒子径は0.4μmであった。
合成例4
5重量%のラウリン酸アンモニウム(アニオン系界面活性剤)水溶液180g(全仕込み単量体に対して2重量%)を重合開始の90分後から360分後まで、40g/hrで連続仕込みとし、合成例2の脱イオン水を420gとした以外は、合成例2と同様の方法で塩化ビニル系樹脂ラテックス(ラテックス4)を得た。ラテックス4中の塩化ビニル系樹脂の平均粒子径は0.35μmであった。
合成例5
合成例1の塩化ビニル単量体を塩化ビニル単量体449.7g(全仕込み単量体に対して99.95重量%)とし、グリシジルメタクリレートをグリシジルメタクリレート0.3g(全仕込み単量体に対して0.05重量%)とし、重合開始〜1hr後まで0.3g/hrで連続添加とした以外は合成例1と同様の方法により重合を行った。その結果、重合途中に反応混合物が凝集し、ラテックスが得られなかった。
実施例1
以下の方法で、感熱転写受像用シート1を作製し、以下の評価方法により評価した結果を表1に示す。感熱転写受像用シート1は耐水性が良好で、保存黄変がなく、画像の耐久性、耐光性が良好であった。
Figure 2011121274
<感熱転写受像用シート1の作製>
上記のように作製した支持体上に下層から順に下地層、断熱層、受容層の構成の多層構成塗布物を同時重層塗布した。感熱転写受像用シート1に用いた塗工液の組成と塗布量を以下に示す。
(下地層塗工液)
スチレンブタジエンラテックス(SR103、日本エイアンドエル(株)製)93重量%、PVA 8.7%水溶液 57重量%をNaOH水溶液でpH8に調整し、下地層塗工液とし、下地層が21ml/mとなるよう塗布した。
(断熱層塗工液)
中空ポリマーラテックス(ニポール(登録商標)MH5055、日本ゼオン(株)製)38重量%、16%ゼラチン水溶液26重量%、水4重量%をNaOH水溶液でpH8に調整し、断熱層塗工液とし、断熱層が45ml/mとなるよう塗布した。
(受容層塗工液)
ラテックス1を50重量%、10%ゼラチン水溶液10重量%、マイクロクリスタリンワックス(EMUSTAR 42X、日本製蝋(株)製)7重量%、水35重量%をNaOH水溶液でpH8に調整し、受容層塗工液とし、受容層が18ml/mとなるよう塗布した(受容層中のエポキシ基含有ビニル含有量:塩化ビニル系樹脂100重量部に対して2.5重量部)。
<評価方法>
(白紙耐水性試験)
得られた受像シートの受容層両側に、常温で水道水を1滴滴下し、10秒後にその箇所を指で10回擦った。擦った跡を目視にて評価した。
◎:擦った跡は全くついておらず、実用には全く問題ない。
○:擦った跡が僅かについているが、実用可能である。
×:擦った跡がはっきり残り、実用には適さない。
(白紙保存黄変試験)
得られた受像シートの白紙を40℃85%RH環境に3日置いた。試験後の白紙濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD−914)にて、イエローフィルターを用いて測定し、黄変を以下のように評価した。
◎:白紙濃度が0.07未満であり、実用には全く問題ない。
○:白紙濃度が0.07以上0.12未満であり、実用可能である。
×:白紙濃度が0.12以上であり、実用には適さない。
(画像耐久性試験)
熱転写プリンター(P−330、オリンパス(株)製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンダ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクシートを順次感熱転写受像用シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、黒の階調画像を作成した。
得られた黒の階調画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914)を用いて、印画濃度0.3に相当する部分を選び出した。この印画面に指を強く押し付け、40℃24時間環境に置いた。指紋の跡を目視にて評価した。
◎:指紋の跡は全くついておらず、実用には全く問題ない。
○:指紋の跡が僅かについているが、実用可能である。
×:指紋の跡がはっきり残り、実用には適さない。
(画像耐光性試験)
熱転写プリンター(P−330、オリンパス(株)製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンダ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクシートを順次感熱転写受像用シートに接触させ、サーマルヘッドでコントロールされた加熱を施すことにより、黒ベタ画像を作成した。
得られた黒ベタ画像印画物を、Xeフェードメーターで10,000kj/m2の積算照度になるまで処理した。
画像の耐光性試験前及び試験後の色調をJIS Z 8721に準拠して、色差計(グレタグ社)を用いて測定した。測定値はJIS Z 8729に基づき、L*a*b表色系で記録し、JIS Z 8730に基づく方法で処理前後の色差(ΔE*)を算出し、耐光性を評価した。
◎:ΔE*が8未満であり、実用には全く問題ない。
○:ΔE*が8以上13未満であり、実用には全く問題ない。
×:ΔE*が13以上であり、実用には適さない。
実施例2
以下の方法で、感熱転写受像用シート2を作製し、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。実施例1と同様、耐水性が良好で、保存黄変がなく、画像の耐久性、耐光性が良好であった。
<感熱転写受像用シート2の作製>
感熱転写受像用シート1において、受容層に用いたラテックス1をラテックス2に変更した以外は、感熱転写受像用シート1と同様の方法で作製した(受容層中のエポキシ基含有ビニル含有量:塩化ビニル系樹脂100重量部に対して2.5重量部)。
比較例1
以下の方法で、感熱転写受像シート3を作製し、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。
<感熱転写受像シート3の作製>
感熱転写受像用シート1において、受容層に用いたラテックス1をラテックス3に変更した以外は、感熱転写受像用シート1と同様の方法で作製した(受容層中のエポキシ基含有ビニル含有量:塩化ビニル系樹脂100重量部に対して2.5重量部)。
比較例2
以下の方法で、感熱転写受像シート4を作製し、上記評価方法により評価した。その結果を表1に示す。
<感熱転写受像シート4の作製>
感熱転写受像用シート1において、受容層に用いたラテックス1をラテックス4に変更した以外は、感熱転写受像用シート1と同様の方法で作製した(受容層中のエポキシ基含有ビニル含有量:塩化ビニル系樹脂100重量部に対して2.5重量部)。

Claims (5)

  1. 支持体上に断熱層と受容層を有する感熱転写受像用シートであって、該受容層が、塩化ビニル系樹脂、及び塩化ビニル系樹脂100重量部に対してエポキシ基含有ビニル0.1〜5重量部を含有し、かつ、界面活性剤を含有しないことを特徴とする感熱転写受像用シート。
  2. 受容層が、塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体におけるエポキシ基含有ビニル単量体が0.1重量%以上である塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体を、界面活性剤を含有しない水性媒体中で、乳化重合することによって得られるソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスを用いて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像用シート。
  3. 塩化ビニル単量体及びエポキシ基含有ビニル単量体に他にカルボン酸ビニルエステル単量体を含有することを特徴とする請求項2に記載の感熱転写受像用シート。
  4. カルボン酸ビニルエステル単量体が、酢酸ビニルであることを特徴とする請求項3に記載の感熱転写受像用シート。
  5. エポキシ基含有ビニルが、グリシジルメタクリレート又はアリルグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の感熱転写受像用シート。
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