JP5577071B2 - 遠心分離機の掻取装置、シリンダ装置、および遠心分離機 - Google Patents

遠心分離機の掻取装置、シリンダ装置、および遠心分離機 Download PDF

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Description

本発明は、回転させられるバスケット内に供給された処理物を遠心力によって固液分離する遠心分離機にあって、この遠心力によりバスケットの内周面に付着した固形分を掻取る遠心分離機の掻取装置、この掻取装置のシリンダ装置、およびかかる掻取装置を備えた遠心分離機に関するものである。
このような掻取装置を備えた遠心分離機として、例えば特許文献1、2には、バスケットの回転軸線が鉛直方向に向けられてバスケットが基体に吊下げられるように配設された吊下式の遠心分離機が開示されている。このような遠心分離機では、特許文献1に記載のように、バスケットの下端開口部が蓋体により閉塞された状態で、上端開口部からバスケット内に供給された処理物が、バスケットの回転による遠心力によりバスケット内周面に押し付けられ、この内周面に設けられたスクリーンにより液分が分離させられてバスケット周壁に形成された脱液孔から排出される。
一方、こうして液分が分離された後の処理物の固形分はバスケット内周面に付着したままであるので、この付着した固形分を掻取装置のスクレーパにより剥離してバスケット底面に落下させる。この掻取装置は、中心軸線がバスケットの回転軸線と平行に鉛直方向を向くようにして、この中心軸線回りに所定の回転角度で回転自在に基体に取り付けられたシリンダ装置と、このシリンダ装置をこうして回転軸線回りに回転させる、やはりシリンダ装置よりなる回転手段とを備えたものであり、特許文献1に記載の遠心分離機では、このうち鉛直方向に向けられたシリンダ装置は、そのシリンダが基体側に回転自在に取り付けられて支持され、このシリンダに挿入されたシリンダロッドは下方に向けて上記上端開口部からバスケット内に突出させられて上記中心軸線方向に進退可能とされ、さらにこのシリンダロッドに上記スクレーパが取り付けられている。
このような掻取装置においては、バスケットを回転させつつ、上記回転手段によってシリンダ装置を回転させてスクレーパをバスケット内周面側に接触させることで、この内周面に付着した固形分を剥離し、さらにシリンダ装置のシリンダロッドをバスケットの上端位置から下端位置に向けて前進させることでスクレーパを下降させ、バスケット内周面の回転軸線方向全体に亙って固形分を剥離してゆく。そして、こうして剥離してバスケット底面に落下した固形分は、上記蓋体を移動させてバスケット下端開口部を開くことにより下方に排出される。
特許第3682671号公報 特許第3619164号公報
ところで、このような遠心分離機によって固液分離される処理物が、例えば特許文献1に記載された砂糖の精製過程における結晶と蜜の混合物である場合などのように、処理物の物性上、温度が下がると固まる性質を有しているときには、この処理物が延長方向に向けられたシリンダ装置のシリンダロッドなどに付着して固化すると、これがシリンダに引っ掛かったりしてシリンダロッドの動作不良を招き、スクレーパの上下動に支障を来すおそれがあった。
一方、例えば当該シリンダ装置が油圧シリンダ装置である場合には、このように処理物が付着して固化したシリンダロッドが進退することによりシリンダのシール部分が傷付けられたりシールの劣化が生じたりすると、作動媒体の油がバスケット内の処理物に混入するおそれがある。そして、このような作動媒体の混入が生じると、特に処理物が上述した砂糖であるなど当該遠心分離機が食品工業において用いられる場合や、あるいは製薬工業などで用いられる場合には、混入が生じたバッチの処理物や分離された固形分、液分は廃棄しなければならなくなってしまう。
そこで、このような処理物の付着を防ぐため、上記特許文献2に記載の掻取装置においては、スクレーパが取り付けられるロッドにワイパーブレードを押し付けた状態で配置して、ロッドに付着した処理物をこのロッドの進退と回転とによりワイパーブレードで除去する、クリーニング動作を行わせることが提案されている。また、この特許文献2に記載の掻取装置では、上記鉛直方向に向けられたシリンダ装置は、そのシリンダロッドが上向きに進退するようにされていて、このシリンダロッドと上記スクレーパが取り付けられたロッドとが互いに平行にその上端部同士が連結されることにより、スクレーパがバスケット内を上下動するようにされている。
しかしながら、このような特許文献2に記載の掻取装置でも、スクレーパが取り付けられたロッドに付着した処理物を完全に除去するのは困難であり、しかもこのロッドにワイパーブレードを押し付けた状態を維持したままクリーニング動作を行わなければならないため、ワイパーブレードの保持構造が複雑化することが避けられない。さらに、ワイパーブレードが弾力性を有する樹脂製である場合には、固化した処理物によりワイパーブレード自体に欠けや摩耗が生じたりして処理物に混入するおそれがある。
また、上述のようにシリンダ装置がシリンダロッドを上向きに進退させる構造であると、油圧シリンダ装置であっても作動媒体が混入するおそれはないが、スクレーパが取り付けられたシリンダロッドを直接バスケット内において進退させる場合に比べ、シリンダ装置の長さにシリンダロッドのストロークを加えた長さの大きなスペースを基体上に確保しなければならず、遠心分離機のコンパクト化を阻害することにもなる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、複雑な構造や大きなスペースを要することなく、シリンダ装置のシリンダロッドへの処理物の付着を確実に防いで、その動作不良や作動媒体の処理物への混入等を防止することが可能な遠心分離機の掻取装置を提供し、またこのような掻取装置に用いて好適なシリンダ装置を提供し、さらにはこのような掻取装置を備えたコンパクトな遠心分離機を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の掻取装置は、基体に支持されて回転させられるバスケット内に供給された処理物を固形分と液分とに遠心分離する遠心分離機にあって、上記バスケットの内周面に付着した上記固形分を掻き取るスクレーパを備えた遠心分離機の掻取装置であって、上記基体には、上記バスケットの回転軸線と略平行な中心軸線に沿って進退可能とされたシリンダ装置と、このシリンダ装置を上記中心軸線回りに回転させる回転手段とが設けられ、上記シリンダ装置は、シリンダと該シリンダ内に回り止めされて挿入されるシリンダロッドとを備えて、このうち上記シリンダロッドが上記回転手段により回転可能に上記基体に支持されるとともに、上記シリンダが上記中心軸線に沿って進退させられて、このシリンダに上記スクレーパが取り付けられており、上記バスケットを回転させたまま、上記シリンダ装置および上記スクレーパを回転させることにより、このスクレーパを上記バスケットの内周面に近接させて上記固形分に食い込ませるとともに、上記シリンダを進退させることにより、上記固形分を上記回転軸線方向に剥離して掻き取ることを特徴とする。
また、本発明の遠心分離機は、基体に支持されて回転させられるバスケット内に供給された処理物を固形分と液分とに遠心分離する遠心分離機であって、上記構成による本発明の掻取装置が備えられていることを特徴とする。
従って、上記構成の掻取装置、および該掻取装置を備えた上記遠心分離機においては、このようにシリンダとシリンダロッドとを備えたシリンダ装置のうち、シリンダロッドが基体に回転可能に支持されていて、こうして支持されたシリンダロッドから、その外周を覆うシリンダがバスケット内で進退可能とされ、このシリンダに取り付けられたスクレーパがシリンダ装置ごと回転させられることにより、バスケット内周面に付着した処理物の固形分に食い込んでこれを剥離する。すなわち、上述した吊下式の遠心分離機では、上記シリンダ装置は、特許文献1に記載されたものに対して倒立した状態でシリンダロッドの上端部が支持されて、しかも特許文献2に記載されたものとも異なり、こうして支持されたシリンダロッドの外筒であるシリンダが下向きにバスケット内で進退させられる。
このため、シリンダロッドには処理物が付着することはなく、またスクレーパが取り付けられたシリンダの表面に処理物が付着して固化したとしても、シリンダ装置の進退動作に支障が生じたり、シリンダのシール部分が傷付けられたりすることもないので、たとえ当該シリンダ装置が油圧シリンダ装置であっても、作動媒体が処理物に混入するようなこともない。さらに、シリンダ装置は、概ねそのシリンダのストローク程度の長さのスペースをもって基体上にシリンダロッドが支持されていればよく、遠心分離機のコンパクト化を図ることができ、しかもこのシリンダロッド以外のロッドや、付着した処理物を除去するワイパーブレードなども不要であるので、簡略な構造とすることができる。なお、スクレーパの取付はシリンダだけでなく、シリンダを取付けた部材を介してもよい。
ところで、特許文献1、2に記載のようにシリンダを支持しておいてシリンダロッドを進退させる一般的なシリンダ装置では、シリンダロッドのピストンによってシリンダ内にその中心軸線方向に隔絶されて形成される2つの圧力室に、シリンダの周壁部や端壁部を通して外部から配管がそれぞれ接続されて作動媒体の流路が連通させられていて、これらの配管を介して作動媒体が各圧力室に供給、排出されることによりシリンダロッドが進退させられる。
ところが、上記構成の掻取装置においては、シリンダがバスケット内に出没させらて回転させられるため、その外部にこのような配管が接続されていると、スクレーパによって剥離した固形分がこの配管に当たって損傷を生じたり、あるいはこの配管に処理物や固形分が付着して、例えば処理物の固液分離が終了した後の清掃作業等が煩雑となったりするおそれがある。さらに、このような外部配管によって作動媒体の供給、排出を行うには、シリンダの進退、回転に配管が追従できるように、この配管をフレキシブルなものにしなければならない上、剥離の都度に撓んだり延びたりを繰り返すため、その寿命は短いものとなる。
そこで、本発明の掻取装置、および該掻取装置における本発明のシリンダ装置においては、上記シリンダロッドに作動媒体の流路を形成することにより、上述のようにシリンダの外部に配管を接続しなくても、上記2つの圧力室への作動媒体の供給、排出を行うことができ、このような問題が惹起されるのを避けることができる。例えば、シリンダの中心軸線に沿って1本のシリンダロッドが挿入された一般的なシリンダ装置を用いる場合などには、上記シリンダ装置において、この1つのシリンダロッドに複数の作動媒体の流路を形成して、これらの作動媒体の流路のうちの一部の作動媒体の流路を、上記シリンダ内において上記中心軸線方向に隔絶されて形成される2つの圧力室のうちの一方に連通するとともに、残りの作動媒体の流路は、上記2つの圧力室のうちの他方に連通させることにより、これらの流路を、シリンダロッドのピストンを挟んで両側に開口させて、上記シリンダのストローク内で常にこのピストンにより隔絶された両圧力室に連通するようにすればよい。
一方、このようにシリンダの中心軸線に沿って1本のシリンダロッドが挿入されているだけであると、シリンダロッドに対してシリンダが中心軸線回りに相対的に回転自在となってしまい、シリンダ装置を回転手段によって回転させても、シリンダに取り付けられたスクレーパを適正な押圧力でバスケット内周面の固形分に押しつけることができなくなってしまう。従って、そのような場合には、例えばキーとキーウェイ(キー溝)による嵌合によって相対回転を拘束しつつシリンダを進退させるようにすることができるが、この場合には、シリンダ側のキーまたはキーウェイはその外周に設けなければならないため、キーの摺動によって摩耗粉が発生して新たな混入の原因となるおそれがある。
そこで、本発明の掻取装置、および該掻取装置における本発明のシリンダ装置においては、上記シリンダに複数の上記シリンダロッドを互いに平行に挿入して、これらのシリンダロッドのうち少なくとも1つのシリンダロッドを上記中心軸線から偏心した位置に挿入することにより、この偏心した位置に挿入されたシリンダロッドのシリンダへの挿入部分が回り止めとなるため、上述のようなキーやキーウェイを外周に設けることなくシリンダの相対回転を拘束することができる。
さらにまた、こうしてシリンダに複数のシリンダロッドを互いに平行に挿入するとともに、上述のようにこのシリンダロッドに作動媒体の流路を形成する場合には、複数のシリンダロッドのうちのいずれか1本に上記2つの圧力室にそれぞれ連通する2つの流路を形成してもよいが、本発明の掻取装置、および該掻取装置における本発明のシリンダ装置にあっては、これら複数のシリンダロッドのうち、一部のシリンダロッドには、上記シリンダ内において上記中心軸線方向に隔絶されて形成される2つの圧力室のうちの一方に連通する作動媒体の流路を、残りのシリンダロッドのうち少なくとも一部のシリンダロッドには、2つの圧力室のうちの他方に連通する作動媒体の流路を、それぞれ形成することにより、特定のシリンダロッドの断面積が小さくなってその剛性が損なわれたりするのを防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によれば、シリンダロッド以外のロッドやワイパーブレードを要することなく構造の簡略化を図りつつも、シリンダ装置の作動媒体が処理物に混入するのを確実に防ぐことができ、遠心分離機における処理物の固液分離の歩留まり向上を図ることができる。また、シリンダ装置を作動させるのに必要以上のスペースを要することもないので、よりコンパクトな遠心分離機を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態の遠心分離機を示す側断面図である。 図1に示す遠心分離機に備えられる本発明の第1の実施形態の掻取装置10のシリンダ装置11部分を示す側面図である。 図2に示すシリンダ装置11部分の平面図である。 図2に示す本発明の第1の実施形態のシリンダ装置11の概略を示す側断面図である。 図4におけるAA断面図である。 図2に示す掻取装置10のスクレーパ16部分を示す側面図である。 図6に示すスクレーパ16部分の平面図である。 本発明の第2の実施形態の遠心分離機を示す側断面図である。 図8に示す遠心分離機に備えられる本発明の第2の実施形態の掻取装置20のシリンダ装置21部分を示す一部破断側面図である。 図9に示すシリンダ装置21部分の平面図である。 図9に示す本発明の第2の実施形態のシリンダ装置21の概略を示す側断面図である。 図9に示す掻取装置20のスクレーパ16部分を示す側面図である。 図12に示すスクレーパ16部分の平面図である。
図1ないし図7は、本発明の第1の実施形態の掻取装置10およびシリンダ装置11と該掻取装置10を備えた本発明の第1の実施形態の遠心分離機を示すものである。本実施形態における遠心分離機は上述した吊下式の遠心分離機であり、図1に示すように、その回転軸線Oを鉛直方向に向けた回転軸1が、基体2の上部に設けられたモータ3によって該回転軸線O回りに回転可能に支持されており、この回転軸1の下部に、円筒状のバスケット4が同軸に取り付けられて吊下げられた構成とされている。
基体2は、回転軸1が中央に挿通させられる略正方形平板状のベース2Aの上部に、上記回転軸線Oを中心として上向きに縮径する円錐台状をなす上部ケーシング2Bが設けられてその上端部に上記モータ3が取り付けられるとともに、ベース2Aの下部には、バスケット4の外周から下部外周縁までを取り囲むように概略円筒状の下部ケーシング2Cが設けられたものであり、この下部ケーシング2Cの下部中央には、処理物から固液分離された固形分の排出口2Dが開口させられるとともに、下部ケーシング2Cの胴周部底側には、処理物から固液分離された液分を排出する排出口2Eが設けられている。
また、バスケット4には、円筒状とされたその胴周部に図示されない多数の貫通穴が形成されるとともに、この胴周部の内周面には網状体や濾布のようなスクリーン5が張り付けられるようにして固定されている。なお、バスケット4の上下端部には、それぞれ回転軸線Oに垂直な平面上において上記胴周部の上下端縁から内周側に延びる円環板部4A、4Bが形成されていて、このうち下端の円環板部4Bの内径は上記排出口2Dの内径よりも小さくされ、この下端円環板部4Bの内周部に、上記回転軸1の下端部から外周側に向けて放射状に延びる複数の支持桿1Aが連結されることにより、バスケット4は回転軸1と一体に図中に符号Tで示す回転方向に回転可能に支持される。
さらに、回転軸1の下端部には蓋体6が設けられている。この蓋体6は、回転軸1の外周に摺動自在に嵌挿させられた円筒状の摺動体6Aの下部外周に、回転軸線Oを中心として上向きに縮径する円錐台状をなす弁体6Bが取り付けられて構成されており、回転軸1およびバスケット4とともに一体回転可能、かつ回転軸線O方向にはこれら回転軸1およびバスケット4に対して上下動可能とされていて、蓋体6が降下した状態では弁体6Bによってバスケット4の下端円環板部4Bの内周部が閉塞され、蓋体6を上昇させることにより、この下端円環板部4Bの内周部が開口させられて、バスケット4内の処理物から固液分離された固形分が、上記支持桿1Aの間を通って下部ケーシング2Cの排出口2Dから排出させられる。
一方、バスケット4の上端の円環板部4Aの上方には、バスケット4内に処理物を供給する供給手段7が、基体2の上記ベース2A上に配設されている。この供給手段7は、回転軸1が挿通させられたベース2Aの中央から僅かに外周側に離れた位置に形成された貫通穴に、バスケット4の上端円環板部4Aの内周部に望んで開口するように供給管7Aが取り付けられ、この供給管7Aが回転軸1から離れるように斜め上方に延びて基体2の上部ケーシング2Bを通り抜け、処理物を保持するタンク7Bに接続された構成とされている。また、供給管7Aにはバルブ7Cが備えられていて、このバルブ7Cを開閉することにより、所定量の処理物がタンク7Bから供給管7Aを通って上記上端円環板部4Aの内周部からバスケット4内に供給される。
さらに、この供給手段7と回転軸線Oを挟んで反対側のベース2A上には、上記掻取装置10のシリンダ装置11が配設されている。このシリンダ装置11はエアシリンダ装置であり、図4に示すように中心軸線Cを中心とした円筒状のシリンダ12と、このシリンダ12内に上記中心軸線Cに沿って気密に挿入されるシリンダロッド13とを備えていて、このシリンダロッド13のピストン14がシリンダ12の内周面に摺動可能に密着することによりシリンダ12内に2つの圧力室12A、12Bが中心軸線C方向に気密に隔絶されて形成され、これらの圧力室12A、12Bの一方に作動媒体である空気を供給し、他方からは排出することにより、中心軸線C方向に伸縮可能とされたものである。
また、このシリンダ装置11は、基体2の上記ベース2A上に回転手段15を介して取り付けられていて、上記中心軸線C回りに回転可能とされている。より詳しくは、図2および図3に示すように上記シリンダ装置11は、ベース2A上に突設されたブラケット2Fに、回転手段15の旋回アーム15Aを介して取り付けられており、この旋回アーム15Aがブラケット2Fに対して上記中心軸線C回りに回転自在となるように、かつ該中心軸線C方向には拘束された状態で支持されることにより、シリンダ装置11も旋回アーム15Aと一体に回転自在とされてブラケット2F上に支持される。
さらに、ベース2A上には、回転手段15におけるシリンダ装置15Bが、その中心軸線を水平にするとともに、そのシリンダが上記中心軸線Cと平行な軸線回りに回転自在に支持されて取り付けられており、このシリンダ装置15Bのシリンダロッド先端は、上記旋回アーム15Aの中心軸線Cから離れた位置に、やはり中心軸線Cと平行な軸線回りに回転自在に連結されている。
なお、この回転手段15のシリンダ装置15Bも上記シリンダ装置11と同様のエアシリンダ装置であり、やはり上記と同様に作動媒体である空気を供給、排出することによって伸縮するので、これに伴い当該回転手段15においてはこのシリンダ装置15Bの伸縮のストロークに応じた所定の回転角度の範囲で、旋回アーム15Aが上記シリンダ装置11ごと中心軸線C回りに回転させられることになる。ただし、エアシリンダに限ることなく、油圧シリンダや電動シリンダを採用することもできる。また、ブラケット2Fには、シリンダ装置15Bが伸張した状態で調節ボルトが旋回アーム15Aに当接することにより上記回転角度の範囲を規定するストッパ2Gが備えられている。
そして、上記掻取装置10においてこのシリンダ装置11は、そのシリンダロッド13が回転手段15の旋回アーム15Aに上向きに固定されて該旋回アーム15Aと一体に回転可能に支持されており、シリンダ装置11が伸縮することにより、このシリンダロッド13に対してシリンダ12が中心軸線C方向に進退可能とされている。従って、シリンダ装置11を伸張させるとシリンダ12が突出させられて、このシリンダ12の下端部が、ブラケット2Fおよびベース2Aに形成された貫通穴から下向きに、上記上端円環板部4A内を通ってバスケット4内に向けて前進(下降)させられることになり、このシリンダ12の下端部に、バスケット4の内周面に付着した固形分を掻き取るスクレーパ16が取り付けられている。
ここで、回転手段15の上記旋回アーム15Aには、シリンダ12よりも一回り大きな円筒状をなすカバー15Cがシリンダ12を覆うように中心軸線Oと同軸に配置されるとともに、このカバー15Cの上端部には、該カバー15Cよりもさらに一回り大きな円盤状をなすフランジ部材15Dが装着されている。さらに、このフランジ部材15Dには、カバー15Cの周囲に周方向に等間隔に配置されるように複数本の長尺ボルト15Eが中心軸線Cと平行に挿通されて、これらの長尺ボルト15Eが旋回アーム15Aにねじ込まれることにより、カバー15Cはフランジ部材15Dとの間に挟み込まれるようにして旋回アーム15Aに固定され、そしてシリンダ装置11は、そのシリンダロッド13が上記フランジ部材15Dに装着されて、これらカバー15Cおよび長尺ボルト15Eを介して旋回アーム15Aに取り付けられている。
また、この掻取装置10においては、シリンダ装置11の作動流体である空気をシリンダ12内の上記2つの圧力室12A、12Bに供給し、またこれら圧力室12A、12Bから排出する作動流体の流路は、シリンダロッド13に形成されている。より詳しくは、上記シリンダロッド13は、厚肉の円柱状をなす外管13A内に、この外管13Aの内径よりも外径が小さな薄肉円柱状の内管13Bが同軸に挿入された二重管とされて、上記中心軸線Cに沿ってシリンダ12内に挿入されており、ピストン14はこのうち外管13Aの下端部外周に気密に取り付けられている。
そして、内管13Bの内周部は、上記フランジ部材15Dの上端部に開口して図示されない作動媒体の供給、排出手段に接続されるとともに、中心軸線Cに沿って延びてシリンダロッド13の下端に開口し、ピストン14の下端側に形成される圧力室12Aに連通する流路17Aとされる。一方、この内管13Bの外周と外管13Aの内周との間に形成される中心軸線Cを中心とした円筒状の空間は、フランジ部材15Dの上端部において中心軸線Cから外周側に離れた位置に開口する孔部に連通させられてやはり図示されない作動媒体の供給、排出手段に接続されるとともに、シリンダロッド13の下端では開口することなく封止されて、その手前でピストン14の上端面側に開口する孔部に連通させられ、このピストン14の上端側に形成される圧力室12Bに作動媒体を供給、排出する流路17Bとされる。
なお、こうしてシリンダロッド13の外管13Aが円柱状をなし、従って該シリンダロッド13のシリンダ12への挿入部分も円形孔をなすことから、そのままではシリンダ12が中心軸線C回りに回転自在となってしまうため、上記掻取装置10ではシリンダ12の回り止めとして、シリンダ12にはキー12Cが、上記カバー15Cの内周面にはキーウェイ15Fが設けられている。すなわち、図5に示すようにキー12Cは中心軸線Cに直交する断面が方形状をなしてシリンダ12の上端部外周に配設される一方、キーウェイ15Fは、このキー12Cに係合してカバー15Cの略全長にわたって中心軸線Cに平行に延びる凹溝とされ、本実施形態ではカバー15Cの内周部にキー12Cを周方向に挟み込むようにして一対のレール部材15Gが取り付けられることによって形成されている。
また、上記スクレーパ16は、中心軸線Cと平行に延びるように配置された平板状の部材であり、シリンダ12の下端との間に曲折板16Aを介して取り付けられて中心軸線Cから離れた位置に配置されている。そして、このスクレーパ16は、上記回転手段15によるシリンダ装置11の回転に伴い、中心軸線C回りに上記所定の回転角度の範囲で図7に矢線Fで示すように回転させられることになり、このうち回転手段15のシリンダ装置15Bが収縮した状態の回転角度の位置においては、平板状のスクレーパ16がバスケット4の内周面と中心軸線Cを挟んで略対向して、これらスクレーパ16とバスケット4内周面との間に大きな間隔があけられるように配設される。
これに対して、回転手段15のシリンダ装置15Bが伸張した状態における回転角度の位置においてスクレーパ16は、その端縁のうち中心軸線C方向に延びる端縁の1つがバスケット4の内周面に近接した位置に配置され、この端縁からバスケット4の回転方向T側に向かうに従い該バスケット4の内周側に向かうように配設される。また、こうしてバスケット4の内周面に近接した位置に配置されるスクレーパ16の端縁には、バスケット4の回転方向T側からこの回転方向Tの後方側に向けて凹湾曲しつつさらに内周面に接近するブレード16Bが該端縁の全長に亙って取り付けられていて、このブレード16Bがスクリーン5に近接しつつバスケット4が回転させられることにより、バスケット4の回転方向Tと同じ回転方向Rに周回するバスケット4内周に付着した固形分Sがスクリーン5から剥離させられる。
一方、このブレード16Bが取り付けられた端縁とは反対側の、上記シリンダ装置15Bが伸張した状態でバスケット4の内周側に向けられるスクレーパ16の端縁には、この端縁から突出するようにテールプレート16Cが、その突出量を調整可能に取り付けられている。このテールプレート16Cは、スクレーパ16の上記端縁から突出した部分において、その突端側に向かうに従い上端縁が下方に向けて傾斜するように形成された板状部材であって、上記シリンダ装置15Bが伸張した状態で、バスケット4の回転軸線Oからこの突端までの距離が蓋体6における弁体6Bの半径(最大半径)よりも僅かに大きくなるように上記突出量が調整され、蓋体6の昇降に干渉しないようにされている。
なお、このテールプレート16C、スクレーパ16、およびブレード16Bの下端縁は上記回転軸線Oおよび中心軸線Cに垂直な1の平面上に位置するようにされる一方、スクレーパ16の上端縁はブレード16Bの上端縁より僅かに突出して、曲折板16Aの上面と略同じ高さで、上記回転軸線Oおよび中心軸線Cに垂直な他の1の平面上に位置するようにされている。そして、掻取装置10のシリンダ装置11によるシリンダ12のストロークは、このスクレーパ16の上端縁がバスケット4の上端円環板部4Aの下面に近接した位置から、スクレーパ16の下端縁がバスケット4の下端円環板部4Bの上面に近接した位置の間で上下動する範囲とされている。
このように構成された掻取装置10を備えた遠心分離機により、例えば特許文献1に記載されたような砂糖の精製過程における結晶と蜜の混合物を処理物として、これを固液分離するには、まず蓋体6を下降させてバスケット4の下端円環板部4Bの内周部を閉塞するとともに、掻取装置10のシリンダ装置11および回転手段15のシリンダ装置15Bをともに収縮させて、図6および図7に実線で示したようにスクレーパ16がバスケット4内の上端側に位置するとともにバスケット4の内周面と間隔をあけた状態とする。
次いで、モータ3により回転軸1を介してバスケット4を回転させるとともに、バルブ7Cを開いてタンク7Bから供給管7Aを通してバスケット4内に処理物を供給すると、供給された処理物は遠心力によってバスケット4の内周面に押し付けられて、その液分がスクリーン5により濾過されて固形分Sから分離される。さらに、こうして分離させられた液分は、バスケット4胴周部の貫通穴から飛散して基体2の下部ケーシング2C内に回収され、排出口2Eから排出される。
一方、このように液分が分離された後の処理物の固形分Sは、遠心力によりバスケット4の内周面に張り付いたままであるので、これを掻取装置10によって掻き取って排出するには、まずバスケット4の回転速度を固液分離の際の回転速度よりも遅くしてから、回転手段15のシリンダ装置15Bを伸張させることにより旋回アーム15Aごとシリンダ装置11およびスクレーパ16を回転させ、図7に2点鎖線で示したようにこのスクレーパ16の上記ブレード16B側をバスケット4内周面に近接させてこの内周面に付着した固形分に食い込ませるとともに、蓋体6を上昇させてバスケット4の下端円環板部4Bの内周部を開口させる。
従って、スクレーパ16が食い付いた部分ではバスケット4の回転に伴い固形分Sが剥離させられて、バスケット4が1回転するとスクレーパ16が配設された回転軸線O方向の位置においては固形分が全周に亙って掻き取られて落下し、開口したバスケット4の下端円環板部4Bの内周部を通って下部ケーシング2Cの排出口2Dから排出される。そこで、次に掻取装置10のシリンダ装置11において、シリンダ12内の上記圧力室12Aに流路17Aを介して作動媒体である空気を供給するとともに上記圧力室12Bからは流路17Bを介して空気を排出することにより、シリンダ装置11を徐々に伸張させてシリンダ12を前進させ、図6に2点鎖線で示したようにスクレーパ16の下端縁をバスケット4の下端円環板部4Bの上面に近接して位置させることで、バスケット4内周面に付着した固形分Sは回転軸線O方向の全長に亙って剥離させられて、全て排出させられる。
そして、こうして固形分Sが排出された後に、次のバッチの処理物をバスケット4内に供給して固液分離するとき、シリンダ装置11において上記とは逆に、シリンダ12内の上記圧力室12Aから流路17Aを介して空気を排出するとともに上記圧力室12Bに流路17Bを介して空気を供給してシリンダ装置11を収縮させ、シリンダ12を再び元の位置(スクレーパ16の上端縁がバスケット4の上端円環板部4Aの下面に近接した位置)に後退させる際に、このシリンダ12の外周面に処理物やその固形分Sが付着しても、上記構成の掻取装置10では、このようにシリンダ装置11の外筒であるシリンダ12がバスケット4内に進退させられるため、これをそのまま後退させても、シリンダ12にシリンダロッド13が装入される部分を気密にシールするシール部分が付着した固形分Sによって傷付けられたりすることがない。
このため、このシール部分が傷付けられることによって作動媒体である空気の漏れが生じてシリンダ装置11の動作に支障を来したりすることはなく、また上記シリンダ装置11はエアシリンダ装置であるが、これがたとえ油圧シリンダ装置であっても、作動媒体となる油が漏れ出て処理物や固液分離された液分、固形分Sに混入したりすることもない。従って、シリンダ装置11の円滑な動作によって、バスケット4内周面に付着した固形分Sを確実に掻き取って排出することができるとともに、特に食品工業や製薬工業などで用いられる場合でも作動媒体の混入によって製品歩留まりの低下を招くようなこともなく、これらにより効率的な処理物の分離を図ることが可能となる。
また、上記構成の掻取装置10では、シリンダロッド13がシリンダ装置11の中心軸線C方向に上向きに固定されていて、このシリンダロッド13に対してシリンダ12が進退してバスケット4内に出没する構成であり、同じくシリンダロッドが上向きとされていてもシリンダが固定されていて、このシリンダロッドとこれに平行な他のロッドの上端部同士を連結してこの他のロッドをバスケット内に出没させるように構成した上記特許文献2に記載の掻取装置と比べては、このような他のロッドが必要なく、またシリンダ装置11上にシリンダロッドを出没させるスペースを要することもないため、掻取装置10の構造の簡略化と遠心分離機のコンパクト化を図ることができる。
さらに、この特許文献2に記載された掻取装置のように、上記他のロッドに付着した処理物を掻き落とすワイパーブレードなども不要であるので、装置構造のさらなる簡略化を図るとともに、このワイパーブレードの欠けや摩耗などによる異物の混入も防止することができる。なお、上記掻取装置10では上述のようにシリンダ12の外周面に処理物が付着したままシリンダ12を後退させても構わないのであるが、例えば一連のバッチの固液分離操作が終了した後に、バスケット4やスクレーパ16を洗浄したりする際には、図2に示すように基体2のベース2Aに形成されてシリンダ12が突出する貫通穴に臨んで洗浄装置18を設け、この洗浄装置18からシリンダ12の外周面に向けて洗浄水を噴射して、この外周面に付着した処理物を洗い流すようにしてもよい。
また、上記掻取装置10においては、シリンダ装置11のシリンダ12内に形成される圧力室12A、12Bに作動媒体を供給、排出する流路17A、17Bが、このシリンダ12に挿入されるシリンダロッド13に形成されており、一般的なシリンダ装置のようにシリンダの外部に流路を形成する配管を接続したりする必要がないので、特にバスケット4内に突出した部分において、このような配管に剥離した固形分が当たって損傷を生じたりすることがない。しかも、このような配管をシリンダの進退に追従可能なフレキシブルなものとする必要もないので、長期に亙って安定したシリンダ装置11の進退による固形分の掻取を行うことが可能となる。
次に、図8ないし図13は、本発明の第2の実施形態の掻取装置20およびシリンダ装置21と該掻取装置20を備えた遠心分離機を示すものであって、第1の実施形態と同じく吊下式の遠心分離機に本発明を適用したものであり、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を簡略化する。ここで、上記第1の実施形態の掻取装置10では、そのシリンダ装置11においてシリンダ12に1本のシリンダロッド13が中心軸線Cに沿って挿入されていたが、そのような掻取装置10では、シリンダ12の回り止めのために上述のようにキー12Cおよびキーウェイ15Fを設けなければならず、キー12Cがキーウェイ15Fを摺動することによりこれらが摩耗して摩耗粉が発生し、これが処理物等に混入してしまうおそれが生じる。
そこで、この掻取装置20では、このようなキー12Cおよびキーウェイ15Fに代えて、そのシリンダ装置21において、シリンダ12に複数本のシリンダロッド13を中心軸線Cに平行かつ互いにも平行に挿入し、これらのシリンダロッド13のうち少なくとも1本を、上記中心軸線Cから偏心した位置に挿入して、この偏心したシリンダロッド13によりシリンダ12を回り止めするように構成されている。ここで、上記掻取装置20においては、図9および図10に示すようにシリンダ12に同径の2本のシリンダロッド13が挿入されてピストン14と連結されており、これら2本のシリンダロッド13はともに中心軸線Cから偏心するように、該中心軸線Cに関して対称な位置に配置されている。
なお、この掻取装置20においてもシリンダ装置21はエアシリンダ装置であって、そのシリンダ12内にピストン14によって形成される2つの圧力室12A、12Bに作動媒体である空気を供給、排出する流路17A、17Bはシリンダ12に挿入される上記シリンダロッド13に形成されている。ただし、この掻取装置20では、上述のようにシリンダ12に挿入された複数のシリンダロッド13において、一方の圧力室12Aに連通する流路17Aはこれら複数のシリンダロッド13のうち1部(2本のシリンダロッド13のうち一方)に、また他方の圧力室12Bに連通する流路17Bは複数のシリンダロッド13のうち上記1部を除いた残りのシリンダロッド13のうちの少なくとも一部(2本のシリンダロッド13のうち他方)に形成されている。
すなわち、これら2本のシリンダロッド13は、上記掻取装置10のシリンダロッド13のような二重管ではなく、図11に示すように単に一重の円筒状に形成されたものであって、その内周部がそれぞれ上記流路17A、17Bとされており、これらのシリンダロッド13は2本ともが、シリンダ装置21を中心軸線C回りに回転自在に保持する回転手段15の旋回アーム15Aにおけるフランジ部材15Dを貫通して支持されるとともに、流路17A、17Bがこのフランジ部材15Dの上端部側に開口して、図示されない作動媒体の供給、排出手段に接続される。さらに、これらの流路17A、17Bは、シリンダロッド13先端(下端)に設けられたピストン14においては、その上下端面に形成された凹所にそれぞれ連通して開口するようにされている。
また、この掻取装置20においても、回転手段15は、カバー15C、フランジ部材15D、および長尺ボルト15Eによってシリンダ装置21が取り付けられた旋回アーム15Aが、基体2のベース2A上に設けられたブラケット2Fに上記中心軸線C回りに回転自在に支持され、この旋回アーム15Aをシリンダ装置15Bによって所定の回転角度の範囲で回転させる構成とされている。
ただし、フランジ部材15Dは厚肉の正方形平板状とされてその4隅に長尺ボルト15Eが挿通されており、このフランジ部材15Dには、シリンダ12の上端面から中心軸線C方向に突出した被係止ピンに、エアシリンダ機構によって水平方向に進退する係止部材を係止させることにより、シリンダ12をそのストロークの上端で係止して保持する保持手段15Hが備えられている。
一方、シリンダ12の下端部に取り付けられるスクレーパ16は、やはり中心軸線Cに平行に延びる平板状とされている。また、この掻取装置20のスクレーパ16における回転軸線C方向の長さは、上記掻取装置10のスクレーパ16の長さがバスケット4の回転軸線O方向の長さの半分以下であったのに対し、バスケット4の回転軸線O方向の長さの半分を超える長さとされている。
なお、この掻取装置20のスクレーパ16にはテールプレート16Cは取り付けられておらず、上記回転手段15のシリンダ装置15Bを伸張させてシリンダ装置21を回転させた回転角度の位置において、バスケット4の内周面に近接したスクレーパ16の端縁に取り付けられたブレード16Bがスクリーン5に接するとともに、これとは反対側のスクレーパ16の端縁の回転軸線Oからの距離が、蓋体6における弁体6Bの半径(最大半径)より僅かに大きくなるようにされている。
また、このような掻取装置20が備えられた本実施形態の遠心分離機においては、回転軸1の下端部とバスケット4の下端円環板部4Bとを連結する複数の支持桿1Aが、回転軸1との連結部が下端円環板部4Bとの連結部よりも一段低くなるようにL字状とされている。一方、蓋体6は、この下端円環板部4Bの内周部を閉塞していた弁体6Bが、上記支持桿1Aによって該内周部の下方に一段低められるように形成された空間に降下することにより、この内周部を開口するようになされている。
従って、スクレーパ16によって掻き取られた固形分Sは、この下端円環板部4Bの内周部から円錐台状をなす弁体6B上に落下し、さらにL字状をなす複数の支持桿1Aの縦軸同士の間から排出口2Dに排出される。なお、本実施形態の蓋体6の摺動体6Aには、図8に示したように弁体6Bよりも上方に、回転軸線Oを中心とした円錐板状のディストリビュータ6Cが設けられている。
上記構成の掻取装置20およびこれを備えた遠心分離機においては、掻取装置20のシリンダ装置21が、互いに平行な複数のシリンダロッド13をシリンダ12に挿入したものであって、そのうち少なくとも1つのシリンダロッド13は中心軸線Cから偏心した位置に挿入され、特に上記掻取装置20では複数(2本)のシリンダロッド13とも中心軸線Cから偏心した位置に挿入されているので、シリンダ12はこれらのシリンダロッド13に対する中心軸線C回りの相対回転が拘束されることになる。このため、シリンダ12の外周にキーやキーウェイを設けなくても、スクレーパ16を固液分離と掻き取りとで確実に所定の回転角度の位置に配しつつ中心軸線O方向に進退させることができ、キー等の摩耗による処理物への異物混入を防止することができる。
また、上記掻取装置20では、こうしてシリンダ12に挿入された複数のシリンダロッド13のうち一部に、シリンダ12内に形成される2つの圧力室12A、12Bのうち一方に連通する流路17Aが、また残りのシリンダロッド13のうちさらに少なくとも一部に2つの圧力室12A、12Bのうち他方に連通する流路17Bが形成されており、従ってこれらのシリンダロッド13は構造の簡略な一重管とすることができるとともに、その断面積が小さくなるのを避けて剛性を確保し、安定したシリンダ12の進退および回転を図ることが可能となる。
ただし、上記掻取装置20ではこのように圧力室12A、12Bに連通する流路17A、17Bを異なるシリンダロッド13に形成しているが、複数のシリンダロッド13をシリンダ12に挿入する場合においても、上記掻取装置10と同じようにいずれか1つのシリンダロッド13に両方の流路17A、17Bを形成するようにしてもよい。また、複数のシリンダロッド13のうち1つは回転軸線Cに沿って挿入されていてもよく、さらにこれらのシリンダロッド13は異なる外径とされていてもよい。
1 回転軸
2 基体
2D 固形分の排出口
2E 液分の排出口
3 モータ
4 バスケット
5 スクリーン
6 蓋体
6B 弁体
7 処理物の供給手段
10、20 掻取装置
11、21 シリンダ装置
12 シリンダ
12A、12B 圧力室
13 シリンダロッド
14 ピストン
15 回転手段
15B 回転手段15のシリンダ装置
16 スクレーパ
17A、17B 作動媒体の流路
18 洗浄装置
O バスケット4の回転軸線
T バスケット4の回転方向
C シリンダ装置11、21の中心軸線

Claims (7)

  1. 基体に支持されて回転させられるバスケット内に供給された処理物を固形分と液分とに遠心分離する遠心分離機にあって、上記バスケットの内周面に付着した上記固形分を掻き取るスクレーパを備えた遠心分離機の掻取装置であって、
    上記基体には、上記バスケットの回転軸線と略平行な中心軸線に沿って進退可能とされたシリンダ装置と、このシリンダ装置を上記中心軸線回りに回転させる回転手段とが設けられ、
    上記シリンダ装置は、シリンダと該シリンダ内に回り止めされて挿入されるシリンダロッドとを備えて、このうち上記シリンダロッドが上記回転手段により回転可能に上記基体に支持されるとともに、上記シリンダが上記中心軸線に沿って進退させられて、このシリンダに上記スクレーパが取り付けられており、
    上記バスケットを回転させたまま、上記シリンダ装置および上記スクレーパを回転させることにより、このスクレーパを上記バスケットの内周面に近接させて上記固形分に食い込ませるとともに、上記シリンダを進退させることにより、上記固形分を上記回転軸線方向に剥離して掻き取ることを特徴とする遠心分離機の掻取装置。
  2. 上記シリンダ装置において、上記シリンダロッドに作動媒体の流路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機の掻取装置。
  3. 上記シリンダ装置において、1つの上記シリンダロッドに複数の作動媒体の流路が形成されていて、これらの作動媒体の流路のうちの一部の作動媒体の流路は、上記シリンダ内において上記中心軸線方向に隔絶されて形成される2つの圧力室のうちの一方に連通するとともに、残りの作動媒体の流路は、上記2つの圧力室のうちの他方に連通させられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心分離機の掻取装置。
  4. 上記シリンダ装置において、上記シリンダには複数の上記シリンダロッドが互いに平行に挿入されていて、これらのシリンダロッドのうち少なくとも1つのシリンダロッドが上記中心軸線から偏心した位置に挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遠心分離機の掻取装置。
  5. 上記シリンダ装置において、上記シリンダには複数の上記シリンダロッドが互いに平行に挿入されており、これらのシリンダロッドのうち、一部のシリンダロッドには、上記シリンダ内において上記中心軸線方向に隔絶されて形成される2つの圧力室のうちの一方に連通する作動媒体の流路が、残りのシリンダロッドのうち少なくとも一部のシリンダロッドには、上記2つの圧力室のうちの他方に連通する作動媒体の流路が、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機の掻取装置。
  6. 請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の遠心分離機の掻取装置におけるシリンダ装置。
  7. 基体に支持されて回転させられるバスケット内に供給された処理物を固形分と液分とに遠心分離する遠心分離機であって、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の遠心分離機の掻取装置が備えられていることを特徴とする遠心分離機。
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