JP3347068B2 - 遠心分離機 - Google Patents

遠心分離機

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JP3347068B2
JP3347068B2 JP21131598A JP21131598A JP3347068B2 JP 3347068 B2 JP3347068 B2 JP 3347068B2 JP 21131598 A JP21131598 A JP 21131598A JP 21131598 A JP21131598 A JP 21131598A JP 3347068 B2 JP3347068 B2 JP 3347068B2
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松本  孝
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株式会社松本機械製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速回転している
バスケット内に原液を供給して、該原液を固形物と液分
とに分離する処理を行なう遠心分離機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】医薬品などのファインケミカルの分野で
用いる遠心分離機では、生成された固形物または液分に
細菌や不純物が混入するのを避けるために、密閉された
雰囲気中にバスケットを配置して、バスケットを外部か
ら遮蔽した状態で、原液を固形物と液分とに分離する処
理を行なうようにしている。
【0003】この種の遠心分離機では、内部を密封し得
るように構成されたケーシングが設けられて、該ケーシ
ング内にバスケットが配置される。
【0004】図10は、従来のこの種の遠心分離機の要
部を示したもので、同図において1は底部101と、図
示しない周壁部及び上蓋部とを有するケーシングであ
る。ケーシングの底部101の中央部には、ボス部10
1cがその中心軸線をケーシングの中心軸線に一致させ
た状態で設けられ、該ボス部101cの内側には、主軸
3が該ボス部と中心軸線を共有した状態で配置されてい
る。主軸3は、その先端部をケーシング1内に位置させ
た状態で設けられていて、ボス部101cの上端付近及
び下端付近の内周にそれぞれ保持された軸受4及び4´
により回転自在に支持されている。
【0005】6はケーシング1内に配置されたバスケッ
トで、このバスケットは底部602の中央にボス部60
4を有し、主軸3の先端に形成されたテーパ部3aがバ
スケットの底部のボス部604に設けられたテーパ孔に
嵌合されている。バスケットのボス部604を通して上
方に突出した主軸3の先端にはネジ部3bが設けられ、
該ネジ部3bに螺合されたナット7により、バスケット
6のボス部604が主軸3に締結されている。
【0006】主軸3の後端部にはプーリ8が取り付けら
れていて、該プーリ8と、図示しない回転駆動装置の出
力軸に取り付けられたプーリとにベルト12が掛け渡さ
れている。
【0007】この遠心分離機においては、図示しない回
転駆動装置によりベルト12を介して主軸3及びバスケ
ット6が回転駆動される。バスケット6の回転により、
該バスケット内に供給された原液が固形物と液分とに分
離される。
【0008】この種の遠心分離機は、多くの場合、バス
ケット6の図示しない周壁部の内周に形成された固形物
を掻取るための固形物掻取り装置(図10には図示せ
ず。)を備えていて、該掻取り装置により掻取られた固
形物を真空吸引力等を利用した搬送手段によりバスケッ
トの外部に搬出するようになっている。
【0009】固形物掻取り装置は、軸線を中心とした回
転変位と軸線方向への直線変位とが許容された状態で設
けられて軸線をバスケットの軸線と平行させた状態でケ
ーシングの上蓋部を貫通してバスケット内に挿入された
掻取軸と、掻取軸のバスケット内に位置する端部に取り
付けられた掻取り刃と、掻取軸に嵌合されて該掻取軸の
直線変位を許容しつつ該掻取軸とともに回転し得るよう
に該掻取軸に結合された旋回用ブッシュと、掻取軸を軸
線方向に直線駆動する直線駆動機構と、掻取り刃をバス
ケット内で旋回させるべく旋回用ブッシュを回転駆動す
る回転駆動機構と、掻取軸のケーシング内及びバスケッ
ト内に位置する部分を覆うように設けられたベローズと
を備えていて、内周に固形物が形成されたバスケットを
低速で回転させた状態で、掻取軸を軸線方向に変位させ
ながら掻取り刃をバスケットの周壁部側に旋回させるこ
とにより、該掻取り刃を固形物層内に進入させて、バス
ケットの内周から固形物を掻き落とすようになってい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】医薬品を製造する際に
は、製造機器類をすべて高温のスチームにより滅菌する
ことが義務づけられている。従って、医薬品を製造する
ために用いる遠心分離機においては、生成される固形物
及び(または)液分の品質を向上させるために、固液分
離処理を行うのに先立って、ケーシング内に高温のスチ
ームを供給して、該ケーシング内を滅菌する必要があ
る。
【0011】遠心分離機のケーシング内を高温のスチー
ムにより滅菌する方法をとる場合には、ケーシング内に
充満した高温多湿のスチームが主軸3を伝わって軸受4
側に侵入すると軸受4を劣化させることになるため、ス
チームが軸受4側に侵入するのを防ぐ措置を講じておく
必要がある。
【0012】従来の遠心分離機では、ケーシング1の底
部101に設けられたボス部101cのバスケット側の
開口端部と主軸3との間の隙間を塞ぐように環状の蓋板
Pが取り付けられて、該蓋板Pの内周部と主軸2との間
にフェルトなどからなるオイルシールSが設けられてい
るが、オイルシールでは、高温高圧のスチームが軸受側
に侵入するのを防ぐことはできない。
【0013】そこで、ボス部101cの開口部付近と主
軸3との間の隙間を塞ぐようにメカニカルシールを配設
することも考えられるが、メカニカルシールを用いる
と、バスケットの高速回転に伴って生じるメカニカルシ
ールの摩耗金属粉が固液分離処理により生成された固形
物及び(または)液分に混入するおそれがあるため好ま
しくない。
【0014】また固形物掻取り装置が設けられる場合に
は、ケーシングの上蓋に取り付けられた掻取り装置の機
構部分にスチームが侵入するのを防ぐ必要がある。掻取
軸のケーシング内に位置する部分を覆うようにベローズ
が設けられている場合には、該ベローズにより、掻取軸
を伝わってスチームが掻取り装置の機構部分に侵入する
のを防ぐことはできるが、ベローズとケーシングの上蓋
部との接続部のシールが不完全であると、該接続部を通
して掻取り装置の機構部分にスチームが侵入するおそれ
がある。従って、固形物掻取り装置が設けられる場合に
は、ベローズとケーシングの上蓋部との接続部を通して
掻取り装置の機構部分にスチームが侵入するのを防ぐた
めの手段を更に設けておくのが好ましい。
【0015】本発明の目的は、摩耗金属粉の発生を伴う
ことなく、ケーシング内に供給した高温高圧のスチーム
が主軸の軸受側に侵入するのを確実に防ぐことができる
ようにした遠心分離機を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、固形物掻取り装置が
設けられている場合に、主軸の軸受側にスチームが侵入
するのを防ぐと同時に、掻取り装置の機構部分にスチー
ムが侵入するのを確実に防止することができるようにし
た遠心分離機を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸受保持用ボ
ス部を有する底部と周壁部と上蓋部とを有して内部を密
封し得るように構成されたケーシングと、先端をケーシ
ング内に位置させた状態でボス部の内側に配置されて該
ボス部に保持された軸受により回転自在に支持された主
軸と、ケーシング内に配置されて底部の中央部が主軸の
先端に結合されたバスケットと、主軸を回転駆動する回
転駆動装置とを備えた遠心分離機に係わるものである。
【0018】本発明においては、軸受保持用ボス部のバ
スケット側の端部に気密に接続されたフランジ部と該フ
ランジ部の内径側の端部からバスケット側に突出して主
軸の先端部の外周を環状の隙間を介して取り囲む周壁部
とを有する軸封部材と、該軸封部材の周壁部を環状の隙
間を介して外側から同心的に取り囲むように配置されて
一端がバスケットの底部に気密に接続された軸封ブッシ
ュと、軸封部材の周壁部の外周に気密に嵌合された状態
で軸封部材の周壁部と軸封ブッシュとの間の隙間内に配
置された弁体と、該弁体に軸封用高圧ガスを供給する軸
封ガス供給通路とが設けられている。
【0019】上記弁体は、軸封ブッシュの内周に対向す
る外周側の部分が膜状ないしは板状の弾性材料(ゴムま
たはプラスチック)からなる環状の封止部となってい
て、該弁体の内部には、環状の封止部に沿って伸びる環
状の軸封ガス導入間隙が形成されている。軸封ガス供給
通路は、弁体内の軸封ガス導入間隙に軸封用高圧ガスを
供給するように設けられている。
【0020】上記軸封部材と、軸封ブッシュと、弁体
と、軸封ガス供給通路とにより、主軸を伝わって主軸の
軸受側にスチームが侵入するのを防止する軸封装置が構
成されている。
【0021】上記弁体は、軸封ガス導入間隙内に軸封用
高圧ガスが供給されていないときに封止部が軸封ブッシ
ュの内周に環状の隙間を介して対向した状態を保持し、
軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスが供給されたとき
に封止部が軸封ブッシュの内周に密接するように変形し
て該弁体の軸線方向の両側に存在する空間相互間の連通
を断つように構成されている。
【0022】上記の遠心分離機において、ケーシング内
を滅菌する際には、ケーシングを密閉し、バスケットを
停止させた状態にして、弁体内の軸封ガス導入間隙に軸
封用高圧ガスを供給する。この高圧ガスとしては圧縮空
気を用いればよい。弁体内の軸封ガス導入間隙に高圧ガ
スを供給すると、環状の封止部が軸封ブッシュの内周に
密接するように変形して、弁体の軸線方向の両側に存在
する空間相互間の連通を断つため、高温スチームにより
ケーシング内を滅菌する際に、ケーシング内に充満した
スチームが主軸を伝わって軸受側に侵入するのを確実に
防ぐことができる。ケーシング内の滅菌を終了した後、
軸封ガス導入間隙内への高圧ガスの供給を停止すると、
バスケット側に取り付けられた軸封ブッシュから封止部
が離れて、弁体と軸封ブッシュとの間に隙間が形成さ
れ、固液分離処理を行う際のバスケットの回転に支障を
来さない状態になる。
【0023】バスケット内に原液を供給して、該原液を
固形物と液分との分離する遠心分離機においては、バス
ケットの内周に形成された固形物を掻き取る固形物掻取
り装置を、ケーシングの上蓋部に取り付けることが多
い。
【0024】ケーシングの上蓋に取り付けられる固形物
掻取り装置は、軸線を中心とした回転変位と軸線方向へ
の直線変位とが許容された状態で設けられて軸線をバス
ケットの軸線と平行させた状態でケーシングの上蓋部を
貫通してバスケット内に挿入された掻取軸と、掻取軸の
バスケット内に位置する端部に取り付けられた掻取り刃
と、掻取軸に嵌合されて該掻取軸の直線変位を許容しつ
つ該掻取軸とともに回転し得るように該掻取軸に結合さ
れた旋回用ブッシュと、掻取軸を軸線方向に直線駆動す
る直線駆動機構と、掻取り刃をバスケット内で旋回させ
るべく旋回用ブッシュを回転駆動する回転駆動機構と、
掻取軸のケーシング内及びバスケット内に位置する部分
を覆うように設けられたベローズとを備えることにより
構成される。
【0025】このような固形物掻取り装置が設けられる
場合は、主軸を伝わって該主軸の軸受側にスチームが侵
入するのを防止する軸封装置の外に、更にベローズとケ
ーシングとの接続部を通して掻取り装置内の機構部分に
スチームが侵入するのを防止するための軸封装置を設け
るのが好ましい。
【0026】この場合、主軸を支持する軸受側にスチー
ムが侵入するのを防止する軸封装置は、上記と同様に、
軸封部材と、軸封ブッシュと、軸封部材の周壁部の外周
に気密に嵌合された状態で軸封部材の周壁部と軸封ブッ
シュとの間の隙間内に配置された弁体と、該弁体に高圧
ガスを供給する軸封ガス供給通路とを備えることにより
構成されるが、便宜上、この弁体を主軸側弁体と呼び、
該主軸側弁体に設けられる封止部を主軸側封止部と呼ぶ
ことにする。またこの主軸側弁体の内部に設ける環状の
ガス導入間隙を主軸側軸封ガス導入間隙と呼び、該主軸
側軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスを供給する軸封
ガス供給通路を主軸側軸封ガス供給通路と呼ぶ。
【0027】この場合、掻取り装置のベローズとケーシ
ングとの接続部を通して掻取り装置内の機構部分にスチ
ームが侵入するのを防止する機構は、旋回用ブッシュよ
りもケーシング側の位置で掻取軸を取り囲むように設け
られて旋回用ブッシュとともに回転するように一端が該
旋回用ブッシュに接続された軸封筒体と、軸封筒体を外
側から環状の隙間を介して取り囲むように形成されてケ
ーシングの上蓋部に固定された環状の軸封用ベース板
と、軸封用ベース板の内周に気密に嵌合された状態で軸
封筒体と軸封用ベース板との間の隙間内に配置された掻
取軸側弁体と、該弁体に軸封用高圧ガスを供給する掻取
軸側軸封ガス供給通路とを備えることにより構成され
る。
【0028】上記掻取軸側弁体は、軸封筒体の外周に対
向する部分を弾性材料からなる環状の掻取軸側封止部と
した構造を有していて、その内部には、該掻取軸側封止
部に沿って伸びる環状の掻取軸側軸封ガス導入間隙が形
成されている。また掻取軸側軸封ガス供給通路は、掻取
軸側軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスを供給するよ
うに設ける。
【0029】上記主軸側弁体は、主軸側軸封ガス導入間
隙内に軸封用高圧ガスが供給されていない状態にあると
きに、主軸側封止部が軸封ブッシュの内周に環状の隙間
を介して対向した状態を保持し、主軸側軸封ガス導入間
隙内に軸封用高圧ガスが供給されたときに主軸側封止部
が軸封ブッシュの内周に密接するように変形して該主軸
側弁体の軸線方向の両側に存在する空間相互間の連通を
断つように構成される。
【0030】また掻取軸側弁体は、掻取軸側軸封ガス導
入間隙内に軸封用高圧ガスが供給されていないときに、
掻取軸側封止部が掻取軸の回転変位及び直線変位を妨げ
ない状態(例えば軸封筒体に軽く接した状態)を保持
し、掻取軸側軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスが供
給されたときに、掻取軸側封止部が軸封筒体の外周に密
接するように変形して該掻取軸側弁体の軸線方向の両側
に存在する空間相互間の連通を断つように構成される。
【0031】上記のように、軸封筒体と軸封用ベース板
と掻取軸側弁体とを設けて、該弁体内の軸封ガス導入間
隙内に軸封用高圧ガスを供給することにより掻取軸側弁
体の封止部を軸封筒体側に変形させるように構成する
と、軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスを供給するこ
とにより、掻取軸側封止部を軸封筒体に密接させて、掻
取軸側弁体の両側に存在する空間相互間の連通を断つこ
とができるため、ベローズとケーシングとの接続部を通
して掻取り装置内の機構部にスチームが侵入するのを防
ぐことができる。
【0032】本明細書においては、主軸側封止部が軸封
ブッシュの内周に密接するように変形して該主軸側弁体
の軸線方向の両側に存在する空間の連通を断った状態、
及び掻取軸側封止部が軸封筒体に密接するように変形し
て該掻取軸側弁体の軸線方向の両側に存在する空間の連
通を断った状態を軸封状態と呼ぶことにする。
【0033】上記軸封筒体が回転運動を行うのは、掻取
り刃を旋回させてバスケットの内周から固形物を掻き取
る作業を行なう際だけであり、また掻取り刃の旋回運動
は極低速で行われるものであるため、掻取軸側封止部と
軸封筒体との間の隙間は微小でよく、掻取軸側封止部は
軸受筒体に軽く接触した状態にあってもよい。
【0034】また掻取り刃を旋回させて固形物を掻き取
る作業を行なう時間が、バスケット内への原液の供給か
ら固形物の排出までの全工程を行なうために必要とされ
る全作業時間に占める割合は僅かであるため、常時は掻
取軸側弁体に軸封用高圧ガスを供給して、軸封状態を保
ち、掻取り刃を旋回させるときにのみ該弁体から軸封用
高圧ガスを抜いて軸封状態を解除するようにしてもよ
い。
【0035】本発明においては、更に、上記の構成に加
えて、軸封部材の肉厚部内を通して軸封ブッシュと軸封
部材との間の隙間にパージ用ガスを供給するパージ用ガ
ス供給通路を設けるのが好ましい。この場合、軸封ブッ
シュのボス部側の端部と軸封部材の周壁部との間に該軸
封部材の周壁部に嵌着されたラビリンスブッシュを配置
して、該ラビリンスブッシュの外周を軸封ブッシュの内
周に狭間隙を介して対向させる。ラビリンスブッシュに
は軸封ブッシュ側に開口した複数の環状溝を軸線方向に
並べた状態で設けて、該ラビリンスブッシュと軸封ブッ
シュとによりラビリンスシールを構成する。パージ用ガ
スとしては、弁体や主軸の構成材料等に対して不活性な
ガス(例えばN2 ガス)を用いる。
【0036】上記のようにパージ用ガス供給通路を形成
しておくと、バスケットを高速回転させて固液分離処理
を行なっているときに、原液から発生した腐食性ガスや
ミストなどが弁体や主軸の先端部が露呈されている空間
に侵入するのを阻止することができるため、弁体や主軸
が腐食性ガスに触れて劣化するのを防ぐことができる。
【0037】また上記のように、パージガスに対して軸
封ブッシュと軸封部材との間に設けるシールとしてラビ
リンスシールを用いると、シール部から摺動接触部分を
なくすことができるため、バスケットが回転した際にシ
ール部から金属摩耗粉が生じるのを防ぐことができる。
【0038】上記の例では、ケーシングの底部に主軸を
支持しているが、遠心分離機においては、ケーシングの
上蓋部に主軸を支持する場合もある。ケーシングの上蓋
部に主軸を支持する場合には、ケーシング内に配置した
軸受保持用筒体の上端をケーシングの上蓋部に固定し
て、該筒体内に保持させた軸受により主軸を回転自在に
支持し、軸受保持用筒体の下端から突出した主軸の下端
にバスケットの底部が結合される。主軸を回転駆動する
回転駆動装置は、ケーシングの上蓋部側に配置される。
【0039】このような遠心分離機に本発明を適用する
場合には、軸受保持用筒体の下端部から突出した主軸の
外周に固定された軸封板と、主軸の外周を環状の隙間を
介して取り囲むように形成された弁保持部を有して、該
弁保持部が軸封板よりも下方の位置で軸封板に軸線方向
から対向させられた状態で軸受保持用筒体の下端に気密
に接続された軸封部材と、軸封部材の弁保持部と軸封板
との間の隙間内で主軸を取り囲むように配置されて軸封
部材の弁保持部に気密に接続され、少くとも軸封板に対
向する部分が弾性材料からなる環状の封止部となってい
て、封止部に沿って伸びる環状の軸封ガス導入間隙が内
側に形成された環状の弁体と、該弁体の内側の軸封ガス
導入間隙内に軸封用高圧ガスを供給する軸封ガス供給通
路とを設ける。
【0040】この場合、弁体は、軸封ガス導入間隙内に
軸封用高圧ガスが供給されていないときに軸封板に隙間
を介して対向した状態を保持し、軸封ガス導入間隙内に
軸封用高圧ガスが供給されたときに軸封板に密接するよ
うに変形して弁体の径方向の両側に存在する空間相互間
の連通を断つように構成される。
【0041】この場合も、ケーシング内を滅菌する際に
は、ケーシングを密閉し、バスケットを停止させた状態
にして、弁体内の軸封ガス導入間隙に軸封用高圧ガスを
供給する。弁体の内側の軸封ガス導入間隙に高圧ガスを
供給すると、該弁体の封止部が軸封板に密接するように
変形して、弁体の径方向の両側に存在する空間相互間の
連通を断つため、高温高圧のスチームによりケーシング
内を滅菌する際に、主軸を伝わって軸受側に侵入しよう
としたスチームは、弁体により阻止される。ケーシング
内の滅菌を終了した後、軸封ガス導入間隙内への高圧ガ
スの供給を停止すると、主軸に取り付けられた軸封板か
ら弁体が離れて、弁体と軸封板との間に隙間が形成され
るため、固液分離処理を行う際のバスケットの回転に支
障を来さない状態になる。
【0042】上記のように、ケーシングの上蓋部側に主
軸が支持される遠心分離機においても、ケーシングの上
蓋部に固形物掻取り装置が取り付けられている場合に
は、掻取り装置内の機構部にスチームが侵入するのを防
ぐための機構を前記と同様の構成で設けることが好まし
い。
【0043】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる遠心分離機
の構成例を示したものである。同図において1はケーシ
ングで、このケーシングは、底部101と、周壁部10
2と、周壁部102の上端の開口部を閉じる上蓋部10
3とからなっている。図示の例では、底部101が、傘
状に傾斜した底壁部101aと、該底壁部の外周部に周
設された円筒状の囲い壁101bとを有する形状に形成
されていて、周壁部102の下端に形成された鍔部10
2aが底部101の囲い壁101bに接続されて、周壁
部102と底部101とが気密に結合されている。
【0044】図示の周壁部102は、軸線を垂直方向に
向けた円筒の上端付近を径方向の内側に向けて湾曲させ
て上端の開口部の径を絞った形状を有していて、該周壁
部102の上端の開口部には、環状の端部材102bが
溶接されている。ケーシングの上蓋部103は、周壁部
102の上端にヒンジ結合されていて、端部材102b
の上端に当接してケーシングの上端開口部を気密に閉じ
た状態になる閉位置と、端部材102bから離反してケ
ーシングの上端開口部を開いた状態にする開位置との間
を回動するようになっている。
【0045】なお図示の例では、ケーシング1の上蓋部
103を開閉し得るようにしているが、周壁部102を
底部101にヒンジ結合して、周壁部102及び上蓋部
103からなるカップ状の部分を底部101から離反さ
せるように回動させることにより、ケーシング内を開放
するように構成される場合もある。
【0046】ケーシング1は、ショックアブソーバを内
蔵した少くとも3つの支持装置2により支持されてい
る。ケーシングの底部101の中央部には、ボス部10
1cが形成されている。ボス部101cの内側には、主
軸3がその中心軸線をボス部101cの中心軸線に一致
させた状態で配置され、ボス部101cの上端部及び下
端部の内周にそれぞれ保持された軸受4及び4´によ
り、主軸3が回転自在に支持されている。
【0047】ケーシングの底部101の最も低い位置に
固液分離処理により生じた液分を排出する排出孔が設け
られていて、該排出孔に排液管5が接続されている。
【0048】主軸3には、ケーシング1内に配置された
バスケット6が取り付けられている。バスケット6は、
円筒状に形成された胴部601と、該胴部601の軸線
方向の一端を閉じる底部602と、環状に形成されて胴
部601の軸線方向の他端に固定された円環状の端板6
03とを有しており、胴部601には多数の透過孔(図
示せず。)が形成されている。
【0049】バスケットの底部602の中央にはボス部
604が形成され、該ボス部604に設けられたテーパ
孔に、主軸3の先端に設けられたテーパ部3aが嵌合さ
れている。
【0050】図2(A),(B)は、主軸3とバスケッ
ト6との結合部付近の構造を詳細に示したものである。
これらの図に示されているように、バスケットのボス部
604から上方に突出した主軸3の先端にネジ部3bが
形成され、このネジ部3bにナット7(図1参照)が螺
合されてバスケット6が主軸3に締結されている。ケー
シングのボス部から下方に突出した主軸3の後端部(下
端部)にはプーリ8が取り付けられている。
【0051】ケーシングの底部101にはフレーム9が
連結され、該フレーム9に回転駆動装置10が取り付け
られている。回転駆動装置10は、インバータにより駆
動される電動機や油圧モータ等を駆動源としたもので、
この回転駆動装置の出力軸にはプーリ11が取り付けら
れ、主軸3に取り付けられたプーリ8と回転駆動装置の
出力軸に取り付けられたプーリ11とにベルト12が掛
け渡されている。即ち、主軸3は、プーリ8及び11と
ベルト12とからなる動力伝達手段を介して回転駆動装
置10の出力軸に連結され、該回転駆動装置によりバス
ケット6が回転駆動されるようになっている。
【0052】バスケット6の底部602にはボス部60
4の裾部を取り囲む環状の凹部605が形成され、ケー
シングの上蓋部103を貫通させた状態で設けられた固
形物排出管13の下端が凹部605内に挿入されてい
る。固形物排出管13は図示しないバキューム吸引装置
に接続されていて、バスケット6の底部602の凹部6
05内に集められた固形物が固形物排出管13を通して
外部に吸引排出されるようになっている。
【0053】またケーシングの上蓋部103を貫通した
原液供給パイプ14がバスケット6内に挿入されてい
る。原液供給パイプ14は、図示しない原液タンクにバ
ルブを介して接続されていて、この原液供給パイプから
バスケット6内に固液分離処理を施す原液が供給され
る。
【0054】ケーシングの上蓋部103にはまた固形物
掻取り装置20が取り付けられている。図3ないし図5
(A),(B)に示したように、固形物掻取り装置20
は、ケーシングの上蓋部103の上面に支持された縦長
のケース21を備えている。このケース21は、ケーシ
ングの上蓋部103に対して固定されるフランジ21a1
を下端に有する機構ケース21aと、機構ケース21a
の上端の開口部に嵌合された中間ブッシュ21bと、下
端が中間ブッシュ21bを介して機構ケース21aの上
端に接続された縦長円筒状のシリンダ21cと、シリン
ダ21cの上端の開口部を閉じる蓋板21dとを備えた
もので、その軸線をバスケット6の軸線と平行させた状
態で配置されている。図示の例では、本発明に係わる軸
封装置を構成するために、ケーシングの上蓋部103を
貫通した掻取軸導入孔103aの開口部周辺に、軸封用
ベース板22が配置されている。この軸封用ベース板2
2は、中央部に貫通孔が設けられた金属板からなってい
て、その貫通孔を掻取軸導入孔103aに整合させた状
態で配置されている。軸封用ベース板22の上に機構ケ
ース21aの下端のフランジ21a1が当接され、フラン
ジ21a1と軸封用ベース板22とを貫通したボルト(図
示せず。)がケーシング103に設けられたネジ孔に螺
合されてケース21がケーシングの上蓋部103に締結
されている。なお軸封用ベース板22を備えた軸封装置
の構成については後述する。
【0055】ケース21内には、バスケット6の軸線方
向に伸びる掻取軸25が収容され、該掻取軸25の下端
は、軸封用ベース板22に設けられた貫通孔と、ケーシ
ングの掻取軸導入孔103aとを通してバスケット6内
に挿入されている。掻取軸25はほぼ全長に亘ってネジ
が設けられたネジ棒からなっていて、この掻取軸25に
は、その軸線方向に沿って伸びる溝25aが形成されて
いる。バスケット6内に位置する掻取軸25の下端には
バスケット6の径方向に伸びる旋回アーム26の一端に
固定されたスリーブ26aが嵌合固定され、該旋回アー
ム26の他端に掻取り刃27が取り付けられている。
【0056】掻取軸25のケーシング内に位置する部分
を覆うようにベローズ28が取り付けられている。この
ベローズ28の一端に設けられたフランジ28aは旋回
アーム26の一端に固定されたスリーブ26aに接続さ
れ、該ベローズの他端のフランジ28bは、図5に示す
ように、一端に設けられたフランジ29aが軸封用ベー
ス板22とケーシングの上蓋部103との間に挟み込ま
れた状態で固定されたブッシュ29の内側に嵌合された
フランジ30にボルト止めされている。
【0057】機構ケース21a内には、掻取軸25に嵌
合された旋回用ブッシュ31が配置されている。旋回用
ブッシュ31は、掻取軸25の軸線方向の運動を妨げな
いように設けられていて、機構ケース21aの内周に嵌
合保持されたスリーブ状の軸受メタル32に嵌合されて
回転自在に支持されている。図4に見られるように、旋
回ブッシュ31の内周には突起31aが設けられ、該突
起31aが掻取軸25に設けられた溝25aに嵌合され
て、旋回用ブッシュ31と掻取軸25とが結合されてい
る。
【0058】旋回ブッシュ31にはまた掻取軸25の軸
線方向に間隔をあけて配置された対の旋回アーム33,
33(図3,図4参照)が取り付けられ、これらの旋回
アームの先端には溝33a,33aが形成されている。
【0059】機構ケース21aの側面には旋回用電動機
34及び昇降用電動機35が取り付けられ、これらの電
動機の出力軸にそれぞれ取り付けられたネジ軸36及び
ウォーム37が機構ケース21a内に導入されている。
電動機34の出力軸に取り付けられたネジ軸36にはナ
ット38が螺合され、該ナット38に固定されたピン3
9,39が旋回ブッシュ31に取り付けられた旋回アー
ム33,33にそれぞれ設けられた溝33a,33aに
嵌合されている。
【0060】また外周にウォームホイールの歯が形成さ
れたナット40が掻取軸25に螺合され、、該ナット4
0の外周の歯に電動機35の出力軸に取り付けられたウ
ォーム37が噛み合わされている。
【0061】掻取軸25の上端には、シリンダ21cに
嵌合されたピストン状のスライド部材41がスライド自
在に嵌合され、スライド部材41とシリンダ21cとの
嵌合と、旋回ブッシュ31と軸受メタル32との嵌合に
より、掻取軸25がバスケット6の軸線と平行な状態を
保つように支持されている。
【0062】なお42及び43はそれぞれ掻取軸25が
上限位置及び下限位置に達したことを検出するためにシ
リンダ21cに取り付けられた近接スイッチである。ま
た図4に示した44及び45は、ナット38がネジ36
の軸線方向の一端側及び他端側の限界位置に達したこと
を検出するために機構ケース21aに取り付けられた近
接スイッチであり、これらの近接スイッチによってナッ
ト38が限界位置に達したことを検出することにより、
旋回アーム33が限界位置に達したことを検出するよう
になっている。近接スイッチ42及び43から得られる
検出信号は昇降用電動機35の駆動を制御する図示しな
い制御装置に与えられ、近接スイッチ44及び45から
得られる検出信号は、旋回用電動機34の駆動を制御す
る制御装置に与えられている。
【0063】図示の例では、電動機35、ウォーム37
及びナット40により、掻取軸25を軸線方向に直線駆
動する直線駆動機構が構成されている。また旋回アーム
33、電動機34、ネジ軸36及びナット38により、
掻取り刃27をバスケット6内で旋回させるべく旋回用
ブッシュ31を回転駆動する回転駆動機構が構成されて
いる。
【0064】そして、軸線を中心とした回転変位と軸線
方向への直線変位とが許容された状態で設けられて軸線
をバスケット6の軸線と平行させた状態でケーシング1
の上蓋部103を貫通してバスケット6内に挿入された
掻取軸25と、掻取軸25のバスケット6内に位置する
端部に取り付けられた掻取り刃27と、掻取軸25に嵌
合されて該掻取軸25の直線変位を許容しつつ該掻取軸
25とともに回転し得るように該掻取軸に結合された旋
回用ブッシュ31と、掻取軸25を軸線方向に直線駆動
する直線駆動機構と、掻取り刃27をバスケット6内で
旋回させるべく旋回用ブッシュ31を回転駆動する回転
駆動機構と、掻取軸25のケーシング内及びバスケット
内に位置する部分を覆うように設けられたベローズ28
とにより、固形物掻取り装置20が構成されている。
【0065】上記の固形物掻取り装置において、電動機
34が駆動されてネジ軸36が回転すると、ナット38
がネジ36の長手方向に沿って直線移動し、このナット
38の直線移動に伴って旋回ブッシュ31が回転する。
旋回ブッシュ31が回転すると、掻取軸25がその軸線
を中心として回転するため、バスケット6内で掻取り刃
27が旋回する。また電動機34が駆動されてウォーム
37が回転すると、ナット40が回転し、このナットの
回転に伴って掻取軸25がバスケット6の軸線方向に直
線移動し、掻取刃27がバスケット6内で昇降する。
【0066】本発明においては、ケーシング1内に高温
のスチームを供給して、該ケーシング内の滅菌を行う際
に、スチームが主軸の軸受4側に侵入するのを防止する
ために主軸側軸封装置50(図2A,B参照)が設けら
れ、該スチームが固形物掻取り装置20の機構部に侵入
するのを防止するために掻取り装置側軸封装置70(図
5A,B参照)が設けられている。
【0067】主軸側軸封装置50は、図2(A),
(B)に示したように、ケーシングのボス部101cの
バスケット側の端部に取り付けられた軸封部材51と、
バスケット6の底部に取り付けられた軸封ブッシュ52
と、軸封部材51と軸封ブッシュ52との間に配置され
た主軸側弁体53とにより構成されている。
【0068】更に詳細に説明すると、軸封部材51は、
ケーシング1のボス部101cのバスケット6側の端部
に気密に接続されたフランジ部51aと該フランジ部の
内径側の端部からバスケット6側に突出して主軸3の先
端部の外周を環状の隙間を介して取り囲む周壁部51b
とを有する環状の部材からなっていて、フランジ部51
aがボス部101cの端部にパッキン(図示せず。)を
介して当接されて図示しないボルトによりボス部101
cに締結されている。軸封部材51の周壁部51bのバ
スケット側端部の内周には拡大径部51b1が形成されて
いて、該拡大径部51b1内に軸受4の潤滑油が外部に漏
れるのを防止するためのオイルシール54が配置されて
いる。
【0069】軸封ブッシュ52は、軸封部材51の周壁
部51bを環状の隙間を介して外側から同心的に取り囲
むように設けられていて、その一端に設けられた内フラ
ンジ52aが、ボルト55により、バスケット6の底部
のボス部604の下面に気密に接続されている。
【0070】図2(B)に示したように、主軸側弁体5
3は環状に形成された弁保持部材53aと、弁保持部材
53aの外周に嵌合された環状の弁部材53bとからな
っている。また図示の例では、弁部材53bと弁保持部
材53aとを一体化するために弁部材53bの一端側
(図示の例ではバスケット側)及び他端側にそれぞれ第
1の端板56及び第2の端板57が配置されている。
【0071】更に詳述すると、弁保持部材53aは、ス
テンレス鋼などの金属材料からなっていて、その軸線方
向の一端側及び他端側には、外周部の一定幅の部分の外
径を小さくすることにより段部53a1及び53a2が形成
されている。この弁保持部材53aは、軸封部材51の
周壁部51bの外周にパッキンを介して気密に嵌合され
た状態で軸封部材の周壁部51bと軸封ブッシュ52と
の間の隙間内に配置されている。
【0072】弁部材53bは、ゴムやプラスチックなど
の弾性材料により、断面がコの字形を呈するように形成
されていて、その軸線方向の両端を弁保持部材53aの
軸線方向の両端に形成された段部53a1,53a1に嵌合
させた状態で弁保持部材53aの外周に保持されてい
る。
【0073】第1の端板56は、弁保持部材53a及び
弁部材53bのバスケット側の端面に当接する円板状の
板の外周部に、弁部材53b側に突出した周壁部56a
を形成したもので、その中央部には主軸3を貫通させる
ための孔56bが形成されている。主軸3が第1の端板
56に接触しないようにするため、孔56bの内径は、
主軸3の外径よりも大きく設定されている。
【0074】第1の端板56は、弁保持部材53a及び
弁部材53bのバスケット側の端部(軸線方向の一端)
の端面に当接されるとともに、その周壁部56aが弁部
材53bの外周部に嵌合された状態で配置されて、ボル
ト58により軸封部材51に締結されている。第1の端
板の周壁部56aと弁部材53bとの嵌合により、弁部
材53bのバスケット側(軸線方向の一端側)の端部が
弁保持部材53aの段部53a1に押圧されて、弁部材の
バスケット側の端部が弁保持部材53aに気密に接続さ
れている。
【0075】第2の端板57は、軸封部材51の周壁部
51bの外周に嵌合する円環状の板の外周に弁部材53
bの端部外周に嵌合する周壁部57aを形成したもの
で、この第2の端板57は、弁保持部材53a及び弁部
材53bの軸線方向の他端側の端面に当接された状態で
配置されて、その周壁部57aが弁部材53bの端部外
周に嵌合されている。周壁部57aと弁部材53bとの
嵌合により、弁部材53bの軸線方向の他端側の端部が
弁保持部材53aの段部53a2に押圧されて弁部材53
bの軸線方向の他端が弁保持部材53aに気密に接続さ
れている。
【0076】弁保持部材53aには、弁部材53bの内
側に形成された主軸側軸封ガス導入間隙d1 (図2B参
照)に連通する複数のガス導入孔53cが、該弁保持部
材53aの周方向に等間隔をあけて設けられている。各
ガス導入孔53cは、弁保持部材53aを貫通した状態
で設けられていて、各ガス導入孔53cの弁部材53b
と反対側の端部は、弁保持部材53aの内周部に周設さ
れた環状のガス導入凹部53d内に開口している。
【0077】またケーシング1のボス部101cの肉厚
部内に、上下方向(主軸の軸線方向)に伸びる軸封ガス
供給通路60が形成され、該ガス供給通路60の下端に
は、圧縮空気を供給するための図示しない配管を接続す
るための配管接続部60a(図1参照)が形成されてい
る。更に軸封部材51の肉厚部内には、ボス部101c
の肉厚部内に形成された軸封ガス供給通路60の上端を
弁保持部材53aの内周に形成された環状のガス導入空
間53dに連通させるためのガス供給通路61が形成さ
れ、図示しない高圧ガス供給源からガス供給通路60及
び61とガス導入空間53dと各ガス導入孔53cとを
通して、弁部材53bの内側の軸封ガス導入間隙d1 内
に高圧の軸封ガス(通常は圧縮空気)が供給されるよう
になっている。
【0078】この軸封装置50においては、弁部材53
bにより、主軸側封止部が構成されていて、弁体53内
(弁部材53bと弁保持部材53aとの間)に形成され
た軸封ガス導入間隙d1 内に高圧の軸封ガスが供給され
ていないときには、弁部材(主軸側封止部)53bと軸
封ブッシュ52との間に充分に大きな隙間が形成され、
間隙d1 内に高圧の軸封ガス(通常は圧縮空気)が供給
されたときに、弁部材53bが軸封ブッシュ52の内周
に密接するように変形して主軸側弁体53の軸線方向の
両側に存在する空間相互間の連通を断つようになってい
る。
【0079】ケーシングのボス部101cの肉厚部内に
は更にパージガス供給通路62が形成されている。この
パージガス供給通路62は主軸3の軸線方向に伸びるよ
うに設けられていて、その下端には、パージガスを供給
するための配管を接続するための配管接続部62a(図
1参照)が形成されている。パージガス供給通路62の
上端は軸封部材51の肉厚部内に形成されたパージガス
供給通路63と第1の端板56に形成された孔とを通し
て、軸封部材51とバスケットの底部のボス部604と
軸封ブッシュ52とにより囲まれた空間gに接続されて
いる。
【0080】また軸封ブッシュ52のボス部101c側
の端部と軸封部材51の周壁部51bとの間に該軸封部
材51の周壁部に嵌着されたラビリンスブッシュ65が
配置されて、該ラビリンスブッシュ65の外周が軸封ブ
ッシュ52の内周に狭間隙を介して対向させられてい
る。ラビリンスブッシュ65には軸封ブッシュ側に開口
した複数の環状溝65a,65a,…が軸線方向に並ん
だ状態で設けられていて、該ラビリンスブッシュ65と
軸封ブッシュ52とによりラビリンスシールが構成され
ている。
【0081】掻取軸側軸封装置70は、図5(A),
(B)に示したように、軸封筒体71と、前記軸封用ベ
ース板22と、軸封筒体71と軸封用ベース板22との
間に設けられた掻取軸側弁体72とにより構成されてい
る。
【0082】軸封筒体71は、一端にフランジ71aが
設けられた金属製の筒体からなっていて、この軸封筒体
は、旋回用ブッシュ31よりもケーシング1側の位置で
掻取軸25を取り囲むように設けられて旋回用ブッシュ
31とともに回転するようにそのフランジ71aが該旋
回用ブッシュ31に接続されている。
【0083】軸封用ベース板22は、軸封筒体71を外
側から環状の隙間を介して取り囲むように形成されてい
て、軸封用ベース板22の内周に掻取軸側弁体72が嵌
合されている。
【0084】掻取軸側弁体72は、軸封用ベース板22
の内周にパッキンを介して気密に嵌合された環状の弁保
持部材72aと、該弁保持部材72aの内周に保持され
た環状の弁部材72bとからなっている。
【0085】弁保持部材72aは、ステンレス鋼などの
金属材料からなっていて、その軸線方向の一端寄りの部
分及び他端寄りの部分の内周にはそれぞれ突条部72a1
及び72a2が形成され、弁保持部材72aの外周側には
環状の軸封ガス導入用凹部72a3が周設されている。ま
た弁保持部材72aを貫通させた状態で、複数のガス導
入孔72a4が該弁保持部材の周方向に等間隔をあけて設
けられている。
【0086】弁部材72bは、ゴムやプラスチックなど
の弾性材料により、断面がコの字形を呈するように形成
されていて、その軸線方向の両端72b1及び72b2を弁
保持部材72aの突条部72a1及び72a2の外側に嵌合
させた状態で弁保持部材72aの内周に保持されてい
る。弁部材72bと弁保持部材72aとの間に環状の掻
取軸側軸封ガス導入間隙d2 が形成されている。弁部材
72bは、軸封ガス導入間隙d2 内に軸封用の高圧ガス
が与えられていない状態にあるときに、軸封筒体71の
回転を妨げない程度に軸封筒体71の外周に軽く接した
状態になるように設けられている。
【0087】この掻取軸側弁体72においては、軸封筒
体71の外周に対向する弁部材72bにより掻取軸側封
止部が構成され、軸封ガス導入間隙d2 内に高圧の軸封
ガスが供給されたときに弁部材(封止部)72bが軸封
筒体71の外周に強く押圧された状態で該軸封筒体に密
接するように変形して、弁体72の軸線方向の両側に存
在する空間相互間の連通を断つようになっている。
【0088】図示の例では、軸封筒体71の下端が軸封
用ベース板22よりも更に下方の位置まで伸びるように
設けられていて、該軸封筒体71の下端の内周にネジが
形成され、ベローズ28の上端のフランジ28bが接続
されたフランジ30の内径部側に設けられた周壁部30
aの外周に形成されたネジが軸封筒体71の下端の内周
に形成されたネジに螺合されて、フランジ30と軸封筒
体71とが気密に接続されている。
【0089】軸封用ベース板22の肉厚部内には、掻取
軸側軸封ガス導入間隙d2 内に軸封用高圧ガスを供給す
るための掻取軸側軸封ガス供給通路73が設けられてい
る。このガス供給通路73は、その一端が軸封ガス導入
用凹部72a3に連通し、他端がベース板22の外周部に
開口するように設けられていて、ベース板22の外周部
に開口したガス供給通路73の端部に軸封用高圧ガスを
供給するための図示しない配管を接続する配管接続部7
3aが形成されている。
【0090】なお図5(A)において74は、掻取り装
置のケース21を構成する機構ケース21aのフランジ
部21a1の内周側に配置されたオイルシールである。
【0091】上記の遠心分離機においては、ケーシング
1内に高温高圧のスチームを供給する手段(図示せ
ず。)が設けられていて、原液を固形物と液分とに分離
する処理を行なう前に、ケーシング内の滅菌を行うため
に、ケーシング1内を密封状態にして該ケーシング1内
に高温高圧のスチームを供給する。ケーシング内の滅菌
を行う際には、先ず主軸側軸封ガス供給通路60,61
を通して主軸側弁体53内の軸封ガス導入間隙d1 内に
圧縮空気を供給し、これにより、主軸側弁体53の封止
部(弁部材)53bを軸封ブッシュ52の内周に密接さ
せ、主軸側弁体53の軸線方向の両側に存在する空間相
互間の連通を断つ。
【0092】また掻取軸側軸封ガス供給通路73内を通
して掻取軸側弁体72内の軸封ガス導入間隙d2 内に圧
縮空気を供給し、これにより掻取軸側弁体72の封止部
(弁部材72b)を軸封筒体71の外周に密接させて、
弁体72の軸線方向の両側に存在する空間相互間の連通
を断つ。
【0093】この状態で、ケーシング内に高温のスチー
ムを供給してケーシング内の滅菌を行う。このようにし
てケーシング内の滅菌を行った後、主軸側弁体53内の
軸封ガス導入間隙d1 内への圧縮空気の供給を停止し、
主軸側弁体53の弁部材53bと軸封ブッシュ52との
間に隙間を形成する。このとき掻取軸側弁体72内の軸
封ガス導入間隙d2 内への圧縮空気の供給を停止させて
もよいが、原液の固液分離処理を行なう過程では、掻取
軸25を回転させることはないので、掻取軸側弁体72
内の軸封ガス導入間隙d2 内には、軸封用の高圧ガス
(圧縮空気)を供給したままの状態にしておいてよい。
【0094】次いで、パージ用ガス供給通路62,63
を通してN2 ガスなどの不活性なパージ用ガスを供給
し、軸封部材51と軸封ブッシュ52との間の空間gの
圧力を上昇させ、バスケット6を適当な速度で回転させ
ながら原液供給パイプ14を通してバスケット6内に原
液を供給する。バスケット6内に原液を供給する際に
は、掻取軸25を上昇させておき、掻取り刃27をバス
ケット6の端板603の内周部に相応する位置よりも内
側の位置に退避させておく。
【0095】バスケット6内に原液を供給した後、バス
ケットの回転速度を上昇させて脱液を行ない、原液を固
形物と液分とに分離する。バスケット6の周壁部に形成
された透孔を通して排出される液分は、ケーシング1の
底部に設けられた排液管5を通して外部に排出される。
固液分離処理が終了した後、バスケット6の内周に形成
された固形物に洗浄液を供給して固形物の洗浄を行う。
固形物の洗浄が終了するまでの間に掻取軸側弁体72内
の軸封ガス導入間隙d2 内への軸封ガスの供給を停止し
て、掻取軸25の回転を許容した状態にし、バスケット
を低速回転させた状態で、旋回用電動機34を回転させ
ることにより、掻取軸25を回転させて、掻取り刃27
をバスケット6の周壁部601側に旋回させ、掻取り刃
27をバスケットの内周に形成された固形物層中に進入
させる。これにより固形物をバスケットの内周から掻き
落とす。昇降用電動機35を回転させることにより掻取
軸25を下降させながら、掻取り刃27により固形物を
掻き落とす操作を繰り返して、掻き落した固形物をバス
ケットの底部の凹部605内に集め、凹部605内に集
められた固形物を固形物排出管13により吸引して外部
に搬出する。
【0096】ケーシング1内に高温のスチームを供給し
た際に、主軸3に沿って軸受4側にスチームが侵入する
と、軸受4が劣化するため好ましくない。上記のよう
に、軸封部材51と軸封ブッシュ52と主軸側弁体53
とを設けて、主軸側弁体内の軸封ガス導入間隙d1 に高
圧の軸封ガスを供給することにより、環状の封止部(弁
部材)を軸封ブッシュ52の内周に密接させるように変
形させて、弁体53の軸線方向の両側に存在する空間相
互間の連通を断つことができるようにしておくと、軸封
ガス導入間隙d1 内に供給する軸封ガスの圧力を充分に
高くしておくことにより、高温高圧のスチームをケーシ
ング1内に供給して該ケーシング1内を滅菌する際にケ
ーシング内に充満したスチームが主軸3を伝わって軸受
4側に侵入するのを確実に防ぐことができる。
【0097】また、ケーシング1内に高温スチームを供
給した際には、該スチームがベローズ28とケーシング
の上蓋部103との接続部を通して掻取り装置20の機
構部内に侵入するおそれがある。図示の例では、ベロー
ズ28の上端のフランジ28bが接続されたフランジ3
0とブッシュ29との間にパッキンが配設されている
が、通常用いられているパッキンは高温高圧のガスに対
しては封止能力が低いため、ケーシング内に高温高圧の
スチームが供給された際には、パッキンによる封止が破
れて掻取り装置のケース21側にスチームが侵入するお
それがある。
【0098】上記のように、軸封筒体71と軸封用ベー
ス板22と掻取軸側弁体72とを設けて、該弁体72内
の軸封ガス導入間隙d2 内に軸封用高圧ガスを供給する
ことにより掻取軸側封止部(弁部材72b)を軸封筒体
71側に変形させるように構成しておくと、軸封ガス導
入間隙d2 内に軸封用高圧ガスを供給することにより、
掻取軸側封止部を軸封筒体71に密接させて、掻取軸側
弁体の両側に存在する空間相互間の連通を断つことがで
きるため、ベローズとケーシングとの接続部を通して掻
取り装置内の機構部にスチームが侵入するのを確実に防
ぐことができる。
【0099】上記のように、パージガス供給通路62,
63を設けて、軸封ブッシュ52と軸封部材51との間
の隙間にパージ用ガスを供給するようにしておくと、バ
スケット6を高速回転させて固液分離処理を行なってい
るときに、原液から発生した腐食性ガスやミストなどが
弁体53や主軸3の先端部が露呈されている空間に侵入
するのを阻止することができるため、弁体53や主軸3
が腐食性ガスに触れて劣化するのを防ぐことができる。
【0100】上記の例では、掻取り装置側にも軸封装置
を設けているが、ベローズ28とケーシングの上蓋部1
03との接続部の気密保持構造が高温高圧のスチームに
耐え得るものである場合には、掻取り装置側の軸封装置
を省略することができる。
【0101】上記の例では、主軸側弁体を弁保持部材5
3aと弁部材53bとにより主軸側弁体53を構成した
が、この弁体は、軸封ブッシュ52の内周に対向する外
周側の部分が弾性材料からなる環状の主軸側封止部とな
っているものであればよく、必ずしも上記の構造に限ら
ない。例えば、弁保持部材53aを省略して、弾性材料
により断面がコの字形を呈するように形成された環状の
部材(上記の例の弁部材53b)のみにより主軸側弁体
を構成するようにしてもよい。
【0102】同様に、掻取軸側弁体も、弁保持部材72
aを省略して弁部材72bのみにより構成することがで
きる。
【0103】上記の例では、主軸側軸封ガス導入間隙d
1 に軸封用ガスを供給する主軸側軸封ガス供給通路の一
部をケーシングのボス部101cの肉厚部内に設けてい
るが、主軸側軸封ガス供給通路は、その少くとも一部を
軸封部材51の肉厚部内に設ける必要はあるが、ケーシ
ングのボス部101c内に設ける必要はない。例えば、
上記の例において、ボス部101cの外側または内側
に、軸封部材51の肉厚部内のガス供給通路61に軸封
ガスを供給する配管を設けて、該配管と軸封部材51内
のガス供給通路61とにより、主軸側ガス供給通路を構
成するようにしてもよい。
【0104】上記の例では、ケーシング1の底部に主軸
を支持しているが、本発明は、ケーシングの上蓋部に主
軸を支持する形式の遠心分離機にも適用することができ
る。図6ないし図8は、ケーシングの上蓋部に主軸を支
持する形式の遠心分離機に本発明を適用した例を示した
もので、図6はその全体的な構成を示した断面図、図7
は、主軸の下端側の軸受部分を拡大して示した拡大断面
図、図8は図7のA部付近の拡大断面図である。
【0105】図6において1´はケーシングで、このケ
ーシングは、底部101´と、円筒状の周壁部102´
と、上蓋部103´とを有し、底部101´の中央には
固形物排出口101e´が形成されている。この固形物
排出口101e´は、ケーシング内をスチームにより滅
菌する際に蓋板101f´により閉じることができるよ
うになっている。
【0106】ケーシング1´はショックアブソーバを内
蔵した少くとも3つの支持装置2´により支持されてい
る。ケーシングの底部101´は傾斜した状態で設けら
れていて、その最も低い位置に固液分離処理により生じ
た液分を排出する排出孔が設けられ、該排出孔に排液管
5´が接続されている。
【0107】ケーシング1´の上蓋部103´には軸受
保持用筒体80の上端が接続され、該軸受保持用筒体8
0内に保持された軸受81(図7参照)により主軸3´
が回転自在に支持されている。バスケット6´は、多数
の透孔を有する周壁部601´と、周壁部601´の下
端側及び上端側にそれぞれ設けられた底部602´及び
環状の端部壁603´とを有する籠形のもので、その周
壁部601´の中心軸線を主軸3´の中心軸線と一致さ
せた状態でケーシング内に配置されている。
【0108】バスケット6´の底部602´の中央部に
は、周壁部601´と同心的に伸びる円環状の囲い壁6
02a´により囲まれた固形物排出口602b´が形成
されている。固形物排出口602b´の中心部には、放
射状に設けられた複数のリブ602c´を介して囲い壁
602a´に連結されたボス部602d´が設けられ、
該ボス部602d´に、軸受保持用筒体80の下端から
突出した主軸3´の下端が嵌合されるとともに、ボルト
82によりボス部602d´と主軸3´とが締結され
て、主軸3´の下端とバスケット6´の底部とが結合さ
れている。
【0109】ケーシング1´の上蓋部103´の上に
は、電動機などを駆動源とした回転駆動装置83が配置
されていて、該回転駆動装置82の出力軸が主軸3´に
連結され、この回転駆動装置83によりバスケット6´
が回転駆動される。
【0110】またケーシングの上蓋部103´には、固
形物掻取り装置20´が取り付けられている。この掻取
り装置20´は、図1に示した遠心分離機に設けられて
いたものと同様の構造のもので、バスケット6´の軸線
方向に伸びる掻取軸25´と、バスケット6´内に位置
する掻取軸25´の下端に旋回アーム26´を介して取
り付けられた掻取り刃27´と、旋回用電動機34´及
び昇降用電動機35´を駆動源として、掻取り軸25´
の旋回と昇降とを行なわせる旋回機構及び昇降機構とを
備えている。
【0111】またケーシングの上蓋部103´には、バ
スケット6´内に原液を供給する原液供給パイプ14´
が取り付けられている。
【0112】軸受保持用筒体80の下端には、ケーシン
グ1´内を高温高圧のスチームにより滅菌する際に、主
軸3´の外面を伝わって軸受保持用筒体80内の軸受に
スチームが侵入するのを防ぐための軸封装置85が取り
付けられている。
【0113】この軸封装置85は、図8に示したよう
に、軸受保持用筒体80の下端部から突出した主軸3´
の外周に固定された軸封板86と、主軸3´の外周を環
状の隙間gを介して取り囲むように形成された弁保持部
87b3を有して、該弁保持部87b3が軸封板86よりも
下方の位置で軸封板86に軸線方向から対向させられた
状態で軸受保持用筒体80の下端に気密に接続された軸
封部材87と、軸封部材87の弁保持部87b3と軸封板
86との間の隙間内で主軸3´を取り囲むように配置さ
れて軸封部材87の弁保持部87b3に気密に接続された
弁体88と、弁体88の内側に形成された軸封ガス導入
間隙88a内に軸封用高圧ガスを供給する軸封ガス供給
通路89とからなっている。
【0114】更に詳細に説明すると、軸封板86は小径
部86aと大径部86bとを有する円環状の板からなっ
ていて、小径部86aを上側に向けた状態で、主軸3´
の外周に嵌合されている。軸封板86の小径部86aを
径方向に貫通させた状態で複数のネジ孔が形成され、各
ネジ孔にねじ込まれた止めネジ90により、軸封板86
が主軸3´に固定されている。軸封板86の内周部と主
軸3´との間にはパッキン91が配設され、軸封板86
にネジ止めされたパッキン押え板92によりパッキン9
1が押圧されている。パッキン91は、パッキン押え板
92により圧縮されてその厚みが縮小されることにより
主軸3´の外周にきつく当接させられている。これによ
り主軸3´と軸封板86の内周部との間がシールされ
て、高温高圧のスチームが軸封板86と主軸3´との間
を通して軸受保持用筒体80内に侵入するのが防止され
る。
【0115】軸封部材87は、軸受保持用筒体80の下
端の開口部を塞ぐように設けられて該筒体80に固定さ
れた蓋板87aと、該蓋板87aに上端が結合された主
部材87bと、主部材87bの下端に当接された端板8
7cとからなっている。
【0116】蓋板87aは、主軸3´を隙間を介して取
り囲むように配置された環状の蓋板部87a1と、該蓋板
部87a1の外周部より径方向の内側に寄った位置から軸
線方向に突出した環状の突出部87a2とを有していて、
突出部87a2が軸受保持用筒体80の下端の内周部に嵌
合され、蓋板部87a1がパッキン93を介して軸受保持
用筒体80の下端に当接されている。蓋板87aは、図
示しないネジにより軸受保持用筒体80に締結されてい
る。
【0117】主部材87bは、上端の内径が拡大されて
拡大径部87b1が形成された周壁部87b2と、該周壁部
の下端から径方向の内側に突出するように設けられた環
状の弁保持部87b3とからなっていて、拡大径部87b1
に蓋板87aの蓋板部87a1の外周部を嵌合させ、かつ
周壁部87b2の端面をパッキン94を介して軸受保持用
筒体80の下端面に当接させた状態で配置されている。
【0118】弁保持部87b3は、軸封板86との間に弁
体88を収容するために必要な間隙を形成するように設
けられ、弁保持部87b3の内周部と主軸3´との間には
主軸3´の回転を許容するためのギャップgが形成され
ている。弁保持部87b3の蓋板部87aに対向する部分
の外周寄りの部分にオイル溜め用の溝部87b4が形成さ
れ、該溝部87b4の内側に形成された環状部87b5の上
面に弁体88が固定されている。
【0119】端板87cは、主軸3´を隙間を介して取
り囲むように設けられて、端板87cと主部材87bの
周壁部87b2とを貫通して蓋板87aにネジ込まれたボ
ルト87dにより、端板87cと主部材87bとが蓋板
87aに締結されて、軸封部材87が組み立てられてい
る。
【0120】図示の弁体88は、図9に示したように、
断面がコの字形を呈するように形成されて内側に軸封ガ
ス導入用間隙(溝部)88aが形成された環状部88A
と、該環状部88Aの開口端の内周部及び外周部からそ
れぞれ径方向の内側及び外側に突出した内鍔部88B及
び外鍔部88Cとを一体に有する形状に形成されてい
て、内鍔部88B及び外鍔部88Cが弁保持部87b3の
環状部87b5の上面に当接されてボルト95により該環
状部87b5に締結されている。図示の弁体88はその全
体がゴムなどの弾性材料からなっていて、環状部88A
の天井部が封止部88bとなっている。弁体88は、そ
の軸封ガス導入間隙88b内に軸封用高圧ガスが供給さ
れていないときに軸封板86に隙間を介して対向した状
態を保持し、軸封ガス導入間隙88b内に軸封用高圧ガ
スが供給されたときに軸封板86に密接するように構成
されている。
【0121】弁体88の内側に軸封用高圧ガスを供給す
る軸封ガス供給通路89は、端板87cの肉厚部内を径
方向に伸びるように設けられた孔89aと、軸封部材の
主部材87bの弁保持部87b3の肉厚部内を貫通した孔
89bとからなっていて、孔89aの開口部に図示しな
い高圧ガス供給源からの配管を接続するための配管接続
部89a1が形成されている。
【0122】軸受の潤滑油が漏れるのを阻止するため、
蓋板87aの内周部と主軸3´との間、及び軸封部材8
7の弁保持部87b3の内周部と主軸3´との間にそれぞ
れオイルシール96及び96´が配設されている。
【0123】また端板87cの肉厚部内を径方向に貫通
した状態でパージガス供給通路97が形成され、該パー
ジガス供給通路を通して端板87cと主軸3´との間の
間隙にN2 などの不活性なガスからなるパージ用ガスを
供給して、固液分離処理時にケーシング1´内に生じる
ミスト(霧化した液分)が主軸3´の軸受側に侵入する
のを防止するようにしている。また図示の例では、この
ミストの侵入を阻止するため、主軸3´の端板87cに
近接した位置にポリテトラフルオロエチレン樹脂からな
る環状体98が嵌合されている。この環状体98は、バ
ンド99により締め付けられて主軸3´に固定されてい
る。
【0124】図6ないし図8に示した遠心分離機におい
て、ケーシング1´内を滅菌する際には、該ケーシング
1´の底部に設けられた固形物排出口101e´を閉じ
てケーシング内を密閉し、バスケット6´を停止させた
状態にして、弁体88内の軸封ガス導入間隙88aに軸
封用高圧ガス(圧縮空気)を供給する。弁体88の内側
の軸封ガス導入間隙88aに高圧ガスを供給すると、該
弁体が軸封板86に密接するように変形して、弁体88
の径方向の両側に存在する空間相互間の連通を断つた
め、高温高圧のスチームによりケーシング1´内を滅菌
する際に、主軸3´を伝わって軸受81側に侵入しよう
としたスチームは、弁体88により阻止される。ケーシ
ング1´内の滅菌を終了した後、軸封ガス導入間隙88
a内への高圧ガスの供給を停止すると、主軸3´に取り
付けられた軸封板86から弁体88が離れて、弁体88
と軸封板86との間に隙間が形成されるため、固液分離
処理を行う際のバスケットの回転は支障なく行われる。
【0125】上記の例では、軸受81の潤滑油が主軸3
´を伝わって漏れ出るのを防止するためにオイルシール
96,96´を設けているが、これらのオイルシールを
設けても、バスケットの高速回転中に軸受81の潤滑油
が主軸3´を伝わって漏出するおそれがある。上記の遠
心分離機では、オイルシール96の下方に軸封板86を
設けてあるため、オイルシール96を通して漏出した潤
滑油を軸封板86により遠心方向に飛散させて、オイル
漏れを防止することができる。軸封板86により飛散さ
せられた潤滑油は、オイル溜め用の溝部87b4内に溜め
られるため、外部に漏れ出ることはない。
【0126】図6ないし図8に示した遠心分離機におい
ても、図1ないし図5に示した遠心分離機と同様に、掻
取り装置20´の機構部内にスチームが侵入するのを防
止する軸封装置を設けるのが好ましい。
【0127】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内側に
軸封用高圧ガスが供給される間隙を有して、該間隙内に
高圧ガスが供給されたときに変形して主軸の軸受側への
ガスの侵入を阻止する弁体を設けたので、高温高圧のス
チームによりケーシング内を滅菌する際にケーシング内
に充満したスチームが主軸を伝わって主軸の軸受側に侵
入するのを防いで、スチームにより軸受が劣化するのを
防止することができる利点がある。
【0128】また本発明において、軸封筒体と軸封用ベ
ース板と掻取軸側弁体とを設けて、該弁体内の軸封ガス
導入間隙内に軸封用高圧ガスを供給することにより掻取
軸側弁体の封止部を軸封筒体側に変形させるように構成
した場合には、ベローズとケーシングとの接続部を通し
て掻取り装置内の機構部にスチームが侵入するのをも防
ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる遠心分離機の全体的な構成の一
例を、一部断面して示した正面図である。
【図2】(A)は図1に示した遠心分離機の主軸側の軸
封装置の部分を拡大して示した断面図である。(B)は
(A)の要部を拡大して示した拡大断面図である。
【図3】図1の遠心分離機の固形物掻取り装置の構造の
一例を示した縦断面図である。
【図4】図3に示した掻取り装置の要部の横断面図であ
る。
【図5】(A)は図1の遠心分離機に設けられる掻取り
装置側の軸封装置の構成例を示した断面図である。
(B)は(A)の要部の構造を示す拡大断面図である。
【図6】本発明に係わる他の遠心分離機の全体的な構成
の一例を示した断面図である。
【図7】図6の遠心分離機の主軸の軸受部付近を拡大し
て示した断面図である。
【図8】図7のA部の拡大断面図である。
【図9】図6の遠心分離機で用いる弁体の構造を示した
断面図である。
【図10】従来の遠心分離機の要部を示した断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ケーシング 101 ケーシングの底部 102 ケーシングの周壁部 103 ケーシングの上蓋部 3,3´ 主軸 4,4´ 軸受 6,6´ バスケット 20,20´ 固形物掻取り装置 50 主軸側軸封装置 52 軸封ブッシュ 53 主軸側弁体 53a 弁保持部材 53b 弁部材 d1 主軸側軸封ガス導入間隙 60,61 軸封ガス供給通路 70 掻取り装置側軸封装置 71 軸封筒体 72 掻取軸側弁体 72a 弁保持部材 72b 弁部材 73 掻取軸側軸封ガス供給通路 80 軸受保持用筒体 86 軸封板 87 軸封部材 87b3 弁保持部 88 弁体 88a 軸封ガス導入間隙 88b 封止部 89 軸封ガス供給通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B04B 3/00 B04B 11/08 B04B 15/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受保持用ボス部を有する底部と周壁部
    と上蓋部とを有して内部を密封し得るように構成された
    ケーシングと、先端を前記ケーシング内に位置させた状
    態で前記ボス部の内側に配置されて該ボス部に保持され
    た軸受により回転自在に支持された主軸と、前記ケーシ
    ング内に配置されて底部の中央部が前記主軸の先端に結
    合されたバスケットと、前記主軸を回転駆動する回転駆
    動装置とを備えた遠心分離機において、 前記軸受保持用ボス部の前記バスケット側の端部に気密
    に接続されたフランジ部と該フランジ部の内径側の端部
    から前記バスケット側に突出して前記主軸の先端部の外
    周を環状の隙間を介して取り囲む周壁部とを有する軸封
    部材と、 前記軸封部材の周壁部を環状の隙間を介して外側から同
    心的に取り囲むように配置されて一端が前記バスケット
    の底部に気密に接続された軸封ブッシュと、 前記軸封部材の周壁部の外周に気密に嵌合された状態で
    前記軸封部材の周壁部と前記軸封ブッシュとの間の隙間
    内に配置されていて、前記軸封ブッシュの内周に対向す
    る外周側の部分が弾性材料からなる環状の封止部となっ
    ており、内部には前記封止部に沿って伸びる環状の軸封
    ガス導入間隙が形成された環状の弁体と、 前記軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスを供給する軸
    封ガス供給通路とを具備し、 前記弁体は、前記軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガス
    が供給されていないときに前記封止部が前記軸封ブッシ
    ュの内周に環状の隙間を介して対向した状態を保持し、
    前記軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスが供給された
    ときに前記封止部が前記軸封ブッシュの内周に密接する
    ように変形して前記弁体の軸線方向の両側に存在する空
    間相互間の連通を断つように構成されていることを特徴
    とする遠心分離機。
  2. 【請求項2】 底部と周壁部と上蓋部とを有して内部を
    密封し得るように構成されたケーシングと、前記ケーシ
    ング内に配置されて前記上蓋部に上端が接続された軸受
    保持用筒体と、前記軸受保持用筒体の内側に保持された
    軸受を介して回転自在に支持されていて下端が前記軸受
    保持用筒体の下端から突出した主軸と、前記ケーシング
    内に配置されて底部の中央部が前記主軸の下端に結合さ
    れたバスケットと、前記ケーシングの上蓋部側から前記
    主軸を回転駆動する回転駆動装置とを備えた遠心分離機
    において、 前記軸受保持用筒体の下端部から突出した主軸の外周に
    固定された軸封板と、 前記主軸の外周を環状の隙間を介して取り囲むように形
    成された弁保持部を有して、該弁保持部が前記軸封板よ
    りも下方の位置で前記軸封板に軸線方向から対向させら
    れた状態で前記軸受保持用筒体の下端に気密に接続され
    た軸封部材と、 前記軸封部材の弁保持部と前記軸封板との間の隙間内で
    前記主軸を取り囲むように配置されて前記軸封部材の弁
    保持部に気密に接続され、少くとも前記軸封板に対向す
    る部分が弾性材料からなる環状の封止部となっていて、
    前記封止部に沿って伸びる環状の軸封ガス導入間隙が内
    側に形成された環状の弁体と、 前記弁体の内側の軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガス
    を供給する軸封ガス供給通路とを具備し、 前記弁体は、前記軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガス
    が供給されていないときに前記軸封板に隙間を介して対
    向した状態を保持し、前記軸封ガス導入間隙内に軸封用
    高圧ガスが供給されたときに前記軸封板に密接するよう
    に変形して前記弁体の径方向の両側に存在する空間相互
    間の連通を断つように構成されていることを特徴とする
    遠心分離機。
  3. 【請求項3】 軸受保持用のボス部を有する底部と周壁
    部と上蓋部とを有して内部を密封し得るように構成され
    たケーシングと、先端を前記ケーシング内に位置させた
    状態で前記ボス部の内側に配置されて該ボス部に保持さ
    れた軸受により回転自在に支持された主軸と、前記ケー
    シング内に配置されて底部の中央部が前記主軸の先端に
    結合されたバスケットと、前記主軸を回転駆動する回転
    駆動装置と、前記バスケットの内周に形成された固形物
    を掻き取るために前記ケーシングの上蓋部に取り付けら
    れた固形物掻取り装置とを備え、 前記固形物掻取り装置は、軸線を中心とした回転変位と
    軸線方向への直線変位とが許容された状態で設けられて
    軸線を前記バスケットの軸線と平行させた状態で前記ケ
    ーシングの上蓋部を貫通して前記バスケット内に挿入さ
    れた掻取軸と、前記掻取軸のバスケット内に位置する端
    部に取り付けられた掻取り刃と、前記掻取軸に嵌合され
    て該掻取軸の直線変位を許容しつつ該掻取軸とともに回
    転し得るように該掻取軸に結合された旋回用ブッシュ
    と、前記掻取軸を軸線方向に直線駆動する直線駆動機構
    と、前記掻取り刃を前記バスケット内で旋回させるべく
    前記旋回用ブッシュを回転駆動する回転駆動機構と、前
    記掻取軸の前記ケーシング内及びバスケット内に位置す
    る部分を覆うように設けられたベローズとを備えている
    遠心分離機において、 前記ケーシングのボス部の前記バスケット側の端部に気
    密に接続されたフランジ部と該フランジ部の内径側の端
    部から前記バスケット側に突出して前記主軸の先端部の
    外周を環状の隙間を介して取り囲む周壁部とを有する軸
    封部材と、 前記軸封部材の周壁部を環状の隙間を介して外側から同
    心的に取り囲むように配置されて一端が前記バスケット
    の底部に気密に接続された軸封ブッシュと、 前記軸封部材の周壁部の外周に気密に嵌合された状態で
    前記軸封部材の周壁部と前記軸封ブッシュとの間の隙間
    内に配置されていて、前記軸封ブッシュの内周に対向す
    る外周側の部分が弾性材料からなる環状の主軸側封止部
    となっており、内部には該主軸側封止部に沿って伸びる
    環状の主軸側軸封ガス導入間隙が形成されている主軸側
    弁体と、 前記主軸側軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスを供給
    するように設けられた主軸側軸封ガス供給通路と、 前記旋回用ブッシュよりもケーシング側の位置で前記掻
    取軸を取り囲むように設けられて前記旋回用ブッシュと
    ともに回転するように該旋回用ブッシュに接続された軸
    封筒体と、 前記軸封筒体を外側から環状の隙間を介して取り囲むよ
    うに形成されて前記ケーシングの蓋部に固定された環状
    の軸封用ベース板と、 前記軸封用ベース板の内周に気密に嵌合された状態で前
    記軸封筒体と前記軸封用ベース板との間の隙間内に配置
    されていて、前記軸封筒体の外周に対向する部分が弾性
    を有する環状の掻取軸側封止部となっており、内部には
    該掻取軸側封止部に沿って伸びる環状の掻取軸側軸封ガ
    ス導入間隙が形成されている掻取軸側弁体と、 前記掻取軸側軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスを供
    給するように設けられた掻取軸側軸封ガス供給通路とを
    具備し、 前記主軸側弁体は、前記主軸側軸封ガス導入間隙内に軸
    封用高圧ガスが供給されていない状態にあるときに前記
    軸封ブッシュとの間に環状の隙間を形成し、前記主軸側
    軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスが供給されたとき
    に前記主軸側封止部が前記軸封ブッシュの内周に密接す
    るように変形して前記主軸側弁体の軸線方向の両側に存
    在する空間相互間の連通を断つように構成され、 前記掻取軸側弁体は、前記掻取軸側軸封ガス導入間隙内
    に軸封用高圧ガスが供給されていないときに前記掻取軸
    側封止部が前記掻取軸の回転変位及び直線変位を妨げな
    い状態を保持し、前記掻取軸側軸封ガス導入間隙内に軸
    封用高圧ガスが供給されたときに前記掻取軸側封止部が
    前記軸封筒体の外周に密接するように変形して前記掻取
    軸側弁体の軸線方向の両側に存在する空間相互間の連通
    を断つように構成されていることを特徴とする遠心分離
    機。
  4. 【請求項4】 底部と周壁部と上蓋部とを有して内部を
    密封し得るように構成されたケーシングと、前記ケーシ
    ング内に配置されて前記上蓋部に上端が接続された軸受
    保持用筒体と、前記軸受保持用筒体の内側に保持された
    軸受を介して回転自在に支持されていて下端が前記軸受
    保持用筒体の下端から突出した主軸と、前記ケーシング
    内に配置されて底部の中央部が前記主軸の下端に結合さ
    れたバスケットと、前記主軸を回転駆動する回転駆動装
    置と、前記バスケットの内周に形成された固形物を掻き
    取るために前記ケーシングの上蓋部に取り付けられた固
    形物掻取り装置とを備え、 前記固形物掻取り装置は、軸線を中心とした回転変位と
    軸線方向への直線変位とが許容された状態で設けられて
    軸線を前記バスケットの軸線と平行させた状態で前記ケ
    ーシングの上蓋部を貫通して前記バスケット内に挿入さ
    れた掻取軸と、前記掻取軸のバスケット内に位置する端
    部に取り付けられた掻取り刃と、前記掻取軸に嵌合され
    て該掻取軸の直線変位を許容しつつ該掻取軸とともに回
    転し得るように該掻取軸に結合された旋回用ブッシュ
    と、前記掻取軸を軸線方向に直線駆動する直線駆動機構
    と、前記掻取り刃を前記バスケット内で旋回させるべく
    前記旋回用ブッシュを回転駆動する回転駆動機構と、前
    記掻取軸の前記ケーシング内及びバスケット内に位置す
    る部分を覆うように設けられたベローズとを備えている
    遠心分離機において、 前記軸受保持用筒体の下端部から突出した主軸の外周に
    固定された軸封板と、 前記主軸の外周を環状の隙間を介して取り囲むように形
    成された弁保持部を有して、該弁保持部が前記軸封板よ
    りも下方の位置で前記軸封板に軸線方向から対向させら
    れた状態で前記軸受保持用筒体の下端に気密に接続され
    た軸封部材と、 前記軸封部材の弁保持部と前記軸封板との間の隙間内で
    前記主軸を取り囲むように配置されて前記軸封部材の弁
    保持部に気密に接続され、少なくとも前記軸封板に対向
    する部分が弾性材料からなる環状の主軸側封止部となっ
    ていて、前記主軸側封止部に沿って伸びる環状の主軸側
    軸封ガス導入間隙が内側に形成された環状の主軸側弁体
    と、 前記主軸側弁体の内側の主軸側軸封ガス導入間隙内に軸
    封用高圧ガスを供給する主軸側軸封ガス供給通路と、 前記旋回用ブッシュよりもケーシング側の位置で前記掻
    取軸を取り囲むように設けられて前記旋回用ブッシュと
    ともに回転するように該旋回用ブッシュに接続された軸
    封筒体と、 前記軸封筒体を外側から環状の隙間を介して取り囲むよ
    うに形成されて前記ケーシングの蓋部に固定された環状
    の軸封用ベース板と、 前記軸封用ベース板の内周に気密に嵌合された状態で前
    記軸封筒体と前記軸封用ベース板との間の隙間内に配置
    されていて、前記軸封筒体の外周に対向する部分が弾性
    を有する環状の掻取軸側封止部となっており、内部には
    該掻取軸側封止部に沿って伸びる環状の掻取軸側軸封ガ
    ス導入間隙が形成されている掻取軸側弁体と、 前記掻取軸側軸封ガス導入間隙内に軸封用高圧ガスを供
    給するように設けられた掻取軸側軸封ガス供給通路とを
    具備し、 前記主軸側弁体は、前記主軸側軸封ガス導入間隙内に軸
    封用高圧ガスが供給されていないときに前記軸封板に隙
    間を介して対向した状態を保持し、前記主軸側軸封ガス
    導入間隙内に軸封用高圧ガスが供給されたときに前記主
    軸側封止部が前記軸封板に密接するように変形して前記
    主軸側弁体の径方向の両側に存在する空間相互間の連通
    を断つように構成され、 前記掻取軸側弁体は、前記掻取軸側軸封ガス導入間隙内
    に軸封用高圧ガスが供給されていないときに前記掻取軸
    側封止部が前記掻取軸の回転変位及び直線変位を妨げな
    い状態を保持し、前記掻取軸側軸封ガス導入間隙内に軸
    封用高圧ガスが供給されたときに前記掻取軸側封止部が
    前記軸封筒体の外周に密接するように変形して前記掻取
    軸側弁体の軸線方向の両側に存在する空間相互間の連通
    を断つように構成されていることを特徴とする遠心分離
    機。
  5. 【請求項5】 前記軸封部材の肉厚部内を通して前記軸
    封ブッシュと軸封部材との間の隙間にパージ用ガスを供
    給するパージ用ガス供給通路が更に設けられ、 前記軸封ブッシュの前記ボス部側の端部と前記軸封部材
    の周壁部との間に該軸封部材の周壁部に嵌着されたラビ
    リンスブッシュが配置されて、該ラビリンスブッシュの
    外周が前記軸封ブッシュの内周に狭間隙を介して対向さ
    せられ、 前記ラビリンスブッシュには前記軸封ブッシュ側に開口
    した複数の環状溝が軸線方向に並んだ状態で設けられて
    いて、該ラビリンスブッシュと前記軸封ブッシュとによ
    りラビリンスシールが構成されている請求項1または3
    に記載の遠心分離機。
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