JP5576366B2 - グルタルアルデヒドの製造 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年6月19日に出願された米国仮特許出願第61/073,885号(引用することによってその全体を本明細書中に組み入れる)からの優先権の利益を主張する。
発明の分野
本発明はグルタルアルデヒドの製造方法に関する。
グルタルアルデヒドは、工業的規模では、酸触媒及び水の存在下における2−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(MDP)の加水分解によって製造されている。粗製加水分解生成物は蒸留されて、メタノール塔頂留出物流(それ自体は、他の工業プロセスに循還させて使用するのに適当な反応副生成物である)と、水中にグルタルアルデヒドを含むテール生成物が生成される。グルタルアルデヒドは、例えば殺生物剤として又は革なめしにおいて使用される重要な化学物質である。
グルタルアルデヒドの既知の製造方法では、未反応のMDP出発原料の一部が、蒸留プロセスによってメタノール副生成物と共に、除去される。その量は一般的に少ないが、蒸留メタノール中にMDPが存在することは、多くの理由から望ましくない。その理由としては、MDP損失の結果としてアルデヒドの収率が低下すること、並びにMDPが、前述のように他の工業プロセスに循還可能であってそのプロセスにおいて、有用な物質であるメタノール副生成物の混入物質であることが挙げられる。
本発明は現在のグルタルアルデヒド製造方法の前記欠点に取り組むものである。
本発明はグルタルアルデヒドの製造方法を提供する。この方法は、
(a)容器中で80〜120℃において、式I:
Figure 0005576366
(式中、RはC1〜C20アルキルである)
のアルコキシジヒドロピラン化合物、水及び酸性触媒を含む反応混合物を反応させて、グルタルアルデヒド及び前記アルコキシジヒドロピラン化合物のアルコキシ基に対応するアルコールを形成せしめ;
(b)前記反応混合物から、アルコール及び未反応アルコキシジヒドロピラン化合物を含む留出物を除去し(ここで、前記除去は蒸留カラムを用いて実施する);
(c)前記留出物を、前記蒸留カラムの外部に配置された不均質触媒と接触させることによって、前記アルコキシジヒドロピラン化合物の少なくとも一部をそこで反応させ;そして
(d)工程(c)の留出物の少なくとも一部を前記蒸留カラムに戻す
ことを含んでなる。
図1は本発明の方法の実施に使用できる装置の1つの例示態様の概略図である。 種々の位置への不均質触媒の配置を示す装置の概略図である。 グルタルアルデヒド製造方法に対する、不均質触媒の位置の影響を試験するための装置の概略図である。
前述のように、本発明は、グルタルアルデヒドの製造方法を提供する。本発明の方法の重要な特徴は、グルタルアルデヒド反応混合物からのアルコールの蒸留中にアルコール副生成物と共に持ち越される未反応のアルコキシジヒドロピラン化合物を効率的に加水分解させるために不均質触媒を使用することである。不均質触媒は、カラム留出物の少なくとも一部を触媒と接触させることができるように、蒸留カラムの外部に配置する。留出物流中のアルコキシジヒドロピランを加水分解させることによって、この方法は、グルタルアルヒドの収率を有利に増加させ、また、アルコキシジヒドロピランの混入がより少ないアルコール副生成物を提供する。
本発明において使用する蒸留カラムは、副生成物アルコールからグルタルアルヒド及び水の望ましい分離を行うのに充分な理論段(典型的には少なくとも2段、より典型的には少なくとも20段)を含む多段構成であるのが好ましい。本発明によれば、カラムからの留出物の少なくとも一部が不均質触媒と接触できるならば、不均質触媒は蒸留カラムの外部の任意の位置に配置できる。例えば、前記触媒はコンデンサー、コンデンサー受け器又は凝縮液還流流れラインのような、典型的に装着されるカラムの塔頂留出物還流系内に配置できる。更なる例として、前記触媒を蒸留カラムに隣接させて配置し、それによってカラムの供給棚段の上方のいずれかの棚段からの液体又は蒸気流を不均質触媒に通し、次いで適当な箇所でカラムに戻すことができる。このような箇所は、典型的には、除去箇所と同じ棚段、又は除去箇所のすぐ隣の棚段の1つである。
本発明に係る不均質触媒の位置付けは、特に前記触媒を蒸留カラムの塔頂留出物還流部分に配置する場合に有利である。これは、未転化のアルコキシジヒドロピランがこの箇所では比較的に濃縮されており、従ってグルタルアルヒドへの最終的な転化が改善されるためである。重要なことは、不均質触媒を本明細書中に記載したように位置付けることによって、グルタルアルヒド生成物をほとんど着色することなく、前記利点が達成されることである。これとは対照的に、蒸留カラム内への前記触媒の位置付けは、かなりの濃度のグルタルアルヒドが存在する蒸留カラム下部に配置する場合には特に、グルタルアルデヒドの重合をもたらし、グルタルアルデヒド及び関連反応混合物成分に対する触媒の作用によって流れに着色を生じる。蒸留カラムへの供給ライン中への触媒の位置付けは、その流れに着色が生じる可能性があるので、それほど有利ではない。
前記不均質触媒は、一般に、固体担体に担持された有機又は無機酸である。酸性種は、それを流れ過ぎる液体流中にそれほど浸出すべきでなく、固体担体は、結合した酸及びそれが接触する液体流の存在下で安定でなければならない。好ましいのは、酸官能化樹脂ビーズ(酸性イオン交換樹脂がその一例である)又は酸官能性を示すゼオライト若しくはクレイである。最も好ましいのは、DOWEX MSC−1(The Dow Chemical Companyから入手可能)及びAmberlyst 15(Rohm & Haasから入手可能)のような酸性イオン交換樹脂である。このような最も好ましい触媒は、触媒と接触する流れ中に酸性種をそれほど増やさない。
不均質触媒は、触媒への留出物の到達を容易にする種々の形態で供給できる。例えば、触媒は釜、反応器中に存在することもできるし、触媒床、フィルター又はスラリーの形態であることもできる。どのような形態であっても、流動流(flowing stream)と触媒とを充分に接触させるものでなければならない。流れの入口に不均質触媒が充填若しくは部分充填された液体分配器を有し、次に、蒸留カラムに戻される流れと共に不均質触媒が反応器から流出するのを防ぐ濾過又は篩い分け装置を有する釜又は反応器が好ましい。
本発明に望ましい不均質触媒の量はいくつかの要因に左右され、その量は当業者ならば容易に決定できる。このような要因としては、1)流動液体と触媒の間の滞留時間(接触時間);2)液体、従って触媒の温度;及び3)触媒上の酸性サイトの濃度(多くの場合、樹脂床体積cm3当たりのミリ当量で表される)が挙げられる。非限定的な例としては、樹脂酸度(acidity)が0.1〜2ミリ当量/cm3(樹脂床)である場合には、触媒床内の典型的な滞留時間は10秒又はそれ以上であることができ、塔頂還流流れ(overhead reflux stream)の典型的な温度は40〜60℃であることができる。
本発明の方法は、式I:
Figure 0005576366
(式中、RはC1〜C20アルキルである)
のアルコキシジヒドロピラン化合物からのグルタルアルデヒドの製造に有用である。Rは好ましくはC1〜C6アルキル、より好ましくはC1〜C3アルキルである。最も好ましくは、Rはメチルである(従って、この化合物は2−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(MDP)である)。MDPを用いた場合、アルコール副生成物はメタノールである。
グルタルアルデヒドを製造するためには、式Iのアルコキシジヒドロピランを酸性触媒の存在下で水によって加水分解させる。グルタルアルデヒドを形成する他に、この反応はまた、式R−OHのアルコールを副生成物として形成する。反応に用いる容器の型は重要ではない。好ましい実施態様においては、駆動モーターで駆動される中心軸撹拌機を反応器に装着し、反応器を、連続撹拌槽型反応器(CSTR)として働く、1つ又はそれ以上のセクションに分割する。
反応は、80〜120℃、より好ましくは95〜110℃の温度で実施する。反応時間は、典型的には、約1〜24時間、より典型的には約1〜3時間である。
バルク加水分解(bulk hydrolysis)反応には、有機酸(例えば炭素数1〜10の飽和及び不飽和カルボン酸又はマレイン酸のような多官能価酸)を含む種々の酸性触媒を使用できる。好ましいのは、無機酸、例えばリン酸、ホウ酸、硝酸、硫酸又は酸塩、例えばNaH2PO4である。リン酸が特に好ましい。リン酸は、反応の効率的な触媒作用に適した酸強度をもたらす他に、炭酸水素ナトリウムのような中和剤で部分中和されれば、pH緩衝剤も生成する。約4の緩衝pHは、グルタルアルデヒド生成物を安定化させる。酸触媒の量は、反応器中で0.01〜約0.2重量%の範囲の酸濃度が得られるような量でなければならない。典型的には、酸触媒は約0.1重量%で水と混合し、アルコキシジヒドロピラン化合物と共に反応器に同時供給する。水に加えて又は水の代わりに、アルコール、アルコキシジヒドロピラン又はグルタルアルデヒド/水混合物のような他の溶媒も使用できる。更に追加の水を、好ましくは反応完了時にアルコールの除去後にグルタルアルデヒドが所望の濃度で得られるような量の水を加えることができる。好ましいグルタルアルデヒド濃度は5〜75重量%、より好ましくは25〜65重量%である。
運転中の本発明の方法の例示態様を、図1に示してある。ここで図1を参照すると、アルコキシジヒドロピラン及び水を酸性触媒と共に、反応器をCSTRとするいくつかの内部区画を有する反応器10の一端に供給する。ここで、触媒は好ましくは水又は水の一部と予備混合されて溶液を生成している。反応器10には、中央軸20、インペラー30及び駆動モーター40が更に装着されている。反応器は、好ましくは80〜120℃、より好ましくは約95〜110℃のような高温で運転する。約1〜2時間の反応時間後、反応器流出液を、ポンプ輸送又は圧送によってライン50を経て多段蒸留カラム60に移送する。中間貯蔵容器もライン50で示すことができる。多段蒸留カラム内で、副生成物アルコール及び前述のように微量のアルコキシジヒドロピラン(典型的には2重量%又はそれ以下)をグルタルアルデヒド/水生成物から分離し、系から留出物80として除去する。メタノールを多く含む留出物80をコンデンサー90で凝縮し、次いでその少なくとも一部を不均質触媒70と接触させる。この不均質触媒70は、この例示態様では、蒸留カラムの塔頂留出物還流ライン中に配置してある。この例示態様において、液体を気化させて蒸留カラムに戻すための蒸留リボイラーを100と示してある。グルタルアルデヒド/水テール(残液)流は110と示してある。
蒸留カラムに戻される留出物流80の部分(還流)と不均質触媒70との接触により、留出物80中の未反応アルコキシジヒドロピランの少なくとも一部が流れ中の副生成物アルコール又は水と反応する。水と反応する場合には、グルタルアルデヒドが直接生成される。こうして形成されたグルタルアルデヒドが生成物の全収率を増加させる。グルタルアルデヒド又はアルコキシジヒドロピランは、典型的には、触媒の存在下でアルコールと反応して、ジアルコキシピラン(並びにアセタール、ヘミアセタール、アルデヒドなど)のような他の物質も形成する。ジアルコキシピラン材料は、沸点が比較的高いため、カラムを下降し且つ加水分解して、酸と水の両者が存在するカラム中の供給棚段の下方で、更なるグルタルアルデヒド及びアルコールを形成し、従ってグルタルアルデヒドの収率が増加する。
グルタルアルデヒド残液は、更なる処理を行わずに使用することもできるし、或いは水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムのような塩基で部分中和させて、流れのpHを3〜5のような所望のレベルに調整することによって、残液流の安定性を増加させることもできる。必要に応じて、更なる水又は他の配合成分を加えて、種々のグルタルアルデヒド配合生成物を生成することもできる。
以下の実施例は、本発明の例示であるが、本発明の範囲を限定するものではない。
概要
実施例は、バルク反応からのアルコールの分離に使用する蒸留カラムに対して異なる2つの位置への不均質触媒の配置を比較する。試験した位置を図2に図示してある。「B」は、本発明に係る不均質触媒の位置付けを表す。「A」は、比較のために使用した、本発明でない位置を表す。
不均質触媒の配置の影響をシミュレートするための実験装置を実施例で使用し、それを図3に示してある。図のように、各端部にテフロン(登録商標)継手を有するガラスカラム200(内径1.5cm×長さ約25cm)(カラム−1/8”管材料)のいずれの端部にも不活性担体としてガラスビーズ(3mm)を充填し、中央部に酸性イオン交換樹脂触媒を充填してある。カラムを温度制御された撹拌水浴210中に浸漬する。カラムへの流体は、流量較正ペリスタポンプ220によって供給する。供給ライン230は、316S.S.の1/8”管材料で作り、カラムの入る前の供給材料を加熱するために水浴中でコイル状にしてある。テフロン(登録商標)1/8”管材料240を出口に用い、必要に応じてサンプル容器又は貯蔵容器中に生成物を分取するのに用いる。触媒床の最初から出口管材料の最後までの全流路容積は約20mlである。サンプリングされる生成物がその流速を確実に表すように、供給速度を変化させた後、少なくとも40mlの供給材料(装置体積の約2倍)が処理されるまで系を運転してから、サンプリングを行う。これは、2つの異なる時間においてラン条件をサンプリングすることによって確認する。この2つの時間の間隔は、少なくとも別の20mlの供給材料を処理するのに要する時間である。2つのサンプルが同様な分析結果を示さない場合には、サンプリングが同様な結果を示すまで、サンプリング回数を増やす。これらの例においては、MDPをアルコキシジヒドロピランとして使用する(アルコール副生成物はメタノールである)。
図2のA点の研究に関しては、触媒樹脂床の目的は可能な多くのMDPをグルタルアルデヒドに転化することである。A点で試験した供給材料の典型的な組成はMeOHが約14重量%、グルタルアルデヒドが42重量%、水が42重量%及びMDPが2重量%である。
図2のB点の研究に関しては、触媒樹脂床は、一部のMDPをグルタルアルデヒドに加水分解し且つ残りのMDPを2,6−ジメトキシ−テトラヒドロ−2H−ピランのジアルコキシル化異性体(両者とも、本明細書中ではDMTHPと称する)に加水分解しなければならない。この点で試験した供給材料の典型的な組成はMeOHが約96重量%、水が2重量%及びMDPが2重量%である。
研究した第1の不均質触媒樹脂は、Rohm&HaasのAmberlyst 15−W(水系及び非水系の両方で使用される、スルホン酸基を有する強酸性の高度架橋ポリマー樹脂ビーズ。Wは、樹脂が購入時に水湿潤状態であることを示す)である。第2の樹脂Dowex(登録商標)M−31は、Amberlyst 15−Wと同様である(水系及び非水系の両方で使用される、スルホン酸基を有する強酸性の高度架橋ポリマー樹脂ビーズ)。試験した第3の樹脂は、Dowex(登録商標)MAC樹脂(水系及び非水系の両方で使用される、カルボン酸基を有する酸性の高度架橋ポリマー樹脂ビーズ)である。Dowex(登録商標)MAC樹脂は、「より弱酸の」酸樹脂が強酸触媒と異なる動作をする(特にA点において)かどうかを確認するために、試験対象に含める。
製造プラント温度をシミュレートするために、A点の試験は90〜93℃で、B点の試験は41℃で行う。
ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、各実験の流出液を分析する。
考察: A点におけるラン
強酸触媒(Amberlyst 15−W又はDowex M31)を用いたA点におけるランは、MDPを速やかに転化するが、液体中に直ちに色を生じることがわかる。樹脂はわずか数時間の運転後に暗色にもなる。供給速度を増加させて触媒床中の滞留時間を短縮すると、液体中の色レベルは減少するが、要求されるほど劇的には減少しない。床中の滞留時間は50秒未満であることが必要とされるが、その場合でさえ、樹脂はすぐに変色し、生成物は目に見える色を獲得する。
GC分析は、MDPが大幅に減少し且ついくつかの新しいピークが形成されていることを示している。これらのピークの一部の同一性は、GC/MSを用いて、5,5−ジメトキシペンタン−1−アール(アセタール)及び1,1,5,5−テトラメトキシペンタン(ジアセタール)であると決定づけられる。
「より弱酸の」カルボン酸官能基を有するDowex(登録商標)MAC樹脂を用いると、着色の出現は減少するが、MDPのDMTHPへの転化の触媒にはそれほど効果的でない。
考察: B点におけるラン
これらの実験においては、B点への不均質触媒の位置付けを研究する。メタノール流中MDP2重量%及び水2重量%を、41℃においてDowex(登録商標)M31樹脂の10.6cm3の床に通す。触媒床を通過後の物質を、GCによって分析する。反応生成物のサンプルを、複数の供給速度で採取する。これらの供給速度は、5.7〜56.6hr-1の範囲の体積空間速度[VSV;VSVは流れの体積流速/触媒床の体積と定義し、即ち時間当たりの供給材料(ガロン)/樹脂床(ガロン)であり、単位はhr-1である]に対応する。各GCトレース中のMDPピークに関する面積カウントを用いて、VSVに対するMDPのパーセント転化率を割り出すことができる。データを表1に示す。
Figure 0005576366
重要なことは、実験装置を用いて試験した全ての運転条件下において、酸性触媒をB点に位置付けた場合には、着色がなかったことである。
未反応MDPの多くは再び床を通って流れるため、B点ではMDPをグルタルアルデヒド及びDMTHPに完全に転化する必要がない。例えば、還流比3では、カラム自体の内部ではMDPの転化が起こらないと仮定すれば、このMDPの75%が還流反応器に戻るであろう。還流比が高いほど、すぐに実施される必要がある1回当たりのMDP転化は少ない。
本発明をその好ましい実施態様に関して前述したが、本発明の開示の精神及び範囲内において変更が可能である。従って、本出願は、本明細書中に開示した一般原則を用いた本発明の全ての変形、用途又は適用を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における周知の又は慣例的な実施の範囲に入り且つ添付した「特許請求の範囲」の範囲に入る、本発明の開示からの逸脱も網羅するものとする。
以下に、本発明及びその関連態様を記載する。
態様1.(a)容器中で80〜120℃において、式I:
Figure 0005576366
(式中、RはC 1 〜C 20 アルキルである)
のアルコキシジヒドロピラン化合物、水及び酸性触媒を含む反応混合物を反応させて、グルタルアルデヒド及び前記アルコキシジヒドロピラン化合物のアルコキシ基に対応するアルコールを形成せしめ;
(b)前記反応混合物から、アルコール及び未反応アルコキシジヒドロピラン化合物を含む留出物を除去し(ここで前記除去は蒸留カラムを用いて実施する);
(c)前記留出物を、前記蒸留カラムの外部に配置された不均質触媒と接触させることによって、前記アルコキシジヒドロピラン化合物の少なくとも一部をそこで反応させ;そして
(d)工程(c)の留出物の少なくとも一部を前記蒸留カラムに戻す
ことを含んでなるグルタルアルデヒドの製造方法。
態様2.前記蒸留カラムに、コンデンサー、コンデンサー受け器及び凝縮液還流流れラインを含む塔頂留出物還流系を装着し、且つ前記不均質触媒を前記塔頂留出物還流系中に配置する態様1に記載の方法。
態様3.前記不均質触媒を凝縮液還流流れライン中に配置する態様2に記載の方法。
態様4.前記不均質触媒をコンデンサー受け器中に配置する態様2に記載の方法。
態様5.前記アルコキシジヒドロピラン化合物が2−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピランである態様1〜4のいずれか1項に記載の方法。
態様6.前記不均質触媒が酸官能化樹脂ビーズ、ゼオライト又はクレイである態様1〜5のいずれか1項に記載の方法。
態様7.前記不均質触媒が酸性イオン交換樹脂である態様1〜6のいずれか1項に記載の方法。
態様8.式IのRがメチルである態様1〜7のいずれか1項に記載の方法。

Claims (8)

  1. (a)容器中で80〜120℃において、式I:
    Figure 0005576366
    (式中、RはC1〜C20アルキルである)
    のアルコキシジヒドロピラン化合物、水及び酸性触媒を含む反応混合物を反応させて、グルタルアルデヒド及び前記アルコキシジヒドロピラン化合物のアルコキシ基に対応するアルコールを形成せしめ;
    (b)前記反応混合物から、アルコール及び未反応アルコキシジヒドロピラン化合物を含む留出物を除去し(ここで前記除去は蒸留カラムを用いて実施する);
    (c)前記留出物を、前記蒸留カラムの外部に配置された、固体担体に担持された有機又は無機酸である、不均質触媒と接触させることによって、前記アルコキシジヒドロピラン化合物の少なくとも一部をそこで反応させ;そして
    (d)工程(c)の留出物の少なくとも一部を前記蒸留カラムに戻す
    ことを含んでなるグルタルアルデヒドの製造方法。
  2. 前記蒸留カラムに、コンデンサー、コンデンサー受け器及び凝縮液還流流れラインを含む塔頂留出物還流系を装着し、且つ前記不均質触媒を前記塔頂留出物還流系中に配置する請求項1に記載の方法。
  3. 前記不均質触媒を凝縮液還流流れライン中に配置する請求項2に記載の方法。
  4. 前記不均質触媒をコンデンサー受け器中に配置する請求項2に記載の方法。
  5. 前記アルコキシジヒドロピラン化合物が2−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピランである請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記不均質触媒が酸官能化樹脂ビーズ、ゼオライト又はクレイである請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記不均質触媒が酸性イオン交換樹脂である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 式IのRがメチルである請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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