JP5574995B2 - 綴具 - Google Patents
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Description
本発明は特に、係止用の頭部を有する2本の支柱を支持する基板と、その後辺に連接されて起立する直立板と、この直立板の上辺に枢着された頂板であって、頂部に設けた頭部に弾発的に嵌合する2個の係合部(スナップ係止穴、フック受穴など)を設けた頂板とを有する、プラスチック一体成形の綴具の改良に関する。
また、支柱18の頭部32と頂板12側の受け穴24を正しく整列させるためと、頭部の鈎部と頂板12の鈎部25との間に適正な係止力を確保するために、直立板4の下辺近傍に一定高さの第1の突出部34を形成し、基板8の長手方向に沿って一定高さの弾性の第2の突出部36を形成し、ファイル用綴部の組み立て状態において、前記第1の突出部の頂部38が前記第2の突出部36の頂部近傍の前記直立板4に面する側面40と当接する構成としてある。
さらに、直立板4にはファイルの背部(場合により基板)へ鋲で取り付けるための取り付け穴14を設けてある。
本発明では、従来使用された第1の突出部34や第2の突出部36は使用しない。なぜなら、この構造では、支柱18と頂板12とによる十分な保持力が得られないからである。
本発明はこれに加えて、係止凹部33よりも下位位置でかつ各支柱18の前面側に第2の係止凹部59を設け、それに対応して頂板12の前記受け穴24の内面には係止凹部59に係合する第2の係止爪57を設けることにより、支柱18を前方に引く大きい外力で支柱18が撓んでその頭部32が受け穴24から外れる方向にずれようとしても確実にこれを防止する。これらの係止爪と係止凹部の係合面はなめらかな曲面で接することが望ましいがそれに限定されない。
また、これらの作用を得るためには、頂板12が水平位置にあるときに、頂板12の下面と補強板13の上面は少なくとも受け穴24の周囲で近接しているか、さらに好ましくは接触する必要がある。
これにより、綴具は蝶番部a、bをそれぞれ回転軸として全体を展開することができ、基板8、蝶番部a、直立板4、蝶番部b、及び頂板12がこの順にほぼ平面上に並び、そして支柱18、18と補強板13とはこの平面から直立することになり、プラスチックを使用して綴具の一体成形が可能となる。
このように、本発明の綴具は構造が複雑であるにも拘わらず全ての部材が一回の成形で製作できる構造を有するものであり、製造コストの低減が著しい。また十分な剛性と靱性を有する必要があるので、プラスチック材料としては例えばポリプロピレン等の剛性と靱性の高い任意の材料を成形材料とすることが望ましい。
図3〜9を参照して本発明の第1実施例によるプラスチック製綴具を説明する。図3は頂板を開いた状態の部分斜視図である、図4は同綴具の斜視図、図5は同左側面図、図6は同正面図、図7は同平面図である。一方図8はプラスチック製綴具の成形直後から組み立て前の状態を示す図である。
この補強板13は直立板4と一体的であるので剛性が高く支柱18、18を安定に支持することができる。支柱18、18の頭部はこの補強板13よりも上方へ突出していて、上述のように水平位置にある場合に頂板13の受け穴24に嵌合して保持される。
実施例1の構造はそれ自体で完結しているが、異常に大きい外力が加わった場合には完全には対応できないことが分かった。図10はこの実施例1でも極めて大きい引き外し力が加わった場合に生じる問題点を説明する図である。
図10(A)に示したように、綴じ込んだ分厚い紙片による外力が支柱18に加わらない状態で、頂板12を開閉する際には、係止部材37が支柱18の頭部32に押されて撓み、係止部材37が対抗壁との隙間gが完全には閉鎖されない状態で(或は隙間が完全に閉鎖されても材料の弾性変形の範囲内で)支柱18の頭部32は頂板12の受け穴24に容易に挿脱することができ、また、図10(A)の閉鎖状態では係止部材37の係止爪37’が係合してロック状態が維持される。
一方、頂板12が閉鎖された状態で分厚い紙片による大きな外力(矢印で示す)が支柱18に直角に加わったときには図10(B)のように支柱18の頭部が傾斜し、支柱18の下端が固定されているため頭部32が図のように下がり、隙間gが完全に閉鎖され、ついで保持リブ19が支柱18により前方へあおられて変形し、加わる力がかなり大きくなると、係止凹部33が係止爪37'から外れて、支柱18の完全な脱落が生じる。従ってさらなる改良が望まれる。
図11〜図14の実施例はこの問題も解決する。
図11〜図13に示したように、実施例1と同様に、受け穴24の内壁面には前記係止凹部33に弾発的に係止できる係止爪37’を有する弾性変形可能な係止部材37を設ける。図11に示したように、係止部材37の前後には頂板12を貫通するスロットh、gが形成されているので、係止部材37が弾性的に前後に撓むことができる。後部のスロットgは支柱18の頭部32に係脱する際に撓み代となり、最終的には係止部材37の移動範囲をgに制限している。なお61はリブ19の一部をなす突縁であり、頂板12を図12の状態から引き上げるための指掛けとして使用できるが、任意に設けることができる。
図12のように、係止凹部33よりも下位位置でかつ各支柱18の前面側に第2の係止凹部59を設け、それに対応して頂板12の前記受け穴24の内面には係止凹部59に係合する第2の係止爪57を設ける。これらの係止爪と係止凹部の係合面はなめらかな曲面で接することが望ましいがそれに限定されない。
他方、図14に示したように、支柱18を前方に押す大きい外力Faが作用したときには、支柱18が大きく撓む。支柱18に押されて係止部材37が後退して空隙gがふさがれ、また保持リブ19が支柱18により前方にあおられて受け穴が広がり、軸線方向下方の分力Fbにより支柱18が下方に強く引かれる。しかし、係止突起37'は弾性により下方へ引かれて補強板13に押しつけられるので、係止爪37'は係止凹部33との係合状態を維持し、第2の係止部材57と係止凹部59も係合状態を維持することができる。
他方、図12において係止凹部33と係止部材37を省略し、第2の係止部材57と係止凹部59のみを使用する場合には、支柱18の上端は大きい外力Faが加わったときに実施例2に比して比較的容易に外れてしまう。
h、g 空隙
4 直立板
6、10 ヒンジ
8 基板
11 スリット
12 頂板
13 補強板
14 取り付け穴
15 U字形凹溝
17 前縁
18 支柱
19 頂板の保持リブ
19’ 保持リブの延長部
24 受け穴
32 支柱の頭部
33 係止凹部
37 係止部材(ピン)
37’ 係止部材の係止爪
47 可動操作部
49 鈎状部
50 傾斜面
51 貫通溝
52 開口
53 傾斜面
55 指掛け
57 係止突起
59 係止凹部
61 指掛け部
Claims (4)
- 直立板(4)と、前記直立板の下辺に沿って蝶番運動自在に一体結合された基板(8)と、前記直立板の上辺に沿って蝶番運動自在に一体結合された頂板(12)とを有し、前記基板には紙片の穴に挿通されるべき複数の支柱(18、18)を具備し、前記頂板には該頂板が水平位置まで枢動させたときに前記支柱の頭部を受ける受け穴(24、24)を設けられ、前記直立板の上辺には、水平位置にあるときの前記頂板の下面に近接して且つ前記直立板に直角に補強板(13)が一体に形成され、前記補強板(13)の前縁部(17)には、前記支柱の上端部を丁度受け入れる幅のU字形凹部(15)が形成され、前記頂板(12)の前縁部には、前記頂板(12)の閉鎖状態で前記補強板(13)の前縁部(17)に被さることができる保持リブ(19)が設けられ、
各支柱(18)の頭部(32)の背面側に係止凹部(33)が設けられ、頂板(12)の前記受け穴(24)の内壁面には前記係止凹部(33)に弾発的に係止できる係止爪(37’)を有する弾性変形可能な係止部材(37)が設けられている、プラスチック製の綴具。 - さらに、前記係止凹部(33)よりも下位位置でかつ各支柱(18)の前面側に第2の係止凹部(59)が設けられ、それに対応して頂板(12)の前記受け穴(24)の内面には第2の係止凹部(59)に係合する第2の係止爪(57)が設けられている、請求項1に記載の綴具。
- 前記頂板(12)は、前記水平状態にあるとき少なくとも前記支柱(18)の周辺部で前記補強板(13)に接触している、請求項1又は2に記載の綴具。
- 前記直立板(4)と前記基板(8)とは、前記直立板(4)の下辺に沿って設けた薄肉の蝶番部(a)を介して一体結合されており、また、直立板(4)と頂板(12)とは、直立板(4)の上辺に沿って設けられた薄肉の蝶番部(b)を介して一体結合されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の綴具。
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