JP5574677B2 - グルタミン含有栄養組成物 - Google Patents

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本発明は、グルタミン含有栄養組成物に関し、さらに詳しくは、溶媒に対するグルタミンの分散性を向上させたグルタミン含有栄養組成物に関する発明である。
一般に、アミノ酸の一種であるグルタミンは、腸壁細胞の主要なエネルギー源となることから、胃腸管粘膜保護作用を有することが知られている。また、グルタミンは、免疫担当細胞のエネルギー源となることから、免疫増強作用及び感染防止作用を有することが知られている。したがって、従来より、手術後の感染症の予防を目的として、外傷ストレス、例えば火傷による免疫機能が低下した場合の合併症の予防を目的として、さらには、消化管等の手術の後、静脈栄養から経口栄養への移行において、経口栄養への移行及び回復を早めることを目的として、食品及び内服用の医薬品として使用されてきた。
従来より、特許文献1,2に開示されるグルタミンを含有する栄養組成物が知られている。特許文献1は、例えばグルタミン及び短鎖脂肪酸を含有する腸機能回復剤について開示する。特許文献2は、グルタミンを有効成分として含有する免疫機能の低下を治療するための医薬組成物について開示する。
特表2004−513912号公報 特許第3113877号公報
グルタミンは水溶液中でグルタミン酸とアンモニアに分解され、グルタミン本来の機能が消失する場合がある。したがって、グルタミンを含有する栄養組成物は、例えば粉末顆粒製剤として調製され、使用時に水等に分散させた後、摂取されることが多い。しかしながら、グルタミンは、水への溶解度が20℃で約3.7%と低く、高濃度で投与する場合には沈殿が生じやすい。特に、経管チューブで投与する場合に沈殿により栄養チューブ内の流動性が低下することがあるという問題があった。そこで、グルタミンを溶液中に均一に分散させるため、製剤にアルファ化澱粉等を配合し、溶液に所定の粘度を付与し、グルタミンを溶液中に分散させる方法が知られている。
しかしながら、例えばアルファ化澱粉を添加する方法は、グルタミンを安定に分散させるために、その配合量を多くする必要があり、粉末顆粒製剤中のグルタミンの割合を容易に高めることができないという問題があった。また、アルファ化澱粉は、溶解時に継子(いわゆるダマ)が生じやすいという欠点を有し、溶液に粘度を付与しながら均一に安定分散するまでに時間を要するという問題があった。
本発明は、グルタミンを含有するグルタミン含有栄養組成物において、所定の増粘性多糖類を組み合わせて使用することにより、水溶液に対する溶解性に優れ、短時間で所定の粘度を付与するとともに、グルタミンの分散性も優れることを発見したことに基づくものである。
本発明の目的とするところは、水溶液に対する溶解性に優れ、短時間で所定の粘度を付与するとともに、グルタミンの分散性も優れるグルタミン含有栄養組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明のグルタミン含有栄養組成物は、グルタミンを全固形分に対し30〜50質量%、グアーガム及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一種、並びに増粘性多糖類としてキサンタンガムを含有し、経口剤又は経腸剤として構成されることを特徴とする。
求項に記載の発明は、請求項に記載のグルタミン含有栄養組成物において、前記グルタミン含有栄養組成物中において、前記グアーガム及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一種を全固形分に対し15〜40質量%含有するとともに、キサンタンガムを全固形分に対し0.1〜2質量%含有する。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項に記載のグルタミン含有栄養組成物において、全固形分1質量部に対し、水を1〜10質量部含有することを特徴とする。
本発明によれば、水溶液に対する溶解性に優れ、短時間で所定の粘度を付与するとともに、グルタミンの分散性も優れるグルタミン含有栄養組成物を提供することができる。
以下、本発明のグルタミン含有栄養組成物を具体化した実施形態を説明する。
本実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、所定量のグルタミン、グアーガム及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一種、並びに増粘性多糖類(グアーガム及びその加水分解物を除く)を含有し、さらにマルトデキストリンを配合してもよい。
グルタミンは、手術後の感染症の予防を目的として、火傷等の外傷ストレスによる免疫機能が低下した場合の合併症の予防を目的として、さらには、消化管等の手術の後、静脈栄養から経口栄養への移行でおいて、経口栄養への移行及び回復を早めることを目的として配合される。グルタミンは、遊離のグルタミンの他、グルタミンの誘導体も含まれる。グルタミンの誘導体としては、例えばグルタミンのエステル、グルタミンの塩、並びにグルタミンを含むジペプチド及びトリペプチドが挙げられる。ジペプチドとしては、例えばアラニルグルタミン及びグリシルグルタミン等が挙げられる。
グルタミン含有栄養組成物中におけるグルタミンの配合量は、全固形分に対し遊離のグルタミンとして30〜50質量%、好ましくは35〜45質量%、より好ましくは35〜40質量%である。グルタミンの配合量が30質量%未満の場合、グルタミンを高濃度で生体に投与することができない。一方、グルタミンの配合量が50質量%を超えると、配合する増粘性多糖類の含有量が低下し、グルタミンの溶解・分散性が低下するおそれがある。尚、全固形分とは、溶媒以外のグルタミン、増粘性多糖類等の成分を示す。
グアーガム及びその加水分解物は、他の増粘性多糖類とともにグルタミン含有栄養組成物の固体成分を溶解する溶媒、例えば水に対し、粘度を短時間で付与するとともに、グルタミンを溶媒中に安定に分散させるために配合される。グアーガムは、グアー豆の胚乳部から得られる水溶性の天然多糖類である。グアーガム分解物は、グアーガムの主成分であるガラクトマンナンを加水分解酵素、例えばβ−ガラクトマンナナーゼ、及びβ−D−エンドマンナナーゼにより部分的に加水分解し、低分子化したものである。加水分解の程度は、特に制限されるものではない。グアーガム加水分解物は、アミノ酸等の成分の正常な吸収を妨げることがない。また、グアーガム分解物は、腸内細菌叢を改善する作用を有するため、グルタミンの機能を補助する作用を発揮する。したがって、グアーガム加水分解物とグルタミンを併用することにより、グルタミンが単独使用される製剤に比べ、より高い腸機能回復効果が期待される。
グルタミン含有栄養組成物中におけるグアーガム及びその加水分解物の配合量は、特に限定されないが、全固形分に対し15〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。グアーガム及びその加水分解物の配合量が15質量%未満であるとグルタミンを溶媒中に安定に分散させることができない。グアーガム及びその加水分解物の配合量が40質量%を超えるとグルタミンを粉末顆粒製剤中に高配合することができない。また、グルタミン含有栄養組成物を溶媒に溶解させた時、粘度が高くなりすぎて摂取容易性が低下する場合がある。
増粘性多糖類は、グアーガム及びその加水分解物以外の増粘性多糖類を示し、グルタミン含有栄養組成物の固体成分を溶解する溶媒に対し粘度付与効果を補助するために配合される。増粘性多糖類としては、例えばキサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、コンニャクマンナン、プルラン、ジェランガム、ペクチン、寒天、タマリンド、ファーセラン、タラガム,カシアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、デキストラン、アルギン酸、及びセルロース誘導体から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。セルロース誘導体として、例えばセルロースエーテルであるカルボキシメチルセルロース(CMC)が挙げられるが、溶液に粘度付与効果を有するものであれば、これらに限定されるものではない。
これらの中でキサンタンガムは、グアーガム又はその加水分解物と溶媒、例えば水中で混合すると粘度をより増加させる作用を発揮するため好ましい。キサンタンガムは、増粘効果に優れ、グルタミン含有栄養組成物中における多糖類の配合量を少なくすることができるため、粉末顆粒製剤中におけるグルタミンの配合割合を容易に増加させることができる。
グルタミン含有栄養組成物中における増粘性多糖類の配合量は、使用する増粘性多糖類の種類により適宜設定されるが、全固形分に対し好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜40質量%である。増粘性多糖類の配合量が0.1質量%未満であると、溶媒に対し増粘効果を付与することができない。一方、増粘性多糖類の配合量が50質量%を超えると粉末顆粒製剤中にグルタミンを高配合することができない。また、グルタミン含有栄養組成物を溶媒に溶解させた時、粘度が高くなりすぎて摂取容易性が低下する場合がある。増粘性多糖類としてキサンタンガムが使用される場合、全固形分に対し好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%である。キサンタンガムは、他の増粘性多糖類に比べ、グアーガム又はその加水分解物との併用による増粘効果に優れるため、少量の配合量で効果を発揮することができる。尚、キサンタンガムの配合量が2質量%を超えると溶媒の粘度が上昇し、摂取容易性が低下する場合がある。また、栄養チューブを用いて経管摂取する場合、チューブ内の流動性が低下するおそれがある。また、溶媒に溶解させる際、継子(ダマ)が生じやすくなるおそれがある。
マルトデキストリンは、生体のエネルギー源、及び増量剤又は賦形剤として配合される。したがって、グルタミン含有栄養組成物は、好ましくはマルトデキストリンを配合する。マルトデキストリンは、デンプンより消化吸収がよく、且つ急激に血糖値を上げることがないため、特に病中病後の患者のエネルギー源として好ましく適用することができる。マルトデキストリンは、主としてα1,4結合により結びついたD−グルコースを単位とする重合体であって、且つデキストロース当量(D.E.)が20未満であるような甘味性のない食用の糖類を示す。マルトデキストリンは、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、及び米デンプンを酸や酵素を用いて部分的に加水分解することで調製される白色の粉体である。
グルタミン含有栄養組成物中におけるマルトデキストリンの配合量は、全固形分に対し好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%である。マルトデキストリンの配合量が10質量%未満であると、エネルギー付与効果に劣る。一方、マルトデキストリンの配合量が50質量%を超えると粉末顆粒製剤中にグルタミンを高配合することができない。
本実施形態のグルタミン含有栄養組成物の剤型は特に限定されず、固体状、ゲル状、液状のいずれに構成してもよい。これらの中で保存安定性の観点から固体状に構成されることが好ましい。固体状としては、例えば粉末状及び粒状が挙げられる。固体状に構成されたグルタミン含有栄養組成物は、摂取容易性の観点から使用時に溶媒、例えば水に溶解して摂取することが好ましい。固体状のグルタミン含有栄養組成物を溶媒としての水に溶解させて摂取する場合、水分摂取も同時に図ることができ、また成分の吸収を促進することができる。グルタミン含有栄養組成物の固形分と水の配合比率は、特に限定されないが、グルタミン含有栄養組成物の全固形分1質量部に対し、水1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましく、3〜7.5質量部がさらに好ましい。水の配合量が1質量部未満であると固体状のグルタミン含有栄養組成物を十分に溶解・分散させることができない。一方、水の配合量が10質量部を超えると組成物の摂取量が多くなり、摂取容易性が低下する。グルタミン含有栄養組成物が水溶液として調製される場合、溶液の粘度は特に限定されず、適宜設定することができるが、グルタミンを溶液中に分散させる観点から粘度の下限は、好ましくは35mPa・s以上、より好ましくは50mPa・s以上である。粘度の上限は、特に限定されないが、摂取・投与性の観点から好ましくは100mPa・s以下である。
上記のように得られたグルタミン含有栄養組成物は、手術後の感染症の予防を目的として、外傷ストレス、例えば火傷による免疫機能が低下した場合の合併症の予防を目的として、さらには、消化管等の手術の後、静脈栄養から経口栄養への移行において、経口栄養への移行及び回復を早めることを目的として、生体に投与される。したがって、消化管への成分の到達が可能な経口剤又は経腸剤として構成される。具体的な配合形態としては、上述した作用効果を得ることを目的とした飲食品、医薬品、医薬部外品等として適用することができる。
本実施形態のグルタミン含有栄養組成物を飲食品に適用する場合、飲食品の形態としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状のいずれであってもよく、また剤形としては、錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤のいずれであってもよい。前記飲食品としては、その他の成分としてエネルギー調整を目的として糖類、甘味料、脂質、基材、賦形剤、食品添加剤、副素材、増量剤、ビタミン類、ミネラル類、タンパク質、炭水化物、グルタミン以外のアミノ酸、香料、酸味料等を適宜配合してもよい。
本実施形態のグルタミン含有栄養組成物を医薬品又は医薬部外品として使用する場合、その形態としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状のいずれであってもよく、また剤形としては、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤等のいずれであってもよい。また、添加剤として賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態は、経口剤又は経腸剤として構成されるグルタミン含有栄養組成物において、グルタミンを全固形分に対し30〜50質量%、グアーガム及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一種、並びに増粘性多糖類(グアーガム及びその加水分解物を除く)を含有する。したがって、本実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、水溶液に対する溶解性に優れ、短時間で所定の粘度を付与することができるとともに、グルタミンの分散性にも優れる。
(2)本実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、好ましくはグアーガム加水分解物が適用される。グアーガム加水分解物は、アミノ酸等の成分の正常な吸収を妨げることがない。また、その代謝物が腸管の栄養となるとともに、腸内細菌叢を改善する作用、例えば有用腸内細菌の増殖作用を有する。それにより、グルタミンの機能を補助する栄養機能を付加することができる。
(3)本実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、好ましくはキサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、コンニャクマンナン、プルラン、ジェランガム、ペクチン、寒天、タマリンド、ファーセラン、タラガム,カシアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、デキストラン、アルギン酸、及びセルロース誘導体から選ばれる少なくとも一種が適用される。それらを使用することにより、粘度付与効果をより向上させることができる。
(4)本実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、好ましくは増粘性多糖類としてキサンタンガムが適用される。キサンタンガムは、グアーガム又はその加水分解物との併用による増粘効果をより向上させることにより、粘度付与効果を与えながら、グルタミン含有栄養組成物中におけるキサンタンガムの配合量を少なくすることができる。よって、粉末顆粒製剤中におけるグルタミンの配合量(配合割合)を容易に高めることができる。
また、キサンタンガム等の増粘性多糖類は、難消化性のため添加量が多いと消化管で容易に消化されず、グルタミンの吸収を阻害するおそれがある。しかしながら、本実施形態において増粘性多糖類の使用量を最小限に抑えることができるため、グルタミンの吸収阻害を抑制することができる。
(5)本実施形態は、グルタミン含有栄養組成物中において、好ましくはグアーガム及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一種を全固形分に対し15〜40質量%含有するとともに、キサンタンガムを全固形分に対し0.1〜2質量%含有する。したがって、グルタミン含有栄養組成物中において、溶液に対する溶解性、及び短時間での粘度付与効果をより向上させることができる。
(6)本実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、好ましくは固体状に構成される。したがって、組成物の保存安定性を向上させることができる。
(7)本実施形態のグルタミン含有栄養組成物を水溶液又はゲル状に調製する場合、全固形分1質量部に対し、水は1〜10質量部配合される。したがって、グルタミン含有栄養組成物の摂取を容易することができるとともに、水分摂取も同時に図ることができ、さらには成分の吸収を促進することができる。
(8)本実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、好ましくはさらにマルトデキストリンを含有する。マルトデキストリンは、デンプンより消化吸収がよく、且つ急激に血糖値を上げることがないため、特に病中病後の患者のエネルギー源として好ましく適用することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のグルタミン含有栄養組成物は、ヒト以外の他の動物、例えば家禽、家畜、ペット等の飼養動物が摂取してもよい。
・上記実施形態のグルタミン含有栄養組成物が粒子剤型として調製される場合、粒子の平均粒径は、特に限定されないが、溶媒に対する溶解性及び取り扱い性の観点から、好ましくは10〜5000μm、より好ましくは50〜1000μm、さらに好ましくは100〜400μmである。尚、平均粒径は、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定器を用いて測定することができる。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
L−グルタミン38質量%、グアーガム分解物(商品名サンファイバー、太陽化学社製、以下同様)20質量%、キサンタンガム1.2質量%、マルトデキストリン、40.8質量%を混合して、流動層造粒機にて造粒して平均粒子径270μmの粒子状のグルタミン含有栄養組成物を製造した。
(実施例2)
L−グルタミン38質量%、グアーガム分解物30質量%、キサンタンガム0.5質量%、マルトデキストリン31.5質量%を混合して、流動層造粒器にて造粒して平均粒子径250μmの粒子状のグルタミン含有栄養組成物を製造した。
(比較例1)
L−グルタミン38質量%、キサンタンガム0.5質量%、マルトデキストリン61.5質量%を混合して、流動層造粒器にて造粒して平均粒子径250μmの粒子状のグルタミン含有栄養組成物を製造した。
(比較例2)
L−グルタミン38質量%、グアーガム分解物20質量%、マルトデキストリン42質量%を混合して、流動層造粒器にて造粒して平均粒子径200μmの粒子状のグルタミン含有栄養組成物を製造した。
(比較例3)
L−グルタミン38質量%、キサンタンガム0.8質量%、マルトデキストリン61.2質量%を混合して、流動層造粒器にて造粒して平均粒子径220μmの粒子状のグルタミン含有栄養組成物を製造した。
(試験例1:粘度の測定)
実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2について、それぞれ各1重量部に対して水を7.5重量部加え、攪拌して分散させた。5分後に沈殿の有無を目視で調べるとともにB型粘度計にて粘度を測定した。結果を表1に示す。
沈殿量の評価は、「−」が沈殿が認められない場合を示し、「+」が目視により沈殿がやや認められる場合を示し、「++」が上清が清澄になる程度にほぼ全量沈殿している場合を示す。
Figure 0005574677
表1に示されるように、各実施例においては、沈殿を生ずることなく、水溶液に一定の粘度を付与することができることが確認された。一方、キサンタンガム以外の増粘性多糖類を含有しない比較例1は、粘度付与効果が低く、またグルタミンを水溶液中に分散させる効果が低いことが確認された。グアーガム分解物以外の増粘性多糖類を含有しない比較例2は、粘度付与効果がほとんどなく、またグルタミンを水溶液中に分散させることができないことが確認された。
(試験例2:粘度の経時的変化)
実施例2及び比較例3のグルタミン含有栄養組成物をそれぞれ各1重量部に対して水を7.5重量部加え、攪拌して分散させた。その後、水溶液の粘度について経時的変化を測定した。
Figure 0005574677
表2に示されるように、実施例2のグルタミン含有栄養組成物は、キサンタンガム以外の増粘性多糖類を含有しない比較例3に対し、粘度の発現速度が速いことが確認された。
(参考例1)
L−グルタミン38質量%、グアーガム分解物20質量%、キサンタンガム2質量%、マルトデキストリン40質量%を混合して、流動層造粒器にて造粒して平均粒子径270μmの粒子状のグルタミン含有栄養組成物を製造した。
試験例1,2と同様の試験を行った結果、各実施例のように沈殿を生ずることなく、グルタミンを水溶液中に分散できることが確認された(データ不添付)。また、粘度の発現速度も各比較例に対し速いことが確認された(データ不添付)。一方、参考例1のグルタミン含有栄養組成物を水に溶解される際、粉末が継子(ダマ)になりやすく、そのような問題のなかった各実施例に対し、溶けやすさがやや劣ることが確認された。

Claims (3)

  1. グルタミンを全固形分に対し30〜50質量%、グアーガム及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一種、並びに増粘性多糖類としてキサンタンガムを含有し、経口剤又は経腸剤として構成されることを特徴とするグルタミン含有栄養組成物。
  2. 前記グルタミン含有栄養組成物中において、前記グアーガム及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一種を全固形分に対し15〜40質量%含有するとともに、キサンタンガムを全固形分に対し0.1〜2質量%含有することを特徴とする請求項に記載のグルタミン含有栄養組成物。
  3. 前記グルタミン含有栄養組成物中において、全固形分1質量部に対し、水を1〜10質量部含有することを特徴とする請求項1又は請求項に記載のグルタミン含有栄養組成物。
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