JP5314973B2 - 胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 - Google Patents

胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 Download PDF

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本発明は、胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び該半固形化剤を含有する胃瘻患者用の半固形化経腸栄養剤に関する。詳細には、経腸投与に用いられるチューブが内径4mm程度の細いチューブであっても過度な負担なく押し込むことが可能であり、チューブ内壁への付着も少ない半固形化経腸栄養剤に関する。更には経腸投与後に胃に造設された瘻孔から生じる経腸栄養剤の漏れや、胃食道逆流を有意に抑制することが可能な半固形化経腸栄養剤に関する。
咀嚼・嚥下機能の著しい低下や意識障害など、経口摂取が困難な患者向けに、経鼻・経口経管栄養法や胃瘻・腸瘻経管栄養法が用いられている。経鼻・経口経管栄養法は、鼻または口から挿入して食道、胃、十二指腸、空腸の何れかの部位まで到達させたチューブを介して、経腸栄養剤などの栄養分を持続的に投与する方法である。しかし、かかる経鼻・経口経管栄養法は鼻もしくは口から挿入した細くかつ長いチューブを介して経腸栄養剤を投与するため、液状の経腸栄養剤を用いる必要がある上、結果として投与に数時間程度の長時間を要し、患者への負担が大きい。
一方、胃瘻経管栄養法(PEG)は、胃に手術的または内視鏡的に造設した外瘻(瘻孔)からチューブを挿入し、チューブを介して胃に直接経腸栄養剤などの栄養分を投与する方法である。かかる方法は、従来多く行われてきた経鼻経管栄養法と異なり鼻に違和感なく、また在宅でのケアが容易であることから患者やその介護者の負担が少なく有効な経管栄養法の一種として注目されている。
かかる胃瘻経管栄養法(PEG)では、下記(1)〜(4)に示す理由から経腸栄養剤に保形性を付与する手法が検討されている。(1)経腸栄養剤の投与時もしくは投与後に胃に造設した外瘻のチューブ口から経腸栄養剤が漏れることを防止するため。(2)液体の経腸栄養剤を胃に直接添加することにより、胃から腸に一気に経腸栄養剤が落下し(ダンピング)、糖質が急速に吸収されて高血糖症となったり、下痢の症状を引き起こすことを防止するため。(3)経管栄養法が適用される高齢者や患者などは胃上部の噴門の機能が著しく低下していることがあり、液体の経腸栄養剤では胃食道逆流を起こしてしまうことがあるため。(4)経腸栄養剤に保形性を付与することにより、数分といった極めて短時間での栄養摂取が可能であり、患者のQOL(Quality of Life)に貢献できるため。
かかる経腸栄養剤に保形性を付与する方法の一例として、カラギナン及びアルギン酸を併用した経管栄養食品(特許文献1)、ナトリウム型のカラギナンを用いた半固形化経腸栄養剤(特許文献2)、カラギナンとローカストビーンガムおよびコンニャクイモ抽出物の混合物とからなる、液体栄養食品用ゲル化剤(特許文献3)等が開示されている。しかし、これら特許文献1〜3には、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンといった、特殊なカラギナンについて一切記載されていない。また、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを咀嚼・嚥下困難者用食品用のタンパク質含有液状組成物用増粘化剤として用いられることが、特許文献4に開示されているが、胃瘻患者に用いられる半固形化剤については一切検討されていない。
特開2000−169397号公報 国際公開第06/41173号パンフレット 特開2007−77107号公報 特許第4044128号
胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤をはじめとした各種食品に保形性を付与することにより、経管投与後に生じる胃に造設した瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を有意に抑制することが可能である。保形性を付与する方法としては、ゼリーのようなゲル的性質を付与する方法や粘度を付与する方法が挙げられるが、ゲル化された経腸栄養剤であって変形によって均一なペースト状とならない経腸栄養剤など、ゲル的性質が強い経腸栄養剤はチューブに押し込む際の応力が増大し、介護者の負担も大きいものとなってしまう。また、ゲル的性質が強い経腸栄養剤はチューブに押し込むことによりクラッシュゲル状(ゲルが崩れ、もろもろとした小さいゲル状の砕片の集まりとなっている状態)となり、胃食道逆流を十分に防止することができない可能性がある。一方、経腸栄養剤に粘度を付与する方法では、粘度の上昇によりチューブへ押し込む際の負荷(応力)を増大し、チューブ内壁への経腸栄養剤の付着を引き起こす可能性がある。通常、胃瘻患者に用いられるチューブの内径は8.5〜30Fr程度(2.8〜10mm程度)と細く、チューブ内壁へ経腸栄養剤が付着すると、経腸栄養剤の投与量のブレや、細菌の繁殖による衛生汚染を引き起こす。
かかる点、特許文献1に開示されているカラギナンとアルギン酸ナトリウムを栄養剤に添加する技術は、注入する際チューブ内では粘度がほとんど発現しておらず、胃に達した際、pHの低下によりゲル化が引き起こされるものである。これは、鼻から胃まで通したチューブによって経腸栄養剤を投与する経鼻経管栄養法を目的としているためであり、かかる方法ではチューブ通過時に粘度が発現していないため、胃瘻患者に該技術を応用した場合、瘻孔からの漏れを解決できるものではなかった。特許文献2に開示のカラギナンは、室温で直接経腸栄養剤に添加した場合、その増粘効果は不十分であり、特にタンパク質含量が高い経腸栄養剤の半固形化には適するものではなかった。かかるカラギナンは予め水に加熱溶解して経腸栄養剤と混合することも可能であるが、加熱という煩雑で危険な作業を伴う。また、調製された経腸栄養剤はゲル的な性質が強く、チューブを通して押し出した際にクラッシュゲル状となり(ゲルが崩れ、もろもろとした小さいゲル状の砕片の集まりとなっている状態)、瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を十分に抑制することができなかった。同様にして、特許文献3に開示の技術は、カラギナンを液状形態で使用することを特徴としており、液状形態ゲル化剤の調製に手間がかかる点、液状形態であるために粉末あるいは顆粒に比べゲル化剤自体の保存性が悪い点、および該液状形態ゲル化剤と経腸栄養剤を混合することにより経腸栄養剤の投与量が増加することが問題であった。その上、調製された経腸栄養剤は変形を加えてもペースト状とならず、チューブに挿入する際の応力が大きく、介護者の過度な負担となってしまうという不具合もあった。かかるように、従来のカラギナンを用いた場合は、胃瘻患者の投与に適した物性を経腸栄養剤に付与することができない、利便性に欠けるなど未だ満足のいくものは得られていなかった。
本発明は、かかる問題点に鑑み、胃に造設した瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を抑制できる保形性を有しつつ、内径4mm程度の細いチューブであっても過度な負担なく押し込むことが可能であり、チューブへの付着も少ない半固形化経腸栄養剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ね、静置状態でゲル状でありつつも変形を与えると均一なペースト状となる半固形状に経腸栄養剤を調製することにより、内径4mm程度の細いチューブであっても過度な負担なく押し込むことが可能であり、チューブへの付着も少なく、更にはチューブ押し出し後も十分な保形性を有し、瘻孔からの漏れや胃食道逆流も防止できる経腸栄養剤となることを見出した。そして、一般的に粘度の上昇はチューブへの押し込む際の負荷(応力)の増大やチューブ内壁への経腸栄養剤の付着を引き起こすものと考慮されていたところ、増粘多糖類として既知の数ある多糖類の中でも、特に分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを用いることにより、意外にも上記半固形状の性質を経腸栄養剤に付与することができ、胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤として極めて優れていることを見出して本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を有する胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び胃瘻患者用の半固形化経腸栄養剤に関する;
項1.分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを含有することを特徴とする、胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤。
項2.項1記載の半固形化剤を含有することを特徴とする、胃瘻患者用の半固形化経腸栄養剤。
項3.内径30mmの50mlシリンジに半固形化経腸栄養剤を25ml充填し、内径4mm、長さ300mmのチューブを接続し、治具を用いて5mm/秒の速度でチューブに35mm押し込んだ際の応力が20000N/m以下であることを特徴とする、請求項2に記載の半固形化経腸栄養剤。
更に本発明は、以下の態様を有する半固形化経腸栄養剤の投与時の応力低減方法並びに半固形化経腸栄養剤のチューブ付着性の低減方法に関する;
項4.胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、半固形化経腸栄養剤の投与時の応力低減方法。
項5.胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、チューブ付着性の低減方法。
本発明により、胃に造設した瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を抑制できる保形性を有しつつ、内径4mm程度の細いチューブであっても過度の負担なく押し込むことが可能であり、チューブ内壁への付着も少ない半固形化経腸栄養剤を提供することが可能である。更に、本発明の胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤は、特に加熱を必要とすることなく、常温の液体経腸栄養剤に直接添加するだけで容易に胃瘻患者に適した経腸栄養剤を調製できる。かかる点、介護者がベットサイドや自宅で簡便に胃瘻患者に適した経腸栄養剤を調製できるという利点を有する。従って、本発明の胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤は介護者および被介護者のQOL(Quality of Life)改善に貢献するものである。
本発明の胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤(以下、本発明において「胃瘻患者用半固形化剤」ともいう)は、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを含有することを特徴とする。
カラギナンは紅藻類海藻から抽出,精製される天然高分子で、分子量は100,000〜500,000でありガラクトースと3,6アンヒドロガラクトースから構成される多糖類である。分子内の半エステル型の硫酸基は、他の天然ガム質等には見られないカラギナン特有のものである。一般的にカラギナンとして市販されているものは、κ(カッパ)タイプ、ι(イオタ)タイプ、λ(ラムダ)タイプのものがあり、基本的には、以下化1の式に示す三成分の組み合わせとその比率や結合する金属イオンの種類により、各種カラギナン製剤が上市されている。
Figure 0005314973
本発明で使用するカラギナンは、上記カッパカラギナン(化1上段)の分子構造中にイオタカラギナン(化1中段)の構造を一部有すること、すなわちカッパカラギナンとイオタカラギナンがハイブリッド化していることを特徴とするものである。即ち、カッパカラギナンの構造である、4-O-Sulfato-β-D-galactopyranosyl unitと3,6-Anhydro-α-galactopyranosyl unitからなる高分子ユニットがイオタカラギナンの構造である、4-O-Sulfato-β-D-galactopyranosyl unitと3,6-Anhydro-2-O-Sulfato-α-galactopyranosyl unitで置換されたものである。置換の程度としては、カッパカラギナンの構造がイオタカラギナンで部分的に置換されておればよく、その置換率は1〜80%程度、好ましくは10〜40%を挙げることができる。なお、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンは、「κ2カラギナン」と呼ばれることもある。
本発明ではかかる分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナン(以下、「κ2カラギナン」ともいう)を液状経腸栄養剤に添加することにより、静置状態でゲル状でありつつも変形を与えると均一なペースト状となる半固形状に経腸栄養剤を調製することができる。このように、本発明の半固形化経腸栄養剤はゲル的性質および増粘的性質を併せ持つ半固形化状であるため、チューブから押し出した後も胃に造設した瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を抑制できる保形性を有しつつ、内径4mm程度の細いチューブであっても過度な負担なく押し込むことが可能であり、経腸栄養剤のチューブへの付着も少ない半固形化経腸栄養剤を提供することができる。
一方、通常のイオタカラギナンを用いた場合は粉末を室温で液状経腸栄養剤に直接添加した際に速やかに増粘せず、保形性も有さないため胃瘻患者用経腸栄養剤として適した物性を付与できない。また、予め水に加熱溶解して経腸栄養剤と混合した場合であっても、経腸栄養剤に保形性を付与することができるもののゲル的な性質が強すぎて、チューブに押し込む際の応力が大きく、介護者に負担がかかってしまう。また、チューブに押し込むといった変形を加えても経腸栄養剤がペースト状とならず、チューブ通過後の物性がクラッシュゲル状となる。そのため、胃に注入された後の経腸栄養剤は保形性を有さず、瘻孔からの漏れや胃食道逆流を十分に抑制することができない。同様にしてカッパカラギナンを用いた場合も粉末を室温で液状経腸栄養剤に直接添加した際に速やかに増粘せず、保形性も有さない。また、予め水に加熱溶解して経腸栄養剤と混合した場合も、経腸栄養剤に保形性を付与することができるもののゲル的な性質が強すぎて、チューブに押し込む際の応力が大きく、介護者に負担がかかってしまう。また、チューブに押し込むといった変形を加えても経腸栄養剤がペースト状とならず、チューブ通過後の物性がクラッシュゲル状となってしまうなど、胃瘻患者に適した半固形化経腸栄養剤を調製することはできなかった。更にこれらイオタカラギナン及びカッパカラギナンを単に混合した場合も、粉末を室温で液状経腸栄養剤に直接添加した際に速やかに増粘せず、予め水に加熱溶解して経腸栄養剤と混合した場合も、ゲル的な性質が強すぎてチューブに押し込む際の負担が大きい上、チューブ通過後の物性がクラッシュゲル状となり十分に胃食道逆流を防止することができない。このように、本発明は分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを用いることにより得られる特有の効果である。
本発明で用いるκ2カラギナンの液状経腸栄養剤に対する添加量としては、0.01〜1.5質量%、好ましくは0.05〜1.2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%を挙げることができる。特に、κ2カラギナンはタンパク質との適度な反応性(分子的な相互作用性)を有しているため、牛乳や経腸栄養剤といったタンパク質含量の高い経腸栄養剤においても良好な粘度付与が可能であるという利点を有する。一方、牛乳や経腸栄養剤といったタンパク質含量の高い経腸栄養剤は、保形性付与を目的として粘度を付与することにより同様の粘度に調整した水やお茶に比較してチューブ内壁への付着物が顕著に増大する傾向があり、粘度付与によるチューブ内壁への経腸栄養剤の付着は否めないとされていた。例えば、一般的に嚥下困難者用増粘化剤として知られているキサンタンガムも、主剤として経腸栄養剤に応用した場合は一定の保形性を経腸栄養剤に付与することができるものの、チューブ内壁への付着物が増大し、胃瘻患者用の増粘化剤としては適さない場合がある。かかる点、本発明で用いるκ2カラギナンは、ゲル的性質および増粘的性質を併せ持った半固形状に経腸栄養剤を調製できるため、十分な保形性を付与しつつも、チューブ内壁への付着物を顕著に低減でき、胃瘻患者用半固形化剤として極めて優れている。通常、胃瘻患者に用いられるチューブの内径は8.5〜30Fr程度(0.28〜10mm程度)と細く、チューブ内壁への付着物は細菌汚染と繋がり衛生上好ましくないが、本発明の半固形化経腸剤を用いることにより、かかる付着物を顕著に低減させることが可能である。
加えて、本発明の胃瘻患者用半固形化剤は、特に加熱を必要とすることなく、0〜25℃といった常温の液体経腸栄養剤に直接添加し、手撹拌といった弱い撹拌条件で撹拌するだけで胃瘻患者に適した半固形化経腸栄養剤を容易に調製できる。かかる点、ready−to−use製品用の半固形化剤として適用できるのはもちろんのこと、介護者がベットサイドや自宅で簡便に胃瘻患者に適した半固形化経腸栄養剤を調製できるという優れた利点を有する。
本発明の胃瘻患者用半固形化剤は、粉末状(顆粒状を含む)、液状、ペースト状など用いられる形態は問わない。ただし、本発明の胃瘻患者用半固形化剤は粉末添加によっても胃瘻患者に適した半固形化経腸栄養剤を提供できる点で、液状形態の半固形化剤と異なり、患者に投与する半固形化経腸栄養剤の容量が増大することがないという利点を有する。
ここで本発明が対象とする経腸栄養剤は、瘻孔を通して注入することを目的とした栄養剤の他、現在市販されている液状の総合栄養食品やペースト食品、牛乳など、胃瘻患者に胃瘻経管栄養法(PEG)を用いて投与される液状食品も広く包含するものである。特に好ましくは、上記経腸栄養剤(瘻孔を通して注入することを目的とした栄養剤)である。
本発明は、更に前述の胃瘻患者用半固形化剤(分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナン(κ2カラギナン))を含有することを特徴とする、胃瘻患者用の半固形化経腸栄養剤に関する発明である。本明細書において、半固形化とは、静置状態ではゲル状であるが、変形あるいは力をかけることにより均一なペースト状に変化する状態をいう。かかるκ2カラギナンを用いて調製された半固形化経腸栄養剤は、以下に示す利点を有する。
(1)適度な保形性を有する。
κ2カラギナンを用いて調製された半固形化経腸栄養剤は、チューブから押し出した後も、胃に造設した瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を抑制できる保形性を有することを特徴とする。更に、従来、液体の経腸栄養剤は胃の中に一定量以上たまると、経腸栄養剤が急速に胃から腸に落下する(ダンピング)ため、糖質が急速に吸収されて高血糖症となったり、下痢の症状を引き起こすなどの問題を抱えていた。このため、液体の経腸栄養剤を用いる場合は、長時間に渡って少量ずつ経腸栄養剤を投与する方法(数十分〜2、3時間)が用いられてきたが、本発明の半固形化経腸栄養剤を用いることによりダンピングを防止することが可能であるため、数分程度での栄養補給が可能となり、大幅な投与時間の短縮が可能となる。
(2)過度な負担なく経管投与が可能である。
本発明の半固形化経腸栄養剤は、ゲル的性質および増粘的性質を併せ持ち、変形を加えることにより均一なペースト状となるため、内径4mm程度といった細いチューブ内においても良好な流動性を有する。このため、介護者が過度な負担なく経腸栄養剤を投与することが可能である。好ましくは、シリンジを用いて経腸栄養剤をチューブに押し込む際の応力が20000N/m以下という弱い力であることが好ましい。尚、本発明におけるチューブ流動性の評価は、シリンジを介して半固形化経腸栄養剤を胃瘻用チューブに注入する際にかかる荷重を一軸式圧縮試験機(テクスチャーアナライザー)で検出する方法で行った。詳細には、半固形化経腸栄養剤25mlを充填した50mlシリンジ(テルモ社製、テルモシリンジ カテーテルチップ型 ss−50Cz)の先端に胃瘻用シリコンチューブ(内径4mm、長さ300mm)を接続する。これを、テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製、TA−XZT2i)に垂直にセットし、治具(円柱状、直径50mm)にて5mm/秒の速度で35mm押込む。この際に検出された応力の最大値が20000N/m以下であれば、チューブ流動性に優れると判断する。
(3)チューブ内壁への付着が少ない。
本発明の半固形化経腸栄養剤は、ゲル的性質および増粘的性質を併せ持つため、一定の粘度や保形性を経腸栄養剤に付与できるにも関わらず、胃瘻に用いるチューブ内壁への経腸栄養剤の付着が少なく、衛生面上でも優れている。
上記性質を有する本発明の半固形化経腸栄養剤は、液体の経腸栄養剤にκ2カラギナンを添加することにより調製される。この際、本発明の半固形化剤は更に金属塩を併用することが好ましい。金属塩を使用することにより、当該半固形化剤の分散性を補完し、短時間で胃瘻患者用に適した物性を有する半固形化経腸栄養剤を調製することが可能となる。金属塩としては、一般的に食品等に使用されるものでカリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であればよく、分散性の面から好ましくは、乳酸カルシウム、塩化カリウム、グルコン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム及びクエン酸三ナトリウムからなる一種以上である。本発明で使用する半固形化剤に対する金属塩の添加量としては、0.05〜50重量%、好ましくは、0.1〜20重量%、さらに好ましくは、0.5〜10重量%を挙げることができる。更に、上記範囲外であっても、本発明の胃瘻患者用半固形化剤に悪影響を及ぼさない範囲内において、例えば、ミネラル分の補助等の目的で前記の金属塩を添加することができる。
本発明の胃瘻患者用半固形化剤への金属塩の配合方法としては、公知の方法であればいずれも使用することができるが、例えば、粉体の金属塩をリボンミキサーやVブレンダーを用いて粉体で混合し配合する方法、金属塩溶液を噴霧後流動乾燥し配合する方法等が挙げられる。
本発明の胃瘻患者用半固形化剤は、κ2カラギナンに加え、寒天および/またはキサンタンガムを併用することが好ましい。寒天を併用することにより、チューブ内壁への経腸栄養剤の付着を更に低減させることが可能であり、キサンタンガムを併用することにより、κ2カラギナンとタンパク質の相互作用を促進し、より早い増粘効果を得ることが可能となる。寒天の添加量としては、添加対象の経腸栄養剤の種類によっても適宜調整することが可能であるが、好ましい添加量としてκ2カラギナン100質量部に対し、5〜200質量部、より好ましくは10〜100質量部を挙げることができる。ここで、寒天の添加量がκ2カラギナン100質量部に対し、200質量部を大きく超えると、チューブ通過後に半固形化経腸栄養剤がクラッシュゲル状となり保形性が低下し、結果として瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を十分に抑制することができなくなってしまう。
キサンタンガムの好ましい添加量としては、κ2カラギナン100質量部に対し、5〜500質量部、より好ましくは10〜200質量部を挙げることができる。ここで、キサンタンガムの添加量が500質量部を大きく超えると、チューブ内壁への経腸栄養剤の付着が増加する場合がある。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「質量部」、「%」は「質量%」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実験例1 胃瘻患者用 半固形化経腸栄養剤の調製(1)
表1の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、経腸栄養剤(100ml当たり熱量100kcal、タンパク質5.0g、脂質2.2g、糖質14.7g、食物繊維2.0g、ナトリウム90mg)99.5mlを200mlビーカーに量りとり、実施例1−1及び比較例1−1〜1−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで毎秒4回転の速度で30秒間撹拌し、20℃で2時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類は流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
Figure 0005314973
ビストップ※D−4032*使用
カラギニンCS−598*使用
サンサポート※P−2455*使用
得られた半固形化経腸栄養剤(実施例1−1、比較例1−1〜1−3)について性状を観察し、B型回転粘度計(東機産業株式会社製)を用いて粘度を測定した。結果を表2に示す。粘度は、調製した半固形化経腸栄養剤をスクリュー管(直径3.5cm、高さ10.0cm)に充填し、B型回転粘度計を用い、12rpmで測定した(ローターは♯3を使用)。
Figure 0005314973
表2より、κ2カラギナンを経腸栄養剤に添加することにより、経腸栄養剤は静置状態ではゲル状でありつつも変形を与えると均一なペースト状となる半固形状となった。また、κ2カラギナンは、室温で手撹拌のような弱い撹拌条件でも、約30分で半固形状の物性を付与することができた。一方、κカラギナン、ιカラギナン、κカラギナン+ιカラギナンを経腸栄養剤に用いた場合には、室温でスパーテルで撹拌した程度では十分に水和、膨潤できないために増粘せず、経腸栄養剤用の半固形化剤として適さなかった(比較例1−1〜1−3)。
実験例2 半固形化経腸栄養剤の調製(2)
表3の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、経腸栄養剤(100ml当たり熱量100kcal、タンパク質4.0g、脂質3.0g、糖質14.3g、食物繊維0.4g、ナトリウム75mg)99.8mlを200mlビーカーに量りとり、実施例2−1及び比較例2−1〜2−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで毎秒4回転の速度で30秒間撹拌し、20℃で1時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類は流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
Figure 0005314973
カラギニンCS−600*使用
サンサポート※P−2189*使用
得られた半固形化経腸栄養剤(実施例2−1、比較例2−1〜2−3)について性状を観察し、粘度を測定した。粘度の測定方法は前項に準じた。結果を表4に示す。
Figure 0005314973
表4より、κ2カラギナンを経腸栄養剤に添加することにより、経腸栄養剤は静置状態ではゲル状でありつつも変形を与えると均一なペースト状となる半固形状となった。また、κ2カラギナンは、室温で手撹拌のような弱い撹拌条件でも、約30分で半固形状の物性を付与することができた。一方、Na型κカラギナン、Na型ιカラギナン、Na型κカラギナン+Na型ιカラギナンを経腸栄養剤に用いた場合には、室温でスパーテルで撹拌した程度では十分に水和、膨潤できないために粘度発現せず、経腸栄養剤の半固形化剤として適さなかった。(比較例2−1〜2−3)。
実験例3 半固形化経腸栄養剤の調製(3)
表5の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、実験例1で使用したものと同じ経腸栄養剤99.8mlを200mlビーカーに量りとり、実施例3−1及び比較例3−1〜3−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。80℃で10分間、撹拌機を使用して3枚羽プロペラで1000rpmの速度で撹拌した。5℃で2時間冷却後、20℃で1時間静置し、再度攪拌して評価に供した。なお、処方中、各種多糖類は流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
Figure 0005314973
得られた半固形化経腸栄養剤(実施例3−1、比較例3−1〜3−3)について性状を観察し、粘度を測定した。粘度の測定方法は前項に準じた。結果を表6に示す。
Figure 0005314973
表6より、κ2カラギナンを経腸栄養剤に添加することにより、経腸栄養剤は静置状態ではゲル状でありつつも変形を与えると均一なペースト状となる半固形状となった(実施例3−1)。一方、Na型κカラギナン、Na型ιカラギナン、Na型κカラギナン+Na型ιカラギナンを経腸栄養剤に用いた場合には、完全なゲル状となり変形をかけても均一なペースト状にはならずクラッシュゲル状となり、粘度を測定することができなかった(比較例3−1〜3−3)。Na型κカラギナン、Na型ιカラギナン、Na型κカラギナン+Na型ιカラギナンを使用した経腸栄養剤は、変形あるいは力をかけてもペースト状とならず、クラッシュゲル状となるため保形性が著しく低下し、結果として瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を十分に抑制することができず、経腸栄養剤の半固形化剤として適さなかった。
実験例4 半固形化経腸栄養剤の調製(4)
表7の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、実験例1で使用したものと同じ経腸栄養剤94mlを200mlビーカーに量りとり、実施例4−1及び比較例4−1〜4−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで30秒間撹拌し、20℃で2時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類およびデキストリンは流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
Figure 0005314973
ビストップ※D−3000−C*使用
ビストップ※D−2081*使用
得られた半固形化経腸栄養剤(実施例4−1、比較例4−1〜4−3)について下記の項目で評価した。結果を表8に示す。
<評価方法>
(粘度):前項に準じた。
(保形性):高さ2cm、内径3cmのリングにシリンジで押し出した後の試料を入れ、リングを引き抜き、2時間後の試料の広がりを測定した。同心円状45°刻みに8方向の長さを測定し、平均値を求めた。値が大きいほど広がりが大きく、保形性が低いことを示す。
(シリンジ押し込み応力:内径30mmの50ml容のシリンジに試料を25ml入れ、長さ30cm、内径4mmのシリコンチューブを接続した。テクスチャーアナライザーを用い、治具にて押mm/sの速度で35mmの試料を押し込んだ。この際に検出された、シリンジを押し出す際の最大応力を求めた。
(チューブ付着性):押出後のチューブへの付着量を求めた。
Figure 0005314973
各項目の評価基準を以下に示す。
(保形性):保形性の高い順に++>+>±>−>−−の5段階で評価した。
(押し込み応力):応力の高い順に++>+>±>−>−−の5段階で評価した。
(付着性):付着量の多い順に++>+>±>−>−−の5段階で評価した。
表8より、κ2カラギナンを添加した経腸栄養剤は静置状態ではゲル状でありつつも変形を与えると均一なペースト状となる半固形状となった。更にκ2カラギナンを添加した半固形化経腸栄養剤は、ゲル的性質と増粘的性質を持ち合わせた半固形状であるため、チューブ押し出し後の保形性が高いにも関わらず非常に小さい応力でチューブに押し込むことができた(実施例4−1)。一方、口からの喫食を目的とした咀嚼・嚥下困難者用食品に汎用されるキサンタンガムは、チューブ押し出し後の保形性(胃内での保形性に対応)に優れるものの、調製された経腸栄養剤はペースト状であり、増粘的性質が強いため、チューブ内壁への付着が比較的多かった(比較例4−1)。増粘多糖類としてグァーガムや澱粉を用いた場合は、チューブ押し出し後の保形性が非常に低く、更に調製された経腸栄養剤はペースト状であり、増粘的性質が強いため押し込み時の応力や付着性も大きかった(比較例4−2、3)。本発明の半固形化剤を用いて調製された半固形化経腸栄養剤は、他の多糖類とほぼ変わりない粘度でありながら、チューブ押し出し後の保形性が高く、更に調製された経腸栄養剤はゲル的性質と増粘的性質を持ち合わせた半固形状であるため、押し込み時の応力や付着性は小さかった。これらの結果から、介護者が過度な負担なくチューブに注入可能であり、またチューブ内壁への経腸栄養剤の付着も少なく、胃瘻患者用として極めて優れた性質を有する半固形化経腸栄養剤であることが示された。
実験例5 半固形化経腸栄養剤の調製(5)
表9の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養食品(牛乳)を調製した。詳細には、牛乳95.5mlを200mlビーカーに量りとり、実施例5−1及び比較例5−1〜5−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで30秒間撹拌し、20℃で2時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類およびデキストリンは流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
Figure 0005314973
得られた半固形化経腸栄養食品(実施例5−1、比較例5−1〜5−3)について前項と同様に下記の基準に沿って評価した。結果を表10に示す。
Figure 0005314973
表10より、κ2カラギナンを添加した経腸栄養食品は、静置状態ではゲル状でありつつも変形を与えると均一なペースト状となる半固形状となった。更に、κ2カラギナンを用いて調製された半固形化経腸栄養食品は、保形性が高いにもかかわらず非常に小さい応力でチューブに押し込むことができた(実施例5−1)。一方、口からの喫食を目的とした咀嚼・嚥下困難者用食品に汎用されるキサンタンガムは、チューブ押し出し後の保形性(胃内での保形性に対応)に優れるものの、調製された経腸栄養食品はペースト状であり、増粘的性質が強いため、応力はκ2カラギナンよりも高く、またチューブ内壁への付着物も多かった(比較例5−1)。増粘多糖類としてグァーガムや澱粉を用いた場合では、チューブ押し出し後の保形性が非常に低く、更に、調製された経腸栄養食品はペースト状であり増粘的性質が強いため、チューブ押し込み時の応力や付着性も大きかった(比較例5−2、3)。本発明の半固形化剤を用いて調製された半固形化経腸栄養食品は、他の多糖類とほぼ変わりない粘度でありながら、チューブ押し出し後の保形性が高く、更に調製された経腸栄養食品はゲル的性質と増粘的性質を持ち合わせた半固形状であるため、押し込み時の応力や付着性は小さかった。これらの結果から、介護者が過度な負担なくチューブに注入可能であり、またチューブ内壁への経腸栄養食品の付着も少なく、胃瘻患者用として極めて優れた性質を有する半固形化経腸栄養食品であることが示された。
胃に造設した瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を抑制できる保形性を有しつつ、内径4mm程度の細いチューブであっても過度な負担なく押し込むことが可能であり、チューブ内壁への付着も少ない半固形化経腸栄養剤を提供することが可能である。更に、本発明の胃瘻患者用半固形化剤は、特に加熱を必要とすることなく、常温の液体経腸栄養剤に添加するだけで容易に胃瘻患者に適した半固形状経腸栄養剤を調製できる。かかる点、介護者がベットサイドや自宅で簡便に胃瘻患者に適した経腸栄養剤を調製できるという利点を有する。

Claims (5)

  1. 分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを含有することを特徴とする、胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤。
  2. 請求項1記載の半固形化剤を含有することを特徴とする、胃瘻患者用の半固形化経腸栄養剤。
  3. 内径30mmの50mlシリンジに半固形化経腸栄養剤を25ml充填し、内径4mm、長さ300mmのチューブを接続し、治具を用いて5mm/秒の速度でチューブに35mm押し込んだ際の応力が20000N/m以下であることを特徴とする、請求項2に記載の半固形化経腸栄養剤。
  4. 胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、投与時の応力低減された半固形化経腸栄養剤の製造方法。
  5. 胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、チューブ付着性低減された半固形化経腸栄養剤の製造方法。
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