JP2010065013A - 胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 - Google Patents
胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010065013A JP2010065013A JP2008235732A JP2008235732A JP2010065013A JP 2010065013 A JP2010065013 A JP 2010065013A JP 2008235732 A JP2008235732 A JP 2008235732A JP 2008235732 A JP2008235732 A JP 2008235732A JP 2010065013 A JP2010065013 A JP 2010065013A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semi
- enteral
- enteral nutrient
- tube
- carrageenan
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
【解決手段】分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを含有することを特徴とする、胃瘻患者用半固形化剤を用いる。
【選択図】なし
Description
項1.分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを含有することを特徴とする、胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤。
項2.項1記載の半固形化剤を含有することを特徴とする、胃瘻患者用の半固形化経腸栄養剤。
項3.内径30mmの50mlシリンジに半固形化経腸栄養剤を25ml充填し、内径4mm、長さ300mmのチューブを接続し、治具を用いて5mm/秒の速度でチューブに35mm押し込んだ際の応力が20000N/m2以下であることを特徴とする、請求項2に記載の半固形化経腸栄養剤。
項4.胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、半固形化経腸栄養剤の投与時の応力低減方法。
項5.胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、チューブ付着性の低減方法。
κ2カラギナンを用いて調製された半固形化経腸栄養剤は、チューブから押し出した後も、胃に造設した瘻孔からの経腸栄養剤の漏れや胃食道逆流を抑制できる保形性を有することを特徴とする。更に、従来、液体の経腸栄養剤は胃の中に一定量以上たまると、経腸栄養剤が急速に胃から腸に落下する(ダンピング)ため、糖質が急速に吸収されて高血糖症となったり、下痢の症状を引き起こすなどの問題を抱えていた。このため、液体の経腸栄養剤を用いる場合は、長時間に渡って少量ずつ経腸栄養剤を投与する方法(数十分〜2、3時間)が用いられてきたが、本発明の半固形化経腸栄養剤を用いることによりダンピングを防止することが可能であるため、数分程度での栄養補給が可能となり、大幅な投与時間の短縮が可能となる。
本発明の半固形化経腸栄養剤は、ゲル的性質および増粘的性質を併せ持ち、変形を加えることにより均一なペースト状となるため、内径4mm程度といった細いチューブ内においても良好な流動性を有する。このため、介護者が過度な負担なく経腸栄養剤を投与することが可能である。好ましくは、シリンジを用いて経腸栄養剤をチューブに押し込む際の応力が20000N/m2以下という弱い力であることが好ましい。尚、本発明におけるチューブ流動性の評価は、シリンジを介して半固形化経腸栄養剤を胃瘻用チューブに注入する際にかかる荷重を一軸式圧縮試験機(テクスチャーアナライザー)で検出する方法で行った。詳細には、半固形化経腸栄養剤25mlを充填した50mlシリンジ(テルモ社製、テルモシリンジ カテーテルチップ型 ss−50Cz)の先端に胃瘻用シリコンチューブ(内径4mm、長さ300mm)を接続する。これを、テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製、TA−XZT2i)に垂直にセットし、治具(円柱状、直径50mm)にて5mm/秒の速度で35mm押込む。この際に検出された応力の最大値が20000N/m2以下であれば、チューブ流動性に優れると判断する。
本発明の半固形化経腸栄養剤は、ゲル的性質および増粘的性質を併せ持つため、一定の粘度や保形性を経腸栄養剤に付与できるにも関わらず、胃瘻に用いるチューブ内壁への経腸栄養剤の付着が少なく、衛生面上でも優れている。
表1の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、経腸栄養剤(100ml当たり熱量100kcal、タンパク質5.0g、脂質2.2g、糖質14.7g、食物繊維2.0g、ナトリウム90mg)99.5mlを200mlビーカーに量りとり、実施例1−1及び比較例1−1〜1−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで毎秒4回転の速度で30秒間撹拌し、20℃で2時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類は流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
カラギニンCS−598*使用
サンサポート※P−2455*使用
表3の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、経腸栄養剤(100ml当たり熱量100kcal、タンパク質4.0g、脂質3.0g、糖質14.3g、食物繊維0.4g、ナトリウム75mg)99.8mlを200mlビーカーに量りとり、実施例2−1及び比較例2−1〜2−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで毎秒4回転の速度で30秒間撹拌し、20℃で1時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類は流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
サンサポート※P−2189*使用
表5の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、実験例1で使用したものと同じ経腸栄養剤99.8mlを200mlビーカーに量りとり、実施例3−1及び比較例3−1〜3−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。80℃で10分間、撹拌機を使用して3枚羽プロペラで1000rpmの速度で撹拌した。5℃で2時間冷却後、20℃で1時間静置し、再度攪拌して評価に供した。なお、処方中、各種多糖類は流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
表7の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養剤を調製した。詳細には、実験例1で使用したものと同じ経腸栄養剤94mlを200mlビーカーに量りとり、実施例4−1及び比較例4−1〜4−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで30秒間撹拌し、20℃で2時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類およびデキストリンは流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
ビストップ※D−2081*使用
<評価方法>
(粘度):前項に準じた。
(保形性):高さ2cm、内径3cmのリングにシリンジで押し出した後の試料を入れ、リングを引き抜き、2時間後の試料の広がりを測定した。同心円状45°刻みに8方向の長さを測定し、平均値を求めた。値が大きいほど広がりが大きく、保形性が低いことを示す。
(シリンジ押し込み応力:内径30mmの50ml容のシリンジに試料を25ml入れ、長さ30cm、内径4mmのシリコンチューブを接続した。テクスチャーアナライザーを用い、治具にて押mm/sの速度で35mmの試料を押し込んだ。この際に検出された、シリンジを押し出す際の最大応力を求めた。
(チューブ付着性):押出後のチューブへの付着量を求めた。
(保形性):保形性の高い順に++>+>±>−>−−の5段階で評価した。
(押し込み応力):応力の高い順に++>+>±>−>−−の5段階で評価した。
(付着性):付着量の多い順に++>+>±>−>−−の5段階で評価した。
表9の処方に従い、各種多糖類を用いて半固形化経腸栄養食品(牛乳)を調製した。詳細には、牛乳95.5mlを200mlビーカーに量りとり、実施例5−1及び比較例5−1〜5−3の各種多糖類をそれぞれ添加した。スパーテルで30秒間撹拌し、20℃で2時間静置後に再度撹拌を行い、評価に供した。なお、処方中、各種多糖類およびデキストリンは流動層造粒装置で顆粒化したものを使用した(表中の数値はグラム数を示す)。
Claims (5)
- 分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを含有することを特徴とする、胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤。
- 請求項1記載の半固形化剤を含有することを特徴とする、胃瘻患者用の半固形化経腸栄養剤。
- 内径30mmの50mlシリンジに半固形化経腸栄養剤を25ml充填し、内径4mm、長さ300mmのチューブを接続し、治具を用いて5mm/秒の速度でチューブに35mm押し込んだ際の応力が20000N/m2以下であることを特徴とする、請求項2に記載の半固形化経腸栄養剤。
- 胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、半固形化経腸栄養剤の投与時の応力低減方法。
- 胃瘻患者に適用される経腸栄養剤に、分子の一部がイオタカラギナンで置換されたカッパカラギナンを添加することを特徴とする、チューブ付着性の低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008235732A JP5314973B2 (ja) | 2008-09-12 | 2008-09-12 | 胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008235732A JP5314973B2 (ja) | 2008-09-12 | 2008-09-12 | 胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010065013A true JP2010065013A (ja) | 2010-03-25 |
JP5314973B2 JP5314973B2 (ja) | 2013-10-16 |
Family
ID=42190909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008235732A Active JP5314973B2 (ja) | 2008-09-12 | 2008-09-12 | 胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5314973B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013132285A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Sanei Gen Ffi Inc | タンパク質含有飲食品用ゲル化剤 |
JP2013199469A (ja) * | 2011-11-30 | 2013-10-03 | Sanei Gen Ffi Inc | 胃瘻または腸瘻患者用の酸性ゲル状経腸栄養剤 |
WO2020100605A1 (ja) | 2018-11-12 | 2020-05-22 | 昌樹 松本 | 高粘度経腸栄養剤の吸引アダプター |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006041173A1 (ja) * | 2004-10-12 | 2006-04-20 | Meiji Dairies Corporation | 経腸栄養剤 |
JP2006273804A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Healthy Food Kk | 粘度調整剤及びその用途 |
JP2008086307A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-04-17 | Sanei Gen Ffi Inc | タンパク質含有液状組成物用増粘化剤 |
JP2008531011A (ja) * | 2005-02-24 | 2008-08-14 | シーエスエム・ネーデルランド・ビー.ブイ. | タンパク質加水分解物を用いた陰イオン性多糖類のゲル化 |
-
2008
- 2008-09-12 JP JP2008235732A patent/JP5314973B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006041173A1 (ja) * | 2004-10-12 | 2006-04-20 | Meiji Dairies Corporation | 経腸栄養剤 |
JP2008531011A (ja) * | 2005-02-24 | 2008-08-14 | シーエスエム・ネーデルランド・ビー.ブイ. | タンパク質加水分解物を用いた陰イオン性多糖類のゲル化 |
JP2006273804A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Healthy Food Kk | 粘度調整剤及びその用途 |
JP2008086307A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-04-17 | Sanei Gen Ffi Inc | タンパク質含有液状組成物用増粘化剤 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN4007015885; 食品と開発,Vol.40,No.7(2005)p.80-82 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013199469A (ja) * | 2011-11-30 | 2013-10-03 | Sanei Gen Ffi Inc | 胃瘻または腸瘻患者用の酸性ゲル状経腸栄養剤 |
JP2013132285A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Sanei Gen Ffi Inc | タンパク質含有飲食品用ゲル化剤 |
WO2020100605A1 (ja) | 2018-11-12 | 2020-05-22 | 昌樹 松本 | 高粘度経腸栄養剤の吸引アダプター |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5314973B2 (ja) | 2013-10-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5940118B2 (ja) | 乳化食品組成物 | |
KR101067266B1 (ko) | 영양 조성물 | |
WO2008032432A1 (fr) | Nutriment entérique de type gel | |
JP2011147444A (ja) | 乳化食品組成物 | |
JP6277957B2 (ja) | 栄養組成物 | |
JP5900347B2 (ja) | 乳化食品組成物 | |
WO2006041173A1 (ja) | 経腸栄養剤 | |
JP5026347B2 (ja) | 酸性濃厚流動食用ゲル化剤及びゲル状酸性濃厚流動食の製造方法 | |
JP4044128B1 (ja) | タンパク質含有液状組成物用増粘化剤 | |
JP5314973B2 (ja) | 胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤 | |
JP6134156B2 (ja) | 下痢防止用組成物 | |
JP5318625B2 (ja) | 胃瘻患者向け経腸栄養剤用の半固形化剤 | |
JP2006273804A (ja) | 粘度調整剤及びその用途 | |
JP6538336B2 (ja) | 固体状組成物 | |
JP4870957B2 (ja) | 液体栄養食品用ゲル化食品 | |
JP6042610B2 (ja) | タンパク質含有飲食品用ゲル化剤 | |
JP4920573B2 (ja) | タンパク質含有液状食品の経管投与用増粘剤 | |
JP6902797B2 (ja) | 下痢防止用栄養組成物 | |
JP5485568B2 (ja) | 胃瘻患者向け経腸栄養剤用の半固形化剤 | |
JP6727051B2 (ja) | 増粘剤、組成物キット及び組成物を増粘させる方法 | |
JP5412830B2 (ja) | 便通改善用組成物 | |
TWI565418B (zh) | Semi - solid nutrition for gastric stoma | |
JP2007153739A (ja) | 胃瘻用経腸栄養剤の製造方法 | |
JP2011101614A (ja) | 濃厚流動食用ゲル化剤 | |
JP2016154496A (ja) | 経口摂取物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110902 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130312 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130315 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130702 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130708 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5314973 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |