JP2922504B1 - 水分、食品および医薬品等の嚥下並びに服用補助のための粘稠化組成物 - Google Patents

水分、食品および医薬品等の嚥下並びに服用補助のための粘稠化組成物

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Abstract

【要約】 【課題】 嚥下機能に何らかの障害を持つ者が食品摂取
の際、安全で容易に嚥下でき栄養素の摂取も可能とす
る。 【解決手段】 キノアの穀粒、粉末、その加工品を主成
分とし、またこれに増粘安定剤やデキストリンを加えて
粘稠化組成物を得る。この粘稠化組成物は水分と混ぜて
任意の粘稠性をもたせることができ嚥下しやすい。ま
た、キノアに含まれるバランスのよい栄養素、特に良質
の蛋白質の摂取が可能となり、摂食による栄養補給が安
全でかつ容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分、食品および
医薬品等の嚥下並びに服用補助のための粘稠化組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゲル状食品の製造ならびに粘
稠性を持たせる等の目的で、デンプン、寒天、ゼラチン
などのゲル化剤、増粘安定剤等を用いることがよく行わ
れている。
【0003】また、嚥下障害者等を対象にした嚥下補助
食品(トロミ剤)としては、すでに、コーンスターチと
デキストリンとの混合物(商品名「シック&イージ
ー」、インチケープマーケッティングジャパン社輸入発
売)、デンプンとデキストリンとの混合物(商品名「エ
ンガード」、メディカルフーヅジャパン社製)、デンプ
ンと増粘多糖類の混合物(商品名「スルーソフト」、キ
ッセイ薬品工業社製)、デキストリンと増粘多糖類の混
合物(商品名「トロミアップ」、日清サイエンス社
製)、加工デンプンとデキストリンの混合物(商品名
「トロメリン」、三和化学研究所社製)等が市販されて
いる。しかし、これらは、液状食品等に添加することに
より粘稠性を持たせることはできるが、そのもの自体に
より各種栄養素が補給できるほど多様な栄養素を含むも
のではない。すなわち、これら市販品に含まれる栄養素
は炭水化物が大部分で、他の栄養素としては若干量の蛋
白質と一部無機質が含まれるにすぎず、そのもの自体に
よる栄養素補給は不可能である。
【0004】一方、嚥下障害者等を対象とした栄養素の
補給、栄養補助を目的とする食品としては、各種の濃厚
流動食、ブレンダー食(ミキサー加工食品)、プリン風
バランス栄養食、ゼリー状食品等が市販されているが、
これらは嚥下補助の目的で使用するためのものではな
い。すなわち、その製品自体を食するためのものである
ため、水分補給や他の液状食品摂取の際に添加すること
により好適な粘稠性を持たせることは困難である。ま
た、他の液状食品等に添加すると、その製品自体の持つ
味や臭いが強いために、他の液状食品等が持つ風味を打
ち消してしまったり、それぞれの風味が混同して不快な
味や臭いを発する可能性が高く、一般的食品に広く添加
する粘稠化組成物としては使用できない。
【0005】医薬品の服用に関して述べれば、嚥下機能
に何らかの障害を持つ者については、注射剤、坐薬等の
内服以外の薬剤投与方法がまず選択される。やむを得ず
医薬品を服用する際には、自身でまたは介護者、薬剤師
等医療関係者により何らかの方法で嚥下可能な形状に調
製される。具体的には、液剤や散剤については直接、固
形剤であっても粉砕しても差し支えないものについては
粉砕した後に、市販のゲル状食品に添加したり、市販の
ゲル化剤、増粘安定剤、前述の嚥下補助食品等に水分と
共に添加して適度な粘稠性を与えるなどの方法がある。
健常者でも医薬品の服用が苦手な人については、散剤を
水等の液状食品に溶解、懸濁させたり、オブラートに包
んで服用する。固形剤については、液状食品に溶解させ
るか、細かく分割して服用する方法等がある。このよう
に何らかの理由により医薬品の服用が困難な状況にあっ
ては、内服が最適の投与方法であったり、内服以外の形
態がない医薬品については、色々と工夫して何とかして
服用されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】脳外科等の患者や先天
異常、事故、疾患等の後遺症を持つ人または高齢者で
は、自律神経障害等により嚥下傷害を伴うことが多い。
こうした人に不用意に水、お茶等の液体を与えると誤っ
て気管に入る場合があり、それが原因で肺炎を引き起こ
すことも少なくない。また、肺炎から死に至る可能性も
否定できない。これらの患者等が経口により(摂食の形
態で)水分を補給する際には、できるだけ液体をそのま
ま飲まないようにし、プリン、ゼリーなどの既成のゲル
状食品から水分を摂取したり、市販の嚥下補助食品やデ
ンプン等の食品に粘稠性を持たせることのできる食材を
添加した形で液状食品を摂取する方法が取られている。
一方、これらの患者が固形物を摂食し、栄養素を補給す
る際には、通常の食事をミキサー等で加工したり、粘稠
性を持たせることのできる食材を添加して調理するか、
市販の各種の濃厚流動食、ブレンダー食(ミキサー加工
食品)、プリン風バランス栄養食、ゼリー状食品等を利
用する方法が取られている。
【0007】ここで重要なことは、これら患者等にはそ
れぞれにその時の状態にあった嚥下しやすい最適な粘稠
性があるため、任意の粘稠性を作り出せることが要望さ
れているということである。また、患者等が長期にわた
って摂食することを考えれば、様々なメニューとして食
事を楽しめること、さらに、バランスよく栄養素が摂取
できることも重要である。水分補給および栄養補給の目
的で市販のゲル状食品、濃厚流動食等を摂取する方法で
は、任意の粘稠性に調製することは困難である。その
上、市販の濃厚流動食等を利用する方法では、市販品の
わずかな種類のメニューからなる食事を繰り返すことに
なり、多様なメニュー、風味を求めることにかなり制約
がある。また、通常の食品を加工する方法、粘稠性を持
たせる食材を利用し調理したり水分補給用に調製する方
法では、任意の粘稠性に調製することは難しい。さら
に、バランスよく栄養素を補給できるようなメニューに
することとも併せて、手間がかかりすぎる。
【0008】一方、市販の嚥下補助食品を添加した形で
液状食品を摂取する方法では、任意の粘稠性に調製する
ことは容易であり、添加する前の液体、食材を多様にす
ることにより色々なメニューとすることが可能である
が、バランスよく栄養素を摂取するという点では問題が
ある。つまり、嚥下補助食品自体に栄養素補給源として
の要素が乏しいため、栄養補給のためには常に添加する
前の食材の栄養バランスを考えなければならず、手間が
かかるという欠点がある。
【0009】何らかの理由により医薬品の服用が困難な
状況にあっては、内服が最適の投与方法であったり、内
服以外の形態がない医薬品については、液剤や散剤につ
いては直接、固形剤であっても粉砕しても差し支えない
ものについては粉砕して、市販のゲル状食品に添加した
り、市販のゲル化剤、増粘安定剤、嚥下補助食品等に水
分と共に添加して適度な粘稠性を与え容易に服用嚥下で
きるように、自身でまたは介護者、薬剤師等の医療関係
者が手間をかけて調製しなければならない。健常者で散
剤の服用が苦手な人については、散剤を水等の液状食品
に溶解、懸濁させたり、市販のオブラートに包んで服用
する方法、固形剤については、液状食品に溶解させる
か、細かく分割して服用する方法等がある。しかし、こ
のうち、散剤をオブラートに包む方法は固形剤を服用す
るのと同じ結果になり、散剤も固形剤も含めて医薬品そ
のものの服用が苦手な人にとっては服用の助けにはなら
ない。
【0010】本発明の目的は、嚥下機能に何らかの障害
を持つ者が水分補給や味噌汁等の液状食品摂取の際、ま
た、通常の食品、調理した食事であっても、そのままの
摂取が困難な場合に、直接または水分と共に、あるいは
ミキサー等により刻むなどの処理を行った後、添加して
適度な粘稠性を与え、安全で容易に嚥下できるように
し、同時にバランスのよい栄養素の摂取も可能とする粘
稠化組成物を提供することにある。また、医薬品の服用
が困難な状況にあってやむを得ず医薬品を内服する際
に、容易に調製可能で、食べる感覚で医薬品が服用でき
る粘稠化組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の粘稠化組成物
は、キノア穀粒、キノア穀粒の粉末、又はキノアの加工
品を主成分とすることを特徴とする。請求項2の粘稠化
組成物は、請求項1の発明に増粘安定剤を加えたものを
主成分とすることを特徴とする。請求項3の粘稠化組成
物は、請求項1の発明にデキストリンを加えたものを主
成分とすることを特徴とする。請求項4の粘稠化組成物
は、請求項1の発明にデキストリンと増粘安定剤を加え
たものを主成分とすることを特徴とする。請求項5の粘
稠化組成物は、請求項1、2、3または4の発明におい
て、一般的甘味料や香料等を添加したことを特徴とす
る。
【0012】請求項1の発明によれば、キノアを主成分
とする粘稠化組成物は水分と混ぜて任意の粘稠性をもた
せることができ、患者等が利用しやすくなった。また、
水分補給の際に水分と同時に、また栄養補給としての食
事の際には食材の持つ栄養素に加えて、キノアに含まれ
るバランスのよい栄養素、特に良質の蛋白質の摂取が可
能となり、摂食による栄養補給が安全でかつ容易になっ
た。請求項2〜4の発明によれば、増粘安定剤やデキス
トリンによって増粘効果を増強させることができ、粘稠
性のコントロール、特に高粘度化が容易になった。つま
り、キノアに含まれる栄養素の摂取量は少なくなるが、
粘稠化組成物の少量添加によっても粘稠性を持たせるこ
とが可能となった。請求項5の発明によれば、甘味や香
りが付与され嗜好性も高められるので、老若男女を問わ
ず幅広く、服用できるようになる。
【0013】つぎに、本発明の実施形態を詳細に説明す
る。本発明の粘稠化組成物の最も重要な成分はキノアで
ある。キノアは学名が「Chenopodium qu
inoa」であり、「キヌア」または「キンワ」とも呼
ばれているが、本明細書ではキノアという。このキノア
は、アカザ科の一年草であり、食用の目的で、南米アン
デスの原産地帯で紀元前から広く栽培されている。草姿
は日本の雑草アカザに酷似し、高さは約1〜1.5 mであ
る。晩夏に、茎の上部の葉腋にアカザに似た緑白色また
は紫紅色を帯びた花穂をつけ、秋に直径2〜3mmの扁円
形の果実がみのる。種子にデンプンを含み、粉にしてパ
ン状にして食べ、また粒のまま粥にして食べることがで
きる(平凡社大百科事典による)。
【0014】このキノアには、必須および準必須アミノ
酸がまんべんなく含まれており、特に欠落するアミノ酸
はない。キノアの蛋白質は、アミノ酸スコアが82であ
り非常にバランスがよいという特徴がある。このキノア
は、穀粒をそのまま用いてもよく、穀粒を粉末にして用
いてもよい。また、キノアを加工して得られるキノアデ
ンプンを使用したり、さらにキノアデンプンを物理的に
修飾したα−デンプン(デンプンを加熱糊化したも
の)、化学的に修飾した酸処理デンプン(デンプンを塩
酸や硫酸などで加水分解したもの)、酵素的に修飾した
キノアデキストリンなどに加工したものを用いてもよ
い。
【0015】デキストリンを一般的に説明すると、次の
とおりである。デンプンを酸またはアミラーゼ類で加水
分解すると、最終的にはグルコースとなるが、その途上
で、さまざまな分子量の中間生成物が得られる。これら
を総称してデキストリンという。本明細書では、それら
のうちキノアデンプン由来のデキストリンを含まず、
「トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギ
デンプン、サツマイモデンプン、コメデンプン、タピオ
カデンプン」を原料とするデキストリンを意味するもの
とする。デキストリン類は一般に水に溶けやすく、食品
素材、微生物培地、糊料、衣服の仕上げなど広範な用途
をもっている。また、種々の化合物とクラスレート化合
物を形成し、これらが熱、光、酸素などによって分解す
るのを防ぐ能力をもつため、医薬品成分や食品成分の安
定化剤として利用される一方、食品の呈味改良剤として
活用される可能性も見いだされている(平凡社大百科事
典による)。
【0016】増粘安定剤とは、一般に、水に溶解または
分散して粘稠性を生じる高分子をいう。従来は糊料とも
呼ばれていた。この増粘安定剤は、使用目的から、増粘
剤、安定剤、ゲル化剤または糊料などの名称でも呼ばれ
ている。増粘安定剤には、広義にはデンプン類(バレイ
ショデンプン等、キノアデンプンも含まれる)、寒天、
卵白等も含まれるが、本明細書では、通常は食品扱いと
されるデンプン等、寒天、卵白等は増粘安定剤に含まな
いものとする。入手可能な増粘安定剤の分類・種類は以
下のとおりである。 化学的合成品 カルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:カル
ボキシメチルセルロース、ダイセル化学工業社製
等)、メチルセルロース(商品名:メトローズSM、信
越化学工業社製 等)など 種子を原料とする多糖類 グァーガム(大日本製薬社製 等)、タマリンドガムな
ど 樹脂を原料とする多糖類 アラビアガム(商品名:アラビアゴムHP、三栄薬品貿
易社 等)、トラガントガム(トラガント末:野村貿易
社 等)など 海藻を原料とする多糖類 アルギン酸ナトリウム(商品名:キミツアルギン、君津
化学工業社製 等)、カラギーナン(五協産業社製
等)など 発酵による多糖類 キサンタンガム(商品名:エコーガム、大日本製薬社製
等)、カードランなど 植物抽出物 ペクチン(曽田香料社製 等)など 甲殻抽出物 キチン(商品名:水溶性キチン、焼津水産化学工業社製
等)、キトサン(商品名:フローナック−S、共和テ
クノス社製)など
【0017】本発明の粘稠化組成物は、キノアを主成分
とするものであるが、これにデキストリンや増粘安定剤
を加えてもよい。加える増粘安定剤の種類は一種類でも
数種類でもよい。加える割合は、選択する増粘安定剤や
デキストリンの種類、どのグレード(規格)を選択する
か、また一種類の添加か数種類の組み合わせ添加か等に
よって変化するため、所望の粘度になるように任意に選
択すればよい。なお、同種の増粘安定剤であっても、高
粘度用〜低粘度用まで幾段階かグレード(規格)がある
ものが多く、グレードにより同一量使用した場合でも得
られる粘度が異なる。
【0018】本発明の粘稠化組成物の用い方は、例え
ば、つぎのとおりである。 液状の食品と混ぜて食す。 水に溶かして、固形の食品を混ぜ、ヨーグルト状等に
して食す。 シロップ剤、浸剤、煎剤等の液状の医薬品に混ぜてヨ
ーグルト状等にして服用する。 水に溶かして、粉末状または固形の医薬品を混ぜてヨ
ーグルト状等にして服用する。 ただし、デンプンやアミノ酸等の栄養素との相互作用に
より薬効が変化するなどの理由で、本発明の組成物と同
時に摂取しないほうが望ましい医薬品が存在するかもし
れない。医薬品の服用に際しては医薬品の特性に注意し
て使用することが重要である。上記のように食する際、
水分との混合割合によって、液状に近い粘度からヨウカ
ンに近い粘度にまで、任意に調製できる。
【0019】つぎに、代表的な用法を詳細に説明する。 嚥下障害者、高齢者等嚥下機能に何らかの障害を持つ
者、並びに医薬品等の固形剤(錠剤、カプセル等)、散
剤(粉剤、顆粒剤等)等の服用が苦手な者(高齢者、幼
児)が主たる対象者であるが、一般人であってもよい。
嚥下機能に何らかの障害を持つ者が水分補給や味噌汁等
の液状食品摂取の際に、直接添加して液状物に適度な粘
稠性を与え、安全に嚥下できるようにする。また、通常
の食品、調理した食事であっても、そのままの摂取が困
難な場合には、直接または水分と共に、あるいはミキサ
ー等により刻むなどの処理を行った後、添加して適度な
粘稠性を与え、容易に嚥下できるようにする。健常者で
あっても、水分や食品の摂取の際添加することにより、
通常の食感とは異なる食感を得ることができるようにす
る。さらに、嚥下機能に何らかの障害を持つ者が医薬品
を服用する際に、液剤については直接、散剤あるいは固
形剤であっても粉砕しても差し支えないものについては
水分と共に添加して適度な粘稠性を与え、安全に服用嚥
下できるようにする。あるいは、健常者で医薬品特に散
剤の服用が苦手な人にとっても、同様に添加することに
より粘稠性のある剤型としてゾルからゲルの任意の状態
に調製し容易に服用できるようにする。 嚥下機能に何らかの傷害を持つ者が水分補給や味噌汁
等の液状食品摂取の際、また、通常の食品および調理し
た食事を摂取する際に添加することにより、添加する前
のもとからの栄養素にバランスのよい天然の食品「キノ
ア」の栄養素、特に良質の蛋白質を加算し摂取すること
ができる。
【0020】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を説明する。原材料
として、キノア(商品名「キンワ」、大日本明治製糖
(株))、デキストリンとして(商品名「パインデック
ス#1」松谷化学工業(株)社製)、増粘安定剤とし
て、カルボキシメチルセルロースナトリウム(キシダ化
学(株)社製、重合度600 〜800 )、キサンタンガム
(システムズバイオインダストリーズ(株)社製 SATI
AXANE CX90)、λタイプカラギナン(システムズバイオ
インダストリーズ(株)社製 SATIAGUM MM10)を用意
した。これらにより、下記の実施例1〜8を調製し、こ
れらのもつ粘度を測定した。
【0021】結果はつぎのとおりである。なお、各実施
例において、キノアとデキストリンと増粘安定剤の配合
割合を0〜10の数字で示し、いずれも得られた組成物
5gを100 ccの水に溶かした場合の粘度を測定した。粘
度の測定はブルックフィールド粘度計(形式LVT 、ブル
ックフィールド社製)を用い、室温30℃で測定した。 実施例1 キノア デキストリン 4.7 mPa・S 粘度 10 : 0 実施例2 キノア デキストリン 10.2mPa・S 粘度 8 : 2 実施例3 キノア デキストリン 3.8 mPa・S 粘度 2 : 8 実施例4 キノア デキストリン カルボキシメチル 13.2mPa・S 粘度 セルロースナトリウム 9 : 0 : 1 実施例5 キノア デキストリン カルボキシメチル 43.2mPa・S 粘度 セルロースナトリウム 8 : 0 : 2 実施例6 キノア デキストリン カルボキシメチル 12.8mPa・S 粘度 セルロースナトリウム 8 : 1 : 1 実施例7 キノア デキストリン キサンタンガム 91.4mPa・S 粘度 8 : 1 : 1 実施例8 キノア デキストリン λタイプカラギナン 32.3mPa・S 粘度 8 : 1 : 1
【0022】上記実施例1〜8のように、粘度は、最低
3.8 mPa・S から最高91.4mPa・S と広く分布しており、こ
のことから、任意の粘度に調製できることが明らかであ
る。さらに上記のことから「増粘安定剤の種類を変える
こと」および「キノアやデキストリンとの配合比変化」
により、また、「キノアを加熱するなどの処理をした後
に使用する」等により無数の実施例が考えられ、無数の
粘度調製が可能となっているのである。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、冷水、低温のジュース
等で増粘効果を発揮し、ゾルからゲルまでの任意の粘度
を持たせることが可能で、嚥下機能に何らかの傷害を持
つ者が水分補給、液状食品摂取ならびに医薬品の服用を
する際、安全に行える。また、通常の食事を嚥下し易い
形状へ調製することが容易であり、医薬品の服用が苦手
な者においても、散剤等を服用し易い形状に調製するこ
とができる。さらに、最大の特徴として、上記の効果が
得られると同時に、キノアの有する各種栄養成分を摂取
することができる。特に、嚥下機能に何らかの障害を持
つ者にとっては、水分補給と同時に栄養補給が行えるわ
けである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 47/26 A23L 2/00 F E (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/30 A23L 2/38 A23L 2/52 A61K 35/78 A61K 47/26 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アカザ科の植物であるキノアの穀粒、キノ
    ア穀粒の粉末又はキノアデンプン等のキノアの加工品を
    主成分とすることを特徴とする水分、食品および医薬品
    等の嚥下並びに服用補助のための粘稠化組成物。
  2. 【請求項2】キノア穀粒、キノア穀粒の粉末又はキノア
    の加工品と増粘安定剤を主成分とすることを特徴とする
    請求項1記載の粘稠化組成物。
  3. 【請求項3】キノア穀粒、キノア穀粒の粉末又はキノア
    の加工品とデキストリンを主成分とすることを特徴とす
    る請求項1記載の粘稠化組成物。
  4. 【請求項4】キノア穀粒、キノア穀粒の粉末又はキノア
    の加工品とデキストリンと増粘安定剤を主成分とするこ
    とを特徴とする請求項1記載の粘稠化組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の発明に、
    一般的甘味料や香料等を添加したことを特徴とする粘稠
    化組成物。
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