JP5573551B2 - インタラクティブボード用の反射スクリーン、インタラクティブボード、インタラクティブボードシステム - Google Patents
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Description
また、近年では、会議や授業等の場面において、ボード上に描いた文字や図形を、そのままパーソナルコンピュータに入力したり、パーソナルコンピュータの画像情報をボード上に投影し、手書きされたボード上の文字や画像をパーソナルコンピュータ上に表示したりできるインタラクティブボードと呼ばれる電子黒板の利用が広まってきている(例えば、特許文献2参照)。
また、反射スクリーンとして、コントラストや解像度向上等の映像の明瞭化や、薄型化や軽量化、生産コストの低減等は、常々求められているものである。
特許文献2に示すインタラクティブボードでは、反射スクリーンの形状等に関する詳細な記載がなく、また、上述のような課題に対する対策も開示されていない。
請求項1の発明は、観察面側から照射された映像光を反射して表示するインタラクティブボード用の反射スクリーンであって、背面側の面にリニアフレネルレンズ形状が形成された光学形状層(11,21)と、前記光学形状層よりも背面側に設けられるタッチパネル層(13)と、前記光学形状層と前記タッチパネル層との間に隙間なく充填され、前記光学形状層と前記タッチパネル層とを接合する接合層と、を備え、前記リニアフレネルレンズ形状は、レンズ面(112)と非レンズ面(113)とを備える単位レンズ(111)の長手方向が使用状態における画面左右方向となるように画面上下方向に配列され、前記単位レンズの前記レンズ面がスクリーン面に平行な面(H)となす角度(β)は、前記単位レンズの配列方向に沿って画面上側となるにつれてしだいに大きくなるように又は小さくなるように変化しており、前記レンズ面の表面には、反射層(114)が形成され、前記接合層は、暗色系の色であり、少なくとも前記非レンズ面の背面側を被覆していること、を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン(10,20)である。
請求項3の発明は、請求項2に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンにおいて、前記タッチパネル層(13)は、印刷により形成された導電パターン層(133)を備えること、を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン(10,20)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンにおいて、前記単位レンズ(111)の前記レンズ面(112)がスクリーン面に平行な面(H)となす角度(β)は、前記単位レンズの配列方向に沿って画面上側となるにつれてしだいに小さくなるように変化しており、前記反射層(114)は、使用状態における画面上下方向において、上側端部が下側端部よりも背面側となるように傾いていること、を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン(10,20)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンにおいて、観察面側表面には、少なくともハードコート機能を有する表面機能層(14)を備えること、を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン(10,20)である。
請求項8の発明は、請求項7に記載のインタラクティブボードシステムにおいて、前記単位レンズ(111)の前記レンズ面がスクリーン面に平行な面(H)となす角度(β)は、前記単位レンズの配列方向に沿って画面上側となるにつれてしだいに小さくなるように変化しており、前記反射面(114)は、使用状態における画面上下方向において上側端部が下側端部よりも背面となるように傾いており、前記光源部(Ls)は、使用状態における画面上方から映像光を投射すること、を特徴とするインタラクティブボードシステムである。
(1)本発明によるインタラクティブボード用の反射スクリーンは、背面側の面にリニアフレネルレンズ形状が形成された光学形状層と、光学形状層よりも背面側に設けられるタッチパネル層とを備え、リニアフレネルレンズ形状は、レンズ面と非レンズ面とを備える単位レンズの長手方向が使用状態における画面左右方向となるように画面上下方向に配列され、単位レンズのレンズ面がスクリーン面に平行な面となす角度が、単位レンズの配列方向に沿って画面上側となるにつれてしだいに大きくなるように又は小さくなるように変化しており、レンズ面の表面には、反射層が形成され、非レンズ面の表面は、光を吸収する黒色層により被覆されている。
従って、非レンズ面が黒色層によって被覆されているので、反射スクリーンに入射した外光の少なくとも一部が吸収され、コントラストが向上し、明瞭な映像を表示できる。
また、この反射スクリーンは、タッチパネル層が光学形状層の反射面よりも背面側に設けられているので、タッチパネル層を反射面よりも観察面側(光源側)に設けられた反射スクリーンに比べて、タッチパネル層を透過することによって投射された映像光及び反射した映像光が吸収される等により映像の明るさが低下することを防止できる。また、解像度の低下も低減できる。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、特許請求の範囲の記載は、シートという記載で統一して使用した。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光学シートは、光学フィルムとしてもよいし、光学板としてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
図1は、第1実施形態のインタラクティブボード及びインタラクティブボードシステムを示す図である。
本実施形態のインタラクティブボードシステムは、インタラクティブボード50と、投影機Lsと、インタラクティブボード50の観察面上に文字や図形等を描画可能な入力部60と、パーソナルコンピュータ70等の制御部とを備えている。
インタラクティブボード50は、支持部材51とインタラクティブボード用の反射スクリーン(以下、理解を容易にするため、単に反射スクリーン又はボードという)10とを備えている。このインタラクティブボード50は、図1に示すように、観察面側の上方から投射された映像光を、その観察面に表示可能である。
本実施形態の反射スクリーン10は、観察面側から見て略矩形状であり、その画面サイズが対角80インチサイズ(1220×1620mm)である。
支持板55は、インタラクティブボード50の支持部材51の一部であり、反射スクリーン10の背面側に設けられ、反射スクリーン10の平面性を維持する部材である。この支持板55は、木製や金属製、樹脂製等の板状の部材やガラス板等を使用することができる。また、反射スクリーン10を移動させる必要が無い場合には、支持板55として壁面等を利用することも可能である。なお、反射スクリーン10が十分な剛性を有し、平面性を維持できる場合には、支持板55を設けない形態としてもよい。
接合層54は、粘着剤又は接着剤により形成され、反射スクリーン10を支持板55に接合させる層である。
支持部材51は、反射スクリーン10の高さを変えられるものとしてもよいし、変えられないものとしてもよい。また、図1に示すように、支持部材51の床面との接地部分に車輪52等を設けて、移動可能な形態としてもよい。
この投影機Lsは、汎用のプロジェクタ等を用いることができる。例えば、DLP、LCD方式等の光源装置を用いてもよいし、プロジェクタとしての機能を有するデジタルカメラ等を用いてもよく、使用目的や使用環境に応じて適宜選択できる。
本実施形態のタッチパネル層13は、入力部60が反射スクリーン10の観察面に接触した際の圧力を感知することにより、入力部60によって観察面に描画された情報等を検出し、それらの情報を、制御部へ伝送する機能を有している。このタッチパネル層13の形状の詳細については、後述する。
本実施形態のパーソナルコンピュータ70は、USBケーブル等を用いて有線で、タッチパネル層13及び投影機Lsと接続されて通信可能となっているが、これに限らず、少なくとも一方と無線で通信可能な形態としてもよい。なお、本実施形態ではパーソナルコンピュータ70を用いる例を示したが、少なくともインタラクティブボードシステムを統括的に制御可能な機能を有するものであれば、例えば、携帯電話等の携帯情報端末を用いてもよく、使用環境等に応じて適宜選択して用いてよい。
この位置情報は、例えば、パーソナルコンピュータ70の画面の位置情報と、観察面の位置情報(座標情報)とが一致するように、使用者Sがインタラクティブボード50又はパーソナルコンピュータ70の調節部(図示せず)を操作して、予め調整しておくことができる。このような形態とすれば、例えば、使用者Sが入力部60を用いて反射スクリーン10の観察面上に描画した図形や文字等を、投影画像と組み合わせ、図形や文字等が投影画像上に描かれたように表示することができる。また、例えば、パーソナルコンピュータ70の表示画面をインタラクティブボード50に表示し、使用者Sは、マウス等で操作するように入力部60を操作してパーソナルコンピュータ70を操作することもできる。
ここで、スクリーン面とは、反射スクリーン10全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、本明細書中及び特許請求の範囲において、同一の定義として用いている。
図2に示すように、反射スクリーン10は、レンズ層11、接合層12、タッチパネル層13、表面機能層14等を有している。
本実施形態の表面機能層14は、レンズ層11の後述するレンズ基材層116の観察面側表面に、スチレン粒子(平均粒径7.5〜8.0μm、屈折率1.59)を含有する電離放射線硬化型樹脂(例えば、多官能アクリルモノマーとビニルモノマーとを重合させたものにシリコン系レベリング剤を添加したもの)を膜厚7μm程度で塗布して形成されている。そして、本実施形態の表面機能層14は、その表面粗さである算術平均粗さRa(JIS B0601−2001)が136nm、最大高さRz(JIS B0601−2001)が453nmであり、防眩機能を発揮するに十分な表面粗さを有しつつ、筆記性を妨げることはない。
レンズ層11は、レンズ形状層115とレンズ基材層116とを備えている。
レンズ基材層116は、シート状の部材であり、観察面側には表面機能層14が設けられ、背面側にレンズ形状層115が形成されている。このレンズ基材層116は、レンズ形状層115のベース(基材)としての機能を有している。
単位レンズ111は、断面形状が背面側に凸となり、角度αとなる頂角を有する略三角柱形状であり、この頂角を形成する2つの平面であるレンズ面112と非レンズ面113を備えている。単位レンズ111は、その長手方向を画面左右方向とし、スクリーン面に沿って画面上下方向に配列されている。
また、レンズ層11は、使用者Sが観察面を接触することにより、後述のタッチパネル層13の観察面側の電極フィルム130Aと一体となって、背面側の電極フィルム130Bに接触可能な程度の柔軟性を有することが好ましい。
単位レンズ111の非レンズ面113は、スクリーン面に平行な仮想平面Hに対して角度γ(γ≧β)をなしており、映像光の反射には寄与しない面である。
この角度β及び角度γの範囲は、レンズ基材層116及びレンズ形状層115の屈折率が1.4〜1.6の範囲内であり、反射スクリーン10の画面への映像光の入射角度(画面上下方向における入射角度)が20〜80°とした場合を想定して設定している。
なお、リニアフレネルレンズ形状は、これに限らず、例えば、配列ピッチPが単位レンズ111の配列方向においてしだいに変化してもよいし、単位レンズ111の高さが一定であってもよい。また、角度γは、画面上下方向上側となるにしたがい大きくなる形態としてもよいし、一定であってもよい。
レンズ層11は、図4(a)に示すように、画面上方から照射された映像光L1は、レンズ面112に形成された反射層114により、観察面の正面方向となる観察者側へ向けて反射される。また、映像光L1とは異なる方向から入射する外光(照明光や窓からの光等)は、図4(b),(c)中にL2〜L4で示すように、反射スクリーン10の上方や下方等、観察者の視野角範囲外となる方向へ反射される。
従って、レンズ層11は、映像光を観察者側へ反射し、かつ、外光の映りこみや外光によるコントラストの低下等を大幅に低減できる。
仮に、接合層12が設けられない場合、レンズ層11とタッチパネル層13との間は空隙となる。このとき、入力部60によって観察面に筆記されると、筆記された箇所の単位レンズ111がタッチパネル層13に押接され、単位レンズ111及び反射層114や、タッチパネル層13の破損等が生じるおそれがある。しかし、本実施形態では接合層12を備えているので、上述のような破損等を防止することができる。
また、仮に、接合層12が設けられていない反射スクリーンの場合、特定の箇所に筆記等が集中すると、レンズ層11のその箇所等に、へたりや歪み等の変形が生じる場合がある。しかし、本実施形態では接合層12を備えているので、そのような変形を防止することができる。
レンズ層11の背面側に黒色の接合層12を設けることにより、表面機能層14の表面等の微細な凹凸等で屈折し、レンズ層11への入射角度が変化した外光等の一部が非レンズ面113に入射し、黒色の接合層12によって吸収されるので、外光によるコントラストの低下を低減できる。
タッチパネル層13は、図2に示すように、2枚の電極フィルム130A,130Bを、その電極面(導電パターン層133が形成されている側の面)を対向させ、不図示のスペーサにより所定の間隔Gを空けて配置されている。
図5は、電極フィルム130A,130Bを説明する図である。図5(a)は、電極フィルム130A、130Bの断面図であり、図5(b)は、電極フィルム130A,130Bの平面図であり、図5(c)は、導電パターン層133の拡大斜視図である。
電極フィルム130A,130Bは、図5(a)に示すように、その中央部に位置し、反射スクリーン10の観察面(表示面)に対峙する領域に導電パターン層133が形成された導電メッシュパターン部134と、その導電パターン層133が形成されない周辺部135とを有している。なお、図5(b)において、周辺部135に形成された配線等は省略して示している。
また、電極フィルム130A,130Bは、図2及び図5(a)に示すように、いずれも、電極基材層131、プライマー層132、導電パターン層133を備えている。
また、電極基材層131を無機材料で形成する場合には、ソーダガラス、カリガラス、鉛ガラス、石英ガラス等のガラス、結晶性石英(水晶)、方解石(炭酸カルシウム)等の透明無機結晶、PLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)等の透明セラミックス等を用いてもよい。
観察面側(入力側)となる電極フィルム130Aの電極基材層131は、PET樹脂の場合、100〜188μm程度であり、支持板55側(固定側)となる電極フィルム130Bの電極基材層131は、ガラス基材の場合、50〜5000μm程度である。
プライマー層132は、電離放射線硬化型樹脂や熱可塑性樹脂を塗工して形成されることが好ましく、密着性や耐久性改善、各種物性付与のため、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤や変性樹脂を使用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線を照射されることにより硬化する紫外線硬化型樹脂や、電子線を照射されることにより硬化する電子線硬化型樹脂等の他にも、可視光線やX線、γ線等の電磁波や、α線等の荷電粒子線の照射により硬化を生じるものを用いてもよい。
プライマー層132の厚さは、特に限定しないが、通常は、硬化後の厚さで、1〜100μm程度となるように形成される。
導電パターン層133は、図5(c)に示すように、その線幅Wが5〜200μmであり、線間のピッチP2が100〜1000μmであり、開口率(導電メッシュパターン部134の全面積中における開口部136の合計面積が占める比率)は、通常、50〜90%程度となっている。
また、導電パターン層133の厚さTCは、その中央部(頂部)での測定において、2〜50μmであり、好ましくは5〜20μmである。
導電性組成物は、凹部に充填する時点では、流動性を有しており、転写されて所望のパターンを形成し、硬化した時点で所望の導電性を発現するものである。例えば、導電性粒子とバインダ樹脂とを含み、必要に応じてさらにその樹脂を溶解又は分散する溶剤又は分散剤を含んだ流動性を有するインキ又はペースト状の材料である。導電パターン層133は、この導電性組成物を乾燥又は硬化させた後の固形物からなる塗膜のことである。
例えば、導電性組成物を構成する導電性粒子としては、金、銀、白金、銅、錫、パラジウム、ニッケル、アルミニウム等の低抵抗率金属粒子や、これら低抵抗率金属以外の材料からなる粒子(例えば、上述の低抵抗率金属以外の金属粒子、アクリル樹脂等の樹脂粒子、シリカ、アルミナ等の無機粒子)の表面に、金や銀等の低抵抗率金属をめっきした粒子、カーボンブラック等の導電性炭素の粒子、導電性セラミックスや導電性有機高分子化合物の粒子等も使用できる。導電性粒子の形状は、球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状等、適宜選択できる。
導電性組成物中の導電性粒子の含有量は、導電性粒子の導電性や粒子の形態に応じて任意に選択される。例えば、導電性組成物の固形分100質量部のうち、導電性粒子を10〜99質量部の範囲内で含有させることができる。
実施例の反射スクリーンは、本実施形態の実施例に相当し、上述の本実施形態の反射スクリーン10と略同様の形態である。
比較例の反射スクリーンは、接合層12が略透明であり、少なくとも非レンズ面113が黒色の層により被覆されていない点が本実施形態とは異なる以外は、本実施形態の反射スクリーン10と略同様の形態である。
評価の結果、比較例の反射スクリーンでは、コントラストの低下が見られ、映像が白っぽく観察された。一方、接合層12を黒色とし、非レンズ面113の背面側表面を黒色樹脂で被覆した実施例の反射スクリーンは、コントラストが良好であった。
実施例の反射スクリーン及び比較例の反射スクリーンでは、図4に示すように、反射層114によって映像光は観察者側へ反射するが、主たる外光は観察者の視野角範囲外となる反射スクリーン10の下方や上方へ反射し、これによりコントラストの向上を図っている点は同様である。実施例の反射スクリーン10では、さらに接合層12を黒色として、非レンズ面113の背面側表面を黒色樹脂で被覆しているので、表面機能層14の表面の凹凸形状によって拡散された一部の外光が反射層で反射する等して非レンズ面113から黒色の接合層12に入射して吸収され、これにより、コントラスト向上効果が高められ、非レンズ面113の背面側表面を黒色樹脂で被覆していない比較例の反射スクリーンに比べ、高いコントラストの映像を表示できたと考えられる。
また、本実施形態によれば、タッチパネル層13は、抵抗膜方式であり、ITO膜を使用することなく、印刷により形成可能な導電パターン層133を導電層として使用するので、安価に製造できる。しかも、本実施形態によれば、反射スクリーンの構成を簡単にすることができ、薄型化・軽量化を図ることができる。
さらにまた、本実施形態によれば、レンズ形状層115は、紫外線硬化型樹脂により形成されるので、よりピッチの細かいリニアフレネルレンズ形状とすることができ、より明瞭な映像を表示できる。
図6は、第2実施形態の反射スクリーンの層構成を説明する図である。図6では、図2と同様に、画面上下方向に平行であってスクリーン面に直交する断面の一部を拡大して示している。
第2実施形態の反射スクリーン20は、レンズ層21の形状が第1実施形態とは異なる点以外は、前述の第1実施形態の反射スクリーン10と略同様である。従って、前述の第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の反射スクリーン20は、観察面側から順に、表面機能層14、レンズ層21、接合層12、タッチパネル層13を備えている。この反射スクリーンは、図1に示すように接合層54を介して支持板55に接合されており、前述の第1実施形態の反射スクリーン10と同様に、支持部材51に取り付けられ、インタラクティブボード50及びインタラクティブボードシステム1として使用可能である。
このレンズ層21の厚さ(レンズ層21の観察面側の面から反射層を含む単位レンズ111の頂点までの寸法)は、100〜250μmの範囲内適宜選択可能である。
レンズ層21は、使用者Sが観察面を接触することにより、後述のタッチパネル層13の観察面側の電極フィルム130Aと一体となって、背面側の電極フィルム130Bに接触可能な程度の柔軟性を有することが好ましい。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、タッチパネル層13は、抵抗膜方式である例を示したが、これに限らず、例えば、超音波方式のタッチパネル等を使用してもよい。
また、第1実施形態において、レンズ層11は、レンズ基材層116が背面側にレンズ形状層115を備える例を示したが、これに限らず、レンズ層は、例えば、観察面側に表面機能層14を備えたレンズ基材層の背面側の面と、背面側にレンズ形状層115が形成された拡散基材層(拡散シート)の観察面側の面とを、粘着剤又は紫外線硬化型樹脂等により接合した形態としてもよい。
さらに、第2実施形態において、レンズ層21は、押し出し成形により形成され、観察面側の面に表面機能層14が形成される例を示したが、これに限らず、例えば、観察面側に表面機能層14が形成された基材層(例えば、PET樹脂製シート状の部材)の背面側の面と、レンズ層21の観察面側の面とを粘着剤又は紫外線硬化型樹脂等により接合した形態としてもよい。
図7は、変形形態の電極フィルムの平面図である。
図7に示すように、変形形態の電極フィルム330の導電メッシュパターン部334は、複数の領域に分割され、個々の導電メッシュパターン部から配線337が設けられている。なお、図示しないが、配線は、図7中に示す導電メッシュパターン部334の右側からも出ている。
このような電極フィルム330を2枚用い、1枚の電極フィルム330は、図7に示すようにその長手方向が画面左右方向となるように導電メッシュパターン部334を設け、もう1枚の電極フィルム330は、導電メッシュパターン部334の長手方向が画面上下方向となるように設け、2枚の電極フィルム330の導電メッシュパターン部334の長手方向が互いに直交するように配置することにより、マルチタッチ用のタッチパネル層とすることができる。
このような電極フィルム330であっても導電メッシュパターン部334を印刷により容易に形成でき、生産コストを低減できる。
反射防止機能を有する場合は、照明光等の映りこみを防止し、コントラストを向上させることができる。帯電防止機能を有する場合は、静電気を除去し、観察面上への埃等の付着を防止できる。紫外線吸収機能を有する場合は、外光に含まれる紫外線によるスクリーンの黄変を防止できる。防汚機能を有する場合は、スクリーンの表面に汚れが付着することを防止できる。着色や減光機能を有する場合は、コントラストの向上を図ることができる。
なお、このような機能を有する層は1つでもよいし、複数設けてもよく、使用環境等に応じて適宜選択して組み合わせて用いてよい。また、表面機能層がこれらの機能を併せ持つ形態としてもよい。さらに、レンズ基材層116やレンズ層21が十分な耐傷性を有するならば、表面機能層を設けず、レンズ基材層116やレンズ層21の観察面側表面に微細な凹凸形状を形成し、防眩機能等を付与する形態としてもよい。
10,20 反射スクリーン(ボード)
11,21 レンズ層
111 単位レンズ
112 レンズ面
113 非レンズ面
114 反射層
12 接合層
13 タッチパネル層
133 導電パターン層
50 インタラクティブボード
51 支持部材
54 接合層
55 支持板
Claims (8)
- 観察面側から照射された映像光を反射して表示するインタラクティブボード用の反射スクリーンであって、
背面側の面にリニアフレネルレンズ形状が形成された光学形状層と、
前記光学形状層よりも背面側に設けられるタッチパネル層と、
前記光学形状層と前記タッチパネル層との間に隙間なく充填され、前記光学形状層と前記タッチパネル層とを接合する接合層と、
を備え、
前記リニアフレネルレンズ形状は、レンズ面と非レンズ面とを備える単位レンズの長手方向が使用状態における画面左右方向となるように画面上下方向に配列され、前記単位レンズの前記レンズ面がスクリーン面に平行な面となす角度は、前記単位レンズの配列方向に沿って画面上側となるにつれてしだいに大きくなるように又は小さくなるように変化しており、
前記レンズ面の表面には、反射層が形成され、
前記接合層は、暗色系の色であり、少なくとも前記非レンズ面の背面側を被覆していること、
を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン。 - 請求項1に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンにおいて、
前記タッチパネル層は、抵抗膜方式のタッチパネルであること、
を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン。 - 請求項2に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンにおいて、
前記タッチパネル層は、印刷により形成された導電パターン層を備えること、
を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンにおいて、
前記単位レンズの前記レンズ面がスクリーン面に平行な面となす角度は、前記単位レンズの配列方向に沿って画面上側となるにつれてしだいに小さくなるように変化しており、
前記反射層は、使用状態における画面上下方向において、上側端部が下側端部よりも背面側となるように傾いていること、
を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンにおいて、
観察面側表面には、少なくともハードコート機能を有する表面機能層を備えること、
を特徴とするインタラクティブボード用の反射スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のインタラクティブボード用の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンを支持する支持部と、
を備えるインタラクティブボード。 - 請求項6に記載のインタラクティブボードと、
前記インタラクティブボードの観察面側から映像を投射する光源部と、
を備えるインタラクティブボードシステム。 - 請求項7に記載のインタラクティブボードシステムにおいて、
前記単位レンズの前記レンズ面がスクリーン面に平行な面となす角度は、前記単位レンズの配列方向に沿って画面上側となるにつれてしだいに小さくなるように変化しており、
前記反射スクリーンの反射面は、使用状態における画面上下方向において上側端部が下側端部よりも背面となるように傾いており、
前記光源部は、使用状態における画面上方から映像光を投射すること、
を特徴とするインタラクティブボードシステム。
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