JP2011253065A - インタラクティブボード、インタラクティブボードシステム - Google Patents

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哲弥 貞弘
Takeshi Ogawa
武伺 小川
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Abstract

【課題】観察面への描画によって歪み等の変形が生じないインタラクティブボード及びインタラクティブボードシステムを提供する。
【解決手段】インタラクティブボード20は、背面側から投射された映像光Lを観察面側に出射して映像を表示するインタラクティブボード用の透過型スクリーンであるスクリーン10と、スクリーン10の周縁部分を保持する固定部22を有し、スクリーン10を支持する支持台21とを備え、このスクリーン10は、2つ以上の層が一体に積層された1枚構成であり、固定部22によってその周縁部を保持された状態で、スクリーン面の法線方向に平行な少なくとも1つの方向の断面形状が、使用状態における映像光の入射側(背面側)に凸となるような湾曲形状を有していることを特徴とするものとし、また、これを備えるインタラクティブボードシステムとした。
【選択図】図3

Description

本発明は、インタラクティブボード、インタラクティブボードシステムに関するものである。
近年、会議や授業等の場面において、ボード上に描いた文字や図形を、そのままパーソナルコンピュータに入力したり、パーソナルコンピュータの画像情報をボード上に投影し、手書きされたボード上の文字や画像をパーソナルコンピュータ上に表示したりできるインタラクティブボードと呼ばれる電子黒板の利用が広まってきている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に示すインタラクティブボードでは、パーソナルコンピュータからの画像を、ボードの前面側、即ち、観察者側から投射している。そのため、ボードに手書きで文字等の情報を書き加える際に、投影画像が遮られるという問題や、ボードの前面に投影機を設置するための場所が必要となるという問題がある。
そこで、特許文献2に示すような、背面から投射された映像を表示可能な透過型スクリーンをボードとして用い、パーソナルコンピュータからの画像をボード(透過型スクリーン)の背面側から投射して表示するインタラクティブボード等や、特許文献3に示すような、透過型スクリーンを用いた対話型のリアプロジェクションテレビの開発も進められている。
実用新案登録第3093288号公報 特開2004−070188号公報 特開2008−046177号公報
このようなインタラクティブボードは、スクリーン(ボード)の観察面側に使用者が文字や図形等を描画可能であり、使用者が筆記する際には、ボードに対して、観察面側から背面側へ力がかかる。そのため、ボードには、このような力を受けても、歪みや撓み等の変形が生じないことが必要とされる。筆記の際の力でスクリーンに歪み等の変形が生じると、映像に歪みが生じ、画質の劣化の原因となり、変形が大きい場合には、スクリーンの破損を招くおそれがある。
しかし、特許文献1には、そのようなボードの歪み等の変形を防止する対策に関して一切開示されていない。
特許文献2では、透過型スクリーンがインタラクティブボードとして使用するための機能を備えておらず、そのような歪み等の変形を防止する対策に関して一切開示されていない。また、特許文献3にも、そのような歪み等の変形を防止する具体的な対策に関して一切開示されていない。
本発明の課題は、観察面への描画によって歪み等の変形が生じないインタラクティブボード、インタラクティブボードシステムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、背面側から投射された映像光(L)を観察面側に出射して映像を表示するインタラクティブボード用の透過型スクリーン(10)と、前記透過型スクリーンの周縁部分を保持する固定部(22)を有し、前記透過型スクリーンを支持する支持部材(21)と、を備えるインタラクティブボード(20)であって、前記透過型スクリーンは、2つ以上の層(11,12,13)が一体に積層された1枚構成であり、前記固定部によってその周縁部を保持された状態で、スクリーン面の法線方向に平行な少なくとも1つの方向における断面形状が、使用状態における背面側に凸となるような湾曲形状を有していること、を特徴とするインタラクティブボード(20)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のインタラクティブボードにおいて、前記湾曲形状は、スクリーン面の法線方向に平行であり、かつ、スクリーン面内で直交する2つの方向での断面の断面形状が、いずれも背面側に凸となること、を特徴とするインタラクティブボード(20)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインタラクティブボードにおいて、前記透過型スクリーン(10)は、前記2つ以上の層(11,12,13)の間に、前記2つ以上の層を一体に接合する接合層(14a,14b)を備え、前記接合層の弾性率は、3000MPa以上であること、を特徴とするインタラクティブボード(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のインタラクティブボードにおいて、前記透過型スクリーン(10)は、前記映像光(L)を略平行光として観察面側へ向ける偏向光学層(11)と、前記偏向光学層より観察面側に設けられ、光を拡散する作用を有する光拡散層(12)とを備え、前記偏向光学層側が前記湾曲形状の凸側となること、を特徴とするインタラクティブボード。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のインタラクティブボードにおいて、前記湾曲形状は、その曲率半径R(単位:m)が、0<1/R≦1/12を満たすこと、を特徴とするインタラクティブボード。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のインタラクティブボードにおいて、前記透過型スクリーン(10)は、その形状を拘束しない状態で、スクリーン面の法線方向に平行な少なくとも1つの方向の断面形状が、使用状態における観察面側に凸となるような湾曲形状を有していること、を特徴とするインタラクティブボード。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のインタラクティブボード(20)と、前記インタラクティブボードの背面側から映像光を照射する光源部(30)と、前記インタラクティブボードの前記透過型スクリーンの観察面上へ書き込まれた情報を検出する検出部と、前記光源部へ映像データを出力し、前記検出部が検出した前記情報を取り込む制御部(40)とを備えるインタラクティブボードシステムである。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明のインタラクティブボードは、背面側から投射された映像光を観察面側に出射して映像を表示するインタラクティブボード用の透過型スクリーンと、透過型スクリーンの周縁部分を保持する固定部を有し、透過型スクリーンを支持する支持部材とを備え、透過型スクリーンは、2つ以上の層が一体に積層された1枚構成であり、固定部によってその周縁部を保持された状態で、スクリーン面の法線方向に平行な少なくとも1つの方向における断面形状が、使用状態における背面側に凸となるような湾曲形状を有している。従って、使用者が観察面上に文字や図形等を描画する際に透過型スクリーンにかかる観察面側から背面側への力を、透過型スクリーンに湾曲形状が付されて固定されることにより生じる力(元の形状に戻ろうとする力)によって緩和することができ、観察面上への書き込み時に生じる透過型スクリーンの歪み等の変形を防止できる。これにより、透過型スクリーンの変形に起因する映像の歪みや描画のしにくさ(筆記性の低下)を防止でき、また、透過型スクリーンの変形に起因するヒビ等の破損も防止できる。
(2)湾曲形状は、スクリーン面の法線方向に平行であり、かつ、スクリーン面内で直交する2つの方向での断面の断面形状が、いずれも背面側に凸となるので、透過型スクリーンの剛性を高め、観察面上へ書き込む際に生じる歪み等の変形を防止し、筆記性を高めることができる。
(3)透過型スクリーンは、その2つ以上の層の間に、2つ以上の層を一体に接合する接合層を備え、その接合層の弾性率は、3000MPa以上であるので、接着強度を向上させ、湾曲形状を有する状態で固定部(支持部材)に取り付けられても剥がれることがない。また、透過型スクリーン自体の剛性を高めることができる。
(4)透過型スクリーンは、映像光を略平行光として観察面側へ向ける偏向光学層と、偏向光学層より観察面側に設けられ、光を拡散する作用を有する光拡散層とを備え、偏向光学層側が湾曲形状の凸側となるので、映像光を集光して適度に拡散させることができ、良好な映像を表示できる。
(5)湾曲形状は、その曲率半径R(単位:m)が、0<1/R≦1/12を満たすので、湾曲形状によって映像が歪むことなく良好な映像を表示でき、また、インタラクティブボードのボードとして用いた場合にも、湾曲形状によって筆記性が低下することがない。
(6)透過型スクリーンは、その形状を拘束しない状態で、スクリーン面の法線方向に平行な少なくとも1つの方向の断面形状が、使用状態における観察面側に凸となるような湾曲形状を有しているので、背面側に凸となるように湾曲形状を付与して固定した場合に、もとの状態(形状を拘束しない自由状態)に戻ろうとする観察面側向きの力が生じるので、筆記時にかかる観察面側から背面側への力に対して十分な剛性を発揮し、スクリーンの平面性を向上させることができる。
(7)本発明によるインタラクティブボードと、インタラクティブボードの背面側から映像光を照射する光源部と、インタラクティブボードの透過型スクリーンの観察面上へ書き込まれた情報を検出する検出部と、光源部へ映像データを出力し、検出部が検出した前記情報を取り込む制御部とを備えるインタラクティブボードシステムであるので、使用者が観察面上に情報を書き込む際に生じ易い映像の歪みを防止し、良好な映像を表示でき、筆記性も良好であり、利便性に優れたインタラクティブボードとすることができる。
実施形態のインタラクティブボード及びインタラクティブボードシステムを示す図である。 実施形態のスクリーンを投影機側から見た図である。 実施形態のスクリーンの層構成を説明する図である 単位プリズムの形状を示す図である。 固定部及びスクリーンの固定方法を説明する図である 本実施形態のスクリーン及び比較例1,2のスクリーンにかかる力の方向を示す図である。 プリズム部の変形形態を示す図である。 インタラクティブボードの変形形態を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
(実施形態)
図1は、実施形態のインタラクティブボード及びインタラクティブボードシステムを示す図である。
インタラクティブボードシステムは、インタラクティブボード20と、投影機30と、パーソナルコンピュータ40と、インタラクティブボード20のスクリーン10の観察面上に文字や図形等を描画可能な入力部50と、不図示の情報検出部とを備えている。
インタラクティブボード20は、インタラクティブボード用の透過型スクリーン(以下、理解を容易にするため、単にスクリーン又はボードという)10と、これを支持する支持台21とを備えている。このインタラクティブボード20は、背面側から映像光を投射する形態である。
支持台21は、スクリーン10の四辺を保持して固定する枠状の固定部22を有し、所定の高さにスクリーン10を支持する支持部材である。なお、支持台21は、スクリーン10の高さを変えられるものとしてもよいし、変えられないものとしてもよい。また、支持台21の床面との接地部分に車輪等を設けて、移動可能な形態としてもよい。
スクリーン10は、映像を表示したり、タッチペン等の入力部50を用いて使用者Sが観察面上に文字等の情報を描画したりするボードであり、本実施形態では、観察面側から見て略矩形状であり、その画面サイズが対角80インチサイズ(1220×1620mm)である。
このスクリーン10は、所謂、透過型スクリーンであり、インタラクティブボード20の背面側に位置する投影機30からスクリーン10の背面に投影された映像光Lを透過し、その観察面に表示可能である。このスクリーン10の形状に関する詳細は、後述する。
投影機30は、スクリーン10(インタラクティブボード20)の背面側から映像光を投射する光源部である。この投影機30は、インタラクティブボード20とは別体のものであり、例えば、汎用のDLP方式や、LCD方式等のプロジェクタを用いてもよいし、映像を投影可能なプロジェクタとしての機能を有するデジタルカメラ等を用いてもよく、使用目的や使用環境に応じて適宜選択できる。本実施形態の投影機30は、汎用のプロジェクタであり、スクリーン10の背面側に位置し、スクリーン10の下方から斜め上へ向けて映像光Lを投影する形態のものである。
入力部50は、スクリーン10の観察面にタッチするためのタッチペン等の部材である。
不図示の情報検出部は、入力部50によって描画された文字や図形等の情報を検出し、制御部へ伝送する機能を有している。この情報検出部は、例えば、スクリーン10上に設けられたタッチパネルや、スクリーン10の上部及び下部等に配置され、入力部50が接触したスクリーン10の観察面上の位置を検出するた赤外線センサ等の位置センサ等を用いることができる。本実施形態の情報検出部は、位置センサを用いており、スクリーン10の観察面上の入力部50の座標位置を検出することにより、使用者Sが観察面上に描画した図形や文字等の情報を検出し、パーソナルコンピュータ40等の制御部に検出した信号を出力する。
この情報検出部は、パーソナルコンピュータ40等の制御部と有線又は無線によって通信可能であり、本実施形態の情報検出部は、パーソナルコンピュータ40とUSBケーブル等により接続され、通信可能となっている。
パーソナルコンピュータ40は、スクリーン10に表示する画像等の情報を投影機30へ出力したり、前述の情報検出部からの情報(入力部50の位置情報)を取り込んでデータ化したり、取り込んだ情報を反映した画像情報を出力したりする制御部と、スクリーン10に表示する画像情報や、各種のアプリケーションのプログラム等を記憶する記憶装置である不図示の記憶部とを備えている。制御部は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成され、インタラクティブボードシステムを統括的に制御する部分である。この制御部は、情報検出部の検出信号に基づいて、入力部50が接触した観察面の座標位置を判定したり、入力部50で描画された文字や図形等を判別する。
本実施形態のパーソナルコンピュータ40は、USBケーブル等を用いて有線で、情報検出部及び投影機30と接続され、通信可能となっているが、これに限らず、少なくとも一方と無線で通信可能な形態としてもよい。
なお、本実施形態ではパーソナルコンピュータ40を用いる例を示したが、少なくともインタラクティブボードシステムを統括的に制御可能な機能を有するものであれば、例えば、携帯電話等の携帯情報端末を用いてもよく、使用環境等に応じて適宜選択して用いてよい。
本実施形態のインタラクティブボードシステムは、以上の構成により、パーソナルコンピュータ40が映像情報を投影機30に出力し、投影機30がインタラクティブボード20のスクリーン10の背面へ映像光を投射し、スクリーン10の観察者側の面に映像を表示する。また、情報検出部は、入力部50を用いて使用者Sによってタッチされた観察面の座標位置を検出し、パーソナルコンピュータ40が、座標位置を判定できる。この位置情報は、例えば、パーソナルコンピュータ40の画面の位置情報と、観察面の位置情報(座標情報)とが一致するように、使用者Sがインタラクティブボード20又はパーソナルコンピュータ40の調節部(図示せず)を操作して、予め調整している。
これによって、使用者Sが入力部50を用いてスクリーン10の観察面上に描画した図形や文字等を、投影画像と組み合わせ、図形や文字等が投影画像上に描かれたように表示することができる。また、例えば、パーソナルコンピュータ40の表示画面を、インタラクティブボード20のスクリーン10に表示すれば、使用者Sは、マウスで操作するように入力部50を操作してパーソナルコンピュータ40を操作できる。
また、スクリーン10は、一般的なホワイトボード等のように、マーカー等の所定の筆記具を用いてその表面(観察面)に手書きで文字や図形等の情報を描画したり、描画した文字等を消去したりできる形態とし、その実際に記入された情報を情報検出部によって検出してパーソナルコンピュータ40へ出力する形態としてもよい。
さらに、スクリーン10は、ホワイトボードとしてマーカー等によってその表面に文字等を描画したり、描画した文字等を消去したり可能であるが、マーカー等によって描画された情報は、情報検出部によって検出されず、入力部50によってその表面に描画した情報のみが情報検出部によって検出され、パーソナルコンピュータ40へ出力される形態としてもよい。
図2は、実施形態のスクリーン10を投影機30側から見た図である。
図3は、実施形態のスクリーン10の層構成を説明する図である。
図2及び図3では、理解を容易にするため、支持台21等は省略して示している。また、図3(a)では、スクリーン10の使用状態における鉛直方向(画面上下方向)に平行であって、スクリーン面の法線方向に平行な方向で切断した場合の断面を示し、図3(b)では、スクリーン10の使用状態における水平方向(画面左右方向)に平行であって、スクリーン面の法線方向に平行な方向で切断した場合の断面を示している。
ここで、スクリーン面とは、スクリーン10全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、本明細書中及び特許請求の範囲において、同一の定義として用いている。本実施形態では、スクリーン10がその形状を拘束しない状態で、図2及び図3に示すように湾曲しているため、スクリーン面という場合には、スクリーン10の観察面側の4つの頂点を通る平面に平行な面であるとする。
図2及び図3に示すように、スクリーン10は、インタラクティブボード20として組み立てられた状態で、背面側(入射側)に凸となる湾曲形状を有している。この湾曲形状は、スクリーン面の法線方向に平行であり、かつ、スクリーン面内で直交する2つの方向での断面の断面形状が、いずれも入射側に凸となるものである。本実施形態では、スクリーン面の法線方向に平行であって使用状態における鉛直方向に平行な断面における断面形状も、スクリーン面の法線方向に平行であって使用状態における水平方向に平行な断面における断面形状も、いずれも背面側となる投影機30側(入射側)に凸となる湾曲形状である。
また、本実施形態のスクリーン10は、その形状を拘束しない状態において、スクリーン面の法線方向に平行であって鉛直方向に平行な断面及び水平方向に平行な断面での断面形状がいずれも背面側(入射側)に僅かに凹となる緩やかな湾曲形状を有しているものを用いている。
スクリーン10は、枠状の固定用治具である固定部22によってその周縁部の両面が保持されており、スクリーン面の法線方向に平行であってスクリーン面内で直交する2つの方向における断面(本実施形態では、鉛直方向及び水平方向における断面)において、その断面形状がいずれも入射側(背面側)に凸となる湾曲形状となるように固定部22にボルトやネジ等によって固定され、湾曲した状態で取り付けられている。この固定部22についての詳細は、後述する。
スクリーン10がインタラクティブボード20として組み立てられた状態における湾曲形状は、その曲率半径R(単位:m)が、0<1/R≦1/12を満たすものが好ましい。本実施形態のスクリーン10は、インタラクティブボード20として組み立てられた状態で、鉛直方向(スクリーンの短辺方向)及び水平方向(スクリーンの長辺方向)における断面がいずれも背面側に凸となる湾曲形状を有している。そのため、最も湾曲量が大きくなる断面、即ち、観察面側から見てスクリーン10の観察面の中央となる点を通り、スクリーン面に直交しかつスクリーン10の短辺に平行(画面垂直方向に平行)な断面における断面形状の湾曲形状の曲率半径R(単位:m)が、0<1/R≦1/12を満たすものが好ましい。
なお、観察面の中央となる点とは、スクリーン10の両短辺の中点を結ぶ直線と両長辺の中点とを結ぶ直線との交点である。また、この曲率半径Rは、スクリーン10を固定部22によって固定してインタラクティブボード20として組み立てた状態で、スクリーン10のそれぞれの長辺の中点を結ぶ線と中央となる点の距離を測定し、その距離とスクリーン10の短辺の寸法等から計算によって求められる。
ここで、1/R=0(即ち、R=∞)となる場合、スクリーン10はインタラクティブボード20として組み立てられた状態において略平板状となり湾曲形状を有していない。また、1/R>1/12(即ち、R<12m)である場合、スクリーンの観察面の湾曲量が大きくなり、観察面に表示される映像が湾曲してみえる。本実施形態では、R=25mであるので、上述の好ましい範囲である0<1/R≦1/12を満たしている。従って、スクリーン10上の映像を観察する観察者には、観察面が僅かに湾曲形状を有していることは視認されず、映像が歪んで観察されることもない。また、使用者Sが情報等を描画する際にも、スクリーン10の湾曲形状によって描画が妨げられることはない。
スクリーン10の層構成について説明する。
図2,3に示すように、スクリーン10は、使用状態における光の入射側(背面側)から順に、プリズム層11、光拡散層12、ハードコート層13を有し、これらの層は、それぞれ接合層14a,14bを介して一体に接合されている。このスクリーン10は、投影機30から投影された映像光を結像し、観察面に表示するものである。
プリズム層11は、プリズム部112とプリズム基材部113とを有している。このプリズム層11は、投影機30から投影された映像光Lを集光して、垂直方向においてシート面の法線方向に略平行光として観察面側へ出射する光線制御作用を有する偏向光学層である。
図4は、単位プリズム111の形状を示す図である。図4では、単位プリズム111の垂直方向に平行であってスクリーン10の厚み方向(スクリーン面の法線方向)に平行な断面での断面の一部を拡大して示している。
プリズム部112は、図2及び図3に示すように、光の入射側(投影機30側)に設けられ、図4に示すように、その入射側の面に単位プリズム111が使用状態における略鉛直方向に複数配列されている。
単位プリズム111は、光が入射する入射面A1と、入射面A1から入射した光の少なくとも一部(例えば、図4に示す光L1)を全反射する全反射面A2とを備えるプリズム形状である。
図2,図3に戻って、プリズム基材部113は、このプリズム部112のベース(基材)となる層であり、光透過性を有するシート状の部材を用いている。
プリズム部112は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂製であり、本実施形態では、屈折率1.55の紫外線硬化型樹脂製である。また、プリズム基材部113は、厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製のシート状の部材であり、その屈折率は1.55である。なお、プリズム基材部113としては、PC(ポリカーボネート)樹脂等の樹脂製のシート状の部材を用いてもよい。
このプリズム層11は、例えば、プリズム部112の逆形状を有する型に紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を塗布して充填し、その上からプリズム基材部113を加圧積層し、紫外線を照射する等して樹脂を硬化させた後に型からプリズム基材部113を剥離する等して形成される。
光拡散層12は、プリズム層11の出射側(観察面側)に設けられた層であり、接合層14aを介してプリズム層11が一体に積層されている。この光拡散層12は、光を拡散する作用を有し、光拡散部121と基材部122とが一体に形成されている。光拡散層12は、その厚さが、スクリーン10を構成する他の層よりも厚く、スクリーン10のスクリーンとしての剛性を有する層であり、本実施形態では、その厚さが約5mmである。
光拡散部121は、光拡散層12においてプリズム層11側(背面側)に位置し、光を拡散する作用を有する層状の部分である。本実施形態の光拡散部121は、その厚さが1mmであり、拡散材が略均一に混錬された屈折率が1.55である光透過性を有するMS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂により形成されている。また、本実施形態の光拡散部121に用いられる拡散材は、屈折率が1.41であるシリコン系ビーズ(粒径約2μm)と、屈折率1,53のアクリル系ビーズとを所定量組み合わせたものである。
光拡散部121に用いられる拡散材は、ガラスビーズや、プラスチックビーズ等の無機又は有機の化合物の略透明な粒子を適宜選択できる。拡散材の粒径は、光の拡散が波長に依存しないように、1μm以上であることが好ましい。
また、光拡散部121に用いる樹脂は、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)、TAC(トリアセテートセルロース)やPET、PC樹脂等、適宜選択できる。
基材部122は、光拡散部121の出射側(観察面側)に位置する層状の部分である。本実施形態の基材部122は、その厚さが4.0mmであるシート状の部材であり、屈折率が1.55であるMS樹脂により形成されている。基材部122に用いる樹脂は、光拡散部121と同様に、MBS、TAC(トリアセテートセルロース)、PET、PC樹脂等、適宜選択でき、光拡散部121と同じ樹脂を用いて形成してもよいし、異なる樹脂を用いて形成してもよいし、ガラス板等を用いてもよい。
本実施形態の光拡散層12は、2層押し出し成形により、光拡散部121と基材部122とが積層されて一体となって形成されているが、これに限らず、例えば、光拡散部121と基材部122とが別体で形成され、後述する接合層等を介して接合される形態であってもよい。
ハードコート層13は、このスクリーン10の観察面を傷等から保護する耐擦傷性や筆記し易い平滑性等を有する層である。スクリーン10の観察面(前面)は、使用者Sがタッチペン等の入力部50によって文字等を筆記する面であるため、耐擦傷性が求められ、また、筆記等が滑らかに行えるように、観察面の平滑性も求められる。
本実施形態のハードコート層13は、厚さ100μmのPET樹脂製のシート状の部材を基材とし、その表面に各種の電離放射線硬化型樹脂や、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤とを混合したものや、熱硬化型樹脂等を塗布して形成してもよいし、光拡散層12の観察面側にこれらの樹脂を塗布して形成してもよい。
接合層14a,14bは、それぞれ、プリズム層11と光拡散層12との間、光拡散層12とハードコート層13との間に設けられ、これらの各層を一体に接合する層である。
接合層14a,14bは、湾曲形状を有するスクリーン10の剛性を高める観点から、その弾性率が3000MPa以上であることが好ましく、本実施形態での接合層14a,14bは、弾性率が4000MPaであるエポキシアクリレート系の樹脂を用いている。接合層14a,14bの弾性率が3000MPa未満である場合、支持台21の固定部22等でスクリーン10を湾曲させた状態で固定すると、層間において十分な強度が得られず、スクリーン10の剛性が低下するため、接合層14a,14bの弾性率は、3000MPa以上であることが好ましい。
また、接合層14a,14bは、紫外線硬化型の接着剤や、圧力により粘着性が顕在化する感圧粘着型の接着剤や、熱硬化型の接着剤等を用いることができ、その厚みは、10〜30μmの範囲内で適宜選択できる。
スクリーン10の固定方法について説明する。
図5は、固定部22及びスクリーン10の固定方法を説明する図である。図5では、スクリーン面に直交する断面での固定部22及びスクリーン10の断面の一部を拡大して示している。図5(a)は、スクリーン10を固定部22に配置した固定前の状態を示し、図5(b)は、スクリーン10を固定部22によって固定した状態を示している。
本実施形態の固定部22は、背面側枠部材221、観察面側枠部材222、ネジ223を備えている。背面側枠部材221及び観察面側枠部材222は、スクリーン10の周縁部を背面側及び観察面側から挟む枠状の部材である。背面側枠部材221は、その観察面側に、スクリーン10の端面10aに対向し、スクリーン10の位置を決める凸部221aを有している。この凸部221aは、観察面側に凸となっており、その高さは、スクリーン10の厚さよりも小さい。また、観察面側枠部材222の背面側は略平面状となっている。従って、背面側枠部材221及び観察面側枠部材222によってスクリーン10の周縁部を挟むと、図5(a)に示すように、背面側枠部材221と観察面側枠部材222との間に隙間Sが生じている。
背面側枠部材221には、背面側枠部材221の背面側からネジ223が挿入される穴部221bが、凸部221aの外周側に形成されている。この穴部221bは、背面側枠部材221の観察面側へ貫通している。観察面側枠部材222には、穴部221bに対応する位置に、ネジ223が螺合するネジ穴部222bが形成されている。図5では、このネジ穴部222bは、貫通している例を挙げているが、有底であり、観察面側に貫通しない形態としてもよい。
この穴部221b及びネジ穴部222bは、背面側枠部材221及び観察面側枠部材222に少なくともスクリーン10の四辺を背面側(入射側)に凸となるように固定可能なように、等間隔で複数設けられている。
図5(a)に示すように、固定部22の背面側枠部材221と観察面側枠部材222との間にスクリーン10を配置する。このとき、凸部221aの内周側の面がスクリーン10の端面10aと対向している。
そして、ネジ223を穴部221bに背面側枠部材221の背面側から挿入し、ネジ穴部222bに螺合させ、隙間Sを小さくするようにネジ223を締める。すると、ネジ223のネジ山部223aの軸部223b側の面が背面側枠部材221の背面側の面に押接され、背面側枠部材221がスクリーン10の背面側の角部10bに押接される。そして、背面側枠部材221が全体として、その外周側が観察面側へ、内周側が背面側へと傾く。このとき、スクリーン10の背面側の角部10bには、図5(a)に示すような力Fがかかる。この力Fにより、スクリーン10の角部10bには、2つの分力FaとFbとが働く。このうち、力Faは、スクリーン10に対する圧縮応力である。この応力Faを逃すために、図5(b)に示すように、背面側枠部材221の傾きに追従する形でスクリーン10の端部が傾く。固定部22は、スクリーン10の四辺に複数設けられているので、結果としてスクリーン10が背面側(入射側)へ凸となるように湾曲し、その湾曲形状を有した状態で固定される。
図6は、本実施形態のスクリーン10及び比較例のスクリーン10B,10Cにかかる力の方向を示す図である。図6では、理解を容易にするために、固定部22等の支持台21は省略して示しており、図6(a)は、本実施形態のスクリーン10の場合を示し、図6(b)は、比較例1のスクリーン10Bの場合を示し、図6(c)は、比較例2のスクリーン10Cの場合を示している。なお、図6では、いずれもインタラクティブボードとして組み立てられた状態の各スクリーンを示している。
比較例1のスクリーン10Bは、その形状を拘束しない状態(自由状態)で略平板状であり、支持台に組み立てられた状態でも略平板状であり、湾曲形状を有していない点以外は、本実施形態のスクリーンと略同様の形態である。また、比較例2のスクリーン10Cは、その形状を拘束しない状態(自由状態)で略平板状であり、垂直方向及び水平方向において観察面側(ハードコート層13側)に凸となる湾曲形状を有するように支持台に取り付けられている点以外は、本実施形態のスクリーン10と略同様の形態である。
通常、使用者Sは、スクリーンの観察面上に入力部50を用いて文字や図形等の情報を描画する。そのため、描画時には、スクリーンに対して、その厚み方向における観察面側から背面側へ(出射側から入射側へ)の力F1がかかる。
しかも、背面投射型のインタラクティブボードでは、スクリーンの四辺の周縁部分のみが枠状の固定部で保持されており、スクリーンの背面部分にはスクリーンを支える部材が存在しないため、このような力F1がスクリーンに加わることにより、画面の歪み等が生じ易い。加えて、軽量化や薄型化等の観点からスクリーンが1枚ものである場合には、力F1の影響がさらに大きくなる。
そのため、比較例1のスクリーン10Bのように、その形状を拘束しない状態で略平板状であり、組み立て状態においても略平板状であって湾曲形状を有していない場合、筆記時の力F1によってスクリーンが歪む等の変形が生じて映像が歪んだり、筆記性が低下したり、スクリーン10Bにヒビが入る等の問題が生じる場合がある。
また、比較例2のスクリーン10Cのように、その形状を拘束しない状態で略平板状であり、観察面側(ハードコート層13側)に凸となる湾曲形状を有するようにスクリーン10Cが支持台21(固定部22)に取り付けられている場合、支持台21(固定部22)に取り付けられた状態において、形状を拘束しない状態に戻ろうとする力F2が生じている。この力F2の方向は、観察面側から背面側へ(出射側から入射側へ)向かうものであり、力F1と同じ方向である。そのため、この力F2に加えて筆記時の力F1がかかり、スクリーン10に生じる歪み等の変形が大きくなり、映像の歪みや筆記性の低下が大きくなり、ヒビ等の破損も生じ易くなる。
これに対して、本実施形態のスクリーン10は、その形状を拘束しない状態において、観察者側に僅かに凸となる湾曲形状を有しており、上述のように背面側(プリズム層側)に凸となる湾曲形状を有するように固定部22によって支持台21に取り付けられている。そのため、支持台21に取り付けられた状態では、スクリーン10に、その形状を拘束しない状態に戻ろうとする力F3がかかっている。この力F3の方向は、背面側から観察面側(入射側から出射側)へ向かうものであり、力F1とは相反する方向である。
そのため、筆記時に力F1がスクリーン10にかかったとしても、力F3によって力F1が抑えられ、スクリーン10に生じる歪みを低減し、映像の歪みを防止し、筆記性を向上させることができる。
実際に、本実施形態のスクリーン10を備えるインタラクティブボード20と、比較例1,2のスクリーン10B,10Cを備えるインタラクティブボードをそれぞれ作製し、投影機30から映像光を投射して映像を表示しながら、観察面上にマーカー等の入力部50を用いて文字等を描画し、描画する際の映像の歪みや筆記し易さを評価したところ、比較例1,2のスクリーン10B,10Cを用いたインタラクティブボードでは、描画時の映像の歪みが観察され、撓みによる筆記性の低下等が見られた。しかし、本実施形態のスクリーン10を用いたインタラクティブボード20では、描画時に映像の歪みは殆ど観察されず、良好な映像を提供でき、また、剛性が高まることにより撓み等も殆ど生じず、その筆記性も良好であった。
以上のことから、本実施形態によれば、スクリーン10は観察面上への書き込みに対して十分な剛性を有する形態で支持台に取り付けられ、書き込み時に生じるスクリーン10の歪みや撓みを低減し、映像の歪み等のない良好な映像を表示することができる。
また、書き込み時にスクリーン10に生じる歪みや撓みを低減できるので、使用者Sが観察面上に文字等を筆記する際の筆記性を向上できる。
さらに、本実施形態のスクリーン10は、その形状を拘束しない状態において、観察面側(ハードコート層13側)に僅かに凸となる湾曲形状を有し、固定部22によって背面側(プリズム層11側)に凸となる湾曲形状を有するように固定されるので、固定された状態での湾曲形状の曲率半径が大きくとも(湾曲量が小さくとも)、形状を拘束されない状態に戻ろうとする力F3が十分得られ、スクリーン10の平面性を損なうことなく、映像の歪みやスクリーンの撓みを低減できる。
さらにまた、本実施形態によれば、インタラクティブボードのボードとして透過型スクリーンであるスクリーン10を用いているので、映像光をスクリーンの背面から入射させることができ、使用者Sがスクリーン10(ボード)への書き込みを行う際に、使用者の影等で画面の映像が遮られることがなく、良好な表示が行える。
加えて、本実施形態によれば、入射面A1と全反射面A2とを備える単位プリズム111が配列されたプリズム部を有しているので、投影機30が映像光を投影する角度を大きくし、スクリーン10から投影機30までの奥行き方向の距離を短くすることができ、インタラクティブボードシステムの省スペース化を図ることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、スクリーン10は、支持台21の固定部22によって固定された状態で、垂直方向及び水平方向における断面形状が投影機30(入射側)に凸となる湾曲形状を有している例を示したが、これに限らず、例えば、スクリーン10のスクリーン面に直交し、かつ、スクリーン面内において直交する2方向であれば、いずれの2方向であってもよい。また、スクリーン面の法線方向に平行な1方向における断面形状(例えば、鉛直方向の断面形状や水平方向における断面形状)が投影機30(入射側)に凸となる湾曲形状としてもよく、使用環境、固定用治具等に合せて、適宜選択してよい。
また、本実施形態では、スクリーン10は、その形状を拘束しない状態において、垂直方向や水平方向での断面形状が観察面側に僅かに凸となる緩やかな湾曲形状を有しているものを用いている例を示したが、これに限らず、例えば、その形状を拘束しない状態(自由状態)において、略平板状のものを用いてもよいし、スクリーン10のスクリーン面に直交し、かつ、スクリーン面内において直交する2方向での断面の断面形状がいずれも背面側(入射側)に僅かに凸となる湾曲形状を有する形態としてもよいし、また、スクリーン面の法線方向に平行な1方向における断面形状(例えば、垂直方向の断面形状や水平方向における断面形状)が背面側又は観察面側に僅かに凸となる湾曲形状としてもよい。
例えば、その形状を拘束しない状態において、略平板状のスクリーンであっても、固定部22によって入射側に凸となる湾曲形状を有するように固定することにより、もとの状態(形状を拘束しない状態)に戻ろうとする力がスクリーン10に働くので、剛性を向上させ、書き込み時のスクリーンの歪み等を防止できる。
また、形状を拘束しない状態において、スクリーン面の法線方向に平行な1方向、又は、スクリーン面に直交し、かつ、スクリーン面内において直交する2方向における断面形状が、投影機30(入射側)に僅かに凸となる湾曲形状を有するスクリーンを、固定部22によって、使用状態における垂直方向及び水平方向における断面形状が投影機30(入射側)に凸となる湾曲形状を有するように固定する場合、自由状態(形状を拘束しない状態)に比べて入射側への湾曲量が大きくなるように(曲率半径が小さくなるように)固定部22に取り付けることが望ましい。
このような形態とすることにより、元の形状に戻ろうとする力F3は小さくなるが、固定部22で固定する際等に、もとの形状に戻ろうとする力F3が大きくなりすぎてスクリーン10が破損することを防止でき、取り付け作業も容易に行える。
(2)本実施形態では、プリズム部112の単位プリズム111は、所謂、全反射型プリズム形状であり、略垂直方向に配列される例を示したが、これに限らず、例えば、以下のような形態としてもよい。
図7は、プリズム部の変形形態を示す図である。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図7(a)に示す変形形態のプリズム部612の単位プリズム611は、入射面A1と全反射面A2とを備えており、実施形態に示した単位プリズム111と略同様の形態であるが、スクリーン10のスクリーン面の延長上にある点Cを中心として同心円状に配列している。このような、所謂、サーキュラータイプのプリズム部612としてもよい。
また、図7(b)に示す変形形態のプリズム部712の単位プリズム711のように、全反射プリズム形状711aと屈折フレネルレンズ形状711bとを有する、ハイブリッド型のプリズム形状としてもよい。
全反射プリズム形状711aは、入射面A1と全反射面A2とを備えており、各実施形態で示した単位プリズム111の形状の一部である。屈折フレネルレンズ形状711bは、この全反射プリズム形状711aの垂直方向下側に位置し、入射面A1と対向し、光が入射する入射面である第3の面A3と、第3の面A3と凸形状をなす第4の面A4とを備えており、所謂、屈折フレネルレンズの形状の一部である。このようなハイブリッド型のプリズム形状とすることにより、入射面A1に入射する光L2に加え、第3の面A3に入射する光L3も略平行光として出射側へ出射できるので、迷光を減らすことができる。
上述のように、プリズム部及び単位プリズムの形状は、投影機30の投射距離や使用環境等に応じて、適宜選択できる。
(3)本実施形態では、インタラクティブボード20は、スクリーン10を支持台21によって支持したものであり、別体の投影機30によって映像光が背面側から投射される例を示したが、これに限らず、例えば、スクリーン10と投影機31とを筐体81内に組み込んで一体としたインタラクティブボード80としてもよい。
図8は、インタラクティブボードの変形形態を説明する図である。
この変形形態のインタラクティブボード80では、スクリーン10を筐体81に嵌め込み、筐体81の下部に配置された投影機(光源部)31から投射された映像光を、筐体81内に配置されたミラー部82,83で反射してスクリーン10の背面から照射する形態としている。なお、このインタラクティブボード80は、実施形態のインタラクティブボード20と同様に、パーソナルコンピュータ40等と有線又は無線で通信可能としたインタラクティブボードシステムとして用いることができる。
インタラクティブボード80のような形態とすることにより、スクリーン10の背面側は筐体81によって覆われ、暗室となるので、インタラクティブボード80の背面側に位置する窓からの光や照明光等のような外光が、スクリーン10の背面から入射することを防止でき、コントラストの向上等を図ることができ、より明瞭な映像を表示できる。また、ミラー部82,83によって映像光を反射させてスクリーン10に投射するので、投影機31から透過型スクリーンまでの奥行き方向の距離を短くすることができ、インタラクティブボードシステムの省スペース化を図ることができる。
さらに、スクリーン10を壁面との間に所定の距離を開けて不図示の固定部材等によって固定し、壁面に設けたミラー部や、投影機に設けられたミラー部によって、映像光を反射させてスクリーンの背面から投影する形態のインタラクティブボード及びこれを用いたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
(4)本実施形態では、インタラクティブボード20及びパーソナルコンピュータ40が1台ずつのみ使用されている例を示したが、これに限らず、例えば、複数のパーソナルコンピュータ40をインターネット等に接続した状態で複数のインタラクティブボード20を使用してもよい。このような形態とすれば、遠隔地であっても描画された情報を共有することができ、テレビ会議システム等との併用により、遠隔地同士の会議を効率的に行うことができる。
(5)本実施形態では、プリズム層11と光拡散層12、光拡散層12とハードコート層13とは、それぞれ接合層14a,14bを介して積層されている例を示したが、これに限らず、例えば、プリズム層11のプリズム基材部113の片面に光拡散層12を直接形成してもよいし、光拡散層12の出射側の面上にハードコート層13を直接形成してもよい。このような形態とすることにより、スクリーン10を構成する層が少なくなるので、層間の界面で反射する光量を抑えることができ、透過光量を上げ、明るい映像を表示できる。
(6)本実施形態では、プリズム層11は、プリズム基材部113の片面にプリズム部112が紫外線硬化型樹脂等により形成される2層構造としたが、これに限らず、例えば、プリズム層11は、単層構造としてもよい。
また、プリズム基材部113を用いずに、プリズム部112を光拡散層12の背面側の面(光拡散部121側の面)に紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂等を用いて形成してもよい。このような構成とすることにより、スクリーン10を構成する層が少なくなり、層の界面での反射による光の損失を抑え、透過光量を上げることができる。
さらに、プリズム層11は、紫外線硬化型樹脂を充填した型の上にプリズム基材部113を載せて加圧し、プリズム部112をプリズム基材部113上に転写することにより形成される例を示したが、これに限らず、例えば、熱可塑性樹脂を押し出し成形することにより形成してもよい。
(7)本実施形態では、光拡散層12の基材部122は、拡散材を含有しない例を示したが、これに限らず、拡散材を含有する等して拡散作用を有する形態とし、視野角の向上等を図ってもよい。このとき、基材部122の拡散作用は、光拡散部121の拡散作用より小さいことが、映像の輝度低下の防止や、シンチレーション低減等の観点から好ましい。
(8)本実施形態では、ハードコート層13が光拡散層12の出射側(観察面側)に位置する例を示したが、これに限らず、例えば、ハードコート層13の入射側に照明光の反射等を抑える反射防止機能、帯電防止層機能、紫外線吸収機能、防眩機能、防汚機能、着色や減光機能等を有する層を設けてもよい。
反射防止機能を有する場合は、照明光等の映りこみを防止し、コントラストを向上させることができる。帯電防止機能を有する場合は、静電気を除去し、観察面上への埃等の付着を防止できる。紫外線吸収機能を有する場合は、外光に含まれる紫外線によるスクリーン10の黄変を防止できる。防眩機能を有する場合は、照明光の反射や映りこみを低減できる。防汚機能を有する場合は、スクリーン10の表面に汚れが付着することを防止できる。着色や減光機能を有する場合は、コントラストの向上を図ることができる。
なお、このような機能を有する層は、1層のみ設けてもよいし、複数設けてもよく、使用環境等に応じて適宜選択して用いてよい。また、ハードコート層13がこれらの機能を併せ持つ形態としてもよいし、光拡散層12(基材部122)の出射側の面が十分な耐擦傷性を有するならば、ハードコート層13を設けない形態としてもよいし、ハードコート層13の変わりにこれらの機能を有する層を設けてもよい。
(9)本実施形態において、インタラクティブボードシステムは、入力部50が接したスクリーンの観察面上の座標位置を検出してパーソナルコンピュータ40へ出力する例を示したが、これに限らず、例えば、インタラクティブボード20とは別体であってパーソナルコンピュータ40に有線又は無線で接続される不図示の入力装置等に入力部50により使用者Sが筆記した文字等の情報をスクリーン上に投影する形態としてもよい。なお、このような別体の入力装置としては、タブレット等を用いることができる。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
10 スクリーン
11 プリズム層
12 光拡散層
13 ハードコート層
14 接合層
20 インタラクティブボード
21 支持台
30 投影機
40 パーソナルコンピュータ
50 入力部

Claims (7)

  1. 背面側から投射された映像光を観察面側に出射して映像を表示するインタラクティブボード用の透過型スクリーンと、
    前記透過型スクリーンの周縁部分を保持する固定部を有し、前記透過型スクリーンを支持する支持部材と、
    を備えるインタラクティブボードであって、
    前記透過型スクリーンは、
    2つ以上の層が一体に積層された1枚構成であり、
    前記固定部によってその周縁部を保持された状態で、スクリーン面の法線方向に平行な少なくとも1つの方向の断面形状が、使用状態における背面側に凸となるような湾曲形状を有していること、
    を特徴とするインタラクティブボード。
  2. 請求項1に記載のインタラクティブボードにおいて、
    前記湾曲形状は、スクリーン面の法線方向に平行であり、かつ、スクリーン面内で直交する2つの方向での断面の断面形状が、いずれも背面側に凸となること、
    を特徴とするインタラクティブボード。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のインタラクティブボードにおいて、
    前記透過型スクリーンは、前記2つ以上の層の間に、前記2つ以上の層を一体に接合する接合層を備え、
    前記接合層の弾性率は、3000MPa以上であること、
    を特徴とするインタラクティブボード。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のインタラクティブボードにおいて、
    前記透過型スクリーンは、前記映像光を略平行光として観察面側へ向ける偏向光学層と、前記偏向光学層より観察面側に設けられ、光拡散層を有する光拡散層とを備え、
    前記偏向光学層側が前記湾曲形状の凸側となること、
    を特徴とするインタラクティブボード。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のインタラクティブボードにおいて、
    前記湾曲形状は、その曲率半径R(単位:m)が、0<1/R≦1/12を満たすこと、
    を特徴とするインタラクティブボード。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のインタラクティブボードにおいて、
    前記透過型スクリーンは、その形状を拘束しない状態で、スクリーン面の法線方向に平行な少なくとも1つの方向の断面形状が、使用状態における観察面側に凸となるような湾曲形状を有していること、
    を特徴とするインタラクティブボード。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のインタラクティブボードと、
    前記インタラクティブボードの背面側から映像光を照射する光源部と、
    前記インタラクティブボードの前記透過型スクリーンの表面へ書き込まれた情報を検出する検出部と、
    前記光源部へ映像データを出力し、前記検出部が検出した前記情報を取り込む制御部と
    を備えるインタラクティブボードシステム。
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JP2014182335A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Dainippon Printing Co Ltd 粘着層付き車載用曲面スクリーン部材、車載用曲面スクリーン及び車載用表示装置
JP2014199380A (ja) * 2013-03-30 2014-10-23 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、映像表示システム

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