JP5573466B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車等の車両に搭載される内燃機関の可変動弁装置としては、例えば特許文献1に示されるように、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブの最大リフト量を通常リフト量とそれよりも小さい低リフト量との間で切り換えるリフト切換機構を備えたものが知られている。また、上記可変動弁装置は、機関バルブのバルブタイミングを可変とすべく油圧動作するバルブタイミング可変機構も備えている。
上記バルブタイミング可変機構は、内燃機関のクランクシャフトに対しチェーンやベルト等の環状体によって一体回転可能に繋がれた入力回転体、及び同機関のカムシャフトと一体回転する出力回転体を備えている。また、上記入力回転体と上記出力回転体との間には進角側油圧室及び遅角側油圧室が形成されており、それら進角側油圧室及び遅角側油圧室に対するオイルの給排を通じて、進角側油圧室及び遅角側油圧室に作用する油圧を調整することで、前記出力回転体を前記入力回転体に対し相対回転させることが可能となっている。そして、バルブタイミング可変機構においては、進角側油圧室及び遅角側油圧室に作用する油圧を調整して出力回転体を入力回転体に対し相対回転させることで、機関バルブのバルブタイミングを可変とすべく、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変化させるようになっている。
ところで、機関バルブを開弁させる際には、その機関バルブを閉弁方向に付勢するバルブスプリングの付勢力に抗して同バルブの開弁を行うことになる。このため、機関バルブを開弁させる際、カムシャフトにはバルブスプリングの付勢力に基づき同カムシャフトの回転方向と逆方向のトルクが作用する。なお、機関バルブを開弁させる際にカムシャフトに作用する上記回転方向と逆方向のトルクに関しては、機関バルブの最大リフト量が大きくなるほど同バルブの開弁時におけるバルブスプリングの付勢力も大きくなることに関係して、上記最大リフト量が大きくなるほど増大してゆく。このことから、リフト切換機構により機関バルブの最大リフト量を通常リフト量としたときには、同機構により機関バルブ最大リフト量を低リフト量としたときに比べて、機関バルブを開弁させる際にカムシャフトに作用する上記回転方向と逆方向のトルクが大きくなる。
特開2009−203900公報(段落[0028]〜[0030]、[0033])
上記リフト切換機構を備えた内燃機関において、同機構により機関バルブの最大リフト量が低リフト量とされた状態から通常リフト量に切り換えられると、機関バルブを開弁させる際にカムシャフトに作用する同シャフトの回転方向と逆方向のトルクが急に大きくなり、それによって同カムシャフトに大きなトルク変動が生じることとなる。このとき、機関バルブのバルブタイミングがその変化範囲の端になっていると、バルブタイミング可変機構における出力回転体が入力回転体に対する相対回転範囲の端に位置して同入力回転体に接触した状態となる。こうした状態のもとで、上述したようにカムシャフトに大きなトルク変動が生じると、そのトルク変動が出力回転体から入力回転体に直接的に伝達され、更には入力回転体とクランクシャフトとを繋ぐ環状体に伝達される。このように大きなトルク変動が環状体に伝達されることで、その環状体に瞬間的に大きな荷重がかかって同環状体の張力が急に増大するようになる。
そして、機関バルブの最大リフト量を低リフト量と通常リフト量との間で切り換えるリフト切換機構を備えた内燃機関にあっては、機関バルブの最大リフト量の低リフト量から通常リフト量への切り換えが行われる毎に、上述したように環状体に瞬間的に大きな荷重がかかって同環状体の張力が急に増大する。このため、こうした使用環境に十分に耐え得るよう環状体の耐久性を確保することが重要になる。ただし、上記使用環境にて十分な耐久性が得られるように環状体を形成すると、その環状体の製造コストが高くなるとともに同環状体が大型化するという問題が生じることは避けられない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機関バルブの最大リフト量を低リフト量から通常リフト量に切り換えるとき、クランクシャフトと入力回転体とを繋ぐ環状体に瞬間的に大きな荷重がかかることを抑制できる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明によれば、内燃機関における機関バルブの最大リフト量がリフト切換機構により通常リフト量とそれよりも小さい低リフト量との間で切り換えられるとともに、機関バルブのバルブタイミングがバルブタイミング可変機構の油圧駆動を通じて可変とされる。このバルブタイミング可変機構は、内燃機関のクランクシャフトと環状体によって一体回転可能に繋がれた入力回転体、及び同機関のカムシャフトと一体回転する出力回転体を備えている。そして、バルブタイミング可変機構においては、入力回転体と出力回転体との間に形成された進角側油圧室及び遅角側油圧室に対しオイルの給排が行われる。こうした進角側油圧室及び遅角側油圧室に対するオイルの給排を通じて、それら進角側油圧室及び遅角側油圧室に作用する油圧が調整され、その油圧の調整により出力回転体が入力回転体に対し相対回転される。これにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が変化され、その変化によって機関バルブのバルブタイミングも変化するようになる。
ここで、機関バルブのバルブタイミングがその変化範囲の端となっているとき、すなわちバルブタイミング可変機構の出力回転体が入力回転体に対する相対回転範囲の端に位置しているとき、機関バルブの最大リフト量が低リフト量とされた状態から通常リフト量に切り換えられると、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、機関バルブの最大リフト量が低リフト量とされた状態から通常リフト量に切り換えられたとき、機関バルブを開弁させる際にカムシャフトに作用する同シャフトの回転方向と逆方向のトルクが急に大きくなり、それによってカムシャフトに大きなトルク変動が生じる。そして、この大きなトルク変動が出力回転体から入力回転体に直接的に伝達され、更には入力回転体とクランクシャフトとを繋ぐ環状体に伝達される。なお、上記大きなトルク変動が出力回転体から入力回転体に直接的に伝達されるのは、出力回転体が入力回転体に対する相対回転範囲の端に位置しているときには、その出力回転体が入力回転体に接触した状態となるためである。そして、上述したように大きなトルク変動が環状体に伝達されると、その環状体に瞬間的に大きな荷重がかかって同環状体の張力が急に増大するようになる。
上述した問題に対処するため、請求項1記載の発明では、リフト切換機構により機関バルブの最大リフト量が低リフト量とされているとき、バルブタイミング可変機構の進角側油圧室及び遅角側油圧室に対するオイルの給排を通じて、出力回転体の入力回転体に対する相対回転位置がその相対回転範囲の端から離れた位置に調整される。この場合、機関バルブの最大リフト量が低リフト量から通常リフト量に切り換えられるとき、出力回転体と入力回転体との間、言い換えれば進角側油圧室や遅角側油圧室にオイルが溜まった状態となる。このため、機関バルブの最大リフト量の上記切り換えに伴い、カムシャフトに大きなトルク変動が生じるとき、そのトルク変動によって入力回転体に対し相対回転しようとする出力回転体と上記入力回転体との間に、進角側油圧室や遅角側油圧室のオイルが介在した状態となる。
従って、上記トルク変動によって入力回転体に対し相対回転しようとする出力回転体が上記入力回転体と接触しようとする方向に変位する際には、その変位が同変位に伴う進角側油圧室または遅角側油圧室からのオイルの排出に合わせて徐々に行われるようになる。言い換えれば、上記カムシャフトに上記大きなトルク変動が生じるときには、出力回転体から入力回転体へのトルク伝達が進角側油圧室や遅角側油圧室のオイルを介して徐々に行われるようになる。その結果、入力回転体とクランクシャフトとを繋ぐ環状体にも上記トルクが徐々に伝達されるようになる。このように上記トルクが急に環状体に伝達されることはないため、環状体に瞬間的に大きな荷重がかかって同環状体の張力が急に増大することもなくなる。そして、上記のようにクランクシャフトと入力回転体とを繋ぐ環状体に瞬間的に大きな荷重がかかることを抑制できるため、環状体の耐久性を向上させることに起因した同環状体の製造コスト上昇や同環状体の大型化を抑制することができる。
ところで、機関バルブの最大リフト量が低リフト量から通常リフト量に切り換えられるとき、それに伴う大きなトルク変動がカムシャフトに生じることによって入力回転体に対し出力回転体が相対回転しようとする。このとき、バルブタイミング可変機構における進角側油圧室や遅角側油圧室などの密閉度合いが高すぎると、進角側油圧室や遅角側油圧室に溜まったオイルが排出されにくくなる。その結果、上記大きなトルク変動に伴う出力回転体から入力回転体へのトルク伝達が進角側油圧室や遅角側油圧室のオイルを介してほぼ直接的に行われ、それによって入力回転体とクランクシャフトとを繋ぐ環状体に瞬間的に大きな荷重がかかるおそれがある。
そこで、請求項1記載の発明では、リフト切換機構により機関バルブの最大リフト量を低リフト量から通常リフト量へと切り換えることに伴い出力回転体が入力回転体と接触する方向に変位する際には、進角側油圧室と遅角側油圧室とのうち出力回転体が入力回転体と接触する方向にある油圧室からオイルコントロールバルブの駆動を通じてオイルを排出する。このため、機関バルブの最大リフト量の低リフト量から通常リフト量への切り換えに伴い、カムシャフトに大きなトルク変動が生じて入力回転体に対し出力回転体が相対回転しようとするとき、それら入力回転体と出力回転体との間に介在する上記油圧室のオイルが上記オイルコントロールバルブの駆動を通じて排出される。これにより、上記大きなトルク変動に起因して入力回転体に対し相対回転しようとする出力回転体が上記入力回転体と接触する方向に変位する際、その変位が上記オイルの排出に合わせて徐々に行われるようになる。言い換えれば、カムシャフトに上記大きなトルク変動が生じるとき、出力回転体から入力回転体へのトルク伝達が徐々に行われるようになる。その結果、環状体にも上記トルクが徐々に伝達されるようになって同トルクが急に環状体に伝達されることはない。従って、その環状体に対し、上述したように瞬間的に大きな荷重がかかることは抑制される。
ここで、請求項2記載の発明では、フューエルカット時、リフト切換機構により機関バルブの最大リフト量を低リフト量とするときには、その最大リフト量が「0」とされるため、機関バルブを開弁させる際にカムシャフトに作用する同シャフトの回転方向と逆方向のトルクが非常に小さくなる。従って、フューエルカットの終了に伴い機関バルブの最大リフト量が低リフト量とされた状態から通常リフト量に切り換えられるときであって、機関バルブを開弁させる際にカムシャフトに作用する同シャフトの回転方向と逆方向のトルクが急に大きくなる際、そのトルクの増加量が大きなものとなる。その結果、こうしたトルクの増大に伴ってカムシャフトに生じるトルク変動も一層大きなものとなる。
また、請求項3記載の発明では、リフト切換機構により機関バルブの最大リフト量を低リフト量である「0」とするときや同低リフト量から通常リフト量に切り換えるときには、それらが内燃機関における全ての気筒の機関バルブについて行われる。従って、機関バルブの最大リフト量が低リフト量とされた状態から通常リフト量に切り換えられるときであって、機関バルブを開弁させる際にカムシャフトに作用する同シャフトの回転方向と逆方向のトルクが急に大きくなる際、そのトルクの増加量が更に大きなものとなる。その結果、こうしたトルクの増大に伴ってカムシャフトに生じるトルク変動も更に大きなものとなる。
仮に、上述した大きなトルク変動がカムシャフトに生じることに起因して、環状体に直接的に大きなトルクが伝達されると、その環状体に瞬間的に大きな荷重がかかって同環状体の張力が急に増大することから、環状体の耐久性低下を招きやすくなる。その結果、環状体の耐久性を向上させることに起因した同環状体の製造コスト上昇や同環状体の大型化が大きな問題となる。しかし、請求項2、3記載の発明においても、環状体に瞬間的に大きな荷重がかかることを抑制できるため、上述した環状体の製造コスト上昇や同環状体の大型化といった問題の発生を抑制することができる。
本発明の可変動弁装置が適用されるエンジン全体を示す略図。 吸気側バルブタイミング可変機構及び排気側バルブタイミング可変機構の構造、並びにそれらバルブタイミング可変機構を油圧動作させる油圧回路を示す略図。 吸気側バルブタイミング可変機構の動作に基づく吸気バルブのバルブタイミングの変化態様を示すグラフ。 排気側バルブタイミング可変機構の動作に基づく排気バルブのバルブタイミングの変化態様を示すグラフ。 (a)及び(b)は、吸気側リフト切換機構及び排気側リフト切換機構の一例及びその動作態様を示す略図。 (a)及び(b)は、吸気側リフト切換機構及び排気側リフト切換機構の一例及びその動作態様を示す略図。 吸気リフト切換機構及び排気リフト切換可変機構の動作手順を示すフローチャート。 (a)及び(b)は、吸気側バルブタイミング可変機構及び排気側バルブタイミング可変機構の内部を拡大して示す略図。 (a)及び(b)は、吸気側バルブタイミング可変機構及び排気側バルブタイミング可変機構の内部を拡大して示す略図。 吸気バルブのバルブタイミング制御の実行手順を示すフローチャート。 排気バルブのバルブタイミング制御の実行手順を示すフローチャート。
以下、本発明を自動車用エンジンの可変動弁装置に適用した一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
図1に示されるエンジン1においては、各気筒の燃焼室2に吸気通路3を通じて空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁4から噴射された燃料が同燃焼室2に供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ5による点火が行われて同混合気が燃焼すると、ピストン6が往復移動してエンジン1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。こうしたクランクシャフト7の回転は、同クランクシャフト7に対し環状のチェーン14により一体回転可能に繋がれた吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に伝達される。一方、燃焼室2内にて燃焼した後の混合気は、排気として各燃焼室2から排気通路8に送り出される。
エンジン1においては、吸気通路3が二つに分岐した状態(図示せず)で一つの気筒の燃焼室2に接続されており、その燃焼室2と吸気通路3における二つに分岐した部分との間にはそれぞれ吸気バルブ9が設けられている(図1には一つのみ図示)。また、排気通路8も二つに分岐した状態(図示せず)で一つの気筒の燃焼室2に接続されており、その燃焼室2と排気通路8における二つに分岐した部分との間にはそれぞれ排気バルブ10が設けられている(図1には一つのみ図示)。従って、エンジン1における各気筒には吸気バルブ9と排気バルブ10とがそれぞれ二つずつ設けられる。
そして、吸気バルブ9の開閉動作により吸気通路3と燃焼室2との間が連通・遮断されるとともに、排気バルブ10の開閉動作により排気通路8と燃焼室2との間が連通・遮断される。これら吸気バルブ9及び排気バルブ10は、それぞれバルブスプリング9a,10aによって閉弁方向に付勢されるとともに、上記吸気カムシャフト11及び上記排気カムシャフト12の回転に伴い上記バルブスプリング9a,10aの付勢力に抗して押圧される。そして、吸気バルブ9及び排気バルブ10の開閉動作は、バルブスプリング9a,10aの上記付勢力と、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12の回転に伴う上記押圧とに基づいて実現される。
エンジン1においては、吸気バルブ9のバルブタイミングを可変とする吸気側バルブタイミング可変機構13が設けられるとともに、排気バルブ10のバルブタイミング可変とする排気側バルブタイミング可変機構15が設けられている。また、エンジン1においては、吸気バルブ9の最大リフト量を通常リフト量とそれよりも小さい低リフト量との間で切り換える吸気側リフト切換機構38が設けられるとともに、排気バルブ10の最大リフト量を通常リフト量とそれよりも小さい低リフト量との間で切り換える排気側リフト切換機構39も設けられている。
次に、吸気側バルブタイミング可変機構13及び排気側バルブタイミング可変機構15の詳細について図2〜図4を参照して説明する。
図2に示されるように、吸気側バルブタイミング可変機構13は、吸気カムシャフト11に固定された可動部材41と、吸気カムシャフト11と同一軸線上に上記可動部材41を囲むように設けられたハウジング42とを備えている。このハウジング42は、上記チェーン14(図1)を介してクランクシャフト7からの回転伝達を受けて同クランクシャフト7と一体回転する。図2に示されるハウジング42の内周面には、吸気カムシャフト11の軸線に向かって突出する突部43が周方向について所定の間隔をおいて複数形成されている。また、可動部材41の外周面には、吸気カムシャフト11の軸線から離れる方向に突出する複数のベーン44がそれぞれ上記各突部43の間に位置するように形成されている。これにより、ハウジング42内における各突部43の間に位置する部分が、ベーン44により進角側油圧室45と遅角側油圧室46とに区画されている。
吸気側バルブタイミング可変機構13は、その油圧動作を通じてクランクシャフト7(図1)に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を変更することで、図3に示されるように吸気バルブ9の開弁期間(作動角)を一定に保持した状態で同バルブ9の開弁時期及び閉弁時期を共に進角又は遅角させる。具体的には、図2に示される進角側油圧室45にオイルを供給するとともに遅角側油圧室46からオイルを排出すると、可動部材41がハウジング42に対し図中の右回転方向に相対回転して吸気カムシャフト11のクランクシャフト7に対する相対回転位相が進角側に変化する。その結果、吸気バルブ9のバルブタイミング(開閉時期)が進角側に変化するようになる。また、遅角側油圧室46にオイルを供給するとともに進角側油圧室45からオイルを排出すると、可動部材41がハウジング42に対し図中左回転方向に相対回転して吸気カムシャフト11のクランクシャフト7に対する相対回転位相が遅角側に変化する。その結果、吸気バルブ9のバルブタイミングが遅角側に変化する。
また、吸気側バルブタイミング可変機構13は、可動部材41のハウジング42に対する相対回転を禁止する禁止動作を行うとともに、その相対回転を許可状態とする許可動作を行うロック機構47を備えている。このロック機構47に関しては、上記禁止動作を通じて可動部材41のハウジング42に対する相対回転位置をその相対回転範囲の最も遅角側の位置にて固定するとともに、その固定が行われた状態での上記許可動作を通じて可動部材41のハウジング42に対する相対回転を許可した状態となる。
一方、排気側バルブタイミング可変機構15は、排気カムシャフト12に固定された可動部材51と、排気カムシャフト12と同一軸線上に上記可動部材51を囲むように設けられたハウジング52とを備えている。このハウジング52は、上記チェーン14(図1)を介してクランクシャフト7からの回転伝達を受けて同クランクシャフト7と一体回転する。図2に示されるハウジング52の内周面には、排気カムシャフト12の軸線に向かって突出する突部53が周方向について所定の間隔をおいて複数形成されている。また、可動部材51の外周面には、排気カムシャフト12の軸線から離れる方向に突出する複数のベーン54がそれぞれ上記各突部53の間に位置するように形成されている。これにより、ハウジング52内における各突部53の間に位置する部分が、ベーン54により進角側油圧室55と遅角側油圧室56とに区画されている。
排気側バルブタイミング可変機構15は、その油圧動作を通じてクランクシャフト7(図1)に対する排気カムシャフト12の相対回転位相を変更することで、図4に示されるように排気バルブ10の開弁期間(作動角)を一定に保持した状態で同バルブ10の開弁時期及び閉弁時期を共に進角又は遅角させる。具体的には、図2に示される進角側油圧室55にオイルを供給するとともに遅角側油圧室56からオイルを排出すると、可動部材51がハウジング52に対し図中の右回転方向に相対回転して排気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が進角側に変化する。その結果、排気バルブ10のバルブタイミング(開閉時期)が進角側に変化するようになる。また、遅角側油圧室56にオイルを供給するとともに進角側油圧室55からオイルを排出すると、可動部材51がハウジング52に対し図中左回転方向に相対回転して排気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が遅角側に変化する。その結果、排気バルブ10のバルブタイミングが遅角側に変化する。
また、排気側バルブタイミング可変機構15は、可動部材51のハウジング52に対する相対回転を禁止する禁止動作を行うとともに、その相対回転を許可状態とする許可動作を行うロック機構57を備えている。このロック機構57に関しては、上記禁止動作を通じて可動部材51のハウジング52に対する相対回転位置をその相対回転範囲の最も進角側の位置にて固定するとともに、その固定が行われた状態での上記許可動作を通じて可動部材51のハウジング52に対する相対回転を許可した状態となる。
ここで、吸気側バルブタイミング可変機構13、及び排気側バルブタイミング可変機構15に作用する油圧を制御する油圧回路16について詳しく説明する。
この油圧回路16は、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45に接続された進角側油路17、及び同機構13の遅角側油圧室46に接続された遅角側油路18を備えている。これら油路17,18は、第1オイルコントロールバルブ(OCV)19、並びに、供給通路20及び排出通路21を介して、エンジン1のオイルパン22に繋がっている。上記第1OCV19は、互いに逆方向に働くコイルスプリング及び電磁ソレノイドの付勢力によって動作し、供給通路20及び排出通路21と進角側油路17及び遅角側油路18との接続状態を変更するものである。また、上記供給通路20には、第1OCV19に向けてオイルを吐出するオイルポンプ25が設けられている。このオイルポンプ25としては、エンジン1のクランクシャフト7(図1)によって駆動される機械式のものを用いたり、エンジン1とは別の駆動源であるモータ等によって駆動される電動式のものを用いたりすることが考えられる。
そして、上記第1OCV19の動作を通じて、遅角側油路18と供給通路20とが連通するとともに、進角側油路17と排出通路21とが連通すると、オイルパン22内のオイルがオイルポンプ25により遅角側油路18へ送り出されるとともに、進角側油路17内にあったオイルがオイルパン22内へ戻される。このとき、吸気側バルブタイミング可変機構13には遅角側油路18を通じて遅角側油圧室46にオイルが供給されるとともに、進角側油路17を通じて同機構13の進角側油圧室45からオイルが排出される。これにより、吸気側バルブタイミング可変機構13は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を遅角させるよう油圧により作動され、それによって吸気バルブ9のバルブタイミングが遅角側に変化する。
また、第1OCV19の動作を通じて、遅角側油路18と排出通路21とが連通するとともに、進角側油路17と供給通路20とが連通すると、オイルパン22内のオイルがオイルポンプ25により進角側油路17に送り出されるとともに、遅角側油路18内にあったオイルがオイルパン22内へ戻される。このとき、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45に進角側油路17を通じてオイルが供給されるとともに、遅角側油路18を通じて同機構13の遅角側油圧室46からオイルが排出される。これにより、吸気側バルブタイミング可変機構13は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を進角させるよう油圧により作動され、それによって吸気バルブ9のバルブタイミングが進角側に変化する。
以上のように、吸気バルブ9のバルブタイミング、すなわち吸気側バルブタイミング可変機構13における可動部材41のハウジング42に対する相対回転位置は、第1OCV19の動作を通じて制御されることとなる。なお、第1OCV19の動作は、デューティ比指令値に応じて電磁ソレノイドの印可電圧を変更することによって行われる。このデューティ比指令値は、例えば「0〜100%」という範囲で変更される。そして、デューティ比指令値が「0%」に向けて小さくなるほど、吸気側バルブタイミング可変機構13の遅角側油圧室46に作用する油圧が大となるよう第1OCV19が動作させられ、それによって吸気バルブ9のバルブタイミングを遅角させる力が強くなる。また、上記デューティ比指令値が「100%」に向けて大きくなるほど、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45に作用する油圧が大となるよう第1OCV19が動作させられ、それによって吸気バルブ9のバルブタイミングを進角させる力が強くなる。
また、上記油圧回路16は、排気側バルブタイミング可変機構15の進角側油圧室55に接続された進角側油路23、及び同機構15の遅角側油圧室56に接続された遅角側油路24も備えている。これら油路23,24は第2オイルコンロールバルブ(OCV)37に接続されている。また、第2OCV37には、上記供給通路20におけるオイルポンプ25の下流側に繋がる供給通路20a、及び上記オイルパン22に繋がる排出通路40が接続されている。この第2OCV37は、互いに逆方向に働くコイルスプリング及び電磁ソレノイドの付勢力によって動作し、供給通路20a及び排出通路40と進角側油路23及び遅角側油路24との接続状態を変更するものである。
そして、第2OCV37の動作を通じて、遅角側油路24と供給通路20aとが連通するとともに、進角側油路23と排出通路40とが連通すると、オイルパン22内のオイルがオイルポンプ25により遅角側油路24へ送り出されるとともに、進角側油路23内にあったオイルがオイルパン22内へ戻される。このとき、排気側バルブタイミング可変機構15には遅角側油路24を通じて遅角側油圧室56にオイルが供給されるとともに、進角側油路23を通じて同機構15の進角側油圧室55からオイルが排出される。これにより、排気側バルブタイミング可変機構15は、クランクシャフト7に対する排気カムシャフト12の相対回転位相を遅角させるよう油圧により作動され、それによって排気バルブ10のバルブタイミングが遅角側に変化する。
また、第2OCV37の動作を通じて、遅角側油路24と排出通路40とが連通するとともに、進角側油路23と供給通路20aとが連通すると、オイルパン22内のオイルがオイルポンプ25により進角側油路23に送り出されるとともに、遅角側油路24内にあったオイルがオイルパン22内へ戻される。このとき、排気側バルブタイミング可変機構15の進角側油圧室55に進角側油路23を通じてオイルが供給されるとともに、遅角側油路24を通じて同機構13の遅角側油圧室56からオイルが排出される。これにより、排気側バルブタイミング可変機構15は、クランクシャフト7に対する排気カムシャフト12の相対回転位相を進角させるよう油圧により作動され、それによって排気バルブ10のバルブタイミングが進角側に変化する。
以上のように、排気バルブ10のバルブタイミング、すなわち排気側バルブタイミング可変機構15における可動部材51のハウジング52に対する相対回転位置は、第2OCV37の動作を通じて制御されることとなる。なお、第2OCV37の動作は、デューティ比指令値に応じて電磁ソレノイドの印可電圧を変更することによって行われる。このデューティ比指令値は、例えば「0〜100%」という範囲で変更される。そして、デューティ比指令値が「0%」に向けて小さくなるほど、排気側バルブタイミング可変機構15の進角側油圧室55に作用する油圧が大となるよう第2OCV37が動作させられ、それによって排気バルブ10のバルブタイミングを進角させる力が強くなる。また、上記デューティ比指令値が「100%」に向けて大きくなるほど、排気側バルブタイミング可変機構15の遅角側油圧室56に作用する油圧が大となるよう第2OCV37が動作させられ、それによって排気バルブ10のバルブタイミングを遅角させる力が強くなる。
次に、図1の吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39の詳細について説明する。
本実施形態では、吸気側リフト切換機構38として吸気バルブ9の最大リフト量を低リフト量に切り換えたときに同最大リフト量が「0」となるものが採用されるとともに、排気側リフト切換機構39として排気バルブ10の最大リフト量が低リフト量に切り換えられたときに同最大リフト量が「0」となるものが採用される。
なお、以下においては、吸気側リフト切換機構38によって吸気バルブ9の最大リフト量が通常リフト量に切り換えられた状態のこと、及び、排気側リフト切換機構39によって排気バルブ10の最大リフト量が通常リフト量に切り換えられた状態のことを、「通常リフト」と呼称する。また、吸気側リフト切換機構38によって吸気バルブ9の最大リフト量が低リフト量に切り換えられた状態のこと、及び、排気側リフト切換機構39によって排気バルブ10の最大リフト量が低リフト量に切り換えられた状態のことを、「ゼロリフト」と呼称する。
吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39の具体例としては、例えば図5に示されるものがあげられる。
同図の吸気側リフト切換機構38は、リフトカム11a及びベース円カム11bを有する吸気カムシャフト11と、その吸気カムシャフト11を軸方向に変位させるアクチュエータ61と、一つの気筒に対応する二つの吸気バルブ9を同時に開弁方向に押圧するためのロッカアーム62とを備えている。上記リフトカム11aは、吸気バルブ9の通常リフトを実現するためのものであって、吸気カムシャフト11の回転時に吸気バルブ9を開弁方向に押圧するためのカム山が形成されている。一方、上記ベース円カム11bは、吸気バルブ9のゼロリフトを実現するためのものであって、吸気バルブ9を開弁方向に押圧するためのカム山の存在しない円柱状に形成されている。また、吸気カムシャフト11においては、アクチュエータ61によって軸方向への変位が行われるとき、その変位がリフトカム11a及びベース円カム11bの形成された部分で生じつつ吸気側バルブタイミング可変機構13に繋がる部分では生じない構造を有している。
こうした吸気側リフト切換機構38では、アクチュエータ61による吸気カムシャフト11の変位を通じてリフトカム11aが図5(a)に示されるようにロッカアーム62に対応して位置するようにされると、吸気カムシャフト11の回転に伴いリフトカム11aのカム山がロッカアーム62を介して吸気バルブ9を開弁方向に押圧するようになる。これにより吸気バルブ9が「通常リフト」となる。その結果、吸気バルブ9の最大リフト量が通常リフト量となった状態で同吸気バルブ9が開閉される。また、アクチュエータ61による吸気カムシャフト11の変位を通じてベース円カム11bが図5(b)に示されるようにロッカアーム62に対応して位置するようにされた場合には、吸気カムシャフト11の回転時に吸気バルブ9がベース円カム11b及びロッカアーム62によって開弁方向に押圧されることはない。その結果、吸気バルブ9の最大リフト量が低リフト量となって同吸気バルブ9が「ゼロリフト」とされるようになる。
一方、排気側リフト切換機構39は、リフトカム12a及びベース円カム12bを有する排気カムシャフト12と、その排気カムシャフト12を軸方向に変位させるアクチュエータ63と、一つの気筒に対応する二つの排気バルブ10を同時に開弁方向に押圧するためのロッカアーム64とを備えている。上記リフトカム12aは、排気バルブ10の通常リフトを実現するためのものであって、排気カムシャフト12の回転時に排気バルブ10を開弁方向に押圧するためのカム山が形成されている。一方、上記ベース円カム12bは、排気バルブ10のゼロリフトを実現するためのものであって、排気バルブ10を開弁方向に押圧するためのカム山の存在しない円柱状に形成されている。また、排気カムシャフト12においては、アクチュエータ63によって軸方向への変位が行われるとき、その変位がリフトカム12a及びベース円カム12bの形成された部分で生じつつ排気側バルブタイミング可変機構15に繋がる部分では生じない構造を有している。
こうした排気側リフト切換機構39では、アクチュエータ63による排気カムシャフト12の変位を通じてリフトカム12aが図5(a)に示されるようにロッカアーム64に対応して位置するようにされると、排気カムシャフト12の回転に伴いリフトカム12aのカム山がロッカアーム64を介して排気バルブ10を開弁方向に押圧するようになる。これにより排気バルブ10が「通常リフト」となる。その結果、排気バルブ10の最大リフト量が通常リフト量となった状態で同排気バルブ10が開閉される。また、アクチュエータ63による排気カムシャフト12の変位を通じてベース円カム12bが図5(b)に示されるようにロッカアーム64に対応して位置するようにされた場合には、排気カムシャフト12の回転時に排気バルブ10がベース円カム12b及びロッカアーム64によって開弁方向に押圧されることはない。その結果、排気バルブ10の最大リフト量が低リフト量となって同排気バルブ10が「ゼロリフト」とされるようになる。
また、吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39の別の例として、図6に示されるものをあげることもできる。
同図の吸気側リフト切換機構38は、リフトカム11aを有する吸気カムシャフト11と、そのリフトカム11aによる押圧を吸気バルブ9側に伝達したり同伝達を禁止したりすべく動作可能なロッカアーム71と、そのロッカアーム71における上記押圧の伝達や同伝達の禁止を制御するアクチュエータ72とを備えている。上記リフトカム11aは、図5のリフトカム11aと同じく、吸気カムシャフト11の回転時に吸気バルブ9を開弁方向に押圧するためのカム山が形成されている。また、上記ロッカアーム71は、吸気カムシャフト11の回転時にリフトカム11aのカム山による押圧を受ける入力部71aと、その入力部71aに対し吸気バルブ9の開閉方向について相対移動可能な出力部71bとを備えている。そして、それら入力部71aと出力部71bとの上記相対移動は、ロッカアーム71に設けられたピン71cのアクチュエータ72による軸方向への変位を通じて、禁止されたり許可されたりするようになる。
こうした吸気側リフト切換機構38では、ピン71cをアクチュエータ72によって図6(a)に示される位置に変位させると、入力部71aと出力部71bとの吸気バルブ9の開閉方向についての相対移動が禁止される。このときには、吸気カムシャフト11の回転に伴いリフトカム11aのカム山が入力部71aを押圧するとき、その押圧がロッカアーム62を介して吸気バルブ9側に伝達されるため、吸気バルブ9が「通常リフト」となる。その結果、吸気バルブ9の最大リフト量が通常リフト量となった状態で同吸気バルブ9が開閉される。また、ピン71cをアクチュエータ72によって図6(b)に示される位置に変位させると、入力部71aと出力部71bとの吸気バルブ9の開閉方向についての相対移動が許可される。このときには、吸気カムシャフト11の回転に伴いリフトカム11aのカム山が入力部71aを押圧するとき、その押圧がロッカアーム62を介して吸気バルブ9側に伝達されることはないため、吸気バルブ9の最大リフト量が低リフト量となって同吸気バルブ9が「ゼロリフト」とされるようになる。
一方、排気側リフト切換機構39は、リフトカム12aを有する排気カムシャフト12と、そのリフトカム12aによる押圧を排気バルブ10側に伝達したり同伝達を禁止したりすべく動作可能なロッカアーム73と、そのロッカアーム73における上記押圧の伝達や同伝達の禁止を制御するアクチュエータ74とを備えている。上記リフトカム12aは、図5のリフトカム12aと同じく、排気カムシャフト12の回転時に排気バルブ10を開弁方向に押圧するためのカム山が形成されている。また、上記ロッカアーム73は、排気カムシャフト12の回転時にリフトカム12aのカム山による押圧を受ける入力部73aと、その入力部73aに対し排気バルブ10の開閉方向について相対移動可能な出力部73bとを備えている。そして、それら入力部73aと出力部73bとの上記相対移動は、ロッカアーム73に設けられたピン73cのアクチュエータ74による軸方向への変位を通じて、禁止されたり許可されたりするようになる。
こうした排気側リフト切換機構39では、ピン73cをアクチュエータ74によって図6(a)に示される位置に変位させると、入力部73aと出力部73bとの排気バルブ10の開閉方向についての相対移動が禁止される。このときには、排気カムシャフト12の回転に伴いリフトカム12aのカム山が入力部73aを押圧するとき、その押圧がロッカアーム64を介して排気バルブ10側に伝達されるため、排気バルブ10が「通常リフト」となる。その結果、排気バルブ10の最大リフト量が通常リフト量となった状態で同排気バルブ10が開閉される。また、ピン73cをアクチュエータ74によって図6(b)に示される位置に変位させると、入力部73aと出力部73bとの排気バルブ10の開閉方向についての相対移動が許可される。このときには、排気カムシャフト12の回転に伴いリフトカム12aのカム山が入力部73aを押圧するとき、その押圧がロッカアーム64を介して排気バルブ10側に伝達されることはないため、排気バルブ10の最大リフト量が低リフト量となって同排気バルブ10が「ゼロリフト」とされるようになる。
次に、本実施形態におけるエンジン1の可変動弁装置の電気的構成について、図1を参照して説明する。
この可変動弁装置には、エンジン1の運転制御など各種制御を行う電子制御装置26が設けられている。電子制御装置26は、上記各種制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置26の入力ポートには、以下に示す各種センサ等が接続されている。
・自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル27の踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ28。
・吸気通路3に設けられたスロットルバルブ29の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ30。
・吸気通路3を通じて燃焼室2に吸入される空気の量を検出するエアフローメータ32。
・クランクシャフト7の回転に対応する信号を出力し、エンジン回転速度の算出等に用いられるクランクポジションセンサ34。
・吸気カムシャフト11の回転位置に対応した信号を出力する吸気側カムポジションセンサ35。
・排気カムシャフト12の回転位置に対応した信号を出力する排気側カムポジションセンサ36。
電子制御装置26の出力ポートには、燃料噴射弁4の駆動回路、吸気側バルブタイミング可変機構13(正確には図2の第1OCV19)の駆動回路、及び、排気側バルブタイミング可変機構15(正確には図2の第2OCV37)の駆動回路が接続されている。更に、吸気側リフト切換機構38(図2のアクチュエータ61,71等)、及び、排気側リフト切換機構39(図5のアクチュエータ63や図6のアクチュエータ74等)の駆動回路等も接続されている。
そして、電子制御装置26は、上記各種センサから入力した検出信号に基づき、エンジン回転速度及びエンジン負荷(エンジン1の1サイクル当たりに燃焼室2に吸入される空気の量)といったエンジン運転状態を把握する。なお、上記エンジン回転速度は、クランクポジションセンサ34からの検出信号に基づき求められる。また、エンジン負荷は、アクセルポジションセンサ28、スロットルポジションセンサ30、及び、エアフローメータ32等の検出信号に基づき求められるエンジン1の吸入空気量とエンジン回転速度とから算出される。電子制御装置26は、エンジン負荷やエンジン回転速度といったエンジン運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうしてエンジン1の燃料噴射制御、吸気バルブ9及び排気バルブ10のバルブタイミングの制御、並びに、吸気バルブ9及び排気バルブ10の最大リフト量の切換制御等が電子制御装置26を通じて実施される。
電子制御装置26は、エンジン1の燃費改善を意図して、同エンジン1に対する出力要求のないときに燃料噴射弁4からの燃料噴射を停止するフューエルカット制御を実行する。こうしたフューエルカット制御においては、例えばアクセル操作量が「0」であってエンジン回転速度が目標アイドル回転速度よりも大きい所定値以上であることを条件に、燃料噴射弁4からの燃料噴射の停止(フューエルカット)が行われる。一方、フューエルカット制御によるフューエルカット中において、アクセル操作量が「0」よりも大きくなったりエンジン回転速度が上記所定値未満に低下したりすると、フューエルカットが終了されて燃料噴射弁4からの燃料噴射が再開される。
こうしたフューエルカット制御によるエンジン1のフューエルカットの実行に際して、吸気側バルブタイミング可変機構13及び排気側バルブタイミング可変機構15は、例えば次のように動作される。すなわち、フューエルカットの実行中においては、エンジン1が自立運転されておらず自動車の車輪側からの回転伝達に基づく従動状態にあることから、図2の第1OCV19及び第2OCV37による吸気側バルブタイミング可変機構13及び排気側バルブタイミング可変機構15の積極的な動作が行われなくなる。言い換えれば、第1OCV19の電磁ソレノイドに対する電圧の印可が停止されるとともに、第2OCV37の電磁ソレノイドに対する電圧の印可も停止される。この場合、第1OCV19の動作状態がデューティ比指令値を「0%」としたときに相当する状態となり、それによって吸気側バルブタイミング可変機構13では可動部材41がハウジング42に対し最遅角状態となるまで遅角側に相対回転する。一方、第2OCV37の動作状態もデューティ比指令値を「0%」としたときに相当する動作状態となり、それによって排気側バルブタイミング可変機構15の可動部材51のハウジング52に対し最進角状態となるまで進角側に相対回転する。
また、フューエルカット制御によるエンジン1のフューエルカットの実行に際して、図1の吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39は、エンジン1の自立運転の停止に関係して次のように動作される。すなわち、フューエルカットが実行されると、エンジン1の全気筒における吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトとなるよう吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39が動作される。このように吸気バルブ9及び排気バルブ10をゼロリフトとするのは、それら吸気バルブ9及び排気バルブ10を開閉させることに伴うエンジン1の回転抵抗の増大を抑制してフューエルカット中におけるエンジン回転速度の低下を可能な限り抑えるためである。なお、上記フューエルカットの終了時には、その終了に伴ってエンジン1の自立運転を再開すべく、吸気バルブ9及び排気バルブ10が通常リフトとなるように吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39が動作される。
図7は、吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39を動作させるためのリフト切換ルーチンを示すフローチャートである。このリフト切換ルーチンは、電子制御装置26を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。同ルーチンにおいては、まず上記フューエルカット制御によるエンジン1でのフューエルカットの実行中であるか否かが判断される(S101)。ここで肯定判定であれば、吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトとなるよう吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39が動作される(S102)。一方、上記フューエルカットの実行中でなければ、吸気バルブ9及び排気バルブ10が通常リフトとなるよう吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39が動作される(S103)。
ところで、フューエルカットの実行中に上述したように吸気側バルブタイミング可変機構13及び排気側バルブタイミング可変機構15が動作すると、フューエルカットの終了時には、それら機構13,14の可動部材41,51及びハウジング42,52がそれぞれ図8に示される状態となる可能性が高い。すなわち、吸気側バルブタイミング可変機構13においては、フューエルカットの終了時、図8(a)に示されるように可動部材41がハウジング42に対する相対回転範囲の遅角側の端(図中左の端)に位置している可能性が高い。また、排気側バルブタイミング可変機構15においては、フューエルカットの終了時、図8(b)に示されるようにの可動部材51がハウジング52に対する相対回転範囲の進角側の端(図中右の端)に位置している可能性が高い。
こうした状況のもと、フューエルカットの終了に伴い、吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39(図1)の動作を通じて、吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトから通常リフトに切り換えられると、次のような問題が生じる。
すなわち、吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトから通常リフトに切り換えられたとき、吸気バルブ9及び排気バルブ10を開弁させる際に吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に作用する同シャフト11,12の回転方向と逆方向のトルクが急に大きくなる。このように吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に作用する上記回転方向と逆方向のトルクが急に大きくなることで、それら吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に大きなトルク変動が生じる。そして、この大きなトルク変動が図8の可動部材41,51からハウジング42,52に直接的に伝達され、更にはハウジング42,52とクランクシャフト7(図1)とを繋ぐチェーン14に伝達される。なお、上記大きなトルク変動が図8の可動部材41,51からハウジング42,52に直接的に伝達されるのは、可動部材41,51がハウジング42,52に対する相対回転範囲の端に位置しているときには、その可動部材41,51がハウジング42,52(正確には突部43,53)に接触した状態となるためである。そして、上述したように大きなトルク変動がチェーン14(図1)に伝達されると、そのチェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかって同環状体の張力が急に増大するようになる。
上述した問題に対処するため、本実施形態では、図1の吸気側リフト切換機構38及び排気側リフト切換機構39により吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトとされているとき、吸気側バルブタイミング可変機構13及び排気側バルブタイミング可変機構15を図9に示されるように動作させる。すなわち、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45及び遅角側油圧室46に対するオイルの給排を通じて、図9(a)に示されるように可動部材41のハウジング42に対する相対回転位置がその相対回転範囲の遅角側の端(図中左の端)から離れた位置に調整される。また、排気側バルブタイミング可変機構15の進角側油圧室55及び遅角側油圧室56に対するオイルの給排を通じて、図9(b)に示されるように可動部材51のハウジング52に対する相対回転位置がその相対回転範囲の進角側の端(図中右の端)から離れた位置に調整される。
この場合、吸気バルブ9がゼロリフトから通常リフトに切り換えられるとき、吸気側バルブタイミング可変機構13においては、可動部材41とハウジング42(突部43)との間の進角側油圧室45にオイルが溜まった状態となる。このため、吸気バルブ9のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに伴い、吸気カムシャフト11に大きなトルク変動が生じるとき、そのトルク変動によってハウジング42に対し相対回転しようとする可動部材41と上記ハウジング42(突部43)との間に進角側油圧室45のオイルが介在した状態となる。従って、上記トルク変動によってハウジング42に対し相対回転しようとする可動部材41が上記ハウジング42(突部43)と接触しようとする方向に変位する際には、その変位が同変位に伴う進角側油圧室45からのオイルの排出に合わせて徐々に行われるようになる。言い換えれば、上記吸気カムシャフト11に上記大きなトルク変動が生じるときには、可動部材41からハウジング42へのトルク伝達が進角側油圧室45のオイルを介して徐々に行われるようになる。その結果、ハウジング42とクランクシャフト7(図1)とを繋ぐチェーン14にも上記トルクが徐々に伝達されるようになる。
また、排気バルブ10がゼロリフトから通常リフトに切り換えられるとき、図9の排気側バルブタイミング可変機構15において、可動部材51とハウジング52(突部53)との間の遅角側油圧室56にオイルが溜まった状態となる。このため、排気バルブ10のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに伴い、排気カムシャフト12に大きなトルク変動が生じるとき、そのトルク変動によってハウジング52に対し相対回転しようとする可動部材51と上記ハウジング52との間に遅角側油圧室56のオイルが介在した状態となる。従って、上記トルク変動によってハウジング52に対し相対回転しようとする可動部材51が上記ハウジング52(突部53)と接触しようとする方向に変位する際には、その変位が同変位に伴う遅角側油圧室56からのオイルの排出に合わせて徐々に行われるようになる。言い換えれば、上記排気カムシャフト12に上記大きなトルク変動が生じるときには、可動部材51からハウジング52へのトルク伝達が遅角側油圧室56のオイルを介して徐々に行われるようになる。その結果、ハウジング52とクランクシャフト7(図1)とを繋ぐチェーン14にも上記トルクが徐々に伝達されるようになる。
以上のように、吸気バルブ9及び排気バルブ10のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに基づき吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に大きなトルク変動が生じたとき、それに伴ってチェーン14に対し急にトルクが伝達されることはない。このように上記トルクが急にチェーン14に伝達されることはないため、チェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかって同チェーン14の張力が急に増大することもなくなる。そして、チェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかることを抑制できるようにすることで、チェーン14の耐久性を向上させることに起因した同チェーン14の製造コスト上昇や同チェーン14の大型化を抑制することができる。
次に、吸気バルブ9のバルブタイミング制御の詳細について、同制御を行うための吸気側バルブタイミング制御ルーチンを示す図10のフローチャートを参照して説明する。同ルーチンは、電子制御装置26を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まずフューエルカット制御でのエンジン1のフューエルカット中であるか否かが判断される(S201)。
ここで肯定判定であれば、吸気バルブ9のバルブタイミングが最遅角から所定クランク角度分aだけ進角した状態となるよう、吸気側バルブタイミング可変機構13が動作される(S202)。より詳しくは、図2の第1OCV19による吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45及び遅角側油圧室46に対するオイルの給排を通じて、可動部材41のハウジング42に対する相対回転位置がその相対回転範囲の遅角側の端から上記所定クランク角度分aだけ進角側に離れた位置に調整される。
なお、この所定クランク角度分aに関しては、吸気バルブ9のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに伴い吸気カムシャフト11にトルク変動が生じるときの可動部材41からハウジング42(突部43)へのトルク伝達を、進角側油圧室45に溜まったオイルを通じて徐々に行うことの可能な値に設定される。
一方、図10のS201でフューエルカット中でない旨判断されると、吸気側リフト切換機構38による吸気バルブ9のゼロリフトから通常リフトへの切り換えの過程であるか否かが判断される(S203)。そして、上記切り換えの過程であれば、S202の処理が実行される。一方、上記切り換えの過程でなければ、吸気バルブ9のバルブタイミングがエンジン運転状態等に基づいて通常通り制御される(S204)。
次に、排気バルブ10のバルブタイミング制御の詳細について、同制御を行うための排気側バルブタイミング制御ルーチンを示す図11のフローチャートを参照して説明する。同ルーチンは、電子制御装置26を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まずフューエルカット制御でのエンジン1のフューエルカット中であるか否かが判断される(S301)。
ここで肯定判定であれば、排気バルブ10のバルブタイミングが最進角から所定クランク角度分bだけ遅角した状態となるよう、排気側バルブタイミング可変機構15が動作される(S302)。より詳しくは、図2の第2OCV37による排気側バルブタイミング可変機構15の進角側油圧室55及び遅角側油圧室56に対するオイルの給排を通じて、可動部材51のハウジング52に対する相対回転位置がその相対回転範囲の進角側の端から上記所定クランク角度分bだけ遅角側に離れた位置に調整される。
なお、この所定クランク角度分bに関しては、排気バルブ10のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに伴い排気カムシャフト12にトルク変動が生じるとき、可動部材51からハウジング52(突部53)へのトルク伝達を、遅角側油圧室56に溜まったオイルを通じて徐々に行うことの可能な値に設定される。
一方、S301でフューエルカット中でない旨判断されると、排気側リフト切換機構39による排気バルブ10のゼロリフトから通常リフトへの切り換えの過程であるか否かが判断される(S303)。そして、上記切り換えの過程であれば、S302の処理が実行される。一方、上記切り換えの過程でなければ、排気バルブ10のバルブタイミングがエンジン運転状態等に基づいて通常通り制御される(S304)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトとされているとき、吸気側バルブタイミング可変機構13及び排気側バルブタイミング可変機構15はそれぞれ次のように動作される。すなわち、吸気側バルブタイミング可変機構13においては、同機構13の進角側油圧室45及び遅角側油圧室46に対するオイルの給排を通じて、可動部材41のハウジング42に対する相対回転位置がその相対回転範囲の遅角側の端から所定クランク角度分aだけ進角側に離れた位置に調整される。また、排気側バルブタイミング可変機構15においては、同機構15の進角側油圧室55及び遅角側油圧室56に対するオイルの給排を通じて、可動部材51のハウジング52に対する相対回転位置がその相対回転範囲の進角側の端から所定クランク角度分bだけ遅角側に離れた位置に調整される。
この場合、吸気バルブ9のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに伴い吸気カムシャフト11にトルク変動が生じるとき、吸気側バルブタイミング可変機構13の可動部材41からハウジング42(突部43)へのトルク伝達が、進角側油圧室45に溜まったオイルを通じて徐々に行われるようになる。また、排気バルブ10のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに伴い排気カムシャフト12にトルク変動が生じるとき、排気側バルブタイミング可変機構15の可動部材51からハウジング52(突部53)へのトルク伝達が、遅角側油圧室56に溜まったオイルを通じて徐々に行われるようにもなる。
従って、吸気バルブ9及び排気バルブ10のゼロリフトから通常リフトへの切り換えに基づき吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に大きなトルク変動が生じたとき、それに伴ってチェーン14に対し急にトルクが伝達されることはない。このように上記トルクが急にチェーン14に伝達されることはないため、チェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかって同チェーン14の張力が急に増大することもなくなる。そして、チェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかることを抑制できるようにすることで、チェーン14の耐久性を向上させることに起因した同チェーン14の製造コスト上昇や同チェーン14の大型化を抑制することができる。
(2)吸気バルブ9及び排気バルブ10をゼロリフトとした状態では、吸気バルブ9の最大リフト量が「0」になるとともに、排気バルブ10の最大リフト量が「0」になる。このため、吸気バルブ9及び排気バルブ10を開弁させる際に吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に作用する同シャフト11,12の回転方向と逆方向のトルクが非常に小さくなる。また、吸気バルブ9及び排気バルブ10をゼロリフトとするときや通常リフトとするときには、それらがエンジン1における全ての気筒の吸気バルブ9及び排気バルブ10について行われる。従って、吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトから通常リフトに切り換えられるときであって、吸気バルブ9及び排気バルブ10を開弁させる際に吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に作用する上記回転方向と逆方向のトルクが急に大きくなる際、そのトルクの増加量が大きなものとなる。その結果、こうしたトルクの増大に伴って吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に生じるトルク変動も大きなものとなる。
仮に、上記大きなトルク変動が吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に生じることに起因して、チェーン14に直接的に大きなトルクが伝達されると、そのチェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかって同チェーン14の張力が急に増大することから、チェーン14の耐久性低下を招きやすくなる。その結果、チェーン14の耐久性を向上させることに起因した同チェーン14の製造コスト上昇や同チェーン14の大型化が大きな問題となる。しかし、上記(1)で述べたようにチェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかることを抑制できるため、上記問題の発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・エンジン1のフューエルカット終了時に吸気バルブ9及び排気バルブ10をゼロリフトから通常リフトに切り換える過程において、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45からオイルを排出させるように、且つ排気側バルブタイミング可変機構15の遅角側油圧室56からオイルを排出させるようにしてもよい。具体的には、第1OCV19を駆動するためのデューティ比指令値をその変化範囲(0〜100%)の中央値よりも0%寄りの値にするとともに、第2OCV37を駆動するためのデューティ比指令値をその変化範囲(0〜100%)の中央値よりも100%寄りの値にする。なお、ここでの吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45は、同機構13の油圧室45,46のうちハウジング42(突部43)と可動部材41(ベーン44)との相対回転方向についての両者の距離が短い方の油圧室ということになる。また、排気側バルブタイミング可変機構15の遅角側油圧室56は、同機構15の油圧室55,56のうちハウジング52(突部53)と可動部材51(ベーン54)との相対回転方向についての両者の距離が短い方の油圧室ということになる。
この場合、次のような効果が得られる。すなわち、吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトから通常リフトに切り換えられるとき、それに伴う大きなトルク変動が吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に生じることによってハウジング42,52に対し可動部材41,51が相対回転しようとする。このとき、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45や排気側バルブタイミング可変機構15の遅角側油圧室56などの密閉度合いが高すぎると、それら油圧室45,56に溜まったオイルが排出されにくくなる。その結果、上記大きなトルク変動に伴う可動部材41,51からハウジング42,52へのトルク伝達が上記油圧室45,56のオイルを介してほぼ直接的に行われ、それによってチェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかるおそれがある。
この点、吸気バルブ9及び排気バルブ10をゼロリフトから通常リフトに切り換える過程において、上述したように第1OCV19及び第2OCV37を駆動させれば、上記トルク変動に伴いハウジング42,52に対し可動部材41,51が相対回転しようとするとき、それらの間に介在するオイルが排出されるようになる。すなわち、上記大きなトルク変動に起因してハウジング42,52に対し相対回転しようとする可動部材41,51が上記ハウジング42,52(突部43,53)と接触する方向に変位する際、その変位が上記オイルの排出に合わせて徐々に行われるようになる。言い換えれば、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に上記大きなトルク変動が生じるとき、可動部材41,51からハウジング42,52へのトルク伝達が徐々に行われるようになる。その結果、チェーン14にも上記トルクが徐々に伝達されるようになって同トルクが急にチェーン14に伝達されることはない。従って、そのチェーン14に対し、上述したように瞬間的に大きな荷重がかかることは抑制される。
・エンジン1のフューエルカット終了時に吸気バルブ9及び排気バルブ10をゼロリフトから通常リフトに切り換える過程において、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45に向けてオイルが供給されるように、且つ排気側バルブタイミング可変機構15の遅角側油圧室56に向けてオイルが供給されるようにしてもよい。具体的には、第1OCV19を駆動するためのデューティ比指令値をその変化範囲(0〜100%)の中央値よりも100%寄りの値にするとともに、第2OCV37を駆動するためのデューティ比指令値をその変化範囲(0〜100%)の中央値よりも0%寄りの値にする。なお、ここでの吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45は、同機構13の油圧室45,46のうちハウジング42(突部43)と可動部材41(ベーン44)との相対回転方向についての両者の距離が短い方の油圧室ということになる。また、排気側バルブタイミング可変機構15の遅角側油圧室56は、同機構15の油圧室55,56のうちハウジング52(突部53)と可動部材51(ベーン54)との相対回転方向についての両者の距離が短い方の油圧室ということになる。
この場合、以下のような効果が得られる。すなわち、吸気バルブ9及び排気バルブ10がゼロリフトから通常リフトに切り換えられるとき、それに伴う大きなトルク変動が吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に生じることによってハウジング42,52に対し可動部材41,51が相対回転しようとする。このとき、吸気側バルブタイミング可変機構13の進角側油圧室45や排気側バルブタイミング可変機構15の遅角側油圧室56の密閉度合いが低すぎると、それら油圧室45,56内に溜まったオイルが排出されやすくなる。その結果、上述したようにハウジング42,52に対し可動部材41,51が相対回転しようとする際、その相対回転が直ちに行われて可動部材41,51がハウジング42,52(突部43,53)に接触してしまい、可動部材41,51からハウジング42,52へのトルク伝達が直接的に行われるおそれがある。この場合、そうした可動部材41,51からハウジング42,52への直接的なトルク伝達により、チェーン14に瞬間的に大きな荷重がかかるようになる。
この点、吸気バルブ9及び排気バルブ10をゼロリフトから通常リフトに切り換える過程において、上述したように第1OCV19及び第2OCV37を駆動させれば、上記トルク変動に伴いハウジング42,52に対し可動部材41,51が相対回転しようとするとき、それらの間にオイルが供給されるようになる。これにより、上記大きなトルク変動に起因してハウジング42,52に対し相対回転する可動部材41,51が上記ハウジング42,52(突部43,53)と接触する方向に直ちに変位しようとする際、その変位が上記オイルの供給を通じて可動部材41,51とハウジング42,52との間に介在するオイルの作用によって徐々に行われる。言い換えれば、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12に上記大きなトルク変動が生じるとき、可動部材41,51からハウジング42,52へのトルク伝達が徐々に行われるようになる。その結果、チェーン14にも上記トルクが徐々に伝達されるようになって同トルクが急にチェーン14に伝達されることはない。従って、そのチェーン14に対し、上述したように瞬間的に大きな荷重がかかることは抑制される。
・吸気側バルブタイミング可変機構13と排気側バルブタイミング可変機構15との一方のみが設けられたエンジンに本発明を適用してもよい。この場合、バルブタイミング可変機構が設けられていない方の機関バルブ、言い代えればバルブタイミングの可変が行われない方の機関バルブに対応するリフト切換機構を省略してもよい。
・リフト切換機構は、必ずしもエンジン1の全ての気筒の機関バルブを同時にゼロリフトと通常リフトとの間で切り換えるものである必要はなく、各気筒のうちのいくつかのみを同時にゼロリフトと通常リフトとの間で切り換えるものであってもよい。例えば、一部の気筒の稼働を休止させた状態で他の気筒を稼働させる気筒休止運転が行われるエンジンの場合、稼働の休止が同時に行われる各気筒にて機関バルブを一斉にゼロリフトと通常リフトとの間で切り換えるリフト切換機構を設け、稼働が休止された気筒で同機構により機関バルブをゼロリフトとすることが考えられる。
・吸気側リフト切換機構38は、一つの気筒に複数(上記実施形態では二つ)設けられた吸気バルブ9のうちの一部のみをゼロリフトと通常リフトとの間で切り換えるものであってもよい。同様に、排気側リフト切換機構39についても、一つの気筒に複数(上記実施形態では二つ)設けられた排気バルブ10のうちの一部のみをゼロリフトと通常リフトとの間で切り換えるものであってもよい。
・吸気バルブ9や排気バルブ10といった機関バルブの最大リフト量を低リフト量と通常リフト量とで切り換えるに当たり、その低リフト量を「0」よりも大きい値としてもよい。この場合、フューエルカット制御におけるエンジン1のフューエルカット時に限らず、それ以外のときに機関バルブの最大リフト量を低リフト量に切り換えるようにしてもよい。
・吸気側リフト切換機構38や排気側リフト切換機構39として、吸気バルブ9や排気バルブ10の最大リフトを低リフト量と通常リフト量との二段階に切り換えるものを例示したが、上記最大リフト量を低リフト量と通常リフト量との間で連続的に切り換えるものを採用してもよい。
・環状体としてチェーン14の代わりにベルトを採用してもよい。
1…エンジン、2…燃焼室、3…吸気通路、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、9…吸気バルブ、9a…バルブスプリング、10…排気バルブ、10a…バルブスプリング、11…吸気カムシャフト、11a…リフトカム、11b…ベース円カム、12…排気カムシャフト、12a…リフトカム、12b…ベース円カム、13…吸気側バルブタイミング可変機構、14…チェーン、15…排気側バルブタイミング可変機構、16…油圧回路、17…進角側油路、18…遅角側油路、19…第1OCV、20…供給通路、20a…供給通路、21…排出通路、22…オイルパン、23…進角側油路、24…遅角側油路、25…オイルポンプ、26…電子制御装置、27…アクセルペダル、28…アクセルポジションセンサ、29…スロットルバルブ、30…スロットルポジションセンサ、32…エアフローメータ、34…クランクポジションセンサ、35…吸気側カムポジションセンサ、36…排気側カムポジションセンサ、37…第2OCV、38…吸気側リフト切換機構、39…排気側リフト切換機構、40…排出通路、41…可動部材、42…ハウジング、43…突部、44…ベーン、45…進角側油圧室、46…遅角側油圧室、47…ロック機構、51…可動部材、52…ハウジング、53…突部、54…ベーン、55…進角側油圧室、56…遅角側油圧室、57…ロック機構、61…アクチュエータ、62…ロッカアーム、63…アクチュエータ、64…ロッカアーム、71…ロッカアーム、71a…入力部、71b…出力部、71c…ピン、72…アクチュエータ、73…ロッカアーム、73a…入力部、73b…出力部、73c…ピン、74…アクチュエータ。

Claims (3)

  1. 機関バルブの最大リフト量を通常リフト量とそれよりも小さい低リフト量との間で切り換えるリフト切換機構と、前記機関バルブのバルブタイミングを可変とすべく油圧動作するバルブタイミング可変機構とを備える内燃機関に適用され、前記バルブタイミング可変機構は、内燃機関のクランクシャフトと環状体によって一体回転可能に繋がれた入力回転体、及び同機関のカムシャフトと一体回転する出力回転体を備えるものであり、前記バルブタイミング可変機構の前記入力回転体と前記出力回転体との間に形成された進角側油圧室及び遅角側油圧室に対するオイルの給排を通じて、それら進角側油圧室及び遅角側油圧室に作用する油圧を調整し、その油圧の調整により前記出力回転体を前記入力回転体に対し相対回転させることで、前記機関バルブのバルブタイミングを可変とすべく前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を変化させる内燃機関の可変動弁装置において、
    前記リフト切換機構により前記機関バルブの最大リフト量が低リフト量とされているとき、前記バルブタイミング可変機構の進角側油圧室及び遅角側油圧室に対するオイルの給排を通じて、前記出力回転体の前記入力回転体に対する相対回転位置をその相対回転範囲の端から離れた位置に調整するとともに、
    前記リフト切換機構により前記機関バルブの最大リフト量を低リフト量から通常リフト量へと切り換えることに伴い前記出力回転体が前記入力回転体と接触する方向に変位する際、前記進角側油圧室と前記遅角側油圧室とのうち前記接触する方向にある油圧室からオイルコントロールバルブの駆動を通じてオイルを排出する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記リフト切換機構は、前記低リフト量として前記機関バルブの最大リフト量を「0」とするものであって、内燃機関のフューエルカット制御によるフューエルカット時に前記機関バルブの最大リフト量を低リフト量に切り換え、前記フューエルカットの終了に伴い前記機関バルブの最大リフト量を通常リフト量に切り換える
    請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記リフト切換機構は、内燃機関の複数の気筒にそれぞれ設けられた機関バルブの最大リフト量を低リフト量と通常リフト量との間で切り換えるものであり、内燃機関のフューエルカット制御によるフューエルカット時には前記機関バルブすべての最大リフト量を低リフト量に切り換え、前記フューエルカットの終了に伴い前記機関バルブすべての最大リフト量を通常リフト量に切り換える
    請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
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