JP6443152B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のバルブタイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
周知のように、内燃機関の吸気弁や排気弁(以下、両者を総称して「機関弁」と呼ぶ)のバルブタイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構が知られている。一例として、特許文献1に記載されている可変バルブタイミング機構では、カムシャフトの軸方向の変位を規制するスラスト軸受部とカムシャフトとの干渉によるスラスト打音が搭乗者に与える影響を抑制するために、スラスト軸受部をヘッドカバーによって覆われたカム室の内部に設けることで、スラスト打音の影響を抑制している。
特開2000−282811号公報
油圧駆動式の可変バルブタイミング機構では、クランクシャフト及びカムシャフトのそれぞれとともに回転する2つの回転体が同軸上に相対回転可能に設けられ、両者の間に形成される進角側油圧室と遅角側油圧室との油圧を制御することにより、両回転体の相対回転位置を変更して、バルブタイミングを変更するようになっている。
このような進角側油圧室と遅角側油圧室のうち一方の油圧室の油圧がカムシャフトの軸方向に作用するように構成されていると、この一方の油圧室内の油圧変動によりカムシャフトが軸方向に変位し、カムシャフトとそのスラスト軸受部との干渉に伴うスラスト打音を生じるおそれがある。
一方、可変バルブタイミング機構には、例えば油圧が低い機関始動時にも始動に適した適切なバルブタイミングに保持できるように、両回転体の相対回転位置を所定位置に拘束するロック機構が設けられている。
本発明は、このようなロック機構を利用して、カムシャフトのスラスト打音の発生やこのスラスト打音が搭乗者に与える影響を抑制することができる新規な内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを目的としている。
本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置は、クランクシャフト及びカムシャフトの一方とともに回転する筒状の第1回転体と、上記クランクシャフト及び上記カムシャフトの他方とともに回転し、上記第1回転体の径方向内方に同軸上かつ相対回転可能に配置された第2回転体と、上記第1回転体及び上記第2回転体の一方に設けられ、上記第1回転体の内周と上記第2回転体の外周との間に形成される空間を、進角側油圧室と遅角側油圧室とに仕切るベーンと、上記進角側油圧室と上記遅角側油圧室との油圧を制御することにより、上記第1回転体と上記第2回転体との相対回転位置を変更・保持して、上記カムシャフトにより駆動される機関弁のバルブタイミングを変更・保持する油圧機構と、上記相対回転位置を所定のロック位置に機械的に拘束するロック機構と、を有する可変バルブタイミング機構を備えている。
また、上記進角側油圧室及び上記遅角側油圧室の一方の油圧室の油圧が上記カムシャフトの軸方向に作用するように構成されている。そして、この油圧室からの油圧変動に起因した上記カムシャフトの軸方向の移動に伴うスラスト打音を抑制するように、所定の打音抑制領域では、上記一方の油圧室への油圧供給を停止する。
本発明によれば、所定の打音抑制領域では、上記一方の油圧室への油圧供給を停止することにより、油圧室からの油圧及び油圧変動に起因したカムシャフトの軸方向変位を抑制し、スラスト打音の発生を抑制することができる。
本発明に係るバルブタイミング制御装置が適用される内燃機関のシステム構成の一例を示す構成図。 遅角時の可変バルブタイミング機構の油圧回路を示す断面対応図。 中間ロックを含む打音抑制制御時の状態を示す断面対応図。 保持時の可変バルブタイミング機構の油圧回路を示す断面対応図。 進角時の可変バルブタイミング機構の油圧回路を示す断面図。 本発明の第1実施例に係る打音抑制制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第2実施例に係る打音抑制制御の流れを示すフローチャート。
以下、図示実施例により本発明を説明する。図1は、本発明に係るバルブタイミング制御装置が適用される内燃機関のシステム構成の一例を示している。
内燃機関10のピストン11の上方により形成される燃焼室12には、機関弁としての吸気弁13を介して吸気通路14が接続されるとともに、機関弁としての排気弁15を介して排気通路16が接続されている。吸気通路14には、吸入空気量を検出するエアーフローメーター17がエアークリーナー18の下流側に配置されているとともに、吸気コレクタ19の上流側に電子制御式のスロットル弁20が配置されている。排気通路16には、排気浄化用の触媒21が配置されているとともに、その上流側に空燃比センサ22が配置されている。
燃焼室12には、その頂部に点火プラグ23が配置されているとともに、燃焼室12内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁24が配置されている。なお、ここでは筒内直噴型の内燃機関であるが、燃料噴射弁24を吸気ポートに配置するポート噴射型の内燃機関にも本発明を同様に適用可能である。
また内燃機関10には、上述したエアーフローメーター17や空燃比センサ22の他、機関回転数及びクランクシャフト25のクランク角を検出するクランク角センサ26,ノッキングを検知するノッキングセンサ27,内燃機関の冷却水温を検出する水温センサ28,内燃機関の作動油の温度を検出する油温センサ29,及びアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ30等の機関運転状態を検出する様々なセンサが設けられている。制御部31は、これらセンサの検出信号に基づいて、スロットル弁20,燃料噴射弁24,点火プラグ23及び後述する動弁機構32,33等に制御信号を出力して、スロットル開度,燃料噴射量,燃料噴射時期,点火時期及びバルブタイミング等を制御する。
吸気弁13の動弁機構32、排気弁15の動弁機構33は、いずれもバルブタイミングを変更・保持可能な可変バルブタイミング機構32,33となっており、制御部31からの制御信号により機関運転状態に応じてバルブタイミングが制御される。
図2〜図5は、吸気弁13側の可変バルブタイミング機構32を示している。この可変バルブタイミング機構32は、第1回転体としての筒状のハウジング34と、このハウジング34の径方向内方に同軸上に配置され、ハウジング34に対して相対回転可能な第2回転体としてのロータ35と、を有している。ハウジング34は、外周にスプロケット36が設けられ、このスプロケット36とクランクシャフト25とに巻き掛けられるタイミングチェーンを介してクランクシャフト25とともに回転する。ロータ35は、ボルト37によりカムシャフト38の先端に共締固定される固定プレート39を備え、カムシャフト38と一体的に回転する。
図3〜図5に示すように、ハウジング34には、その内周より径方向内方へ張り出した複数(この例では4つ)のシュー40が突設されている。各シュー40の先端はロータ35の外周面に摺接している。従って、隣り合うシュー40の間には、作動油が充填される空間が形成されている。一方、ロータ35には、その外周より径方向外方へ突出する複数(この例では4つ)の板状のベーン41が設けられている。各ベーン41は、上記の空間内を挿通して、その先端がハウジング34の内周面に接している。従って、各ベーン41により、上記の空間が進角側油圧室42と遅角側油圧室43とに液密に仕切られている。
なお、図示の例では第1回転体としてのハウジング34がクランクシャフト25とともに回転し、第2回転体としてのロータ35がカムシャフト38とともに回転するように構成しているが、これとは逆に、第1回転体がカムシャフトとともに回転し、第2回転体がクランクシャフトとともに回転するように構成しても良い。また、ロータ35にベーン41を設けているが、ハウジング34にベーンを設ける構成とすることも可能である。
油圧機構44は、制御部31からの制御信号(デューティー信号)により作動する3位置切換型の油圧制御弁45を備えている。可変バルブタイミング機構32の内部には、進角側油圧室42に連通する進角側油圧通路46と、遅角側油圧室43に連通する遅角側油圧通路47と、が形成されている。油圧制御弁45は、制御部31からのデューティ信号によりスプリング48の反力に抗してスプール49の位置を変更するソレノイド50を有し、この油圧制御弁45により、進角側油圧通路46及び遅角側油圧通路47と、オイルポンプ51に接続する油圧供給通路52及びオイルパン54へ作動油を排出する排出通路53と、の接続が切り換えられる。この油圧制御弁45の切換により、進角側油圧室42及び遅角側油圧室43の油圧が制御されて、ハウジング34とロータ35との相対回転位置が変更・保持され、ひいてはカムシャフト38により駆動される吸気弁のバルブタイミングが変更・保持される。
なお、油圧制御弁としてはこれに限らず、例えば5位置切換型などの他の形式の油圧制御弁を用いるようにしても良い。
図2及び図3は、ハウジング34とロータ35の相対回転位置を遅角方向へ移動する遅角時の油圧回路構成を示している。なお、図3は後述する打音抑制制御時の状態を示しており、このため、中間ロックピン61により相対回転位置が中間ロック位置に拘束された状態となっているが、このような打音抑制制御を除く通常の機関運転中には、ハウジング34とロータ35は中間ロックピン61により拘束されておらず、互いに相対回転可能である。
遅角時には、図2及び図3に示すように、スプール49を右方向に移動させて、進角側油圧通路46を排出通路53、遅角側油圧通路47を油圧供給通路52に接続させる。これにより、進角側油圧室42内の作動油が進角側油圧通路46及び排出通路53を経由してオイルパン54側へ排出されるとともに、油圧供給通路52及び遅角側油圧通路47を介して遅角側油圧室43にオイルポンプ51からの油圧が供給されて、相対回転位置が遅角方向へ変位する。
図4は、相対回転位置を保持する保持時の油圧回路構成を示している。この保持時には、スプール49を中立位置に配置して、進角側油圧通路46及び遅角側油圧通路47の双方を遮断し、進角側油圧室42と遅角側油圧室43の双方をそれぞれ封止した状態とする。これにより各油圧室内の油圧が保持されて、相対回転位置が現在の位置に保持される。
図5は、相対回転位置を進角方向へ移動させる進角時の油圧回路構成を示している。この進角時には、スプール49を図の左方へ移動させることで、進角側油圧通路46を油圧供給通路52、遅角側油圧通路47を排出通路53に接続させる。これにより、オイルポンプ51からの油圧が油圧供給通路52及び進角側油圧通路46を介して進角側油圧室42に供給されるとともに、遅角側油圧室43内の作動油が遅角側油圧通路47及び排出通路53を経由してオイルパン54側へ排出されて、相対回転位置が進角方向へ変位する。
また、相対回転位置を、機関始動に適した所定の中間ロック位置(中間位置)に機械的に拘束・ロックする中間ロック機構(中間機構)が設けられている。このロック機構は、ハウジング34に径方向に移動可能に支持された中間ロックピン61を二箇所に備えている。図4及び図5に示すように、各中間ロックピン61の先端がハウジング34の外周より突出していない、つまり中間ロックピン61全体がハウジング34内に引き込まれた引込姿勢のときには、ハウジング34とロータ35との相対回転位置が機械的に拘束されることはない。一方、図3に示すように、各中間ロックピン61の先端がハウジング34の内周よりも径方向内方へ突出して、その先端がハウジング34の内周に凹設されたピン孔62に嵌り込むことによって、ハウジング34とロータ35との相対回転位置が機械的に拘束・保持される(以下、単に「中間ロック」とも呼ぶ)。各中間ロックピン61の移動動作は、中間ロックピン61の基端側に設けられたピン用油圧室63内の油圧を切換える切換弁64(図2参照)により制御される。図2に示すように、可変バルブタイミング機構32の内部には、ピン用油圧室63に連通するピン用油圧通路65が形成されている。切換弁64は、このピン用油圧通路65を、オイルポンプ51から作動油が圧送されるピン用油圧供給通路66と、作動油をオイルパン54側へ排出するピン用排出通路67と、のいずれかに接続することで、油圧の供給・停止を切り換える。
なお、可変バルブタイミング機構32の内部では、各油圧室や油圧通路を液密にシールするための複数のシール部材68が設けられている。
中間ロックピン61により機械的に拘束されるロック位置は、油圧が低い内燃機関の始動時にも始動に適したバルブタイミングが得られるように、機関始動に適した位置とされており、比較的遅角寄りの位置とされている。但し、ハウジング34とロータ35とが相対回転可能な最遅角位置から最進角位置までの可動範囲の中間の位置とされており、つまり最遅角位置と最進角位置とを除く中間ロック位置とされている。
機関停止時には次回の機関始動時のために中間ロック機構により相対回転位置が中間ロック位置に機械的に拘束され、機関運転中は、後述する打音抑制制御を実施する場合を除き、中間ロック機構による中間ロックは行なわず、機関運転状態に応じてバルブタイミングが制御される。
排気弁側の可変バルブタイミング機構33についても、吸気弁側の可変バルブタイミング機構32と同様の構成であるため、ここでは具体的な説明を省略する。なお、排気弁側の可変バルブタイミング機構33については、中間ロック機構を省略する構成としても良い。
図6は、本発明の第1実施例に係る打音抑制制御の流れを示すフローチャートである。本ルーチンは、制御部31により極短い所定期間(例えば、10ms)毎に繰り返し実行される。
ステップS11〜ステップS15では、所定の打音抑制領域であるか否かを判定する。この打音抑制領域について説明すると、機関運転中、吸気弁のバルブタイミングは機関運転状態に応じて制御されるために、最進角位置又は最遅角位置に定常的に保持されている場合を除き、進角側油圧室42,遅角側油圧室43及びその油圧通路46,47の内部には作動油が密封され、その油圧によりハウジング34とロータ35との相対回転位置が保持もしくは変更される。
ここで、進角側油圧室42内の油圧の変動について考察すると、吸気弁の開弁時には、バルブスプリング反力に抗して吸気弁を開くため、進角側油圧室42内の油圧は上昇する。一方、吸気弁の閉弁時にはバルブスプリング反力を受けて閉弁していくため、進角側油圧室42内の油圧は低下する。この結果、カムシャフト38の回転に伴って進角側油圧室42内の油圧は変動する。この油圧変動は、進角側油圧室42内のみならず、この進角側油圧室42に連通する進角側油圧通路46内でも発生する。
図示の例の可変バルブタイミング機構32では、カムシャフト38にボルト37で締結固定される固定プレート39の軸方向側面に進角側油圧室42や進角側油圧通路46の一部が直接的に接触しているために、進角側油圧室42及び進角側油圧通路46の内部の油圧変動により、カムシャフト38に軸方向のスラスト荷重が作用する。
ここでカムシャフト38はシリンダヘッド70に回転可能に支持されるとともに、シリンダヘッド70に設けられたスラストベアリング71によって軸方向の移動が規制されている。つまり、カムシャフト38には径方向外方へ張り出した円盤状のフランジプレート72が設けられ、このフランジプレート72の外周縁部が、径方向外方へ窪んだスラストベアリング71の凹部73に緩く嵌り込んでいる。従って、カムシャフト38が軸方向に変位すると、フランジプレート72の軸方向の側面の一方がスラストベアリング71の凹部73の側面に接触して、カムシャフト38の軸方向の変位が規制される。このようにカムシャフト38のフランジプレート72がスラストベアリング71の凹部73に衝突する際に、打音が発生する。つまり、上述した進角側油圧室42及び進角側油圧通路46の内部の油圧変動に起因して打音が生じ、搭乗者に違和感や不快感を生じるおそれがある。
この打音は、油膜が形成され難い低粘度、つまり油温が所定温度以上の高油温領域で顕在化し易い。また、バックグラウンドノイズが小さい運転領域、具体的には、車速が所定速度以下の低車速領域、機関負荷が所定負荷以下の低負荷領域、及び機関回転数が低回転以下の低回転領域においては、バックグラウンドノイズが小さく、打音の抑制が望ましい。具体的な例としては、車両一時停止中に内燃機関を自動停止するアイドルストップ車両において、バッテリの蓄電量の不足等の理由により車両一時停止中であるにもかかわらず内燃機関を自動停止することなくアイドル運転しているような場合に、バックグラウンドノイズが小さいにもかかわらずスラスト打音が発生すると、搭乗者に違和感や不快感を与え易い。
そこで本実施例では、このように打音が健在化し易く、かつ、バックグラウンドノイズが小さいために打音による不快感を生じ易い特定の打音抑制領域に限り、後述するように打音抑制制御を行なうようにしている。
再び図6を参照して、ステップS11では、打音が顕在化し易い低油温領域であるか否かを判定する。油温は、この実施例では油温センサ29により直接的に検出しているが、水温センサ28や運転履歴等から間接的に検出もしくは推定しても良い。
ステップS12では、車両速度が所定速度以下の低車速領域であるか否かを判定する。ステップS13では、機関回転数が所定回転数以下の低回転数領域であるか否かを判定する。ステップS14では、機関負荷が所定負荷以下の低負荷領域であるか否かを判定する。
ステップS15は、車両駆動源として内燃機関10の他にモータを併用するハイブリッド車両の場合に、中間ロックを含む打音抑制制御を禁止する条件として追加されるステップである。ハイブリッド車両の場合、運転者のイグニッションキー操作による車両停止に伴う内燃機関の停止の他に、車両運転中に自動的に内燃機関を停止する、いわゆる機関自動停止処理が行なわれる。このステップS15では、内燃機関の自動停止前では無いか、つまり内燃機関の自動停止が行なわれる運転条件(例えば、信号待ちによる一時停止中)では無いかが判定される。
機関自動停止から内燃機関を自動再始動する際には、いわゆるデコンプ状態として始動時のトルクショックを軽減する等の目的で、吸気弁のバルブタイミングを大幅に遅角させた最遅角位置とされる。従って、機関自動停止時には次回の内燃機関の自動再始動に備えてバルブタイミングは最遅角位置に保持される。このようにバルブタイミングが最遅角位置に保持されている場合、進角側油圧室42及び進角側油圧通路46内への油圧供給は停止された状態に保持されることから、進角側油圧室42及び進角側油圧通路46内で油圧変動が生じることがなく、この油圧変動によるカムシャフトのスラスト打音も発生しない。従って、中間ロックを含む打音抑制制御を行なう必要がないので、機関自動停止が行なわれるような運転条件では、打音抑制制御を禁止している。
ステップS16では、誤判定を防止して判定精度を向上する目的で、ステップS11〜S15の判定が全て肯定された時点から所定時間(例えば、0.4〜0.6秒程度)が経過したか否かを判定する。
上述したステップS11〜S16の判定が全て肯定されると、機関運転状態が所定の打音抑制領域であり、かつ、機関自動停止前では無い状態が確定したと判断して、ステップS17以降の処理へ進み、スラスト打音を抑制するための中間ロックを含む打音抑制制御を実施する。一方、ステップS11〜S16のいずれか一つでも否定されると、打音抑制制御を実施することなく本ルーチンを終了する。このように、打音抑制制御を実施する運転領域を厳密に限定することで、不必要に中間ロックが行なわれてバルブタイミングが本来の適切な特性から外れることに伴う運転性の低下を最小限に抑制している。
ステップS17では、吸気弁のバルブタイミングを中間ロック位置に変更することに伴うトルク変動を抑制・吸収するように、排気弁側の可変バルブタイミング機構33による排気弁の目標バルブタイミングを変更する。例えば、吸気弁のバルブタイミングを進角した場合、これに伴うトルク増加を相殺するように、排気弁のバルブタイミングを遅角側に調整し、内部EGRを増加させてトルクを低下させる。
ステップS18では、油圧制御弁45及び切換弁64へ出力する中間ロック指示の信号を生成し、ステップS19では、その信号を油圧制御弁45及び切換弁64へ出力し、ハウジング34とロータ35の相対回転位置を中間ロック位置へ向けて移動させるとともに、中間ロックピン61をピン孔62に嵌合する突出姿勢に移動させる。ステップS20では、中間ロックが完了したか、つまり中間ロックピン61がピン孔62に嵌合したか否かを判定する。中間ロックが完了したと判定されると、ステップS21へ進み、スプール49を図3に示す遅角時の位置として、進角側油圧室42への油圧供給を停止する。これにより図3に示すように進角側油圧室42及び進角側油圧通路46の内部の作動油が排出されて、進角側油圧室42及び進角側油圧通路46の内部の油圧変動が確実に回避される。
以上のように本実施例では、機関始動用の中間ロック機構を利用して、進角側油圧室42及び進角側油圧通路46の内部の油圧変動に起因するカムシャフトのスラスト打音を有効に抑制することができる。特に本実施例では、打音が発生し易く(高油温領域)、かつ、バックグラウンドノイズが小さく打音の影響が大きい(低回転、低負荷、低車速領域)場合に限り、中間ロックを含む打音抑制制御を実施しており、それ以外の運転領域では打音抑制制御を行なわないようにしているために、中間ロックによってバルブタイミングが最適な特性から外れることに伴う運転性の低下を抑制することができる。
しかも本実施例では、機関始動(車両停止時からの始動)用のバルブタイミングに機械的に拘束するための中間ロック機構を利用してスラスト打音の発生を抑制する構成としており、新たな構成の追加を必要としないために、コストの増加がほとんどなく、既存の内燃機関にも容易に適用可能である。
図7は本発明の第2実施例に係る打音抑制制御の流れを示すフローチャートである。なお、図6の第1実施例と同じ処理ステップには同じ参照符号を付して重複する説明を省略し、第1実施例と異なる部分について主に説明する。
ステップS11〜ステップS16までの処理内容は第1実施例と同様である。ステップS17では、吸気弁のバルブタイミングを中間ロック位置に移動するよりも所定のディレイ時間(例えば、0.2〜0.4秒)前に、排気弁側の目標バルブタイミングを予め変更しておく。この理由は、排気弁側のバルブタイミングの変更(内部EGRの増加)によるトルクの低下は、吸気弁のバルブタイミングの変更(進角化)によるトルク増加に対して遅れる傾向にあるため、予め排気弁のバルブタイミングを先に変更しておくことで、トルク変動をより精度良く吸収・相殺することができるためである。
ステップS17Aでは、排気弁のバルブタイミングの変更からディレイ時間が経過したかを判定する。排気弁のバルブタイミングの変更からディレイ時間が経過すると、ステップS18以降へ進み、上記の第1実施例と同様に、中間ロックを含む打音抑制制御が実施される。
このように第2実施例においては、第1実施例と同様の作用効果が得られることに加え、中間ロック位置へ向けた吸気弁のバルブタイミングの変更よりも前に、トルク変化の応答性が低い排気弁のバルブタイミングを予め変更しておくことで、バルブタイミングの変更に伴うトルク変動をより精度良く吸収・相殺することができる。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形・変更を含むものである。例えば、本実施例では進角側油圧室内の油圧がカムシャフトの軸方向に作用する構成であるために、打音抑制制御の際に進角側油圧室への油圧供給を停止しているが、遅角側油圧室内の油圧がカムシャフトの軸方向に作用する構成である場合には、打音抑制制御の際に遅角側油圧室への油圧供給を停止することにより、上記実施例と同様の作用効果が得られる。
10…内燃機関
25…クランクシャフト
32…吸気弁側の可変バルブタイミング機構
33…排気弁側の可変バルブタイミング機構
34…ハウジング(第1回転体)
35…ロータ(第2回転体)
38…カムシャフト
41…ベーン
42…進角側油圧室
43…遅角側油圧室
44…油圧機構
46…進角側油圧通路
47…遅角側油圧通路
61…中間ロックピン(ロック機構)

Claims (12)

  1. クランクシャフト及びカムシャフトの一方とともに回転する筒状の第1回転体と、
    上記クランクシャフト及び上記カムシャフトの他方とともに回転し、上記第1回転体の径方向内方に同軸上かつ相対回転可能に配置された第2回転体と、
    上記第1回転体及び上記第2回転体の一方に設けられ、上記第1回転体の内周と上記第2回転体の外周との間に形成される空間を、進角側油圧室と遅角側油圧室とに仕切るベーンと、
    上記進角側油圧室と上記遅角側油圧室との油圧を制御することにより、上記第1回転体と上記第2回転体との相対回転位置を変更・保持して、上記カムシャフトにより駆動される機関弁のバルブタイミングを変更・保持する油圧機構と、
    上記相対回転位置を所定のロック位置に機械的に拘束するロック機構と、
    を有する可変バルブタイミング機構を備え、
    上記進角側油圧室及び上記遅角側油圧室の一方の油圧室の油圧が上記カムシャフトの軸方向に作用するように構成されており、
    この油圧室からの油圧に起因した上記カムシャフトの軸方向の移動に伴うスラスト打音を抑制するように、所定の打音抑制領域では、上記一方の油圧室への油圧供給を停止することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 上記所定の打音抑制領域では、上記ロック機構により上記相対回転位置を上記ロック位置に拘束するとともに、上記一方の油圧室への油圧供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 上記ロック位置は、上記第1回転体と上記第2回転体とが相対回転可能な最進角位置から最遅角位置までの可動範囲のうち、上記最進角位置と上記最遅角位置とを除く中間ロック位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 上記可変バルブタイミング機構が吸気弁側に設けられ、
    上記一方の油圧室が、上記進角側油圧室であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 上記打音抑制領域は、少なくとも油温が所定温度以上の領域であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 上記打音抑制領域は、少なくとも機関回転数が所定回転数以下の低回転領域であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 上記打音抑制領域は、少なくとも機関負荷が所定負荷以下の低負荷領域であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 上記打音抑制領域は、少なくとも車速が所定速度以下の低車速領域であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  9. 上記可変バルブタイミング機構が吸気弁側と排気弁側の双方に設けられ、
    上記打音抑制領域で上記相対回転位置を上記ロック位置に拘束する場合、上記ロック位置へ向けた吸気弁のバルブタイミングの変更に応じて、排気弁のバルブタイミングを変更することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  10. 上記打音抑制領域で上記相対回転位置を上記ロック位置に拘束する場合、上記ロック位置へ向けた吸気弁のバルブタイミングの変更よりも所定のディレイ時間前に、排気弁のバルブタイミングを変更することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  11. 車両駆動源として上記内燃機関とモーターとを併用するハイブリッド車両において、
    車両運転中に内燃機関を一時的に停止する内燃機関の自動停止が行なわれる運転条件のときには、上記ロック機構による上記相対回転位置の拘束を禁止することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  12. 上記ロック位置は、車両停止状態から内燃機関を始動する際のバルブタイミングに対応した位置であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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