JP5573455B2 - 超音波装置 - Google Patents

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本発明は、超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出する超音波装置に関するものである。
例えば特許文献1には、1つの圧電振動子(圧電素子)と1枚の整合板(音響部材)を有する単一の超音波振動子(送信素子又は受信素子)において、2以上の周波数帯域を使用帯域特性とする構成が示されている。
この超音波振動子は、例えば円板状の圧電振動子を用い、その厚み方向の振動モードでの振動により生じた超音波が整合板中を伝搬するときの波長をλ、その径方向の振動モードでの振動により生じた超音波が整合板中を伝搬するときの波長をλ、整合板の厚さをTmとすると、Tm=λ(n+1/4)=λ(n+1/4)[n,nは相異なる数であって0又は正の整数]を満たすように構成されている。
特許第3455585号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、単一の超音波振動子が複数の周波数の超音波を送信乃至受信するために、厚み方向の振動モードと径方向の振動モード、すなわち異なる複数の振動モードの共振条件を満たすように超音波振動子を設計しなければならない。
本発明は上記問題点に鑑み、単一の素子で複数の周波数の超音波を送信又は受信でき、且つ、素子を設計しやすい超音波装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の発明は、
超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出する超音波装置であって、
超音波を送信する複数の送信素子及び反射波を受信する受信素子を構成する、厚み方向に振動し、音響インピーダンスがZ1とされた圧電素子、及び、一面が被検出体が存在する空間側に露出し、空間側に露出する一面の反対面に圧電素子が取り付けられ、音響インピーダンスが圧電素子よりも小さいZ2(<Z1)とされた音響部材と、
複数の送信素子を振動させるために、各送信素子に対して同じ周波数の駆動信号を同一タイミングで生成する駆動信号生成手段と、
各送信素子に対する駆動信号の位相差を調整する位相差調整手段と
予め設定された第1切替条件に応じて、駆動信号の周波数変更を駆動信号生成手段に指示する第1変更手段と、
予め設定された第2切替条件に応じて、各駆動信号の位相差変更を位相差調整手段に指示する第2変更手段と、を備え、
音響部材における一面及び反対面間の厚みをTaとすると、駆動信号生成手段は、
λn=4×Ta/(2n−1)
[nは正の整数、λnは周波数fnの超音波が音響部材中を伝搬するときの波長]を満たす互いに波長が異なる複数の超音波を、単一の送信素子が送信し単一の受信素子が受信するように、互いに周波数fnの異なる複数の駆動信号を生成可能に設けられていることを特徴とする。
厚み方向に振動する、すなわち厚み方向の振動モードを有する圧電素子に、圧電素子よりも音響インピーダンスが小さい音響部材を取り付けた構成では、音響部材における空間側の端部が、反射による位相変化のない自由端、圧電素子側の端部が、反射により位相がπ(180°)変化する固定端となる。したがって、音響部材中を伝搬する超音波の波長をλとすると、音響部材の厚みTaをλ/4の奇数倍とすることで、音響部材内に定在波が生じ、音響部材内に入射した超音波と、音響部材と圧電素子との境界面で反射した超音波とが干渉して互いに打ち消し合うのを抑制する、すなわち共振状態とすることができる。
上記したように本発明では、上記共振条件を満たしつつ波長が異なる複数の超音波を、単一の送信素子が送信し単一の受信素子が受信するように、駆動信号生成手段が互いに周波数fnの異なる複数の駆動信号を生成可能に設けられている。したがって、いずれの周波数fn(例えばf1,f2)の駆動信号が生成されても、音響部材の厚みTaがλn/4の奇数倍となり、各駆動信号に対して音響部材が共振状態となる。これにより、単一の送信素子で複数の周波数fnの超音波を送信でき、単一の受信素子で複数の周波数fnの超音波を受信できる。また、送信素子及び受信素子を設計する際に、厚み方向の振動モードのみを考慮すれば良いので、従来に比べて送信素子及び受信素子を設計しやすくすることができる。
なお、音響部材は、圧電素子よりも音響インピーダンスが小さいので、圧電素子と被検出体が存在する空間との間で所謂音響整合部材として機能し、これにより、反射ロスを低減することができる。また、複数の送信素子から送信される超音波の合成指向性は、駆動信号の位相に応じて異なるものとなる。したがって、位相差を切り替えることで、駆動信号の周波数が同じであっても、検出エリアを変化させることができる。これにより、送信素子が1つのみの構成に比べて、被検出体の検出範囲を広くすることができる。
請求項2に記載のように、互いに周波数fnの異なる複数の駆動信号として、波長λ =4×Ta[n=1]に対応する駆動信号を含むと良い。超音波振動の振幅Xは、速度Vに比例、周波数fに反比例し、X=V/(2πf)で示される。音響部材に同じ音圧(振幅)が加わる場合、超音波振動は同じ速度Vで伝わるため、波長が最も長い上記λ (周波数が最も低いf1)で、振幅Xが最も大きくなる。また、波長が長い(周波数fnが低い)ほうが、空気中での超音波の減衰も小さい。したがって、本発明によれば、これら効果により、感度を向上することができる。
次に、請求項3に記載の発明は、
超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出する超音波装置であって、
超音波を送信する複数の送信素子及び反射波を受信する受信素子を構成する、厚み方向に振動し、音響インピーダンスがZ1とされた圧電素子、及び、一面が被検出体が存在する空間側に露出し、空間側に露出する一面の反対面に圧電素子が取り付けられ、音響インピーダンスが圧電素子よりも大きいZ2(>Z1)とされた音響部材と、
複数の送信素子を振動させるために、各送信素子に対して同じ周波数の駆動信号を同一タイミングで生成する駆動信号生成手段と、
各送信素子に対する駆動信号の位相差を調整する位相差調整手段と、
予め設定された第1切替条件に応じて、駆動信号の周波数変更を駆動信号生成手段に指示する第1変更手段と、
予め設定された第2切替条件に応じて、各駆動信号の位相差変更を位相差調整手段に指示する第2変更手段と、を備え、
音響部材における一面及び反対面間の厚みをTaとすると、駆動信号生成手段は、
λn=4×Ta/2n
[nは正の整数、λnは周波数fnの超音波が音響部材中を伝搬するときの波長]を満たす互いに波長λnが異なる複数の超音波を、単一の送信素子が送信し単一の受信素子が受信するように、互いに周波数fnの異なる複数の駆動信号を生成可能に設けられていることを特徴とする。
厚み方向に振動する、すなわち厚み方向の振動モードを有する圧電素子に、圧電素子よりも音響インピーダンスが大きい音響部材を取り付けた構成では、音響部材における空間側の端部、圧電素子側の端部がともに、反射による位相変化のない自由端となる。したがって、音響部材中を伝搬する超音波の波長をλとすると、音響部材の厚みTaをλ/4の偶数倍とすることで、音響部材内に定在波が生じ、音響部材内に入射した超音波と、音響部材と圧電素子との境界面で反射した超音波とが干渉して互いに打ち消し合うのを抑制する、すなわち共振状態とすることができる。
上記したように本発明では、上記共振条件を満たしつつ波長が異なる複数の超音波を、単一の送信素子が送信し単一の受信素子が受信するように、駆動信号生成手段が互いに周波数fnの異なる複数の駆動信号を生成可能に設けられている。したがって、いずれの周波数fnの駆動信号が生成されても、音響部材の厚みTaがλn/4の偶数倍となり、各駆動信号に対して音響部材が共振状態となる。これにより、単一の送信素子で複数の周波数fnの超音波を送信でき、単一の受信素子で複数の周波数fnの超音波を受信できる。また、送信素子及び受信素子を設計する際に、厚み方向の振動モードのみを考慮すれば良いので、従来に比べて送信素子及び受信素子を設計しやすくすることができる。
なお、音響部材は、圧電素子よりも音響インピーダンスが大きいので、圧電素子を保護し、耐環境性などを向上することができる。また、複数の送信素子から送信される超音波の合成指向性は、駆動信号の位相に応じて異なるものとなる。したがって、位相差を切り替えることで、駆動信号の周波数が同じであっても、検出エリアを変化させることができる。これにより、送信素子が1つのみの構成に比べて、被検出体の検出範囲を広くすることができる。
請求項4に記載のように、互いに周波数fnの異なる複数の駆動信号として、波長λ =2×Ta[n=1]に対応する駆動信号を含むと良い。本発明の作用効果は、請求項2に記載の発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
請求項5に記載のように、受信素子の受信信号のうち、駆動信号の周波数fnに応じた周波数帯域の信号を選択的に出力するフィルタ手段を備え、第1変更手段は、駆動信号の周波数変更に応じて、選択的に出力する周波数帯域の変更をフィルタ手段に指示する構成とすると良い。これによれば、単一の受信素子で複数の周波数fnの超音波を受信しつつ、フィルタ手段により、不要な周波数帯域の信号(ノイズ)をカットすることができる。
請求項6に記載のように、第1変更手段が、第1切替条件の判断に受信素子の受信信号を用いる構成としても良い。これによれば、受信結果に応じて、駆動信号の周波数fnやフィルタ手段にて選択的に出力する周波数帯域を変更することができる。
請求項7に記載のように、第1切替条件とは、被検出体までの距離に基づくものであり、第1変更手段は、被検出体までの距離が予め設定された基準距離以下の場合に送信素子が送信する超音波の周波数が、被検出体までの距離が基準距離よりも長い場合に送信素子が送信する超音波の周波数よりも低くなるように、駆動信号の周波数変更を駆動信号生成手段に指示することが好ましい。送信素子から送信される超音波の周波数fnが低い(波長が長い)と、検出距離が長く指向性は広くなり、超音波の周波数fnが高い(波長が短い)と、検出距離が短く指向性は狭くなる。本発明によれば、駆動信号生成手段が、検出した距離が基準距離以下の場合に低周波の駆動信号を生成し、基準距離より長い場合に高周波の駆動信号を生成する。したがって、被検出体までの距離に応じて、被検出体の検出に適した超音波を送信することができる。
請求項8に記載のように、第1切替条件とは、被検出体の有無に基づくものであり、第1変更手段は、所定周波数の駆動信号により被検出体が検出された場合に、所定周波数よりも高周波の駆動信号を生成するように、駆動信号生成手段に指示する構成としても良い。これによれば、例えば超音波装置に対し被検出体が相対的に近づく場合において、被検出体の検出に適した超音波を送信することができる。なお、第1切替条件としては、受信信号によらず、例えば所定時間ごとに駆動信号の周波数や選択的に出力する周波数帯域を変更するようにしても良い。
請求項9に記載のように、第2切替条件とは、被検出体の有無に基づくものであり、所定周波数及び所定位相差の各駆動信号により被検出体が検出されない場合、所定周波数が維持されるとともに、第2変更手段は、位相差を切り替えるように位相差調整手段に指示する構成としても良い。
さらに、請求項10に記載のように、所定周波数及び所定位相差の各駆動信号により被検出体が検出された場合、位相差が維持されるとともに、第1変更手段は、所定周波数よりも高周波の駆動信号を生成するように、駆動信号生成手段に指示する構成としても良い。
次に、請求項11に記載の発明は、
超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出する超音波装置であって、
超音波を送信する送信素子及び反射波を受信する受信素子を構成する、厚み方向に振動し、音響インピーダンスがZ1とされた圧電素子、及び、一面が被検出体が存在する空間側に露出し、空間側に露出する一面の反対面に圧電素子が取り付けられ、音響インピーダンスが圧電素子よりも大きいZ2(>Z1)とされた音響部材と、
送信素子を振動させるために、所定周波数の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
予め設定された切替条件に応じて、駆動信号の周波数変更を駆動信号生成手段に指示する変更手段と、を備え、
音響部材における一面及び反対面間の厚みをTaとすると、駆動信号生成手段は、
λn=4×Ta/2n
[nは正の整数、λnは音響部材が共振状態となる周波数fnの超音波が音響部材中を伝搬するときの波長]を満たす互いに波長λnが異なる複数の超音波を、単一の送信素子が送信し単一の受信素子が受信するように、互いに周波数fnの異なる複数の駆動信号を生成可能に設けられていることを特徴とする。
本発明の作用効果は、位相差によるものを除けば、請求項3に記載の発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
請求項13に記載の発明の作用効果は、請求項4に記載の発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
請求項12,14〜16に記載の発明の作用効果は、それぞれ請求項5〜8に記載の発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
請求項17に記載のように、受信素子として、受信専用の圧電素子を含む構成とすることが好ましい。これによれば、送受信素子に比べて残響の影響を低減できるため、より近距離を検出することができる。
請求項18に記載のように、圧電素子として、送信素子と受信素子を兼ねる送受信素子を含む構成としても良い。これによれば、超音波装置の体格を小型化することができる。
第1実施形態に係る超音波装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示す超音波装置のうち、送受信素子の概略構成を示す図であり、(a)は音響部材側から見た平面図、(b)は(a)のIIB−IIB線に沿う断面図である。 駆動信号切替処理を示すフローチャートである。 検出エリアを示す図である。 音響部材の共振状態を説明するための図であり、(a)は駆動信号の周波数f1、(b)は駆動信号の周波数f2を示している。 圧電素子の駆動波形を示す図であり、(a)は周波数f1、(b)は周波数f2を示している。 駆動信号切替処理の変形例を示すフローチャートである。 駆動信号切替処理の変形例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る超音波装置において、音響部材の共振状態を説明するための図であり、(a)は駆動信号の周波数f1、(b)は駆動信号の周波数f2を示している。 超音波装置のその他変形例を示すブロック図である。 位相差調整による検出エリアを示す図である。 図10に示す超音波装置において、検出エリア切替処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
(第1実施形態)
以下においては、圧電素子の厚み方向(振動方向)を単に厚み方向とし、該厚み方向に垂直な方向を単に垂直方向と示す。
図1に示す超音波装置1は、超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出するものであり、要部として、超音波を送信乃至受信する超音波素子10,20と、超音波素子10の駆動信号を生成するとともに、超音波素子10,20の受信信号に基づいて被検出体の有無や被検出体の位置(距離及び方位)を算出する回路部30を有している。本実施形態では、超音波素子10が送受信素子、超音波素子20が受信素子となっている。
先ず、超音波素子10,20の構成について説明する。超音波素子10,20は同一構造をなしており、本実施形態では、送受信素子10について説明する。なお、超音波素子10,20の構成は、本出願人による特開2008−309513号公報に記載の超音波センサと基本的に同じであるため、詳細な記載は割愛する。
図2(a),(b)に示すように、超音波素子(送受信素子)10は、音響インピーダンスがZ1とされ、回路部30からの駆動信号及び被検出体による反射波などを受けて厚み方向に振動する圧電素子11と、音響インピーダンスが圧電素子11よりも小さいZ2(<Z1)とされ、一面12aが被検出体が存在する空間側に露出し、空間側に露出する一面12aの反対面12bに圧電素子11が取り付けられた音響部材12と、を備えている。この音響部材12は、圧電素子11よりも音響インピーダンスが小さいので、圧電素子11と被検出体が存在する空間との間で所謂音響整合部材として機能する。
また、超音波素子10は、外部からの音響部材12への振動の伝達を防止する振動減衰部材13と、超音波素子10の表面を被覆して、使用環境下における水分などの環境因子から保護する被覆材16と、圧電素子11を外力の負荷や衝撃から保護する緩衝材17と、これらを収容する一端が開口した箱状の筐体18と、を備えている。
超音波素子10は、電子機器としての表示装置、具体的には車両のナビゲーションシステムを構成する表示装置、に情報を入力する装置の操作部(所謂パプティックスイッチ)として構成されている。この入力装置の操作部(超音波素子10)は、例えば運転席の横にあるセンターコンソール100の上面に配置されており、これにより、操作者である運転者が、姿勢をほとんど変えることなく操作部を操作できるようになっている。
センターコンソール100には、筐体18を挿通可能な大きさに貫通形成された取付部100aが設けられている。超音波素子10(超音波素子20)は、送受信面をなす音響部材12の一面12aをセンターコンソール100の外部に露出させた状態で、筐体18の開口部近傍の側面において取付部100aに取り付けられている。
圧電素子11は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる四角柱状に形成された圧電体を、対向する面において、PtやCuのスパッタ、めっき、導電ペーストの焼き付けなどにより形成された1組の電極により挟んで構成されている。この圧電素子11は、音響部材12の超音波を送受信する一面12aの反対面12bに、接着剤などにより取り付けられている。なお、符号14は、圧電素子11を音響部材12の一面12bに取り付ける取付面11aに形成された電極、符号15は、取付面11aの反対面11bに形成された電極を示す。また、圧電素子11としては、要求される送信の音圧に応じて、積層型の圧電素子を採用することができる。このような積層型の圧電素子としては、例えば、PZTからなり、垂直方向に沿う断面が音響部材12の断面と等しい四角柱状に形成された圧電体に、1組の電極14,15が互い違いに櫛歯状に積層形成されたもの、複数個の圧電素子が積層一体化されてなるもの、を採用することができる。
音響部材12は、空気より音響インピーダンスが大きく、圧電素子11より音響インピーダンスが小さい材料を用いて、垂直方向に沿う断面が略正方形の四角柱状に形成されている。本実施形態では、音響部材12は、ポリカーボネート系樹脂(PC)を用いて形成されている。ポリカーボネート系樹脂やポリエーテルイミド系樹脂は弾性率の温度変化が小さいため、温度変化に伴う超音波の波長の変化を小さくすることができる。なお、圧電素子11を構成するPZTの音響インピーダンスZ1は24.2×10N・s・m−3、音響部材12を構成するPCの音響インピーダンスZ2は1.7×10N・s・m−3、空気の音響インピーダンスZ3は412N・s・m−3である。すなわち、Z1>Z2>Z3となっている。
この音響部材12は、各駆動信号の周波数で共振状態となる所定の厚さTaを有している。なお、厚さTaは、一面12a及び反対面12b間の長さである。また、音響部材12の形状は、断面略正方形の四角柱状に限らず、例えば、円柱でもよい。また、一面12a側ほど断面積が大きいホーン形状を採用することもできる。
音響部材12の側面12cと筐体18との間には、音響部材12を側面12cにおいて筐体18に固定するとともに、センターコンソール100からの振動の伝達を防止する振動減衰部材13が介在されている。この振動減衰部材13は、接着材などで音響部材12の側面12c及び筐体18の内側面に接着固定されている。
振動減衰部材13は、音響部材12より音響インピーダンスが小さく、減衰定数が高い材料、例えば、シリコンゴムにより形成されている。好ましくは、弾性率が低く、密度が小さい材料が好適に用いられる。例えば、ゴム系材料、発泡樹枝などの気孔を含む樹脂、スポンジなどを用いることができる。このような材料により形成された振動減衰部材13が、センターコンソール100と音響部材12との間に介在することにより、超音波がセンターコンソール100の取付部100aを介して音響部材12の側面12cに伝達され、ノイズの原因となることを抑制することができる。
また、弾性率が低い材料では、超音波による音響部材12の振動を拘束する力が小さいため、超音波振動の減衰を小さくすることができる。これにより、超音波のノイズを低減し、振動の減衰を小さくすることができるので、超音波の検出感度を向上させることができる。
被覆材16は、圧電素子11の表面の露出している部分を覆って形成されている。被覆材16は、耐水性、耐油性、耐薬品性などの耐環境性を有する弾性率が低い材料により形成されており、例えば、ウレタンなどの軟質樹脂、ゴム、シリコーンなどのポッティング材、などの高分子材料により形成されている。被覆材16は、上述の材料を用いて板状などの所定の形状に成形して圧電素子11に貼り付けたり、ゲル状の材料を圧電素子11に塗布したりすることにより形成することができる。また、液状の樹脂材料を圧電素子11に塗布した後に、固化して形成してもよい。
被覆材16は、環境遮蔽効果を確保できれば、振動の伝達を阻害しないようにできるだけ薄く形成することが好ましい。また、被覆材16は、電極14の端面を覆って音響部材12側にオーバーラップして形成されているが、振動の減衰を小さくするため、オーバーラップする長さはできるだけ短い方がよい。具体的には、1mm以下にすることが好ましい。
圧電素子11に被覆材16を設けることにより、圧電素子11を劣化させる水分など環境因子を遮断することができるので、超音波の検出精度を確保することができ、信頼性を向上させることができる。
緩衝材17は、圧電素子11より弾性率の低い材料、例えば、ウレタンなどの軟質樹脂、ゴム、シリコーンなどのポッティング材、などの高分子材料により、垂直方向に沿う断面が圧電素子11の断面と同じ形状になるように形成されており、圧電素子11の一面11bと筐体18の底面18aとの間に介在して設けられている。
このような緩衝材17を設けることにより、音響部材12の一面12aに小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、緩衝材17が圧電素子11に伝達された衝撃を吸収するとともに、圧電素子11が筐体18の底面18a側に向かって変位するのを拘束するため、圧電素子11の割れや、圧電素子11が音響部材12の一面12bから脱離するような破壊を防ぐことができる。
また、緩衝材17は圧電素子11より弾性率が低い材料により形成されており、圧電素子11とのみ接触しているため、音響部材12及び圧電素子11の超音波による振動を阻害することがないので、超音波素子10による超音波の検出感度を良好な状態に維持することができる。
さらに、超音波素子10に温度変化が生じた場合でも、緩衝材17の熱膨張・熱収縮に起因する応力が圧電素子11に負荷されて検出誤差が生じるおそれがない。
緩衝材17は、被覆材16と同じ材料により形成することもできる。これによれば、緩衝材17と被覆材16とを一体的に成形することができ、緩衝材17が被覆材16の作用・効果を奏することができるとともに、製造工程を簡略化することができる。
緩衝材17は、その共振周波数が、超音波素子10を搭載する機器の外乱振動帯域よりも高くなるように形成することが好ましい。例えば、車両に搭載する場合には、1KHz以下の周波数帯域で大きな外乱振動が発生するので、緩衝材17の共振周波数が1KHz以上となるようにする。これにより、車両から伝達される振動により共振することがなく検出ノイズを低減することができるので、検出精度を向上させることができる。
また、緩衝材17は、その共振周波数が、圧電素子11の共振周波数と略一致するように形成することが好ましい。これにより、圧電素子11に伝達された超音波振動を増幅することができるので、検出感度を向上させることができる。
次に、回路部30について説明する。
回路部30は、制御回路31、駆動信号生成部32、ドライバ35、アンプ36,37、バンドパスフィルタ38,39、TAD40,41、及びDSP42を備えている。
制御回路31は、図示しない中央演算装置(CPU)、CPUが実行する各種プログラムが格納されたリードオンメモリ(ROM)、CPUがROMに格納された各プログラムにしたがって実行する各種演算のための作業領域として用いられるランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。そして、駆動信号生成部32に対し、駆動信号生成する指示する機能及び予め設定された切替条件に応じて駆動信号の周波数変更を指示する機能、バンドパスフィルタ38,39に対し、選択的に出力する周波数帯域の変更を指示する機能、被検出体の有無や被検出体の位置(距離及び方位)を検出する機能、検出結果を外部装置に出力する機能などを有している。この制御回路31が、特許請求の範囲に記載の変更手段に相当する。
駆動信号生成部32は、特許請求の範囲に記載の駆動信号生成手段に相当し、発振部33と周波数調整部34を備えている。発振部33は、制御回路31からの指示信号を受けると、基準周波数f0のパルス信号を一定期間だけ生成する。周波数調整部34は、発振部33にて生成された基準周波数f0のパルス信号を、互いに異なる複数の周波数fnに調整可能に設けられている。
本実施形態の周波数調整部34は、分周数が互いに異なる複数の分周器が並列接続されて構成されており、各分周器にそれぞれ直列接続されたスイッチの開閉が制御回路31により制御されて1つの分周器が選択されることで、駆動信号生成部32が、選択された分周器に対応する所定周波数fn(例えば周波数f1)の駆動信号を出力するようになっている。
より詳しくは、周波数fnの超音波が音響部材12中を伝搬するときの波長をλnとし、nは正の整数とすると、
λn=4×Ta/(2n−1)、
を満たす互いに波長が異なる複数の超音波を、単一の超音波素子10が送受信し、単一超音波素子20が受信するように、周波数調整部34が設定されている。
本実施形態では、周波数調整部34から、λ=4Ta(n=1)を満たす周波数f1、λ=4Ta/3(n=2)を満たす周波数f2、λ=4Ta/5(n=3)を満たす周波数f3の各駆動信号が出力できる構成となっている。より詳しくは、Ta=5.9mm、周波数f1が60kHz、周波数f2が180kHz、周波数f3が300kHzである。
ドライバ35は、駆動信号生成部32からの駆動信号により送受信素子10を駆動する駆動回路であり、これにより、送受信素子10から所定周波数の超音波が送信される。なお、本実施形態では、ドライバ35が、トランスなどの電力増幅回路を含んでいる。
アンプ36,37は、超音波素子10,20の受信信号を増幅し、増幅後の受信信号をバンドパスフィルタ38,39へ出力する。
バンドパスフィルタ38,39は、アンプ36,37にて増幅された各超音波素子10,20の受信信号に対してフィルタ処理を行い、駆動信号の周波数から外れた周波数成分を除去する、換言すれば、受信信号から、駆動信号と同じ周波数帯の信号を抽出する。このバンドパスフィルタ38,39が、特許請求の範囲に記載のフィルタ手段に相当する。
本実施形態では、送受信素子10から送信された超音波の、被検出体による反射波を送受信素子10及び受信素子20が受信可能な期間において、周波数調整部34から出力される駆動信号の周波数と同じ周波数帯の信号を選択的に抽出するように、制御回路31からの指示信号に基づいて、各バンドパスフィルタ38,39の乗数が設定される構成となっている。すなわち、本実施形態では、各バンドパスフィルタ38,39から、上記周波数f1,f2,f3の受信信号をそれぞれ選択的に出力できる構成となっている。
TAD40,41は、周知の時間A/D変換回路であり、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)42は、TAD40,41にてA/D変換された超音波素子10,20の受信信号に基づいて、受信信号の振幅や位相などを算出する。そして、これら算出結果は、制御回路31に出力される。なお、DSP42はメモリを有している。
次に、駆動信号の周波数切替処理の一例について説明する。
入力装置の操作部が操作者によって操作され得る状況下となる(例えば車両のイグニッションキーがオンされ、回路部30の電源がオンされる)と、制御回路31は、先ず周波数調整部34に対し、駆動信号生成部32にて生成できる最も周波数の低い周波数f1を設定すべく指示信号を出力する(ステップ10)。
発振部33は、所定の周期で制御回路31から指示を受け、基準周波数f0のパルス信号を一定期間だけ生成する。そして、周波数調整部34は、基準周波数f0のパルス信号を、基準周波数f0よりも低い所定周波数に調整し、駆動信号として出力する(ステップ11)。
このように駆動信号生成は、イグニッションキーがオンされた状態で、周期的に実行される。なお、イグニッションキーがオンされた直後においては、ステップ10に示すごとく、周波数f1の駆動信号を出力する。
生成された駆動信号(電圧信号)は、ドライバ35を介して送受信素子10の圧電素子11に伝達される。これにより、圧電素子11は厚み方向に振動し、振動が音響部材12に伝達され、音響部材12の一面12aから超音波として送信される(ステップ12)。この超音波の周波数は駆動信号の周波数と一致している。
送信処理の開始後、超音波素子10,20において被検出体による反射波が検出可能なタイミング(後述する図6に破線矢印で示す検出可能開始タイミング)となると、制御回路31は、DSP42が算出した超音波素子10,20の受信信号の振幅(ステップ13)が、所定の閾値より大きいか否かを比較する(ステップ14)。
例えば超音波素子10,20の一方の算出した振幅が閾値以下の場合、制御回路31は、対応する計測時間を経過したか否かを判定する(ステップ15)。そして、計測時間を経過していなければ反射波を受信していないものとしてステップ13に戻る。一方、計測時間を超えたと判定した場合は、被検出体が存在しないものと判定し(ステップ16)、現在設定されている周波数を維持して(ステップ17)、ステップ11に戻る。すなわち、被検出体が存在しないと判定した場合には、駆動信号の周波数変更を指示せずに、ステップ11に戻る。
なお、上記した計測時間とは、被検出体による反射波が検出可能なタイミング(検出可能開始タイミング)から検出可能終了までの時間であり、超音波の周波数によって変化する。本実施形態では、制御回路31が、周波数調整部34が調整する周波数に応じた計測時間を判定に用いる。これら計測時間は、図示しない不揮発性メモリに予め格納されている。
ステップ14にて、少なくとも超音波素子10,20の一方の算出した振幅が閾値よりも大きい場合、制御回路31は、被検出体が存在するもの(被検出体あり)と判定する(ステップ18)。そして、制御回路31は、被検出体ありと判定した超音波素子10,20の受信信号において、振幅が閾値を超えたタイミングから、被検出体までの距離を算出する(ステップ19)。そして、算出した距離を、図示しない不揮発性メモリに予め格納された対応する基準距離と比較する(ステップ20)。
なお、基準距離とは、検出エリア(後述する図4参照)の大小関係が隣接する関係の2つの周波数に対して、検出エリアの小さい側の最大距離(検出エリアの最外周部分)程度の値で設定され、本実施形態に示すように3つの周波数の場合、周波数f1,f2に対応する基準距離αと、周波数f2,f3に対応する基準距離αを有している。そして、ステップ17での対応する基準距離とは、周波数f1の場合α、周波数f2,f3の場合αである。
算出した距離が基準距離を超える場合、制御回路31は、現在設定されている駆動信号の周波数が最も周波数の低いf1か否かを判定する(ステップ21)。そして、周波数f1の場合、周波数f1よりも低周波に切り替えることはできないので、現在設定されている周波数f1を維持し(ステップ17)、ステップ11に戻る。すなわち、制御回路31は周波数変更をしない。
一方、周波数f1でない場合、現在設定されている周波数を1段階低い周波数に切り替えるように、周波数調整部34に指示信号を出力し(ステップ22)、ステップ11に戻る。例えば、現在設定されている周波数がf2の場合は周波数f1、周波数f3の場合は周波数f2に切り替える。
このように、ステップ22にて周波数を切り替えると、再度周波数切り替えの指示がなされるまでは、切り替えた周波数の駆動信号が、周期的に生成される。
ステップ20にて、算出した距離が基準距離以下の場合、制御回路31は、駆動信号の周波数が、駆動信号生成部32にて生成できる駆動信号のうち、最も周波数が高いか否かを判定する(ステップ23)。最も周波数が高い(本実施形態ではf3)場合、さらに高周波の信号に切り替えることはできないので、現在設定されている周波数を維持し(ステップ24)、ステップ11に戻る。すなわち、制御回路31は周波数変更をしない。
一方、現在設定されている周波数が最も周波数が高いものではない場合、制御回路31は、現在設定されている周波数を1段階高い周波数に切り替えるように、周波数調整部34に指示信号を出力し(ステップ25)、ステップ11に戻る。例えば、現在設定されている周波数がf1の場合は周波数f2、周波数f2の場合は周波数f3に切り替える。
なお、上記フローでは割愛したが、ステップ15及びステップ16の被検出体の有無判定、ステップ19での距離算出がなされると、制御回路31は、これら測定結果を外部装置に出力する。
また、説明は割愛するが、バンドパスフィルタ38,39の乗数についても、制御回路31は、上記した駆動信号の周波数切替処理の同様の処理により、駆動信号の周波数に応じた所定の乗数に切り替える。
このように、本実施形態に示す超音波装置1によれば、互いに周波数の異なる複数の超音波を、異なるタイミングで送受信することができる。具体的には、図4に実線で示す周波数f1(音響部材12中での波長λ=4Ta)、一点鎖線で示す周波数f2(音響部材12中での波長λ=4Ta/3)、二点鎖線で示す周波数f3(音響部材12中での波長λ=4Ta/5)の超音波を送受信することができる。
超音波素子10,20の検出距離は、周波数が低い(波長が長い)ほど長く、周波数が高い(波長が短い)ほど短くなる。また、指向性は、周波数が低い(波長が長い)ほど広く、周波数が高い(波長が短い)ほど狭くなる。したがって、超音波素子10,20の各周波数での検出エリアは、図4に示すように互いに異なるものとなる。
次に、本実施形態に係る超音波装置1の特徴部分の効果について説明する。
厚み方向に振動する、すなわち厚み方向の振動モードを有する圧電素子11に、圧電素子11よりも音響インピーダンスが小さい音響部材12を取り付けた構成では、図5(a),(b)に示すように、音響部材12における空間側の端部(一面12a)が、反射による位相変化のない自由端となり、圧電素子11側の端部(一面12b)が、反射により位相がπ(180°)変化する固定端となる。
したがって、音響部材12中を伝搬する超音波の波長をλとすると、音響部材12の厚みTaをλ/4の奇数倍とすることで、音響部材12内に定在波が生じ、音響部材12内に入射した超音波と、音響部材12と圧電素子11との境界面で反射した超音波とが干渉して互いに打ち消し合うのを抑制する、すなわち共振状態とすることができる。
なお、図5(a)では、駆動信号の周波数f1(音響部材12中での波長λ=4Ta)の場合、図5(b)では、駆動信号の周波数f2(音響部材12中での波長λ=4Ta/3)の場合を示しており、図5(a),(b)のいずれにおいても、音響部材12の一面12aで腹の状態を示している。
このように本実施形態によれば、上記共振条件を満たしつつ波長が異なる複数の超音波を、単一の超音波素子10が送信し単一の超音波素子10,20がそれぞれ受信するように、駆動信号生成部32が互いに周波数fn(具体的には、周波数f1、f2、f3)の異なる複数の駆動信号を生成可能に設けられている。したがって、いずれの周波数fnの駆動信号が生成されても、音響部材12の厚みTaがλn/4の奇数倍となり、各駆動信号に対して音響部材12が共振状態となる。これにより、単一の超音波素子10で複数の周波数fnの超音波を送信でき、単一の超音波素子10,20で複数の周波数fnの超音波を受信できる。換言すれば、1つの超音波素子10,20にて、遠距離に位置する被検出体と近距離に位置する被検出体を検出することができる。また、超音波素子10,20を設計する際に、厚み方向の振動モードのみを考慮すれば良いので、従来に比べて超音波素子10,20を設計しやすくすることができる。
なお、音響部材12は、圧電素子11よりも音響インピーダンスが小さいので、圧電素子11と被検出体が存在する空間との間で所謂音響整合部材として機能し、これにより、反射ロスを低減することもできる。
また、本実施形態では、超音波素子10,20の受信回路が、フィルタ手段としてのバンドパスフィルタ38,39をそれぞれ有し、変更手段としての制御回路31が、駆動信号の周波数変更に応じて、選択的に出力する周波数帯域の変更(乗数の変更)をバンドパスフィルタ38,39に指示する構成となっている。したがって、単一の超音波素子10,20で複数の周波数fnの超音波を受信しつつ、バンドパスフィルタ38,39により、不要な周波数帯域の信号(ノイズ)をカットすることができる。
また、本実施形態では、駆動信号生成部32が生成する複数の駆動信号として、波長λ=4×Ta[n=1]に対応する駆動信号を含んでいる。超音波振動の振幅Xは、速度Vに比例、周波数fに反比例し、X=V/(2πf)で示される。音響部材12に同じ音圧(振幅)が加わる場合、超音波振動は同じ速度Vで伝わるため、波長が最も長い上記λ(周波数が最も低いf1)で、振幅Xが最も大きくなる。また、波長が長い(周波数fnが低い)ほうが、空気中での超音波の減衰も小さい。したがって、本実施形態によれば、これら効果により、感度を向上することができる。
また、本実施形態では、制御回路31が、切替条件の判断に超音波素子10,20の受信信号を用いるため、受信結果に応じて、駆動信号の周波数fnやバンドパスフィルタ38,39の乗数を変更することができる。
本実施形態では、被検出体までの距離を切替条件としており、制御回路31は、算出距離と予め設定された基準距離との比較結果に基づいて、周波数調整部34に駆動信号の周波数変更を指示するようになっている。上記したように、超音波の周波数fnが低い(波長が長い)と、検出距離が長く指向性は広くなり、超音波の周波数fnが高い(波長が短い)と、検出距離が短く指向性は狭くなる。したがって、被検出体までの距離に応じて、被検出体の検出に適した超音波を送信することができる。
特に本実施形態では、イグニッションキーがオンされると、先ず制御回路31は、ステップ10で、周波数f1の駆動信号を生成するように、周波数調整部34に指示する。また、算出した距離がステップ20にて対応する基準距離以下の場合であって最も高い周波数でない場合、ステップ25で、1段階高周波に切り替える。したがって、指向性が広く検出距離の長い遠距離モード(周波数f1)、中距離モード(周波数f2)、近距離モード(周波数f3)の順に切り替えるため、被検出体が操作部(超音波素子10,20)へ接近する場合であっても、被検出体を精度よく検出することができる。
また、本実施形態では、超音波素子として受信専用の受信素子20を有している。送受信素子10の場合、図6(a),(b)に例示するように、圧電素子11への駆動信号印加を停止しても、しばらくの間振動する残響が生じるため、破線矢印で示す受信信号検出可能タイミングは、残響後に設定することとなる。これに対し、受信素子20は、送受信素子10の送信時の振動が回り込む回り込み波の影響があるものの、送受信素子(超音波素子10)に比べて残響の影響を低減できる。したがって、破線矢印で示す受信信号検出可能タイミングを、送受信素子よりも早いタイミングとすることができ、これにより、近距離を検出することができる。
なお、制御回路31からの指示を受けて、駆動信号生成部32は、所定周波数fnの駆動信号を一定期間(例えば所定のパルス数)だけ生成する。したがって、周波数の高い駆動信号ほど送信時間(及び残響時間)が短くなり、受信信号検出可能タイミングを早めることができる。
また、本実施形態では、超音波素子として、送信素子と受信素子を兼ねる送受信素子10を有している。したがって、送信専用の超音波素子と受信専用の超音波素子のみを有する構成に比べて、超音波装置1の体格を小型化することができる。
なお、本実施形態では、被検出体までの距離を切替条件とする例を示した。しかしながら、切替条件としては、距離に限定されるものではない。例えば、被検出体の有無を切替条件としても良い。また、超音波素子10,20の受信信号によらず、例えば所定時間ごとに駆動信号の周波数や、バンドパスフィルタ38,39の乗数(選択的に出力する周波数帯域)を変更するようにしても良い。
例えば図7,8に示す変形例では、被検出体の有無を切替条件としている。図7に示すステップ30〜38は、上記した図3に示すステップ10〜18に対応している。ステップ38にて、被検出体ありと判定した場合、制御回路31は、現在設定されている駆動信号の周波数が、駆動信号生成部32にて生成できる駆動信号のうち、最も周波数が高いか否かを判定する(ステップ39)。最も周波数が高い(本実施形態ではf3)場合、さらに高周波の信号に切り替えることはできないので、現在設定されている周波数を維持し(ステップ40)、ステップ31に戻る。すなわち、制御回路31は周波数変更をしない。
一方、現在設定されている周波数が最も周波数が高いものではない場合、制御回路31は、現在設定されている周波数を1段階高い周波数に切り替えるように、周波数調整部34に指示信号を出力し(ステップ41)、ステップ31に戻る。例えば、現在設定されている周波数がf1の場合は周波数f2、周波数f2の場合は周波数f3に切り替える。
このように、被検出体が検出された場合に、より高周波の駆動信号に切り替える構成としても良い。これによれば、例えば超音波装置1に対し被検出体が相対的に近づく場合において、被検出体の検出に適した超音波を送信することができる。
また、図8では、ステップ36で被検出体なしと判定した場合に、現在設定されている周波数を維持するのではなく、ステップ30に戻る構成となっている。それ以外は、図7と同じである。これによれば、被検出体が存在しない場合に、検出エリアの最も広い周波数f1とするため、次の駆動信号生成のタイミングで被検出体を検出する確率を高めることができる。
本実施形態では、超音波装置1が、超音波素子として送受信素子10と受信素子20を有する例を示した。しかしながら、超音波装置1は、少なくとも1つの送信用の超音波素子と、少なくとも1つの受信用の超音波素子を有せば良い。例えば1つの送受信素子10のみを有する構成としても良いし、送信専用の送信素子と受信専用の受信素子を1つずつ有する構成としても良い。ただし、受信用の超音波素子を複数有する構成とすると、受信信号の位相差から、被検出体の方位を検出することができる。
本実施形態では、駆動信号生成部32が、互いに周波数(f1,f2,f3)の異なる3つの駆動信号を生成可能に設けられる例を示した。しかしながら、互いに周波数が異なる複数の駆動信号の数としては、上記例に限定されるものではない。例えば2つのみでも良いし、4つ以上としても良い。
(第2実施形態)
本実施形態に係る超音波装置1の構成は、第1実施形態とほぼ同じである。異なる点は、1)音響部材12のインピーダンスZ2が圧電素子11のインピーダンスZ1よりも大きく、Z1<Z2>Z3(Z3は空気の音響インピーダンス)となっている、2)周波数fnの超音波が音響部材12中を伝搬するときの波長をλnとし、nは正の整数とすると、λn=4×Ta/2n、を満たす互いに波長が異なる複数の超音波を、単一の超音波素子10が送受信し、単一の超音波素子20が受信するように、周波数調整部34が設定されている、点である。
厚み方向に振動する、すなわち厚み方向の振動モードを有する圧電素子11に、圧電素子11よりも音響インピーダンスが大きい音響部材12を取り付けた構成では、図9(a),(b)に示すように、音響部材12における空間側の端部(一面12a)及び圧電素子11側の端部(一面12b)の両方が、反射による位相変化がない自由端となる。
したがって、音響部材12中を伝搬する超音波の波長をλとすると、音響部材12の厚みTaをλ/4の偶数倍とすることで、音響部材12内に定在波が生じ、音響部材12内に入射した超音波と、音響部材12と圧電素子11との境界面で反射した超音波とが干渉して互いに打ち消し合うのを抑制する、すなわち共振状態とすることができる。
なお、図9(a)では、駆動信号の周波数f1(音響部材12中での波長λ=2Ta)の場合、図9(b)では、駆動信号の周波数f2(音響部材12中での波長λ=Ta)の場合を示しており、図9(a),(b)のいずれにおいても、音響部材12の一面12aで腹の状態を示している。
このように本実施形態によれば、上記共振条件を満たしつつ波長が異なる複数の超音波を、単一の超音波素子10が送信し単一の超音波素子10,20がそれぞれ受信するように、駆動信号生成部32が互いに周波数fn(例えば上記周波数f1、f2)の異なる複数の駆動信号を生成可能に設けられている。したがって、いずれの周波数fnの駆動信号が生成されても、音響部材12の厚みTaがλn/4の偶数倍となり、各駆動信号に対して音響部材12が共振状態となる。これにより、単一の超音波素子10で複数の周波数fnの超音波を送信でき、単一の超音波素子10,20で複数の周波数fnの超音波を受信できる。換言すれば、1つの超音波素子10,20にて、遠距離に位置する被検出体と近距離に位置する被検出体を検出することができる。また、超音波素子10,20を設計する際に、厚み方向の振動モードのみを考慮すれば良いので、従来に比べて超音波素子10,20を設計しやすくすることができる。
また、圧電素子11を構成するPZTの音響インピーダンスZ1は24.2×10N・s・m−3であるので、音響部材12としては、Z1よりも大きい金属材料からなる構成を採用すれば良い。圧電素子11よりも音響インピーダンスの大きい音響部材12により、圧電素子11を保護し、耐環境性などを向上することができる。
なお、上記効果以外についても、第1実施形態に示した効果を奏することができる。例えば、複数の駆動信号として、波長λ=2×Ta[n=1]に対応する駆動信号を含むと、波長が最も長い上記λ(周波数が最も低いf1)で、振幅Xが最も大きくなり、また、空気中での超音波の減衰も小さいので、感度を向上することができる。また、第1実施形態に示した変形例を適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、切替条件(第1切替条件)に応じて、駆動信号生成部32にて生成される駆動信号の周波数と、バンドパスフィルタ38,39の乗数を切り替える例を示した。しかしながら、超音波素子として送信素子を複数有し、駆動信号生成部32は、同一のタイミングで各送信素子に対する駆動信号を生成し、各送信素子に対する駆動信号の少なくとも1つの位相を調整し、各駆動信号の位相差を調整する位相差調整手段を備え、変更手段は、予め設定された第2切替条件に応じて、各駆動信号の位相差変更を位相差調整手段に指示する構成を採用しても良い。
例えば図10に示す超音波装置1では、第1実施形態に示した超音波装置1の受信素子20を送受信素子21に置き換えた構成となっており、送受信素子21側の送信回路は、送受信素子10の送信回路と同じ構成となっている。すなわち、駆動信号生成部43を構成する発信部44及び周波数調整部45及びドライバ46を有している。さらに、送受信素子10,21の各送信回路には、駆動信号生成部32とドライバ35の間に、送受信素子10側の駆動信号と送受信素子21側の駆動信号の位相差を調整するための、位相調整部47が設けられている。このような位相調整部47は、例えば互いに異なる複数の移相器が並列接続されて構成されており、各移相器にそれぞれ直列接続されたスイッチの開閉が制御回路31により制御されて1つの移相器が選択されるようになっている。
複数の送信素子(図10では送受信素子10,21)から送信される超音波の合成指向性は、駆動信号の位相に応じて異なるものとなる。例えば、位相差なし(同位相)の場合の合成指向性と、位相πのずれ(逆位相)の場合の合成指向性とは異なるものとなる。したがって、図10に示す超音波装置1によれば、位相差を切り替えることで、駆動信号の周波数が同じであっても、検出エリアを変化させることができる。これにより、送信素子が1つのみの構成に比べて、被検出体の検出範囲を広くすることができる。
特に高周波の超音波では、検出距離が短く指向性が狭くなるので、効果的である。図11には、周波数f1,f2,f3の駆動信号を生成可能な構成において、最も高い周波数f3について、位相差なし(図中の一点鎖線)と位相差π(図中の二点鎖線)の検出エリアをそれぞれ図示している。なお、図11では、便宜上、周波数f2の検出エリアを割愛している。
図12に、検出エリア(位相差)切替処理の一例を示す。図12bに示す処理は、周波数切替の処理部分が、第1実施形態の変形例(図7)と同じとなっている。
上記各実施形態同様、入力装置の操作部が操作者によって操作され得る状況下となる(例えば車両のイグニッションキーがオンされ、回路部30の電源がオンされる)と、制御回路31は、先ず周波数調整部34,45に対し、駆動信号生成部32,43にて生成できる最も周波数の低い周波数f1を設定すべく指示信号を出力する(ステップ50)。
また、制御回路31は、位相差なし(同位相)となるように、位相調整部47に指示信号を出力する(ステップ51)。
発振部33,44は、所定の周期で制御回路31から指示を受け、同一のタイミングで基準周波数f0のパルス信号を一定期間だけ生成する。そして、周波数調整部34,45は、基準周波数f0のパルス信号を、基準周波数f0よりも低く、互いに同じ所定周波数に調整し、周波数調整部45から駆動信号として出力する。一方、送受信素子10側では、周波数調整部34にて所定周波数に調整後、送受信素子21側の駆動信号と同位相となるように位相調整部47にて位相が調整され、駆動信号として出力する(ステップ52)。
そして、送受信素子10,21から超音波が送信され(ステップ53)、送受信素子10,21において被検出体による反射波が検出可能なタイミングとなると、制御回路31は、DSP42が算出した送受信素子10,21の受信信号の振幅(ステップ54)が、所定の閾値より大きいか否かを比較する(ステップ55)。
例えば送受信素子10,21の一方の算出した振幅が閾値以下の場合、制御回路31は、対応する計測時間を経過したか否かを判定する(ステップ56)。計測時間を経過していなければ反射波を受信していないものとしてステップ54に戻る。一方、計測時間を超えたと判定した場合は、被検出体が存在しないものと判定し(ステップ57)、現在設定されている周波数を維持する(ステップ58)。
次いで、位相差がないか否かを判定(ステップ59)する。位相差なしの場合には、位相差πとなるように、位相調整部47に指示信号を出力し(ステップ60)、ステップ52に戻る。一方、位相差がある場合(すなわち位相差πの場合)には、ステップ51に戻る。すなわち、被検出体が存在しないと判定した場合には、送受信素子10,21の駆動信号の位相差を切り替える。
ステップ55にて、少なくとも送受信素子10,21の一方の算出した振幅が閾値よりも大きい場合、制御回路31は、被検出体が存在するもの(被検出体あり)と判定し(ステップ61)、現在設定されている位相差を維持する(ステップ62)。すなわち、この場合には位相差を切り替えない。
そして、制御回路31は、現在設定されている駆動信号の周波数が、駆動信号生成部32,43にて生成できる駆動信号のうち、最も周波数が高いか否かを判定する(ステップ63)。最も周波数が高い(例えば周波数f3)場合、さらに高周波の信号に切り替えることはできないので、現在設定されている周波数を維持し(ステップ64)、ステップ52に戻る。すなわち、制御回路31は周波数変更をしない。
一方、現在設定されている周波数が最も周波数が高いものではない場合、制御回路31は、現在設定されている周波数を1段階高い周波数に切り替えるように、周波数調整部34,45に指示信号を出力し(ステップ65)、ステップ52に戻る。
このように、被検出体の有無を第2切替条件とし、所定の位相差により被検出体が検出されない場合に、制御回路31が、駆動信号の周波数を変更せずに所定の位相差とは異なる位相差となるように、位相調整部47(位相差調整手段)に指示する構成としても良い。これによれば、位相差を変えない構成に比べて、被検出体を見つけやすくすることができる。
なお、図10では、送受信素子10,21ごとに、駆動信号生成部32,43を設けているが、兼用としても良い。また、一方の送受信素子10側の送信回路にのみ、位相調整部47を設ける例を示したが、送受信素子10,21の送信回路にそれぞれ移相調整部を設け、これにより位相差を調整するようにしても良い。さらには、送信素子と受信素子を分けた構成としても良い。例えば2つの送信素子と2つの受信素子を備える構成としても良い。
上記実施形態では、超音波装置1が、車両のナビゲーションシステムを構成する表示装置、に情報を入力する装置の操作部(所謂パプティックスイッチ)として構成される例を示した。しかしながら、超音波装置1の用途は上記例に限定されるものではない。例えば、車両の障害物検出装置に用いることもできる。また、自動車以外の用途、例えば、室内で使用するロボットの障害物センサや、ゲーム機の操作部などに用いることもできる。例えば、水分などが超音波素子10,20,21内に侵入する可能性が低い環境下で用いる場合には、被覆材16を設けなくとも良い。
超音波素子10,20,21の受信回路の構成は、上記例に限定されるものではない。少なくとも被検出体の有無を検出できればよく、好ましくは被検出体までの距離、さらに好ましくは被検出体の方位を検出できる構成であれば良い。
1・・・超音波装置
10,21・・・超音波素子(送受信素子)
11・・・圧電素子
12・・・音響部材
20・・・超音波素子(受信素子)
31・・・制御回路
32・・・駆動信号生成部
34・・・周波数調整部

Claims (18)

  1. 超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出する超音波装置であって、
    超音波を送信する複数の送信素子及び反射波を受信する受信素子を構成する、厚み方向に振動し、音響インピーダンスがZ1とされた圧電素子、及び、一面が被検出体が存在する空間側に露出し、空間側に露出する一面の反対面に前記圧電素子が取り付けられ、音響インピーダンスが前記圧電素子よりも小さいZ2(<Z1)とされた音響部材と、
    前記複数の送信素子を振動させるために、各送信素子に対して同じ周波数の駆動信号を同一タイミングで生成する駆動信号生成手段と、
    各送信素子に対する前記駆動信号の位相差を調整する位相差調整手段と、
    予め設定された第1切替条件に応じて、前記駆動信号の周波数変更を前記駆動信号生成手段に指示する第1変更手段と、
    予め設定された第2切替条件に応じて、各駆動信号の位相差変更を前記位相差調整手段に指示する第2変更手段と、
    を備え、
    前記音響部材における一面及び反対面間の厚みをTaとすると、前記駆動信号生成手段は、
    λn=4×Ta/(2n−1)
    [nは正の整数、λnは周波数fnの超音波が音響部材中を伝搬するときの波長]を満たす互いに波長が異なる複数の超音波を、単一の前記送信素子が送信し単一の前記受信素子が受信するように、互いに周波数fnの異なる複数の前記駆動信号を生成可能に設けられていることを特徴とする超音波装置。
  2. 互いに周波数fnの異なる前記複数の駆動信号として、波長λ=4×Ta[n=1]に対応する駆動信号を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波装置。
  3. 超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出する超音波装置であって、
    超音波を送信する複数の送信素子及び反射波を受信する受信素子を構成する、厚み方向に振動し、音響インピーダンスがZ1とされた圧電素子、及び、一面が被検出体が存在する空間側に露出し、空間側に露出する一面の反対面に前記圧電素子が取り付けられ、音響インピーダンスが前記圧電素子よりも大きいZ2(>Z1)とされた音響部材と、
    前記複数の送信素子を振動させるために、各送信素子に対して同じ周波数の駆動信号を同一タイミングで生成する駆動信号生成手段と、
    各送信素子に対する前記駆動信号の位相差を調整する位相差調整手段と、
    予め設定された第1切替条件に応じて、前記駆動信号の周波数変更を前記駆動信号生成手段に指示する第1変更手段と、
    予め設定された第2切替条件に応じて、各駆動信号の位相差変更を前記位相差調整手段に指示する第2変更手段と、
    を備え、
    前記音響部材における一面及び反対面間の厚みをTaとすると、前記駆動信号生成手段は、
    λn=4×Ta/2n
    [nは正の整数、λnは周波数fnの超音波が音響部材中を伝搬するときの波長]を満たす互いに波長が異なる複数の超音波を、単一の前記送信素子が送信し単一の前記受信素子が受信するように、互いに周波数fnの異なる複数の前記駆動信号を生成可能に設けられていることを特徴とする超音波装置。
  4. 互いに周波数fnの異なる前記複数の駆動信号として、波長λ=2×Ta[n=1]に対応する駆動信号を含むことを特徴とする請求項3に記載の超音波装置。
  5. 前記受信素子の受信信号のうち、前記駆動信号の周波数fnに応じた周波数帯域の信号を選択的に出力するフィルタ手段を備え、
    前記第1変更手段は、前記駆動信号の周波数変更に応じて、選択的に出力する前記周波数帯域の変更を前記フィルタ手段に指示することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の超音波装置。
  6. 前記第1変更手段は、前記第1切替条件の判断に、前記受信素子の受信信号を用いることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の超音波装置。
  7. 前記第1切替条件とは、前記被検出体までの距離に基づくものであり、
    前記第1変更手段は、前記被検出体までの距離が予め設定された基準距離以下の場合に前記送信素子が送信する超音波の周波数が、前記被検出体までの距離が前記基準距離よりも長い場合に前記送信素子が送信する超音波の周波数よりも低くなるように、前記駆動信号の周波数変更を前記駆動信号生成手段に指示することを特徴とする請求項6に記載の超音波装置。
  8. 前記第1切替条件とは、前記被検出体の有無に基づくものであり、
    前記第1変更手段は、所定周波数の前記駆動信号により前記被検出体が検出された場合に、前記所定周波数よりも高周波の前記駆動信号を生成するように、前記駆動信号生成手段に指示することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の超音波装置。
  9. 前記第2切替条件とは、前記被検出体の有無に基づくものであり、
    所定周波数及び所定位相差の各駆動信号により前記被検出体が検出されない場合、前記所定周波数が維持されるとともに、前記第2変更手段は、前記位相差を切り替えるように前記位相差調整手段に指示することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の超音波装置。
  10. 所定周波数及び所定位相差の各駆動信号により前記被検出体が検出された場合、前記位相差が維持されるとともに、前記第1変更手段は、前記所定周波数よりも高周波の前記駆動信号を生成するように、前記駆動信号生成手段に指示することを特徴とする請求項9に記載の超音波装置。
  11. 超音波を送信するととともに、その反射波を受信して、被検出体の有無や距離を検出する超音波装置であって、
    超音波を送信する送信素子及び反射波を受信する受信素子を構成する、厚み方向に振動し、音響インピーダンスがZ1とされた圧電素子、及び、一面が被検出体が存在する空間側に露出し、空間側に露出する一面の反対面に前記圧電素子が取り付けられ、音響インピーダンスが前記圧電素子よりも大きいZ2(>Z1)とされた音響部材と、
    前記送信素子を振動させるために、所定周波数の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
    予め設定された切替条件に応じて、前記駆動信号の周波数変更を前記駆動信号生成手段に指示する変更手段と、を備え、
    前記音響部材における一面及び反対面間の厚みをTaとすると、前記駆動信号生成手段は、
    λn=4×Ta/2n
    [nは正の整数、λnは前記音響部材が共振状態となる周波数fnの超音波が音響部材中を伝搬するときの波長]を満たす互いに波長が異なる複数の超音波を、単一の前記送信素子が送信し単一の前記受信素子が受信するように、互いに周波数fnの異なる複数の前記駆動信号を生成可能に設けられていることを特徴とする超音波装置。
  12. 前記受信素子の受信信号のうち、前記駆動信号の周波数fnに応じた周波数帯域の信号を選択的に出力するフィルタ手段を備え、
    前記変更手段は、前記駆動信号の周波数変更に応じて、選択的に出力する前記周波数帯域の変更を前記フィルタ手段に指示することを特徴とする請求項11に記載の超音波装置。
  13. 前記複数の駆動信号として、波長λ=2×Ta[n=1]に対応する駆動信号を含むことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の超音波装置。
  14. 前記変更手段は、前記切替条件の判断に、前記受信素子の受信信号を用いることを特徴とする請求項11〜13いずれか1項に記載の超音波装置。
  15. 前記切替条件とは、前記被検出体までの距離に基づくものであり、
    前記変更手段は、前記被検出体までの距離が予め設定された基準距離以下の場合に前記送信素子が送信する超音波の周波数が、前記被検出体までの距離が前記基準距離よりも長い場合に前記送信素子が送信する超音波の周波数よりも低くなるように、前記駆動信号の周波数変更を前記駆動信号生成手段に指示することを特徴とする請求項14に記載の超音波装置。
  16. 前記切替条件とは、前記被検出体の有無に基づくものであり、
    前記変更手段は、所定周波数の前記駆動信号により前記被検出体が検出された場合に、前記所定周波数よりも高周波の前記駆動信号を生成するように、前記駆動信号生成手段に指示することを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の超音波装置。
  17. 前記受信素子として、受信専用の前記圧電素子を含むことを特徴とする請求項1〜16いずれか1項に記載の超音波装置。
  18. 前記圧電素子として、前記送信素子と前記受信素子を兼ねる送受信素子を含むことを特徴とする請求項1〜17いずれか1項に記載の超音波装置。
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