JP4248078B2 - 液面レベル検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タンク内に貯留されている液体の液面レベルの絶対値を検出する液面レベル検出方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液面レベル検出方法の一例を図16(原理図)に示す。同図において、1はタンク、2はこのタンク1内に貯留されている液化ガス、3−1,3−2はタンク1の外部側面に上下方向に所定の間隔を隔てて取り付けられた圧電素子である。
この場合、圧電素子3−1,3−2を厚み方向(図示左右方向)に縦振動させて超音波をタンク1内に発射し、タンク1内の対向する内壁面で反射して戻ってくる超音波を圧電素子3−1,3−2で受信する。
液化ガス2の液面(空気層との境界面)が下がって、圧電素子3−1が自己の発射した超音波を受信できなくなると(空気によって全反射するために自己の超音波を受信できなくなる)、液化ガス2の液面が第1のレベルH1以下となったと判断する。
液化ガス2の液面がさらに下がって、圧電素子3−2が自己の発射した超音波を受信できなくなると、液化ガス2の液面が第2のレベルH2以下となったと判断する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような液面レベル検出方法によると、液化ガス2の液面が第1のレベルH1以上であるのか、第1のレベルH1と第2のレベルH2との間にあるのか、第2のレベルH2以下であるのかしか分からず、液化ガス2の液面レベルの絶対値は分からない。また、圧電素子を2個必要とし、コストアップとなる。
【0004】
なお、液面にフロートを浮かべ、このフロートの位置によって機械的に液面レベルの絶対値を検出することが一般的に行われているが、機械的可動部があるのでメンテナンスが必要であり、また気密シール構造等によりコストアップとなる。
また、タンク1内の天井に圧電素子を取り付け、この圧電素子を屈曲振動させて超音波を発射し、液化ガス2の液面で反射して戻ってくる超音波を受信し、このときの超音波の発射されてから受信されるまでの時間に基づいて液面レベルの絶対値を検出することが考えられるが、圧電素子をタンク1内に入れなければならない。この場合、既存のタンクでは圧力容器であるので後加工等ができず、また新設のタンクでもネジ止め加工などの取付部の気密シールの確保、内部ガスに対応した材料対応等によりコストアップとなる。また、空中超音波の周波数帯の数十kHzであるので、レベル検出分解能を高めることができないし、外来ノイズの帯域に近いため周囲の音に影響し誤動作も多い。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするとこは、液面レベルの絶対値をタンクの外部より低コストかつ高精度で検出することのできる液面レベル検出方法および装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、タンクの外部底面に整合層を介して圧電素子を取り付け、この圧電素子を厚み方向に当該圧電素子の固有の共振点周波数で縦振動させて整合層を介してタンク内に超音波を発射し、タンク内に貯留されている液体の液面で反射して戻ってくる超音波を受信し、このときの超音波が発射されてから受信されるまでの時間を計測し、この計測した時間に基づいてタンク内に貯留されている液体の液面レベルの絶対値を検出するようにする一方、前記圧電素子固有の反共振点周波数の波長をλとしたとき、前記整合層の厚みをλ/2の整数倍としたものである。
この発明によれば、タンクの外部底面に取り付けた圧電素子が固有の共振点周波数(ft)で駆動され、この共振点周波数で駆動される圧電素子より整合層を介してタンク内に超音波が発射され、タンク内の液体の液面で反射して戻ってくる超音波が受信されるまでの時間に基づいて、タンク内の液体の液面レベルの絶対値が検出される。この場合、整合層の厚みはλ/2の整数倍(λ:圧電素子固有の反共振点周波数(fp)の波長)とされているので、圧電素子の反共振点周波数の変動が防止され、タンク内に発射される超音波の電気音響変換の能率およびS/Nが高まる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づき詳細に説明する。図1はこの発明に係る液面レベル検出方法の原理を説明する図である。同図において、図16と同一符号は同一構成要素を示し、その説明は省略する。
この発明では、圧電素子3を整合層4を介してタンク2の外部底面に取り付ける。整合層4としては安価で加工性に優れたアルミニウムを使用する。また、整合層4の厚みdは、圧電素子3の固有の反共振点周波数fpの波長をλとしたとき、d=λ/2とする。
【0008】
この場合、圧電素子3を厚み方向(図示上下方向)に縦振動させて超音波をタンク1内に発射し、タンク1内の液化ガス2の液面で全反射して戻ってくる超音波を圧電素子3で受信する。このときの超音波が発射されてから受信されるまでの時間を計測し、この計測した時間に基づいてタンク1内の液化ガス2の液面レベルの絶対値を検出する。
【0009】
タンク1内の底面からの液化ガス2の液面の高さをLとした場合の演算式を下記(1)式に示す。
L=Vt・〔{(t1+t2)}/2−2d0/V0〕 ・・・・(1)
ここで、Vtは液化ガス2内での音速、t1は超音波が発射されてから液面で反射されるまでの時間、t2は超音波が液面で反射されてから受信されるまでの時間、d0はタンク1の厚さ、V0はタンク1の材質内での音速である。
【0010】
図2に圧電素子3から超音波が発射されてからの残響波および反射波の推移を示す。圧電素子3が駆動され、ta点で超音波が発射されると、その残響波は徐々になくなる。超音波が発射されてからt1+t2が経過すると、液化ガス2の液面で反射された超音波が圧電素子3に達し(tb点)、第2反射波がtc点、第3反射波がtd点に現れる。この場合、ノイズレベルと区別できるしきい値を定め、このしきい値以上の強さの超音波が受信されたときを受信タイミングとする。これにより、超音波が発射されてからt1+t2時間経過した時点が受信タイミングとされ、超音波が発射されてから受信されるまでの時間を計測することができる。
【0011】
ここで、有限の大きさとエネルギーを持つ圧電素子3の振動を効率よく使用するには、圧電素子3を固有の共振点周波数ftで駆動し、電気音響変換の能率を効果的に利用することが望ましい。圧電素子3をタンク2の外部底面にλ/2の整合層4を介さずに接着固定した場合、例えばλ/4以下の保護膜を介して接着固定した場合、圧電素子3の反共振点周波数が周期的に大幅に変化してしまう。
【0012】
図3および図4にλ/4の保護膜を圧電素子3に接着した時の反共振点周波数のずれ(周波数方程式の解)を示す。この場合、圧電素子3の反共振点周波数は固有の反共振点周波数fpの近傍で反共振点に対して大小2つ(f1,f2)に変動し、fp=815kHzとした場合、f1=595kHz、f2=1036kHzとして算出される。
【0013】
この変動した周波数f1およびf2により、個々の共振エネルギーが分散し、センサ駆動パルスにより誘発された個々の変動した共振点が電気音響変換の能率およびS/Nを低下させる。これを解決するために、圧電素子3に対して設けられる受信回路(図示せず)におけるフィルタに大きな選択性を持たせたり、回路ゲインを高めることが考えられるが、元のS/Nが低いため、回路ゲインの幅も制約を受けてしまう。このため、回路の複雑化が余儀なくされ、コストがアップする。
【0014】
そこで、本願の発明者は、圧電素子3の反共振点周波数が変動しない条件を波動方程式と圧電方程式より計算することにより、保護膜の材料に無関係にその厚みdをλ/2の整数倍〔d=(m+1)・λ/2、mは整数(m≧0)〕とすればよいことを見出した。そして、このλ/2の整数倍の厚みを持つ保護膜を整合層と名付け、図1の例ではd=λ/2の整合層4を圧電素子3とタンク2の外部底面との間に設けることによって音響整合をとるようにした。
【0015】
本実施の形態では、整合層4によって音響整合がとられているので、圧電素子3の反共振点周波数が変動することがなく、電気音響変換の能率を効果的に利用することができ、S/Nが低下することがない。これにより、精度よく、広範囲にわたって安定して、液面レベルを検出することができる。また、電気音響変換の能率が高いので、すなわち発射される超音波のパワーが大きいので、液面が揺れているような場合であってもこれに追従して強い反射波を得ることができ、液面レベルの検出が可能となる。参考として、図5に、使用周波数帯と検出距離との関係を示す。実際は、使用周波数として1.8MHz〜400kHzを使用し、1m〜40mをその検出距離とする。
【0016】
なお、図1の例では、整合層4の厚さdをλ/2としたが、λ/2に限られるものではなく、上述したように整合層4の厚さdはλ/2の整数倍であればよい。また、整合層4の厚さdはλ/2の整数倍に対し、±10%程度はその公差として認められる。すなわち、d=(m+1)・λ/2±10%程度であれば、電気音響変換の能率およびS/Nの低下は少なく、整合層4の厚さdは圧電素子3の反共振点周波数の変動防止範囲内にあると言え、実用上支障なく液面レベルを検出することができる。整合層4の厚さdの(m+1)・λ/2に対する公差を絞り込めば、それだけ電気音響変換の能率およびS/Nが向上し、受信回路の回路構成も簡単化できる。なお、上述においては、反共振点周波数の変動防止範囲を±10%程度としたが、この数値はあくまでも一例であり、それ以上であってもそれ以下であってもよい。
【0017】
また、図1の例では、整合層4の材質としてアルミニウムを用いたが、アルミニウムに限られるものではなく、種々の材料を利用することができる。圧電素子3を取り付ける環境によって整合層4の材質を選ぶようにするとよい。例えば、屋外および産業機器用として耐環境性(酸化防止等)を必要とする環境ではアルミニウムやアルマイト処理材を用いる。食品加工場などの耐腐食性を考慮した環境ではステンレスを用いる。携帯用およびデモ用のレベルセンサでの使用で整合層の接触面が被測定タンクに機械的に触れる頻度が高い用途(機械的強度を要する箇所)ではタングステンを用いる。耐候性が必要な環境(近距離検知用としても)ではABS樹脂を用いる。耐溶剤性環境、耐熱性等(エンプラ)の用途ではPPOを用いる。耐熱環境、耐候性、耐衝撃性等(スーパエンプラ)の用途ではPPS PPEを用いることも可能である。
【0018】
図6は上述した圧電素子3および整合層4を組み込んだ超音波センサ100を示す縦断面図である。同図において、5−1はホルダ、5−2はホルダキャップ、6−1はセンサケース、6−2はセンサケースキャップ、7は押しバネ、8はリング状のマグネット、9は端子板、10はケーブルクランプ、11は同軸ケーブルである。ホルダ5−1およびホルダキャップ5−2は強磁性材とされており、ホルダハウジング5を構成している。センサケース6−1およびセンサケースキャップ6−2は樹脂とされており、センサハウジング6を構成している。
【0019】
センサハウジング6には、その開口部に整合層4が固定されており、この整合層4の裏面側(センサハウジング6の内面側)に圧電素子3が取り付けられている。また、ホルダハウジング5には、その開口部にリング状のマグネット8が固定されている。なお、ホルダハウジング5としては強磁性材で安価な材料である鉄を防錆処理して用いており、マグネット8とホルダハウジング5とで磁気回路を構成し、吸引力の確保と低コスト化を実現している。この超音波センサ100のタンク1の外部底面への取り付け、すなわち圧電素子3の整合層4を介するタンク1の外部底面への取り付けは、次のようにして行う。
【0020】
その内部に押しバネ7がセットされたホルダハウジング5内にセンサハウジング6を落とし込む。この時、センサハウジング6に取り付けられた整合層4は、ホルダハウジング5の開口面よりも上方に位置する。そして、このセンサハウジング6が落とし込まれたホルダハウジング5をタンク1の外部底面に、マグネット8の磁力によって吸引固定させる。
【0021】
この時、センサハウジング6は、押しバネ7の弾性復帰力によって、整合層4をタンク1の外部底面に圧接させた状態で、タンク1の外部底面とホルダハウジング5との間に挾持される。これにより、圧電素子3が整合層4を介してタンク1の外部底面へ取り付けられた状態となり、上述した液面レベルの検出が可能となる。なお、この実施の形態では、整合層4とタンク1の外部底面との間に音響カップリング材として、シリコングリースや酢酸ビニル、シリコンパテなどの半固形物12を介在させ、超音波の伝搬効率を向上させている。
【0022】
このような取付構造とすることによって例えば次のような利点が生じる。
▲1▼任意のポイントに超音波センサ100を取り付けることができるので自由度が高い。
▲2▼タンク1に加工を施す必要がないので、既存タンクへの設置が可能となる。
▲3▼マグネット8の磁力によって超音波センサ100を吸引固定しているので、その取り付け、取り外しが簡単であり、作業コストを削減することができる。また、接着材を使用する場合と比較し、フェールセーフである。
▲4▼押しバネ7による冗長性が得られ、長期信頼性、耐振動性(車両の燃料タンクなどへの取付時に効果的)が得られる。
【0023】
なお、ホルダハウジング6についても、整合層4と同様、周囲の環境によってその材質を選ぶようにするとよい。
また、整合層4のタンク1の外部底面との圧接面をタンク形状に合わせた形状とすることにより(図7参照)、タンク1との密着性を向上させ、超音波の伝達効率の低下を防止することができる。
【0024】
〔音速Vtの補正〕
上述した実施の形態では、液化ガス2の液面の高さLを求める際、液化ガス2内での音速Vtを固定値として用いている。しかし、タンク1内部の温度、圧力など様々な環境条件やガスの成分含有率などにより液化ガス2内での音速Vtは刻々と変化しており、この音速Vtを固定値として用いると誤差が生じる。この誤差については次のような方法で補正することができる。これにより、目標とする精度・コストにて、システムを構成することができる。
【0025】
〔音速Vtの補正方法1〕
図8に示すように、タンク1内に反射板13を設け、またタンク1内に第2の超音波センサ200を設け、反射板13へ向けて超音波を発射し、受信されるまでの時間t1+t2を定期的に測定する。反射板13までの距離L1は一定距離であり、計測した時間t1+t2を下記(2)式に代入することより、液化ガス2内での刻々の音速Vtを算出することができる。超音波センサ100を使用しての液面レベルの検出に際してこの刻々の音速Vtをフィードバックする。
Vt=2V0・L1/{V0(t1+t2)−4d0} ・・・・(2)
【0026】
〔音速Vtの補正方法2〕
図9に示すように、タンク1の外部側面に第2の超音波センサ200を設け、タンク1の対向する内壁面へ向けて超音波を発射し、受信されるまでの時間t1+t2を定期的に測定する。タンク1の内壁面間の距離L2は一定距離であり、計測した時間t1+t2を下記(3)式に代入することより、液化ガス2内での刻々の音速Vtを算出することができる。超音波センサ100を使用しての液面レベルの検出に際してこの刻々の音速Vtをフィードバックする。
Vt=2V0・L2/{V0(t1+t2)−4d0} ・・・・(3)
【0027】
図10は超音波センサ100を使用した液面レベル検出装置のブロック図である。同図において、101はCPU、102は発振器、103はゲート回路、104は駆動回路、105はハイパスフィルタ、106はアンプ、107はコンパレータ、108は信号出力回路である。
【0028】
CPU101は、ゲート回路103のゲートをON/OFFし、発振器102からの周波数f0の連続信号から周波数faの駆動信号(駆動バースト信号)を生成する。この駆動信号faが駆動回路104を介して超音波センサ100へ与えられ、超音波センサ100(圧電素子3)が共振点周波数ftで駆動され、超音波が発射される。超音波センサ100から発射された超音波は液化ガス2の液面で全反射して超音波センサ100に戻ってくる。このとき、超音波センサ100は、次の超音波の発射に備えた自由振動状態にある。なお、超音波センサ100の要求する周波数および周波数精度がCPU101のソフトウェアタイミングにて合成できる場合は、発振器102とゲート回路103を省略して更なるコストダウン・小型化を実現することができる。
【0029】
超音波センサ100で受信された超音波は電気信号(受信信号)に変換されてハイパスフィルタ105へ与えられる。ハイパスフィルタ105においてフィルタリングされた受信信号はアンプ106を介してコンパレータ107へ与えられる。コンパレータ107は、アンプ106を介する受信信号が予め定められたしきい値以上であるか否かをチェックし、そのチェック結果をCPU101へ送る。CPU101は、コンパレータ107からのチェック結果に基づき、超音波センサ100から超音波を発射してから超音波センサ100で受信されるまでの時間t1+t2を計測し、この計測した時間t1+t2に基づいてタンク1内の液化ガス2の液面レベルの絶対値を算出する。そして、この算出したタンク1内の液化ガス2の液面レベルの絶対値を信号出力回路108へ送り、ディスプレイ上に表示したりする。
【0030】
図11は超音波センサ100に対する駆動回路104,ハイパスフィルタ105およびアンプ106の接続構成を示した図である。同図に示されるように、駆動回路104は、インダクタンスL0とパワーMOSFET・Q1を用いた簡単な回路構成とされており、FET・Q1のゲートに1パルスの矩形波(図12(a)参照)あるいはバースト波(図12(b)参照)を加えて、圧電素子3の端子間に高圧を発生させ、超音波を発射させる。圧電素子3はOFF時に自由振動を行うため、入力パルスとしてバースト波を使用する時にON/OFFのパルス幅のタイミングを変えてやることにより、すなわちデューティ比を適当に変化させてやることにより、高感度な検出が期待できる。
【0031】
ハイパスフィルタ105は、2次のバイパス型帯域フィルタとし、図13に示すようにインダクタンスL1,L2,コンデンサC1,C2,C3により構成する。この場合、圧電素子3が入力にLCRの負荷として接続されていることにより、圧電素子3が超音波を受信する際に、共振点近傍におけるフィルタの入力インピーダンスZiによって圧電素子3のインピーダンス特性が変化し、伝達感度が低下してしまう虞れがある。
【0032】
そこで、本実施の形態では、圧電素子3の共振点近傍での等価回路を図14(a)とし、その近似回路を図14(b)とし、この近似回路とハイパスフィルタ105とを組み合わせての考察により、L1をL1=1/(4π2 C0)として定めている。すなわち、圧電素子3の制動容量をCbとし、この制動容量Cbと直列関係にあるフィルタ入力のC1そしてこれらの合成容量をC0とし、このC0と並列関係にあるインダクタンスL1を圧電素子3の共振点周波数ftで並列共振する値、すなわち1/(4π2 C0)をL1の値としている。このフィルタ構成により、圧電素子3が超音波を受信する際、簡単な受動素子のみで共振時における入力の高インピーダンス化が実現でき、ハイパスフィルタ105と圧電素子3のインピーダンスとの整合が計られ、更に回路設計の簡単化が可能となってくる。更に、LC負荷の選定によっては、自由振動による残響波を低減させる効果も期待できる。
【0033】
また、本実施の形態では、回路設計が簡単となるため、ハイパスフィルタ105を超音波センサ100に内蔵することも可能である。さらに、図10におけるCPU101や発振器102,ゲート回路103,駆動回路104,ハイパスフィルタ105,アンプ106,コンパレータ107,信号出力回路108などの回路全体を超音波センサ100に内蔵することも可能である。これにより、ノイズマージンが高められ、センサシールド線長によるキャパシタンスの影響を考慮しなくても良く、低コストで小型化が可能となる。
【0034】
なお、本実施の形態では、図6を用いて説明したように、圧電素子3および整合層4を組み込んだ超音波センサ100をマグネット8を使用してタンク1の外部底面に吸着固定するようにしたが、整合層4を直にタンク1の外部底面に接着固定(例えば、エポキシ系の接着剤で接着)するようにしてもよい。このようにすれば、取り付けの自由度は低下してしまうが、ホルダハウジング5やマグネット8,押しバネ7を省略してコストダウンを図ることができる。また、タンク1が鉄以外の材料(例えば、樹脂)であったり、取り付け箇所が限定されている場合でも対応することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、タンク1の外部底面に超音波センサ100を1つしか設置しなかったが、複数設置するようにしてもよい。例えば、タンク1が横長のタンクであった場合、液面が平坦とならず、傾斜することがある。このような場合、複数設置した超音波センサによって個々に液面レベルの絶対値を検出し、その平均値を求めるようにすることによって、より正確な液面レベルの検出が可能となる。また、タンク1が縦長のタンクであった場合、検出距離が広範囲となることがある。このような場合、検出距離の異なる超音波センサを複数配置し、現在の液面レベルの属する範囲に応じて、超音波センサを切り換えて使用することによって、より正確な液面レベルの検出が可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、圧電素子を固有の共振点周波数ftで駆動する一方、整合層の厚みをλ/2(λ:圧電素子固有の反共振点周波数fpの波長)の整数倍としたので、圧電素子の反共振点周波数の変動を防止することができ、タンク内に発射される超音波の電気音響変換の能率およびS/Nが高まり、液面レベルの絶対値をタンクの外部より低コストかつ高精度で検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液面レベル検出方法の原理を説明する図である。
【図2】 圧電素子から超音波が発射されてからの残響波および反射波の推移を示す図である。
【図3】 λ/4の保護膜を圧電素子に接着した時の反共振点周波数のずれ(周波数方程式の解)f1を示す図である。
【図4】 λ/4の保護膜を圧電素子に接着した時の反共振点周波数のずれ(周波数方程式の解)f2を示す図である。
【図5】 使用周波数帯と検出距離との関係を示す図である。
【図6】 圧電素子および整合層を組み込んだ超音波センサを示す縦断面図である。
【図7】 整合層のタンクの外部底面との圧接面をタンク形状に合わせた形状とした例を示す図である。
【図8】 音速Vtの補正方法1を説明する図である。
【図9】 音速Vtの補正方法2を説明する図である。
【図10】 本発明に係る超音波センサを使用した液面レベル検出装置のブロック図である。
【図11】 図10における超音波センサに対する駆動回路,ハイパスフィルタおよびアンプの接続構成を示した図である。
【図12】 FETのゲートに加える矩形波およびバースト波を示す図である。
【図13】 ハイパスフィルタの内部回路構成を示す図である。
【図14】 圧電素子の共振点近傍での等価回路図である。
【図15】 圧電素子の共振点近傍での等価回路に対する近似回路図である。
【図16】 従来の液面レベル検出方法の一例を示す原理図である。
【符号の説明】
1…タンク、2…液化ガス、3…圧電素子、4…整合層、5…ホルダハウジング、5−1…ホルダ、5−2…ホルダキャップ、6…センサハウジング、6−1…センサケース、6−2…センサケースキャップ、7…押しバネ、8…マグネット、9…端子板、10…ケーブルクランプ、11…同軸ケーブル、12…半固形物、13…反射板、100,200…超音波センサ、101…CPU、102…発振器、103…ゲート回路、104…駆動回路、105…ハイパスフィルタ、106…アンプ、107…コンパレータ、108…信号出力回路。
Claims (4)
- タンクの外部底面に整合層を介して圧電素子を取り付け、
この圧電素子を厚み方向に当該圧電素子の固有の共振点周波数で縦振動させて前記整合層を介して前記タンク内に超音波を発射し、
前記タンク内に貯留されている液体の液面で反射して戻ってくる超音波を受信し、
このときの超音波の発射されてから受信されるまでの時間を計測し、
この計測した時間に基づいて前記タンク内に貯留されている液体の液面レベルの絶対値を検出する液面レベル検出方法であって、
前記圧電素子固有の反共振点周波数の波長をλとしたとき、前記整合層の厚みがλ/2の整数倍とされている
ことを特徴とする液面レベル検出方法。 - タンクの外部底面に整合層を介して取り付けられる圧電素子と、
この圧電素子を厚み方向に当該圧電素子の固有の共振点周波数で振動させて前記整合層を介して前記タンク内に超音波を発射させる超音波発射手段と、
前記圧電素子から発射され前記タンク内に貯留されている液体の液面で反射して戻ってくる超音波を受信する超音波受信手段と、
前記圧電素子から超音波が発射されてからこの超音波が受信されるまでの時間を計測し、この計測した時間に基づいて前記タンク内に貯留されている液体の液面レベルの絶対値を検出する液面レベル検出手段とを備え、
前記圧電素子固有の反共振点周波数の波長をλとしたとき、前記整合層の厚みがλ/2の整数倍とされている
ことを特徴とする液面レベル検出装置。 - 請求項2において、前記圧電素子は前記超音波受信手段を兼ねていることを特徴とする液面レベル検出装置。
- 請求項2において、超音波を受信する際の入力インピーダンスを高インピーダンスとし、前記圧電素子のインピーダンスとの整合を図る手段を備えたことを特徴とする液面レベル検出装置。
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JP12400099A JP4248078B2 (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 液面レベル検出方法および装置 |
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