JP7354883B2 - 車両用侵入検知装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば不正な方法で車室内に侵入されたことを検知するための車両用侵入検知装置に関する。
自動車などの車両では、車上荒らしなどによる被害を抑制するため、不正な方法で車室内に侵入されたことを検知する車両用侵入検知装置が知られている。
例えば、特許文献1には、車室前部のオーバーヘッドコンソールの内部に設けた超音波発振器と、超音波を車室内へ放射するスロート部を有するコンソールカバーとで構成された車両用侵入検知装置が開示されている。
この特許文献1では、スロート部に連通する凹溝部をコンソールカバーに設けることで、スロート部から放射される超音波の指向性を制御している。これにより、特許文献1は、1つの車両用侵入検知装置で、車室内空間の全域を検知可能にしている。
しかしながら、例えば3列シートの車両のように、車室内の全長が長い車両の場合、特許文献1では、3列目の座席や荷室近傍まで超音波が届かず、車室内空間の全域を検知できないおそれがある。このため、車室内の全長が長い車両では、複数の車両用侵入検知装置を設ける、あるいは車両用侵入検知装置をより高性能なものに置き換えて、車室内空間の全域を検知することが考えられる。
ところが、複数の車両用侵入検知装置を設ける、あるいは、より高性能な車両用侵入検知装置にかえた場合、コスト増加の要因となるおそれがある。このため、従来の車両用侵入検知装置よりも検知範囲が広く、かつコスト増加も抑えられる車両用侵入検知装置が求められていた。
特開2019-39824号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、コスト増加を抑えて、検知範囲の拡大を図れる車両用侵入検知装置を提供することを目的とする。
この発明は、車室内への不正な侵入を検知するための車両用侵入検知装置であって、超音波を放射可能な振動子と、該振動子を収容保持するとともに、前記振動子の超音波放射方向が開口した筐体と、該筐体の開口を閉塞するカバー部材とを備え、該カバー部材は、前記超音波放射方向に沿って、前記筐体の内外を連通させるように開口されたスロート部と、該スロート部に並設され、前記超音波放射方向へ向けて延びる溝部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、車両用侵入検知装置は、振動子の振動によって生じた超音波の位相を、溝部によって調整することができる。このため、車両用侵入検知装置は、スロート部近傍で振幅が最も大きくなるように、振動子の振動によって生じた超音波の位相を調整することができる。これにより、車両用侵入検知装置は、スロート部を介して外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、車両用侵入検知装置は、検知範囲の拡大を図ることができる。さらに、溝部を設けるだけで検知範囲の拡大を図ることができるため、車両用侵入検知装置は、コスト増加を抑えることができる。
この発明の態様として、前記カバー部材は、少なくとも1つの前記溝部を備え、前記スロート部は、前記溝部に対して複数並設されてもよい。
この構成によれば、車両用侵入検知装置は、複数のスロート部を介して、より広範囲に超音波を放射することができる。
さらに、例えば、2つのスロート部を設けた場合、車両用侵入検知装置は、一方のスロート部近傍で最大振幅となるように、超音波の位相を溝部によって調整することができる。このため、車両用侵入検知装置は、一方のスロート部を介して放射される超音波の強度を、他方のスロート部を介して放射される超音波の強度に比べて高めることができる。
つまり、車両用侵入検知装置は、スロート部を介して外部に放射される超音波の指向性を、1つの溝部と複数のスロート部とで制御することができる。
よって、車両用侵入検知装置は、所望される方向の検知範囲を拡大することができる。
また、この発明の態様として、前記カバー部材は、前記溝部を複数備え、複数の前記溝部は、前記スロート部を挟んで対向配置されてもよい。
この構成によれば、車両用侵入検知装置は、振動子の振動で生じた音波を、スロート部近傍で最大振幅となるように、超音波の位相を複数の溝部によって調整することができる。
このため、車両用侵入検知装置は、スロート部を介して、外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、車両用侵入検知装置は、スロート部を介して、超音波を均等、かつより遠方の範囲へ向けて放射できるため、検知範囲の拡大を図ることができる。
また、この発明の態様として、前記振動子から前記溝部の底部分に至る前記超音波放射方向に沿った鉛直距離は、前記超音波の略1/4波長であってもよい。
この構成によれば、車両用侵入検知装置は、スロート部を介して、外部に放射される超音波の強度を最も向上することができるため、検知範囲をより遠方まで拡大することができる。
本発明により、コスト増加を抑えて、検知範囲の拡大を図れる車両用侵入検知装置を提供することができる。
盗難防止装置を備えた車両の概略を示す概略図。 分解状態におけるオーバーヘッドコンソールの外観を示す分解斜視図。 センサ隠蔽部の要部を正面視で示す正面図。 超音波発振器の外観を示す外観斜視図。 長手方向に沿った縦断面における超音波発振器の断面を示す断面図。 超音波発振器の音圧分布を説明する説明図。 超音波発振器の音圧分布を説明する説明図。 超音波発振器の音圧分布を説明する説明図。 超音波発振器の内部で生じた超音波の波形を説明する説明図。 実施例2における超音波発振器の外観を示す外観斜視図。 長手方向に沿った縦断面における超音波発振器の断面を示す断面図。 実施例2における超音波発振器の音圧分布を説明する説明図。 実施例3における超音波発振器の外観を示す外観斜視図。 実施例4における超音波発振器の外観を示す外観斜視図。 実施例5における超音波発振器の外観を示す外観斜視図。 別の実施形態における超音波発振器の断面を示す断面図。 別の実施形態における超音波発振器の外観を示す外観斜視図。 別の実施形態における超音波発振器の外観を示す外観斜視図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、不正な方法で車室内に侵入されたことを検知する盗難防止装置について、図1から図3を用いて説明する。
なお、図1は盗難防止装置2を備えた車両1の概略図を示し、図2はオーバーヘッドコンソールの分解斜視図を示し、図3はセンサ隠蔽部9における要部の正面図を示している。
また、図1から図3中において、矢印Fr及び矢印Rrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。さらに、矢印Rh及び矢印Lhは車幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。
車両1は、図1に示すように、例えば、3列シートの車両、あるいは荷室空間が広い車両などのように、比較的長い全長を有している。この車両1の車室前部には、図1に示すように、不正な方法で車室内に侵入されたことを検知する盗難防止装置2が、車幅方向略中央の天井部分に配置されたオーバーヘッドコンソールに設けられている。
盗難防止装置2は、図2に示すように、所謂、超音波センサであって、超音波を発信する超音波発振器10と、超音波を受信する超音波受信器20と、これらの動作を制御する制御部3とで構成されている。
具体的には、超音波発振器10は、図2に示すように、制御部3からの制御信号に基づいて、所定周波数の超音波を内部で発生させるとともに、外部に放射可能に構成されている。なお、超音波発振器10については、後ほど詳述する。
超音波受信器20は、図2に示すように、超音波発振器10と略同一構成である。この超音波受信器20は、車室内で反射した超音波を受信して電気信号に変換して、制御部3に送信可能に構成されている。
制御部3は、図2に示すように、超音波発振器10、及び超音波受信器20にそれぞれ電気的に接続されるとともに、車両全体の動作を制御する電子制御装置4(図1参照)に接続されている。この制御部3は、例えば、CUPやメモリなどのハードウェアと、制御プログラムなどのソフトウェアとで構成されている。
このような盗難防止装置2は、図2に示すように、取付部材5を介して、オーバーヘッドコンソールの外観意匠面をなすコンソールカバー6に取付けられている。
具体的には、取付部材5は、図2に示すように、略平板状の板材であって、車幅方向略中央に制御部3を保持する保持部(図示省略)が設けられている。
さらに、取付部材5は、図2に示すように、超音波発振器10、及び超音波受信器20をそれぞれ独立して保持する保持孔5aが、車幅方向両端に開口形成されている。
コンソールカバー6は、図2に示すように、車幅方向略中央に配置された複数の操作スイッチ7と、操作スイッチ7の車幅方向両側にそれぞれ配置された一対の照明ランプ8とを備えている。さらに、コンソールカバー6は、図2に示すように、照明ランプ8に対して図中の上方に、超音波発振器10、及び超音波受信器20を覆い隠す一対のセンサ隠蔽部9が形成されている。
この一対のセンサ隠蔽部9は、図2及び図3に示すように、車幅方向に延びる凹溝を図中の上下方向に沿って複数設けた形状に形成されている。さらに、超音波発振器10を覆うセンサ隠蔽部9には、図3に示すように、超音波発振器10を外部に露出させる開口部9aが開口形成されている。
この開口部9aは、図3に示すように、超音波発振器10(後述するスロート部132)の形状に応じた略長楕円状に開口形成されている。
なお、超音波受信器20を覆うセンサ隠蔽部9は、超音波発振器10を覆うセンサ隠蔽部9と左右対称形状のため、その詳細な説明を省略する。
上述した構成の盗難防止装置2の動作について、簡単に説明する。
盗難防止装置2の制御部3は、例えば、車両1が駐車中であることを検出すると、所定の時間間隔で制御信号を超音波発振器10に送信する。
制御信号を受信した超音波発振器10は、その内部で超音波を生成するとともに、コンソールカバー6の開口部9aを介して、車室内の前方から後方に至る広域に向けて超音波を放射する。車室内へ放射された超音波は、車室内の各部で反射して、反射波として伝播される。
コンソールカバー6の開口部9aを介して、反射波を受信すると、超音波受信器20は、受信した反射波を電気信号に変換して、制御部3に送信する。超音波受信器20から電気信号を受信すると、制御部3は、受信した電気信号に基づいて、ドップラー効果が生じているか否かを判定する。
そして、ドップラー効果が生じている場合、制御部3は、車室内を移動する物体が存在していると判定し、例えば、電子制御装置4に接続されたホーンH(図1参照)を介して、車外に報知させる。
次に、上述した超音波発振器10について、図4及び図5を用いて詳しく説明する。
なお、図4は超音波発振器10の外観斜視図を示し、図5は長手方向Xに沿った縦断面における超音波発振器10の断面図を示している。
また、図中において、矢印Xは超音波発振器10に軸中心に沿った方向である長手方向Xを示し、矢印Yは長手方向Xから見て、長手方向Xに直交する径方向である短手方向Yを示している。さらに、図中の上側を上方、図中の下側を下方とする。
超音波発振器10は、図4に示すように、長手方向Xに延びる略円柱状であって、制御部3からの制御信号に基づいて、周波数が40kHz、波長が8.5mmの超音波を、内部共振によって発生させるとともに、指向性を有する超音波を放射可能に構成されている。
この超音波発振器10は、図4及び図5に示すように、長手方向Xに延びる有底筒状の筐体11と、筐体11の内部に配設した超音波を放射可能な振動子12と、筐体11の開口を覆うカバー部材13とを備えている。
なお、詳細な図示を省略するが、筐体11の内部には、制御部3に電気的に接続された回路基板、回路基板と振動子12を接続する電線、及び振動子12を保持する保持部材などが配設されている。
具体的には、筐体11は、図4及び図5に示すように、長手方向Xに延びる略円筒状の筒部11aと、長手方向Xの一方側で筒部11aの開口を閉塞する底部11bとで一体形成されている。換言すると、筐体11は、長手方向Xの他方側が開口した有底筒状に形成されている。
また、振動子12は、筐体11の開口、すなわち長手方向Xの他方側へ向けて超音波を放射可能な状態で、筐体11の内部に収容保持されている。この振動子12は、詳細な図示を省略するが、制御部3からの制御信号によって、高周波振動するように構成されている。なお、振動子12は、図5に示すように、筐体11の筒部11aにおける内径よりも小径の略円板状に形成されている。
さらに、振動子12は、図5に示すように、筐体11の開口側の端面11cに対して、長手方向Xの底部11b側へ所定間隔を隔てた位置で、筐体11に対して略同軸上に配置されている。なお、振動子12は、図5に示すように、筐体11の内部において、詳細な図示を省略した保持部材によって保持されるとともに、その周面が囲われている。
また、カバー部材13は、図4及び図5に示すように、筒部11aの開口を閉塞するように筐体11に取付けられている。このカバー部材13は、図4及び図5に示すように、筐体11の内径に略同じ外径を有する略円板状のカバー本体部131と、カバー本体部131の主面に立設された2つのスロート部132、及び1つの楕円溝部133とで一体形成されている。
より詳しくは、カバー本体部131は、振動子12に対面する主面とは逆側の主面を、筐体11の開口側の端面11cに略一致させた状態で、筐体11に取付けられている。さらに、カバー本体部131は、図5に示すように、筐体11に取付けた状態において、長手方向Xにおける振動子12との間隔が0.5mmとなる厚みで形成されている。
つまり、筐体11の内部には、図5に示すように、振動子12とカバー部材13とによって、振動子12の直径と略同じ直径で、かつ長手方向Xの長さが0.5mmの略円柱状の所定空間Sが形成されている。
この所定空間Sは、後述する楕円溝部133の内部空間とで、振動子12の振動で生じた音波を共振させる共振空間として形成されている。
また、2つのスロート部132は、図4及び図5に示すように、筐体11の径方向中心を挟んで、上下方向に所定間隔を隔てた位置に形成されている。
このスロート部132は、図4及び図5に示すように、長手方向Xにおける底部11b側とは逆方向へ向けて、カバー本体部131から延設されるとともに、カバー本体部131に設けた開口を介して、所定空間Sに連通する筒状体に形成されている。
なお、スロート部132の先端は、図5に示すように、コンソールカバー6の開口部9aに挿通されるとともに、車室内側の端面に略一致する状態で、コンソールカバー6に取付けられている。
具体的には、スロート部132は、図4及び図5に示すように、長手方向Xから見て、短手方向Yに長い略長楕円形状の筒状体であって、その内部空間が、所定空間Sに連通して、超音波を外部に放射する放射口を形成している。
このスロート部132の放射口は、図4及び図5に示すように、上下方向の長さが1mmで、短手方向Yの長さが3.5mmの略長楕円形状に形成されている。なお、スロート部132は、カバー本体部131からコンソールカバー6までの長手方向Xの長さが2mmとなるように形成されている。
また、楕円溝部133は、図4に示すように、スロート部132の上方に隣接するように並設され、スロート部132に略平行な略長楕円形状に形成されている。この楕円溝部133は、図4及び図5に示すように、長手方向Xにおける底部11b側とは逆方向へ向けて、カバー本体部131を略溝状に凹設した形状に形成されている。
なお、楕円溝部133の内面形状は、上下方向の長さが1mmで短手方向Yの長さが3.5mmの略長楕円形状に形成されている。
より詳しくは、楕円溝部133は、図4及び図5に示すように、長手方向Xにおける底部11b側とは逆方向へ向けて、カバー本体部131から延設された筒状部分133aと、筒状部分133aの先端を閉塞する底部分133bとで、有底筒状に形成されている。
さらに、楕円溝部133の内部空間は、図5に示すように、カバー本体部131に設けた開口を介して所定空間Sに連通している。
このような構成の楕円溝部133は、図5に示すように、振動子12から底部分133bに至る長手方向Xに沿った直線距離、つまり、長手方向Xにおける振動子12と底部分133bとの間隔Dが、超音波発振器10の内部で生成される超音波の略1/4波長となるように形成されている。
具体的には、超音波の波長が8.5mmのため、楕円溝部133は、長手方向Xにおける振動子12と底部分133bとの間隔Dが約2mmとなるように形成されている。
次に、このような超音波発振器10が、制御部3からの制御信号を受信した際の動作を簡単に説明する。
制御部3の制御信号を受信すると、超音波発振器10は、振動子12を高周波振動させて、カバー部材13へ向かう音波を発生させる。この振動子12の振動によって生じた音波は、カバー部材13のカバー本体部131、及び楕円溝部133の底部分133bで反射し、振動子12へ向けて伝播される。
この際、共振空間(超音波発振器10の所定空間S、及び楕円溝部133の内部空間)において、振動子12の振動で生じた音波、及び反射した音波の共振が生じることで、周波数が40kHz、波長が8.5mmの超音波が生成される。
そして、このようにして生成された超音波は、超音波発振器10における2つのスロート部132を介して、外部へ放射される。
このように超音波発振器10は、上述した筐体11、振動子12、カバー部材13のカバー本体部131、及びカバー部材13の楕円溝部133で、共振によって超音波を生成する超音波発生部15を構成している。
次に、超音波発振器10を超音波の発信源Gとして、発信源Gから放射された超音波の音圧分布について、図6から図9を用いて説明する。
なお、楕円溝部を設けていない超音波発振器Vを比較例として、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが異なる超音波発振器10について、それぞれ説明する。
また、図6から図8は超音波発振器10の音圧分布を説明する説明図を示している。具体的には、図6(a)は楕円溝部を設けていない超音波発振器Vにおける音圧分布を説明する説明図を示し、図6(b)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/8波長の超音波発振器10における音圧分布を説明する説明図を示している。
さらに、図7(a)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/7波長の超音波発振器10における音圧分布を説明する説明図を示し、図7(b)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/6波長の超音波発振器10における音圧分布を説明する説明図を示している。
加えて、図8(a)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の超音波発振器10における音圧分布を説明する説明図を示し、図8(b)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/4波長の超音波発振器10における音圧分布を説明する説明図を示している。
さらにまた、図9は超音波発振器10の内部で生じた超音波の波形を説明する説明図であり、図9(a)は楕円溝部133を設けていない場合の波形を示し、図9(b)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/6波長の場合の超音波波形UW1を示している。
加えて、図9(c)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の場合の超音波波形UW2を示し、図9(d)は振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/4波長の場合の超音波波形UW3を示している。
まず、比較例として、楕円溝部を設けていない場合、超音波発振器Vの音圧分布は、図6(a)に示すように、発信源Gをとおって略水平に延びる仮想直線Lの上方側、及び下方側へ略均等に広い角度で広がるとともに、発信源Gから遠ざかるにつれて音圧が低下していることがわかる。
これに対して、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/8波長の場合、超音波発振器10の音圧分布は、図6(b)に示すように、比較例に比べて、発信源Gからの広がり方がやや狭くなっている。
同様に、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/7波長の場合、超音波発振器10の音圧分布は、図7(a)に示すように、比較例に比べて、発信源Gからの広がり方がやや狭くなっている。
しかしながら、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが、1/8波長の場合、及び1/7波長の場合のいずれも、高い音圧を得られる範囲が、比較例に比べて、仮想直線Lの上方側へ向けて広がっている。つまり、楕円溝部133を設けたことで、超音波発振器10は、比較例に比べて、発信源Gから斜め上方への指向性が強くなっているといえる。
また、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/6波長の場合、超音波発振器10の音圧分布は、図7(b)に示すように、比較例、及び1/7波長の場合に比べて、高い音圧を得られる範囲が、発信源Gから斜め上方へ向けて広がっていることがわかる。つまり、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/6波長の超音波発振器10は、比較例、及び1/7波長の場合に比べて、発信源Gから斜め上方への指向性がより強くなっていることがわかる。
また、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の場合、超音波発振器10の音圧分布は、図8(a)に示すように、比較例、及び振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/6波長の場合に比べて、仮想直線Lに沿った範囲の音圧が大きく低下していることがわかる。
さらに、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の超音波発振器10は、高い音圧を得られる範囲が、発信源Gから斜め上方ではなく、発信源Gから斜め下方へ向けて広がっている。
つまり、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の超音波発振器10は、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/8波長、1/7波長、及び1/6波長の場合に比べて、高い音圧を得られる範囲の方向が変化したことがわかる。
また、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/4波長の場合、超音波発振器10の音圧分布は、図8(b)に示すように、比較例、及び1/5波長の場合に比べて、高い音圧を得られる範囲が、発信源Gから斜め下方へ向けてより広がっていることわかる。
このため、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/4波長の超音波発振器10は、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の場合に比べて、発信源Gから斜め下方への指向性がより強くなっているといえる。
このように楕円溝部133を設けることで、実施例1の超音波発振器10は、楕円溝部133を設けていない超音波発振器Vに比べて、指向性を有する超音波を放射可能にしている。
さらに、実施例1の超音波発振器10は、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dによって、高い音圧が得られる範囲が広がる方向、及びその強度を異ならせることができる。
ここで、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dによって異なる超音波発振器10の指向性について、超音波発振器10の内部で生じた超音波の超音波波形を用いて、さらに詳述する。
まず、比較例として、楕円溝部を設けていない場合、上下対称形状となるため、超音波発振器Vの内部では、超音波発振器Vの径方向略中央を共振位置とする超音波が生じることになる。
このため、超音波の波形である比較波形CWは、図9(a)に示すように、超音波発振器Vの径方向中心で最大振幅となるような位相の波形となる。これにより、楕円溝部を設けていない超音波発振器Vでは、図6(a)のように、発信源Gから略均等に広がるような音圧分布が得られる。
これに対して、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/6波長の場合、楕円溝部133によって、共振位置が超音波発振器10の径方向中心からオフセットするため、超音波波形UW1は、図9(b)に示すように、上方側のスロート部132で最大振幅となるような位相の波形となる。
このため、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/6波長の超音波発振器10では、図7(b)のように、高い音圧を得られる範囲が、発信源Gから斜め上方へ向けて広がる音圧分布が得られる。
また、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の場合、楕円溝部133によって、共振位置が超音波発振器10の径方向中心からさらにオフセットするため、超音波波形UW2は、図9(c)に示すように、超音波発振器10の径方向中心に節が位置するような位相の波形となる。
このため、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/5波長の超音波発振器10では、図8(a)のように、仮想直線Lに沿った範囲の音圧が低下した音圧分布が得られる。
また、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/4波長の場合、楕円溝部133によって、共振位置が超音波発振器10の径方向中心からより一層オフセットするため、超音波波形UW3は、図9(d)に示すように、下側のスロート部132で最大振幅となるような位相の波形となる。
このため、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dが1/4波長の超音波発振器10では、図8(b)のように、高い音圧を得られる範囲が、発信源Gから斜め下方へ向けてより広がる音圧分布が得られる。
このように、実施例1の超音波発振器10は、内部で生成される超音波の共振位置を、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dによって調整することで、スロート部132を介して放射される超音波の指向性を制御可能にしている。
そして、実施例1の車両1では、車室内のより後方へ向けた超音波の放射が所望されるため、振動子12と楕円溝部133の底部分133bとの間隔Dを、最も指向性の強い1/4波長することで、超音波発振器10の検知範囲を拡大している。
つまり、実施例1の超音波発振器10は、所望される方向への指向性を強くすることで、その検知範囲を拡大している。
以上のように、車室内への不正な侵入を検知するための超音波発振器10は、超音波を放射可能な振動子12と、振動子12を収容保持するとともに、振動子12の超音波放射方向(長手方向Xの他方側)が開口した筐体11と、筐体11の開口を閉塞するカバー部材13とを備えたものである。
さらに、カバー部材13は、超音波放射方向に沿って、筐体11の内外を連通させるように開口されたスロート部132と、スロート部132に並設され、超音波放射方向へ向けて延びる楕円溝部133とを備えたものである。
この発明によれば、超音波発振器10は、振動子12の振動によって生じた超音波の位相を、楕円溝部133によって調整することができる。このため、超音波発振器10は、スロート部132近傍で振幅が最も大きくなるように、振動子12の振動によって生じた超音波の位相を調整することができる。これにより、超音波発振器10は、スロート部132を介して外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、超音波発振器10は、検知範囲の拡大を図ることができる。さらに、楕円溝部133を設けるだけで検知範囲の拡大を図ることができるため、超音波発振器10は、コスト増加を抑えることができる。
また、カバー部材13は、1つの楕円溝部133を備えたものである。さらに、スロート部132は、楕円溝部133に対して2つ並設されたものである。
この構成によれば、超音波発振器10は、複数のスロート部132を介して、より広範囲に超音波を放射することができる。
さらに、超音波発振器10は、一方のスロート部132近傍で最大振幅となるように、超音波の位相を楕円溝部133によって調整することができる。このため、超音波発振器10は、一方のスロート部132を介して放射される超音波の強度を、他方のスロート部132を介して放射される超音波の強度に比べて高めることができる。
つまり、超音波発振器10は、スロート部132を介して外部に放射される超音波の指向性を、1つの楕円溝部133と2つのスロート部132とで制御することができる。
よって、超音波発振器10は、所望される方向の検知範囲を拡大することができる。
また、振動子12から楕円溝部133の底部分133bに至る長手方向Xの間隔Dが、超音波の略1/4波長である。
この構成によれば、超音波発振器10は、スロート部132を介して、外部に放射される超音波の強度を最も向上することができるため、検知範囲をより遠方まで拡大することができる。
次に、実施例1の超音波発振器10に対して楕円溝部の数が異なる超音波発振器30について、図10から図12を用いて説明する。
なお、図10は実施例2における超音波発振器30の外観斜視図を示し、図11は長手方向Xに沿った縦断面における超音波発振器30の断面図を示し、図12は実施例2における音圧分布を説明する説明図を示している。
さらに、図12(a)は楕円溝部を設けていない超音波発振器Vの音圧分布を説明する説明図を示し、図12(b)は実施例2における超音波発振器30の音圧分布を説明する説明図を示している。
また、上述した実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例2の超音波発振器30は、図10及び図11に示すように、筐体31、振動子32、及びカバー部材33を備えている。なお、実施例2の筐体31、及び振動子32は、実施例1の筐体11、及び振動子12と同一構成のため、その詳細な説明を省略する。
カバー部材33は、図10及び図11に示すように、筐体31の開口を覆うカバー本体部331と、カバー本体部331に立設した2つのスロート部332、及び2つの楕円溝部333とで一体形成されている。
カバー本体部331は、図10及び図11に示すように、筐体31の内径に略同じ外径を有する略円板状に形成されている。なお、カバー本体部331は、図11に示すように、振動子32に対面する主面とは逆側の主面を、筐体31における開口側の端面31aに略一致させた状態で、筐体31に取付けられている。
そして、筐体31の内部には、図11に示すように、振動子32とカバー部材33とによって、振動子32の直径と略同じ直径で、かつ長手方向Xの長さが0.5mmの略円柱状の所定空間Sが形成されている。
また、2つのスロート部332は、図10及び図11に示すように、筐体31の径方向中心を挟んで、上下方向に所定間隔を隔てた位置に形成されている。このスロート部332は、実施例1の超音波発振器10におけるスロート部132と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
また、2つの楕円溝部333は、図10及び図11に示すように、スロート部332に対して上方、及び下方にそれぞれ所定間隔を隔てた位置に並設されている。換言すると、2つの楕円溝部333は、2つのスロート部332を挟んで上下方向に対向する位置に形成されている。
この2つの楕円溝部333は、実施例1の楕円溝部133と同様に、短手方向Yに長い略長楕円形状の筒状部分333aと、筒状部分333aの開口を覆う底部分333bとで、有底筒状に形成されている。
さらに、楕円溝部333は、長手方向Xにおける振動子32から底部分333bに至る間隔Dが、超音波発振器30の内部で生成される超音波の略1/4波長となるように形成されている。
そして、超音波発振器30は、上述した筐体31、振動子32、カバー部材33のカバー本体部331、及びカバー部材33の2つの楕円溝部333で、共振によって超音波を生成する超音波発生部35を構成している。
次に、楕円溝部を設けていない超音波発振器Vを比較例として、上述した超音波発振器Vが外部空間へ向けて放射した超音波の音圧分布について説明する。
まず、比較例として、楕円溝部を設けていない場合、超音波発振器Vの音圧分布は、図12(a)に示すように、発信源Gをとおって略水平に延びる仮想直線Lの上方側、及び下方側へ略均等に広い角度で広がるとともに、発信源Gから遠ざかるにつれて低下している。
一方、振動子32から底部分333bに至る間隔Dが1/4波長の楕円溝部333を2つ設けた場合、超音波発振器30の音圧分布は、図12(b)に示すように、比較例と同様に、略均等に広い角度で広がるとともに、発信源Gから遠ざかるにつれて低下している。
これは、2つの楕円溝部333を設けたことにより、上下対称形状となるため、超音波発振器30の内部では、超音波発振器Vと同様に、超音波発振器30の径方向中心を共振位置とする超音波が生じることになるためである。
換言すると、超音波発振器30は、2つの楕円溝部333によって、超音波の共振位置が、径方向中心に位置するように調整している。
さらに、振動子32から底部分333bに至る間隔Dが1/4波長の超音波発振器30では、図12(b)に示すように、高い音圧を得られる範囲が、比較例に比べて広いことがわかる。
これは、2つの楕円溝部333を設けたことにより、超音波発振器30の内部で、比較例に比べて好適な共振空間が形成され、振動子32の振動で生じた音波が、共振によって効率よく増幅されたことによるものである。
つまり、実施例2の超音波発振器30は、スロート部332を介して外部に放射される超音波の強度を向上することで、その検知範囲を拡大している。
以上のように、超音波発振器30は、超音波を放射可能な振動子32と、振動子32を収容保持するとともに、振動子32の超音波放射方向が開口した筐体31と、筐体31の開口を閉塞するカバー部材33とを備えたものである。
さらに、カバー部材33は、超音波放射方向に沿って、筐体31の内外を連通させるように開口されたスロート部332と、スロート部332に並設され、超音波放射方向へ向けて延びる楕円溝部333とを備えている。
この発明によれば、超音波発振器30は、振動子32の振動によって生じた超音波の位相を、楕円溝部333によって調整することができる。このため、超音波発振器30は、スロート部332近傍で振幅が最も大きくなるように、振動子32の振動によって生じた超音波の位相を調整することができる。これにより、超音波発振器30は、スロート部332を介して外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、超音波発振器30は、検知範囲の拡大を図ることができる。さらに、楕円溝部333を設けるだけで検知範囲の拡大を図ることができるため、超音波発振器30は、コスト増加を抑えることができる。
また、カバー部材33は、楕円溝部333を2つ備えている。さらに、2つの楕円溝部333は、スロート部332を挟んで対向配置されたものである。
この構成によれば、超音波発振器30は、振動子32の振動で生じた音波を、スロート部332近傍で最大振幅となるように、超音波の位相を2つの楕円溝部333によって調整することができる。
このため、超音波発振器30は、スロート部332を介して、外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、超音波発振器30は、スロート部332を介して、超音波を均等、かつより遠方の範囲へ向けて放射できるため、検知範囲の拡大を図ることができる。
また、振動子32から楕円溝部333の底部分333bに至る長手方向Xの間隔Dが、超音波の略1/4波長である。
この構成によれば、超音波発振器30は、スロート部332を介して、外部に放射される超音波の強度を最も向上することができるため、検知範囲をより遠方まで拡大することができる。
上述した実施例2の超音波発振器30に対して、カバー部材の構成が異なる超音波発振器40について、図13を用いて説明する。
なお、図13は実施例3における超音波発振器40の外観斜視図を示している。
また、上述した実施例2と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例3の超音波発振器40は、図13に示すように、筐体41、振動子(図示省略)、及びカバー部材42を備えている。なお、実施例3の筐体41、及び振動子は、実施例2の筐体31、及び振動子32と同一構成のため、その詳細な説明を省略する。
カバー部材42は、図13に示すように、筐体41の開口を覆うカバー本体部421と、カバー本体部421に立設した1つのスロート部422、及び4つの楕円溝部423とで一体形成されている。
カバー本体部421は、実施例2のカバー本体部331と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
また、1つのスロート部422は、図13に示すように、筐体41の径方向中心において、カバー本体部421から延設されるとともに、カバー本体部421に設けた開口を介して、所定空間Sに連通する筒状体に形成されている。
具体的には、スロート部422は、図13に示すように、長手方向Xから見て、短手方向Yに長い略長楕円形状の筒状体であって、その内部空間が、所定空間Sに連通して、超音波を外部に放射する放射口を形成している。
また、4つの楕円溝部423は、図13に示すように、スロート部422を挟んで上下方向に対向する2つの楕円溝部423と、スロート部422を挟んで短手方向Yに対向する2つの楕円溝部423とで構成されている。
換言すると、4つの楕円溝部423は、スロート部422よりも径方向外側において、周方向に所定間隔を隔てて隣接するように形成されている。
なお、実施例3の楕円溝部423は、その配置が実施例2の楕円溝部333と異なる点を除いて、略同一構成である。
すなわち、楕円溝部423は、図13に示すように、略長楕円形状の筒状部分423aと、筒状部分423aの開口を覆う底部分423bとで、有底筒状に形成されている。さらに、楕円溝部423は、長手方向Xにおける振動子から底部分423bに至る間隔が、超音波発振器40の内部で生成される超音波の略1/4波長となるように形成されている。
そして、上述した超音波発振器40は、上述した筐体41、振動子、カバー部材42のカバー本体部421、及びカバー部材42の4つの楕円溝部423で、共振によって超音波を生成する超音波発生部45を構成している。
以上のような構成の超音波発振器40は、上述した実施例2の超音波発振器30と同様に、振動子の振動によって生じた超音波の位相を、楕円溝部423によって調整することができる。このため、超音波発振器40は、スロート部422を介して外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、超音波発振器40は、検知範囲の拡大を図ることができる。さらに、楕円溝部423を設けるだけで検知範囲の拡大を図ることができるため、超音波発振器40は、コスト増加を抑えることができる。
また、カバー部材42は、楕円溝部423を4つ備えたものである。さらに、4つの楕円溝部423は、スロート部422を挟んで対向配置されたものである。
この構成によれば、超音波発振器40は、振動子の振動で生じた音波を、スロート部422近傍で最大振幅となるように、超音波の位相を4つの楕円溝部423によって調整することができる。
このため、超音波発振器40は、スロート部422を介して、外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、超音波発振器40は、スロート部422を介して、超音波を均等、かつより遠方の範囲へ向けて放射できるため、検知範囲の拡大を図ることができる。
上述した実施例2の超音波発振器30に対して、カバー部材の構成が異なる超音波発振器50について、図14を用いて説明する。
なお、図14は実施例4における超音波発振器50の外観斜視図を示している。
また、上述した実施例2と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例4の超音波発振器50は、図14に示すように、筐体51、振動子(図示省略)、及びカバー部材52を備えている。なお、実施例4の筐体51、及び振動子は、実施例2の筐体31、及び振動子32と同一構成のため、その詳細な説明を省略する。
カバー部材52は、図14に示すように、筐体51の開口を覆うカバー本体部521と、カバー本体部521に立設した1つのスロート部522、及び1つの環状溝部523とで一体形成されている。
カバー本体部521は、実施例2のカバー本体部331と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
また、1つのスロート部522は、図14に示すように、筐体51の径方向中心において、カバー本体部521から延設されるとともに、カバー本体部521に設けた開口を介して、所定空間Sに連通する筒状体に形成されている。
具体的には、スロート部522は、図14に示すように、長手方向Xから見て、短手方向Yに長い略長楕円形状の筒状体であって、その内部空間が、所定空間Sに連通して、超音波を外部に放射する放射口を形成している。
また、環状溝部523は、図14に示すように、スロート部522を囲うように、筐体51に対して略同軸上に配置された略円環状に形成されている。この環状溝部523は、長手方向Xに沿ってカバー本体部521を略溝状に凹設した形状に形成されている。
具体的には、環状溝部523は、カバー本体部521から長手方向Xへ延びる略円筒状の内壁部分523a、及び外壁部分523bと、内壁部分523aの先端、及び外壁部分523bの先端の隙間を閉塞する底部分523cとで、内部中空に形成されている。
内壁部分523aは、図14に示すように、スロート部522を覆うような直径の略円筒状に形成されている。
一方、外壁部分523bは、図14に示すように、内壁部分523aに対して径方向外側に所定間隔を隔てて対面する内周面を有する略円筒状に形成されている。
底部分523cは、図14に示すように、内壁部分523aの先端と、外壁部分523bの先端との隙間を閉塞する略円環状の平板に形成されている。
このため、環状溝部523は、長手方向Xに沿った縦断面において、実施例2における2つの楕円溝部333と略同じ断面形状に形成されている。
さらに、この環状溝部523は、長手方向Xにおける振動子から底部分523cに至る間隔が、超音波発振器50の内部で生成される超音波の略1/4波長となるように形成されている。
そして、超音波発振器50は、上述した筐体51、振動子、カバー部材52のカバー本体部521、及びカバー部材52の環状溝部523で、共振によって超音波を生成する超音波発生部55を構成している。
以上のような構成の超音波発振器50は、上述した実施例2の超音波発振器30と同様に、振動子の振動によって生じた超音波の位相を、環状溝部523によって調整することができる。このため、超音波発振器50は、スロート部522近傍で振幅が最も大きくなるように、振動子の振動によって生じた超音波の位相を調整することができる。これにより、超音波発振器50は、スロート部522を介して外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、超音波発振器50は、検知範囲の拡大を図ることができる。さらに、環状溝部523を設けるだけで検知範囲の拡大を図ることができるため、超音波発振器50は、コスト増加を抑えることができる。
上述した実施例2の超音波発振器30に対して、カバー部材の構成が異なる超音波発振器60について、図15を用いて説明する。
なお、図15は実施例5における超音波発振器60の外観斜視図を示している。
また、上述した実施例2と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例5の超音波発振器60は、図15に示すように、筐体61、振動子(図示省略)、及びカバー部材62を備えている。なお、実施例5の筐体61、及び振動子は、実施例2の筐体31、及び振動子32と同一構成のため、その詳細な説明を省略する。
カバー部材62は、図15に示すように、筐体61の開口を覆うカバー本体部621と、カバー本体部621に立設した1つのスロート部622、及び2つの楕円溝部623とで一体形成されている。
カバー本体部621は、実施例2のカバー本体部331と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
また、1つのスロート部622は、図15に示すように、筐体61の径方向中心において、カバー本体部621から延設されるとともに、カバー本体部621に設けた開口を介して、所定空間Sに連通する筒状体に形成されている。
具体的には、スロート部622は、図15に示すように、筐体61に対して略同軸上に配置された略円筒状であって、その内部空間が、所定空間Sに連通して、超音波を外部に放射する放射口を形成している。
また、2つの楕円溝部623は、図15に示すように、実施例2の楕円溝部333と同様に、スロート部622を挟んで上下方向に対向配置されている。なお、実施例5の楕円溝部623は、実施例2の楕円溝部333と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
さらに、楕円溝部623は、長手方向Xにおける振動子から底部分623aに至る間隔が、超音波発振器60の内部で生成される超音波の略1/4波長となるように形成されている。
そして、上述した超音波発振器60は、上述した筐体61、振動子、カバー部材62のカバー本体部621、及びカバー部材62の2つの楕円溝部623で、共振によって超音波を生成する超音波発生部65を構成している。
以上のような構成の超音波発振器60は、上述した実施例2の超音波発振器30と同様に、振動子の振動によって生じた超音波の位相を、楕円溝部623によって調整することができる。このため、超音波発振器60は、スロート部622近傍で振幅が最も大きくなるように、振動子の振動によって生じた超音波の位相を調整することができる。これにより、超音波発振器60は、スロート部622を介して外部に放射される超音波の強度を向上することができる。
よって、超音波発振器60は、検知範囲の拡大を図ることができる。さらに、楕円溝部623を設けるだけで検知範囲の拡大を図ることができるため、超音波発振器60は、コスト増加を抑えることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の車両用侵入検知装置は、実施形態の超音波発振器10,30,40,50,60に対応し、
以下同様に、
超音波放射方向は、長手方向Xの他方側に対応し、
溝部は、楕円溝部133,333,423,623、及び環状溝部523に対応し、
振動子から溝部の底部分に至る超音波放射方向に沿った鉛直距離は、長手方向Xにおける振動子と楕円溝部の底部分との間隔Dに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施形態において、カバー部材を備えた超音波発振器10,30,40,50,60としたが、これに限定せず、カバー部材にかえてコンソールカバーを備えた超音波発振器としてもよい。
具体的には、別の実施形態における超音波発振器70の断面図を示す図16(a)のように、筐体71、及び振動子72を有する発振器本体73と、スロート部74、及び楕円溝部75が一体形成されたコンソールカバー76とで構成された超音波発振器70であってもよい。この場合、超音波発振器70は、発振器本体73と、コンソールカバー76の楕円溝部75とで超音波発生部を構成している。
また、上述した実施形態において、スロート部132,332,422,522,622と溝部(楕円溝部133,333,423,623、環状溝部523)とが上下方向に離間した超音波発振器10,30,40,50,60としたが、これに限定しない。例えば、スロート部の内部空間と溝部(楕円溝部または環状溝部)の内部空間とを隔てる壁部分があれば、スロート部と溝部(楕円溝部または環状溝部)とが一体的に形成された超音波発振器であってもよい。
具体的には、別の実施形態における超音波発振器80の断面図を示す図16(b)のように、楕円溝部81における筒状部分81aの一部が、スロート部82で構成されるように、スロート部82と楕円溝部81とが一体形成された超音波発振器80であってもよい。
また、上述した実施形態において、略長楕円形状、または略円筒状のスロート部としたが、これに限定せず、超音波を外部に放射可能であれば、例えば、略矩形のスロート部であってもよい。
また、上述した実施形態において、楕円溝部、または環状溝部としたが、これに限定せず、振動子の振動で生じた音波を反射する底部分を有する形状であれば、適宜の形状の溝部であってもよい。例えば、略矩形の筒状部分と底部分とで構成された溝部、あるいは略円筒状の筒状部分と底部分とで構成された溝部であってもよい。
また、実施例1において、スロート部132を2つ備えた超音波発振器10としたが、これに限定せず、少なくとも2つ以上のスロート部を備えた超音波発振器であればよい。
また、実施例2において、2つのスロート部332を備えた超音波発振器30としが、これに限定せず、別の実施形態における超音波発振器30の外観斜視図を示す図17(a)のように、略長楕円形状のスロート部332を1つ備えた超音波発振器30としてもよい。
また、実施例3において、略長楕円形状のスロート部422を備えた超音波発振器40としが、これに限定せず、別の実施形態における超音波発振器40の外観斜視図を示す図17(b)のように、略円筒状のスロート部424を備えた超音波発振器40としてもよい。
また、実施例4において、略長楕円形状のスロート部522を備えた超音波発振器50としが、これに限定せず、別の実施形態における超音波発振器50の外観斜視図を示す図18のように、略円筒状のスロート部524を備えた超音波発振器50としてもよい。
1…車両
10,30,40,50,60,70,80…超音波発振器
11,31,41,51,71…筐体
12,32…振動子
13,33,42,52,62…カバー部材
74,82,132,332,422,424,522,524,622…スロート部
75,81,133,333,423,623…楕円溝部
76…コンソールカバー
133b,333b,423b,523c,623a…底部分
523…環状溝部
D…間隔

Claims (4)

  1. 車室内への不正な侵入を検知するための車両用侵入検知装置であって、
    超音波を放射可能な振動子と、
    該振動子を収容保持するとともに、前記振動子の超音波放射方向が開口した筐体と、
    該筐体の開口を閉塞するカバー部材とを備え、
    該カバー部材は、
    前記超音波放射方向に沿って、前記筐体の内外を連通させるように開口されたスロート部と、
    該スロート部に並設され、前記超音波放射方向へ向けて延びる溝部とを備えた
    車両用侵入検知装置。
  2. 前記カバー部材は、少なくとも1つの前記溝部を備え、
    前記スロート部は、前記溝部に対して複数並設された
    請求項1に記載の車両用侵入検知装置。
  3. 前記カバー部材は、前記溝部を複数備え、
    複数の前記溝部は、前記スロート部を挟んで対向配置された
    請求項1に記載の車両用侵入検知装置。
  4. 前記振動子から前記溝部の底部分に至る前記超音波放射方向に沿った鉛直距離は、前記超音波の略1/4波長である
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両用侵入検知装置。
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